JP3821259B2 - 眼球運動観察用装着具、視標投影装置、及びこれらを用いた平衡機能検査装置 - Google Patents

眼球運動観察用装着具、視標投影装置、及びこれらを用いた平衡機能検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳鼻科、神経内科、脳神経外科などにおいて、めまいや平衡機能障害などの診療に用いられる平衡機能検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
耳鼻科、神経内科、脳神経外科などにおいて、めまいや平衡機能障害などの診療においては、目への刺激、頭部への刺激、あるいは耳への刺激に対して、眼球がどのような運動をするかを調べる眼振検査が広く行われている。
これは、目への刺激、例えば、動く物を見る場合の、その動体への目の追従度を健常者と比較することによって、視覚系の異常を知ることができるからである。また、頭への刺激、例えば、頭部を水平に回転させる刺激、より具体的には首を左右に振る刺激に対する眼球運動を健常者と比較することによって、人体がうける種々の加速度を検知している前庭や三半規管などの平衡機能系の異常を知ることができるからである。これは、前庭などの刺激に反応して、眼球が一定の運動をするという知見に基づくものである。
【0003】
この眼振検査には、前庭眼反射(VOR:VESTIBULO-OCULAR REFLEX)、自然視前庭眼反射(Vis−VOR:VISUAL-VESTIBULO-OCULAR REFLEX)、固視前庭眼反射(VOR−FIX:FIXATION SUPPRESSION OF THE VESTIBULO-OCULAR REFLEX)を検査するものがある。
前庭眼反射は、頭部に生理的な回転刺激などを与えると視野を安定するために頭部と反対に眼球が変位するという反射であり、この反射についての解剖学的な神経の連絡や、生理学的な動特性については非常に多くの報告、知見があり、定量性が高く個体差の少ないものであることが知られている。前庭眼反射の検査は、眼球への視刺激の影響を避けるため、暗視下において頭部運動などに対する眼球運動を調べることによって行われる。
【0004】
これに対し、自然視前庭眼反射は、明視下において、静止したあるいは動く目標物を注視させた場合の目標物の運動と眼球運動の関係を調べるものであり、固視前庭眼反射は、明視下において、頭部と同時に動く目標物を注視させたままで頭を動かした場合の、頭部運動に対する眼球運動を調べるものである。
この場合、頭に回転運動を与えたりした場合でも、常にブレなく正確に、眼球運動のみを捕らえることができることが重要な条件となる。また、特に、頭部運動に対する眼球運動の関係が重要なので、これらの関係を、同時にかつ同期的に観察し記録するこができることも重要である。
【0005】
このような眼振検査に用いられる眼球運動の記録観察法として肉眼観察、フレンツェル眼鏡下観察、キモグラフィー、映画撮影、ビデオ記録、電気的あるいは光学的記録方法、電磁的記録法などがあるが、肉眼観察、フレンツェル眼鏡下観察などは、定性的で客観性に欠けていた。客観的な記録方法としては、キモグラフィー以下の方法があり、近年では、主に、電気的記録法である電気眼振計(ENG:ELECTRO-NYSTAGMOGRAPHY)と電磁的記録法であるサーチコイル法が用いられている。
【0006】
電気眼振検査は、頭部あるいは顔面の適所に電極を装着し、眼球の回転に伴う網膜角膜電位による検知電位の変化を測るもので、客観的、定量的な記録ができ、閉眼、暗所、頭部回転中でも観察可能で、装置が比較的安価で、これまで、最も広く用いられている。しかし、眼球回旋運動が記録できない、生体電気を計測するため外部干渉が多い、頭部運動を検知するのに、別途装着具などを用いて頭部センサを設ける必要があるなど、検査自体が大掛かりとなり、時間を要するため患者の負担となり、日常臨床的に簡単に用いることはできなかった。
【0007】
一方、眼球回旋運動も記録できる方法としてサーチコイル法があるが、これは、眼球にムービングコイルを貼り付け、その動きを観察するもので、被検者の眼球にコイルを直接貼り付けるので、人体への侵襲の点で不都合があり、また、電気眼振検査と同様に、頭部運動センサを別途設けるなど煩雑な手間を要し、日常臨床的には普及していない。
【0008】
これらの問題を解決する方法として、眼球をビデオカメラで撮像し、その動画像を観察、記録する方法が注目されている。
出願人も、すでに、特開平9−285468号において、上記諸問題を解決する平衡機能検査装置を提案している。この平衡機能検査装置は、初めて、前庭眼反射、自然視眼反射、固定視眼反射などを単一の装着具によって観察、記録することができる簡易軽量の装置であった。
【0009】
図21は、このような従来の平衡機能検査装置の一例を示す概念的内部構造図である。
この図は、平衡機能検査装置のうち、被検者Mの顔面に装着される装着具100の内部構造を概略的に示すものである。101は、被検者Mの前眼部Pを照らす光源であり、非可視領域の赤外線を発生する。102は、撮像カメラであって、ここでは赤外線CCDカメラが用いられ、被検者Mの直視方向106にちょうど対面する位置に設置され、前眼部Pを撮像する。103は、撮像カメラ102からの撮像信号を処理して所定の汎用のビデオ信号を出力する画像処理手段である。
【0010】
104は、頭部運動を検知する頭部センサで、ここでは、頭部運動の角速度を検知して、その測定信号を出力する。105は、装着具100を頭部に固定するベルトである。
107は、ハーフミラーであって、撮像カメラ102からは、被検者Mの前眼部Pを撮像できるが、被検者Mからは、撮像カメラ102は見ることができないようになっている。一方、ハーフミラー107に対面する形で、さらに、ミラー108が設けられ、図の矢印線に示すように外光が取り入れられるので、被検者は、この2枚のミラー107、108を介して、外部を見ることができるようになっている。
【0011】
この平衡機能検査装置によれば、ミラー108は、開閉式となっており、これを閉めると外光を遮断して、装着具100の内部は、暗所状態となるので、非可視領域の赤外線を使用して、前庭眼反射の検査をすることができる。ミラー108を開くと、被検者は外部を見ることができるので、自然視前庭眼反射の検査もすることができる。さらに、ミラー108を開いた状態で、この装着具に収納可能に設けられた固視目標物(不図示)が見えるようにすると、固視前庭眼反射の検査もすることができるのである。
【0012】
しかし、撮像カメラを眼の前の直視方向に対面させて置き、自然視を可能とするためハーフミラーなどを使用していたため、構造が複雑となり、装着具の顔面からの突き出し長さが長いため、回転慣性モーメントが大きく、検査のため、頭部回転刺激などを与えると装着具がズレて、正確な検査ができないなどの問題があり、さらなる改善が望まれていた。
【0013】
また、自然視状態での眼反射検査では、固視目標物や固視視標、所定の条件に従って動かすことのできる視標が必要である。従来、このための客観的な観察、記録ができる装置として、半円形のスクリーンや、円弧状のスクリーンに光点を表示する装置など用いられていたが、装置規模が大きく、また視標提示中の眼球運動を観察するにはENG装置やサーチコイルと組み合わせて使用するしかなく、全体として、平衡機能検査装置が大型化、複雑化していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題を解決すべく、被検者の頭部運動に拘らずに画像ブレがなく明瞭に眼球運動を撮像でき、眼球運動と頭部運動を同時かつ同期的に観察することができ、前庭眼反射、自然視前庭眼反射、固視前庭眼反射などの検査も一台でできる眼球運動観察用装着具と、これと共に用いられる簡便な視標投影装置、及び、これらの眼球運動観察用装着具と視標投影装置を用い、その観察結果を表示、記録、分析処理することができ、定量的かつ簡便に頭部運動と眼球運動の関係を観察し、記録することができる平衡機能検査装置とを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1〜5は、主として平衡機能検査に用いられる、眼球運動観察用装着具に関するものである。請求項1に記載の眼球運動観察用装着具は、被検者の顔面もしくは頭部に装着される装着具本体に、撮像カメラを内蔵し、この撮像カメラによって撮影した前眼部の動画像をビデオ信号として取り出すようにした眼球運動観察用装着具において、前記装着具本体は、被検者の顔面表面形状に沿う形状とした遮光性の接顔部と、この接顔部に密着して一体化され、光源と撮像カメラとを収納し、透視窓部を設けた本体部とを有し、上記本体部は、被検者が外部を自然視する位置に上記透視窓部を設けるとともに、該透視窓部の下方には前記被験者の前眼部を斜め下から照らし、撮影するための上記光源と、上記撮像カメラとを配置させており、前記本体部には、前記透視窓部を覆う外光遮断手段を着脱可能に設けるとともに、前記撮像カメラの上下、左右の移動位置を調整する前後、左右調整ツマミを設けていることを特徴とする。
【0017】
装着具の本体部には、直視方向を逃がす状態で前眼部を撮像できる撮像カメラが設けられ、被検者は、透視部を通して自然視可能で、この状態で前眼部を撮像し、ビデオ信号として取り出すことができる。このように、直視方向を確保する位置に撮像カメラを設けたため、ハーフミラーとミラーの組み合わせなどの方法で外光を取り入れるようにした従来の眼球運動観察用装着具に比べ、構造が簡単で、顔面からの出っ張りが減り、頭部回転時の慣性モーメントも小さくなって、装着具のズレを無くすことができる。
【0018】
接顔部、つまり装着具の顔面に接触する部分は合成樹脂ゴムなどの弾性、遮光性、また、坑菌性のある材料で作られた水中メガネ様のもので、接触面は顔面に対し光を通さないように密着し、また、顔面表面形状に沿うような形状を有しており、装着ベルトで頭部に取りつけられた場合には、頭部に通常の眼振検査の回転運動などを与えた程度ではズレないようになっている。
【0019】
前眼部を照らす光源は、後に説明するように、装着具を暗視状態でも使用するため、非可視領域の赤外線を発するものがよく、それに対応して、撮像カメラは、小型で高画質の赤外線CCDカメラが望ましいが、それに限定されない。透視窓部は、被検者の眼に外光が入るようになっているもの、つまり、自然視できるようになっているものであればなんでもよい。また、眼振検査は、あまり明るい所は適さないので、透視窓部にはガラスなどを設け、外光が入らないように着色するなどして、透過率を小さくすると良いが、これに限らない。
【0020】
ビデオ信号は、白黒2値画情報やカラー画情報に、水平、垂直同期信号を加えた複合映像信号とする。ビデオ信号出力端子より取り出すビデオ信号の方式をNTSC標準方式の他、SECAM方式、PAL方式にしておけば、撮像した眼球の動画を一般のテレビジョン受像機の画面に映し出して観察できる。
この眼球運動観察用装着具を使うと、画像のズレ無く、自然視前庭眼反射や、自然視状態、あるいは、明視状態の眼球運動の明瞭な観察をすることができる。
【0022】
請求項に記載の眼球運動観察用装着具は、請求項において、装着具本体には、透視部を自然視状態で直視したときに視認することのできる固視目標物を設けた構造としている。固視目標物とは、固視前庭眼反射を観察する時に用いられる注視目標物であり、頭部運動と同時に動き、常に被検者の直視方向に見えるものである必要がある。また、この固視目標物は、光像などのようにスクリーンなどに投影されて初めて視認される像ではなく、物理的な形を備えた有体物である。
【0023】
本発明では、固視目標物は頭部に固定された装着具に設けられているので、頭部と一緒に動き、この条件を満たしている。また、簡便な装置であるので、この装着具によれば固視前庭眼反射を簡単に観察できる。請求項に記載の眼球運動観察用装着具は、請求項において、前記固視目標物は、前記装着具本体に収納可能に設けられている。
【0024】
固視目標物が収納可能なので、装着具の収納時に便利である。請求項に記載の眼球運動観察用装着具は、請求項1〜のいずれかにおいて、装着具本体には、さらに、被検者の頭部の動きに応じた速度、加速度、角度、角速度、角加速度を検出する頭部センサを設けており、その測定信号も取り出せる構成としている。
【0025】
被検者の眼球の動きの動画像のビデオ信号とともに、頭部の動きを測定した測定信号も得られるので、平衡機能検査の診断データとして好適である。請求項1〜3の構成を備えたものでは、自然視前庭眼反射などの眼球運動のデータや暗視下での前庭眼反射の頭部運動と眼球運動のデータ、請求項4の構成を備えたものでは、固視前庭眼反射の頭部運動と眼球運動のデータを同時に得ることができる。
【0026】
この眼球運動観察用装着具では、ビデオ再生機器に接続すれば、眼球の画像のみが画面に表示される。
頭部センサの測定信号を画面表示するためには、オシロスコープなどの表示手段で表示させるか、さらにコンピュータに測定信号を取り込み、信号を処理し画像を生成してから画面に表示させる必要がある。
【0027】
すなわち、このものでは、出力は、ビデオ信号と、センサからの測定信号の2つが存在しており、コンピュータでは、インターフェースを介在させて2つの信号を取り込んで、合成画像を生成した後に、画面に表示させる。
画面表示は、リアルタイムが望ましいが、後述するように、一旦、記録装置に記録してから、再生・処理して表示させてもよい。
【0028】
請求項に記載の眼球運動観察用装着具は、請求項において、頭部センサから出力される測定信号を、撮像カメラによって撮影された画像信号に同期させて合成するビデオ信号混合生成手段を備えた構成としている。このものでは、ビデオ出力端子は1つであり、これをテレビジョン受像機のビデオ入力端子に接続すれば、眼球とセンサの測定信号を合成した映像が画面に表示される。
【0029】
センサの測定信号は、グラフ、数値として、眼球の画像と合成されて表示されるので、医者はその映像を見てすぐに診断することもできる。請求項6〜12は、主として平衡機能検査に用いられる、視標投影装置に関するものである。
【0030】
請求項に記載の視標投影装置は、請求項1に記載の眼球運動観察用装着具の装着具本体の適所に視標投影手段を設け、この視標投影手段によって固視視標像を前方に配置したスクリーンや壁などに投影させる構成としている。
【0031】
固視視標像とは、固視前庭眼反射を観察する時に用いられる注視目標像であり、頭部運動と同時に動き、常に被検者の直視方向に見えるものである必要がある。また、この固視視標像は、物理的な形を備えた有体物ではなく、視標投影手段によって、スクリーンなどに投影されて初めて視認される像である。
本発明では、固視視標像は、頭部に固定された装着具に設けられた視標投影手段によって投影されるので、頭部と一緒に動き、この条件を満たしており、また、簡便な装置であるので、固視前庭眼反射を、簡単に観察できる。
【0032】
視標投影手段は、レーザーポインタが軽量・小型で、その投影像も明瞭なので好適に用いられるが、これに限るものではない。また、投影先は、特別のスクリーンを設けてもよいが、検査室の壁面などでもよく、コストと手間を省くことができる。請求項に記載の視標投影装置は、請求項1のいずれかに記載の眼球運動観察用装着具とともに用いられる視標投影装置であって、被検者が座る回転可能な検査用椅子の適所で、その回転中心となる位置付近に設けた視標投影手段によって被検者の視認可能な固視視標像を前方に配置したスクリーンや壁などに投影させる構成としている。
【0033】
被検者が座る検査用椅子にアームや、支持フレームなどを設けて視標投影手段を設置し、被検者が自然状態で直視できる前方に、固視視標像を投影させるようにしている。この場合は、検査用椅子を回転させることによって、被検者の頭部も同時に回転し、その椅子の回転中心付近された視標投影手段によって、簡単に固視視標像を実現することができ、固視前庭眼反射の観察ができる。
【0034】
請求項に記載の視標投影装置は、請求項6、7のいずれかにおいて、前記視標投影手段は、被検者の前方に投影される視標の投影位置を、上下あるいは水平方向に角度調整可能な構造としている。固視視標像の投影方向の水平方向の角度と、伏角、仰角の調節ができ、被検者が最も見やすい部分に投影像をセットすることができる。
【0035】
請求項に記載の視標投影装置は、請求項6〜8のいずれかにおいて、前記視標投影手段は、前記固視視標像に替えて、投影角度が被検者の直視方向に対して変化しながら動く視標像を、前方に設置されたスクリーンや壁などに投影することができる。視標投影手段は、その視標投影手段を水平軸を中心に回転自由に支持する支柱に支えられており、外力を加えると、その視標投影方向を上下方向に滑らかに替えることができ、外力を加えないと、その角度位置を保持するようになっている。さらに、この支柱は、その支柱を垂直軸を中心に回転自由に支持する台座に設置されており、外力を加えると、その視標投影方向を水平方向に滑らかに替えることができ、外力を加えないと、その角度位置を保持するようになっている。
【0036】
このように支持された視標投影手段は、例えば、検者が、手動で操作することによって、被検者の頭中心に、視標像を、適宜、動かすことができ、その視標像の動きに対して、被検者の眼球がどのように追従するかを検査する追従性眼球運動検査(あるいは、視刺激検査)である注視眼振検査などをすることができる。請求項10に記載の視標投影装置は、請求項において、前記視標投影手段は、さらに、視標像が投影される投影線角度を検出し、その測定信号を出力する視標投影角度センサを有している。
【0037】
投影角度を定量的に捕らえることのできる視標投影角度センサを有しているので、その測定信号を利用することにより、注視視標像の位置変化に対する眼球運動の追従性の定量的な観測をすることができる。請求項11に記載の視標投影装置は、請求項6〜10において、前記視標投影手段は、被検者の眼球の直視方向に対して任意の角度をなす方向に、視標像の投影、非投影、断続投影を外部から制御装置によって制御できるようにしている。
【0038】
この視標投影装置は、明視下で、種々の追従性眼球運動の観察を行うために好適に使用されるもので、同時に複数の視標像を投影することもできる。例えば、直視方向に対して一定角度をなす視標像を投影して、眼球運動が設定している角度通り運動するか観察したり、また、一定角度をなす視標像を、設定した順番で投影して、それに対する眼球の追従度を観察したり、また、ランダムな方向に視標像を投影して、それに対する眼球の追従度を観察したりすることができる。
【0039】
また、この制御データは、簡単にデータとして取り出し、保存することができるので、眼球運動のデータと比較することによって、眼球の追従運動の定量的な観察、記録をすることができる。請求項12に記載の視標投影装置は、請求項6〜11において、前記視標投影手段がレーザーポインタであることを特徴としている。レーザーポインタは軽量小型で、その投影像も明瞭なので、好適な視標像を得ることができる。請求項13から16は、請求項1〜5に記載の眼球運動観察用装着具、あるいは/かつ、請求項6〜12に記載の視標投影装置を用いた平衡機能検査装置に関するものである。
【0040】
請求項13に記載の平衡機能検査装置は、請求項1〜に記載の眼球運動観察用装着具から出力されるビデオ信号とともに、請求項に記載の眼球運動観察用装着具の頭部センサからの測定信号、あるいは、請求項10に記載の視標投影装置の視標投影角度センサからの測定信号をデジタル処理して、CD−R、MOディスク、カセットストリーマなどの光、磁気、光磁気の記録媒体に記録させる記録装置と、表示画面を有し、この記録媒体に記録されたビデオ信号と、前記いずれかの測定信号とを同期させて読み出し、画像処理、信号処理を施して、同じ表示画面に表示させる再生表示装置とを備え、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することができる。
【0041】
眼球運動観察用装着具からは、眼球画像はアナログのビデオ信号の形で、頭部センサの測定信号はアナログ信号として出力される。しかし、眼球画像がデジタル信号で出力されるようにしてもよい。装着具から出力されるビデオ信号はビデオボード(ビデオインターフェース。ADボードも含む。)を使用して、デジタル化され、またセンサの測定信号もデジタル化される。
【0042】
このようにしてデジタル化された信号は、さらに記録装置に取り込まれ、双方の同期的な対応が維持されて記録媒体の種別に応じたフォーマットで記録媒体に記録させる。
かくして、記録媒体に記録された眼球画像とセンサの信号は、それぞれが同期して読み出され、所定の処理がなされて、画像合成されて、同じ表示画面に表示される。
【0043】
このようなシステムでは、必要な画像処理はコンピュータで行えるために、記録再生表示装置はコンピュータとその表示画面を用いて代用することができる。コンピュータとしては市販のパソコンやワークステーションが使用でき、記録装置も市販のCD−Rドライブ、MOドライブなどを使用することができ、専用の記録装置や再生装置を使用しなくてもよく、設備費が軽減でき、既に存在するパソコンやワークステーションのシステムをそのまま使用できる。
【0044】
請求項14に記載の平衡機能検査装置は、請求項に記載の眼球運動観察用装着具から出力される合成ビデオ信号をデジタル処理して、CD−R、MOディスク、カセットストリーマなどの光、磁気、光磁気の記録媒体に記録させる記録装置と、表示画面を有し、この記録媒体に記録された合成ビデオ信号を読み出して、眼球の画像とセンサの測定情報とを、画像処理、信号処理を施して、同じ表示画面に表示させる再生表示装置とを備え、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することができる。
【0045】
眼球運動観察用装着具からは、眼球の画像とセンサの測定信号を画像生成した合成画像が合成ビデオ信号として出力される。この合成ビデオ信号はビデオボード(ビデオインターフェース)を使用してデジタル化する。
このようにしてデジタル化された信号は、さらに記録装置に取り込まれ、双方の同期的な対応が維持されて記録媒体の種別に応じたフォーマットで記録媒体に記録させる。
【0046】
記録媒体には眼球画像とセンサの測定信号の画像が、フレーム毎あるいはフィールド毎にデジタル化されて記録されているので、再生表示装置では、その情報を順次読みだして、処理を施し、所定の方式で画面に表示すればよい。このようなシステムでは、請求項13と同様に、市販のパソコンやワークステーション、CD−Rドライブなどを使用することができ、専用の記録装置や再生装置を使用しなくてもよく、設備費が軽減でき、また、変調器などが不要で、機器の構成がより簡単になる。
【0047】
請求項15に記載の平衡機能検査装置は、請求項13において、前記記録装置は、眼球画像をビデオ信号の映像帯域に、かつ、頭部センサあるいは指標投影角度センサからの測定信号をビデオ信号の音声帯域に変調してビデオテープに記録し、前記再生表示装置は、ビデオテープの映像帯域と、音声帯域を復調して眼球画像と前記測定信号を読み出して、画像処理、信号処理を施して、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することができる。
【0048】
眼鏡運動観察用装着具によって採取された眼球画像と、頭部センサの測定信号とは、記録装置を使用すれば、ビデオテープに記録できる。再生表示装置では、ビデオテープに記録された眼球画像とセンサの測定信号を読出して、表示画面に表示できる。記録装置と再生表示装置とは、記録再生装置として一体的に構成してもよい。
【0049】
請求項16に記載の平衡機能検査装置は、請求項14において、記録装置は、前記合成ビデオ信号をビデオテープに記録させるビデオレコーダで構成され、再生表示装置は、ビデオテープから読み出した合成ビデオ信号をさらに復調して、画像処理、信号処理をして、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することができる。
【0050】
この態様では、記録装置は、ビデオ信号を変調する処理が不要になり、構成が簡単である。また、再生表示装置も、ビデオテープからビデオ信号を復調して読み出すだけなので構成が簡単であり、記録装置と再生表示装置は、テレビジョン受像機と組み合わせて使用できる市販のビデオデッキが使用できる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、請求項1〜5に記載の眼球運動観察用装着具によれば、被検者の頭部運動による画像ブレがなく、明瞭に眼球運動を撮像でき、眼球運動と頭部運動を同時かつ同期的に観察することができ、前庭眼反射、自然視前庭眼反射、固視前庭眼反射などの検査も一台ですることができる。
【0053】
請求項に記載の眼球運動観察用装着具によれば、装着具には、直視方向を逃がす状態で前眼部を撮像できる撮像カメラが設けられ、被検者は、透視部を通して自然視可能で、この状態で前眼部を撮像し、ビデオ信号として取り出すことができる。このように、直視方向を確保する位置に撮像カメラを設けたため、ハーフミラーとミラーの組み合わせなどの方法で外光を取り入れるようにした従来の眼球運動観察用装着具に比べ、構造が簡単で、顔面からの出っ張りが減り、頭部回転時の慣性モーメントも小さくなって、装着具のズレを無くすことができ、画像のズレ無く、自然視前庭眼反射や、自然視状態、あるいは、明視状態の眼球運動の明瞭な観察をすることができる。
【0054】
また、構造が簡単なので、コストダウンを図ることができ、全体の重量も軽くなり、検査中の被検者の負担も軽くなる。そして、カバー、シャッターなどの外光遮断手段を設けているので、カバー、シャッターなどを開けば、外部を自然状態で直視でき、閉じれば暗視状態となり、これ1台で、前庭眼反射の眼球運動の観察をすることができるとともに、自然視前庭眼反射の眼球運動の観察もすることができる。
【0055】
請求項に記載の眼球運動観察用装着具によれば、請求項1において、装着具本体には、透視部を自然視状態で直視したときに視認することのできる固視目標物を設けているので、固視目標物は頭部と一緒に動き、簡便な装置で固視前庭眼反射を簡単に観察できる。請求項に記載の眼球運動観察用装着具によれば、請求項において、固視目標物は装着具本体に収納可能に設けられているので、装着具の収納時に便利である。
【0056】
請求項に記載の眼球運動観察用装着具によれば、請求項1〜3のいずれかにおいて、装着具本体には、さらに、頭部センサを設けており、その測定信号も取り出せる構成としているので、被検者の眼球の動きの動画像のビデオ信号とともに、頭部の動きを測定した測定信号も得られるので、平衡機能検査の診断データとして好適である。請求項1の構成を備えたものでは、自然視前庭眼反射などの眼球運動のデータや、暗視下での前庭眼反射の頭部運動と眼球運動のデータを、また請求項2、3の構成を備えたものでは、固視前庭眼反射の頭部運動と眼球運動のデータを同時に得ることができる。
【0057】
請求項に記載の眼球運動観察用装着具によれば、請求項において、頭部センサから出力される測定信号を、前記撮像カメラによって撮影された画像信号に同期させて合成するビデオ信号混合生成手段を備えた構成としているので、そのまま、一般のテレビジョン受像機に入力すれば、眼球とセンサの測定信号を合成した映像が画面に表示されるので、便利がよく、即座に診断に用いることができる。請求項6〜12に記載の視標投影装置によれば、平衡機能検査に必要な固視視標像、所定の条件に従って動かすことのできる視標像を簡便、確実、ローコストで実現することができる。
【0058】
請求項に記載の視標投影装置によれば、眼球運動観察用装着具の装着具本体の適所に視標投影手段を設け、この視標投影手段によって固視視標像を前方に配置したスクリーンや壁などに投影させる構成としているので、頭の動きに確実に追随して動く固視指標像が簡単、確実に実現でき、固視前庭眼反射を、簡単に観察できる。
【0059】
請求項に記載の視標投影装置によれば、被検者が座る回転可能な検査用椅子の適所で、その回転中心となる位置付近に設けた視標投影手段によって被検者の視認可能な固視視標像を前方に配置したスクリーンなどに投影させる構成としているので、被検者の頭部の回転に確実に追随して動く固視指標像を、簡単、確実に実現でき、固視前庭眼反射を、簡単に観察できる。
【0060】
請求項に記載の視標投影装置よれば、請求項6、7のいずれかにおいて、前記視標投影手段は、被検者の前方に投影される視標の投影位置を、上下あるいは水平方向に角度調整可能にしているので、固視視標像の投影方向の水平方向の角度と、伏角、仰角の調節ができ、被検者が自然に、最も見やすい部分に投影像をセットすることができる。
【0061】
請求項に記載の視標投影装置によれば、請求項6〜8のいずれかにおいて、前記視標投影手段は、前記固視視標像に替えて、投影角度が被検者の直視方向に対して変化しながら動く視標像を、前方に設置されたスクリーンや壁などに投影することができるので、その視標像の動きに対して、被検者の眼球がどのように追従するかを検査する追従性眼球運動検査(あるいは、視刺激検査)である注視眼振検査などを簡単にすることができる。
【0062】
請求項10に記載の視標投影装置によれば、請求項において、前記視標投影手段は、さらに、視標像が投影される投影線角度を検出し、その測定信号を出力する視標投影角度センサを有しているので、投影角度を定量的に捕らえることができ、その測定信号を利用することにより、注視視標像の位置変化に対する眼球運動の追従性の定量的な観測をすることができる。
【0063】
請求項11に記載の視標投影装置によれば、請求項6〜10において、前記視標投影手段は、被検者の眼球の直視方向に対して任意の角度をなす方向に、視標像の投影、非投影、断続投影を外部から制御装置によって制御できるようにしているので、いろいろな条件に合わせて、視標像を投影することができ、明視下での、種々の追従性眼球運動の観察を行うために好適に使用される。
【0064】
また、この制御データは、簡単にデータとして取り出し、保存することができるので、眼球運動のデータと比較することによって、眼球の追従運動の定量的な観察、記録をすることができる。請求項12に記載の視標投影装置によれば、請求項6〜11において、視標投影手段としてレーザーポインタを用いているので、レーザーポインタは軽量・小型で装置の小型化が図れ、その投影像も明瞭なので、好適な視標像を得ることができる。請求項13〜16は、請求項1〜5に記載の眼球運動観察用装着具、あるいは/かつ、請求項6〜12に記載の視標投影装置を用いた平衡機能検査装置であるので、これらの眼球運動観察用装着具、視標投影装置の効果が相乗的に発揮されるとともに、その観察結果を表示、記録、分析処理することができ、定量的かつ簡便に頭部運動、あるいは視標像の運動と眼球運動の関係を同期させて観察し、記録することができる。
【0065】
請求項13に記載の平衡機能検査装置によれば、請求項1〜4に記載の眼球運動観察用装着具の効果と、請求項に記載の眼球運動観察用装着具の効果、あるいは、請求項10に記載の視標投影装置の効果とに加え、これらからのデータの記録装置と再生表示装置とを備え、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することができるので、平衡機能検査を、非常に的確、簡便にすることができる。また、一旦、記録したデータを再生して検査することができるので、被検者への負担が最小限に抑えられる。また、市販のパソコンやワークステーションが使用でき、記録装置も市販のCD−Rドライブ、MOドライブなどを使用でき、専用の記録装置や再生装置を使用しなくてもよく、設備費が軽減でき、既存のパソコンやワークステーションのシステムをそのまま使用できる。
【0066】
請求項14に記載の平衡機能検査装置によれば、請求項に記載の眼球運動観察用装着具の効果に加え、これから出力される合成ビデオ信号の記録装置と再生表示装置とを備え、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することができるので、変調器などが不要になり、市販のパソコン、CD−Rなどが利用できるので、装置を簡易に作れ、コストダウンができるとともに、さらに、全体の機器の構成が簡単になる。
【0067】
請求項15に記載の平衡機能検査装置によれば、請求項13の効果に加え、前記記録装置は、眼球画像をビデオ信号の映像帯域に、かつ、頭部センサあるいは指標投影角度センサからの測定信号をビデオ信号の音声帯域に変調してビデオテープに記録し、前記再生表示装置は、ビデオテープの映像帯域と、音声帯域を復調して眼球画像と前記測定信号を読み出して、画像処理、信号処理を施して、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することができるので、市販のビデオデッキなどを使用することができ、また、ビデオ信号と測定信号を確実に同期させて、観察、記録することができる。
【0068】
請求項16に記載の平衡機能検査装置によれば、請求項14の効果に加え、前記記録装置は、前記合成ビデオ信号をビデオテープに記録させるビデオレコーダで構成され、再生表示装置では、ビデオテープから読み出した合成ビデオ信号をさらに復調して、画像処理、信号処理をして、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することができるので、変調器が不要になり、記録装置、再生表示装置の構成がさらに簡単となる。
【0069】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る眼球運動観察用装着具、視標投影装置、及びこれらを用いた平衡機能検査装置の実施の形態について、図とともに説明する。
図1〜図11は、本発明に係る眼球運動観察用装着具について説明する図である。
【0070】
まず、主として自然視前庭眼反射の観察に用いられる、本発明の眼球運動観察用装着具の第一の実施形態について説明する。図1は、このような眼球運動観察用装着具の概念的内部構造図、図2は、その内部構造の詳細を示す部分断面図、図3は、その外観斜視図である。
この眼球運動観察用装着具1は、主に、装着具本体2、撮像カメラ3、透視部4、光源5、装着ベルト6、頭部センサ7から構成されている。本発明の特徴は、被検者Mの直視方向4Aを妨げない位置で、撮像方向3Aが、丁度、前眼部Pを撮像できる位置に、撮像カメラ3と光源5を配設した点にある。
【0071】
従来は、ビデオカメラ等で撮像した眼球の動画像を解析して眼球運動を求めるのには、その後の画像処理の煩雑さ、時間短縮のために、できるだけ正規の状態、つまり、真正面から撮像した眼球画像を必要とし、前眼部を撮像するビデオカメラは、直視方向に対面する位置に設けられていた。具体的には、直視方向と撮像方向が一致する位置に撮像カメラ3が設けられていた。
【0072】
しかし、本願発明者は、必ずしも真正面から撮像した眼球画像からでなくとも、リアルタイムに眼球運動を求めることのできる楕円近似を用いた解析方法を知見するに至り、その方法を積極的に本発明に利用することとしたものである。
このようにすると、眼球運動観察用装着具1を装着した被検者Mは、透視部4を通して、撮像カメラ3に邪魔されずに、直視方向4A、つまり、自然に物を見る方向で外部を観察することができる。また、直視方向4Aを確保する位置に撮像カメラ3と光源5とを設けたため、ハーフミラーとミラーの組み合わせなどの方法で、外光を取り入れた従来の眼球運動観察用装着具に比べ、構造が簡単で、顔面からの出っ張りが減り、頭部回転時の慣性モーメントも小さくなって、装着具のズレを無くすことができる。
【0073】
装着具本体2は、図2に示すように、顔面に接触する部分であって、合成樹脂ゴムなどの弾性、遮光性、また、坑菌性のある材料で作られた水中メガネ様の接顔部2Bと、遮光性、坑菌性のある硬質プラスチックなどで作られ、撮像カメラ3や光源5などを収納、設置するようにしている本体部2Aとで構成されている。接顔部2Bと本体部2Aは、光を通さないように密着して、分離可能に、あるいは、分離不可能に接合され、一体と成っている。
【0074】
接顔部2Bの顔面への接触面は顔面に対し光を通さないように密着し、また、顔面表面形状に沿うような形状を有しており、装着ベルト6で頭部に取りつけらた場合には、頭部に通常の眼振検査の回転運動などを与えた程度ではズレないようになっている。したがって、頭部運動中でも、装着具全体の慣性モーメントが小さいという条件と相乗的に、装着具のズレ、撮像された眼球画像のブレを抑える。
【0075】
装着ベルト6は、ベルト脱着具凸8Aとベルト脱着具凹8Bからなるベルト脱着具8によって、被検者Mの頭部に簡単に脱着することができ、操作性がよい。前眼部Pを照らす光源5は、後に説明するように、装着具1を暗視状態でも使用するため、非可視領域の赤外線を発するものがよく、それに対応して、撮像カメラ3は、小型で高画質の赤外線CCDカメラが望ましいが、それに限定されない。
【0076】
透視部4は、本体部2Aに軟質ゴムなどで作られたゴムパッキン4aによって装着されたガラスで構成され、その下部はカメラ部カバー9の上に載せられて固定されている。この透視部4は外光を取り入れ、被検者Mが、自然視をできるようにするためのものであり、その条件に合うものであればなんでもよい。また、眼振検査などの平衡機能検査をする場合、あまり明るい条件は適さないので、外光があまり入らないように、着色するなどして、光透過率の小さいものとするのがよい。しかし、明るさが適度に保たれた平衡機能検査用の検査室などで検査する場合は、ガラスなど無くともよく、また普通の透明なガラスを用いてもよい。また、このガラスなどの装着方法も、ここに示す方法に限られず、本体部2Aに接着剤で接着する方法などでもよい。
【0077】
撮像カメラ3は、後述するように撮像信号を汎用のビデオ信号に処理する回路を有しており、そのビデオ信号は、白黒2値画情報やカラー画情報に、水平、垂直同期信号を加えた複合映像信号とする。ビデオ信号出力端子より取り出すビデオ信号の方式をNTSC標準方式の他、SECAM方式、PAL方式にしておけば、撮像した眼球の動画を一般のテレビジョン受像機の画面に映し出して観察できる。
【0078】
図1に示す頭部センサ7は、被検者Mの頭部の動きに応じた速度、加速度、角度、角速度、角加速度を検出するためのものである。通常は、頭部センサ7は、頭部の水平回転運動の回転角速度を検知するものが用いられ、装着具本体2の側面に、被検者Mの水平半規官に対して垂直になるように装着される。しかし、必要に応じて、回転角速度以外のものを検知するものを使用してもよい。
【0079】
この場合、さらに、必要に応じて、X軸、Y軸、Z軸方向の直線運動、X軸、Y軸、Z軸を中心とする回転運動を検知することができるものを使用する。これは、つまり、人間は暗視状態でも、これらそれぞれの方向の直線運動、回転運動を感知する能力をもっており、平衡機能検査とは、その機能が正常に働いているかどうかを調べるものだからである。
【0080】
このように、装着具1に装着された頭部センサ7によって、頭部運動を定量的に示すデータを、眼球運動のデータと同時に、かつ、同期させて、観察することができるので、それらを処理し、表示等させることによって、平衡機能検査を、適切に、簡単にすることができる。
なお、図2において、9は、本体部2Aの撮像カメラ3や光源5を設置した部分を覆うカメラ部カバー、20は、斜め下から前眼部P方向を向いている撮像カメラ3の撮像方向3Aが、丁度、前眼部Pを撮像するように、その顔面に対する前後位置を調整するための前後調整ツマミ、21は、図3にも示すように、左右に設けられた撮像カメラ3の左右方向の位置を被検者Mの両眼位置に合わせて調整するための左右調整ツマミである。
【0081】
これらの調整ツマミ20、21を調整することによって、被検者Mに合わせて、丁度、前眼部Pを撮像できる位置に撮像カメラ3の撮像方向3Aを調整することができ、望ましい眼球画像を得ることができる。
図3は、眼球運動観察用装着具1を斜め上から見た所を示す外観斜視図である。この図では、撮像カメラ3などの配設状態が解るように、カメラ部カバー9を取り外した状態を示している。
ついで、主として前庭眼反射の観察に用いられる、本発明の眼球運動観察用装着具の第二の実施形態について説明する。図4は、このような眼球運動観察用装着具の内部構造の詳細を示す部分断面図、図5は、その外観斜視図である。
【0082】
この眼球運動観察用装着具1は、図1、2、3によって説明した眼球運動観察用装着具に比べ、透視部4に、外光をさえぎる外光遮断手段10が設けられている点が相違するだけであるので、共通する部分には、同じ符号を付して、説明を省略する。
外光遮断手段10は、この図のものでは、本体部2Aと同様の遮光性、坑菌性のある硬質プラスチックなどで作られ、本体部2Aにセットすると完全に外光を遮断し、装着具1内は暗視状態となる。したがって、暗視状態で検査する必要のある前庭眼反射をするのに適している。
【0083】
この眼球運動観察用装着具1では、外光遮断手段10を取り除くと、外光を取り入れることができ、自然視前庭眼反射の検査にも用いることができる。こうして、一台の装着具で、暗視用にも、明視用にも使用することができ、便利がよく、コストダウンを図ることができる。
この外光遮断手段10は、ここでは、硬質プラスチック製のカバーを用いているが、これに限られない。たとえば、透視部4の直視方向4Aの部分とその付近を光透過性にしておき、他の部分は遮光性塗料などを塗布することによって、光を遮るようにしておいて、その光透過部分に、カメラのような絞り型のシャッターを用いたり、透視部4の全体を液晶シャッターとしてもよい。とにかく、必要に応じて、直視方向に外光を取り入れ、また、外光を遮断することのできるものであればよい。
【0084】
また、遮光状態の暗視下の撮影では、光源5として非可視領域の赤外線を照射するものを用い、撮像カメラ3は赤外線暗視カメラを用いるのがよい。そうすると、暗視状態を保つことができる。
ついで、主として固視前庭眼反射の観察に用いられる、本発明の眼球運動観察用装着具の第三の実施形態について説明する。図6は、このような眼球運動観察用装着具の概略外観斜視図、図7は、このような眼球運動観察用装着具の他例の概略外観斜視図である。
【0085】
これらの眼球運動観察用装着具1は、装着具1そのものに固視目標物11、12が設けられている点を特徴とする。
図6においては、装着具本体2の上部から「コ」の字上に延びた固視目標物11が設けられており、その末端の先端部が、球状となっている。この先端球は、丁度、被検者が自然状態で直視した場合に、その直視方向に見えるようになっている。このような固視目標物11は、頭部に装着される装着具1に固定されているので、頭部運動と同時に同じように動き、被検者は、この固視目標物11を自然に固視することができる。
【0086】
このようにすると、非常に簡単な装置で、確実に固視目標物を実現することができ、固視前庭眼反射の検査を、簡単に、かつ、確実にすることができる。
なお、固視目標物は、ここに示した方法に限らず、簡便な装置で、また、あまり重くなく、先端球等の固視目標物が容易にブレないものであれば、なんでもよい。
【0087】
一方、図7においては、固視目標物12は、アンテナの様に伸縮可能となっており、それを伸ばしたときには、その先端球は、ほぼ固視目標物11の先端球と同じ位置になり、縮めたときには、装着具1から出っ張らないように収納されるようになっている。
このようにすると、図6の装着具と同様に、簡単、確実に固視目標物を実現できると同時に、収納にも便利である。
【0088】
また、これらの固視目標物11、12は、これまでに説明した眼球運動観察用装着具に簡単に取りつけることができ、また、収納可能となっているので、一台の装着具で、前庭眼反射、自然視前庭眼反射に加え、固視前庭眼反射も観察することができる。
ついで、眼球運動に加え、頭部運動も同時に観察することのできる本発明の眼球運動観察用装着具の第四の実施形態について説明する。図8は、このような眼球運動観察用装着具の信号の流れを示す内部ブロック図、図9は、このような眼球運動観察用装着具による頭部運動と眼球運動を同期させた観察の状態の一例を示す概念図である。
【0089】
この眼球運動観察用装着具の特徴は、頭部運動を検出する頭部センサ7を設けている点であるが、その実装態様については、すでに、図1、2、3によって説明している。その説明にあるように、この頭部センサ7は眼球運動観察用装着具に簡単に取付けられるもので、通常、前庭眼反射などを観察する場合には、頭部運動と眼球運動の関係が重要なので、必ず必要なもので、セットで用いられるものである。
【0090】
ここでは、その信号の流れと、この観察の状態について説明する。すでに、これまでに説明したものについては、詳しい説明を省く。
図8において、Pは被検者の前眼部であって、撮像カメラ3は、その前眼部Pを撮像し、眼球の画像をビデオ信号として出力する。
撮像カメラ3は、レンズ32を通して眼球画像を読み取るCCDセンサ31、CCDセンサ31を駆動して、その取り込んだ撮像信号を取り出すクロックドライブ33、CCDセンサ31の読み取りタイミングを規定するタイミングパルスを発生するタイミングパルス発生器34、CCDセンサ31から転送された撮像情報に同期信号を重畳させるビデオ複合信号生成器35、水平垂直の同期パルスを発生する同期パルス発生器36からなり、商用電源に接続された電源回路40から変換された適圧のDC電源を受けて作動している。
【0091】
頭部センサ7は、同様に電源回路40から電源を受けて、測定信号を出力する。
図9は、このようにして出力された眼球運動観察用装着具1からの眼球運動のビデオ信号と頭部センサ7の頭部運動の測定信号が、インターフェースを介して適宜信号処理されて記録再生表示装置22によって、表示されている状態を示している。
【0092】
この場合の信号処理とその表示方法は、一般に知られている方法を適宜使用することができる。ビデオ信号は、ビデオ再生機器に接続すれば、眼球の画像のみが画面に表示される。頭部センサ7の測定信号を画面表示するためには、オシロスコープなどの表示手段で表示させるか、さらにコンピュータに測定信号を取り込み、画像を生成してから画面に表示させる必要がある。
【0093】
すなわち、このものでは、ビデオ信号出力端子Tvと、測定信号出力端子Tsの2つが存在しており、コンピュータ等で構成される記録再生表示装置22では、インターフェースを介在させて2つの信号を取り込んで、合成画像を生成した後に、画面に表示させる。この場合、リアルタイムに表示させることが望ましい。
【0094】
また、コンピュータを用いた画像処理では、頭部センサ7からリアルタイムで出力される測定信号を加工して、数字、グラフなどの測定画像を作成し、撮像カメラ3からフレームあるいはフィールド単位で送出されて来る眼球画像に同期させて測定画像を合成し、さらにAD変換して、ビデオメモリ(不図示)に格納してから、ディスプレイに表示する。
【0095】
リアルタイムな処理が不可能な場合には、ビデオ信号出力端子Tvから取り込んだ眼球画像は、AD変換した後、圧縮してメモリに格納しておく。一方の頭部センサからの測定信号は、順次AD変換し、画像処理によって、所定のグラフや数値画像に変換し、メモリに格納しておく。以上の方法でメモリに格納した2つの画像を、同期させて取り出し、合成画像を生成してから、コンピュータの画面に表示すると良い。
【0096】
こうして、記録再生表示装置22の表示画面の上半分には、左右にそれぞれ、左眼、右眼の眼球画像が、下半分には、一例として、頭部運動の回転角度と回転角速度が示されている。
このように、本発明の眼球運動観察用装着具によれば、眼球運動と頭部運動を示す画像を同時に同期させて見ることができるので、平衡機能検査に好適に用いることができる。
ついで、眼球運動に加え、頭部運動も同時に観察することのできる本発明の眼球運動観察用装着具の第五の実施形態について説明する。図10は、このような眼球運動観察用装着具の信号の流れを示す内部ブロック図を示す概念図である。
【0097】
この眼球運動観察用装着具の特徴は、眼球運動を撮像したビデオ信号と頭部運動を示す頭部センサからの出力の測定信号を、外部へ出力する前に、装置内部で汎用のビデオ信号に合成し、合成ビデオ信号として出力する点である。
ここでは、その信号の流れについて説明する。すでに、これまでに説明したものについては、詳しい説明を省く。
【0098】
図10において、撮像カメラ3と頭部センサ7については、図8と同様である。この場合、撮像カメラ3からのビデオ信号と頭部センサ7からの測定信号を変換したビデオ信号とを画像合成により合成して、合成ビデオ信号を出力するビデオ信号混合生成手段13を備えている点を特徴としている。
41は頭部センサ7からの測定信号の取り出しタイミングを決めるタイミングパルスを発生するタイミングパルス発生器、42は、そのタイミングパルスによって、取り出された測定信号をビデオ信号化するビデオ信号生成部、43は、ビデオ信号生成部42から受けたビデオ信号に同期信号を重畳させるビデオ複合信号生成器、44、45は、ゲート信号発生部46からの信号を受けて、双方のビデオ信号を同期化するゲート、47は、同期化された双方のビデオ信号を合成して、合成ビデオ信号を生成する混合増幅器である。
【0099】
このものでは、ビデオ信号の出力端子Tは1つであり、これをテレビジョン受像機のビデオ入力端子などに接続すれば、眼球運動のビデオ信号と頭部センサの測定信号を合成した映像が画面に表示される。センサの測定信号は、グラフ、数値として、眼球の画像と合成されて表示されるので、医者はその映像を見てすぐに診断することもできる。
【0100】
以上の説明では、頭部センサからの測定信号を予めビデオ信号に変換してから、眼球画像のビデオ信号と合成する態様を示したが、このような方法以外の方法で、両方の画像を画像合成して合成ビデオ信号として出力してもよい。
なお、本発明の特徴である被検者の直視方向を逃がして撮像カメラ等を設ける方法は、ここに説明した直視方向の斜め下だけに限らず、斜め上や、斜め横であってもよい。図11は、このような眼球運動観察用装着具の一例の内部構造を示す平面図で、ここでは、装着具1を上方から見た所を示している。
【0101】
この図に示す例では、眼球の直視方向4Aに対して、撮像カメラ3の設置位置は、水平方向に両横にずらせたもので、撮像方向は図に示す3Bとなっている。このようにしても、同様の効果を得ることができる。
また、斜め上方向にもずらすこともでき、その場合には、必要に応じて、撮像カメラは、左右各1台ずつでなく、1台だけ設けて、さらに左右調整ツマミの調整幅の大きいものを1個だけ設けて、その左右調整ツマミにより、右眼あるいは左眼を片方ずつ単独で撮像するように撮像カメラを移動させて、観察するようにしても良い。通常、前庭眼反射は、左右同様の反応がでるので、片方の観察だけでも十分有効だからである。
【0102】
なお、このように斜め上方向にずらす場合に、撮像カメラが1台で済むのは、図1などのように斜め下方向にずらす場合は、撮像カメラを、左右移動させる場合に被検者の鼻の突起が邪魔になって、前眼部により近づけることができないという問題が発生するが、斜め上方向では、そのような問題がないからである。
次に、本発明の眼球運動観察用装着具の最も基本的なタイプについて説明する。図12は、そのような本発明の眼球運動観察用装着具の一例を示すもので、(a)は人体頭部への装着状態の正面図、(b)は装着具に暗視用カバーを装着する場合の説明図、(c)は暗視用カバーを装着した斜視図である。
【0103】
この眼球運動観察用装着具1Aは、ヘッドバンド様のもので構成される装着具本体2Aと、その装着具本体2Aの前面適所から鹿の角状態に被検者Mの前眼部Pの前方に伸び、被検者Mの自然視状態の直視方向を遮らない位置で、前眼部Pを丁度撮像できる位置に撮像カメラ3Cが、左眼用、右眼用それぞれに配設されている。したがって、被検者Mが自由に自然視できる状態で、撮像カメラ3Cは、被検者Mの頭部と同時に動きながら、被検者Mの前眼部Pをブレなく撮像でき、汎用ビデオ信号を送り出す。
【0104】
この装着具1Aは、最も基本的な簡易タイプで、明視下で被検者Mの眼球運動を頭部運動に影響されずに観察するあらゆる検査に用いることができる。たとえば、自動車運転中の運転者の眼球運動の観察などに簡便に用いることができる。また、この装着具1Aを、暗視下で用いる場合には、外光遮断手段を構成する暗視用カバー10A(図12(b))をさらに装着すると良い。この例では、装着具本体2Aと暗視カバー10Aの対応する部分には、マジックテープなどで構成される着脱手段28A、28Bがそれぞれ設けられており、この着脱手段28A、28Bが対面するように(図12(b)で一点鎖線で示す。)、暗視用カバー10Aを装着具1Aに被せると、図12(c)で示すように、暗視状態を作ることができる。
【0105】
暗視状態では、撮像カメラ3Cは赤外線暗視カメラとし、また、非可視領域の赤外線を照射する光源が必要となるが、その光源は、適宜、図1などの眼球運動観察用装着具1の光源5のように撮像カメラ3Cに付設してもよいし、装着具1A側に別途設けてもよいし、さらに、暗視用カバー10Aに設けてもよい。この場合、光源の設置位置は、撮像カメラ3Cが前眼部Pを撮像するのに邪魔にならない位置で、前眼部Pを照射することのできる位置であれば、どこでもよく、眼球運動観察用装着具1の光源5に比べ、設置位置の自由度が高い。
【0106】
また、図1などの眼球運動観察用装着具1と同様に、この装着具1Aでも、頭部センサをさらに装着することができ、その場合、頭部運動と眼球運動を同時に、また同期させて観察することができる。
さらに、図6、7などの眼球運動観察用装着具1と同様に、この装着具1Aでも、固視目標物をさらに装着することができ、また、図13から図17に記載の指標投影装置を設置し、あるいは、共に用いることもでき、また、図18、19に記載の平衡機能検査装置の一部として用いることもできる。
【0107】
このようにして、この装着具1Aによっても、さまざまな明視下での眼球運動の観察だけでなく、自然視前庭眼反射、固視前庭眼反射、また、暗視下での前庭眼反射などの検査もすることができる。
これより、主として平衡機能検査に好適に用いられる、本発明の視標投影装置について説明する。図13〜図17は、そのような視標投影装置について説明する図である。
【0108】
図13は、本発明の視標投影装置を設けた眼球運動観察用装着具の一例を示す外観斜視図、図14は、本発明の視標投影装置の他例を示す側面図、図15は、本発明の視標投影装置の内部構造を示す概略図、図16は、本発明の視標投影装置のさらに他例を示す外観斜視図、図17は本発明の視標投影装置のさらに他例を示すもので、(a)は外観斜視図、(b)は視標投影角度の例を示す概念図である。
【0109】
図13は、図3の眼球運動観察用装着具に、視標投影装置が設けられている点が相違するだけなので、その点についてだけ説明する。
眼球運動観察用装着具1の本体部2Aの上部適所に、固定保持具15によって視標投影手段14が固定されている。この視標投影手段14は、装着具1に固定されているので、頭部運動と同時に同じように動き、その視標像は、被検者の直視方向になるように固定されているので、固視視標像となる。
【0110】
視標投影手段は、レーザーポインタが、軽量小型で、その投影像も明瞭なので好適に用いられるが、これに限るものではない。また、投影先は、特別のスクリーンを設けてもよいが、検査室の壁面などでもよく、コストと手間を省くことができる。
これによれば、簡便な装置で、固視前庭眼反射を、簡単に確実に観察できる。
【0111】
図14は、別の視標投影装置を示している。この視標投影装置は、視標投影手段14、可動保持具16、支柱17、台座18で構成されている。
視標投影手段14は、可動保持具16に保持されており、可動保持具16は、その可動保持具16を水平軸を中心に回転自由に支持する支柱17に支えられており、外力を加えると、視標投影手段14の視標投影方向を上下方向に滑らかに変えることができ、外力を加えないと、その角度位置を保持するようになっている。さらに、この支柱17は、その支柱17を垂直軸を中心に回転自由に支持する台座18に設置されており、外力を加えると、視標投影手段14の視標投影方向を水平方向に滑らかに変えることができ、外力を加えないと、その角度位置を保持するようになっている。
【0112】
これらの可動保持具16と支柱17、支柱17と台座18の間の位置保持力は、たとえば、可動保持具16に設けられた調節ネジ16aの締付力を調節することによって、調節することができるようになっている。
このような視標投影装置は、図13の視標投影手段14と固定保持具15の替わりに眼球運動観察用装着具に装着したり、後述するように被検者が座る検査用椅子に固定して使うことができる。それによれば、固視視標像を投影する場合には、その投影角度を上下、左右に調整することができ、被検者の最も見易い直視方向に投影させるようにでき、最適の固視指標像を投影することができる。
【0113】
また、例えば、検者が、手動で操作することによって、被検者の頭中心に、視標像を、適宜動かすことができ、その視標像の動きに対して、被検者の眼球がどのように追従するかを検査する追従性眼球運動検査(あるいは、視刺激検査)である注視眼振検査などを簡単にすることができる。
図15は、さらに別の視標投影装置を示している。この視標投影装置は、図14の視標投影装置の台座部18に、さらに、支柱17の回転角度を検出する視標投影角度センサ19と、そのセンサ出力を頭部センサの測定信号程度に増幅して出力する演算増幅部23とを設けた構成となっている。
【0114】
これによると、視標投影角度センサ19によって、視標投影角度を定量的に捕らえることのできるので、その測定信号を利用することにより、視標像の位置変化に対する眼球運動の追従性の定量的な観測をすることができる。
図16は、図14あるいは図15の視標投影装置を、平衡機能検査用の検査用椅子に設けたものを示している。検査用椅子25は、被検者が座るもので、回転可能となっており、その背もたれ部からはアーム24が上方延び、その先は椅子25の頭部支えを過ぎた所で、椅子25の前方へ屈曲して、その回転中心となる位置付近まで延びており、その先端に視標投影装置の台座部18が設置され、台座部18の支柱17が丁度、椅子25の回転中心と一致する位置になるようになっている。
【0115】
このものでは、視標投影手段14を適宜、上下左右方向に調節することによって、被検者が自然状態で直視できる前方に、固視視標像を投影させることができる。この状態で、検査用椅子25を回転させることによって、被検者の頭部も同時に回転し、その椅子の回転中心付近された視標投影手段14によって、簡単に固視視標像を実現することができ、固視前庭眼反射の観察ができる。
【0116】
また、上記に説明したのと同様に、検査用椅子25を固定しておいて、例えば、検者が、手動で操作することによって、被検者の頭中心に、視標像を、適宜動かすことができ、その視標像の動きに対して、被検者の眼球がどのように追従するかを検査する追従性眼球運動検査(あるいは、視刺激検査)である注視眼振検査などを簡単にすることができる。
【0117】
なお、これまでの説明では、視標投影手段は単数の場合を説明しているが、これを複数設けても、また、一台で複数の投影をすることができるものであってもよい。検査の種類によっては、複数の視標が必要な場合もあるからである。
図17は、さらに他の視標投影装置を示している。この視標投影装置26は、複数の視標投影手段27を有しており、この複数の視標投影手段27は、水平方向に互いに角度αをなすように設けられている。このような配置は、水平方向だけでなく、垂直方向、斜め方向、あるいは、完全にランダムな方向であっても良く、また、角度αも任意であり、例えば、5度、10度とすることができ、それぞれの角度が相違する場合であっても良い。
【0118】
この視標投影装置26は、図16で説明した視標投影装置の替わりに、検査用椅子25に取りつけて用いるとよい。この場合、この検査用椅子25に座る被検者の直視方向を中心として、適宜、視標像を投影するように設置する。
視標投影装置26は、外部に設けられたコンピュータなどの制御装置によって、複数の視標投影手段27を制御して、視標像の視標像の投影、非投影、断続投影をさせることができる。
【0119】
この視標投影装置27は、明視下で、種々の追従性眼球運動の観察を行うために好適に使用されるもので、同時に複数の視標像を投影することもできる。例えば、直視方向に対して一定角度をなす視標像を投影して、眼球運動が設定している角度通り運動するか観察したり、また、一定角度をなす視標像を、設定した順番で投影して、それに対する眼球の追従度を観察したり、また、ランダムな方向に視標像を投影して、それに対する眼球の追従度を観察したりすることができる。
【0120】
また、この制御データは、簡単にデータとして取り出し、保存することができるので、眼球運動のデータと比較することによって、眼球の追従運動の定量的な観察、記録をすることができる。
これより、本発明の眼球運動観察用装着具、及び視標投影装置を用いた平衡機能検査装置について説明する。
【0121】
図18は、本発明の平衡機能検査装置の一例を示すブロック図、図19は、本発明の平衡機能検査装置の他例を示すブロック図である。図18、19において、すでに説明したものについては、説明を省略する。
図18の平衡機能検査装置60では、眼球運動観察用装着具1の撮像カメラ3からビデオ信号、頭部センサ7から測定信号を受け、ビデオデッキ57で記録・再生し、モニタテレビ58にモニタ表示する。また、直接、あるいは、再生した信号をパソコン53によって、信号処理を施して、診断用に適当なデータに変換して表示する。具体例としては、好適に用いられるものとして、頭部に回転刺激を与えた場合の、頭部運動の回転角速度と眼球運動の回転角速度に変換して、その結果を、同期させて、表示画面52に表示する。
【0122】
変調器56は、測定信号を音声帯域のビデオ信号に変調する。この場合、使用される変調方式は、たとえばFM、AM、FSK、PSKなど音声帯域に記録できる変調方式であればどの方法を用いても、あるいは組み合わせて用いてもよい。セレクタ54は、ビデオ信号と測定信号を直接、ビデオボード(ADボード)51に入力するか、ビデオデッキ57に記録され、再生された信号を入力するか切り替える。
【0123】
ビデオボード54は、ビデオ信号、あるいは、測定信号をAD変換し、パソコン53に出力する。パソコン53は、そのデジタル化されたデータを、記録装置55に取り込み、双方の信号の同期的な対応を維持して、CD−R、MOディスク、カセットストリーマなどの光あるいは磁気の記録媒体の種別に応じたフォーマットで記録媒体に記録させる。
【0124】
記録媒体に記録された眼球画像のビデオ信号とセンサの測定信号は、それぞれが同期して読み出され、診断に適したデータに変換され、画像合成されて、表示画面52に表示される。記録装置55は、また、その解析結果を、記録媒体に記録保存する。
これによれば、定量的かつ簡便に頭部運動と眼球運動の関係を観察し、記録することができる。また、一旦、記録したデータを再生して、診断に活用することができるので、被検者の負担を軽減することができる。
【0125】
また、このようなシステムでは、必要な画像処理はコンピュータで行えるために、記録再生表示装置はコンピュータとその表示画面を用いて代用することができる。コンピュータとしては市販のパソコンやワークステーションが使用でき、記録装置も市販のCD−Rドライブ、MOドライブなどを使用することができ、専用の記録装置や再生装置を使用しなくてもよく、設備費が軽減でき、既に存在するパソコンやワークステーションのシステムをそのまま使用できる。
【0126】
また、ここでは、モニターとして用いているが、簡便な記録再生表示装置として、市販のビデオデッキ、モニタテレビを用いることができるので、簡便にシステムを構築できる。さらに、ビデヲテープの音声帯域を利用して、ビデオ信号と測定信号を同期させて、記録、再生することができるので、平衡機能検査の観察に重要な眼球運動と頭部運動の同期を簡単に実現することができる。
【0127】
なお、眼球運動と同期させて観察するデータとしては、頭部運動のデータ以外に、視標投影装置の視標投影角度センサ19(図15)の出力である測定信号、あるいは、視標投影装置26の視標投影角度、投影、非投影などの制御データを使用することもできる。この場合、視標の運動に対する眼球の追従度を、定量的に観察することができる。
【0128】
図19の平衡機能検査装置61は、図18ものに比べ、眼球運動観察用装着具1から出力される信号が、既に、頭部センサ7の測定信号が変調され合成された合成ビデオ信号である点だけが相違している。そのため、共通する部分については、説明を省略する。
眼球運動観察用装着具1からは、眼球画像のビデオ信号と頭部センサの測定信号の合成画像が合成ビデオ信号として出力される。したがって、変調器が不要になり、信号処理が簡易化されている。
【0129】
これによれば、定量的かつ、さらに簡便に頭部運動と眼球運動の関係を観察し、記録することができる。また、一旦、記録したデータを再生して、診断に活用することができるので、被検者の負担を軽減することができる。
最後に、本発明の眼球運動観察用装着具、視標投影装置、平衡機能検査装置を用いて得られる具体的な検査データについて説明する。図20は本発明の平衡機能検査装置による検査結果の表示例を示すもので、(a)は被検者が健常者の場合、(b)〜(f)は被検者に各種の疾患がある場合を示すグラフである。
【0130】
この図では、頭部回転運動の角速度HVを第1段に、眼球の回転運動の角速度EVを以下の段に示し、第2段は、前庭眼反射の場合の角速度EV(VOR)、第3段は自然視前庭眼反射の場合の角速度EV(Vis−VOR)、第4段は、固視前庭眼反射の場合の角速度EV(VOR−FlX)を示している。それぞれ縦軸を角速度(deg/sec)、横軸を時間(sec)にとっている。
【0131】
この例では、HVは、眼球運動観察用装着具に取り付けられた頭部回転角速度用の頭部センサから出力された測定信号であり、EV(VOR)、EV(Vis−VOR)、EV(VOR−FlX)は撮像カメラによって撮像された眼球運動から算出した眼球の回転角速度である。
健常者の場合、EVは、EV(VOR−FlX)の場合をのぞいて、ほぼHVと同じ波形になる(図20(a))。
【0132】
これに対して、片方の前庭機能に疾患がある場合(図20(b))は、EV(VOR)のゲイン、つまり、EV(VOR)とHVの最大値の比が低下し、両側に疾患のある場合(図20(c))では、EV(VOR)がさらに低下する。
また、片方の延髄領域に疾患がある場合(図20(d))は、EV(VOR)のゲインが低下し、また、健常者では現れないEV(VOR−FlX)にゲインが現れる。
【0133】
さらに、小脳に疾患がある瑞含(図20(e))は、EV(VOR−FlX)のゲインが他の場合のEVのゲインとほぼ同じくらい現れる。
加えて小葉紳経系に疾患のある鴇含(図20(f))は、EV(VOR)のゲインの低下はあまり観測できず、EV(VOR−FlX)のゲインの発現のみが記録される。
【0134】
したがって、このような検査データを比較することによって、被検者がどのような平衡機能障害をもっているか、また、障害の発生部位などを推測することができる。
また、自然視前庭眼反射の場合の角速度EV(Vis−VOR)は、自然視状態で、被検者に、前方に固定された目標物を注視させた状態で、頭部を左右に回転運動させた場合の眼球の回転運動を示し、どの被検者の場合でも、暗視状態で行う固視前庭眼反射の場合の角速度EV(VOR−FlX)に比べ、頭部回転運動の角速度HVへの追随性が良い。
【0135】
本発明の眼球運動観察用装着具、視標投影装置、平衡機能検査装置を用いると、このような平衡機能系についての各種の疾患の診断に有効な検査データを、同期させて、確実、簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼球運動観察用装着具の一例の概念的内部構造図
【図2】本発明の眼球運動観察用装着具の一例の内部構造の詳細を示す部分断面図
【図3】本発明の眼球運動観察用装着具の一例の外観斜視図
【図4】本発明の眼球運動観察用装着具の他例の内部構造の詳細を示す部分断面図
【図5】本発明の眼球運動観察用装着具の他例の外観斜視図
【図6】本発明の眼球運動観察用装着具のさらに他例の概略外観斜視図
【図7】本発明の眼球運動観察用装着具のさらに他例の概略外観斜視図
【図8】本発明の眼球運動観察用装着具の一例の信号の流れを示す内部ブロック図
【図9】本発明の眼球運動観察用装着具による頭部運動と眼球運動を同期させた観察の状態の一例を示す概念図
【図10】本発明の眼球運動観察用装着具の他例の信号の流れを示す内部ブロック図
【図11】本発明の眼球運動観察用装着具のさらに他例の内部構造を示す平面図
【図12】本発明の眼球運動観察用装着具のさらに他例を示すもので、(a)は人体頭部への装着状態の正面図、(b)は装着具に暗視用カバーを装着する場合の説明図、(c)は暗視用カバーを装着した斜視図
【図13】本発明の視標投影装置を設けた眼球運動観察用装着具の一例を示す外観斜視図
【図14】本発明の視標投影装置の他例を示す側面図
【図15】本発明の視標投影装置の内部構造を示す概略図
【図16】本発明の視標投影装置のさらに他例を示す外観斜視図
【図17】本発明の視標投影装置のさらに他例を示すもので、(a)は外観斜視図、(b)は視標投影角度の例を示す概念図
【図18】本発明の平衡機能検査装置の一例を示すブロック図
【図19】本発明の平衡機能検査装置の他例を示すブロック図
【図20】本発明の平衡機能検査装置による観察結果の表示例を示すもので、(a)は健常者の場合、(b)〜(f)は各種の疾患がある場合を示すグラフ
【図21】従来の平衡機能検査装置の一例を示す概念的内部構造図
【符号の説明】
1、1A 眼球運動観察用装着具
2、2A 装着具本体
3、3C 撮像カメラ
3A 撮像方向
3B 撮像方向
4 透視部
4A 直視方向
5 光源
7 頭部センサ
10 外光遮断手段
10A 暗視用カバー(外光遮断手段)
11、12 固視目標物
13 ビデオ信号混合生成手段
14 視標投影手段
19 視標投影角度センサ
25 検査用椅子
26 視標投影装置
27 視標投影手段
51 記録装置
52 表示画面
53 コンピュータ(再生表示装置)
54 セレクタ
55 変調器
57 ビデオデッキ
58 モニタテレビ
60、61 平衡機能検査装置
M 被検者
P 前眼部(眼球)

Claims (16)

  1. 被検者の顔面もしくは頭部に装着される装着具本体に、撮像カメラを内蔵し、この撮像カメラによって撮影した前眼部の動画像をビデオ信号として取り出すようにした眼球運動観察用装着具において、
    前記装着具本体は、被検者の顔面表面形状に沿う形状とした遮光性の接顔部と、この接顔部に密着して一体化され、光源と撮像カメラとを収納し、透視窓部を設けた本体部とを有し、
    上記本体部は、被検者が外部を自然視する位置に上記透視窓部を設けるとともに、該透視窓部の下方には前記被験者の前眼部を斜め下から照らし、撮影するための上記光源と、上記撮像カメラとを配置させており、
    前記本体部には、前記透視窓部を覆う外光遮断手段を着脱可能に設けるとともに、前記撮像カメラの上下、左右の移動位置を調整する前後、左右調整ツマミを設けていることを特徴とする眼球運動観察用装着具。
  2. 請求項において、
    前記装着具本体には、前記透視部を自然視状態で直視したときに視認することのできる固視目標物を設けた構造としている眼球運動観察用装着具。
  3. 請求項において、
    前記固視目標物は、前記装着具本体に収納可能に設けられている眼球運動観察用装着具。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記装着具本体には、さらに、被検者の頭部の動きに応じた速度、加速度、角度、角速度、角加速度を検出する頭部センサを設けており、その測定信号も取り出せる構成としている眼球運動観察用装着具。
  5. 請求項において、前記眼球運動観察用装着具は、さらに、
    前記頭部センサから出力される測定信号を、前記撮像カメラによって撮影された撮像信号に同期させて合成するビデオ信号混合生成手段を備えた構成としている眼球運動観察用装着具。
  6. 請求項に記載の眼球運動観察用装着具の装着具本体の適所に視標投影手段を設け、この視標投影手段によって固視視標像を前方に配置したスクリーンや壁などに投影させる構成とした視標投影装置。
  7. 請求項に記載の眼球運動観察用装着具とともに用いられる視標投影装置であって、被検者が座る回転可能な検査用椅子の適所で、その回転中心となる位置付近に、視標投影手段を設け、この視標投影手段によって固視視標像を前方に配置したスクリーンや壁などに投影させる構成とした視標投影装置。
  8. 請求項6、7のいずれかにおいて、
    前記視標投影手段は、被検者の前方に投影される視標の投影位置を、上下あるいは水平方向に角度調整可能な構造としている視標投影装置。
  9. 請求項6〜8のいずれかにおいて、
    前記視標投影手段は、前記固視視標像に替えて、投影角度が被検者の直視方向に対して変化しながら動く視標像を、前方に設置されたスクリーンや壁などに投影することができる視標投影装置。
  10. 請求項において、
    前記視標投影手段は、さらに、視標像が投影される前記投影角度を検出し、その測定信号を出力する視標投影角度センサを有している視標投影装置。
  11. 請求項6〜10において、
    前記視標投影手段は、被検者の眼球の直視方向に対して、任意の角度をなす方向に、視標像の投影、非投影、断続投影を外部から制御装置によって制御できるようにした視標投影装置。
  12. 請求項6〜11において、前記視標投影手段は、レーザーポインタであることを特徴とする視標投影装置。
  13. 請求項1〜4に記載の眼球運動観察用装着具から出力されるビデオ信号とともに、請求項に記載の眼球運動観察用装着具の頭部センサからの測定信号、あるいは、請求項10に記載の視標投影装置の視標投影角度センサからの測定信号をデジタル処理して、CD−R、MOディスク、カセットストリーマなどの光、磁気、光磁気の記録媒体に記録させる記録装置と、
    表示画面を有し、この記録媒体に記録されたビデオ信号と前記いずれかの測定信号とを同期させて読み出し、画像処理、信号処理を施して、同じ表示画面に表示させる再生表示装置とを備え、
    頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することのできる平衡機能検査装置。
  14. 請求項に記載の眼球運動観察用装着具から出力される合成ビデオ信号をデジタル処理して、CD−R、MOディスク、カセットストリーマなどの光、磁気、光磁気の記録媒体に記録させる記録装置と、
    表示画面を有し、この記録媒体に記録された合成ビデオ信号を読み出して、眼球の画像とセンサの測定情報とを、画像処理、信号処理を施して、同じ表示画面に表示させる再生表示装置とを備え、
    頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することのできる平衡機能検査装置。
  15. 請求項13において、
    前記記録装置は、眼球画像をビデオ信号の映像帯域に、かつ前記いずれかの測定信号をビデオ信号の音声帯域に変調してビデオテープに記録し、前記再生表示装置は、ビデオテープの映像帯域と音声帯域とを復調して、眼球画像と前記測定信号とを読み出して、画像処理、信号処理を施して、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することのできる平衡機能検査装置。
  16. 請求項14において、
    前記記録装置は、前記合成ビデオ信号をビデオテープに記録させるビデオレコーダで構成され、前記再生表示装置は、ビデオテープから読み出した合成ビデオ信号をさらに復調して、画像処理、信号処理をして、表示画面に表示し、頭部運動と眼球運動の関係を同期させて観察、記録することのできる平衡機能検査装置。
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