JPH07253479A - 時計振り子の保持構造 - Google Patents

時計振り子の保持構造

Info

Publication number
JPH07253479A
JPH07253479A JP4540694A JP4540694A JPH07253479A JP H07253479 A JPH07253479 A JP H07253479A JP 4540694 A JP4540694 A JP 4540694A JP 4540694 A JP4540694 A JP 4540694A JP H07253479 A JPH07253479 A JP H07253479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pendulum
magnet
holding
timepiece
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4540694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2804435B2 (ja
Inventor
Hisao Kuramochi
久男 倉持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rhythm Watch Co Ltd
Original Assignee
Rhythm Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rhythm Watch Co Ltd filed Critical Rhythm Watch Co Ltd
Priority to JP4540694A priority Critical patent/JP2804435B2/ja
Publication of JPH07253479A publication Critical patent/JPH07253479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2804435B2 publication Critical patent/JP2804435B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Toys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 時計本体が前後方向にある程度傾斜した場合
にも、振り子の時計本体に対する角度を維持して安定動
作を継続でき、デザイン上の自由度を高めた時計振り子
の保持構造を提供すること。 【構成】 振り竿の下端に飾り部材が連結され上端に保
持部が設けられた振り子を、時計本体側に設けられた保
持部材に、該保持部を介して揺動可能に保持する時計振
り子の保持構造であって、前記保持部又は保持部材の一
方に磁石を設け、他方に前記磁石に対向する少なくとも
2つ以上の接点突起又は長軸を設け、該接点突起の先端
と前記磁石との接触箇所を、振り子の揺動面に直交する
線上に設け、前記磁石の吸着力により動作時の部材間の
接触状態を維持する構成とされ、好ましくは、前記磁石
の接触面に対して裏面に透磁性体を設けた時計振り子の
保持構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時計体内に設けられた
装飾振り子が揺動する時計振り子の保持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、振り子時計としては、時計本体
内の収納スペースに、下端に飾り部材が連結された時計
振り子を、上端を揺動可能に支持して収納し、この振り
子を駆動機構により左右方向に揺動させて、計時動作を
示すとともに装飾効果を得ているものが知られている。
【0003】すなわち、この時計振り子は、飾り部材を
備えた振り子と、この振り子の上端を揺動可能に軸支す
る時計本体側に固設された掛止部材と、この振り子を揺
動駆動する振り子駆動機構とから構成されている。すな
わち、この振り子は、略長棒状に設けられた振り竿の上
端に掛止部が設けられ、下端には飾り部材が連結されて
いる。そして、この振り竿の掛止部の下端を、時計本体
側に設けられた掛止部材に、載置することにより揺動可
能に支持している。
【0004】そして、この振り子を揺動させる駆動機構
としては、振り子を直接的に揺動駆動させる機械駆動式
のものや、磁力を用いて間接的に駆動するもの等が知ら
れている。この磁力駆動のものとしては、例えば、振り
子の飾り部材に磁石を設け、この振り子に対面する時計
側には、駆動コイルを固定した構成とされ、外観から駆
動機構が判別できない構造とされている。そして、この
時計側の駆動コイルを電気的にオンオフ動作させること
により、このコイルの発生磁力によって、振り子の磁石
を吸引/反発させて、振り子を左右方向に定期的な揺動
運動を行うようにしている。
【0005】更に、この掛止部又は掛止部材の一方は、
例えば、円錐形状突起や四角錐形状に形成され、両部材
の接触部分を最小限とすることにより、振り子の揺動運
動を少ない駆動力により、なめらかに行えるようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、時計側の掛
止部材に、振り子の掛止部を載置して掛止しているの
で、時計本体がある程度前後に傾斜すると、振り子が時
計本体の収納スペース内壁に当ってしまい、振り子止ま
りが生じるという不具合がある。すなわち、図9に示す
ように、時計本体22の前後方向の傾斜角度が付いてく
ると、この場合にも図中に破線により示すように、重力
により必ず振り子24の揺動面は垂直方向を維持する。
従って、同図中に実線により示すように、この振り子2
4と傾斜した時計本体22内壁とが接触して、振り子の
揺動運動が停止してしまう。
【0007】また、このような傾斜が、振り子が時計本
体に接触しない程度の場合においても、振り子の掛止部
を時計本体の掛止部材に載置して支持しているので、掛
止部の一端側が掛止部材から浮き上がって外れてしまう
ことになる。このため、振り子の支持が一点支持に近い
片持ちになり、揺動支点として不安定になるので、予め
定められた振り子の揺動動作がなめらかに行えないおそ
れがあった。例えば、機械式の駆動機構を用いている場
合には、この駆動機構に余分な負荷が掛かったり、磁力
式の駆動機構の場合には、磁石間の距離が大きくなるの
で磁力による駆動力が不足したりするので、振り子の揺
動運動が不調になったりする。
【0008】更に、このような不都合を回避するため、
時計本体の前後方向の収納スペースを拡充したり、接触
するような箇所を予め切り欠いたりして、接触を防止す
ることも考慮される。しかし、このようにすると、時計
本体の設計が制約されことになり、自由な商品構成が阻
害されてしまう。また、傾斜しにくい安定性を充分確保
することができる奥行のある形状に限定されるので、振
り子時計として、薄型の振り子時計を製作することが困
難であるという不都合もあった。
【0009】そこで、本発明は、時計本体が前後方向に
ある程度傾斜した場合にも、振り子の時計本体に対する
角度を維持して安定動作を継続でき、デザイン上の自由
度を高めた時計振り子の保持構造を提供することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、振り竿の下端
に飾り部材が連結され上端に保持部が設けられた振り子
を、時計本体側に設けられた保持部材に、該保持部を介
して揺動可能に保持する時計振り子の保持構造におい
て、前記保持部又は保持部材の一方に磁石を設けるとと
もに、他方には前記磁石に対向する長軸を設け、前記磁
石の吸着力により、振り子揺動動作時の前記保持部及び
保持部材間の接触状態を維持する時計振り子の保持構造
である。また、本発明は、この種の時計振り子の保持構
造において、前記保持部又は保持部材の一方に磁石を設
けるとともに、他方には前記磁石に対向する少なくとも
2つ以上の接点突起を設け、前記接点突起の先端と前記
磁石との接触箇所を、振り子の揺動面に直交する線上に
設け、前記磁石の吸着力により、振り子揺動動作時の前
記保持部及び保持部材間の接触状態を維持する時計振り
子の保持構造である。更に、好ましくは、前記磁石の接
触面に対して裏面に透磁性体を設けた構成の時計振り子
の保持構造である。
【0011】
【作用】従って、本発明によれば、時計本体の保持部材
又は振り子の保持部の一方に磁石を設け、他方を該磁石
との接触箇所が揺動面と直交する線上にある2つ以上の
接点突起又は長軸に形成し、この磁石の磁力により振り
子全体を吸着保持したことにより、動作時に前後方向に
時計本体が傾斜した場合にも、この磁石の吸着力によ
り、無傾斜時における保持部材間の2点以上の多点接触
又は線接触が維持されて、振り子も同様な傾斜状態とな
り、振り子の揺動面を時計内の収納スペースに収めるこ
とができる。
【0012】また、この磁力の吸着力により、時計本体
が僅かに傾斜した場合にも、保持部の一端側が保持部材
から浮き上がることが無くなるので、支点として一点支
持に近い片持ちになることを防止できる。
【0013】また更に、溝等の特別な形状を有しない平
面状の磁石と、これに2点以上当接する支点を設ければ
よいので、時計振り子の保持構造の形状が簡素化され、
製作コストの低減を図ることができ、経済性を向上する
ことができる。
【0014】更に、運送や収納のため振り子を保持部か
ら外しておき、この振り子を使用時に保持部に取り付け
る際には、時計本体の保持部材に、振り子の保持部を接
触させるだけで済むので、厳密な位置決めが不必要にな
り、振り子の取り付け作業が容易になる。
【0015】なお、磁石の接触面に対して裏面に透磁性
体を設けた場合は、この透磁性体により、磁束が流れす
ぎることを防止し、この磁束が保持部材と保持部との接
触点付近に集束するようにして、磁力による吸着力を強
化することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明を図1ないし図4に示す第1
実施例に基づいて説明する。図1に示すように、本実施
例の時計振り子の保持構造1は、時計本体2の前板2a
に固設された長軸状の保持部材3に、振り子4が、この
振り子4の上端に設けられた保持部5を介して、揺動可
能に保持された構成とされている。
【0017】すなわち、この振り子4は、長棒状に形成
された振り竿6と、上端に設けられた保持部5と、この
振り竿の下端に連結された飾り部材7とから構成されて
いる。
【0018】この飾り部材7は、略円盤状に形成され、
マグネット7aが内蔵されている。このマグネット7a
は、飾り部材7の下端側に設けられ、着磁面を上下方向
に向けて配設されている。そして、同マグネット7aに
対峙する時計本体側の底部2bには、駆動コイル8が固
定され設置されている。そして、この駆動コイル8を図
示を省略した制御回路により、適切なタイミングでオン
オフ動作させることにより、電磁力を周期的に生成/消
滅させ、この電磁力によって時計本体底部2b側に振り
子4の下端に有る飾り部材7のマグネット7aを吸引/
反発させて、振り子4を左右に揺動駆動するようにして
いる。従って、この振り子4を継続的な揺動運動させる
駆動機構が、一見して外観から判別できないようにして
いる。
【0019】また、図2及び図3に示すように、この振
り子4の振り竿6の上端には、磁石5aを備えた保持部
5が設けられている。この保持部5は、振り竿6に一体
に形成された直方体状の台座部5cと、この台座部5c
に、板状の透磁性体5bを介して取り付けられた磁石5
aとから構成されている。
【0020】この磁石5aは、強磁性体を用いて、外形
状を台座部5cと長さ及び幅を同一とされている。ま
た、この磁石5aの上面は、振り竿6の長手方向と直交
した面とされ、振り子4の支点位置を確保するための特
別な溝等の凹部を設けることなく、平坦な形状に形成さ
れている。この磁石5aの接触面に対して裏面側には、
磁石5aの磁束を誘導する板状の透磁性体5bが設けら
れている。従って、この透磁性体5bにより、磁束を台
座5c側に流れすぎることを防止し、この磁束が保持部
材3と保持部5との接触点付近に集束するようにして、
磁力による吸着力を強化している。
【0021】前記時計本体2側に設けられた保持部材3
は、鉄等の材質が用いられ、長軸状に形成されている。
また、この保持部材3は、その長手方向が振り子4の揺
動面に対して垂直方向となるように配置され、時計本体
2の前板2aに固定されている。従って、この保持部材
3と保持部5との接触は、軸と平面が接触する線接触と
なり、この接触線は振り子4の揺動面と直交する方向と
なっている。尚、9は、振り子4の抜け止め防止用に設
けられた鍔部である。
【0022】尚、保持部材3は、本実施例においては、
円筒形の長軸状に形成したが、少なくとも下半分が曲面
である半円筒形状や下半分が角状等に形成されていれば
良く、上半分の形状は限定されることはない。
【0023】以上説明したように、本実施例によれば、
時計本体の保持部材又は振り子の保持部の一方に磁石を
設け、他方を該磁石との接触箇所が揺動面と直交する線
上にある長軸に形成し、この磁石の磁力により振り子全
体を吸着保持したことにより、動作時に前後方向に時計
本体が傾斜した場合にも、この磁石の吸着力により、無
傾斜時における保持部材間の線接触が保たれ、振り子も
同様な傾斜状態になるので、振り子の時計本体に対する
位置関係を維持することができ、この傾斜によって振り
子が時計本体に接触し揺動運動を停止することを防止で
きる。
【0024】また、時計本体が僅かに傾斜した場合に
も、保持部の一端側が保持部材から離れることが防止さ
れるので、一点支持に近い片持ちになることが無くな
り、揺動支点として安定性が確保され、安定したスムー
ズな振り子の揺動動作を継続することができる。
【0025】これらの結果、前後に傾斜することが有り
得る薄型の振り子時計や、予め前後方向に傾いた状態の
振り子時計、例えば、時計本体自体が傾斜したものや、
振り子のみが傾斜したもの等の設計が行なえ、設計デザ
インの自由度を向上でき、種類の豊富な商品構成を行な
うことができる。
【0026】また更に、溝等の特別な形状を有しない平
面状の磁石と、これに線接触する長軸を設ければよいの
で、時計振り子の保持構造の形状が簡素化され、製作コ
ストの低減を図ることができ、経済性を向上することが
できる。
【0027】更に、運送や収納のため振り子を保持部か
ら外し、この振り子を使用時に保持部に取り付ける際に
は、時計本体の保持部材に、振り子の保持部を接触させ
るだけで済むので、厳密な位置決めが不必要になり、振
り子の取り付け作業が容易になる。
【0028】また、この取り付け作業時に、多少、保持
部の接触点が保持部材の中央位置から移動しても、振り
子動作に伴って磁石の磁力中心付近に保持部の接触支点
が復帰することになるので、厳密な位置決めが不必要と
なり、簡単に取り付け作業を行うことができる。
【0029】次に、本発明を図5及び図6に示す第2実
施例に基づいて説明する。尚、本実施例においては、基
本的な構成である振り子4、振り子4の駆動機構、及び
時計本体2の構成は、上述した第1実施例と同一な構成
であり、これは後述する各実施例においても同様であ
る。従って、同一部材には、同一符号を付して表わすこ
ととする。
【0030】すなわち、図5及び図6に示すように、本
実施例の時計振り子の保持構造1は、振り子4の上端に
設けられ磁石5aを備えた保持部5と、この保持部5が
吸着する時計本体2の前板2aに固設された保持部材3
とから構成されている。
【0031】この保持部5は、前記実施例と同様に、振
り子4の振り竿6の上端部に、一体に形成された直方体
状の台座部5cと、この台座部5cに板状の透磁性体5
bを介して設けられた磁石5aとから構成されている。
従って、この透磁性体5bにより、磁石5aの磁束を、
の接触点付近に集束できるようにして、集中強化された
磁力による大きな吸着力が得られるようにしている。
【0032】前記保持部材3は、長板状に形成された保
持部材本体3aと、この保持部材本体3aに設けられた
2対の円錐形状の接点突起3b,3bとから構成されて
いる。
【0033】この保持部材本体3aは、鉄等の磁性体金
属を用いて長板状に形成されている。また、この保持部
材本体3aは、一端が時計本体2の前板2aに固定さ
れ、下面が、振り子4の揺動面に対して直交する平坦面
とされている。そして、この保持部材本体3aの下面に
は、2対の下方向に突出する円錐形状の接点突起3b,
3bが設けられている。これらの接点突起3b,3bは
同一形状の同一突出量に形成され、各接点突起3b,3
bの突起先端が、振り子4の揺動面に対して直交する線
上に位置するように設けられている。そして、前記保持
部5に設けた磁石5aの磁力によって、保持部5及び振
り子4全体が保持部材3に吸着され支持されるが、この
保持部5は、常にこれらの保持部材3の接点突起3b,
3b先端の2点でのみ接触するようにしている。従っ
て、この保持部材3と保持部5との接触は、2つの突起
先端である2点と平面が接触する2点接触となり、この
2点は振り子4の揺動面と直交する線上となっている。
【0034】尚、保持部材の接点突起が有する形状は、
実施例のものに限らず、任意なものを用いて良い。すな
わち、例えば、ナイフエッジ状の突起と、先端が一点に
集束する多角錘形状の突起等、各接点突起が異なる形
状、突出量であっても、これらの先端の接触点が、振り
子の揺動面に直交する線上に位置するならば良い。従っ
て、例えば、保持部本体が、揺動面に対して傾斜して設
けられていても、この傾斜を打消すように、漸次、各突
起の突出量が増加、又は減少するように設けた構成とす
ることもできる。
【0035】更に、突起自体は、保持部材本体により充
分な磁力による吸着力が得るられば、磁性体、非磁性体
の材質を問わない。
【0036】従って、本実施例によれば、上述した第1
実施例と同様な効果を奏することができるのみならず、
溝等の特別な形状を有しない平面状の磁石と、これに2
点以上接触する接点突起を設ければよいので、時計振り
子の保持構造の形状が簡素化され、製作コストの低減を
図って経済性を向上することができる。特に、振り子側
に磁石を設けた場合には、振り子本体から鋭い先端形状
の突起を不要とすることができるので、振り子の取り付
け作業時等に振り子本体の取扱いが容易となり、安全性
を向上することができる。
【0037】更に、本発明を図7及び図8に示す第3実
施例に基づいて説明する。尚、本実施例においては、基
本的な構成である振り子4、振り子4の駆動機構、及び
時計本体2の構成は、上述した第1実施例と同一な構成
であるので、同一部材には、同一符号を付して表わすこ
とにする。
【0038】すなわち、図7及び図8に示すように、本
実施例の時計振り子の保持構造1は、磁石が設けられた
時計本体2の保持部材3に、振り子4の上端に設けられ
た略角筒状の保持部5を挿嵌した構成とされている。こ
の保持部5を、保持部5に設けられた接点突起5eを介
して、時計本体2の保持部材3に挿嵌して、この接点突
起5eと保持部材3との接触点を支点とし、振り子4を
支持するとともに、左右方向に揺動できるようにしてい
る。
【0039】この保持部材3は、強磁性体の磁石3c
と、この磁石3cに添着された透磁性体3dとから構成
されている。この磁石3cは、一端が時計本体2の前板
に固定された長板状に形成され、上面が振り子4の揺動
面に対して直交する面とされている。また、この磁石3
cの上面は、特別な溝等の凹部は設けられておらず、平
坦に形成されている。そして、磁石3cの保持部5との
接触面に対して裏面となる底面には、磁束を誘導する板
状の透磁性体3dが設けられている。従って、この透磁
性体3dにより、磁束が部材同士の接触点付近に集束す
るようにして、磁力による吸着力を強化できるようにし
ている。
【0040】前記保持部5は、振り子4の振り竿6の上
端に固着された略角筒状の外筒5dと、この外筒5dの
内周設けられた2対の接点突起5eとから構成されてい
る。この外筒5dの筒内スペースは、前記保持部材3よ
り充分に大きく設けられ、振り子4が揺動動作しても、
筒内壁に保持部材3が接触しないようにしている。ま
た、この外筒5dの筒長手方向は、振り竿6の長手方向
と直交して設けられている。
【0041】そして、この外筒5dの内周壁の上側に
は、2対の円錐形状の接点突起5e,5eが設けられて
いる。これらの接点突起5e,5eは、同一形状の先端
が一点に集束する円錐形状とされ、各接点突起先端によ
る接触点が、振り子4の揺動面に直交する線上にあるよ
うに、配置されている。従って、先端が鋭い接点突起を
外部に面することを防止して、振り子本体の取扱いを容
易にしている。そして、前記保持部材3に設けた磁石3
cの磁力によって、保持部5及び振り子4全体が保持部
材3に吸着されるが、この保持部5は、常にこれらの接
点突起5e,5e先端の2点でのみ接触するようにして
いる。従って、この保持部材3と保持部5との接触は、
2つの突起先端である2点と平面が接触する2点接触と
なり、この2点は振り子4の揺動面と直交する線上とな
っている。
【0042】以上説明したように、本実施例によれば、
上述した第2実施例と同様な効果を奏することができの
みならず、振り子本体の自重は保持部の掛止構造により
支えられていることにより、時計本体の傾斜時に一方の
接点が離れることを防止すればよいので、前記第1及び
第2実施例に比較して、磁力による吸着力が小さい磁石
を用いることができ、低コスト化を図れる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の時計振り
子の保持構造によれば、時計本体の保持部材又は振り子
の保持部の一方に磁石を設け、他方を該磁石との接触箇
所が揺動面と直交する線上にある2つ以上の接点突起又
は長軸に形成し、この磁石の磁力により振り子全体を吸
着保持したことにより、動作時に前後方向に時計本体が
傾斜した場合にも、この磁石の吸着力によって無傾斜時
における保持部材間の2点以上の多点接触又は線接触が
保たれ、振り子も同様な傾斜状態になるので、振り子の
時計本体に対する位置関係を維持することができ、この
傾斜によって振り子が時計本体に接触し揺動運動を停止
することを防止できる。
【0044】また、時計本体が僅かに傾斜した時にも、
保持部の一端側が保持部材から浮き上がることが無くな
るので、一点支持に近い片持ち保持を防止でき、揺動支
点として安定性が確保され、安定したスムーズな振り子
の揺動動作を行うことができる。
【0045】これらの結果、前後に傾斜することが有り
得る薄型の振り子時計や、予め前後方向に傾いた状態の
振り子時計を設計することができ、設計デザインの自由
度が向上できる。
【0046】また更に、溝等の特別な形状を有しない平
面状の磁石と、これに2点以上当接する支点を設ければ
よいので、時計振り子の保持構造の形状が簡素化され、
製作コストの低減を図れ、経済性を向上することができ
る。特に、振り子側に磁石を設けた場合には、鋭い先端
形状の突起を不要とすることができるので、振り子の取
り付け作業時等に振り子本体の取扱いが容易となるとと
もに、安全性が向上できる。
【0047】更に、運送や収納のため振り子を保持部か
ら外しておき、この振り子を使用時に保持部に取り付け
る際には、時計本体の保持部材に、振り子の保持部を接
触するだけで済むので、厳密な位置決めが不必要にな
り、振り子の取り付け作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係り、振り子の概略全体
を示す斜視図。
【図2】第1実施例の時計振り子の保持構造の要部を拡
大した斜視図。
【図3】第1実施例の時計振り子の保持構造に係り、
(a)は、保持構造の要部を示す拡大側面図、(b)
は、同正面図。
【図4】第1実施例の時計振り子の保持構造に係り、時
計本体が傾斜した場合を示す概略説明図。
【図5】本発明の第2実施例に係り、本実施例の時計振
り子の保持構造を拡大した斜視図。
【図6】第2実施例に係り、(a)は、時計振り子の保
持構造の要部を示す拡大側面図、(b)は、同拡大正面
図。
【図7】本発明の第3実施例に係り、振り子の概略全体
を示す斜視図。
【図8】本発明の第3実施例に係り、(a)は、時計振
り子の保持構造の要部を示す拡大側面図、(b)は、同
拡大正面図。
【図9】従来例の時計振り子の保持構造に係り、時計本
体が傾斜した場合を示す概略説明図。
【符号の説明】
1 時計振り子の保持構造 2 時計本体 2a 時計本体の前板 2b 時計本体の底部 3 保持部材 3a 保持部材本体 3b 保持部材の接点突起 3c 保持部材の磁石 3d 保持部材の透磁性体 4 振り子 5 保持部 5a 保持部の磁石 5b 保持部の透磁性体 5c 保持部の台座 5d 保持部の外筒 5c 保持部の接点突起 6 振り竿 7 飾り部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振り竿の下端に飾り部材が連結され上端
    に保持部が設けられた振り子を、時計本体側に設けられ
    た保持部材に、該保持部を介して揺動可能に保持する時
    計振り子の保持構造において、 前記保持部又は保持部材の一方に磁石を設けるととも
    に、他方には前記磁石に対向する長軸を設け、 前記磁石の吸着力により、振り子揺動動作時の前記保持
    部及び保持部材間の接触状態を維持することを特徴とす
    る時計振り子の保持構造。
  2. 【請求項2】 振り竿の下端に飾り部材が連結され上端
    に保持部が設けられた振り子を、時計本体側に設けられ
    た保持部材に、該保持部を介して揺動可能に保持する時
    計振り子の保持構造において、 前記保持部又は保持部材の一方に磁石を設けるととも
    に、他方には前記磁石に対向する少なくとも2つ以上の
    接点突起を設け、 前記接点突起の先端と前記磁石との接触箇所を、振り子
    の揺動面に直交する線上に設け、前記磁石の吸着力によ
    り、振り子揺動動作時の前記保持部及び保持部材間の接
    触状態を維持することを特徴とする時計振り子の保持構
    造。
  3. 【請求項3】 前記磁石の接触面に対して裏面に磁性体
    を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の時計振
    り子の保持構造。
JP4540694A 1994-03-16 1994-03-16 時計振り子の保持構造 Expired - Fee Related JP2804435B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4540694A JP2804435B2 (ja) 1994-03-16 1994-03-16 時計振り子の保持構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4540694A JP2804435B2 (ja) 1994-03-16 1994-03-16 時計振り子の保持構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07253479A true JPH07253479A (ja) 1995-10-03
JP2804435B2 JP2804435B2 (ja) 1998-09-24

Family

ID=12718379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4540694A Expired - Fee Related JP2804435B2 (ja) 1994-03-16 1994-03-16 時計振り子の保持構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2804435B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2804435B2 (ja) 1998-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2008010821A2 (en) Oscillation scan mirror with improved accuracy
JPH07253479A (ja) 時計振り子の保持構造
JPS6231896Y2 (ja)
JP2014522994A (ja) 位置決め装置及びビームを方向付けるためのシステム
JPH081379Y2 (ja) 空気調和機の前面パネル浮き防止装置
JP3496920B2 (ja) 時計用装飾体揺動機構
JPH0662315U (ja) 自動鉛直器の磁気制動装置
JPS6143259Y2 (ja)
JPH0738262Y2 (ja) 部品供給装置
JP2009247659A (ja) 揺動玩具
US4179589A (en) Phono cartridge
JPS6344786Y2 (ja)
JP2000310181A (ja) 形状記憶合金を用いた駆動装置
JP2003322524A (ja) 一次元投影式墨出し装置
JPH07280958A (ja) 回転飾りの保持構造
JPH082635Y2 (ja) 電磁駆動振子の振り巾制御構造
JPS6132384Y2 (ja)
JP3485446B2 (ja) 振り子装置
JPH0435829Y2 (ja)
JP2751459B2 (ja) 対物レンズ駆動装置
JPS628542Y2 (ja)
JPS6144161Y2 (ja)
JPH0110625Y2 (ja)
JPH09304551A (ja) 揺動飾り装置
JPH0868868A (ja) 振り子装置

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees