JPH07255675A - 眼球運動測定装置用ゴーグル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼球運動を測定するためのゴーグルを、被検
者の顔面に容易に位置決め装着することができ、眼球画
像を連続的に安定して認識できるようにする。 【構成】 ゴーグル２１の筐体１の眼球に対向する側の
端面外周に円環状の鍔部２３を突出して形成し、鍔部２
３を介して円環状の粘着テープ２２によりゴーグル２１
を被検者の顔面２４に接着固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、被検者の病状を診断す
る際などに用いられる眼球運動測定装置用ゴーグルに係
り、特に被検者の顔面に対する装着位置を容易に調整す
ることのできる単眼あるいは両眼の眼球運動測定装置用
ゴーグルに関する。

【０００２】

【従来の技術】めまい患者などの診断のためには、眼球
運動の水平、垂直方向及び回旋成分の測定が重要であ
る。本出願人は先に特願平２−１１６９４３号により、
眼球運動の水平、垂直、回旋成分を短時間で測定するこ
とのできる眼球運動測定装置を提案した。この装置の一
例に用いられるゴーグルの概略構成を図３及び図４に示
す。これらの図において、有底円筒状の筐体１の底部１
ａには、撮像カメラであるビデオカメラ２が同心上に取
り付けられている。ビデオカメラ２の前面に設けられた
光学レンズ部２ａの周囲には、環状の基板３に同心上に
取り付けられた複数個、例えば８個の光源としてのＬＥ
Ｄ４が配設されている。また光学レンズ部２ａとＬＥＤ
４との間には、ＬＥＤ４から発した光が直接ビデオカメ
ラ２側に漏れないようにするために、円筒状の遮蔽板５
が同心上に設けられている。さらにビデオカメラ２はケ
ーブル６によって図示しないコントロールユニットに接
続されている。

【０００３】上記のように構成されたゴーグルを用いて
眼球運動を測定するときは、ビデオカメラ２の光軸延長
が被検者の眼球７の中心に位置するように、ゴーグルを
被検者の頭部に装着する。次に光源４を被写体ぶれが生
じない程度の時間、例えば１／３００秒乃至１／１００
０秒程度点灯し、ビデオカメラ２により眼球７を撮影
し、図示しないＶＴＲにより第１画面を録画する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】眼球画像の画像認識を
連続的に安定して行うためには、眼球画像がカメラブレ
を起こさないようにすることも重要である。このため従
来はゴーグルの軽量化を図ったり、ゴーグルを顔面に装
着するためのバンドを強く締めたり、ヘッドバンドを使
用したりしていた。しかしながらバンドを使用すること
は被検者にとって負担となり、コストも高くなるという
問題があった。また１対のゴーグルを中継バンドで連結
し、一方のゴーグルを左眼用、他方のゴーグルを右眼用
として使用する場合には、左眼と右眼の間隔に合わせて
両ゴーグル間の間隔を調整しなければならないが、中継
バンドの長さ調整に時間がかかり、実際に測定を開始す
る前に時間を損失するという問題もあった。

【０００５】一方、１対のゴーグルを両面テープにより
別々に顔面に接着する方法もあるが、ゴーグルを装着す
るときに被検者がモニタを見ながら、眼球位置を画像認
識しやすい位置に合わせて接着しなければならず、１回
でゴーグルを両面テープで固定することはできない。こ
のように両面テープで張り直しながら位置決めすると、
両面テープの粘着力が低下して確実な固定が困難になる
欠点があった。

【０００６】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
もので、被検者の顔面に対する装着位置を容易に調整す
ることができ、カメラブレを起こさずに眼球画像の画像
認識を連続的に安定して行うことができる単眼あるいは
両眼の眼球運動測定装置用ゴーグルを提供することを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の本発明は、眼球に撮像用の光を照
射する光源と、該光源から発する光により眼球運動を撮
影する撮像カメラとを備え、被検者の前記眼球の前面に
装着される眼球運動測定装置用ゴーグルにおいて、前記
ゴーグルの前記眼球側端面の外周に突出する鍔部を設
け、該鍔部と前記被検者の顔面とを粘着テープにより一
体に接着固定するようにしたことを特徴とする。

【０００８】請求項２に記載の眼球運動測定装置用ゴー
グルは、前記粘着テープは、外径が前記鍔部の外径より
大きく、内径が前記ゴーグル本体の外周に挿入可能な円
環状に形成されたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】上記のように構成された本発明の眼球運動測定
装置用ゴーグルにおいては、粘着テープを付けない状態
でゴーグルを顔面に装着し、モニタの眼球画像を見なが
ら画像認識しやすい位置を選んで位置決めし、この状態
を保持して円環状の粘着テープをゴーグルの外周に挿入
し、この外周に突出して形成された鍔部に接着する。そ
してゴーグルと粘着テープとを一体にして、粘着テープ
の鍔部外周から突出した部分を被検者の顔面に接着固定
する。このようにすることにより、眼球画像がカメラブ
レを起こさず、眼球画像の画像認識を連続的に安定に行
うことができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の眼球運動測定装置用ゴーグル
の一実施例を図面を参照して説明する。

【００１１】図１及び図２に本発明の一実施例の構成を
示す。これらの図において、図３に示す従来例の部分に
対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は
適宜省略する。本実施例の特徴はゴーグル２１の筐体１
の眼球７に対向する側の端面外周に、環状の粘着テープ
２２を接着するための環状の鍔部２３を外側に向って突
出して同心上に一体に形成した点にあり、ゴーグル２１
の内部構成は図３に示す従来例と同様である。粘着テー
プ２２の内径は筐体１の外径とほぼ等しくなっており、
筐体１の外周に容易に挿入可能である。また粘着テープ
２２の外径は鍔部２３の外径より大きくなっており、粘
着テープ２２を筐体１の外周に同心上に挿入し、鍔部２
３に接着したとき、粘着テープ２２の外周が鍔部２３の
外周から突出するようになっている。

【００１２】次に本実施例の作用を説明する。まず、粘
着テープ２２を付けない状態でゴーグル２１を図２に示
すように顔面２４に装着し、図３に示すＬＥＤ４を点灯
しビデオカメラ２により眼球７を撮影して、モニタに写
し出された眼球画像を見ながら画像認識しやすい位置を
選んで位置決めする。この状態を保持して粘着テープ２
２をゴーグル２１の外周に挿入し、鍔部２３に接着す
る。さらに鍔部２３の外周から突出した部分の粘着テー
プ２２を被検者の顔面２４に接着固定する。

【００１３】本実施例によれば、バンドなどを用いずに
ゴーグル２１を所望の位置に容易に位置決めして固定す
ることができ、カメラブレを起すことなく眼球画像の画
像認識を連続的に安定して行うことができる。特に左右
両眼にそれぞれゴーグルを装着するときには、従来の中
継バンドの長さ調整のような作業を行う必要がなくな
り、短時間で装着することができる。なお最近はビデオ
カメラが小型化、軽量化されているので、粘着テープ２
２によりゴーグル２１を顔面２４に確実に保持すること
ができる。

【００１４】上記実施例では粘着テープ２２が円環状に
形成された場合について説明したが、粘着テープ２２の
形状は円環状に限定されず、例えば複数個に分割された
シート状のものであってもよい。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の眼球運動
測定装置用ゴーグルによると、ゴーグルの端面外周に突
出する鍔部を設け、鍔部を介して粘着テープによりゴー
グルを被検者の顔面に接着固定するようにしたので、ゴ
ーグルを所望の位置に容易に位置決め固定することがで
き、カメラブレを起すことなく眼球画像の画像認識を連
続的に安定して行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の眼球運動測定装置用ゴーグルの一実施
例の構成を示す斜視図。

【図２】図１のゴーグルの顔面への装着状態を示す説明
図。

【図３】眼球運動測定用ゴーグルの一例の内部構造を示
す縦断面図。

【図４】図３の平面図。

【符号の説明】

２ ビデオカメラ（撮像カメラ） ４ ＬＥＤ（光源） ７ 眼球 ２１ ゴーグル ２２ 粘着テープ ２３ 鍔部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 眼球に撮像用の光を照射する光源と、該
   光源から発する光により眼球運動を撮影する撮像カメラ
   とを備え、被検者の前記眼球の前面に装着される眼球運
   動測定装置用ゴーグルにおいて、 前記ゴーグルの前記眼球側端面の外周に突出する鍔部を
   設け、該鍔部と前記被検者の顔面とを粘着テープにより
   一体に接着固定するようにしたことを特徴とする眼球運
   動測定装置用ゴーグル。
2. 【請求項２】 前記粘着テープは、外径が前記鍔部の外
   径より大きく、内径が前記ゴーグル本体の外周に挿入可
   能な円環状に形成されたことを特徴とする請求項１記載
   の眼球運動測定装置用ゴーグル。