JPH11225968A - 眼球運動観察用装着具、視標投影装置、及びこれらを用いた平衡機能検査装置 - Google Patents

眼球運動観察用装着具、視標投影装置、及びこれらを用いた平衡機能検査装置

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JPH11225968A
JPH11225968A JP10030278A JP3027898A JPH11225968A JP H11225968 A JPH11225968 A JP H11225968A JP 10030278 A JP10030278 A JP 10030278A JP 3027898 A JP3027898 A JP 3027898A JP H11225968 A JPH11225968 A JP H11225968A
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Yutaka Ito
伊藤  豊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検者の頭部運動に拘らずに画像ブレがなく明
瞭に眼球運動を撮像でき、眼球運動と頭部運動を同時か
つ同期的に観察することができ、前庭眼反射、自然視前
庭眼反射、固視前庭眼反射などの検査も一台でできる眼
球運動観察用装着具を提供する。 【解決手段】眼球運動観察用装着具1は、被検者の顔面
もしくは頭部に装着される装着具本体2に、撮像カメラ
3を内蔵し、この撮像カメラ3によって撮影した前眼部
の動画像をビデオ信号として取り出すようにし、装着具
本体2には、被検者が外部を直視できる透視部4を設け
るとともに、前眼部を照らす光源5と撮像カメラ3と
を、被検者が透視部4を通じて外部を自然視するのを妨
げない位置に配設している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耳鼻科、神経内
科、脳神経外科などにおいて、めまいや平衡機能障害な
どの診療に用いられる平衡機能検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】耳鼻科、神経内科、脳神経外科などにお
いて、めまいや平衡機能障害などの診療においては、目
への刺激、頭部への刺激、あるいは耳への刺激に対し
て、眼球がどのような運動をするかを調べる眼振検査が
広く行われている。これは、目への刺激、例えば、動く
物を見る場合の、その動体への目の追従度を健常者と比
較することによって、視覚系の異常を知ることができる
からである。また、頭への刺激、例えば、頭部を水平に
回転させる刺激、より具体的には首を左右に振る刺激に
対する眼球運動を健常者と比較することによって、人体
がうける種々の加速度を検知している前庭や三半規管な
どの平衡機能系の異常を知ることができるからである。
これは、前庭などの刺激に反応して、眼球が一定の運動
をするという知見に基づくものである。
【0003】この眼振検査には、前庭眼反射(VOR:
VESTIBULO-OCULAR REFLEX)、自然視前庭眼反射(Vi
s−VOR:VISUAL-VESTIBULO-OCULAR REFLEX)、固視
前庭眼反射(VOR−FIX:FIXATION SUPPRESSION O
F THE VESTIBULO-OCULAR REFLEX)を検査するものがあ
る。前庭眼反射は、頭部に生理的な回転刺激などを与え
ると視野を安定するために頭部と反対に眼球が変位する
という反射であり、この反射についての解剖学的な神経
の連絡や、生理学的な動特性については非常に多くの報
告、知見があり、定量性が高く個体差の少ないものであ
ることが知られている。前庭眼反射の検査は、眼球への
視刺激の影響を避けるため、暗視下において頭部運動な
どに対する眼球運動を調べることによって行われる。
【0004】これに対し、自然視前庭眼反射は、明視下
において、静止したあるいは動く目標物を注視させた場
合の目標物の運動と眼球運動の関係を調べるものであ
り、固視前庭眼反射は、明視下において、頭部と同時に
動く目標物を注視させたままで頭を動かした場合の、頭
部運動に対する眼球運動を調べるものである。この場
合、頭に回転運動を与えたりした場合でも、常にブレな
く正確に、眼球運動のみを捕らえることができることが
重要な条件となる。また、特に、頭部運動に対する眼球
運動の関係が重要なので、これらの関係を、同時にかつ
同期的に観察し記録するこができることも重要である。
【0005】このような眼振検査に用いられる眼球運動
の記録観察法として肉眼観察、フレンツェル眼鏡下観
察、キモグラフィー、映画撮影、ビデオ記録、電気的あ
るいは光学的記録方法、電磁的記録法などがあるが、肉
眼観察、フレンツェル眼鏡下観察などは、定性的で客観
性に欠けていた。客観的な記録方法としては、キモグラ
フィー以下の方法があり、近年では、主に、電気的記録
法である電気眼振計(ENG:ELECTRO-NYSTAGMOGRAPH
Y)と電磁的記録法であるサーチコイル法が用いられて
いる。
【0006】電気眼振検査は、頭部あるいは顔面の適所
に電極を装着し、眼球の回転に伴う網膜角膜電位による
検知電位の変化を測るもので、客観的、定量的な記録が
でき、閉眼、暗所、頭部回転中でも観察可能で、装置が
比較的安価で、これまで、最も広く用いられている。し
かし、眼球回旋運動が記録できない、生体電気を計測す
るため外部干渉が多い、頭部運動を検知するのに、別途
装着具などを用いて頭部センサを設ける必要があるな
ど、検査自体が大掛かりとなり、時間を要するため患者
の負担となり、日常臨床的に簡単に用いることはできな
かった。
【0007】一方、眼球回旋運動も記録できる方法とし
てサーチコイル法があるが、これは、眼球にムービング
コイルを貼り付け、その動きを観察するもので、被検者
の眼球にコイルを直接貼り付けるので、人体への侵襲の
点で不都合があり、また、電気眼振検査と同様に、頭部
運動センサを別途設けるなど煩雑な手間を要し、日常臨
床的には普及していない。
【0008】これらの問題を解決する方法として、眼球
をビデオカメラで撮像し、その動画像を観察、記録する
方法が注目されている。出願人も、すでに、特開平9−
285468号において、上記諸問題を解決する平衡機
能検査装置を提案している。この平衡機能検査装置は、
初めて、前庭眼反射、自然視眼反射、固定視眼反射など
を単一の装着具によって観察、記録することができる簡
易軽量の装置であった。
【0009】図21は、このような従来の平衡機能検査
装置の一例を示す概念的内部構造図である。この図は、
平衡機能検査装置のうち、被検者Mの顔面に装着される
装着具100の内部構造を概略的に示すものである。1
01は、被検者Mの前眼部Pを照らす光源であり、非可
視領域の赤外線を発生する。102は、撮像カメラであ
って、ここでは赤外線CCDカメラが用いられ、被検者
Mの直視方向106にちょうど対面する位置に設置さ
れ、前眼部Pを撮像する。103は、撮像カメラ102
からの撮像信号を処理して所定の汎用のビデオ信号を出
力する画像処理手段である。
【0010】104は、頭部運動を検知する頭部センサ
で、ここでは、頭部運動の角速度を検知して、その測定
信号を出力する。105は、装着具100を頭部に固定
するベルトである。107は、ハーフミラーであって、
撮像カメラ102からは、被検者Mの前眼部Pを撮像で
きるが、被検者Mからは、撮像カメラ102は見ること
ができないようになっている。一方、ハーフミラー10
7に対面する形で、さらに、ミラー108が設けられ、
図の矢印線に示すように外光が取り入れられるので、被
検者は、この2枚のミラー107、108を介して、外
部を見ることができるようになっている。
【0011】この平衡機能検査装置によれば、ミラー1
08は、開閉式となっており、これを閉めると外光を遮
断して、装着具100の内部は、暗所状態となるので、
非可視領域の赤外線を使用して、前庭眼反射の検査をす
ることができる。ミラー108を開くと、被検者は外部
を見ることができるので、自然視前庭眼反射の検査もす
ることができる。さらに、ミラー108を開いた状態
で、この装着具に収納可能に設けられた固視目標物(不
図示)が見えるようにすると、固視前庭眼反射の検査も
することができるのである。
【0012】しかし、撮像カメラを眼の前の直視方向に
対面させて置き、自然視を可能とするためハーフミラー
などを使用していたため、構造が複雑となり、装着具の
顔面からの突き出し長さが長いため、回転慣性モーメン
トが大きく、検査のため、頭部回転刺激などを与えると
装着具がズレて、正確な検査ができないなどの問題があ
り、さらなる改善が望まれていた。
【0013】また、自然視状態での眼反射検査では、固
視目標物や固視視標、所定の条件に従って動かすことの
できる視標が必要である。従来、このための客観的な観
察、記録ができる装置として、半円形のスクリーンや、
円弧状のスクリーンに光点を表示する装置など用いられ
ていたが、装置規模が大きく、また視標提示中の眼球運
動を観察するにはENG装置やサーチコイルと組み合わ
せて使用するしかなく、全体として、平衡機能検査装置
が大型化、複雑化していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決すべく、被検者の頭部運動に拘らずに画像
ブレがなく明瞭に眼球運動を撮像でき、眼球運動と頭部
運動を同時かつ同期的に観察することができ、前庭眼反
射、自然視前庭眼反射、固視前庭眼反射などの検査も一
台でできる眼球運動観察用装着具と、これと共に用いら
れる簡便な視標投影装置、及び、これらの眼球運動観察
用装着具と視標投影装置を用い、その観察結果を表示、
記録、分析処理することができ、定量的かつ簡便に頭部
運動と眼球運動の関係を観察し、記録することができる
平衡機能検査装置とを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1から7は、主と
して平衡機能検査に用いられる、眼球運動観察用装着具
に関するものである。請求項1に記載の眼球運動観察用
装着具は、被検者の顔面もしくは頭部に装着される装着
具本体に、撮像カメラを備え、この撮像カメラによって
撮影した前眼部の動画像をビデオ信号として取り出すよ
うにした眼球運動観察用装着具において、前記装着具本
体には、前記撮像カメラを、被検者が自然視する直視方
向を妨げない位置に配設した構成としている。
【0016】装着具には、自然視の直視方向を逃がす状
態で前眼部を撮像できる撮像カメラが備えられ、そのま
まの状態で自然視可能で、その自然視の状態を撮像カメ
ラで撮像し、ビデオ信号として取り出すことができる眼
球運動観察用装着具の最も、基本的なタイプである。請
求項2に記載の眼球運動観察用装着具は、被検者の顔面
もしくは頭部に装着される装着具本体に、撮像カメラを
内蔵し、この撮像カメラによって撮影した前眼部の動画
像をビデオ信号として取り出すようにし、前記装着具本
体には、被検者が外部を直視できる透視部を設けるとと
もに、前眼部を照らす光源と前記撮像カメラとを、被検
者が透視部を通じて外部を自然視するのを妨げない位置
に配設している。
【0017】装着具には、直視方向を逃がす状態で前眼
部を撮像できる撮像カメラが設けられ、被検者は、透視
部を通して自然視可能で、この状態で前眼部を撮像し、
ビデオ信号として取り出すことができる。このように、
直視方向を確保する位置に撮像カメラを設けたため、ハ
ーフミラーとミラーの組み合わせなどの方法で外光を取
り入れるようにした従来の眼球運動観察用装着具に比
べ、構造が簡単で、顔面からの出っ張りが減り、頭部回
転時の慣性モーメントも小さくなって、装着具のズレを
無くすことができる。
【0018】装着具の顔面に接触する部分は合成樹脂ゴ
ムなどの弾性、遮光性、また、坑菌性のある材料で作ら
れた水中メガネ様のもので、接触面は顔面に対し光を通
さないように密着し、また、顔面表面形状に沿うような
形状を有しており、装着ベルトで頭部に取りつけられた
場合には、頭部に通常の眼振検査の回転運動などを与え
た程度ではズレないようになっている。
【0019】前眼部を照らす光源は、後に説明するよう
に、装着具を暗視状態でも使用するため、非可視領域の
赤外線を発するものがよく、それに対応して、撮像カメ
ラは、小型で高画質の赤外線CCDカメラが望ましい
が、それに限定されない。透視部は、被検者の眼に外光
が入るようになっているもの、つまり、自然視できるよ
うになっているものであればなんでもよい。また、眼振
検査は、あまり明るい所は適さないので、透視部にはガ
ラスなどを設け、外光が入らないように着色するなどし
て、透過率を小さくすると良いが、これに限らない。
【0020】ビデオ信号は、白黒2値画情報やカラー画
情報に、水平、垂直同期信号を加えた複合映像信号とす
る。ビデオ信号出力端子より取り出すビデオ信号の方式
をNTSC標準方式の他、SECAM方式、PAL方式
にしておけば、撮像した眼球の動画を一般のテレビジョ
ン受像機の画面に映し出して観察できる。この眼球運動
観察用装着具を使うと、画像のズレ無く、自然視前庭眼
反射や、自然視状態、あるいは、明視状態の眼球運動の
明瞭な観察をすることができる。
【0021】請求項3に記載の眼球運動観察用装着具
は、請求項2において、前記透視部は、カバー、シャッ
ターなどの外光遮断手段を設けているものである。カバ
ー、シャッターなどを開けば、外部を自然状態で直視で
き、閉じれば暗視状態となる。シャッターはカメラのよ
うな絞り型、液晶シャッターなどで構成できる。また、
合成樹脂などで作られた遮光性のカバーを被せて、覆う
ようにしてもよい。暗視状態の撮影では、光源として非
可視領域の赤外線を照射し、撮像カメラは赤外線暗視カ
メラを用いる。この眼球運動観察用装着具を用いると、
前庭眼反射が観察できる。
【0022】請求項4に記載の眼球運動観察用装着具
は、請求項1または2において、装着具本体には、透視
部を自然視状態で直視したときに視認することのできる
固視目標物を設けた構造としている。固視目標物とは、
固視前庭眼反射を観察する時に用いられる注視目標物で
あり、頭部運動と同時に動き、常に被検者の直視方向に
見えるものである必要がある。また、この固視目標物
は、光像などのようにスクリーンなどに投影されて初め
て視認される像ではなく、物理的な形を備えた有体物で
ある。
【0023】本発明では、固視目標物は頭部に固定され
た装着具に設けられているので、頭部と一緒に動き、こ
の条件を満たしている。また、簡便な装置であるので、
この装着具によれば固視前庭眼反射を簡単に観察でき
る。請求項5に記載の眼球運動観察用装着具は、請求項
4において、前記固視目標物は、前記装着具本体に収納
可能に設けられている。
【0024】固視目標物が収納可能なので、装着具の収
納時に便利である。請求項6に記載の眼球運動観察用装
着具は、請求項1〜5のいずれかにおいて、装着具本体
には、さらに、被検者の頭部の動きに応じた速度、加速
度、角度、角速度、角加速度を検出する頭部センサを設
けており、その測定信号も取り出せる構成としている。
【0025】被検者の眼球の動きの動画像のビデオ信号
とともに、頭部の動きを測定した測定信号も得られるの
で、平衡機能検査の診断データとして好適である。請求
項1及び2の構成を備えたものでは、自然視前庭眼反射
などの眼球運動のデータ、請求項3の構成を備えたもの
では、暗視下での前庭眼反射の頭部運動と眼球運動のデ
ータ、請求項4及び5の構成を備えたものでは、固視前
庭眼反射の頭部運動と眼球運動のデータを同時に得るこ
とができる。
【0026】この眼球運動観察用装着具では、ビデオ再
生機器に接続すれば、眼球の画像のみが画面に表示され
る。頭部センサの測定信号を画面表示するためには、オ
シロスコープなどの表示手段で表示させるか、さらにコ
ンピュータに測定信号を取り込み、信号を処理し画像を
生成してから画面に表示させる必要がある。
【0027】すなわち、このものでは、出力は、ビデオ
信号と、センサからの測定信号の2つが存在しており、
コンピュータでは、インターフェースを介在させて2つ
の信号を取り込んで、合成画像を生成した後に、画面に
表示させる。画面表示は、リアルタイムが望ましいが、
後述するように、一旦、記録装置に記録してから、再生
・処理して表示させてもよい。
【0028】請求項7に記載の眼球運動観察用装着具
は、請求項6において、頭部センサから出力される測定
信号を、撮像カメラによって撮影された画像信号に同期
させて合成するビデオ信号混合生成手段を備えた構成と
している。このものでは、ビデオ出力端子は1つであ
り、これをテレビジョン受像機のビデオ入力端子に接続
すれば、眼球とセンサの測定信号を合成した映像が画面
に表示される。
【0029】センサの測定信号は、グラフ、数値とし
て、眼球の画像と合成されて表示されるので、医者はそ
の映像を見てすぐに診断することもできる。請求項8か
ら14は、主として平衡機能検査に用いられる、視標投
影装置に関するものである。
【0030】請求項8に記載の視標投影装置は、被検者
の顔面もしくは頭部に装着され、その内部に内蔵させた
撮像カメラによって撮影した眼球の動画像をビデオ信号
として取り出すようにした眼球運動観察用装着具の装着
具本体の適所に視標投影手段を設け、この視標投影手段
によって固視視標像を前方に配置したスクリーンや壁な
どに投影させる構成としている。
【0031】固視視標像とは、固視前庭眼反射を観察す
る時に用いられる注視目標像であり、頭部運動と同時に
動き、常に被検者の直視方向に見えるものである必要が
ある。また、この固視視標像は、物理的な形を備えた有
体物ではなく、視標投影手段によって、スクリーンなど
に投影されて初めて視認される像である。本発明では、
固視視標像は、頭部に固定された装着具に設けられた視
標投影手段によって投影されるので、頭部と一緒に動
き、この条件を満たしており、また、簡便な装置である
ので、固視前庭眼反射を、簡単に観察できる。
【0032】視標投影手段は、レーザーポインタが軽量
・小型で、その投影像も明瞭なので好適に用いられる
が、これに限るものではない。また、投影先は、特別の
スクリーンを設けてもよいが、検査室の壁面などでもよ
く、コストと手間を省くことができる。請求項9に記載
の視標投影装置は、被検者が座る回転可能な検査用椅子
の適所で、その回転中心となる位置付近に設けた視標投
影手段によって被検者の視認可能な固視視標像を前方に
配置したスクリーンなどに投影させる構成としている。
【0033】被検者が座る検査用椅子にアームや、支持
フレームなどを設けて視標投影手段を設置し、被検者が
自然状態で直視できる前方に、固視視標像を投影させる
ようにしている。この場合は、検査用椅子を回転させる
ことによって、被検者の頭部も同時に回転し、その椅子
の回転中心付近された視標投影手段によって、簡単に固
視視標像を実現することができ、固視前庭眼反射の観察
ができる。
【0034】請求項10に記載の視標投影装置は、請求
項8、9のいずれかにおいて、前記視標投影手段は、被
検者の前方に投影される視標の投影位置を、上下あるい
は水平方向に角度調整可能な構造としている。固視視標
像の投影方向の水平方向の角度と、伏角、仰角の調節が
でき、被検者が最も見やすい部分に投影像をセットする
ことができる。
【0035】請求項11に記載の視標投影装置は、請求
項8〜10のいずれかにおいて、前記視標投影手段は、
前記固視視標像に替えて、投影角度が被検者の直視方向
に対して変化しながら動く視標像を、前方に設置された
スクリーンや壁などに投影することができる。視標投影
手段は、その視標投影手段を水平軸を中心に回転自由に
支持する支柱に支えられており、外力を加えると、その
視標投影方向を上下方向に滑らかに替えることができ、
外力を加えないと、その角度位置を保持するようになっ
ている。さらに、この支柱は、その支柱を垂直軸を中心
に回転自由に支持する台座に設置されており、外力を加
えると、その視標投影方向を水平方向に滑らかに替える
ことができ、外力を加えないと、その角度位置を保持す
るようになっている。
【0036】このように支持された視標投影手段は、例
えば、検者が、手動で操作することによって、被検者の
頭中心に、視標像を、適宜、動かすことができ、その視
標像の動きに対して、被検者の眼球がどのように追従す
るかを検査する追従性眼球運動検査(あるいは、視刺激
検査)である注視眼振検査などをすることができる。請
求項12に記載の視標投影装置は、請求項11におい
て、前記視標投影手段は、さらに、視標像が投影される
投影線角度を検出し、その測定信号を出力する視標投影
角度センサを有している。
【0037】投影角度を定量的に捕らえることのできる
視標投影角度センサを有しているので、その測定信号を
利用することにより、注視視標像の位置変化に対する眼
球運動の追従性の定量的な観測をすることができる。請
求項13に記載の視標投影装置は、請求項8〜12にお
いて、前記視標投影手段は、被検者の眼球の直視方向に
対して任意の角度をなす方向に、視標像の投影、非投
影、断続投影を外部から制御装置によって制御できるよ
うにしている。
【0038】この視標投影装置は、明視下で、種々の追
従性眼球運動の観察を行うために好適に使用されるもの
で、同時に複数の視標像を投影することもできる。例え
ば、直視方向に対して一定角度をなす視標像を投影し
て、眼球運動が設定している角度通り運動するか観察し
たり、また、一定角度をなす視標像を、設定した順番で
投影して、それに対する眼球の追従度を観察したり、ま
た、ランダムな方向に視標像を投影して、それに対する
眼球の追従度を観察したりすることができる。
【0039】また、この制御データは、簡単にデータと
して取り出し、保存することができるので、眼球運動の
データと比較することによって、眼球の追従運動の定量
的な観察、記録をすることができる。請求項14に記載
の視標投影装置は、請求項8〜13において、前記視標
投影手段がレーザーポインタであることを特徴としてい
る。レーザーポインタは軽量小型で、その投影像も明瞭
なので、好適な視標像を得ることができる。請求項15
から18は、請求項1から7に記載の眼球運動観察用装
着具、あるいは/かつ、請求項8〜14に記載の視標投
影装置を用いた平衡機能検査装置に関するものである。
【0040】請求項15に記載の平衡機能検査装置は、
請求項1〜6に記載の眼球運動観察用装着具から出力さ
れるビデオ信号とともに、請求項6に記載の眼球運動観
察用装着具の頭部センサからの測定信号、あるいは、請
求項12に記載の視標投影装置の視標投影角度センサか
らの測定信号をデジタル処理して、CD−R、MOディ
スク、カセットストリーマなどの光、磁気、光磁気の記
録媒体に記録させる記録装置と、表示画面を有し、この
記録媒体に記録されたビデオ信号と、前記いずれかの測
定信号とを同期させて読み出し、画像処理、信号処理を
施して、同じ表示画面に表示させる再生表示装置とを備
え、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録
することができる。
【0041】眼球運動観察用装着具からは、眼球画像は
アナログのビデオ信号の形で、頭部センサの測定信号は
アナログ信号として出力される。しかし、眼球画像がデ
ジタル信号で出力されるようにしてもよい。装着具から
出力されるビデオ信号はビデオボード(ビデオインター
フェース。ADボードも含む。)を使用して、デジタル
化され、またセンサの測定信号もデジタル化される。
【0042】このようにしてデジタル化された信号は、
さらに記録装置に取り込まれ、双方の同期的な対応が維
持されて記録媒体の種別に応じたフォーマットで記録媒
体に記録させる。かくして、記録媒体に記録された眼球
画像とセンサの信号は、それぞれが同期して読み出さ
れ、所定の処理がなされて、画像合成されて、同じ表示
画面に表示される。
【0043】このようなシステムでは、必要な画像処理
はコンピュータで行えるために、記録再生表示装置はコ
ンピュータとその表示画面を用いて代用することができ
る。コンピュータとしては市販のパソコンやワークステ
ーションが使用でき、記録装置も市販のCD−Rドライ
ブ、MOドライブなどを使用することができ、専用の記
録装置や再生装置を使用しなくてもよく、設備費が軽減
でき、既に存在するパソコンやワークステーションのシ
ステムをそのまま使用できる。
【0044】請求項16に記載の平衡機能検査装置は、
請求項7に記載の眼球運動観察用装着具から出力される
合成ビデオ信号をデジタル処理して、CD−R、MOデ
ィスク、カセットストリーマなどの光、磁気、光磁気の
記録媒体に記録させる記録装置と、表示画面を有し、こ
の記録媒体に記録された合成ビデオ信号を読み出して、
眼球の画像とセンサの測定情報とを、画像処理、信号処
理を施して、同じ表示画面に表示させる再生表示装置と
を備え、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、
記録することができる。
【0045】眼球運動観察用装着具からは、眼球の画像
とセンサの測定信号を画像生成した合成画像が合成ビデ
オ信号として出力される。この合成ビデオ信号はビデオ
ボード(ビデオインターフェース)を使用してデジタル
化する。このようにしてデジタル化された信号は、さら
に記録装置に取り込まれ、双方の同期的な対応が維持さ
れて記録媒体の種別に応じたフォーマットで記録媒体に
記録させる。
【0046】記録媒体には眼球画像とセンサの測定信号
の画像が、フレーム毎あるいはフィールド毎にデジタル
化されて記録されているので、再生表示装置では、その
情報を順次読みだして、処理を施し、所定の方式で画面
に表示すればよい。このようなシステムでは、請求項1
5と同様に、市販のパソコンやワークステーション、C
D−Rドライブなどを使用することができ、専用の記録
装置や再生装置を使用しなくてもよく、設備費が軽減で
き、また、変調器などが不要で、機器の構成がより簡単
になる。
【0047】請求項17に記載の平衡機能検査装置は、
請求項15において、前記記録装置は、眼球画像をビデ
オ信号の映像帯域に、かつ、頭部センサあるいは指標投
影角度センサからの測定信号をビデオ信号の音声帯域に
変調してビデオテープに記録し、前記再生表示装置は、
ビデオテープの映像帯域と、音声帯域を復調して眼球画
像と前記測定信号を読み出して、画像処理、信号処理を
施して、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の関係
を同期させて観察、記録することができる。
【0048】眼鏡運動観察用装着具によって採取された
眼球画像と、頭部センサの測定信号とは、記録装置を使
用すれば、ビデオテープに記録できる。再生表示装置で
は、ビデオテープに記録された眼球画像とセンサの測定
信号を読出して、表示画面に表示できる。記録装置と再
生表示装置とは、記録再生装置として一体的に構成して
もよい。
【0049】請求項18に記載の平衡機能検査装置は、
請求項16において、記録装置は、前記合成ビデオ信号
をビデオテープに記録させるビデオレコーダで構成さ
れ、再生表示装置は、ビデオテープから読み出した合成
ビデオ信号をさらに復調して、画像処理、信号処理をし
て、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の関係を同
期させて観察、記録することができる。
【0050】この態様では、記録装置は、ビデオ信号を
変調する処理が不要になり、構成が簡単である。また、
再生表示装置も、ビデオテープからビデオ信号を復調し
て読み出すだけなので構成が簡単であり、記録装置と再
生表示装置は、テレビジョン受像機と組み合わせて使用
できる市販のビデオデッキが使用できる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、請求
項1から7に記載の眼球運動観察用装着具によれば、被
検者の頭部運動による画像ブレがなく、明瞭に眼球運動
を撮像でき、眼球運動と頭部運動を同時かつ同期的に観
察することができ、前庭眼反射、自然視前庭眼反射、固
視前庭眼反射などの検査も一台ですることができる。
【0052】特に、請求項1に記載の眼球運動観察用装
着具によれば、装着具には、自然視の直視方向を逃がす
状態で前眼部を撮像できる撮像カメラが備えられ、その
ままの状態で自然視可能で、その自然視の状態を撮像カ
メラで撮像し、ビデオ信号として取り出すことができる
眼球運動観察用装着具の最も、基本的なタイプであり、
もっとも簡便に、頭部運動に拘らず、画像のズレ無く明
視状態での眼球運動の観察をすることができる。例え
ば、自動車運転中の運転者などの眼球運動の観察に適し
ている。
【0053】請求項2に記載の眼球運動観察用装着具に
よれば、装着具には、直視方向を逃がす状態で前眼部を
撮像できる撮像カメラが設けられ、被検者は、透視部を
通して自然視可能で、この状態で前眼部を撮像し、ビデ
オ信号として取り出すことができる。このように、直視
方向を確保する位置に撮像カメラを設けたため、ハーフ
ミラーとミラーの組み合わせなどの方法で外光を取り入
れるようにした従来の眼球運動観察用装着具に比べ、構
造が簡単で、顔面からの出っ張りが減り、頭部回転時の
慣性モーメントも小さくなって、装着具のズレを無くす
ことができ、画像のズレ無く、自然視前庭眼反射や、自
然視状態、あるいは、明視状態の眼球運動の明瞭な観察
をすることができる。
【0054】また、構造が簡単なので、コストダウンを
図ることができ、全体の重量も軽くなり、検査中の被検
者の負担も軽くなる。請求項3に記載の眼球運動観察用
装着具によれば、請求項2において、カバー、シャッタ
ーなどの外光遮断手段を設けているので、カバー、シャ
ッターなどを開けば、外部を自然状態で直視でき、閉じ
れば暗視状態となり、これ1台で、前庭眼反射の眼球運
動の観察をすることができるとともに、自然視前庭眼反
射の眼球運動の観察もすることができる。
【0055】請求項4に記載の眼球運動観察用装着具に
よれば、請求項1または2において、装着具本体には、
透視部を自然視状態で直視したときに視認することので
きる固視目標物を設けているので、固視目標物は頭部と
一緒に動き、簡便な装置で固視前庭眼反射を簡単に観察
できる。請求項5に記載の眼球運動観察用装着具によれ
ば、請求項4において、固視目標物は装着具本体に収納
可能に設けられているので、装着具の収納時に便利であ
る。
【0056】請求項6に記載の眼球運動観察用装着具に
よれば、請求項1〜5のいずれかにおいて、装着具本体
には、さらに、頭部センサを設けており、その測定信号
も取り出せる構成としているので、被検者の眼球の動き
の動画像のビデオ信号とともに、頭部の動きを測定した
測定信号も得られるので、平衡機能検査の診断データと
して好適である。請求項1または2の構成を備えたもの
では、自然視前庭眼反射などの眼球運動のデータ、請求
項3の構成を備えたものでは、暗視下での前庭眼反射の
頭部運動と眼球運動のデータ、請求項4及び5の構成を
備えたものでは、固視前庭眼反射の頭部運動と眼球運動
のデータを同時に得ることができる。
【0057】請求項7に記載の眼球運動観察用装着具に
よれば、請求項6において、頭部センサから出力される
測定信号を、前記撮像カメラによって撮影された画像信
号に同期させて合成するビデオ信号混合生成手段を備え
た構成としているので、そのまま、一般のテレビジョン
受像機に入力すれば、眼球とセンサの測定信号を合成し
た映像が画面に表示されるので、便利がよく、即座に診
断に用いることができる。請求項8から14に記載の視
標投影装置によれば、平衡機能検査に必要な固視視標
像、所定の条件に従って動かすことのできる視標像を簡
便、確実、ローコストで実現することができる。
【0058】請求項8に記載の視標投影装置によれば、
眼球運動観察用装着具の装着具本体の適所に視標投影手
段を設け、この視標投影手段によって固視視標像を前方
に配置したスクリーンや壁などに投影させる構成として
いるので、頭の動きに確実に追随して動く固視指標像が
簡単、確実に実現でき、固視前庭眼反射を、簡単に観察
できる。
【0059】請求項9に記載の視標投影装置によれば、
被検者が座る回転可能な検査用椅子の適所で、その回転
中心となる位置付近に設けた視標投影手段によって被検
者の視認可能な固視視標像を前方に配置したスクリーン
などに投影させる構成としているので、被検者の頭部の
回転に確実に追随して動く固視指標像を、簡単、確実に
実現でき、固視前庭眼反射を、簡単に観察できる。
【0060】請求項10に記載の視標投影装置よれば、
請求項8、9のいずれかにおいて、前記視標投影手段
は、被検者の前方に投影される視標の投影位置を、上下
あるいは水平方向に角度調整可能にしているので、固視
視標像の投影方向の水平方向の角度と、伏角、仰角の調
節ができ、被検者が自然に、最も見やすい部分に投影像
をセットすることができる。
【0061】請求項11に記載の視標投影装置によれ
ば、請求項8〜10のいずれかにおいて、前記視標投影
手段は、前記固視視標像に替えて、投影角度が被検者の
直視方向に対して変化しながら動く視標像を、前方に設
置されたスクリーンや壁などに投影することができるの
で、その視標像の動きに対して、被検者の眼球がどのよ
うに追従するかを検査する追従性眼球運動検査(あるい
は、視刺激検査)である注視眼振検査などを簡単にする
ことができる。
【0062】請求項12に記載の視標投影装置によれ
ば、請求項11において、前記視標投影手段は、さら
に、視標像が投影される投影線角度を検出し、その測定
信号を出力する視標投影角度センサを有しているので、
投影角度を定量的に捕らえることができ、その測定信号
を利用することにより、注視視標像の位置変化に対する
眼球運動の追従性の定量的な観測をすることができる。
【0063】請求項13に記載の視標投影装置によれ
ば、請求項8〜12において、前記視標投影手段は、被
検者の眼球の直視方向に対して任意の角度をなす方向
に、視標像の投影、非投影、断続投影を外部から制御装
置によって制御できるようにしているので、いろいろな
条件に合わせて、視標像を投影することができ、明視下
での、種々の追従性眼球運動の観察を行うために好適に
使用される。
【0064】また、この制御データは、簡単にデータと
して取り出し、保存することができるので、眼球運動の
データと比較することによって、眼球の追従運動の定量
的な観察、記録をすることができる。請求項14に記載
の視標投影装置によれば、請求項8〜13において、視
標投影手段としてレーザーポインタを用いているので、
レーザーポインタは軽量・小型で装置の小型化が図れ、
その投影像も明瞭なので、好適な視標像を得ることがで
きる。請求項15から18は、請求項1から7に記載の
眼球運動観察用装着具、あるいは/かつ、請求項8〜1
4に記載の視標投影装置を用いた平衡機能検査装置であ
るので、これらの眼球運動観察用装着具、視標投影装置
の効果が相乗的に発揮されるとともに、その観察結果を
表示、記録、分析処理することができ、定量的かつ簡便
に頭部運動、あるいは視標像の運動と眼球運動の関係を
同期させて観察し、記録することができる。
【0065】請求項15に記載の平衡機能検査装置によ
れば、請求項1〜6に記載の眼球運動観察用装着具の効
果と、請求項6に記載の眼球運動観察用装着具の効果、
あるいは、請求項12に記載の視標投影装置の効果とに
加え、これらからのデータの記録装置と再生表示装置と
を備え、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、
記録することができるので、平衡機能検査を、非常に的
確、簡便にすることができる。また、一旦、記録したデ
ータを再生して検査することができるので、被検者への
負担が最小限に抑えられる。また、市販のパソコンやワ
ークステーションが使用でき、記録装置も市販のCD−
Rドライブ、MOドライブなどを使用でき、専用の記録
装置や再生装置を使用しなくてもよく、設備費が軽減で
き、既存のパソコンやワークステーションのシステムを
そのまま使用できる。
【0066】請求項16に記載の平衡機能検査装置によ
れば、請求項7に記載の眼球運動観察用装着具の効果に
加え、これから出力される合成ビデオ信号の記録装置と
再生表示装置とを備え、頭部運動と眼球運動の関係を同
期させて観察、記録することができるので、変調器なと
が不要になり、市販のパソコン、CD−Rなどが利用で
きるので、装置を簡易に作れ、コストダウンができると
ともに、さらに、全体の機器の構成が簡単になる。
【0067】請求項17に記載の平衡機能検査装置によ
れば、請求項15の効果に加え、前記記録装置は、眼球
画像をビデオ信号の映像帯域に、かつ、頭部センサある
いは指標投影角度センサからの測定信号をビデオ信号の
音声帯域に変調してビデオテープに記録し、前記再生表
示装置は、ビデオテープの映像帯域と、音声帯域を復調
して眼球画像と前記測定信号を読み出して、画像処理、
信号処理を施して、表示画面に表示し、頭部運動と眼球
運動の関係を同期させて観察、記録することができるの
で、市販のビデオデッキなどを使用することができ、ま
た、ビデオ信号と測定信号を確実に同期させて、観察、
記録することができる。
【0068】請求項18に記載の平衡機能検査装置によ
れば、請求項16の効果に加え、前記記録装置は、前記
合成ビデオ信号をビデオテープに記録させるビデオレコ
ーダで構成され、再生表示装置では、ビデオテープから
読み出した合成ビデオ信号をさらに復調して、画像処
理、信号処理をして、表示画面に表示し、頭部運動と眼
球運動の関係を同期させて観察、記録することができる
ので、変調器が不要になり、記録装置、再生表示装置の
構成がさらに簡単となる。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る眼球運動観察
用装着具、視標投影装置、及びこれらを用いた平衡機能
検査装置の実施の形態について、図とともに説明する。
図1〜図11は、本発明に係る眼球運動観察用装着具に
ついて説明する図である。
【0070】まず、主として自然視前庭眼反射の観察に
用いられる、本発明の眼球運動観察用装着具の第一の実
施形態について説明する。図1は、このような眼球運動
観察用装着具の概念的内部構造図、図2は、その内部構
造の詳細を示す部分断面図、図3は、その外観斜視図で
ある。この眼球運動観察用装着具1は、主に、装着具本
体2、撮像カメラ3、透視部4、光源5、装着ベルト
6、頭部センサ7から構成されている。本発明の特徴
は、被検者Mの直視方向4Aを妨げない位置で、撮像方
向3Aが、丁度、前眼部Pを撮像できる位置に、撮像カ
メラ3と光源5を配設した点にある。
【0071】従来は、ビデオカメラ等で撮像した眼球の
動画像を解析して眼球運動を求めるのには、その後の画
像処理の煩雑さ、時間短縮のために、できるだけ正規の
状態、つまり、真正面から撮像した眼球画像を必要と
し、前眼部を撮像するビデオカメラは、直視方向に対面
する位置に設けられていた。具体的には、図1の直視方
向4Aと撮像方向3Aが一致する位置に撮像カメラ3が
設けられていた。
【0072】しかし、本願発明者は、必ずしも真正面か
ら撮像した眼球画像からでなくとも、リアルタイムに眼
球運動を求めることのできる楕円近似を用いた解析方法
を知見するに至り、その方法を積極的に本発明に利用す
ることとしたものである。このようにすると、眼球運動
観察用装着具1を装着した被検者Mは、透視部4を通し
て、撮像カメラ3に邪魔されずに、直視方向4A、つま
り、自然に物を見る方向で外部を観察することができ
る。また、直視方向4Aを確保する位置に撮像カメラ3
と光源5とを設けたため、ハーフミラーとミラーの組み
合わせなどの方法で、外光を取り入れた従来の眼球運動
観察用装着具に比べ、構造が簡単で、顔面からの出っ張
りが減り、頭部回転時の慣性モーメントも小さくなっ
て、装着具のズレを無くすことができる。
【0073】装着具本体2は、図2に示すように、顔面
に接触する部分であって、合成樹脂ゴムなどの弾性、遮
光性、また、坑菌性のある材料で作られた水中メガネ様
の接顔部2Bと、遮光性、坑菌性のある硬質プラスチッ
クなどで作られ、撮像カメラ3や光源5などを収納、設
置するようにしている本体部2Aとで構成されている。
接顔部2Bと本体部2Aは、光を通さないように密着し
て、分離可能に、あるいは、分離不可能に接合され、一
体と成っている。
【0074】接顔部2Bの顔面への接触面は顔面に対し
光を通さないように密着し、また、顔面表面形状に沿う
ような形状を有しており、装着ベルト6で頭部に取りつ
けらた場合には、頭部に通常の眼振検査の回転運動など
を与えた程度ではズレないようになっている。したがっ
て、頭部運動中でも、装着具全体の慣性モーメントが小
さいという条件と相乗的に、装着具のズレ、撮像された
眼球画像のブレを抑える。
【0075】装着ベルト6は、ベルト脱着具凸8Aとベ
ルト脱着具凹8Bからなるベルト脱着具8によって、被
検者Mの頭部に簡単に脱着することができ、操作性がよ
い。前眼部Pを照らす光源5は、後に説明するように、
装着具1を暗視状態でも使用するため、非可視領域の赤
外線を発するものがよく、それに対応して、撮像カメラ
3は、小型で高画質の赤外線CCDカメラが望ましい
が、それに限定されない。
【0076】透視部4は、本体部2Aに軟質ゴムなどで
作られたゴムパッキン4aによって装着されたガラスで
構成され、その下部はカメラ部カバー9の上に載せられ
て固定されている。この透視部4は外光を取り入れ、被
検者Mが、自然視をできるようにするためのものであ
り、その条件に合うものであればなんでもよい。また、
眼振検査などの平衡機能検査をする場合、あまり明るい
条件は適さないので、外光があまり入らないように、着
色するなどして、光透過率の小さいものとするのがよ
い。しかし、明るさが適度に保たれた平衡機能検査用の
検査室などで検査する場合は、ガラスなど無くともよ
く、また普通の透明なガラスを用いてもよい。また、こ
のガラスなどの装着方法も、ここに示す方法に限られ
ず、本体部2Aに接着剤で接着する方法などでもよい。
【0077】撮像カメラ3は、後述するように撮像信号
を汎用のビデオ信号に処理する回路を有しており、その
ビデオ信号は、白黒2値画情報やカラー画情報に、水
平、垂直同期信号を加えた複合映像信号とする。ビデオ
信号出力端子より取り出すビデオ信号の方式をNTSC
標準方式の他、SECAM方式、PAL方式にしておけ
ば、撮像した眼球の動画を一般のテレビジョン受像機の
画面に映し出して観察できる。
【0078】図1に示す頭部センサ7は、被検者Mの頭
部の動きに応じた速度、加速度、角度、角速度、角加速
度を検出するためのものである。通常は、頭部センサ7
は、頭部の水平回転運動の回転角速度を検知するものが
用いられ、装着具本体2の側面に、被検者Mの水平半規
官に対して垂直になるように装着される。しかし、必要
に応じて、回転角速度以外のものを検知するものを使用
してもよい。
【0079】この場合、さらに、必要に応じて、X軸、
Y軸、Z軸方向の直線運動、X軸、Y軸、Z軸を中心と
する回転運動を検知することができるものを使用する。
これは、つまり、人間は暗視状態でも、これらそれぞれ
の方向の直線運動、回転運動を感知する能力をもってお
り、平衡機能検査とは、その機能が正常に働いているか
どうかを調べるものだからである。
【0080】このように、装着具1に装着された頭部セ
ンサ7によって、頭部運動を定量的に示すデータを、眼
球運動のデータと同時に、かつ、同期させて、観察する
ことができるので、それらを処理し、表示等させること
によって、平衡機能検査を、適切に、簡単にすることが
できる。なお、図2において、9は、本体部2Aの撮像
カメラ3や光源5を設置した部分を覆うカメラ部カバ
ー、20は、斜め下から前眼部P方向を向いている撮像
カメラ3の撮像方向3Aが、丁度、前眼部Pを撮像する
ように、その顔面に対する前後位置を調整するための前
後調整ツマミ、21は、図3にも示すように、左右に設
けられた撮像カメラ3の左右方向の位置を被検者Mの両
眼位置に合わせて調整するための左右調整ツマミであ
る。
【0081】これらの調整ツマミ20、21を調整する
ことによって、被検者Mに合わせて、丁度、前眼部Pを
撮像できる位置に撮像カメラ3の撮像方向3Aを調整す
ることができ、望ましい眼球画像を得ることができる。
図3は、眼球運動観察用装着具1を斜め上から見た所を
示す外観斜視図である。この図では、撮像カメラ3など
の配設状態が解るように、カメラ部カバー9を取り外し
た状態を示している。ついで、主として前庭眼反射の観
察に用いられる、本発明の眼球運動観察用装着具の第二
の実施形態について説明する。図4は、このような眼球
運動観察用装着具の内部構造の詳細を示す部分断面図、
図5は、その外観斜視図である。
【0082】この眼球運動観察用装着具1は、図1、
2、3によって説明した眼球運動観察用装着具に比べ、
透視部4に、外光をさえぎる外光遮断手段10が設けら
れている点が相違するだけであるので、共通する部分に
は、同じ符号を付して、説明を省略する。外光遮断手段
10は、この図のものでは、本体部2Aと同様の遮光
性、坑菌性のある硬質プラスチックなどで作られ、本体
部2Aにセットすると完全に外光を遮断し、装着具1内
は暗視状態となる。したがって、暗視状態で検査する必
要のある前庭眼反射をするのに適している。
【0083】この眼球運動観察用装着具1では、外光遮
断手段10を取り除くと、外光を取り入れることがで
き、自然視前庭眼反射の検査にも用いることができる。
こうして、一台の装着具で、暗視用にも、明視用にも使
用することができ、便利がよく、コストダウンを図るこ
とができる。この外光遮断手段10は、ここでは、硬質
プラスチック製のカバーを用いているが、これに限られ
ない。たとえば、透視部4の直視方向4Aの部分とその
付近を光透過性にしておき、他の部分は遮光性塗料など
を塗布することによって、光を遮るようにしておいて、
その光透過部分に、カメラのような絞り型のシャッター
を用いたり、透視部4の全体を液晶シャッターとしても
よい。とにかく、必要に応じて、直視方向に外光を取り
入れ、また、外光を遮断することのできるものであれば
よい。
【0084】また、遮光状態の暗視下の撮影では、光源
5として非可視領域の赤外線を照射するものを用い、撮
像カメラ3は赤外線暗視カメラを用いるのがよい。そう
すると、暗視状態を保つことができる。ついで、主とし
て固視前庭眼反射の観察に用いられる、本発明の眼球運
動観察用装着具の第三の実施形態について説明する。図
6は、このような眼球運動観察用装着具の概略外観斜視
図、図7は、このような眼球運動観察用装着具の他例の
概略外観斜視図である。
【0085】これらの眼球運動観察用装着具1は、装着
具1そのものに固視目標物11、12が設けられている
点を特徴とする。図6においては、装着具本体2の上部
から「コ」の字上に延びた固視目標物11が設けられて
おり、その末端の先端部が、球状となっている。この先
端球は、丁度、被検者が自然状態で直視した場合に、そ
の直視方向に見えるようになっている。このような固視
目標物11は、頭部に装着される装着具1に固定されて
いるので、頭部運動と同時に同じように動き、被検者
は、この固視目標物11を自然に固視することができ
る。
【0086】このようにすると、非常に簡単な装置で、
確実に固視目標物を実現することができ、固視前庭眼反
射の検査を、簡単に、かつ、確実にすることができる。
なお、固視目標物は、ここに示した方法に限らず、簡便
な装置で、また、あまり重くなく、先端球等の固視目標
物が容易にブレないものであれば、なんでもよい。
【0087】一方、図7においては、固視目標物12
は、アンテナの様に伸縮可能となっており、それを伸ば
したときには、その先端球は、ほぼ固視目標物11の先
端球と同じ位置になり、縮めたときには、装着具1から
出っ張らないように収納されるようになっている。この
ようにすると、図6の装着具と同様に、簡単、確実に固
視目標物を実現できると同時に、収納にも便利である。
【0088】また、これらの固視目標物11、12は、
これまでに説明した眼球運動観察用装着具に簡単に取り
つけることができ、また、収納可能となっているので、
一台の装着具で、前庭眼反射、自然視前庭眼反射に加
え、固視前庭眼反射も観察することができる。ついで、
眼球運動に加え、頭部運動も同時に観察することのでき
る本発明の眼球運動観察用装着具の第四の実施形態につ
いて説明する。図8は、このような眼球運動観察用装着
具の信号の流れを示す内部ブロック図、図9は、このよ
うな眼球運動観察用装着具による頭部運動と眼球運動を
同期させた観察の状態の一例を示す概念図である。
【0089】この眼球運動観察用装着具の特徴は、頭部
運動を検出する頭部センサ7を設けている点であるが、
その実装態様については、すでに、図1、2、3によっ
て説明している。その説明にあるように、この頭部セン
サ7は眼球運動観察用装着具に簡単に取付けられるもの
で、通常、前庭眼反射などを観察する場合には、頭部運
動と眼球運動の関係が重要なので、必ず必要なもので、
セットで用いられるものである。
【0090】ここでは、その信号の流れと、この観察の
状態について説明する。すでに、これまでに説明したも
のについては、詳しい説明を省く。図8において、Pは
被検者の前眼部であって、撮像カメラ3は、その前眼部
Pを撮像し、眼球の画像をビデオ信号として出力する。
撮像カメラ3は、レンズ32を通して眼球画像を読み取
るCCDセンサ31、CCDセンサ31を駆動して、そ
の取り込んだ撮像信号を取り出すクロックドライブ3
3、CCDセンサ31の読み取りタイミングを規定する
タイミングパルスを発生するタイミングパルス発生器3
4、CCDセンサ31から転送された撮像情報に同期信
号を重畳させるビデオ複合信号生成器35、水平垂直の
同期パルスを発生する同期パルス発生器36からなり、
商用電源に接続された電源回路40から変換された適圧
のDC電源を受けて作動している。
【0091】頭部センサ7は、同様に電源回路40から
電源を受けて、測定信号を出力する。図9は、このよう
にして出力された眼球運動観察用装着具1からの眼球運
動のビデオ信号と頭部センサ7の頭部運動の測定信号
が、インターフェースを介して適宜信号処理されて記録
再生表示装置22によって、表示されている状態を示し
ている。
【0092】この場合の信号処理とその表示方法は、一
般に知られている方法を適宜使用することができる。ビ
デオ信号は、ビデオ再生機器に接続すれば、眼球の画像
のみが画面に表示される。頭部センサ7の測定信号を画
面表示するためには、オシロスコープなどの表示手段で
表示させるか、さらにコンピュータに測定信号を取り込
み、画像を生成してから画面に表示させる必要がある。
【0093】すなわち、このものでは、ビデオ信号出力
端子Tvと、測定信号出力端子Tsの2つが存在してお
り、コンピュータ等で構成される記録再生表示装置22
では、インターフェースを介在させて2つの信号を取り
込んで、合成画像を生成した後に、画面に表示させる。
この場合、リアルタイムに表示させることが望ましい。
【0094】また、コンピュータを用いた画像処理で
は、頭部センサ7からリアルタイムで出力される測定信
号を加工して、数字、グラフなどの測定画像を作成し、
撮像カメラ3からフレームあるいはフィールド単位で送
出されて来る眼球画像に同期させて測定画像を合成し、
さらにAD変換して、ビデオメモリ(不図示)に格納し
てから、ディスプレイに表示する。
【0095】リアルタイムな処理が不可能な場合には、
ビデオ信号出力端子Tvから取り込んだ眼球画像は、A
D変換した後、圧縮してメモリに格納しておく。一方の
頭部センサからの測定信号は、順次AD変換し、画像処
理によって、所定のグラフや数値画像に変換し、メモリ
に格納しておく。以上の方法でメモリに格納した2つの
画像を、同期させて取り出し、合成画像を生成してか
ら、コンピュータの画面に表示すると良い。
【0096】こうして、記録再生表示装置22の表示画
面の上半分には、左右にそれぞれ、左眼、右眼の眼球画
像が、下半分には、一例として、頭部運動の回転角度と
回転角速度が示されている。このように、本発明の眼球
運動観察用装着具によれば、眼球運動と頭部運動を示す
画像を同時に同期させて見ることができるので、平衡機
能検査に好適に用いることができる。ついで、眼球運動
に加え、頭部運動も同時に観察することのできる本発明
の眼球運動観察用装着具の第五の実施形態について説明
する。図10は、このような眼球運動観察用装着具の信
号の流れを示す内部ブロック図を示す概念図である。
【0097】この眼球運動観察用装着具の特徴は、眼球
運動を撮像したビデオ信号と頭部運動を示す頭部センサ
からの出力の測定信号を、外部へ出力する前に、装置内
部で汎用のビデオ信号に合成し、合成ビデオ信号として
出力する点である。ここでは、その信号の流れについて
説明する。すでに、これまでに説明したものについて
は、詳しい説明を省く。
【0098】図10において、撮像カメラ3と頭部セン
サ7については、図8と同様である。この場合、撮像カ
メラ3からのビデオ信号と頭部センサ7からの測定信号
を変換したビデオ信号とを画像合成により合成して、合
成ビデオ信号を出力するビデオ信号混合生成手段13を
備えている点を特徴としている。41は頭部センサ7か
らの測定信号の取り出しタイミングを決めるタイミング
パルスを発生するタイミングパルス発生器、42は、そ
のタイミングパルスによって、取り出された測定信号を
ビデオ信号化するビデオ信号生成部、43は、ビデオ信
号生成部42から受けたビデオ信号に同期信号を重畳さ
せるビデオ複合信号生成器、44、45は、ゲート信号
発生部46からの信号を受けて、双方のビデオ信号を同
期化するゲート、47は、同期化された双方のビデオ信
号を合成して、合成ビデオ信号を生成する混合増幅器で
ある。
【0099】このものでは、ビデオ信号の出力端子Tは
1つであり、これをテレビジョン受像機のビデオ入力端
子などに接続すれば、眼球運動のビデオ信号と頭部セン
サの測定信号を合成した映像が画面に表示される。セン
サの測定信号は、グラフ、数値として、眼球の画像と合
成されて表示されるので、医者はその映像を見てすぐに
診断することもできる。
【0100】以上の説明では、頭部センサからの測定信
号を予めビデオ信号に変換してから、眼球画像のビデオ
信号と合成する態様を示したが、このような方法以外の
方法で、両方の画像を画像合成して合成ビデオ信号とし
て出力してもよい。なお、本発明の特徴である被検者の
直視方向を逃がして撮像カメラ等を設ける方法は、ここ
に説明した直視方向の斜め下だけに限らず、斜め上や、
斜め横であってもよい。図11は、このような眼球運動
観察用装着具の一例の内部構造を示す平面図で、ここで
は、装着具1を上方から見た所を示している。
【0101】この図に示す例では、眼球の直視方向4A
に対して、撮像カメラ3の設置位置は、水平方向に両横
にずらせたもので、撮像方向は図に示す3Bとなってい
る。このようにしても、同様の効果を得ることができ
る。また、斜め上方向にもずらすこともでき、その場合
には、必要に応じて、撮像カメラは、左右各1台ずつで
なく、1台だけ設けて、さらに左右調整ツマミの調整幅
の大きいものを1個だけ設けて、その左右調整ツマミに
より、右眼あるいは左眼を片方ずつ単独で撮像するよう
に撮像カメラを移動させて、観察するようにしても良
い。通常、前庭眼反射は、左右同様の反応がでるので、
片方の観察だけでも十分有効だからである。
【0102】なお、このように斜め上方向にずらす場合
に、撮像カメラが1台で済むのは、図1などのように斜
め下方向にずらす場合は、撮像カメラを、左右移動させ
る場合に被検者の鼻の突起が邪魔になって、前眼部によ
り近づけることができないという問題が発生するが、斜
め上方向では、そのような問題がないからである。次
に、本発明の眼球運動観察用装着具の最も基本的なタイ
プについて説明する。図12は、そのような本発明の眼
球運動観察用装着具の一例を示すもので、(a)は人体
頭部への装着状態の正面図、(b)は装着具に暗視用カ
バーを装着する場合の説明図、(c)は暗視用カバーを
装着した斜視図である。
【0103】この眼球運動観察用装着具1Aは、ヘッド
バンド様のもので構成される装着具本体2Aと、その装
着具本体2Aの前面適所から鹿の角状態に被検者Mの前
眼部Pの前方に伸び、被検者Mの自然視状態の直視方向
を遮らない位置で、前眼部Pを丁度撮像できる位置に撮
像カメラ3Cが、左眼用、右眼用それぞれに配設されて
いる。したがって、被検者Mが自由に自然視できる状態
で、撮像カメラ3Cは、被検者Mの頭部と同時に動きな
がら、被検者Mの前眼部Pをブレなく撮像でき、汎用ビ
デオ信号を送り出す。
【0104】この装着具1Aは、最も基本的な簡易タイ
プで、明視下で被検者Mの眼球運動を頭部運動に影響さ
れずに観察するあらゆる検査に用いることができる。た
とえば、自動車運転中の運転者の眼球運動の観察などに
簡便に用いることができる。また、この装着具1Aを、
暗視下で用いる場合には、外光遮断手段を構成する暗視
用カバー10A(図12(b))をさらに装着すると良
い。この例では、装着具本体2Aと暗視カバー10Aの
対応する部分には、マジックテープなどで構成される着
脱手段28A、28Bがそれぞれ設けられており、この
着脱手段28A、28Bが対面するように(図12
(b)で一点鎖線で示す。)、暗視用カバー10Aを装
着具1Aに被せると、図12(c)で示すように、暗視
状態を作ることができる。
【0105】暗視状態では、撮像カメラ3Cは赤外線暗
視カメラとし、また、非可視領域の赤外線を照射する光
源が必要となるが、その光源は、適宜、図1などの眼球
運動観察用装着具1の光源5のように撮像カメラ3Cに
付設してもよいし、装着具1A側に別途設けてもよい
し、さらに、暗視用カバー10Aに設けてもよい。この
場合、光源の設置位置は、撮像カメラ3Cが前眼部Pを
撮像するのに邪魔にならない位置で、前眼部Pを照射す
ることのできる位置であれば、どこでもよく、眼球運動
観察用装着具1の光源5に比べ、設置位置の自由度が高
い。
【0106】また、図1などの眼球運動観察用装着具1
と同様に、この装着具1Aでも、頭部センサをさらに装
着することができ、その場合、頭部運動と眼球運動を同
時に、また同期させて観察することができる。さらに、
図6、7などの眼球運動観察用装着具1と同様に、この
装着具1Aでも、固視目標物をさらに装着することがで
き、また、図13から図17に記載の指標投影装置を設
置し、あるいは、共に用いることもでき、また、図1
8、19に記載の平衡機能検査装置の一部として用いる
こともできる。
【0107】このようにして、この装着具1Aによって
も、さまざまな明視下での眼球運動の観察だけでなく、
自然視前庭眼反射、固視前庭眼反射、また、暗視下での
前庭眼反射などの検査もすることができる。これより、
主として平衡機能検査に好適に用いられる、本発明の視
標投影装置について説明する。図13〜図17は、その
ような視標投影装置について説明する図である。
【0108】図13は、本発明の視標投影装置を設けた
眼球運動観察用装着具の一例を示す外観斜視図、図14
は、本発明の視標投影装置の他例を示す側面図、図15
は、本発明の視標投影装置の内部構造を示す概略図、図
16は、本発明の視標投影装置のさらに他例を示す外観
斜視図、図17は本発明の視標投影装置のさらに他例を
示すもので、(a)は外観斜視図、(b)は視標投影角
度の例を示す概念図である。
【0109】図13は、図3の眼球運動観察用装着具
に、視標投影装置が設けられている点が相違するだけな
ので、その点についてだけ説明する。眼球運動観察用装
着具1の本体部2Aの上部適所に、固定保持具15によ
って視標投影手段14が固定されている。この視標投影
手段14は、装着具1に固定されているので、頭部運動
と同時に同じように動き、その視標像は、被検者の直視
方向になるように固定されているので、固視視標像とな
る。
【0110】視標投影手段は、レーザーポインタが、軽
量小型で、その投影像も明瞭なので好適に用いられる
が、これに限るものではない。また、投影先は、特別の
スクリーンを設けてもよいが、検査室の壁面などでもよ
く、コストと手間を省くことができる。これによれば、
簡便な装置で、固視前庭眼反射を、簡単に確実に観察で
きる。
【0111】図14は、別の視標投影装置を示してい
る。この視標投影装置は、視標投影手段14、可動保持
具16、支柱17、台座18で構成されている。視標投
影手段14は、可動保持具16に保持されており、可動
保持具16は、その可動保持具16を水平軸を中心に回
転自由に支持する支柱17に支えられており、外力を加
えると、視標投影手段14の視標投影方向を上下方向に
滑らかに変えることができ、外力を加えないと、その角
度位置を保持するようになっている。さらに、この支柱
17は、その支柱17を垂直軸を中心に回転自由に支持
する台座18に設置されており、外力を加えると、視標
投影手段14の視標投影方向を水平方向に滑らかに変え
ることができ、外力を加えないと、その角度位置を保持
するようになっている。
【0112】これらの可動保持具16と支柱17、支柱
17と台座18の間の位置保持力は、たとえば、可動保
持具16に設けられた調節ネジ16aの締付力を調節す
ることによって、調節することができるようになってい
る。このような視標投影装置は、図13の視標投影手段
14と固定保持具15の替わりに眼球運動観察用装着具
に装着したり、後述するように被検者が座る検査用椅子
に固定して使うことができる。それによれば、固視視標
像を投影する場合には、その投影角度を上下、左右に調
整することができ、被検者の最も見易い直視方向に投影
させるようにでき、最適の固視指標像を投影することが
できる。
【0113】また、例えば、検者が、手動で操作するこ
とによって、被検者の頭中心に、視標像を、適宜動かす
ことができ、その視標像の動きに対して、被検者の眼球
がどのように追従するかを検査する追従性眼球運動検査
(あるいは、視刺激検査)である注視眼振検査などを簡
単にすることができる。図15は、さらに別の視標投影
装置を示している。この視標投影装置は、図14の視標
投影装置の台座部18に、さらに、支柱17の回転角度
を検出する視標投影角度センサ19と、そのセンサ出力
を頭部センサの測定信号程度に増幅して出力する演算増
幅部23とを設けた構成となっている。
【0114】これによると、視標投影角度センサ19に
よって、視標投影角度を定量的に捕らえることのできる
ので、その測定信号を利用することにより、視標像の位
置変化に対する眼球運動の追従性の定量的な観測をする
ことができる。図16は、図14あるいは図15の視標
投影装置を、平衡機能検査用の検査用椅子に設けたもの
を示している。検査用椅子25は、被検者が座るもの
で、回転可能となっており、その背もたれ部からはアー
ム24が上方延び、その先は椅子25の頭部支えを過ぎ
た所で、椅子25の前方へ屈曲して、その回転中心とな
る位置付近まで延びており、その先端に視標投影装置の
台座部18が設置され、台座部18の支柱17が丁度、
椅子25の回転中心と一致する位置になるようになって
いる。
【0115】このものでは、視標投影手段14を適宜、
上下左右方向に調節することによって、被検者が自然状
態で直視できる前方に、固視視標像を投影させることが
できる。この状態で、検査用椅子25を回転させること
によって、被検者の頭部も同時に回転し、その椅子の回
転中心付近された視標投影手段14によって、簡単に固
視視標像を実現することができ、固視前庭眼反射の観察
ができる。
【0116】また、上記に説明したのと同様に、検査用
椅子25を固定しておいて、例えば、検者が、手動で操
作することによって、被検者の頭中心に、視標像を、適
宜動かすことができ、その視標像の動きに対して、被検
者の眼球がどのように追従するかを検査する追従性眼球
運動検査(あるいは、視刺激検査)である注視眼振検査
などを簡単にすることができる。
【0117】なお、これまでの説明では、視標投影手段
は単数の場合を説明しているが、これを複数設けても、
また、一台で複数の投影をすることができるものであっ
てもよい。検査の種類によっては、複数の視標が必要な
場合もあるからである。図17は、さらに他の視標投影
装置を示している。この視標投影装置26は、複数の視
標投影手段27を有しており、この複数の視標投影手段
27は、水平方向に互いに角度αをなすように設けられ
ている。このような配置は、水平方向だけでなく、垂直
方向、斜め方向、あるいは、完全にランダムな方向であ
っても良く、また、角度αも任意であり、例えば、5
度、10度とすることができ、それぞれの角度が相違す
る場合であっても良い。
【0118】この視標投影装置26は、図16で説明し
た視標投影装置の替わりに、検査用椅子25に取りつけ
て用いるとよい。この場合、この検査用椅子25に座る
被検者の直視方向を中心として、適宜、視標像を投影す
るように設置する。視標投影装置26は、外部に設けら
れたコンピュータなどの制御装置によって、複数の視標
投影手段27を制御して、視標像の視標像の投影、非投
影、断続投影をさせることができる。
【0119】この視標投影装置27は、明視下で、種々
の追従性眼球運動の観察を行うために好適に使用される
もので、同時に複数の視標像を投影することもできる。
例えば、直視方向に対して一定角度をなす視標像を投影
して、眼球運動が設定している角度通り運動するか観察
したり、また、一定角度をなす視標像を、設定した順番
で投影して、それに対する眼球の追従度を観察したり、
また、ランダムな方向に視標像を投影して、それに対す
る眼球の追従度を観察したりすることができる。
【0120】また、この制御データは、簡単にデータと
して取り出し、保存することができるので、眼球運動の
データと比較することによって、眼球の追従運動の定量
的な観察、記録をすることができる。これより、本発明
の眼球運動観察用装着具、及び視標投影装置を用いた平
衡機能検査装置について説明する。
【0121】図18は、本発明の平衡機能検査装置の一
例を示すブロック図、図19は、本発明の平衡機能検査
装置の他例を示すブロック図である。図18、19にお
いて、すでに説明したものについては、説明を省略す
る。図18の平衡機能検査装置60では、眼球運動観察
用装着具1の撮像カメラ3からビデオ信号、頭部センサ
7から測定信号を受け、ビデオデッキ57で記録・再生
し、モニタテレビ58にモニタ表示する。また、直接、
あるいは、再生した信号をパソコン53によって、信号
処理を施して、診断用に適当なデータに変換して表示す
る。具体例としては、好適に用いられるものとして、頭
部に回転刺激を与えた場合の、頭部運動の回転角速度と
眼球運動の回転角速度に変換して、その結果を、同期さ
せて、表示画面52に表示する。
【0122】変調器56は、測定信号を音声帯域のビデ
オ信号に変調する。この場合、使用される変調方式は、
たとえばFM、AM、FSK、PSKなど音声帯域に記
録できる変調方式であればどの方法を用いても、あるい
は組み合わせて用いてもよい。セレクタ54は、ビデオ
信号と測定信号を直接、ビデオボード(ADボード)5
1に入力するか、ビデオデッキ57に記録され、再生さ
れた信号を入力するか切り替える。
【0123】ビデオボード54は、ビデオ信号、あるい
は、測定信号をAD変換し、パソコン53に出力する。
パソコン53は、そのデジタル化されたデータを、記録
装置55に取り込み、双方の信号の同期的な対応を維持
して、CD−R、MOディスク、カセットストリーマな
どの光あるいは磁気の記録媒体の種別に応じたフォーマ
ットで記録媒体に記録させる。
【0124】記録媒体に記録された眼球画像のビデオ信
号とセンサの測定信号は、それぞれが同期して読み出さ
れ、診断に適したデータに変換され、画像合成されて、
表示画面52に表示される。記録装置55は、また、そ
の解析結果を、記録媒体に記録保存する。これによれ
ば、定量的かつ簡便に頭部運動と眼球運動の関係を観察
し、記録することができる。また、一旦、記録したデー
タを再生して、診断に活用することができるので、被検
者の負担を軽減することができる。
【0125】また、このようなシステムでは、必要な画
像処理はコンピュータで行えるために、記録再生表示装
置はコンピュータとその表示画面を用いて代用すること
ができる。コンピュータとしては市販のパソコンやワー
クステーションが使用でき、記録装置も市販のCD−R
ドライブ、MOドライブなどを使用することができ、専
用の記録装置や再生装置を使用しなくてもよく、設備費
が軽減でき、既に存在するパソコンやワークステーショ
ンのシステムをそのまま使用できる。
【0126】また、ここでは、モニターとして用いてい
るが、簡便な記録再生表示装置として、市販のビデオデ
ッキ、モニタテレビを用いることができるので、簡便に
システムを構築できる。さらに、ビデヲテープの音声帯
域を利用して、ビデオ信号と測定信号を同期させて、記
録、再生することができるので、平衡機能検査の観察に
重要な眼球運動と頭部運動の同期を簡単に実現すること
ができる。
【0127】なお、眼球運動と同期させて観察するデー
タとしては、頭部運動のデータ以外に、視標投影装置の
視標投影角度センサ19(図15)の出力である測定信
号、あるいは、視標投影装置26の視標投影角度、投
影、非投影などの制御データを使用することもできる。
この場合、視標の運動に対する眼球の追従度を、定量的
に観察することができる。
【0128】図19の平衡機能検査装置61は、図18
ものに比べ、眼球運動観察用装着具1から出力される信
号が、既に、頭部センサ7の測定信号が変調され合成さ
れた合成ビデオ信号である点だけが相違している。その
ため、共通する部分については、説明を省略する。眼球
運動観察用装着具1からは、眼球画像のビデオ信号と頭
部センサの測定信号の合成画像が合成ビデオ信号として
出力される。したがって、変調器が不要になり、信号処
理が簡易化されている。
【0129】これによれば、定量的かつ、さらに簡便に
頭部運動と眼球運動の関係を観察し、記録することがで
きる。また、一旦、記録したデータを再生して、診断に
活用することができるので、被検者の負担を軽減するこ
とができる。最後に、本発明の眼球運動観察用装着具、
視標投影装置、平衡機能検査装置を用いて得られる具体
的な検査データについて説明する。図20は本発明の平
衡機能検査装置による検査結果の表示例を示すもので、
(a)は被検者が健常者の場合、(b)〜(f)は被検
者に各種の疾患がある場合を示すグラフである。
【0130】この図では、頭部回転運動の角速度HVを
第1段に、眼球の回転運動の角速度EVを以下の段に示
し、第2段は、前庭眼反射の場合の角速度EV(VO
R)、第3段は自然視前庭眼反射の場合の角速度EV
(Vis−VOR)、第4段は、固視前庭眼反射の場合
の角速度EV(VOR−FlX)を示している。それぞ
れ縦軸を角速度(deg/sec)、横軸を時間(sec)にとっ
ている。
【0131】この例では、HVは、眼球運動観察用装着
具に取り付けられた頭部回転角速度用の頭部センサから
出力された測定信号であり、EV(VOR)、EV(V
is−VOR)、EV(VOR−FlX)は撮像カメラ
によって撮像された眼球運動から算出した眼球の回転角
速度である。健常者の場合、EVは、EV(VOR−F
lX)の場合をのぞいて、ほぼHVと同じ波形になる
(図20(a))。
【0132】これに対して、片方の前庭機能に疾患があ
る場合(図20(b))は、EV(VOR)のゲイン、
つまり、EV(VOR)とHVの最大値の比が低下し、
両側に疾患のある場合(図20(c))では、EV(V
OR)がさらに低下する。また、片方の延髄領域に疾患
がある場合(図20(d))は、EV(VOR)のゲイ
ンが低下し、また、健常者では現れないEV(VOR−
FlX)にゲインが現れる。
【0133】さらに、小脳に疾患がある瑞含(図20
(e))は、EV(VOR−FlX)のゲインが他の場
合のEVのゲインとほぼ同じくらい現れる。加えて小葉
紳経系に疾患のある鴇含(図20(f))は、EV(V
OR)のゲインの低下はあまり観測できず、EV(VO
R−FlX)のゲインの発現のみが記録される。
【0134】したがって、このような検査データを比較
することによって、被検者がどのような平衡機能障害を
もっているか、また、障害の発生部位などを推測するこ
とができる。また、自然視前庭眼反射の場合の角速度E
V(Vis−VOR)は、自然視状態で、被検者に、前
方に固定された目標物を注視させた状態で、頭部を左右
に回転運動させた場合の眼球の回転運動を示し、どの被
検者の場合でも、暗視状態で行う固視前庭眼反射の場合
の角速度EV(VOR−FlX)に比べ、頭部回転運動
の角速度HVへの追随性が良い。
【0135】本発明の眼球運動観察用装着具、視標投影
装置、平衡機能検査装置を用いると、このような平衡機
能系についての各種の疾患の診断に有効な検査データ
を、同期させて、確実、簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼球運動観察用装着具の一例の概念的
内部構造図
【図2】本発明の眼球運動観察用装着具の一例の内部構
造の詳細を示す部分断面図
【図3】本発明の眼球運動観察用装着具の一例の外観斜
視図
【図4】本発明の眼球運動観察用装着具の他例の内部構
造の詳細を示す部分断面図
【図5】本発明の眼球運動観察用装着具の他例の外観斜
視図
【図6】本発明の眼球運動観察用装着具のさらに他例の
概略外観斜視図
【図7】本発明の眼球運動観察用装着具のさらに他例の
概略外観斜視図
【図8】本発明の眼球運動観察用装着具の一例の信号の
流れを示す内部ブロック図
【図9】本発明の眼球運動観察用装着具による頭部運動
と眼球運動を同期させた観察の状態の一例を示す概念図
【図10】本発明の眼球運動観察用装着具の他例の信号
の流れを示す内部ブロック図
【図11】本発明の眼球運動観察用装着具のさらに他例
の内部構造を示す平面図
【図12】本発明の眼球運動観察用装着具のさらに他例
を示すもので、(a)は人体頭部への装着状態の正面
図、(b)は装着具に暗視用カバーを装着する場合の説
明図、(c)は暗視用カバーを装着した斜視図
【図13】本発明の視標投影装置を設けた眼球運動観察
用装着具の一例を示す外観斜視図
【図14】本発明の視標投影装置の他例を示す側面図
【図15】本発明の視標投影装置の内部構造を示す概略
【図16】本発明の視標投影装置のさらに他例を示す外
観斜視図
【図17】本発明の視標投影装置のさらに他例を示すも
ので、(a)は外観斜視図、(b)は視標投影角度の例
を示す概念図
【図18】本発明の平衡機能検査装置の一例を示すブロ
ック図
【図19】本発明の平衡機能検査装置の他例を示すブロ
ック図
【図20】本発明の平衡機能検査装置による観察結果の
表示例を示すもので、(a)は健常者の場合、(b)〜
(f)は各種の疾患がある場合を示すグラフ
【図21】従来の平衡機能検査装置の一例を示す概念的
内部構造図
【符号の説明】
1、1A 眼球運動観察用装着具 2、2A 装着具本体 3、3C 撮像カメラ 3A 撮像方向 3B 撮像方向 4 透視部 4A 直視方向 5 光源 7 頭部センサ 10 外光遮断手段 10A 暗視用カバー(外光遮断手段) 11、12 固視目標物 13 ビデオ信号混合生成手段 14 視標投影手段 19 視標投影角度センサ 25 検査用椅子 26 視標投影装置 27 視標投影手段 51 記録装置 52 表示画面 53 コンピュータ(再生表示装置) 54 セレクタ 55 変調器 57 ビデオデッキ 58 モニタテレビ 60、61 平衡機能検査装置 M 被検者 P 前眼部(眼球)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 英基 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株 式会社モリタ製作所内 (72)発明者 伊藤 豊 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株 式会社モリタ製作所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検者の顔面もしくは頭部に装着される装
    着具本体に、撮像カメラを備え、この撮像カメラによっ
    て撮影した前眼部の動画像をビデオ信号として取り出す
    ようにした眼球運動観察用装着具において、 前記装着具本体には、前記撮像カメラを、被検者が自然
    視する直視方向を妨げない位置に配設した構成としてい
    る眼球運動観察用装着具。
  2. 【請求項2】被検者の顔面もしくは頭部に装着される装
    着具本体に、撮像カメラを内蔵し、この撮像カメラによ
    って撮影した前眼部の動画像をビデオ信号として取り出
    すようにした眼球運動観察用装着具において、 前記装着具本体には、被検者が外部を直視できる透視部
    を設けるとともに、前眼部を照らす光源と前記撮像カメ
    ラとを、被検者が透視部を通じて外部を自然視するのを
    妨げない位置に配設した構成としている眼球運動観察用
    装着具。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記透視部は、カバー、シャッターなどの外光遮断手段
    を設けている眼球運動観察用装着具。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、 前記装着具本体には、前記透視部を自然視状態で直視し
    たときに視認することのできる固視目標物を設けた構造
    としている眼球運動観察用装着具。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記固視目標物は、前記装着具本体に収納可能に設けら
    れている眼球運動観察用装着具。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記装着具本体には、さらに、被検者の頭部の動きに応
    じた速度、加速度、角度、角速度、角加速度を検出する
    頭部センサを設けており、その測定信号も取り出せる構
    成としている眼球運動観察用装着具。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記眼球運動観察用装
    着具は、さらに、 前記頭部センサから出力される測定信号を、前記撮像カ
    メラによって撮影された撮像信号に同期させて合成する
    ビデオ信号混合生成手段を備えた構成としている眼球運
    動観察用装着具。
  8. 【請求項8】被検者の顔面もしくは頭部に装着され、そ
    の内部に内蔵させた撮像カメラによって撮影した前眼部
    の動画像をビデオ信号として取り出すようにした眼球運
    動観察用装着具の装着具本体の適所に視標投影手段を設
    け、この視標投影手段によって固視視標像を前方に配置
    したスクリーンや壁などに投影させる構成とした視標投
    影装置。
  9. 【請求項9】被検者が座る回転可能な検査用椅子の適所
    で、その回転中心となる位置付近に、視標投影手段を設
    け、この視標投影手段によって固視視標像を前方に配置
    したスクリーンなどに投影させる構成とした視標投影装
    置。
  10. 【請求項10】請求項8、9のいずれかにおいて、 前記視標投影手段は、被検者の前方に投影される視標の
    投影位置を、上下あるいは水平方向に角度調整可能な構
    造としている視標投影装置。
  11. 【請求項11】請求項8〜10のいずれかにおいて、 前記視標投影手段は、前記固視視標像に替えて、投影角
    度が被検者の直視方向に対して変化しながら動く視標像
    を、前方に設置されたスクリーンや壁などに投影するこ
    とができる視標投影装置。
  12. 【請求項12】請求項11において、 前記視標投影手段は、さらに、視標像が投影される前記
    投影角度を検出し、その測定信号を出力する視標投影角
    度センサを有している視標投影装置。
  13. 【請求項13】請求項8〜12において、 前記視標投影手段は、被検者の眼球の直視方向に対し
    て、任意の角度をなす方向に、視標像の投影、非投影、
    断続投影を外部から制御装置によって制御できるように
    した視標投影装置。
  14. 【請求項14】請求項8〜13において、前記視標投影
    手段は、レーザーポインタであることを特徴とする視標
    投影装置。
  15. 【請求項15】請求項1〜6に記載の眼球運動観察用装
    着具から出力されるビデオ信号とともに、請求項6に記
    載の眼球運動観察用装着具の頭部センサからの測定信
    号、あるいは、請求項12に記載の視標投影装置の視標
    投影角度センサからの測定信号をデジタル処理して、C
    D−R、MOディスク、カセットストリーマなどの光、
    磁気、光磁気の記録媒体に記録させる記録装置と、 表示画面を有し、この記録媒体に記録されたビデオ信号
    と前記いずれかの測定信号とを同期させて読み出し、画
    像処理、信号処理を施して、同じ表示画面に表示させる
    再生表示装置とを備え、 頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録する
    ことのできる平衡機能検査装置。
  16. 【請求項16】請求項7に記載の眼球運動観察用装着具
    から出力される合成ビデオ信号をデジタル処理して、C
    D−R、MOディスク、カセットストリーマなどの光、
    磁気、光磁気の記録媒体に記録させる記録装置と、 表示画面を有し、この記録媒体に記録された合成ビデオ
    信号を読み出して、眼球の画像とセンサの測定情報と
    を、画像処理、信号処理を施して、同じ表示画面に表示
    させる再生表示装置とを備え、 頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録する
    ことのできる平衡機能検査装置。
  17. 【請求項17】請求項15において、 前記記録装置は、眼球画像をビデオ信号の映像帯域に、
    かつ前記いずれかの測定信号をビデオ信号の音声帯域に
    変調してビデオテープに記録し、前記再生表示装置は、
    ビデオテープの映像帯域と音声帯域とを復調して、眼球
    画像と前記測定信号とを読み出して、画像処理、信号処
    理を施して、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の
    関係を同期させて観察、記録することのできる平衡機能
    検査装置。
  18. 【請求項18】請求項16において、 前記記録装置は、前記合成ビデオ信号をビデオテープに
    記録させるビデオレコーダで構成され、前記再生表示装
    置は、ビデオテープから読み出した合成ビデオ信号をさ
    らに復調して、画像処理、信号処理をして、表示画面に
    表示し、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、
    記録することのできる平衡機能検査装置。
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