JPH07252362A - シリケートオリゴマー及びその製造方法 - Google Patents

シリケートオリゴマー及びその製造方法

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JPH07252362A
JPH07252362A JP4705794A JP4705794A JPH07252362A JP H07252362 A JPH07252362 A JP H07252362A JP 4705794 A JP4705794 A JP 4705794A JP 4705794 A JP4705794 A JP 4705794A JP H07252362 A JPH07252362 A JP H07252362A
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JP
Japan
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oligomer
meth
carbon atoms
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Application number
JP4705794A
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English (en)
Inventor
Masaro Otani
昌朗 大谷
Takayuki Ota
▲隆▼之 太田
Hiroaki Yamaoka
弘明 山岡
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 珪素成分に富み、高硬度を有する塗料組成物
を得る。 【構成】 ポリアルコキシシランオリゴマーと下記一般
式(1)で示される(メタ)アクリル基含有アルコキシ
シランまたはそのオリゴマーの共加水分解縮合物であ
り、GPCで測定したポリスチレンサイズ換算平均分子
量が400〜100,000であることを特徴とする
(メタ)アクリル基含有シリケートオリゴマー。 (式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2 は水素
原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、R
3 は炭素数1〜6のアルキレン基、R4 はアクリロキシ
基またはメタクリロキシ基である。nは3−mで表され
る1以上の整数であり、mは0〜2の整数である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリケートオリゴマーに
関するものである。より詳細には、アクリル系樹脂等各
種樹脂に対して優れた相溶性を有するシリケートオリゴ
マーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から重合性2重結合を有するシリル
化合物とアクリル化合物を使用する塗料組成物が知られ
ているが、近年、ポリアルコキシシランオリゴマーを利
用した有機−無機ハイブリッド材料が注目されてれい
る。例えば、ポリアルコキシシランオリゴマーとアクリ
ル化合物からなる塗料組成物としての利用等(特開平2
−289642号公報等)があげられる。また、加水分
解性シラン化合物にエポキシ基等の機能性基を導入した
シラン化合物をポリアルコキシシランオリゴマーと併用
する(特開平3−39329号公報)ことでより高分子
化し、耐水性等を向上させることも提案されている。し
かし、これらの方法でも、珪素成分を充分多くすること
が難しく、また、珪素成分を多くできたとしてもゲル
化、相溶性等の問題もあり、充分な硬度を有する塗料組
成物はまだ実用化されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題、即ち、塗膜とした場合に充分な硬度を有し、保存時
等にゲル化がおきない、樹脂との相溶性に優れた塗料組
成物を与えるためのシリケートオリゴマーを提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的のために鋭意検
討した結果、ポリアルコキシシランオリゴマーと特定の
(メタ)アクリル基含有アルコキシシランまたはそのオ
リゴマーを共加水分解させることにより、保存安定性と
樹脂に対する相溶性の良いシリケートオリゴマーが製造
できることを見出し、本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明の要旨は、ポリアルコキシシ
ランオリゴマーと下記一般式(1)で示される(メタ)
アクリル基含有アルコキシシランまたそのオリゴマーの
共加水分解縮合物であり、GPCで測定したポリスチレ
ンサイズ換算平均分子量が400〜100000である
ことを特徴とする(メタ)アクリル基含有シリケートオ
リゴマーに存する。
【0006】
【化7】 (式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2 は水素
原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、R
3 は炭素数1〜6のアルキレン基、R4 はアクリロキシ
基またはメタクリロキシ基である。nは3−mで表され
る1以上の整数であり、mは0〜2の整数である)
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用するポリアルコキシシランオリゴマーは下記一般式
(3)で示される化合物を部分加水分解重縮合として得
られるオリゴマーである。
【0008】
【化8】 Si(R6 )(R7 )(R8 )(R9 ) (3) (式中、R6 ,R7 ,R8 ,R9 は同一でも異なっても
よい炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、炭素数1
〜6のアルコキシ基であり、少なくとも1つ以上がアル
コキシ基である)
【0009】上記一般式(3)で示される化合物は、部
分加水分解重縮合を考慮すると3個以上のアルコキシ基
で置換されていることが好ましく、より好ましくはテト
ラアルコキシシランである。具体的な例を挙げると、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロピオキシシラン、テトラブトキシシラン等が好適であ
る。上記化合物の部分加水分解重縮合の反応は通常の公
知の方法が使用でき、特に限定されないが、例えば、溶
媒中で、必要量の水を加え、酸性触媒下で行う方法が挙
げられる。これをテトラアルコキシシランを例にして、
反応式で示すと下記のように反応が進む。
【0010】
【化9】 Si(OR)4 +nH2 O→Si(OR)4-n (OH)n +nROH 2Si(OR)4-n (OH)n → (OH)n-1 (OR)4-n Si−O−Si(OR)4-n (OH)n-1 2 O (式中Rはアルコキシ基を表す)
【0011】上記反応式は典型的な例として示したもの
であるが、実際は数個の分子が加水分解重縮合してオリ
ゴマー化するものである。そのため、オリゴマーの構造
は線状が主体であるが、他に分岐状、環状の構造も含有
することとなる。
【0012】該オリゴマーの加水分解率は10〜60%
のものが使用でき、好ましくは40〜60%である。こ
れより大きい場合には、空気中の微量の水分等によるゲ
ル化等の保存安定性に問題が生じる可能性があり、反応
制御が難しくなるため好ましくない。ここでオリゴマー
の加水分解率とはアルコキシシラン中のアルコキシ基の
反応率をいう。例えばアルコキシ基が全部反応したもの
は加水分解率100%、4つのうち2つのアルコキシ基
が反応した場合は加水分解率50%とする。加水分解率
0%とはアルコキシシランモノマーである。
【0013】また、この加水分解時に他のアルコキシシ
ランを混在させることも可能である。テトラアルコキシ
シランを使用し、弾性率等の機械的物性を改善する場合
には0.5〜50wt%の範囲でメチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン等のトリアルコキ
シシラン類を混在させ、物性を変更することも可能であ
る。
【0014】更に、これらオリゴマー中から未反応のモ
ノマー成分を蒸留等の手段により、3wt%以下、好ま
しくは1wt%以下にすることが、塗料組成物とした場
合等の毒性の問題や保存安定性の向上のために望まし
い。本発明で使用する(メタ)アクリル基含有アルコキ
シシランまたはそのオリゴマーとは下記一般式(1)で
示される化合物または該化合物を加水分解することによ
り得られるオリゴマーである。
【0015】
【化10】 (式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2 は水素
原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、R
3 は炭素数1〜6のアルキレン基、R4 はアクリロキシ
基またはメタクリロキシ基である。nは3−mで表され
る1以上の整数であり、mは0〜2の整数である)
【0016】好ましい化合物としては、R1 が炭素数1
〜3のアルキル基、nが2〜3、R 2 は水素原子または
炭素数1〜3のアルキル基、R3 は炭素数2〜4のアル
キレン基、R4 はアクリロキシ基またはメタクリロキシ
基である。更に好ましい具体例としては、γ−アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピル
トリプロポキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
ブトキシシラン、γ−アクリロキシブチルトリメトキシ
シラン、γ−アクリロキシブチルトリエトキシシラン、
γ−アクリロキシブチルトリプロポキシシラン、γ−ア
クリロキシブチルトリブトキシシラン等のγ−アクリロ
キシアルキルトリアルコキシシラン類、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシブチルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシブチルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシブチルトリプロポキシシ
ラン、γ−メタクリロキシブチルトリブトキシシラン等
のγ−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシラン
類、γ−アクリロキシプロピルジメトキシエトキシシラ
ン、γ−メタリロキシプロピルジメトキシエトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン
等のγ−(メタ)アクリロキシアルキルアルキルジアル
コキシシラン類等が挙げられる。
【0017】本発明における共加水分解としては、ポリ
アルコキシシランオリゴマーと(メタ)アクリル基含有
アルコキシシランを共存させて両者の加水分解を同時に
行う方法と、(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン
をまず加水分解し、末端をシラノール基にし、その後、
ポリアルコキシシランオリゴマーを添加し、加熱、脱ア
ルコール反応により、縮合させ高分子量化する方法とが
挙げられる。得られるオリゴマーの分子量、共加水分解
反応の制御を容易にするためには後者の方法が好まし
い。
【0018】上記の両方の方法は共に溶剤の存在下で行
うことが好ましく、該溶剤としては水及び、シリケート
オリゴマーの両方を溶解するものが使用できる。具体的
なものとしては、テトラハイドロフラン、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジオキサン、メタノール、イソプロ
パノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール等である。(メタ)アクリル基含有オリゴマー
の溶解性の観点から上記のうちアルコール系溶剤が好ま
しい。
【0019】溶剤の使用量は使用する(メタ)アクリル
基含有アルコキシシランの量により適当な範囲を選択す
るが、通常は全シリケートオリゴマーに対して重量比で
0.1〜50倍であることが好ましい。より正確に表現
すると、反応系中の不揮発性成分濃度が2〜90重量%
となる範囲から選択することが好ましい。溶剤の使用量
は反応系中の不揮発性成分濃度があまり高いと加水分解
時に系中に不溶の成分が生じる事があるため、好ましく
ない。この様な場合、得られるコーティング組成物も二
相に分離する事もあるので、溶剤は比較的多く用い、不
揮発成分をできるだけ少なくするのが好ましい。
【0020】(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン
単独または共加水分解に使用される加水分解触媒は塩
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸等の無機
酸、ギ酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、
水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、アンモニアなど
の塩基が使用可能であるが、線状に重合させるためには
無機酸が好ましく、安全性、経済性等より塩酸が最も好
ましい。
【0021】この触媒の使用量はシリケート全量のモル
数に対して、10-8〜10-2倍の範囲から選択できる。
また、エポキシ基含有化合物を併用し、塩酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸等の無機酸を触媒とす
る場合にはこれらの酸とエポキシ基が反応するため、加
水分解反応を促進する酸を完全に除去することができ、
分子量の制御が容易となり、保存安定性にも優れるた
め、より好ましい。
【0022】このエポキシ基含有化合物としてはシリケ
ート中に残存することから、前記一般式(1)と同様の
構造を有する化合物が好ましく、一般式(1)における
置換基のR4 がエポキシ基となっている化合物が好まし
い。具体例としては前記一般式(1)で具体例で示した
γ−(メタ)クリロキシ基をγ−グリシジル基に置き換
えた化合物が挙げられる。
【0023】このエポキシ基含有化合物の使用量は総シ
リケート量と触媒量により適宜決定するものであるが、
酸等を加水分解触媒として用いた場合酸と中和するに足
る量であるのが望ましく、通常は総シリケート量の0.
05〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%の範
囲から選択される。また水の使用量はシリケート全量の
当量に対して0.05〜20倍当量、好ましくは0.1
〜10倍当量の範囲から選択できる。この際の水の使用
量により最終シリケートオリゴマーのGPC(ゲル浸透
クロマトグラフィー)で測定したポリスチレンサイズ換
算平均分子量を400〜100,000の範囲好ましく
は400〜50,000の範囲に調節する。分子量が前
記範囲を越えるとゲル化の可能性が高く、保存安定性に
問題があり、好ましくない。分子量が前記範囲に満たな
い場合、アルコキシシランとの反応がほとんど起ってい
ないことになり、物性が劣る。
【0024】加水分解温度及び時間はポリアルコキシシ
ランオリゴマーや(メタ)アクリル基含有アルコキシシ
ランのアルコキシ基の種類によって異なるために一概に
は規定できない。例えば、アルコキシ基がメトキシ基の
場合加水分解時間は20℃で2〜60分程度であるが、
エトキシ基、ブトキシ基等の場合はこれよりも、長時間
あるいは高温度で加水分解を行なう必要がある。
【0025】ポリアルコキシシランオリゴマーと(メ
タ)アクリル基含有アルコキシシランまたはオリゴマー
の使用量は使用目的により適宜選択可能であり、通常は
ポリアルコキシシランオリゴマーのアルコキシ基当量に
対して、0.05〜30倍モル、好ましくは0.1〜2
0倍モルの(メタ)アクリル基含有アルコキシシランま
たはオリゴマーの範囲である。
【0026】また、加水分解時に(メタ)アクリル基に
起因する反応によりゲル化する可能性があるため、重合
禁止剤を使用することが好ましい。該重合禁止剤は通常
の重合禁止剤が使用可能であるが、具体的な例としては
ハイドロキノン、メチルハイドロキノン等のキノン類が
好適に使用できる。重合禁止剤の使用量としては(メ
タ)アクリル基含有アルコキシシランまたはオリゴマー
の量に対して0.01〜1wt%の範囲が好ましく、よ
り好ましくは0.05〜0.5wt%である。この範囲
以上では塗料組成物等に応用した場合に硬化に影響がで
る可能性がり、好ましくなく、この範囲以下では、効果
が少ない。
【0027】本発明のシリケートオリゴマーは、分子中
にアルコキシ基が多く存在するため、シリカ、ガラス、
タルク、カオリン、珪酸カルシウム、石材等の無機物等
との接着性、密着性に優れ、塗膜とした場合の硬度も高
く、単独あるいは各種樹脂と混合して、接着剤あるいは
接着性改善のプライマー、塗料添加剤として使用するの
に適している。
【0028】特に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等
を主体とする塗料に応用した場合に大気中の水分による
劣化がなく、長期保存が可能となり、保存安定性に優れ
た塗料とすることができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明をより具体的に実施例に基づい
て説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。ここで、分子量
とは下記条件でGPC測定し、ポリスチレンサイズに換
算した分子量である。
【0030】カラム:「TSK GEL」G−1000
H、G−2000H、G4000H(東ソー社製) 流出液:テトラハイドロフラン 流出速度:1ml/分
流出温度:40℃
【0031】実施例1 γ−アクロキシプロピルトリメトキシシラン234g
(1モル、3当量)をメタノール200gに溶解し、得
られた溶液に0.35重量%塩酸水溶液36g(4当
量)を添加し、20℃で30分放置し、加水分解を行な
った。
【0032】次いで、上記反応液にテトラメトキシシラ
ンの部分加水分解物(50%加水分解品で、分子量25
0〜3000のオリゴマー混合物、モノマー濃度0.3
5wt%)を450g、γ−グリシジルプロピルトリメ
トキシシランを1g、メチルハイドロキノンを0.2g
添加し、2時間還流を行なった。その後、150℃まで
徐々に温度を上げ、メタノールを流出させると、無色透
明のシリケートオリゴマーが得られた。該オリゴマーの
分子量をGPCで測定すると、分子量400〜3500
0のオリゴマー混合物であり、主ピークは2600と7
70であった。臭素酸−臭化水素法で二重結合の濃度を
測定した結果は595g/eqであり、ほぼ理論値であ
った。
【0033】実施例2 γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン248g
(1モル、3当量)をメタノール200gに溶解し、得
られた溶液に0.35重量%塩酸水溶液54g(6当
量)を添加し、20℃で30分放置し、加水分解を行な
った。
【0034】次いで、上記反応液にテトラメトキシシラ
ンの部分加水分解物(50%加水分解品で、分子量25
0〜3000のオリゴマー混合物、モノマー濃度0.3
5wt%)を900g、γ−グリシジルプロピルトリメ
トキシシランを1g、メチルハイドロキノンを0.2g
添加し、2時間還流を行なった。その後、150℃まで
徐々に温度を上げ、メタノールを流出させると、無色透
明のシリケートオリゴマーが得られた。該オリゴマーの
分子量をGPCで測定すると、分子量400〜5000
のオリゴマー混合物であり、主ピークは2500と73
0であった。臭素酸−臭化水素法で二重結合の濃度を測
定した結果は1000g/eqであり、ほぼ理論値であ
った。また、該オリゴマーをブリキ製の容器に入れ、室
温で3カ月保存して、目視で観察したが、変化は認めら
れなかった。
【0035】実施例3 実施例2においてテトラメトキシシランの部分加水分解
物としてモノマー濃度4wt%のもの(モノマー除去を
行わないもの)を使用すること以外は同一にして、シリ
ケートオリゴマーを製造した。その結果、GPCの測
定、二重結合の濃度、保存性は同一の結果であった。
【0036】比較例1 実施例2においてγ−グリシジルプロピルトリメトキシ
シランを使用しない以外は同一の条件でオリゴマーを製
造した。該オリゴマーのGPCの結果は実施例2と同様
であったが、該オリゴマーをブリキ製の容器に入れ、室
温で3カ月保存して、目視で観察した結果、オリゴマー
液は微黄色に変色し、更に容器の一部に腐食が認められ
た。
【0037】比較例2 実施例2においてメチルハイドロキノンを使用しない以
外は同一の条件でオリゴマーを製造した。その結果、最
後のメタノールを除去する工程で、オリゴマー液は微青
色から白色に変化した。該オリゴマーのGPC測定の際
に不溶分が認められたため、溶液をろ過してから、測定
した。その結果は主ピークの位置は実施例2と同様であ
ったが、分子量100,000から300,000の成
分が5wt%存在していた(尚、除去した不溶分はこれ
以上の分子量のものと推定される)。
【0038】(塗料液としての応用例) アクリル樹脂の製造 メチルメタクリレート400g、エチルアクリレート1
00g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30g、
メチルエチルケトン500g、トルエン500g、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル3gを混合し、70
℃で7時間攪拌して、重合を行った。更に2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル3gを添加し、70℃で7時
間攪拌して、重合を行い、アクリル樹脂を得た。
【0039】塗料液の製造 上記アクリル樹脂100g、メチルエチルケトン100
g、イソプロパノール50g、マレイン酸1g、実施例
2で製造したシリケートオリゴマー100gを混合し、
塗料液(1)を得た。同様に実施例2で製造したシリケ
ートオリゴマーのかわりに実施例3で得たシリケートオ
リゴマーを使用して塗料液(2)を得た。
【0040】安定性の試験 塗料液(1)と(2)を各々500mlのビーカーに3
00ml入れ、23℃70%の相対湿度の雰囲気下開放
系で70時間攪拌した。その結果、塗料液(1)は透明
であり、変化は認められなかったが、塗料液(2)は白
色の固形物や懸濁物が認められた。この結果よりモノマ
ー成分が少ない方が安定であることが判る。
【0041】
【発明の効果】本発明のシリケートオリゴマーは、保存
安定性に優れているため、取扱い性に優れている。更
に、コーティング組成物、塗料組成物に使用した場合に
組成物の安定性に優れ、塗膜は各種樹脂、あるいは金
属、石材、セラミックス等の無機材料に対して接着性に
優れ、また、耐候性に優れ、表面硬度の高い等の特徴の
ある優れた硬化性組成物となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルコキシシランオリゴマーと下記
    一般式(1)で示される(メタ)アクリル基含有アルコ
    キシシランまたはそのオリゴマーの共加水分解縮合物で
    あり、GPCで測定したポリスチレンサイズ換算平均分
    子量が400〜100,000であることを特徴とする
    (メタ)アクリル基含有シリケートオリゴマー。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2 は水素
    原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、R
    3 は炭素数1〜6のアルキレン基、R4 はアクリロキシ
    基またはメタクリロキシ基である。nは3−mで表され
    る1以上の整数であり、mは0〜2の整数である)
  2. 【請求項2】 ポリアルコキシシランオリゴマーと下記
    一般式(1)で示される(メタ)アクリル基含有アルコ
    キシシランまたはそのオリゴマーを加水分解触媒及び重
    合禁止剤の存在下で、共加水分解することを特徴とする
    請求項1記載の(メタ)アクリル基含有シリケートオリ
    ゴマーの製造方法。 【化2】 (式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2 は水素
    原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、R
    3 は炭素数1〜6のアルキレン基、R4 はアクリロキシ
    基またはメタクリロキシ基である。nは3−mで表され
    る1以上の整数であり、mは0〜2の整数である)
  3. 【請求項3】 ポリアルコキシシランオリゴマーと下記
    一般式(1)で示される(メタ)アクリル基含有アルコ
    キシシランまたはそのオリゴマーと下記一般式(2)で
    示されるエポキシ基含有アルコキシシランまたはそのオ
    リゴマーの共加水分解縮合物であり、GPCで測定した
    ポリスチレンサイズ換算平均分子量が400〜100,
    000であることを特徴とする(メタ)アクリル基含有
    シリケートオリゴマー。 【化3】 (式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2 は水素
    原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、R
    3 は炭素数1〜6のアルキレン基、R4 はアクリロキシ
    基またはメタクリロキシ基である。nは3−mで表され
    る1以上の整数であり、mは0〜2の整数である) 【化4】 (式中、R1 〜R3 、及びm,nは(1)式と同じ意味
    を示し、R5 はエポキシ基である。)
  4. 【請求項4】 ポリアルコキシシランオリゴマーと下記
    一般式(1)で示される(メタ)アクリル基含有アルコ
    キシシランまたはそのオリゴマーと下記一式式(2)で
    示されるエポキシ基含有アルコキシシランまたはそのオ
    リゴマーを加水分解触媒及び重合禁止剤の存在下で、共
    加水分解することを特徴とする請求項3記載の(メタ)
    アクリル基含有シリケートオリゴマーの製造方法。 【化5】 (式中、R1 は炭素数1〜6のアルキル基、R2 は水素
    原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、R
    3 は炭素数1〜6のアルキレン基、R4 はアクリロキシ
    基またはメタクリロキシ基である。nは3−mで表され
    る1以上の整数であり、mは0〜2の整数である) 【化6】 (式中、R1 〜R3 、及びm,nは(1)式と同じ意味
    を示し、R5 はエポキシ基である。)
  5. 【請求項5】 ポリアルコキシシランオリゴマーにおけ
    るポリアルコキシシランモノマーの含有量が1重量%以
    下であることを特徴とする請求項2または4記載の(メ
    タ)アクリル基含有シリケートオリゴマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアルコキシシランオリゴマーが0.
    5〜50wt%のトリアルコキシシランと残部がテトラ
    アルコキシシランの共部分加水分解物であることを特徴
    とする請求項1または3記載の(メタ)アクリル基含有
    シリケートオリゴマー。
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