JP3654625B2 - 眼球運動検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼科、耳鼻科、神経内科、脳神経外科などの診療に用いられる眼球運動検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼科診療において、また、耳鼻科、神経内科、脳神経外科など用いられる眼振検査などにおいても、正確に眼球運動を捕らえることが重要であるが、眼球運動を正確に計測、記録するためには、まず、予め定められた位置に配置された指標を被験者が注視したときの眼球の視線方向を求め、これを較正値として実際の検査中の眼球運動を算出することが有効である。つまり、眼球運動検査を行う場合には、前もって必ず較正を行う必要がある。
【0003】
図7に、従来の較正方法の一例を示す。
【0004】
この眼球運動検査装置110は、被験者Mの眼球Eを撮像する撮像カメラ101、この撮像カメラ101を被験者Mの眼球Eに対面させて保持するための装着具102、被験者の前方の壁などに所定間隔で設けられた較正用指標103、被験者Mの頭部が動かないように固定する頭部固定具107を備えている。
【0005】
撮像カメラ101は、被験者Mの一方の眼球Eだけを撮像するように、その眼球に対面するように保持され、被験者Mは他方の眼球Eで較正用指標103を注視する。較正用指標103は、例えば、図示するように、被験者から距離Lだけ遠ざかり、視線中心から左右に10度ずつ振り分けた視線方向となるように設けられ、この較正用指標103を被験者が注視したときの眼球画像を用いて較正を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の眼球運動検査装置は、以下のような問題があった。
【0007】
1.眼球を撮像する撮像カメラがその眼球の視野を覆うため、較正をするためには、他の眼球の前方視野を開放し、この眼球で外部に設置された較正用指標を注視させる必要があった。しかし、この方法では、撮像されている眼球と較正用指標を注視している眼球が異なるため正確な較正が出来ず、また、片眼が不自由な場合には較正を行うことが出来なかった。
【0008】
2.較正用指標を注視する側の眼球を撮像するためには、ハーフミラーなどを用いて視野を妨げない位置に撮像カメラを設置する方法があるが、その場合には、装置の構造が複雑にならざるを得なかった。
【0009】
3.視線方向を検出するための較正用指標を外部の壁などに設置しているので、検査を行うのに場所に拘束されるという点があった。
【0010】
4.較正用指標、眼球、撮像カメラの相対的位置関係が校正時の精度に影響するため、被験者の眼球位置が変動しないように、被験者の頭部を正確に位置決めする頭部固定具が必要であった。
【0011】
5.較正用指標が複数ある場合に、口頭などで、どの指標を注視するかを指示していたが、煩わしかった。また、較正用指標とこれを注視したときに得られる眼球画像との連携が容易ではなかった。
【0012】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするもので、簡易な構造で、較正用指標を注視する眼球を撮像カメラで撮像でき、較正用指標、眼球、撮像カメラの相対的位置関係が、被験者の頭部の動きに拘わらずに常に一定に保たれ、正確な較正をすることができ、検査に便利な眼球運動検査装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の眼球運動検査装置は、眼球を撮影するための撮像カメラと、前記撮像カメラを被験者の顔面の所定の位置に保持する装着具を備えた眼球運動検査装置において、前記撮像カメラの焦点位置に対して規定された位置に第1の較正用指標を設置し、撮像カメラを中心として対角の位置に第2の較正用指標を設置し、これらの較正用指標を見たときの眼球画像を基に、回転中心位置、回転半径、視線方向の較正を行えるようにしている。
【0014】
ここで、撮像カメラとしてはCCDカメラが好ましいが、小形軽量であれば、これに限らない。また、撮像カメラは、眼球を撮影するために、装着具によって眼球の正視対面位置に保持されるのが望ましいが、被験者の顔面前部であって、その眼球が運動した場合にも常に眼球画像が得られるような位置であれば、正視位置でない位置に保持するようにしてもよい。
【0015】
較正用指標を設置する「撮像カメラの焦点位置に対して規定された位置」とは、撮像カメラの焦点、つまり、このカメラで撮像された像が結像する面の中心、換言すれば、撮像カメラのCCDセンサの表面(以下、「撮像面」という。)の中心位置から相対的位置関係が固定され、この較正用指標を注視する眼球をその撮像カメラで撮像できるような位置、という意味であって、望ましくは、この撮像面と同一平面上で撮像カメラの中心から所定距離離れた位置が良いが、これに限らない。
【0016】
この眼球運動検査装置は、被験者の顔面に装着される装着具に、眼球を撮像する撮像カメラと較正用指標が設けられているので、簡易な構造で較正用指標を注視する眼球を撮像カメラで撮像でき、また、この撮像カメラと較正用指標の相対的位置関係が固定されているので、眼球に撮像カメラのピントが合った状態では、眼球、撮像カメラ、較正用指標の相対的位置関係が被験者の頭部の動きに拘わらず一定に保たれ、正確に較正をすることが出来る。
【0017】
請求項2に記載の眼球運動検査装置は、請求項1の眼球運動検査装置において、前記撮像カメラが固定焦点のものであって、この撮像カメラと前記較正用指標の相対的位置が固定され、これらの撮像カメラと較正用指標とを眼球に対して同時に位置保持可能に前後移動させることができるようにしたことを特徴とする。
【0018】
この眼球運動検査装置は、撮像カメラと較正用指標が眼球に対して同時に前後し、その移動後の位置を保持できるようになっているので、眼球、撮像カメラ、較正用指標の相対的位置関係を維持したままで、簡単に、眼球に対する撮像カメラのピントを合わせることができる。
【0019】
請求項3に記載の眼球運動検査装置は、請求項2の眼球運動検査装置において、前記撮像カメラと前記較正用指標との眼球に対する左右位置が同時に調整可能となっていることを特徴とする。
【0020】
この眼球運動検査装置は、撮像カメラと較正用指標との眼球に対する左右位置を調整することができるので、眼球、撮像カメラ、較正用指標の相対的位置関係を維持したままで、簡単に、撮像カメラがちょうど適当な左右位置で、被験者の眼球を撮像するようにできる。
【0021】
請求項4に記載の眼球運動検査装置は、請求項1〜3のいずれかの眼球運動検査装置において、さらに撮像カメラの焦点位置に対して規定された位置に第3以降の較正用指標を設置したことを特徴とする。
【0022】
この眼球運動検査装置は、複数の較正用指標を異なる位置に備えているので、複数の較正データに基づき、較正をより正確に行うことができる。
【0023】
請求項5に記載の眼球運動検査装置は、請求項4の眼球運動検査装置において、前記較正用指標が、異なる色を持つことを特徴とする。
【0024】
この眼球運動検査装置は、複数の較正用指標が、それぞれ異なる色となっているので、どの指標を注視するかを口頭で指示し易い。
【0025】
請求項6に記載の眼球運動検査装置は、請求項4または5のいずれかの眼球運動検査装置において、前記較正用指標の提示を予め規定した順序で行い、この提示状態を示す信号を出力する機能を持つことを特徴とする。
【0026】
この眼球運動検査装置は、予め定められた順序で装置自体が指標を提示するので、指示作業が簡単になり、また、その提示状態信号が出力されるので、これを表示等させることで、較正用指標とこれを注視したときに得られる眼球画像との連携が容易になる。
【0027】
請求項7に記載の眼球運動検査装置は、請求項4または5のいずれかの眼球運動検査装置において、前記較正用指標の提示が外部から設定可能となっていることを特徴とする。
【0028】
この眼球運動検査装置は、提示態様を外部から設定可能となっているので、現場の必要に合わせて、指示作業をすることができる。
【0029】
請求項8に記載の眼球運動検査装置は、請求項1から7のいずれかの眼球運動検査装置において、前記較正用指標が光点であり、被験者が注視しやすく、眩惑しにくい等、被験者の視力への影響を軽減することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に係る眼球運動検査装置の実施の形態について、図を用いながら説明する。
【0031】
図1は、本発明の眼球運動検査装置の基本概念説明図であって、(a)はその基本概念を示す斜視図、(b)はその側面図、(c)は基本概念の数式を示している。
【0032】
図1(a)において、1は被験者の眼球Eを撮像するための撮像カメラ、1aは撮像カメラ1の撮像面であって、この撮像面1aにカメラ1の焦点がある。1bは撮像カメラ1を載置した基板であって、その表面は撮像カメラ1の撮像面1aと一致している。3は較正用指標であって、基板1bの上に設置され、その基板上の位置は、例えば、図1(b)に示すように、撮像面1aの中心と眼球Eの回転中心Oを結んだ中心線D0から、上下に距離Fa、Fbだけ離れた位置に規定されている。
【0033】
なお、それぞれの較正用指標3を区別する場合には、図示したように較正用指標3a、3b、3cと呼ぶこともある。また、Dは、眼球Eが較正用指標3を注視したときの視線方向を示すが、これについても、それぞれの較正用指標3a、3b、3cへの視線方向を区別する場合には、視線方向Da、Db、Dcと呼ぶことがある。
【0034】
この眼球運動検査装置の基本概念は、これらの図から解るように、まず、簡易な構造で較正用指標3を注視する眼球Eを撮像カメラ1で撮像できるようになっている点である。ついで、撮像カメラ1と較正用指標3の相対的位置関係が規定されており、撮像カメラ1を移動させると較正用指標3も同じように移動するという点である。このように配置された撮像カメラ1と較正用指標3を用いて、撮像カメラ1のピントを眼球Eの表面にあわせるように、つまり、瞳孔eがきれいに撮像できるようにすると、このカメラ1の仕様から、図に示すような撮像面1bと眼球E表面の距離L′が定まり、眼球E、撮像カメラ1、較正用指標3の相対的位置関係が一定のものとなり、正確な較正をすることができる。
【0035】
図1(c)に示す式は、視線方向Dを求めるためのものである。上記のようにして撮像された眼球画像から、後述するように眼球Eの回転中心O、眼球Eの回転半径Rを求め、それによって、式1:L=R+L′により、眼球Eの回転中心Oと撮像面1bとの距離Lを求め、この距離Lから、図1(c)の式により、較正用指標3aへの視線方向Daが中心線D0と成す角度α、較正用指標3bへの視線方向Dbが中心線D0と成す角度βを得ることができる。
【0036】
このようにして、眼球運動検査装置を装着して、本来の検査を始める前に、眼球Eの回転中心O、回転半径Rを求め、較正用指標3a、3bなどを注視したときの視線方向Da、Dbなどと眼球画像(より正確には、後述するように、視線位置、つまり、眼球画像上の瞳孔の中心点の位置)の対応付けを行う。この手順が較正である。
【0037】
この較正をしておくと、その後、眼球画像から視線位置を算出するだけで、時々刻々運動する眼球の3次元的な視線方向を正確に把握することができ、正確な眼球運動を捕捉することができ、検査精度が向上する。
【0038】
これより、より具体的に、眼球運動検査装置について説明する。
【0039】
図2は、本発明の眼球運動検査装置の一例を示す外観斜視図、図3(a)は、本発明の眼球運動検査装置の一例の内部構造を示す部分断面図、(b)は較正用指標の一例の内部構造を示す部分断面図である。なお、これより、すでに説明した部分と同じ部分については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0040】
撮像カメラ1が両眼用にそれぞれ1台ずつ設置されている装着具2は、遮光性、坑菌性のある硬質プラスチックなどで作られ、撮像カメラ1などを収納、設置するようにしている本体部2aと、図3に示すように、顔面に接触する部分であって、合成樹脂ゴムなどの弾性、遮光性、また、坑菌性のある材料で作られた水中メガネ様の接顔部2bとで構成されている。本体部2aと接顔部2bとは、光を通さないように密着して、分離可能に、あるいは、分離不可能に接合され、一体と成っている。
【0041】
接顔部2bの顔面への接触面は顔面に対し光を通さないように密着し、また、顔面表面形状に沿うような形状を有しており、装着ベルト2cで頭部に取りつけらた場合には、頭部に通常の眼振検査などの回転運動などを与えた程度ではズレないようになっている。したがって、頭部運動中でも、装着具全体の慣性モーメントが小さいという条件と相乗的に、装着具のズレ、撮像された眼球画像のブレを抑えている。また、装着ベルト2cは、ベルト脱着具凸2dとベルト脱着具凹2eによって、被検者Mの頭部に簡単に脱着することができ、操作性がよい。
【0042】
装着具2内部は、上述したように暗視状態となっているので、撮像カメラ1として小型で高画質の赤外線CCDカメラを用い、これに対応して、基板1bには非可視領域の赤外線で眼球Eを照らす赤外線ランプ1cが備えられている。また、ここでは、撮像カメラ1は固定焦点となっており、予め設定された距離(図1の距離L′)に眼球があるときピントの合った鮮明な画像が得られるようになっている。
【0043】
較正用指標3としては、図3(b)に示すように、可視光発光ダイオード(LED)を用い、ピンホールを通して点光源にする。より詳しくは、基板1bにLED31が固定され、ピンホール33を設けたカバー32で、このLED31の前面を覆い、LED31からの光がピンホール33を通して光点となって発光するようになっている。これは、被験者が注視しやすく、また、眩しすぎないようにするためである。
【0044】
また、較正用指標3は、基板1b上に、左右方向のほか上下方向にもずらせて、撮像カメラ1を中心とする対角の位置に設置されており、この2個の指標3だけで、左右だけでなく上下方向の較正も同時に行うことができる。もっとも、図1でも示したように、較正用指標3を3個以上設けても良く、その場合には、較正の精度が向上する。
【0045】
また、較正用指標3は、撮像カメラ1が設置されているのと同じ基板1b上に設置されており、撮像カメラ1と連動して前後左右に動かすことができる。
【0046】
図3の符号4は、撮像カメラ1と較正用指標3とを連動させて前後に位置保持可能に移動させるための焦点調整手段であり、装着具2の本体部2aに対して前後に位置保持可能にスライドする調整レバー4aと、この調整レバー4aに立設され、撮像カメラ1を設けた左右の基板1bを保持している支持板4bを備えており、調整レバー4aを前後に移動させることで、撮像カメラ1のピントを眼球Eの表面に合わせることができる。
【0047】
符号5は、撮像カメラ1と較正用指標3とを連動させて左右に位置保持可能に移動させるための左右調整手段であり、装着具2の本体部2aに対して左右に位置保持可能にスライドする左右の調整レバー5aと、焦点調整手段4の支持板4bに設けられ、左右の基板1bをそれぞれ個々に左右にスライド可能に支承しているスライド支持部材5bとを備え、それぞれ左右の調整レバー5aで基板1bを左右にスライドさせることができ、被験者の眼球Eに合わせて、撮像カメラ1の左右位置を調整することができる。
【0048】
こうして、撮像カメラ1のピントと左右位置の調整が、撮像カメラ1と較正用指標3の相対的位置関係を維持しながらできるので、正確な較正を妨げない。
【0049】
なお、焦点調整手段4は、ここでは、左右の撮像カメラ1を同時に前後させる例について説明したが、左右の撮像カメラ1を個々に前後させるようにしても良い。
【0050】
図4は、本発明の眼球運動検査装置の一例の一部破断した外観斜視図であり、図2と反対側から本装置を見た所を示している。
【0051】
この図を見ると、上述の左右に設けれられた左右調整手段5の設置状態がよく解る。
【0052】
図5は、本発明の眼球運動検査装置の他例の概念説明図である。
【0053】
図5(a)では、基板1b上に、3個の較正用指標3(3a、3b、3c)が異なる位置に設けられており、これらの発光色は、図5(b)に示す用に、それぞれ較正用指標3aがGREEN(緑)、3bがYELLOW(黄)、3cがRED(赤)に発光するようになっている。
【0054】
このように較正用指標3a、3b、3cを色分けしておくと、これらを同時に点灯させた状態で、較正すべき指標の色名を口頭で指示することによって、被験者に間違いなく目標の指標を注視させることができ、較正の間違いを減らすことができる。
【0055】
図5(c)では、基板1b上に、3個の較正用指標3(3a、3b、3c)が異なる位置に設けられており、これらの発光色は同一あるいは異なるものであるが、図5(d)に示すように、それぞれ較正用指標3a、3b、3cを順次点灯して、被験者に注視させるようにしている。この場合、較正用指標3のそれぞれは、一旦点灯したら、消灯するのでなく、点灯させたままでも良い。
【0056】
このようにすると、複数の較正用指標についての較正が自動的に行え、便利である。
【0057】
図6は、本発明の眼球運動検査装置の一例を示すブロック図である。
【0058】
撮像カメラ1は、撮像信号を汎用のビデオ信号に処理する回路を有しており、そのビデオ信号は、白黒2値画情報やカラー画情報に、水平、垂直同期信号を加えた複合映像信号とする。このビデオ信号の方式をNTSC標準方式の他、SECAM方式、PAL方式にしておけば、撮像した眼球の動画を一般のテレビジョン受像機の画面に映し出して観察でき、一般のビデオデッキで録画することができる。
【0059】
撮像カメラ1からビデオ信号が送られ、モニタテレビ11に直接、あるいは、ビデオデッキ12で記録・再生され、眼球画像Iなどがモニタ表示される。ここでは、2つの異なる較正用指標に対して得られた2種類の瞳孔e1、e2の画像と、これから得られた視線位置P1、P2、つまり、瞳孔e1、e2の画像を楕円と見なしたときの楕円中心が表示され、これらの視線位置P1、P2から瞳孔e1、e2の楕円の短径を延長したときの交点が回転中心Oであることも表示されている。
【0060】
なお、眼球画像Iから視線位置Pを求め、これから回転中心O、回転半径R、視線方向Dをリアルタイムに求める方法は、特開平8−145644号公報に記載された楕円近似を用いた解析方法を基本としたものである。
【0061】
セレクタ13は、ビデオ信号を直接、ビデオボード(ADボード)14に入力するか、ビデオデッキ12に記録され、再生された信号を入力するか切り替える。ビデオボード13は、ビデオ信号、あるいは、測定信号をAD変換し、パソコン15に出力する。
【0062】
パソコン15は、そのデジタル化されたデータを、記録装置16を用いて、種別に応じたフォーマットで、CD−R、MOディスク、カセットストリーマなどの光あるいは磁気の記録媒体に記録させる。また、パソコン15は、表示装置15a、CPU及び各種制御機器を備えた本体部15b、キーボード15cを備えており、記録媒体に記録された眼球画像を読み出して、上述の楕円近似を用いた解析などを施して、その結果を、表示装置15aやモニタテレビ11に表示させる。記録装置16は、また、その解析結果も記録媒体に記録保存する。
【0063】
これによれば、定量的かつ簡便に眼球運動の較正をすることができ、全ての画像や解析結果が記録保存されるので、再利用や確認をするのに適している。また、この装置10は、本来の眼球運動の検査にも、もちろんそのまま用いることができるものである。
【0064】
パソコン15のキーボード15cは、複数ある較正用指標3の提示順序、提示時間などの提示態様を設定することができる外部設定手段としても用いられ、このように現場の必要に応じた提示態様の設定も可能なので、便利である。
【0065】
図7は、本発明の眼球運動検査装置における較正処理の一例を示すフローチャートである。この図で、図5(c)、(d)のように、複数の較正用指標3を順次点灯するものについて説明する。
【0066】
まず、撮像カメラ1を備えた装着具2を被験者に装着視、眼球Eにピントを合わせる(S1、図2参照)。次に、較正プログラムを起動する(S2)。この較正プログラムは、順次、指標3を点灯させ(S3)、その指標3を注視したときの眼球画像から視線位置(S4、S5、S6)を取得し、その指標3の位置情報とすりあわせて、自動的に較正(S7)を行う。
【0067】
こうして、自動的に較正が行われるので、較正作業が容易になる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1に記載の眼球運動検査装置によれば、被験者の顔面に装着される装着具に、眼球を撮像する撮像カメラと較正用指標が設けられているので、簡易な構造で較正用指標を注視する眼球を撮像カメラで撮像でき、また、この撮像カメラと較正用指標の相対的位置関係が固定されているので、眼球に撮像カメラのピントが合った状態では、眼球、撮像カメラ、較正用指標の相対的位置関係が被験者の頭部の動きに拘わらず一定に保たれ、正確に較正をすることが出来る。
【0069】
請求項2に記載の眼球運動検査装置によれば、請求項1の効果に加え、撮像カメラと較正用指標が眼球に対して同時に前後し、その移動後の位置を保持できるようになっているので、眼球、撮像カメラ、較正用指標の相対的位置関係を維持したままで、簡単に、眼球に対する撮像カメラのピントを合わせることができる。
【0070】
請求項3に記載の眼球運動検査装置によれば、請求項2の効果に加え、撮像カメラと較正用指標との眼球に対する左右位置を調整することができるので、眼球、撮像カメラ、較正用指標の相対的位置関係を維持したままで、簡単に、撮像カメラがちょうど適当な左右位置で、被験者の眼球を撮像するようにできる。
【0071】
請求項4に記載の眼球運動検査装置によれば、請求項1〜3のいずれかの効果に加え、複数の較正用指標を異なる位置に備えているので、複数の較正データに基づき、較正をより正確に行うことができる。
【0072】
請求項5に記載の眼球運動検査装置によれば、請求項4の効果に加え、複数の較正用指標が、それぞれ異なる色となっているので、どの指標を注視するかを口頭で指示し易い。
【0073】
請求項6に記載の眼球運動検査装置によれば、請求項4または5のいずれかの効果に加え、予め定められた順序で装置自体が指標を提示するので、指示作業が簡単になり、また、その提示状態信号が出力されるので、これを表示等させることで、較正用指標とこれを注視したときに得られる眼球画像との連携が容易になる。
【0074】
請求項7に記載の眼球運動検査装置によれば、請求項4または5のいずれかの効果に加え、提示態様を外部から設定可能となっているので、現場の必要に合わせて、指示作業をすることができる。
【0075】
請求項8に記載の眼球運動検査装置によれば、請求項1から7のいずれかの効果に加え、較正用指標を、被験者が注視しやすく眩惑しにくい光点としているので、被験者の視力への影響を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼球運動検査装置の基本概念説明図
【図2】本発明の眼球運動検査装置の一例を示す外観斜視図
【図3】本発明の眼球運動検査装置の一例の内部構造を示す部分断面図
【図4】本発明の眼球運動検査装置の一例の一部破断した外観斜視図
【図5】本発明の眼球運動検査装置の他例の概念説明図
【図6】本発明の平衡機能検査装置の一例を示すブロック図
【図7】本発明の眼球運動検査装置における較正処理の一例を示すフローチャート
【図8】従来の眼球運動検査装置の一例を示す外観斜視図
【符号の説明】
1 撮像カメラ
1a 撮像面
1b 基板
1c 赤外線ランプ
2 装着具
2a 装着バンド
3 較正用指標
4 焦点調整手段
5 左右調整手段
6 外部設定手段
10 眼球運動検査装置
D 視線方向
E 眼球
e 瞳孔
I 眼球画像
M 被検者
O 回転中心
P 視線位置
R 回転半径
S 提示状態信号

Claims (8)

  1. 眼球を撮影するための撮像カメラと、前記撮像カメラを被験者の顔面の所定の位置に保持する装着具を備えた眼球運動検査装置において、
    前記撮像カメラの焦点位置に対して規定された位置に第1の較正用指標を設置し、撮像カメラを中心として対角の位置に第2の較正用指標を設置し、これらの較正用指標を見たときの眼球画像を基に、眼球の回転中心位置、回転半径、視線方向の較正を行えるようにした眼球運動検査装置。
  2. 請求項1の眼球運動検査装置において、
    前記撮像カメラが固定焦点のものであって、この撮像カメラと前記較正用指標の相対的位置が固定され、これらの撮像カメラと較正用指標とを眼球に対して同時に位置保持可能に前後移動させることができるようにしたことを特徴とする眼球運動検査装置。
  3. 請求項2の眼球運動検査装置において、
    前記撮像カメラと前記較正用指標との眼球に対する左右位置が同時に調整可能となっていることを特徴とする眼球運動検査装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの眼球運動検査装置において、
    さらに撮像カメラの焦点位置に対して規定された位置に第3以降の較正用指標を設置したことを特徴とする眼球運動検査装置。
  5. 請求項4の眼球運動検査装置において、
    前記較正用指標が、異なる色を持つことを特徴とする眼球運動検査装置。
  6. 請求項4または5のいずれかの眼球運動検査装置において、
    前記較正用指標の提示を予め規定した順序で行い、この提示状態を示す信号を出力する機能を持つことを特徴とする眼球運動検査装置。
  7. 請求項4または5のいずれかの眼球運動検査装置において、
    前記較正用指標の提示が外部から設定可能となっていることを特徴とする眼球運動検査装置。
  8. 請求項1から7のいずれかの眼球運動検査装置において、
    前記較正用指標が光点であることを特徴とする眼球運動検査装置。
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