JPH07253165A - 導電性磁性流体シール装置 - Google Patents

導電性磁性流体シール装置

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JPH07253165A
JPH07253165A JP6082190A JP8219094A JPH07253165A JP H07253165 A JPH07253165 A JP H07253165A JP 6082190 A JP6082190 A JP 6082190A JP 8219094 A JP8219094 A JP 8219094A JP H07253165 A JPH07253165 A JP H07253165A
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JP
Japan
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magnetic fluid
conductive
shaft
pole pieces
energization
Prior art date
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Application number
JP6082190A
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English (en)
Inventor
Akira Yamamura
章 山村
Kimio Sato
公男 佐藤
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NIPPON FERROFLUIDICS KK
Original Assignee
NIPPON FERROFLUIDICS KK
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Publication date
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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスクに帯電する静電気のアースを確実に
して誤動作を防止すること。 【構成】 マグネット12の上下に設けたポールピース
10、11とシャフト2との間に導電性磁性流体13を
封入する。ポールピース10、11、マグネット12及
びシャフト2とで形成される空間18内に位置するよう
に略C字型でバネ性の線材から成る通電補助部品17を
シャフト2に嵌着する。この通電補助部品17をシャフ
ト2及びポールピース11に接触させる。ディスクに帯
電している静電気をシャフト2、通電補助部品17、ポ
ールピース10を介して接地して除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はハードディスクドライ
ブ等に用いられる導電性磁性流体シール装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】まず本実施例に示す図3及び図4により
導電性磁性流体シール装置の全体の構成について説明す
る。図3は導電性磁性流体シール装置を備えたモータの
全体の断面図を示し、ステータ側の本体ケーシング1の
中央には導電性のシャフト2が一体に形成され、このシ
ャフト2の外周にモータコイル3が配設されている。上
記シャフト2の外周部にベアリング5、5を介してモー
タハブ4が回転自在に設けられており、このロータ側と
なるモータハブ4の外周に複数のディスク6が装着され
るようになっている。また上記モータハブ4の下部の内
周面側には、上記モータコイル3と対応したモータマグ
ネット7及び磁性体製のバックヨーク8が配設されてい
る。上記モータハブ4の中心に穿孔してある穴の上部の
内側には、一対の導電性のポールピース10、11とマ
グネット12とが配設されている。このポールピース1
0、11はリング円盤状に形成され、その内側の軸穴に
シャフト2が挿通するようになっている。また上記マグ
ネット12もリング円盤状に形成されており、その軸穴
はポールピース10、11の軸穴より大きく形成されて
いる。また図3及び図4に示すように、ポールピース1
0、11の内側とシャフト2の外周面との間には磁性流
体13が封入されている。なお上記ポールピース10、
11及びマグネット12は、モータハブ4に支持されて
いる。
【0003】上記装置においては、マグネット12の磁
束により、マグネット12、ポールピース10、磁性流
体13、シャフト2及びポールピース11を介して磁気
回路が形成され、この磁気回路によりポールピース1
0、11とマグネット12との間に磁界がそれぞれ形成
されて磁性流体13を保持するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでハードディス
クドライブ(HDD)において、図3に示すようにモー
タハブ4に嵌合しているメモリー媒体であるハードディ
スク6に帯電する静電気をアースする必要がある。つま
りディスク6に発生する静電気をアースせずに帯電した
まま、あるいは静電気の除去が不充分のまま、ディスク
6の読み取り等を行った場合に誤動作の原因となるため
である。そこで従来では図8に示すような方法で行って
いた。なお図8の場合はシャフト2がロータとなってい
るが、基本的な構成は図3の場合と同様なので詳細な説
明は省略する。なお14は、ディスク6からデータの読
み取りなどを行うマグネットヘッドである。図8に示す
従来例では、上記ディスク6に帯電している静電気を除
去するために、磁性流体13として導電性の磁性流体を
用いていた。そしてディスク6に帯電している静電気
を、シャフト2、導電性磁性流体13、ポールピース1
0、11を介してモータハブ4に逃がし、該モータハブ
4を接地することで静電気をアースしていた。
【0005】
【表1】
【0006】しかしながら表1に示すように、導電性の
磁性流体13の比抵抗値はMΩレンジで実際には導電性
能が悪い。したがってディスク6のアースは不充分で誤
動作の原因になりやすい。一方、導電性磁性流体13の
ベース液はエステルやフルオロカーボンのようなオイル
であり、磁性流体13の比抵抗値を現状より小さくする
ことは甚だ困難である。
【0007】上記磁性流体13に導電性が使われる以前
は、図9に示すようにボールをシャフト2の端面に接触
させて静電気をアースさせるボールコンタクト15によ
って行っていた。しかし導電性磁性流体13の比抵抗値
が大きいといえども、図10に示すように、ベアリング
5使用のものに比較して電気抵抗値は小さくなり、しか
もボールコンタクト15による騒音の発生、振動により
塵の発生等が生じるため、これらを除去する必要があ
る。
【0008】そこでこれらの問題を解決するために、ボ
ールコンタクト15の使用を止めて、図8に示すように
磁性流体13に導電性のものを使用しているのである。
またコストダウン及びダウンサイジングにつながるた
め、導電性磁性流体13での接地方法が主流となってい
る。特に図3に示すように、導電性磁性流体13を用い
た導電性磁性流体シール装置によってモータハブ4の回
転による構造が可能になり、大きなダウンサイジング効
果をもたらしている。したがって不具合の解決にはこれ
らの利点を排除してはならない。つまりコストダウンや
ダウンサイジングを図るためにもボールコンタクト15
による接地方法ではなく、導電性の磁性流体13を用い
る必要がある。しかし上述したように、導電性磁性流体
13を用いても、表1に示すように導電性磁性流体13
の比抵抗値はMΩレンジで実際には導電性能が悪く、デ
ィスク6のアースが不充分で誤動作の原因になるという
問題があった。
【0009】この発明は上記従来の欠点を解決するため
になされたものであって、その目的は、ディスクに帯電
する静電気のアースを確実にして誤動作を防止すること
が可能な導電性磁性流体シール装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の導電性
磁性流体シール装置は、一対のポールピース10、11
間にマグネット12を挟持すると共に、上記ポールピー
ス10、11の各先端部を磁性体2に相対向させ、上記
マグネット12による磁気回路により上記磁性流体13
を上記ポールピース10、11と磁性体2との間に磁気
保持するようにした導電性磁性流体シール装置におい
て、上記磁性体2とポールピース10、11とに接触す
る導電性の通電補助部品17を磁性体2とポールピース
10、11との間に設けたことを特徴としている。
【0011】また請求項2の導電性磁性流体シール装置
は、上記磁性流体13を導電性磁性流体としたことを特
徴としている。
【0012】さらに請求項3の導電性磁性流体シール装
置は、通電補助部品17と磁性体2との接触点を導電性
磁性流体13に浸漬させたことを特徴としている。
【0013】請求項4の導電性磁性流体シール装置は、
上記通電補助部品17を磁性材料で構成したことを特徴
としている。
【0014】請求項5の導電性磁性流体シール装置は、
上記通電補助部品17を略C字型に形成し、シャフト状
の磁性体2に嵌着させたことを特徴としている。
【0015】請求項6の導電性磁性流体シール装置は、
上記通電補助部品17を線状のバネ材で形成したことを
特徴としている。
【0016】請求項7の導電性磁性流体シール装置は、
上記一対のポールピース10、11の間にマグネット1
2を配置し、このマグネット12と磁性体2との間に形
成される空間18内に上記通電補助部品17を配設した
ことを特徴としている。
【0017】請求項8の導電性磁性流体シール装置は、
上記ポールピース10、11の外側にカバー16を配設
し、このカバー16及びポールピース10、11と、磁
性体2との間に形成される空間19内に上記通電補助部
品17を配設したことを特徴としている。
【0018】請求項9の導電性磁性流体シール装置は、
固定シャフト2と、このシャフト2が挿入される導電性
のポールピース10、11と、このポールピース10、
11と磁気回路を形成するマグネット12と、上記ポー
ルピース10、11を内側に支持すると共に、ハードデ
ィスクが装着されて回転駆動されるモータハブ4と、上
記シャフト2の外周面とポールピース10、11の内周
面との間に介在させる磁性流体13とを備え、上記マグ
ネット12による磁気回路により上記磁性流体13を磁
気保持するようにしたハードディスクドライブ用の導電
性磁性流体シール装置において、上記シャフト2とポー
ルピース10、11とに接触する導電性の通電補助部品
17をシャフト2とポールピース10、11との間に設
けたことを特徴としている。
【0019】
【作用】上記請求項1の導電性磁性流体シール装置で
は、通電補助部品17が磁性体2とポールピース10、
11とにそれぞれ接触することで、磁性体2とポールピ
ース10、11とのいずれかの側に帯電している静電気
を通電補助部品17を介して他方の側にアースさせるこ
とができる。したがってディスク等に帯電している静電
気を確実に除去できるので、誤動作を確実に防止するこ
とができる。
【0020】また請求項2の導電性磁性流体シール装置
では、仮に通電補助部品17が長年の使用により通電補
助部品17が摩耗してポールピース10、11もしくは
磁性体2と接触しなくなった場合でも、導電性磁性流体
13を使用しているため、該導電性磁性流体13を介し
てディスク等に発生した静電気をアースすることができ
る。そのためコストダウン及び大きなダウンサイジング
効果をもたらす上に、最悪の場合でも導電性磁性流体1
3により静電気を除去することができる。
【0021】さらに請求項3の導電性磁性流体シール装
置では、通電補助部品17と磁性体2との接触点を導電
性磁性流体13に浸漬させているので、長期間の摩耗に
より接触点が非接触になっても、非接触となった極小の
隙間には導電性磁性流体13が侵入し、電気導通性を維
持することができる。したがって長期間の摩耗により接
触点が非接触になっても、ディスク等に発生した静電気
を通電補助部品17、導電性磁性流体13を介して確実
に除去することが可能となる。
【0022】また上記接触点が非接触となった場合に
も、導電性磁性流体13にて電気導通性を維持するの
で、通電補助部品17は微少な接触圧で接触していれば
よく、そのため微少な接触圧の通電補助部品17で磁性
体2と接触させることで、接触による振動、騒音等をも
たらすこともない。
【0023】請求項4の導電性磁性流体シール装置で
は、長期間の使用により通電補助部品17が摩耗して、
その摩耗による粉塵が発生してもその粉塵は磁性材のみ
となり、シール空間の強磁場の導電性磁性流体13やマ
グネット12、あるいはポールピース10、11に吸引
されて外部に放出されることがない。
【0024】請求項5の導電性磁性流体シール装置で
は、通電補助部品17を略C字型に形成しているため、
通電補助部品17をシャフト状の磁性体2に嵌着するの
が容易となり、組立工程を煩雑化することもない。また
シャフト状の磁性体2への通電補助部品17の嵌着も単
に嵌め込むだけなので、組立工程における嵌着工程が限
定されることもなく、任意の組立時に嵌着できるので組
立工程が容易となる。
【0025】請求項6の導電性磁性流体シール装置で
は、通電補助部品17を線状のバネ材で形成しているの
で、一度シャフト状の磁性体2に通電補助部品17を嵌
着すれば通電補助部品17がシャフト状の磁性体2から
容易に脱落することもない。しかも通電補助部品17の
バネ性によりシャフト状の磁性体2との接触も確実に行
えて、シャフト状の磁性体2からポールピース10、1
1へのアースを確実に行うことができる。
【0026】請求項7の導電性磁性流体シール装置で
は、マグネット12と磁性体2との間で形成される空間
18を利用して、該空間18内に通電補助部品17を配
設しているため、シール装置の形状を大きくすることな
く、静電気を確実に除去することができる。
【0027】請求項8の導電性磁性流体シール装置で
は、カバー16及びポールピース10、11と磁性体2
との間で形成される空間19を利用して、該空間19内
に通電補助部品17を配設しているため、シール装置の
形状を大きくすることなく、静電気を確実に除去するこ
とができる。
【0028】請求項9の導電性磁性流体シール装置で
は、通電補助部品17がシャフト2とポールピース1
0、11とにそれぞれ接触することで、モータハブ4に
装着されるディスクに帯電している静電気を通電補助部
品17、ポールピース10、11を介してシャフト2側
にアースさせることができる。したがってディスクに帯
電している静電気を確実に除去できるので、誤動作を確
実に防止することができる。
【0029】
【実施例】次にこの発明の導電性磁性流体シール装置の
具体的な実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明
する。なおモータ全体の構成は図3に示すように従来例
で説明したように同じである。そしてシャフト2とポー
ルピース10、11及びマグネット12、磁性流体13
等で構成されるシール装置に後述する通電補助部品を追
加したものである。また本発明においても磁性流体13
は導電性磁性流体を用いている。
【0030】以下、具体的に説明する。図1(b)は図
3に示すハードディスクドライブの駆動用モータの導電
性磁性流体シール装置の片側の拡大断面図を示し、従来
と同様に、マグネット12の上下に配置したポールピー
ス10、11の内周面とシャフト(磁性体)2の外周面
との間に導電性磁性流体13を封入している。また図1
(b)及び図3に示すように、ポールピース10の上面
側には内側部分を外側に折曲した導電性のカバー16が
配設してある。
【0031】図2はシール装置の空間内に組込む通電補
助部品17の平面図を示し、この通電補助部品17は金
属等の導電材料で形成し、線状のバネ材で略C字型に形
成している。図1(a)は上記通電補助部品17をシャ
フト2に側方から嵌め込んだ状態を示し、通電補助部品
17は図1(b)に示すように、ポールピース10、1
1の上下面及びマグネット12の内周面と、シャフト2
の外周面との間で形成される空間18内に位置するよう
に通電補助部品17をシャフト2に嵌着するようにして
いる。つまり上記空間18は従来よりもともと存在して
いた空間であり、この空間18を利用して該空間18内
に通電補助部品17を配設することで、シール装置の形
状が大きくなるのを防止している。つまり導電性磁性流
体シール装置の外部のスペースにはみ出ることなく組込
まれる形状となっている。
【0032】またマグネット12の表面には導電性のメ
ッキ層が施されており、通電補助部品17の外面がマグ
ネット12にのみ接触している場合でも、該マグネット
12とポールピース10、11との導通を得るようにし
ている。通電補助部品17をシャフト2に嵌着した場合
には、通電補助部品17の内周面はシャフト2の外面
に、また通電補助部品17の外面はポールピース10の
上面にそれぞれ接触するようにしている。さらに通電補
助部品17とシャフト2との接触点は、導電性磁性流体
13に浸漬させる位置で行わしめている。また図1
(b)に示す場合は、通電補助部品17を下側のポール
ピース11の上面に接触させているが、上側のポールピ
ース10の下面に接触させるようにしてもよい。
【0033】ここでポールピース10、11、あるいは
シャフト2のいずれの側を回転させる構造の場合でも、
回転によって通電補助部品17がシャフト2の軸方向に
移動することもあるが、この場合、通電補助部品17の
バネ性によってマグネット12の内周面に常時接触して
いる。したがってディスク6に発生ないし帯電している
静電気は、シャフト2、導電性磁性流体13、通電補助
部品17、ポールピース10、11、あるいはマグネッ
ト12を介してポールピース10、11によりモータハ
ブ4側へアースされ、さらにモータハブ4から接地する
ことでディスク6の静電気を確実に除去できる。これに
より導電性磁性流体シール装置のコストダウンやダウン
サイジング効果を維持したままで、ディスク6の静電気
による誤動作を確実に防止することができる。
【0034】そして通電補助部品17はそのバネ性によ
ってシャフト2に接触するが、シャフト2あるいはシー
ル装置のポールピース10、11側の回転によって、通
電補助部品17とシャフト2とは接触点で摩擦すること
になる。その摩擦を最小限にするため、通電補助部品1
7は可能な限り断面積の小さな線材等で構成している。
例えば直径が0.1mm未満が好適例である。また通電
補助部品17とシャフト2との接触は必要以上の接触圧
で接触させる必要はないので、適宜な弱い接触圧で接触
させるて、接触による振動や騒音の発生を抑える、ある
いは発生をなくすようにしている。
【0035】またシャフト2や通電補助部品17は一般
の導電性材料の場合にも本発明が適用されるものである
が、通電補助部品17を磁性材料で構成するようにして
もよい。以下の説明では、通電補助部品17を磁性材料
で構成した場合について説明する。
【0036】シャフト2と通電補助部品17とは接触し
ているため、回転により両者は摩耗し、この摩耗によっ
て発生する粉塵は磁性材のみとなる。そのため発生した
粉塵は、シール空間の強磁場によりマグネット12、ポ
ールピース10、11、シャフト2、導電性磁性流体1
3等に吸着され、外部には放出されない。したがってシ
ール本来の機能を損なうことがない。また長期間の摩耗
によってシャフト2と通電補助部品17との接触点が非
接触となっても、接触点は導電性磁性流体13に浸漬さ
れているので、非接触となった極小の隙間には導電性磁
性流体13が侵入し、電気導通性を維持して静電気を確
実にアースすることができる。さらに上述のように、も
し仮に接触点が非接触になっても電気導通性を維持する
ことができるので、通電補助部品17は微少な接触圧で
接触していればよく、そのため極力細い線材等で弱いバ
ネ圧を有するもので通電補助部品17を形成することが
可能になる。したがって振動、騒音をもたらすことはな
い。
【0037】(実施例2)図5及び図6は他の実施例を
示し、導電性の通電補助部品17の形状を楕円形で一部
を切断ないし削除した形にしている。また通電補助部品
17を配設する位置を、図5(b)に示すように上側の
ポールピース10とカバー16との間で形成される空間
19内にしている。この実施例においては、通電補助部
品17の外周部の一部がカバー16の折曲部20の内側
面に弾接するため、通電補助部品17自体のバネ性とあ
いまって通電補助部品17は常時ポールピース10の上
面に接触することになる。つまりポールピース10、1
1側、あるいはシャフト2が回転しても、通電補助部品
17は常にポールピース10との接触を保ち、ディスク
6に帯電している静電気をシャフト2、通電補助部品1
7、ポールピース10を介して確実にアースすることが
できる。また本実施例においても通電補助部品17とシ
ャフト2との接触点は導電性磁性流体13に浸漬させて
いる。なお本実施例の通電補助部品17も直径0.1m
m以下の極細線材を用いている。上記各実施例の図1
(b)及び図5(b)においては、空間体積に占める通
電補助部品17の体積のおおよその割合を面積で示した
ものであるが、これらの図から通電補助部品17の存在
は、導電性磁性流体13の充填量に影響がないことが明
らかである。
【0038】(実施例3)図7は通電補助部品17の実
施例3を示し、本実施例では導電性の通電補助部品17
を薄板の円盤状に形成したものである。本実施例の通電
補助部品17は、厚さ0.05mm程度の極薄板材を使
用し、導電性磁性流体13が充填される容積を小さくせ
ず、摺動面の接触圧も大きくなりすぎないようにしてい
る。また本実施例の通電補助部品17は、シャフト2を
固定するのではなく、シャフト2に通電補助部品17を
遊嵌させて組込むようにしたものであり、ポールピース
10、11側、あるいはシャフト2の回転により通電補
助部品17もそれにつれて回転させ、シャフト2及びポ
ールピース10、11に接触させて静電気をアースする
ようにしている。
【0039】上記各実施例では、ポールピース10、1
1に設けた軸孔にシャフト2を嵌挿すると共に、両者間
に磁性流体13を保持し、いずれか一方を回転させる構
造を示しているが、例えば図3に示す構造のものにおい
て、シャフト2の外周部にポールピース10、11、及
びマグネット12を固着し、磁性体製のモータハブ4の
内周面にポールピース10、11の外周面を相対向さ
せ、両者間に磁性流体13を介設するようにしても上記
同様にその実施が可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のように請求項1の導電性磁性流体
シール装置では、通電補助部品が磁性体とポールピース
とにそれぞれ接触することで、磁性体とポールピースと
のいずれかの側に帯電している静電気を通電補助部品を
介して他方の側にアースさせることができる。したがっ
てディスク等に帯電している静電気を確実に除去できる
ので、誤動作を確実に防止することができる。
【0041】また請求項2の導電性磁性流体シール装置
では、仮に通電補助部品が長年の使用により通電補助部
品が摩耗してポールピースもしくは磁性体と接触しなく
なった場合でも、導電性磁性流体を使用しているため、
該導電性磁性流体を介してディスク等に発生した静電気
をアースすることができる。そのためコストダウン及び
大きなダウンサイジング効果をもたらす上に、最悪の場
合でも導電性磁性流体により静電気を除去することがで
きる。
【0042】さらに請求項3の導電性磁性流体シール装
置では、通電補助部品と磁性体との接触点を導電性磁性
流体に浸漬させているので、長期間の摩耗により接触点
が非接触になっても、非接触となった極小の隙間には導
電性磁性流体が侵入し、電気導通性を維持することがで
きる。したがって長期間の摩耗により接触点が非接触に
なっても、ディスク等に発生した静電気を導電性磁性流
体を介して確実に除去することが可能となる。
【0043】また上記接触点が非接触となった場合に
も、導電性磁性流体にて電気導通性を維持するので、通
電補助部品は微少な接触圧で接触していればよく、その
ため微少な接触圧の通電補助部品で磁性体と接触させる
ことで、接触による振動、騒音等をもたらすこともな
い。
【0044】請求項4の導電性磁性流体シール装置で
は、長期間の使用により通電補助部品が摩耗して、その
摩耗による粉塵が発生してもその粉塵は磁性材のみとな
り、シール空間の強磁場の導電性磁性流体やマグネッ
ト、あるいはポールピースに吸引されて外部に放出され
ることがない。そのためシール本来の機能を損なうこと
がない。
【0045】請求項5の導電性磁性流体シール装置で
は、通電補助部品を略C字型に形成しているため、通電
補助部品をシャフト状の磁性体に嵌着するのが容易とな
り、組立工程を煩雑化することもない。またシャフト状
の磁性体への通電補助部品の嵌着も単に嵌め込むだけな
ので、組立工程における嵌着工程が限定されることもな
く、任意の組立時に嵌着できるので組立工程が容易とな
る。
【0046】請求項6の導電性磁性流体シール装置で
は、通電補助部品を線状のバネ材で形成しているので、
一度シャフト状の磁性体に通電補助部品を嵌着すれば通
電補助部品がシャフト状の磁性体から容易に脱落するこ
ともない。しかも通電補助部品のバネ性によりシャフト
状の磁性体との接触も確実に行えて、シャフト状の磁性
体からポールピースへのアースを確実に行うことができ
る。
【0047】請求項7の導電性磁性流体シール装置で
は、マグネットと磁性体との間で形成される空間を利用
して、該空間内に通電補助部品を配設しているため、シ
ール装置の形状を大きくすることなく、静電気を確実に
除去することができる。
【0048】請求項8の導電性磁性流体シール装置で
は、カバー16及びポールピースと磁性体との間で形成
される空間を利用して、該空間内に通電補助部品を配設
しているため、シール装置の形状を大きくすることな
く、静電気を確実に除去することができる。
【0049】請求項9の導電性磁性流体シール装置で
は、通電補助部品がシャフトとポールピースとにそれぞ
れ接触することで、モータハブに装着されるディスクに
帯電している静電気を通電補助部品、ポールピースを介
してシャフト側にアースさせることができる。したがっ
てディスクに帯電している静電気を確実に除去できるの
で、誤動作を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の実施例の通電補助部品をシ
ャフトに嵌め込んだ状態を示す断面図である。(b)は
この発明の実施例のシール装置の片側の断面図である。
【図2】この発明の実施例の通電補助部品の平面図であ
る。
【図3】この発明の実施例の導電性磁性流体シール装置
を備えたモータの全体の断面図である。
【図4】この発明の実施例導電性磁性流体シール装置の
基本を示す図である。
【図5】(a)はこの発明の実施例2の通電補助部品を
シャフトに嵌め込んだ状態を示す断面図である。(b)
はこの発明の実施例2のシール装置の片側の断面図であ
る。
【図6】この発明の実施例2の通電補助部品の平面図で
ある。
【図7】この発明の実施例の通電補助部品の平面図であ
る。
【図8】従来例の導電性磁性流体シール装置を備えたモ
ータの断面図である。
【図9】他の従来例の導電性磁性流体シール装置を備え
たモータの断面図である。
【図10】磁性流体とベアリングとの温度と電気抵抗値
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
2 シャフト 4 モータハブ 10 ポールピース 11 ポールピース 12 マグネット 13 導電性磁性流体 16 カバー 17 通電補助部品 18 空間 19 空間

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のポールピース(10)(11)間
    にマグネット(12)を挟持すると共に、上記ポールピ
    ース(10)(11)の各先端部を磁性体(2)に相対
    向させ、上記マグネット(12)による磁気回路により
    上記磁性流体(13)を上記ポールピース(10)(1
    1)と磁性体(2)との間に磁気保持するようにした導
    電性磁性流体シール装置において、上記磁性体(2)と
    ポールピース(10)(11)とに接触する導電性の通
    電補助部品(17)を磁性体(2)とポールピース(1
    0)(11)との間に設けたことを特徴とする導電性磁
    性流体シール装置。
  2. 【請求項2】 上記磁性流体(13)を導電性磁性流体
    としたことを特徴とする請求項1の導電性磁性流体シー
    ル装置。
  3. 【請求項3】 通電補助部品(17)と磁性体(2)と
    の接触点を導電性磁性流体(13)に浸漬させたことを
    特徴とする請求項2の導電性磁性流体シール装置。
  4. 【請求項4】 上記通電補助部品(17)を磁性材料で
    構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    かの項の導電性磁性流体シール装置。
  5. 【請求項5】 上記通電補助部品(17)を略C字型に
    形成し、シャフト状の磁性体(2)に嵌着させたことを
    特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項の導電性
    磁性流体シール装置。
  6. 【請求項6】 上記通電補助部品(17)を線状のバネ
    材で形成したことを特徴とする請求項5の導電性磁性流
    体シール装置。
  7. 【請求項7】 上記一対のポールピース(10)(1
    1)の間にマグネット(12)を配置し、このマグネッ
    ト(12)と磁性体(2)との間に形成される空間(1
    8)内に上記通電補助部品(17)を配設したことを特
    徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの項の導電性磁
    性流体シール装置。
  8. 【請求項8】 上記ポールピース(10)(11)の外
    側にカバー(16)を配設し、このカバー(16)及び
    ポールピース(10)(11)と、磁性体(2)との間
    に形成される空間(19)内に上記通電補助部品(1
    7)を配設したことを特徴とする請求項1〜請求項7の
    いずれかの項の導電性磁性流体シール装置。
  9. 【請求項9】 固定シャフト(2)と、このシャフト
    (2)が挿入される導電性のポールピース(10)(1
    1)と、このポールピース(10)(11)と磁気回路
    を形成するマグネット(12)と、上記ポールピース
    (10)(11)を内側に支持すると共に、ハードディ
    スクが装着されて回転駆動されるモータハブ(4)と、
    上記シャフト(2)の外周面とポールピース(10)
    (11)の内周面との間に介在させる磁性流体(13)
    とを備え、上記マグネット(12)による磁気回路によ
    り上記磁性流体(13)を磁気保持するようにしたハー
    ドディスクドライブ用の導電性磁性流体シール装置にお
    いて、上記シャフト(2)とポールピース(10)(1
    1)とに接触する導電性の通電補助部品(17)をシャ
    フト(2)とポールピース(10)(11)との間に設
    けたことを特徴とする導電性磁性流体シール装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7460334B2 (en) 2004-06-23 2008-12-02 Nidec Corporation Spindle motor and recording-disk drive furnished with the spindle motor
US7511918B2 (en) 2005-03-28 2009-03-31 Nidec Corporation Spindle motor and recording disk driving apparatus having the spindle motor
EP4040022A1 (de) * 2021-02-04 2022-08-10 Carl Freudenberg KG Erdungsring und anordnung, die einen solchen erdungsring umfasst

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