JPH07255200A - 車両用発電機 - Google Patents

車両用発電機

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JPH07255200A
JPH07255200A JP6187321A JP18732194A JPH07255200A JP H07255200 A JPH07255200 A JP H07255200A JP 6187321 A JP6187321 A JP 6187321A JP 18732194 A JP18732194 A JP 18732194A JP H07255200 A JPH07255200 A JP H07255200A
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JP
Japan
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power generation
voltage
frequency
induction machine
rotation speed
Prior art date
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Application number
JP6187321A
Other languages
English (en)
Inventor
Arata Kusase
草瀬  新
Kenzou Mitani
涓三 三谷
Atsushi Umeda
梅田  敦司
Hirohide Sato
博英 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/380,821 priority patent/US5550457A/en
Priority to EP95101239A priority patent/EP0665637B1/en
Priority to DE69518553T priority patent/DE69518553T2/de
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Abstract

(57)【要約】 【目的】構成が簡単で安定した発電制御が可能な誘導機
採用の車両用発電機を提供する。 【構成】誘導機1の実測回転数を含まず、蓄電手段4の
蓄電電圧を含む誘動機1の発電電圧に関連する状態量に
基づいて、インバータ2の制御電圧の周波数を制御して
蓄電電圧を基準範囲に保持する。すなわち、誘導機1の
発電電圧に関連する上記状態量と周波数との間には既知
の関係が存在するために周波数を変更すれば発電電圧を
変更することができる。また、上記状態量は誘導機の発
電レベルを表すので、上記状態量に基づいて周波数を変
更すれば発電レベルを変更することができ、したがっ
て、蓄電電圧に応じて周波数を変更することにより蓄電
電圧を所定の基準範囲に保持するよう発電制御を行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導機を用いて車両用
のバッテリを充電する車両用発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63ー302119号公報は、車
両の排気タービン駆動の誘導発電機を提案している。こ
の誘導発電機は、タービン効率を優先することを目的と
して、発電機の滑りを調節してタービン効率最良の回転
域での運転を行う。特開平2−87999号公報は、回
転センサで検出した発電機の回転数に基づいてインバ−
タの周波数を制御して必要なすべり状態を維持すること
を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た公報の誘導発電機では、発電機の回転数を検出して滑
り制御により発電量を調節する必要があるが、誘導発電
機では同期発電機とは異なって充電電源側から励磁周波
数を決定する方式であり、エンジン回転数の変動により
滑りが頻繁高速に変化するにもかかわらず、特性上、回
転数(滑り)の僅かの変動により大きくトルクすなわち
発電量が変動するので、車両用発電機に誘導機を適用す
る場合、高精度で応答性に優れた回転数センサ(速度セ
ンサ)を用い、滑りを高速、高精度に制御する必要があ
り、この点が、車両用発電機として誘導発電機を用いる
場合における従来の三相同期発電機(オルタネータ)に
対する大きな欠点となっていた。
【0004】特に、滑り制御により発電制御を行う場合
の上記問題点は、誘導発電機の小型軽量化を図るため
に、誘導発電機をベルト増速駆動したり、多極(8極程
度)化したりして高周波数化、高速化する場合、一層重
大となる。本発明は上記問題点に鑑みなされたものであ
り、回転数が頻繁かつ高速に変化する車両用エンジンに
より駆動される誘導発電機の発電制御を簡単な構成で安
定に実施可能な車両用発電機を提供することを、その課
題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にか
かる車両用発電機は、車両用エンジンにより駆動される
誘導機と、交流端が前記誘導機の電機子巻線端に接続さ
れ直流端が蓄電手段に接続されるインバータと、前記誘
導機の実測回転数を含まず前記蓄電手段の蓄電電圧を含
む前記誘動機の発電電圧に関連する状態量に基づいて前
記インバータの制御電圧の周波数を制御して前記蓄電電
圧を基準範囲に保持する発電制御手段とを備えることを
特徴としている。
【0006】ここでいう誘導機の実測回転数以外の前記
誘動機の発電電圧に関連する状態量は、発電電圧(誘導
機の電機子巻線端の電圧)、又は、蓄電手段の端子電圧
(蓄電電圧)、又は、発電電圧と蓄電電圧との電圧差、
又は、発電電流、又は上記発電電圧、蓄電電圧、電圧差
及び発電電流の二つ以上のパラメータの組合せ、又は、
以上のパラメータを処理して得た信号からなる。
【0007】請求項2記載の発明にかかる車両用発電機
において、前記発電制御手段は、発電モードで動作する
場合において前記周波数の最小値を前記エンジンのアイ
ドル時における前記誘導機の同期周波数未満に設定す
る。請求項2記載の発明によると、誘導機が発電モード
で動作する場合において、誘導機が電動モードとなるこ
とがなく、エンジンにショックを与えたり、蓄電手段の
充電不足を抑止することができる。
【0008】請求項3記載の発明にかかる車両用発電機
において、前記発電制御手段は、エンジン回転数Neを
入力し、このエンジン回転数Ne又はNeにベルト滑り
率kを掛けた値に、更に所定のベルト増速率を掛けて誘
導機の回転数Nを算出する。請求項3記載の発明による
と、この回転数Nは高精度の値ではないが、すくなくと
も現時点における誘導機の最大可能回転数(ベルト滑り
最小の場合)、及び、最小可能回転数(ベルト滑り最大
の場合)を検出することができる。したがって、これら
の回転数と好適な滑り値とを用いて励磁周波数を決定す
ることができる。また、励磁周波数を最大可能回転数
(ベルト滑り最小の場合)よりも低い同期速度となるよ
うに励磁周波数を決定することにより、誘導機が発電モ
ード中に誤って電動機動作することを防止することがで
きる。
【0009】請求項4記載の発明にかかる車両用発電機
において、前記発電制御手段は、前記蓄電手段の蓄電電
圧と所定の基準電圧との差を減少する方向に前記周波数
を変化させる。すなわち、蓄電電圧が基準電圧より低く
て充電増強が必要な場合には、周波数を低下させて滑り
を負方向にシフトさせ、これにより発電電流を増加させ
る。逆に、蓄電電圧が基準電圧より高くて発電出力の低
減が可能な場合には、周波数を増加させて滑りを正方向
にシフトさせ、これにより発電電流を低下させる。
【0010】請求項4記載の発明によると、誘導機の実
回転数を計測しなくても、蓄電電圧に基づいて周波数を
制御するだけで誘導機の発電制御を実施することができ
る。請求項5記載の発明にかかる車両用発電機におい
て、前記発電制御手段は、発電電流を検出し、前記発電
電流に基づいて前記周波数を制御する。請求項5記載の
発明によれば、以下の作用効果を奏する。
【0011】例えば、蓄電電圧が所定の基準電圧より高
く、充電不要であるにもかかわらず、発電電流が基準電
流より大きければ、励磁周波数を増加して滑りを正方向
にシフトさせ、これにより発電電流を減少させたり、又
はインバータのオンデューティ比を0として発電電流を
削減したり0としたりすることができる。また、例え
ば、蓄電電圧が所定の基準電圧より低く、充電必要であ
るにもかかわらず、発電電流が基準電流より小さけれ
ば、励磁周波数を低下して滑りを負方向にシフトさせ、
これにより発電電流を増大させることができる。また、
蓄電電圧が基準電圧よりどれくらい低いかということを
示す電圧差を算出し、この電圧差に応じて(上記電圧差
に正の相関関係にて)発電電流を変更することもでき
る。
【0012】また例えば、発電電流が誘導機の特性に応
じて予め設定した所定の最小電流を下回る場合、滑りが
0すなわち電動機モードに接近し過ぎとして励磁周波数
を増加することができる。これらのようにすれば、誘導
機の実回転数を計測しなくても、発電電流又は発電電流
及び蓄電電圧に基づいて周波数を制御するだけで誘導機
の発電制御を実施することができる。
【0013】請求項6記載の発明にかかる車両用発電機
において、前記発電制御手段は、発電電圧(電機子巻線
端の電圧)を検出し、前記発電電圧に基づいて前記周波
数を制御する。請求項6記載の発明によれば、誘導機が
発電モードにある場合に、発電電圧が高いことは上記し
た発電電流が大きいことを意味しており、発電電圧が低
いことは上記した発電電流が小さいことを意味してお
り、この関係に基づいて上記した請求項5の発明におけ
る発電電流を発電電圧に置換しても、請求項5の発明に
おける制御を実行することができる。
【0014】請求項7記載の発明にかかる車両用発電機
において、前記発電制御手段は、発電電流を、発電電圧
と蓄電電圧との電圧差に基づいて(正の相関関係又は正
比例関係)に基づいて算出する。請求項7記載の発明に
よれば、電流センサを省略することができ、装置構成の
簡単化の点で大きな利益が生じる。
【0015】請求項8記載の発明にかかる車両用発電機
において、前記発電制御手段は、検出した発電電圧と発
電電流とに基づいて滑りを算出し、この滑りと励磁周波
数から誘導機の回転数を算出する。請求項8記載の発明
によれば、回転数センサを設けることなく、誘導機の回
転数を算出することができ、装置構成の簡単化の点で大
きな利益が生じる。
【0016】なお、この場合、算出した誘導機の回転数
に基づいて、蓄電電圧が基準電圧とに基づいて滑りを算
出し、この滑りと励磁周波数から誘導機の回転数を算出
する。このようにすれば、回転数センサを設けることな
く、誘導機の回転数を算出することができ、装置構成の
簡単化の点で大きな利益が生じる。また、この算出回転
数を用いて必要な発電電流が得られる範囲で良好な発電
効率を奏する滑り範囲に励磁周波数を制御することが容
易となる。
【0017】他の態様において、誘導機の相数、かご形
又は巻線型の変更などは当然可能である。インバータは
パワートランジスタ(バイポーラ又はMIS)が好適で
あるが他の電力半導体スイッチの使用も可能である。こ
のインバータは誘導機を電動機モードで用いる場合に整
流回路として作動し得る。請求項9記載の発明にかかる
車両用発電機において、前記発電制御手段は、所定間隔
で前記インバータの制御電圧の周波数を所定値だけシフ
トさせるとともに、前記シフト前後における前記誘導機
の発電状態に関する前記状態量の差に基づいて前記周波
数の変化方向を決定する。
【0018】請求項9記載の発明によれば、簡単かつ正
確に周波数を変化すべき方向を決定することができる。
すなわち、すべりsの変化に対して発電電流がs=0に
近い領域でピーク値となる単峰特性を有するという誘導
発電機の発電電流と滑りsとの良く知られた滑りー発電
電流特性から、同じ発電状態(例えば同じ発電電流又は
同じバッテリ電圧又は同じ発電電圧)でも、誘導発電機
の運転状態(効率や力率)として全く異なる二つの発電
領域が存在することになる。ここで、すべりsの絶対値
がより小さい発電領域を高効率領域とし、すべりsの絶
対値がより大きい発電領域を低効率領域とすれば、でき
るだけ高効率領域で運転する必要があることは自明であ
る。しかし、誘導発電機の発電状態、例えば発電電流又
はバッテリ電圧又は発電電圧をモニタするだけでは上述
のようにどちらの領域にあるかは不明である。
【0019】そこで、この発明では、周波数を所定周期
で所定方向にシフトし(すべりsを所定方向にシフト
し、この時の発電レベルが増強されるかまたは減少に向
かうかを判別することにより、現在、どちらの領域にい
るか(上記ピーク値のどちらのサイドに位置するか)を
判別し、この判別結果に基づいて、好適な高効率領域へ
向かうように周波数すなわち滑りを変化させる。これに
より、簡単に高効率領域での運転が可能となる。
【0020】請求項10記載の発明にかかる車両用発電
機において、前記発電制御手段は、前記シフト前後にお
ける前記誘導機の発電状態に関する前記状態量の差に基
づいて前記周波数の変化量を決定する。請求項10記載
の発明によれば、簡単かつ正確に周波数の変化量を決定
することができる。
【0021】すなわち、上述のように、すべりsと発電
電流との関係は予め既知であり、上記周波数のシフトに
よる発電電流の変化量と変化方向とにより現在のすべり
sがわかる。一方、バッテリ電圧とその目標電圧との関
係から(又はバッテリ電圧と消費電流とから)、必要な
発電電流のレベルを決定することができる。したがっ
て、上記滑りー発電電流特性及び現在のすべりsに基づ
いて周波数をどれだけシフトすれば必要な発電電流が得
られるかがわかる。
【0022】請求項11記載の発明にかかる車両用発電
機において、エンジン回転数を検出して前記発電制御手
段に入力するエンジン回転数検出手段を有し、前記発電
制御手段は、前記エンジン回転数の変化に基づいて前記
周波数を決定するとともに、前記シフト前後における前
記誘導機の発電状態に関する前記状態量の差に基づいて
前記決定周波数の変化方向又は変化量を補正する。
【0023】請求項11記載の発明によれば、所定周期
で検出したエンジン回転数及び目標とするすべりsに基
づいて最初に周波数を決定するので、急激にすべりsが
変動したとしても周波数を素早くそれに追従させること
ができ、更にその後、請求項9または10の方法で周波
数の変化方向又は変化量を決定するので、応答速度の遅
れを回避しつつ請求項9または10の効果を奏すること
ができる。
【0024】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、誘導機の実測
回転数を含まず、蓄電手段の蓄電電圧を含む誘動機の発
電電圧に関連する状態量に基づいて、インバータの制御
電圧の周波数を制御して蓄電電圧を基準範囲に保持す
る。すなわち、誘導機の発電電圧に関連する上記状態量
と周波数との間には既知の関係が存在するために周波数
を変更すれば発電電圧を変更することができる。また、
上記状態量は誘導機の発電レベルを表すので、上記状態
量に基づいて周波数を変更すれば発電レベルを変更する
ことができ、したがって、蓄電電圧に応じて周波数を変
更することにより蓄電電圧を所定の基準範囲に保持する
よう発電制御を行うことができる。
【0025】したがって、本発明では、従来の車両用エ
ンジン駆動の誘導発電機では必須と考えられていた回転
数センサを省略した発電制御を実現でき、装置構成が簡
単で安定な発電制御が可能な車両用発電機を実現するこ
とができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の誘導機型の車両用発電機の一
実施例を図面を参照して説明する。図1はそのブロック
図を示し、図2にその模式軸方向半断面図を示し、図3
にその発電制御動作を示すフローチャートを示す。この
車両用発電機は、誘導機1と、三相インバータ回路(本
発明でいうインバータ)2と、コントローラ(本発明で
いう発電制御手段)3とからなる。
【0027】誘導機1は、車両用エンジン10のクラン
ク軸よりプーリ比約4でベルト増速駆動されるかご形回
転子型三相誘導機により構成されており、その各電機子
巻線端U、V,Wはインバータ2の交流端の各相にそれ
ぞれ接続されている。三相インバータ回路2は、6個の
MOSパワートランジスタ(以下、トランジスタともい
う)21〜26を三相ブリッジ接続してなる。
【0028】詳しく説明すれば、ハイサイドのスイッチ
を構成するトランジスタ21とローサイドのスイッチを
構成するトランジスタ24とを直列接続したU相インバ
ータ回路の接続点(交流端)に電機子巻線端Uが接続さ
れ、ハイサイドのスイッチを構成するトランジスタ22
とローサイドのスイッチを構成するトランジスタ25と
を直列接続したV相インバータ回路の接続点(交流端)
に電機子巻線端Vが接続され、ハイサイドのスイッチを
構成するトランジスタ23とローサイドのスイッチを構
成するトランジスタ26とを直列接続したW相インバー
タ回路の接続点(交流端)に電機子巻線端Wが接続され
る。そして、各相インバータ回路の高位直流端がバッテ
リ(蓄電手段)4の高位端及び車両電気負荷5の一端に
接続され、各相インバータ回路の低位直流端、バッテリ
4の低位端及び車両電気負荷5の他端が接地されてい
る。
【0029】コントローラ3は、電機子巻線端Vの電圧
(本発明でいう発電電圧)Vpと、バッテリ4の端子電
圧(本発明でいう蓄電電圧)Vbと、イグニッションス
イッチ(図示せず)の作動信号電圧VIGとが入力され、
三相インバータ回路2のゲート制御電圧Vg1〜Vg6
を出力する電子回路からなり、この実施例ではマイコン
装置となっている。このマイコン装置の入力インターフ
ェイスは各入力電圧をそれぞれA/D変換するA/Dコ
ンバータからなり、また出力インターフェイスは出力さ
れる6種類のパルス電圧をそれぞれ電力増幅するパワー
アンプからなるが、このような構成自体は周知であるの
で、説明を省略する。 (誘導機1の構成)誘導機1は、図2に示すように、か
ご形回転子11及びプーリ12が嵌着されたシャフト1
3を回転自在に支持するハウジング14を有し、ハウジ
ング14の内周面には三相電機子巻線15が巻装された
電機子鉄心16が固定されている。
【0030】17はハウジング14の開口を閉鎖すると
ともに車体に取り付けるためのブラケットであり、1
8、19は軸受けである。ファン20の回転によりハウ
ジング14の端壁及びブラケット17に開口された吸入
口から吸入された冷却風はハウジング14の周壁及びブ
ラケット17に開口された吐出口から吐出される構造と
なっている。
【0031】ハウジング14の外周面の所定部位には電
磁シールド機能を有する箱状のケース14aが締結され
ており、三相インバータ回路2及びコントローラ3がこ
の箱状のケース14aの内部に配設されている。この実
施例では、エンジン10のアイドル回転数は600rp
m、最高回転数は6000rpmとされ、三相の電機子
巻線15は2/3π〔rad〕の短節集中巻きの8極形
式とされている。電機子鉄心16のスロット数は24と
され、半閉の各スロットにそれぞれ6本ずつ導体が挿入
されている。 (基本発電動作の説明)車両用エンジン10に駆動され
てかご形回転子11が回転し、一方、コントローラ3が
三相インバータ回路2を開閉制御して誘導機1の各相の
電機子巻線15に三相交流電圧を印加すると、印加電圧
の周波数fから算出される同期速度Nsと、かご形回転
子11の回転数Nとから算出される滑りs(s=N/
(Ns−N)に応じて、周知のように電動機として動作
したり、発電機として動作したりする。なお、発電機と
して動作するのはNs<Nの場合である。
【0032】なお、三相インバータ回路2の開閉制御に
よる三相交流電圧形成動作について説明すると、三相電
機子巻線端Uの電圧Vuはトランジスタ21がオンの時
に正位相の半波長電圧となり、トランジスタ24がオン
の時に負位相(交流的に)の半波長電圧となる。三相電
機子巻線端Vの電圧Vvはトランジスタ22がオンの時
に正位相の半波長電圧となり、トランジスタ25がオン
の時に負位相(交流的に)の半波長電圧となる。三相電
機子巻線端Wの電圧Vwはトランジスタ23がオンの時
に正位相の半波長電圧となり、トランジスタ26がオン
の時に負位相(交流的に)の半波長電圧となる。したが
って、トランジスタ21と24、トランジスタ22と2
5、トランジスタ23と26とをそれぞれ反対位相で開
閉させ、かつ、トランジスタ21、22及び23を互い
に120度異なる位相で開閉することにより、三相交流
電圧を形成することができる。 (発電制御の説明)次に、コントローラ3による発電制
御の一例について、図3のフローチャートを参照して説
明する。
【0033】まず、ステップ101にて初期設定を行
い、この時、ゲート制御電圧Vg1〜Vg6の周波数を
144Hzに初期設定する。この値は、エンジンアイド
ル回転時においてsが−10%となる値である。次に、
イグニッションスイッチ(図示せず)がONされている
かどうかを作動信号電圧VIGが所定電圧(ここでは5V
とする)より大きいかどうかで判別し(102)、オフ
であればステップ待機する。
【0034】一方、イグニッションスイッチがオンすれ
ば、イグニッションスイッチの作動からスタータの始動
完了までに充分な時間(ここでは0.5秒)待機してエ
ンジンの回転数の確立を待つ(103)。その後、バッ
テリ電圧(蓄電電圧)VB が基準電圧Vrefを中心と
して上下に所定電圧ΔVの範囲内かどうかを調べ(10
4)、バッテリ電圧VB が基準電圧Vref+ΔVの値
以上であれば、発電不要であると判断し、まず、励磁周
波数fに所定値Δfを加えて(106)、それでインバ
ータ2を制御し(108)、次に発電電流Iを検出する
(109)。
【0035】なお、発電電流Iは、電流センサや電流検
出用の低抵抗の電圧降下により検出してもよいが、ここ
では、検出した発電電圧Vp(ここではVpの整流値を
ソフトウエアにて求め、それをバッテリ電圧VB と同じ
スケールとなるように所定係数を掛けてバッテリ電圧V
B に相当するVを求める。)とバッテリ電圧Vとの差を
発電電流と見做す。この点に関する更なる説明は後述さ
れる。
【0036】次に、検出又は算出された発電電流Iが最
小電流値Iminを超過しているかどうかを求め(11
0)、超過していれば発電電流がまだ大きすぎるすなわ
ち発電レベルがまだ高すぎると判断してステップ104
にリターンして、繰り返しステップ106にて周波数を
増加して滑りを正方向へシフトし、発電電流を低減す
る。
【0037】一方、ステップ110にて、発電電流Iが
Imin以下であれば、発電電流は充分低下したにもか
かわらず、バッテリ電圧VB は高く、これ以上発電電流
Iを低下し、滑りを減少することは好ましくないので発
電を停止すべきと判断して、三相インバータ回路2をオ
フ(オンデューティ比を0)とし(112)、ステップ
104にリターンする。
【0038】なお、ステップ112でオンデューティ比
を0とする場合でも、ステップ118、119などで電
流を検出するにはそのために試験的に三相インバータ回
路2を作動させることはもちろんである。なお、ステッ
プ110によれば、ステップ106による周波数増加に
より滑りが正方向へシフトして滑り0に所定滑り値以上
近接するのを回避することができ、誤って誘導機1が電
動モードとなるのを防止することができ、大きな効果が
ある。更に、この場合、発電電流I(又は発電電圧V
p)をIminをほぼ最高発電効率の滑り値の部分、又
は、最高発電効率の滑り値より僅かに正方向へ滑り値が
シフトした部分の発電電流とすることにより、状況が許
す限り、最高発電効率部分へ発電動作が収束するので、
更に効果的である。
【0039】なお、この実施例ではステップ109、1
10により発電電流Iにより発電レベルを判定したが、
発電電流I(又は電圧差Vp−VB )は発電電流Vpと
正の相関又は比例関係にあるので、ステップ109にて
発電電圧Vpを検出し、ステップ110にて発電電圧V
pが所定の最小発電電圧Vpminより大きいかどうか
により判断してもよい。
【0040】次に、ステップ104でバッテリ電圧VB
がこの電圧範囲内にあれば、周波数は現在の周波数値f
のまま出力される(121)。一方、ステップ104で
バッテリ電圧VB がこの電圧範囲を下回れば、充電不
足、発電不足と判定して、励磁周波数fから所定値Δf
を引いて(114)、それでインバータ2を制御し(1
16)、次に、発電電流Iを検出し(118)、発電電
流Iが所定の最大電流値Imax未満かどうかを求め
(119)、未満であれば発電電流はまだ増加の余地有
りとして、ステップ104へ戻り、繰り返しステップ1
14にて周波数を削減して滑りを負方向へシフトし、発
電電流を増加する。一方、ステップ119にて、発電電
流IがImax以上であれば、発電電流は大きすぎると
判断して、励磁周波数fを少し下げ(120)、誘導機
1の保護を図ってステップ104にリターンする。
【0041】以上説明した構成および作用により、精密
な速度センサによる複雑かつ高精度のすべり量制御を行
うことなく、安定した発電制御を実行することができ
る。特に、ベルト駆動で高プーリ比かつ多極(誘動機で
は6極以上位を多極と称す)に構成された高速で回転変
動が大きい車両用エンジン駆動の誘導発電機を簡単な構
成で安定して発電制御することができる。
【0042】なお、初期励磁周波数f0 を144Hzと
してアイドル回転に相当する同期速度より10%程度低
めにしているのは、アイドル回転ですべりを負として発
電機が少なくとも電動とならないように、すなわちアイ
ドル時に電動動作してエンジントルクを増加させること
がないように配慮したものであり、更に、効率がそれほ
ど低下しない周波数範囲(通常すべり0〜±10%程度
が効率悪化が顕著でない範囲。)で制御できるいう効果
もある。
【0043】なお、上記実施例ではコントローラ3はマ
イコン構成としたが、ハードウエアロジック回路でもア
ナログ回路でもよいことは当然である。なお、エンジン
回転数センサやエンジン点火信号をエンジンコントロー
ルユニット(通常E.C.U.と略称されるエンジン制
御マイコン装置)から得て、周波数制御に用いることも
できる。すなわち、エンジン回転数センサやエンジン点
火信号からエンジン回転数を検出することができ、それ
にベルト最小滑り率及びベルト最大滑り率を掛ければ、
誘導機1の最大可能回転数Nmax及び最小可能回転数
Nminが決定でき、したがって、ゲート制御電圧Vg
1〜Vg6の周波数から得られる同期回転数Noを少な
くとも上記最大可能回転数Nmax未満とすれば、滑り
sを負すなわち発電モードとすることができる。
【0044】また、エンジン回転から求めた誘導機の最
大可能回転数Nmax及び最小可能回転数Nminを決
定して、発電モ−ドを維持する例を述べたが、さらに上
記方法により求めた誘導機回転数を積極的に用いる例を
示す。バッテリ電圧VB 、バッテリ電圧の狙い値Vre
fの差の関数及び誘導機の回転数Nから、誘導機の滑り
指令値Sを求める。さらに、この滑り指令値Sと現在の
誘導機の回転数Nからインバ−タの周波数を決定して発
電を最適値に制御する。
【0045】発電機の種類の違いによりプーリーが多少
異なったり、ベルトの滑りで正確な誘導機の回転数は得
られないが、上記の様にして決定したインバ−タの周波
数に対してバッテリ電圧の実測値と設定値の偏差でイン
バ−タ周波数を補正すれば誘導機の回転数を実測する為
の専用の回転センサを設けなくとも短時間で正確に、最
適な発電状態に制御する事が可能となる優れた効果があ
る。
【0046】また、同期回転数Noを少なくとも上記最
小可能回転数Nmin以上とすれば、発電効率の良い状
態で発電動作を行うことができる。更に、エンジン回転
数から求めた誘導発電機の最大可能回転数Nmax及び
最小可能回転数Nminを決定して、発電モードを維持
する例を述べたが、上記方法により求めた誘導発電機回
転数を積極的に用いる例を示す。
【0047】バッテリ電圧VB とバッテリ電圧VB の狙
い値Vrefとの差の関数、及び、誘導発電機の回転数
Nから、誘導発電機のすべり指令値sを求める。次に、
このすべり指令値sと現在の誘導発電機の回転数Nとか
ら、同期速度を求めてインバータの周波数を決定して発
電を最適状態に制御する。なお、誘導発電機の機種の違
い、プーリー径の大小、ベルトの滑りなどにより、エン
ジン回転数からは正確な誘導発電機の回転数を検出する
ことはできない。
【0048】しかし、上記したように、バッテリ電圧の
実測値と設定値との偏差でインバータの周波数を決定す
れば、誘導発電機の回転数を実測するための専用の回転
数センサを設けなくてもよく、短時間で正確に最適な発
電状態に制御することが可能となるという優れた効果を
奏する。 (実施例2)実施例2を図4を参照して説明する。
【0049】ただし、この実施例の動作説明を行う前
に、この誘導発電機1の一相等価回路図を図5(a)、
(b)に示す。(a)と(b)とは表現形式が異なるだ
けで、同じものである。このEはバッテリ電圧VB を交
流正弦波電源と仮想したものであり、2個の抵抗riは
バッテリ4及びインバータ2の抵抗成分であり、Z1は
電機子コイルの(一次側の)インピーダンス、r1はそ
の抵抗分、x1はそのリアクタンス分である。Z2は回
転子側の(二次側の)インピーダンス、r2はその抵抗
分、x2はそのリアクタンス分である。Z0は漏れイン
ピーダンス、r0はその抵抗分、x0はそのリアクタン
ス分である。滑りsが負であるので電流は誘導機1から
バッテリ側へ流れ、理論的には、Riが既知であるの
で、発電電流I=(発電電圧Vp(スケール換算済)−
バッテリ電圧VB )/2Riとして検出することができ
る。
【0050】また、発電電流Iは、図5の等価回路か
ら、Vp、Z1,Z2,Z3の関数値として簡単に計算
することができ、また、滑りsとVpとI以外は既知一
定であるので、滑りsはVpとIとから図5の等価回路
に基づいて簡単に計算することができ、また、マイコン
に予めVpとIとsとの関係を示すマップを格納してお
くことにより、滑りsはVpとIとから簡単にサーチす
ることができる。
【0051】ちなみに、図5において、Z0を簡単のた
めに省略し、力率も無視すれば、I=Vp/(r1+j
(x1+x2)+r2/s)となるので、sが0から負
方向にシフトすれば、発電電流Iは増加することがわか
る。また、sが負方向から0へ接近すれば発電電流Iは
減少することがわかる。ただ、sが0に近いゾーンに高
効率発電範囲があるので、発電電流Iに余裕がある場合
には、滑りsは0に近い負値範囲(例えば−5%〜−1
5%)にすることが好ましく、励磁周波数fを増加して
sを0に接近させることが好ましいことがわかる。
【0052】以下、図4を参照してこの実施例の発電制
御動作を説明する。まず、実施例1と同様にしてステッ
プ103までを行い、更に実施例1と同様にして発電電
流I及び発電電圧Vpを検出する(204)。次に、上
記した説明のように滑りsの現在値Snを算出乃至サー
チし(206)、サーチした滑りsn、励磁周波数の現
在値fnから誘導機1の回転数Nを求め(208)、N
から、許容される最大滑り値(符号はマイナスであり、
絶対値としては最小値、ここでは−8%)smaxを算
出し、更に、Nから、許容される最小滑り値(符号はマ
イナスであり、絶対値としては最大値、発電電流Iの最
大値に相当する)smaxを算出する(210)。
【0053】次に、VB と基準電圧Vrefとを比較し
(211)、VB が基準電圧Vrefを超過していれ
ば、発電不要であると判断し、まず、励磁周波数fに所
定値Δfを加えて、それでインバータ2を制御し(21
2)、次にこの新たな励磁周波数fとステップ208で
求めたNから滑りsを算出し、算出した滑りsがsma
x未満かどうかを調べ(214)、未満であればまだ励
磁周波数fは増加可能と判断してステップ204にリタ
ーンし、以上であればインバータをオフする。
【0054】一方、ステップ211にてVB が基準電圧
Vref以下であれば、発電増強が必要であると判断
し、まず、励磁周波数fから所定値Δfを引いて、それ
でインバータ2を制御し(220)、次にこの新たな励
磁周波数fとステップ208で求めたNから滑りsを算
出し、算出した滑りsがsmin以上かどうかを調べ
(222)、以上であればまだ励磁周波数fは減少可能
と判断してステップ204にリターンし、未満であれば
これ以上の励磁周波数fの減少すなわち滑りsno負方
向のシフトは発電電流Iの許容できない増大を招くと判
断して、励磁周波数fに所定値Δfを加えてそれでイン
バータ2を制御し(224)、それからステップ204
にリターンする。
【0055】なおこの実施例でも、ステップ216でオ
ンデューティ比を0とした後、ステップ204などで電
圧Vpや電流Iを検出するにはそのために試験的に三相
インバータ回路2を作動させることはもちろんである。
以上説明した構成および作用により、精密な速度センサ
による複雑かつ高精度のすべり量制御を行うことなく、
安定した発電制御を実行することができる。
【0056】なお、上記したI,Vpから滑りsを算出
する場合、Vpは正弦波波形であることが好ましいの
で、矩形波パルス電圧を正弦波波形に近似させるため
に、デューティ比が正弦波の瞬時値となるようにインバ
ータ2をPWM制御することが好ましい。 (実施例3)本発明の車両用発電機の他の実施例を図6
のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0057】まず、ステップS1で、キーSWのオンが
検出されると、ステップS2で、初期設定を行う。ここ
で、比例定数Pは1とされ、所定のインバータ周波数の
今回値(出力値)fは初期設定周波数値fS に設定され
る。エンジン始動直後のエンジン回転数における発電機
の動作点が上述した高効率領域(図8に示す周波数−出
力電流特性におけるfD 〜fC )内となることが極めて
望ましいので、fS は所定の始動直後エンジン回転数に
対しfD 〜fC 内の所定の値に設定される。なお、fD
は所定の始動直後エンジン回転数に対してすべりsがs
dとなるインバータ周波数値であり、fC はすべりsが
0となるインバータ周波数値、すなわち、同期周波数で
ある。ただし、図8において、fD は出力電流がピーク
値となる時のインバータの周波数であり、それぞれ誘導
発電機の回転数は一定としている。
【0058】次のステップS20では、エンジン回転数
Neを検出し、次のステップS21では、このNeに基
づいてエンジン始動完了したかどうかを確認するまで待
機し、確認したら、ステップS3に進む。なお、ここで
は、エンジン回転数Neが上記所定の始動直後エンジン
回転数(400rpm)となったかどうかでエンジン始
動完了を確認するものとする。もちろん、エンジン始動
完了の確認には公知の他の手法を採用してもよい。
【0059】次のステップS3では、上記始動直後エン
ジン回転数に等しいエンジン回転数Neをエンジン回転
数の前回値(記憶値)Nebとして記憶し、また、上記
初期設定周波数fS をインバータ周波数の前回値(記憶
値)fbとして記憶する。次のステップS30では、所
定時間(例えば100mS)待機し、その後のステップ
S4では、再度、エンジン回転数Neを今回値として検
出する。
【0060】次のステップS5では、エンジン回転数の
前回値Nebに対する今回値Neの比率(Ne/Ne
b)をインバータ周波数の前回値fbに掛けることによ
り、上記エンジン回転数の変動(Ne/Neb)の比率
に比例してインバータ周波数の前回値fbをシフトさせ
て、それをインバータ周波数の今回値fとしてインバー
タに出力するとともに、このシフト後のインバータ周波
数の今回値fを前回値fbとして更新する。これによ
り、エンジン回転数の変動に応じておおざっぱにインバ
ータ周波数を追従させることができる。
【0061】ステップS5の意味を図7を用いて更に、
説明する。図7は、発電機回転数がNAからNBに変わ
った場合の誘導発電機の状態変化を示すものである。発
電機回転数がNAの時の滑りー発電電流特性をA、発電
機回転数がNBの時の滑りー発電電流特性をBとし、い
ま、インバータ周波数がf1であるとすれば、出力電流
iはa点に相当する値となる。
【0062】ここで、急に発電機回転数がNBに増速し
たとすると、滑りー発電電流特性はBに変わり、その結
果、すべりsはいままでの高効率領域から低効率領域へ
とシフトしてしまうことになる。a点での出力電流又は
トルクに等しい値を得るためにすこしづつインバータ周
波数をf1からf2の方向へ増大していくと、特性B上
のd点で止まってしまい、高効率領域におけるa点での
出力電流又はトルクに等しい値を得るための点cに達し
ない。
【0063】そこで、ステップS5のエンジン回転数N
eの変動比率に応じたインバータ周波数fの比例シフト
により一挙に動作点aから動作点cへジャンプさせるこ
とにより、素早くそれを実現している。したがって、図
7でいえばシフト後のインバータ周波数f2は、f1・
NA/NBとなり、図6でいえばシフト後のインバータ
周波数の今回値(指令値)fは、fb・Ne/Nebと
なる。
【0064】つまり、発電機回転数NA、NBの比はエ
ンジンと発電機の回転数比がプーリー比として表わされ
一定である事を考えれば、発電機回転数の比はエンジン
回転数の比と等しく、すべりsの周知の式からエンジン
回転が変化してもエンジン回転の変化比率に合わせてイ
ンバ−タ周波数を変化させれば、発電機のすべりsを一
定に制御できる。
【0065】次のステップS51では、バッテリ電圧の
今回値Vbを検出する。次のステップS6では、ステッ
プS4で検出したエンジン回転数の今回値Neをその前
回値Nebとして記憶し、また、ステップS51で検出
したVbをバッテリ電圧の前回値Vbbとして記憶す
る。次のステップS7では、バッテリ電圧の前回値Vb
bを所定の調整電圧Vrefと比較し、Vbb<Vre
fならば、動作点は現在高効率領域に存在するものと仮
定して、ステップS8へ進んでインバータ周波数の前回
値fbをp△fだけ低下させたインバータ周波数の今回
値fを作り、逆に、VbbがVref以上ならば、動作
点は現在高効率領域に存在するものと仮定して、ステッ
プS9へ進んでインバータ周波数の前回値fbをp△f
だけ増加させたインバータ周波数の今回値fを作り、こ
の今回値fを出力し(ステップS90)、所定時間ΔT
だけ待機してからステップ10に進んで再度、バッテリ
電圧の今回値Vbを検出する。
【0066】次のS11では、上記したステップS8、
S9におけるインバータ周波数シフトに対するバッテリ
電圧Vbの増減関係を判定する。すなわち、(f−f
b)/(Vb−Vbb)の計算結果が負の時は、発電機
の動作点が図8の高効率領域(周波数と出力電流とが負
の相関関係となる)にある事を示し、計算結果が正の時
は低効率領域(周波数と出力電流とが正の相関関係とな
る)にあることを示す。
【0067】したがって、計算結果が負の時はステップ
S13に直接進み、計算結果が正の時は比例定数pに−
1を掛けて次のS8、S9での周波数増減方向を反転さ
せてステップS13に進む。次のS13では、Pが負か
どうかを調べ、負でなければ動作点が高効率領域にある
ものとしてステップS8又はS9で算出したインバータ
周波数の今回値fを前回値fbとして記憶し、一方、S
13で負あれば動作点が低効率領域にあるものとしてス
テップS8又はS9で算出したインバータ周波数の今回
値fに1.05を掛けた値を前回値fbとして記憶し、
S16で記憶した前回値fbを出力すべき今回値fとし
てインバータに出力する(S17)。
【0068】なお、S15で1.05を掛けるのは、低
効率領域の制御範囲が高効率領域のれより広いので、素
早くシフトするためである。次に、イグニッションスイ
ッチがオフされているかどうかを調べ、オフされていな
ければステップS4にリターンし、オフされていればル
ーチンを終了する。以上のS4〜S15の一連の動作を
イグニッションSWがオンしている間、繰り返して行う
ことでバッテリ電圧を調整電圧に維持する事が可能とな
る。なお、S4〜S6における動作(エンジン回転に応
じた周波数の切替)は制御精度、応答性を向上させる為
に追加したもので省略してもよい。
【0069】以上の様に本実施例では発電機の回転数セ
ンサを用いずともインバ−タの周波数変化させた時のバ
ッテリ電圧の応答を学習する事により発電機の動作点を
求め、次に指令するインバ−タ周波数を適切に決定する
といった優れた効果がある。上記実施例は周波数を変化
させた時のバッテリ電圧の応答を学習したが、発電機出
力電流、発電機出力電圧でも同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両用発電機のブロック回路図であ
る。
【図2】 誘導機1の模式断面図である。
【図3】 実施例1の発電制御動作を示すフローチャー
トである。
【図4】 実施例2の発電制御動作を示すフローチャー
トである。
【図5】 誘導機1の1相等価回路図である。
【図6】 実施例3の発電制御動作を示すフローチャー
トである。
【図7】 誘導機1の発電特性を示す特性図である。
【図8】 誘導機1の発電特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1は誘導機、 2は三相インバータ回路(インバータ)、 3はコントローラ(発電制御手段)。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 博英 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両用エンジンにより駆動される誘導機
    と、 交流端が前記誘導機の電機子巻線端に接続され直流端が
    蓄電手段に接続されるインバータと、 前記誘導機の実測回転数を含まず前記蓄電手段の蓄電電
    圧を含む前記誘導機の発電電圧に関連する状態量に基づ
    いて前記インバータの制御電圧の周波数を制御して前記
    蓄電電圧を基準範囲に保持する発電制御手段とを備える
    ことを特徴とする車両用発電機。
  2. 【請求項2】前記発電制御手段は、発電モードで動作す
    る場合において前記周波数の最小値を前記エンジンのア
    イドル時における前記誘導機の同期周波数未満に設定す
    るものである請求項1記載の車両用発電機。
  3. 【請求項3】前記発電制御手段は、エンジン回転数又は
    エンジン回転数にベルト滑り率を掛けた値に更に所定の
    ベルト増速率を掛けて誘導機の回転数を算出し、算出し
    た前記誘導機の回転数と目標とする滑り値とを用いて前
    記周波数を決定するものである請求項1記載の車両用発
    電機。
  4. 【請求項4】前記発電制御手段は、前記蓄電手段の蓄電
    電圧と所定の基準電圧との差を減少する方向に前記周波
    数を変化させるものである請求項1記載の車両用発電
    機。
  5. 【請求項5】前記発電制御手段は、発電電流を検出し、
    前記発電電流に基づいて前記周波数を制御するものであ
    る請求項1記載の車両用発電機。
  6. 【請求項6】前記発電制御手段は、発電電圧(電機子巻
    線端の電圧)を検出し、前記発電電圧に基づいて前記周
    波数を制御するものである請求項1記載の車両用発電
    機。
  7. 【請求項7】前記発電制御手段は、発電電流を、発電電
    圧と蓄電電圧との電圧差に基づいて算出するものである
    請求項1記載の車両用発電機。
  8. 【請求項8】前記発電制御手段は、検出した発電電圧と
    発電電流とに基づいて滑りを算出し、この滑りと励磁周
    波数から前記誘導機の回転数を算出するものである請求
    項1記載の車両用発電機。
  9. 【請求項9】前記発電制御手段は、所定間隔で前記イン
    バータの制御電圧の周波数を所定値だけシフトさせると
    ともに、前記シフト前後における前記誘導機の発電状態
    に関する前記状態量の差に基づいて前記周波数の変化方
    向を決定するものである請求項1記載の車両用発電機。
  10. 【請求項10】前記発電制御手段は、前記シフト前後に
    おける前記誘導機の発電状態に関する前記状態量の差に
    基づいて前記周波数の変化量を決定するものである請求
    項9記載の車両用発電機。
  11. 【請求項11】エンジン回転数を検出して前記発電制御
    手段に入力するエンジン回転数検出手段を有し、 前記発電制御手段は、前記エンジン回転数の変化に基づ
    いて前記周波数を決定するとともに、前記シフト前後に
    おける前記誘導機の発電状態に関する前記状態量の差に
    基づいて前記決定周波数の変化方向又は変化量を補正す
    るものである請求項9又は10記載の車両用発電機。
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EP95101239A EP0665637B1 (en) 1994-01-31 1995-01-30 Electric power generating device for vehicles
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998031089A1 (fr) * 1997-01-13 1998-07-16 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Generateur pour moteur a combustion interne
JPH11234807A (ja) * 1997-11-21 1999-08-27 Lockheed Martin Corp バッテリの充電状態に応じて効率を変化できる回生制動を用いた電気自動車

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WO1998031089A1 (fr) * 1997-01-13 1998-07-16 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Generateur pour moteur a combustion interne
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