JPH07252623A - 低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH07252623A JPH07252623A JP25643094A JP25643094A JPH07252623A JP H07252623 A JPH07252623 A JP H07252623A JP 25643094 A JP25643094 A JP 25643094A JP 25643094 A JP25643094 A JP 25643094A JP H07252623 A JPH07252623 A JP H07252623A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板
および合金溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の提供。 【構成】鋼板表面にSiまたはMnを被覆した後、溶融亜鉛
めっきを施すか、あるいは溶融亜鉛めっきに引き続いて
合金化処理することを特徴とする低温対衝撃耐久性に優
れた溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。被覆するSi量ま
たはMn量をそれぞれ 0.2〜200mg/m2、0.4 〜400mg/m2と
し、鋼板表面を面積被覆率20〜80%で不均一に被覆する
ことが望ましい。 【効果】例えば、自動車の車体、家電製品などの素材と
して好適な寿命の長いめっき鋼板が製造できる。
および合金溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の提供。 【構成】鋼板表面にSiまたはMnを被覆した後、溶融亜鉛
めっきを施すか、あるいは溶融亜鉛めっきに引き続いて
合金化処理することを特徴とする低温対衝撃耐久性に優
れた溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。被覆するSi量ま
たはMn量をそれぞれ 0.2〜200mg/m2、0.4 〜400mg/m2と
し、鋼板表面を面積被覆率20〜80%で不均一に被覆する
ことが望ましい。 【効果】例えば、自動車の車体、家電製品などの素材と
して好適な寿命の長いめっき鋼板が製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、建材、鋼製の
器物および家電製品などの素材として好適な低温対衝撃
耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜
鉛めっき鋼板(以下、両者をあわせて「溶融亜鉛系めっ
き鋼板」と総称する)の製造方法に関する。
器物および家電製品などの素材として好適な低温対衝撃
耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜
鉛めっき鋼板(以下、両者をあわせて「溶融亜鉛系めっ
き鋼板」と総称する)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電製品等の高級化に伴
い、従来よりも長期にわたる防錆能を有する防錆鋼板、
特に溶融亜鉛系めっき鋼板の必要性が高まりつつある。
い、従来よりも長期にわたる防錆能を有する防錆鋼板、
特に溶融亜鉛系めっき鋼板の必要性が高まりつつある。
【0003】溶融亜鉛系めっき鋼板の防錆能を高める最
も一般的な方法は、めっき皮膜の厚さを増大させること
である。しかし、めっき皮膜が厚くなると、例えば寒冷
地など−50〜0℃の低温環境における衝撃負荷に対する
めっき皮膜の密着性、すなわち、低温対衝撃耐久性が劣
る傾向にある。そのため、めっき皮膜の低温対衝撃耐久
性が良好であり、かつ、高い防錆能を有する厚目付の溶
融亜鉛系めっき鋼板の製造方法の開発が必要とされてい
る。特に、溶融亜鉛めっき鋼板が自動車の車体外板とし
て用いられる場合には、低温での衝撃によるめっき皮膜
の剥離、脱落が防錆能を劣化させるとともに外観を損な
うため、低温対衝撃耐久性が厳しく要求される。
も一般的な方法は、めっき皮膜の厚さを増大させること
である。しかし、めっき皮膜が厚くなると、例えば寒冷
地など−50〜0℃の低温環境における衝撃負荷に対する
めっき皮膜の密着性、すなわち、低温対衝撃耐久性が劣
る傾向にある。そのため、めっき皮膜の低温対衝撃耐久
性が良好であり、かつ、高い防錆能を有する厚目付の溶
融亜鉛系めっき鋼板の製造方法の開発が必要とされてい
る。特に、溶融亜鉛めっき鋼板が自動車の車体外板とし
て用いられる場合には、低温での衝撃によるめっき皮膜
の剥離、脱落が防錆能を劣化させるとともに外観を損な
うため、低温対衝撃耐久性が厳しく要求される。
【0004】溶融亜鉛めっき鋼板は、通常、表面を清浄
化した鋼板(母材)を弱酸化性雰囲気で予熱し、次い
で、水素と窒素の混合ガスからなる還元性雰囲気で加熱
もしくは焼鈍し、めっき温度付近まで冷却した後、溶融
亜鉛めっき浴に浸漬することにより製造される。また、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板をさ
らに材料温度 500〜600 ℃で3〜30秒加熱して、鋼板と
めっき皮膜の界面に鉄(Fe)−亜鉛(Zn)合金層を形成
させたものである。
化した鋼板(母材)を弱酸化性雰囲気で予熱し、次い
で、水素と窒素の混合ガスからなる還元性雰囲気で加熱
もしくは焼鈍し、めっき温度付近まで冷却した後、溶融
亜鉛めっき浴に浸漬することにより製造される。また、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板をさ
らに材料温度 500〜600 ℃で3〜30秒加熱して、鋼板と
めっき皮膜の界面に鉄(Fe)−亜鉛(Zn)合金層を形成
させたものである。
【0005】ところで、一般に溶融亜鉛めっき鋼板の低
温対衝撃耐久性が低下する原因は、めっき皮膜と母材の
界面に硬くて脆いFe−Zn合金相が生成することによるも
のとされている。従って、低温対衝撃耐久性を改善する
ために、通常は、溶融亜鉛めっき浴の中へのアルミニウ
ム(Al)の添加量を増やすことによってめっき皮膜と母
材の界面におけるFe−Zn−Al系三元合金相の生成量を増
加させ、Fe−Zn合金化反応の過度の進行を抑制する対策
が採られている。しかし、めっき浴中のAl量を増やす
と、めっき皮膜の密着性が経時的に低下する時効現象に
よりめっき皮膜の剥離が生じやすくなるという欠点があ
る。
温対衝撃耐久性が低下する原因は、めっき皮膜と母材の
界面に硬くて脆いFe−Zn合金相が生成することによるも
のとされている。従って、低温対衝撃耐久性を改善する
ために、通常は、溶融亜鉛めっき浴の中へのアルミニウ
ム(Al)の添加量を増やすことによってめっき皮膜と母
材の界面におけるFe−Zn−Al系三元合金相の生成量を増
加させ、Fe−Zn合金化反応の過度の進行を抑制する対策
が採られている。しかし、めっき浴中のAl量を増やす
と、めっき皮膜の密着性が経時的に低下する時効現象に
よりめっき皮膜の剥離が生じやすくなるという欠点があ
る。
【0006】一方、合金化溶融亜鉛めっき鋼板における
低温対衝撃耐久性の低下は、Fe−Zn合金化反応が過度に
進行することによって生成する脆弱なΓ相が原因である
とされている。そのため、従来からこのΓ相の生成抑制
に努力が注がれ、次のような方法が採用されている。
低温対衝撃耐久性の低下は、Fe−Zn合金化反応が過度に
進行することによって生成する脆弱なΓ相が原因である
とされている。そのため、従来からこのΓ相の生成抑制
に努力が注がれ、次のような方法が採用されている。
【0007】その一つは、母材鋼板の化学組成を規制す
ることによって、合金化過程におけるFe−Zn合金化反応
の過度の進行を抑制する方法である。例えば、鋼中に含
まれる燐(P)はFe−Zn合金化反応を抑制し、脆弱なΓ
相の生成を防ぐ効果がある。
ることによって、合金化過程におけるFe−Zn合金化反応
の過度の進行を抑制する方法である。例えば、鋼中に含
まれる燐(P)はFe−Zn合金化反応を抑制し、脆弱なΓ
相の生成を防ぐ効果がある。
【0008】また、チタン(Ti)やマンガン(Mn)な
ど、Fe−Zn合金化反応を促進する元素もあるので、これ
らの元素については使用を差し控えるか、あるいは含有
量をできるだけ少なくしてΓ相の生成を抑制する。しか
し、母材鋼板の化学組成を規制することは、必然的に鋼
板の機械的性質を限定することになり、鋼板の用途も自
ら限定されてしまう。
ど、Fe−Zn合金化反応を促進する元素もあるので、これ
らの元素については使用を差し控えるか、あるいは含有
量をできるだけ少なくしてΓ相の生成を抑制する。しか
し、母材鋼板の化学組成を規制することは、必然的に鋼
板の機械的性質を限定することになり、鋼板の用途も自
ら限定されてしまう。
【0009】合金化過程を制御する方法も有効で、例え
ば、合金化する温度を通常より低く抑えることによっ
て、めっき皮膜を延性に富むδ1 相単相とする方法が考
えられる。しかし、所定の合金化状態を達成するために
は製造ラインスピードを低下させる必要があり、また、
母材鋼板の鋼種ごとにライン制御条件を最適化する必要
があって、望まれるめっき皮膜構造、すなわち、δ1 相
単相のめっき皮膜とすることは実操業上困難である。
ば、合金化する温度を通常より低く抑えることによっ
て、めっき皮膜を延性に富むδ1 相単相とする方法が考
えられる。しかし、所定の合金化状態を達成するために
は製造ラインスピードを低下させる必要があり、また、
母材鋼板の鋼種ごとにライン制御条件を最適化する必要
があって、望まれるめっき皮膜構造、すなわち、δ1 相
単相のめっき皮膜とすることは実操業上困難である。
【0010】上記のように、溶融亜鉛めっき鋼板の低温
対衝撃耐久性を、めっき皮膜の密着性や母材鋼板の機械
的性質など他の性能を劣化させずに、経済的な方法で改
善することは極めて難しい。
対衝撃耐久性を、めっき皮膜の密着性や母材鋼板の機械
的性質など他の性能を劣化させずに、経済的な方法で改
善することは極めて難しい。
【0011】さらに、低温での対衝撃耐久性は単なるめ
っき皮膜と母材鋼板の界面の密着性のみに依存する性能
ではない。すなわち、衝撃により発生したミクロクラッ
クは、めっき皮膜中を伝播し、めっき皮膜と母材鋼板の
界面に達すると、その強度的に弱い界面に沿って瞬時に
進行すると考えられ、めっき層の界面近傍の極薄い部分
における耐破壊性が対衝撃耐久性に対して重要な因子と
なる。また、変形ないし破壊しためっき皮膜が腐食環境
におかれた場合に示す衝撃傷部の耐ブリスター性や、赤
錆発生に対する防錆能も実用性の観点から重要である。
っき皮膜と母材鋼板の界面の密着性のみに依存する性能
ではない。すなわち、衝撃により発生したミクロクラッ
クは、めっき皮膜中を伝播し、めっき皮膜と母材鋼板の
界面に達すると、その強度的に弱い界面に沿って瞬時に
進行すると考えられ、めっき層の界面近傍の極薄い部分
における耐破壊性が対衝撃耐久性に対して重要な因子と
なる。また、変形ないし破壊しためっき皮膜が腐食環境
におかれた場合に示す衝撃傷部の耐ブリスター性や、赤
錆発生に対する防錆能も実用性の観点から重要である。
【0012】室温付近におけるめっき皮膜と母材鋼板の
界面の密着性を改善する手段としては、鋼板の表面に予
め純金属や合金を極く薄く被覆した後、溶融亜鉛めっき
に供する方法が公知であり、例えば、特開昭62−139860
号公報には、鋼板表面をPで被覆する溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法が記載されている。しかし、この方法で得
られる溶融亜鉛めっき鋼板は、Pで被覆しない従来の方
法により得られるものに比べて、室温付近でのめっき被
覆の密着性は改善される傾向が認められるものの、低温
環境下において高速で小石などが衝突する場合等、低温
での衝撃に対する耐久性については全く改善の傾向が認
められない。合金化溶融亜鉛めっき鋼板についても同様
である。
界面の密着性を改善する手段としては、鋼板の表面に予
め純金属や合金を極く薄く被覆した後、溶融亜鉛めっき
に供する方法が公知であり、例えば、特開昭62−139860
号公報には、鋼板表面をPで被覆する溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法が記載されている。しかし、この方法で得
られる溶融亜鉛めっき鋼板は、Pで被覆しない従来の方
法により得られるものに比べて、室温付近でのめっき被
覆の密着性は改善される傾向が認められるものの、低温
環境下において高速で小石などが衝突する場合等、低温
での衝撃に対する耐久性については全く改善の傾向が認
められない。合金化溶融亜鉛めっき鋼板についても同様
である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点を克服し、低温対衝撃耐久性に優
れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法を確立することを課題としてなされたもので
ある。
来技術における問題点を克服し、低温対衝撃耐久性に優
れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法を確立することを課題としてなされたもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
およびの低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法にある。
およびの低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法にある。
【0015】 鋼板表面にSiまたはMnを被覆した後、
溶融亜鉛めっきを施すか、あるいは溶融亜鉛めっきに引
き続いて合金化処理することを特徴とする低温対衝撃耐
久性に優れた溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
溶融亜鉛めっきを施すか、あるいは溶融亜鉛めっきに引
き続いて合金化処理することを特徴とする低温対衝撃耐
久性に優れた溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0016】 被覆するSi量またはMn量をそれぞれ
0.2〜200mg/m2、0.4 〜400mg/m2とし、鋼板表面を面積
被覆率20〜80%で不均一に被覆することを特徴とする上
記の低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛系めっき鋼板
の製造方法。
0.2〜200mg/m2、0.4 〜400mg/m2とし、鋼板表面を面積
被覆率20〜80%で不均一に被覆することを特徴とする上
記の低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛系めっき鋼板
の製造方法。
【0017】ここで、表面被覆率というのは、母材表面
の全面のうちSiまたはMnで被覆された面積を百分率で表
示したものを意味する。また、不均一に被覆するという
のは、SiまたはMnで被覆された部分と、そうでない部分
とがあるようにすることを意味する。
の全面のうちSiまたはMnで被覆された面積を百分率で表
示したものを意味する。また、不均一に被覆するという
のは、SiまたはMnで被覆された部分と、そうでない部分
とがあるようにすることを意味する。
【0018】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】本発明方法の特徴は、溶融亜鉛めっきを施
す前に、母材鋼板上にSiまたはMnを被覆することにあ
る。
す前に、母材鋼板上にSiまたはMnを被覆することにあ
る。
【0020】このSiまたはMnによる被覆処理を施すこと
により溶融亜鉛めっき鋼板の低温対衝撃耐久性が著しく
改善される理由は、必ずしも明らかではないが、鋼板を
溶融亜鉛めっき浴に浸漬した時にめっき皮膜と鋼板の界
面に生成するFe−Al合金層と、予め鋼板表面に被覆した
SiまたはMnとが反応し、新たに界面に生成するFe−Al−
Si系またはFe−Al−Mn系の三元合金層の形態、構造等が
何らかの影響を及ぼしているものと推測される。
により溶融亜鉛めっき鋼板の低温対衝撃耐久性が著しく
改善される理由は、必ずしも明らかではないが、鋼板を
溶融亜鉛めっき浴に浸漬した時にめっき皮膜と鋼板の界
面に生成するFe−Al合金層と、予め鋼板表面に被覆した
SiまたはMnとが反応し、新たに界面に生成するFe−Al−
Si系またはFe−Al−Mn系の三元合金層の形態、構造等が
何らかの影響を及ぼしているものと推測される。
【0021】このSiまたはMn被覆処理を施すことによる
低温対衝撃耐久性改善の効果は、母材鋼板の化学組成お
よび通常用いられている溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度に
影響されず、溶融亜鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛めっ
きのいずれにおいても有効に作用する。また、本発明方
法は、Zn−55重量%Al浴に浸漬することによって製造さ
れる、いわゆるガルバリューム鋼板、および、Zn−5重
量%Al浴に浸漬することによって製造される、いわゆる
ガルファン鋼板の製造にも利用可能で、これらの鋼板の
低温対衝撃耐久性の改善にも効果がある。
低温対衝撃耐久性改善の効果は、母材鋼板の化学組成お
よび通常用いられている溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度に
影響されず、溶融亜鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛めっ
きのいずれにおいても有効に作用する。また、本発明方
法は、Zn−55重量%Al浴に浸漬することによって製造さ
れる、いわゆるガルバリューム鋼板、および、Zn−5重
量%Al浴に浸漬することによって製造される、いわゆる
ガルファン鋼板の製造にも利用可能で、これらの鋼板の
低温対衝撃耐久性の改善にも効果がある。
【0022】本発明の望ましい態様として前記の方法
がある。即ち、Siの被覆量を 0.2〜200mg/m2、Mnの被覆
量を 0.4〜400mg/m2とし、SiまたはMnによる表面被覆率
を20〜80%、すなわち鋼板表面にSiまたはMnで被覆され
た箇所とされない箇所とが存在する状態を呈するように
被覆する方法である。このようなSiまたはMnの被覆の不
均質化によって低温対衝撃耐久性の改善効果は一層高め
られる。これは、SiまたはMnで被覆された部分と被覆さ
れない部分とで、Fe−Zn合金化反応性が異なるため、め
っき皮膜と鋼板の界面に凹凸が形成され、衝撃により生
じたミクロクラックの伝播がこの界面の凹凸により阻止
されることによるものと推察される。
がある。即ち、Siの被覆量を 0.2〜200mg/m2、Mnの被覆
量を 0.4〜400mg/m2とし、SiまたはMnによる表面被覆率
を20〜80%、すなわち鋼板表面にSiまたはMnで被覆され
た箇所とされない箇所とが存在する状態を呈するように
被覆する方法である。このようなSiまたはMnの被覆の不
均質化によって低温対衝撃耐久性の改善効果は一層高め
られる。これは、SiまたはMnで被覆された部分と被覆さ
れない部分とで、Fe−Zn合金化反応性が異なるため、め
っき皮膜と鋼板の界面に凹凸が形成され、衝撃により生
じたミクロクラックの伝播がこの界面の凹凸により阻止
されることによるものと推察される。
【0023】SiまたはMnの表面被覆量が上記の範囲であ
ることが望ましいのは、SiまたはMnの被覆量がそれぞれ
0.2mg/m2、0.4mg/m2より少ないと低温対衝撃耐久性の改
善効果が小さく、一方、SiまたはMnの被覆量がそれぞれ
200mg/m2、400mg/m2を超えても改善効果が飽和する上
に、SiまたはMnの酸化物が形成されやすくなり、不めっ
き部分を生じる場合があるからである。
ることが望ましいのは、SiまたはMnの被覆量がそれぞれ
0.2mg/m2、0.4mg/m2より少ないと低温対衝撃耐久性の改
善効果が小さく、一方、SiまたはMnの被覆量がそれぞれ
200mg/m2、400mg/m2を超えても改善効果が飽和する上
に、SiまたはMnの酸化物が形成されやすくなり、不めっ
き部分を生じる場合があるからである。
【0024】SiまたはMnによる表面の被覆率として20〜
80%の範囲が望ましいのは、被覆率をこの範囲にすると
低温対衝撃耐久性に著しい改善が認められるからであ
る。被覆率を30〜70%とすれば一層好ましい。
80%の範囲が望ましいのは、被覆率をこの範囲にすると
低温対衝撃耐久性に著しい改善が認められるからであ
る。被覆率を30〜70%とすれば一層好ましい。
【0025】本発明方法を工程順にさらに具体的に説明
する。
する。
【0026】まず、母材鋼板としては、通常は冷延鋼板
を用いるが、これに限定されず、また、鋼板の化学組成
についても特に制限はない。
を用いるが、これに限定されず、また、鋼板の化学組成
についても特に制限はない。
【0027】SiまたはMnによる被覆処理に先立って、必
要であれば常法により鋼板表面を脱脂および/または酸
洗により清浄化する。
要であれば常法により鋼板表面を脱脂および/または酸
洗により清浄化する。
【0028】次いで、鋼板表面にSiまたはMnによる被覆
処理を施す。Si被覆方法としては、例えば、オルソ硅酸
ソーダ水溶液中での電解反応を利用する方法などの化学
的な被覆方法、あるいは、蒸着法、イオンプレーティン
グ法、イオン注入法など、物理的に被覆する方法、さら
に熱処理により母材鋼板中のSiを表面に拡散させて偏析
させる方法、が挙げられる。
処理を施す。Si被覆方法としては、例えば、オルソ硅酸
ソーダ水溶液中での電解反応を利用する方法などの化学
的な被覆方法、あるいは、蒸着法、イオンプレーティン
グ法、イオン注入法など、物理的に被覆する方法、さら
に熱処理により母材鋼板中のSiを表面に拡散させて偏析
させる方法、が挙げられる。
【0029】Mn被覆方法としては、例えば、合金めっき
を含む、電気めっきや溶融塩めっきなどによる化学的な
被覆方法、あるいは蒸着法、イオンプレーティング法、
イオン注入法など、物理的に被覆する方法、さらにSiの
場合と同様に、熱処理により母材鋼板中のMnを表面に拡
散させて偏析させる方法などが挙げられる。
を含む、電気めっきや溶融塩めっきなどによる化学的な
被覆方法、あるいは蒸着法、イオンプレーティング法、
イオン注入法など、物理的に被覆する方法、さらにSiの
場合と同様に、熱処理により母材鋼板中のMnを表面に拡
散させて偏析させる方法などが挙げられる。
【0030】但し、SiまたはMnによる被覆方法はここに
挙げた方法に限定されるものではなく、SiまたはMnによ
る被覆が可能であればいかなる方法を適用してもよい。
なお、上述のSiまたはMn被覆層中に、例えば、アルミニ
ウム(Al)、ホウ素(B)、炭素(C)、塩素(Cl)、
カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、銅
(Cu)、フッ素(F)、窒素(N)、ナトリウム(N
a)、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)、モリブデン(M
o)、酸素(O)、燐(P)、鉛(Pb)、硫黄(S)、
錫(Sn)、チタン(Ti)、タングステン(W)などが不
純物あるいは添加元素として微量に存在しても、また、
不活性ガス、有機物などが不可避的に混入しても、本発
明の効果は損なわれない。また、Si被覆層中にMnが、あ
るいはMn被覆層中にSiが、不純物または添加元素として
微量に存在する場合も本発明の効果は損なわれない。
挙げた方法に限定されるものではなく、SiまたはMnによ
る被覆が可能であればいかなる方法を適用してもよい。
なお、上述のSiまたはMn被覆層中に、例えば、アルミニ
ウム(Al)、ホウ素(B)、炭素(C)、塩素(Cl)、
カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、銅
(Cu)、フッ素(F)、窒素(N)、ナトリウム(N
a)、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)、モリブデン(M
o)、酸素(O)、燐(P)、鉛(Pb)、硫黄(S)、
錫(Sn)、チタン(Ti)、タングステン(W)などが不
純物あるいは添加元素として微量に存在しても、また、
不活性ガス、有機物などが不可避的に混入しても、本発
明の効果は損なわれない。また、Si被覆層中にMnが、あ
るいはMn被覆層中にSiが、不純物または添加元素として
微量に存在する場合も本発明の効果は損なわれない。
【0031】SiまたはMnによる被覆を不均一におこなっ
て表面被覆率を前記のように20〜80%となるようにする
には、鋼板表面を物理的に任意のパターンでマスキング
した後、上記のSiまたはMn被覆処理をおこなえばよい。
例えば、化学的な方法により被覆する場合は、油脂等を
塗ることにより鋼板表面に化学的に不活性な部分を形成
することができ、物理的な方法により被覆する場合、例
えば、蒸着法を用いる場合は、鋼板とSiまたはMnの蒸発
源との間に任意のパターンで穴をあけた遮蔽板を挿入す
ることにより、パターンに応じた被覆が可能となる。
て表面被覆率を前記のように20〜80%となるようにする
には、鋼板表面を物理的に任意のパターンでマスキング
した後、上記のSiまたはMn被覆処理をおこなえばよい。
例えば、化学的な方法により被覆する場合は、油脂等を
塗ることにより鋼板表面に化学的に不活性な部分を形成
することができ、物理的な方法により被覆する場合、例
えば、蒸着法を用いる場合は、鋼板とSiまたはMnの蒸発
源との間に任意のパターンで穴をあけた遮蔽板を挿入す
ることにより、パターンに応じた被覆が可能となる。
【0032】SiまたはMnの被覆量は、被覆処理時間を変
えること等により、容易に制御することができる。
えること等により、容易に制御することができる。
【0033】このように鋼板表面に予めSiまたはMnを被
覆した後、通常は水洗および乾燥し、次いで、めっき前
処理を施す。この前処理は、通常、鋼板表面を活性化す
るためにおこなわれる処理で、例えば、弱酸化性雰囲気
もしくは還元性雰囲気中で鋼板を予熱した後、窒素と水
素の混合ガスからなる還元性雰囲気で加熱もしくは焼鈍
することによりおこなう。
覆した後、通常は水洗および乾燥し、次いで、めっき前
処理を施す。この前処理は、通常、鋼板表面を活性化す
るためにおこなわれる処理で、例えば、弱酸化性雰囲気
もしくは還元性雰囲気中で鋼板を予熱した後、窒素と水
素の混合ガスからなる還元性雰囲気で加熱もしくは焼鈍
することによりおこなう。
【0034】前処理が完了した鋼板に溶融亜鉛めっきを
施し、必要であれば、さらに合金化処理をおこなうこと
により、本発明の低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛め
っき鋼板あるいは合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られ
る。溶融亜鉛めっきは、例えば、ゼンジマー式の連続溶
融亜鉛めっきラインでおこなう他、従来用いられている
いかなる方法を用いても良い。溶融亜鉛めっき浴の組
成、例えばAl濃度には、前述のように、特に制限はな
い。
施し、必要であれば、さらに合金化処理をおこなうこと
により、本発明の低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛め
っき鋼板あるいは合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られ
る。溶融亜鉛めっきは、例えば、ゼンジマー式の連続溶
融亜鉛めっきラインでおこなう他、従来用いられている
いかなる方法を用いても良い。溶融亜鉛めっき浴の組
成、例えばAl濃度には、前述のように、特に制限はな
い。
【0035】めっき付着量は特に制限されないが、片面
当たり20g/m2以上とするのが、本発明方法の効果が大き
く発揮されるので好ましい。
当たり20g/m2以上とするのが、本発明方法の効果が大き
く発揮されるので好ましい。
【0036】本発明方法は、Zn−55重量%Al浴を用いる
ガルバリュウム、あるいはZn−5重量%Al浴を用いるガ
ルファンのような溶融亜鉛合金めっき鋼板の製造にも適
用することができる。
ガルバリュウム、あるいはZn−5重量%Al浴を用いるガ
ルファンのような溶融亜鉛合金めっき鋼板の製造にも適
用することができる。
【0037】
【実施例】表1に示す化学組成を有する板厚 0.8mmの冷
延鋼板を母材鋼板として、これらの鋼板を長さ 200mm、
幅 100mmに裁断し、70℃のトリクロルエタンで脱脂した
後、下記の方法によりSiまたはMnによる被覆処理をおこ
なった。
延鋼板を母材鋼板として、これらの鋼板を長さ 200mm、
幅 100mmに裁断し、70℃のトリクロルエタンで脱脂した
後、下記の方法によりSiまたはMnによる被覆処理をおこ
なった。
【0038】〔Si被覆処理方法〕下記の処理条件におい
て、電解法によりSi被覆処理をおこなった。
て、電解法によりSi被覆処理をおこなった。
【0039】被覆浴 :3%オルソ硅酸ソーダ水溶液
(界面活性剤 0.1%添加) 浴 温 :80℃ 電流密度 :8A/dm2 対電極 :白金 Si被覆量の調整は処理時間を変えることによりおこな
い、また、Si被覆率を変化させて不均一に被覆する場合
は、被覆しない部分にワセリンを塗布した後Si被覆処理
をおこない、続いて、再度トリクロルエタンによる脱脂
をおこなって塗布したワセリンを除去する方法を用い
た。
(界面活性剤 0.1%添加) 浴 温 :80℃ 電流密度 :8A/dm2 対電極 :白金 Si被覆量の調整は処理時間を変えることによりおこな
い、また、Si被覆率を変化させて不均一に被覆する場合
は、被覆しない部分にワセリンを塗布した後Si被覆処理
をおこない、続いて、再度トリクロルエタンによる脱脂
をおこなって塗布したワセリンを除去する方法を用い
た。
【0040】〔Mn被覆処理方法〕純度99.9%のMnをター
ゲットに用いてスパッタ蒸着法によるMn被覆処理をおこ
なった。Mn被覆量の調整は処理時間を変えることにより
おこない、また、Mn被覆率を変化させて不均一に被覆す
る場合は、鋼板とMn蒸発源との間に所定の被覆率が得ら
れるようなパターンで穴をあけた遮蔽板を挿入する方法
を用いた。
ゲットに用いてスパッタ蒸着法によるMn被覆処理をおこ
なった。Mn被覆量の調整は処理時間を変えることにより
おこない、また、Mn被覆率を変化させて不均一に被覆す
る場合は、鋼板とMn蒸発源との間に所定の被覆率が得ら
れるようなパターンで穴をあけた遮蔽板を挿入する方法
を用いた。
【0041】なお比較のために、表1に示した鋼板の他
に、特開昭62−139860号公報に開示されているFe−P合
金めっきによりPを50mg/m2被覆した鋼板 (表2の従来
例)も試験に供した。
に、特開昭62−139860号公報に開示されているFe−P合
金めっきによりPを50mg/m2被覆した鋼板 (表2の従来
例)も試験に供した。
【0042】これらの被覆処理を施した供試鋼板を、水
洗、乾燥した後、500 ℃の弱酸化雰囲気で30秒間加熱
し、続いて 760℃の窒素と水素の混合ガス中雰囲気で60
秒間加熱した。その後、所定量のAlを含む 460℃に保持
した溶融亜鉛めっき浴中に3秒間浸漬して、片面当たり
付着量が 60g/m2となるように溶融亜鉛めっきを施し
た。さらに、一部の供試鋼板については、溶融亜鉛めっ
きに続いて 500℃でめっき表面の金属光沢がなくなるま
で合金化処理を施した。
洗、乾燥した後、500 ℃の弱酸化雰囲気で30秒間加熱
し、続いて 760℃の窒素と水素の混合ガス中雰囲気で60
秒間加熱した。その後、所定量のAlを含む 460℃に保持
した溶融亜鉛めっき浴中に3秒間浸漬して、片面当たり
付着量が 60g/m2となるように溶融亜鉛めっきを施し
た。さらに、一部の供試鋼板については、溶融亜鉛めっ
きに続いて 500℃でめっき表面の金属光沢がなくなるま
で合金化処理を施した。
【0043】めっき、あるいは、合金化処理を完了した
供試鋼板を長さ 150mm、幅70mmに裁断した後、片面のめ
っき皮膜状にりん酸亜鉛処理(日本パーカライジング社
製、Bt3020処理液を使用)、カチオン電着塗装(日本
ペイント社製、PT−U80を使用、塗膜厚 30 μm )、
中塗りおよび上塗り塗装(関西ペイント社製、ルガーベ
ークを使用、塗膜厚 70 μm )をおこなった。
供試鋼板を長さ 150mm、幅70mmに裁断した後、片面のめ
っき皮膜状にりん酸亜鉛処理(日本パーカライジング社
製、Bt3020処理液を使用)、カチオン電着塗装(日本
ペイント社製、PT−U80を使用、塗膜厚 30 μm )、
中塗りおよび上塗り塗装(関西ペイント社製、ルガーベ
ークを使用、塗膜厚 70 μm )をおこなった。
【0044】上記のようにして得られた塗装を施した溶
融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板につ
いて、次の方法により低温対衝撃耐久性試験をおこなっ
た。
融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板につ
いて、次の方法により低温対衝撃耐久性試験をおこなっ
た。
【0045】
【表1】
【0046】〔試験方法〕−40℃の低温環境下におい
て、供試台上に置かれた供試材に対して、ダイヤモンド
粒(直径約3mm)を時速 120kmに相当する速度で10箇所
に衝突させる衝撃を与えた。その後、1カ月に1回の頻
度で3%NaCl水溶液に30分間浸漬しながら、工業地域の
大気中で暴露する耐食性暴露試験を5年間継続した。上
記試験終了後、ダイヤモンド粒の衝突点における塗膜ブ
リスターの最大径を測定し、低温対衝撃耐久性を評価し
た。
て、供試台上に置かれた供試材に対して、ダイヤモンド
粒(直径約3mm)を時速 120kmに相当する速度で10箇所
に衝突させる衝撃を与えた。その後、1カ月に1回の頻
度で3%NaCl水溶液に30分間浸漬しながら、工業地域の
大気中で暴露する耐食性暴露試験を5年間継続した。上
記試験終了後、ダイヤモンド粒の衝突点における塗膜ブ
リスターの最大径を測定し、低温対衝撃耐久性を評価し
た。
【0047】評価の基準は、塗膜ブリスターの有無およ
び最大径によって下記の4ランクに分け、塗膜ブリスタ
ーの発生が認められないか、もしくはブリスターの最大
径が3mm未満、すなわち◎、○または△印の場合、低温
対衝撃耐久性に優れているとした。
び最大径によって下記の4ランクに分け、塗膜ブリスタ
ーの発生が認められないか、もしくはブリスターの最大
径が3mm未満、すなわち◎、○または△印の場合、低温
対衝撃耐久性に優れているとした。
【0048】◎(著しく良好):ブリスターの発生が全
く認められなかったもの ○(かなり良好):ブリスターの最大径が1mm未満のも
の △(良好) :ブリスターの最大径が1mm以上3mm
未満のもの ×(劣る) :ブリスターの最大径が3mm以上のも
の 試験結果を表2、表3に示す。
く認められなかったもの ○(かなり良好):ブリスターの最大径が1mm未満のも
の △(良好) :ブリスターの最大径が1mm以上3mm
未満のもの ×(劣る) :ブリスターの最大径が3mm以上のも
の 試験結果を表2、表3に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】表2にSiまたはMnによる表面被覆率を 100
%とした場合の試験結果を示したが、低温対衝撃耐久性
に対する評価はいずれも○印(試験 No.14、15、29およ
び30のガルファン及びガルバリュウムの場合は△印)
で、かなり良好な結果が得られた。なお、SiまたはMn
による被覆量の多い No.4、5、19および20では、めっ
き時に不めっき部分を生じる場合があった。これに対
し、SiまたはMnによる被覆処理をおこなわなかった比較
例およびPにより被覆した従来例ではいずれも評価は×
(劣る)であった。
%とした場合の試験結果を示したが、低温対衝撃耐久性
に対する評価はいずれも○印(試験 No.14、15、29およ
び30のガルファン及びガルバリュウムの場合は△印)
で、かなり良好な結果が得られた。なお、SiまたはMn
による被覆量の多い No.4、5、19および20では、めっ
き時に不めっき部分を生じる場合があった。これに対
し、SiまたはMnによる被覆処理をおこなわなかった比較
例およびPにより被覆した従来例ではいずれも評価は×
(劣る)であった。
【0052】表3はSiまたはMnによる表面被覆率を5〜
90%の範囲で変えた場合の試験結果であるが、Si、Mnの
いずれにおいても、被覆率を20〜80%とした場合、ブリ
スターの発生が全く認められず、低温対衝撃耐久性が著
しく良好という結果が得られた。なお、Si被覆量が 200
mg/m2を超える No.56、57、およびMn被覆量が 400mg/
m2を超える No.73、74では、低温対衝撃耐久性に対する
評価は◎印(著しく良好)であったが、めっき時に不め
っき部分が生じる場合があった。
90%の範囲で変えた場合の試験結果であるが、Si、Mnの
いずれにおいても、被覆率を20〜80%とした場合、ブリ
スターの発生が全く認められず、低温対衝撃耐久性が著
しく良好という結果が得られた。なお、Si被覆量が 200
mg/m2を超える No.56、57、およびMn被覆量が 400mg/
m2を超える No.73、74では、低温対衝撃耐久性に対する
評価は◎印(著しく良好)であったが、めっき時に不め
っき部分が生じる場合があった。
【0053】
【発明の効果】本発明方法により、低温衝撃負荷に対す
る皮膜耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができる。これらの
鋼板を、例えば、自動車の車体用、家電製品などの素材
として用いると、その寿命を著しく増大させることがで
き、産業上極めて有用である。
る皮膜耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができる。これらの
鋼板を、例えば、自動車の車体用、家電製品などの素材
として用いると、その寿命を著しく増大させることがで
き、産業上極めて有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】鋼板表面にSiまたはMnを被覆した後、溶融
亜鉛めっきを施すか、あるいは溶融亜鉛めっきに引き続
いて合金化処理することを特徴とする低温対衝撃耐久性
に優れた溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】被覆するSi量またはMn量をそれぞれ 0.2〜
200mg/m2、 0.4〜400mg/m2とし、鋼板表面を面積被覆率
20〜80%で不均一に被覆することを特徴とする請求項1
記載の低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛系めっき鋼板
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25643094A JPH07252623A (ja) | 1994-01-21 | 1994-10-21 | 低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP525494 | 1994-01-21 | ||
JP6-5254 | 1994-01-21 | ||
JP25643094A JPH07252623A (ja) | 1994-01-21 | 1994-10-21 | 低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07252623A true JPH07252623A (ja) | 1995-10-03 |
Family
ID=26339171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25643094A Pending JPH07252623A (ja) | 1994-01-21 | 1994-10-21 | 低温対衝撃耐久性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07252623A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100266866A1 (en) * | 2007-12-11 | 2010-10-21 | Bluescope Steel Limited | Method of metal coating and coating produced thereby |
EP3085813A4 (en) * | 2013-12-20 | 2017-06-07 | Posco | Plated steel sheet for hot press forming having excellent weldability and corrosion resistance, forming member, and manufacturing method thereof |
-
1994
- 1994-10-21 JP JP25643094A patent/JPH07252623A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100266866A1 (en) * | 2007-12-11 | 2010-10-21 | Bluescope Steel Limited | Method of metal coating and coating produced thereby |
CN105002451A (zh) * | 2007-12-11 | 2015-10-28 | 蓝野钢铁有限公司 | 金属镀覆方法以及由此生产出的镀层 |
KR20170038108A (ko) * | 2007-12-11 | 2017-04-05 | 블루스코프 스틸 리미티드 | 금속 코팅 방법 및 그에 의해 형성된 코팅 |
US10323313B2 (en) * | 2007-12-11 | 2019-06-18 | Bluescope Steel Limited | Method of metal coating and coating produced thereby |
EP3085813A4 (en) * | 2013-12-20 | 2017-06-07 | Posco | Plated steel sheet for hot press forming having excellent weldability and corrosion resistance, forming member, and manufacturing method thereof |
US10190221B2 (en) | 2013-12-20 | 2019-01-29 | Posco | Plated steel sheet for hot press forming having excellent weldability and corrosion resistance, forming member, and manufacturing method thereof |
US10626504B2 (en) | 2013-12-20 | 2020-04-21 | Posco | Plated steel sheet for hot press forming having excellent weldability and corrosion resistance, forming member, and manufacturing method thereof |
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