JPH0725227B2 - 感熱転写材 - Google Patents

感熱転写材

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JPH0725227B2
JPH0725227B2 JP63170552A JP17055288A JPH0725227B2 JP H0725227 B2 JPH0725227 B2 JP H0725227B2 JP 63170552 A JP63170552 A JP 63170552A JP 17055288 A JP17055288 A JP 17055288A JP H0725227 B2 JPH0725227 B2 JP H0725227B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感熱転写記録に用いられる感熱転写材で表面平
滑性の高い被記録体に対してはもとより表面平滑性の低
い被記録体に対しても、印字品位が良く、しかもリフト
オフ消去が可能な記録像が得られる感熱転写材に関する
ものである。
〔従来の技術〕
感熱転写記録は、使用する装置が軽量かつコンパクトで
騒音がなく、操作性,保守性に優れるという感熱記録の
一般的特徴に加えて発色型の加工紙が不要であり、また
記録像の耐久性にも優れるという特徴を有しており、最
近広く使用されている。しかしながら、このような感熱
転写記録方法においても、なおいくつか改良すべき点が
ある。
第1点は表面平滑性の悪い紙等の被記録体に対する転写
記録像の品位が悪いという点である。
その第2点は、感熱転写記録方法により得られた転写記
録像は、たとえそれが誤印字によるものであっても容易
に消去することができないということである。
一般的な誤記録の消去手段としては、近年広く用いられ
るようになった隠蔽性の塗料の使用があり、感熱転写記
録方法においても被記録体の色とほぼ同色の隠蔽性着色
材を含有する熱転写性インク層を有する感熱転写材を用
い、誤記録部分をこの転写インク層で被覆する方法も既
に提案されている。しかし、転写インク層で被覆する方
法では被記録体と隠蔽性着色材の色が完全に同一でな
く、且つインク層の被覆で消去部分が盛り上がることに
より、消去部分の判別が容易となり外観上好ましいもの
ではない。また、他の消去手段として、被記録体に形成
された誤記録像を感熱接着テープにより接着剥離させる
方法、すなわちリフトオフ消去法が提案されている。
しかしながら、これら消去方法は被記録体上に転写記録
像を与える感熱転写材、及び転写記録像を消去するため
の消去用シートの双方が必要となり、感熱転写プリンタ
において印字時と消去時でのテープの切り換え機構が必
要となり、プリンタ装置の構造が複雑で大型化するとい
う欠点があった。
上記欠点を改良する方法として、被記録紙に転写記録像
を与える感熱転写材をそのまま用いてリフトオフ消去も
行なうことができる(セルフコレクタブル)感熱転写材
が提案されている。特開昭58−74368号公報において
は、抵抗性支持体上の活性層により記録と消去の双方を
行うことができる感熱積層体が開示されている。すなわ
ち、この活性層は記録時の加熱温度より低い温度に加熱
された時に接着力を発現し、転写記録像を剥離すること
によって消去できるように構成されている。また、特開
昭61−23992号公報においては、支持体上に着色剤,バ
インダー剤および該バインダー剤より高軟化点を有する
熱粘着剤材料からなる感熱転写材が提案されており、熱
源としてサーマルヘツドを用い、低い熱エネルギーで記
録を行い、記録時より高い熱エネルギーを印加して誤記
録像の剥離消去を行うことが開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、表面平滑性の低い被記録体に対しても記
録品位の良い転写記録像を与えるとともにセルフコレク
ト作用をも満足する感熱転写材は得られておらず、その
開発が望まれている。従来のセルフコレクタブルな感熱
転写材によると、特に平滑性の低い被記録体では被記録
体の凸部分が転写したインク層を突き抜け、そのため凸
部分が記録像中に点在した「白抜け」の記録像となって
しまい、被記録体の凹部分に入った記録像は剥離できな
い場合が生じ、消去が不完全となってしまう場合が多か
った。
また、特開昭62−156993号公報には、比較的溶融粘度の
低い分離層を介してインク層を支持体上に有するセルフ
コレクタブルの感熱転写材が開示されている。この分離
層に使用する材料は保存等で変質せず、かつ溶融粘度の
低いことが必要であるが、このような材料は、一般に硬
くもろい傾向があり、リフトオフの消去を行う時、支持
体からインク層全体が剥がれ落ちる等の不良が発生し易
い。そのため、印加エネルギー等の使用条件のラチチユ
ードがせまく、また消去が不完全になり易いという欠点
を有する。これを解消するために分離層に比較的粘度の
高い成分を使用せざるを得ず、このようにすると今度は
記録時に支持体からの分離に大きな力が必要となり、表
面平滑度の低い被記録体に対しては欠けの多い記録像と
なり易い。
そこで、本出願人はインク層を少なくとも3層構成とし
て、表面平滑性の低い被記録体に対しても印字濃度が高
く、更に転写記録像をリフトオフにより消去することが
できる感熱転写材を提案した(特願昭62−299046号)。
本発明は、上記の特願昭62−299046号の感熱転写材をも
とに改良したもので、表面平滑性が良好な被記録体に対
しては勿論のこと、表面平滑性の低い被記録体に対して
も、白抜けがなく、濃度の非常に高い転写記録像が得ら
れ、リフトオフにより消去が更に良好に行うことができ
る感熱転写材を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の感熱転写材は、支持体上に前記支持体側から順
に少なくとも第1のインク層,第2のインク層,第3の
インク層及び第4のインク層を有し、前記支持体の厚さ
が7μm以上で12μm以下、前記第1のインク層の厚さ
が0.5μm以上で5μm以下、前記第4のインク層の厚
さが4μm以上で9μm以下であり、かつ少なくとも前
記第3のインク層に着色剤を含有することを特徴とする
ものである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明の一例を詳
細に説明する。以下の記載において、量比を表わす
「%」および「部」は特に断りのない限り重量基準とす
る。
第1図に示すように、本発明の感熱転写材1はインク層
が少なくとも4層で構成され、支持体2上に支持体側か
ら第1のインク層3,第2のインク層4,第3のインク層5
及び第4のインク層6を順次積層してなる。第1インク
層3は加熱による記録時も、支持体2との界面あるいは
その内部においても分断することなく、支持体2と強固
に密着している。
第2のインク層4は加熱による記録時には第1のインク
層3との界面あるいは該インク層4の内部において分断
して、第3のインク層5及び第4のインク層6を被記録
体に転移し易くする。しかしながら、第2のインク層4
の非加熱部は、第1のインク層3及び第3のインク5と
強固に接着し、該インク層5の被記録体への転写を抑止
する。この加熱部と非加熱部のコントラストによって加
熱パターンの転写記録像が形成される。
第3インク層5は着色剤を含有し、転写記録像を着色す
る機能を有する。
第4インク層6は、被記録体表面の凸部と凸部の間にち
ょうど橋をかけたように転写するもので、熱印加後にあ
る程度の膜強度を有する層である。第3インク層5も、
第4インク層6と同様に熱印加後にある程度の膜強度を
有する。
支持体2には、一般的にプラスチツクフイルムが好まし
く用いられ、耐熱性,引張り強さ,伸び,引き裂き強さ
などの諸特性を満足するように、プラスチツクフイルム
には一軸あるいは二軸延伸処理が施されるため、前記フ
イルムの分子鎖は一定方向に配向されている。その結
果、上記諸特性は向上し、満足し得る水準に至るも、他
の特性が低下してしまう場合がある。例えばその表面接
着性の低下があげられる。例えばポリエステルフイルム
においては接着性が悪く、第2のインク層4のごときシ
ヤープメルト性があり、かつ溶融粘度の低い材料を主体
とする成分をインク層としてポリエステルフイルム上に
形成した場合、インク剥れ等の不良が極めて発生し易
い。
前記プラスチツクフイルム上に第1のインク層3のよう
に塗工によるインク層を形成することにより、塗工膜中
の分子鎖はランダムに存在するため、第2のインク層4
と支持体2、例ばプラスチツクフイルムとの接着性が改
善され、インク剥れ等の不良を回避することができる。
その第1のインク層3としては、加熱により軟化はして
も完全溶融せず、支持体1との密着力が低下しないで被
記録体側に実質的に転写しない、すなわち実質的に非転
写性の層であるものが好ましいが、記録時に第2のイン
ク層4で分断することを阻害しなければ、完全溶融して
も支障はない。溶融時の粘度、特に150℃における粘度
が5,000cps以上、好ましくは10,000cps以上であればよ
い。更に、第1のインク層3は第4のインク層6が誤記
録像を剥離消去する際に誤記録像の凹凸にうまく追随し
て十分に接触するように、ある程度の柔軟性を有してい
る。
このため第1のインク層3は、熱時に凝集力が高く、し
かも支持体に対して密着力が高くなるように熱可塑性樹
脂を含有して構成される。第1のインク層3に含有され
る熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が−40℃〜30℃、更
には−30℃〜15℃であることが好ましい。熱可塑性樹脂
が複数種の熱可塑性樹脂の混合されたものである場合、
このような熱可塑性樹脂の混合体のガラス転移温度TgM
を、 と定義すると、TgMもやはり上記温度範囲が好ましい。
つまり、熱可塑性樹脂を複数種の樹脂の混合体とした場
合も、混合体のガラス転移温度を上記式(A)のように
定義すれば、熱可塑性樹脂の混合体を単一の樹脂により
構成された熱可塑性樹脂として考えることができる。
尚、上記式(A)でTgnは熱可塑性樹脂混合体を構成す
る1つの熱可塑性樹脂のガラス転移温度、Wは熱可塑性
樹脂混合体の全重量、wnは熱可塑性樹脂混合体を構成す
る1つの熱可塑性樹脂の重量である。熱可塑性樹脂のガ
ラス転移温度が高すぎると柔軟性が失われ支持体との密
着力が低下する。またガラス転移温度が低すぎると粘着
性が過度に出て製造時の取扱いに支障を来す。
更に第1のインク層3の凝集力を高くするために、第1
のインク層3に含有する熱可塑性樹脂の重量平均分子量
は1万以上、更には5万以上であることが好ましい。
尚、ここでいう重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエー
シヨンクロマトグラフイ)により測定した値をいう。ま
た、熱可塑性樹脂が複数の樹脂の混合されたものである
場合には、重量平均分子量は混合物全体としての重量平
均分子量をいう。
第1のインク層3に使用する熱可塑性樹脂としては、例
えば酢酸ビニル−エチレン共重体などのポリ酢酸ビニル
系樹脂,エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂,アクリ
ル系樹脂,ポリエステル系樹脂,スチレン−ブタジエン
ゴム,イソプレンゴムなどのエラストマー類を用いるこ
とができる。さらには石油系樹脂,フエノール系樹脂,
メラミン系樹脂,尿素系樹脂,ポリスチレン系樹脂を適
宜混合して用いてもよい。また、上記材料に必要に応じ
て、酸化チタン,クレー,亜鉛華,アルミナ水和物等の
充填剤や可塑剤,安定剤等を適宜混合させて用いること
もできる。
第1のインク層3は、上記した材料の分子量,結晶化度
を適度調節したり、あるいは複数混合して得ることがで
きる。
第1のインク層3に占める熱可塑性樹脂の含有量は70%
以上100%以下、更には90%以上100%以下が好ましい。
第1のインク層3の厚さは、表面平滑性の低い被記録体
への追随性を考慮すると、0.5μm以上が好ましく、熱
伝導を考慮すると5μm以下が好ましい。
第2のインク層4としては、加熱によりシヤープメルト
するかもしくは第1のインク層3あるいは第3のインク
層5との界面で接着力が低下するものが好ましい。第1
のインク層3,第3のインク層5及び第4のインク層6は
熱時凝集力が高く、更に熱可塑性樹脂を比較的多量に含
有する。よって第2のインク層4はシヤープメルト性、
あるいは界面における接着力低下の要求から融点が50℃
以上であり、150℃における溶融粘度が500cps以下であ
ることが好ましい。第2のインク層4を構成する材料と
しては以下の材料が好ましく、特にワツクス類が好適で
ある。
上記ワツクス類としては、天然ワツクスではカルナバワ
ツクス,キヤンデリラワツクス,ライスワツクス,木ろ
うなどの植物系ワツクス、セレシンワツクス,モンタン
ワツクスなどの鉱物系ワツクス、及びそれらの誘導体、
例えばモンタンワツクスの誘導体の例として酸ワツク
ス,エステルワツクス,部分ケン化エステルワツクスな
どがある。また、石油ワツクスではパラフインワツク
ス,マイクロクリスタリンワツクスなどがある。合成ワ
ツクスではポリエチレンワツクス、特に低分子量酸化ポ
リエチレン,フイツシヤートロプシユワックスなどが使
用可能である。上記ワツクス類は、第2のインク層4に
対して80%以上、更には90%以上含有し、単独もしくは
混合して上記融点及び溶融粘度を満足するよう調製す
る。
第2のインク層4の溶融粘度は、特に150℃において200
cps以下、更には100cps以下であることが好ましい。上
記条件及びシヤープメルト特性においてカルナバワツク
ス,パラフインワツクスが極めて好適である。前記カル
ナバワツクス,パラフインワツクスを第2のインク層4
に含有する全ワツクスに対して40%以上、更には50%以
上含有することによっても、前記特性は十分に満足され
る。
第2のインク層4の厚さは、0.5〜5μmが好ましい。
本発明で云う溶融粘度は、西独国ハーケ社製のロトビス
コRV12型回転粘度計を使用し測定したものである。
また上記ワツクス類に必要に応じて、着色剤,酸化チタ
ン,クレー,亜鉛,アルミナ水和物等の充填剤や,可塑
剤,界面活性剤,安定剤等を適宜混合して第2のインク
層4とすることもできる。
第3インク層5は、着色機能と熱印加直後の膜強度と、
その後の膜強度の経時変化を左右する機能を果し、第4
インク層6は熱印加部の紙に対する接着性と、第3イン
ク層5と同様に熱印加直後の膜強度と膜強度の経時変化
を左右する機能を有する。
第3のインク層5は着色機能を有するゆえ、該層には着
色剤が含有される。使用する着色剤を具体的に示すと、
例えば、カーボンブラツク,ニグロシン染料,ランプ
黒,スーダンブラツクSM,フアースト・エローG,ベンジ
ジン・エロー,ピグメント・エロー,インドフアースト
・オレンジ,イルガジン・レツド,パラニトロアニリン
・レツド,トルイジン・レツド,カーミンFB,パーマネ
ント・ボルドーFRR,ピグメント・オレンジR,リソール・
レツド2G,レーキ・レツドC,ローダミンFB,ローダミンB
レーキ,メチル・バイオレツトBレーキ,フタロシアニ
ンブルー,ピグメントブルー,ブリリアント・グリーン
B,フタロシアニングリーン,オイルイエローGG,ザボン
・フアーストエローCGG,カヤセツトY963,カヤセツトYG,
スミプラスト・エローGG,ザボン・フアーストオレンジR
R,オイル・スカーレツト,スミプラストオレンジG,オラ
ゾール・ブラウンG,ザボンフアーストスカーレツトCG,
アイゼンスピロン・レツド・BEH,オイルピンクOP,ビク
トリアブルーF4R,フアーストゲンブルー5007,スーダン
ブルー,オイルピーコツクブルーなどの公知の染・顔料
の1種又は2種以上を使用することができる。
第3のインク層5に含有する着色剤の含有量は3〜90
%、更には10〜80%含有するのが好ましい。更に必要に
より、着色剤以外に金属微粉末,無機粉末,金属酸化物
等からなる充填剤を適宜加えても良い。
第3のインク層5は膜強度をコントロールする機能を果
すため、前記着色剤とともに、熱溶融性材料を含有す
る。
第3のインク層5に含有する熱溶融性材料としては、樹
脂としてポリオレフイン系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポ
リエステル系樹脂,エポキシ系樹脂,ポリウレタン系樹
脂,ポリアクリル系樹脂,ポリ塩化ビニル系樹脂,セル
ロース系樹脂,ポリビニルアルコール系樹脂,石油系樹
脂,フエノール系樹脂,ポリスチレン系樹脂,酢酸ビニ
ル系樹脂,天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,イソプ
レンゴム,クロロプレンゴムなどのエラストマー類,ポ
リイソブチレン,ポリブデンなどが70%以上用いられ、
その他、場合により樹脂以外の鯨ロウ,ミツロウ,ラノ
リン,カルナバワツクス、キヤンデリラワツクス,モン
タンワツクス,セレシンワツクスなどの天然ワツクス、
パラフインワツクス,マイクロクリスタリンワツクスな
どの石油ワツクス、酸化ワツクス,エステルワツクス,
フイツシヤートロプシユワツクス,ポリエチレンワツク
スなどの合成ワツクス、ラウリン酸,ミリスチン酸,パ
ルミチン酸,ステアリン酸,ベヘニン酸などの高級脂肪
酸、ステアリルアルコール,ベヘニルアルコールなどの
高級アルコール、シヨ糖の脂肪酸エステル,ソルビタン
の脂肪酸エステルなどのエステル類、オレイルアミドな
どのアミド類、あるいは可塑剤、鉱油植物油などの油剤
を適宜混合させて用いることが好ましい。第3インク層
5の厚さは、0.5〜5μmの範囲が好ましい。
第4のインク層6は、平滑性の低い被記録体に対しても
鮮明で、しかもリフトオフ消去が可能な転写像を与える
機能を有するもので、熱溶融性材料を主成分として形成
し、熱溶融性材料に加えて必要に応じて着色剤,分散
剤,可塑剤,油剤,充填剤などを成分として構成され
る。
熱溶融性材料としては、熱可塑性樹脂を使用することに
より、平滑性の低い非記録体に対してもインク層が被記
録体表面の凸部と凸部を橋かけするように転写されるた
め転写欠け、字くずれがなく、しかも耐擦過性に優れた
転写記録像が得られる。熱可塑性樹脂は第4のインク層
6に対して50%以上含有するのが好ましい。
第4のインク層6に含有する熱溶融性材料としては、第
3のインク層5に含有する樹脂がそのまま使用できる。
また、樹脂以外に適宜添加する他成分についても第3の
インク層5に使用できるものがそのまま適用可能であ
る。更に第4のインク層6に着色剤を含有させることも
可能であるが、過剰に添加することはリフトオフ消去し
たときに消去残りが発生し好ましくない。このため、第
4インク層6に着色剤を含有したとしても、5%以下、
更には3%以下が良い。
第3のインク層5及び第4のインク層6において熱印加
直後、すなわち記録時の膜強度をコントロールするに
は、前述した材料群の中から、材料の組成,凝集力,分
子量などを適宜変えることにより達成されるが、表面平
滑性の低い被記録体に対し良好な転写性を得る為には凝
集力,分子量は高い方が望ましい。また熱印加後の膜強
度の経時変化をコントロールするには、前述した材料群
の中から材料の組成,結晶化度,凝集力,分子量などを
適宜変えることにより達成される。特に結晶化度の高い
ものを用いて再結晶化する遅延時間を利用するのが望ま
しく、オレフインを主成分としたポリマー材料、例えば
低分子量酸化ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重
合体,酢酸ビニル−エチレン共重合体,エチレン−アク
リル酸共重合体,エチレン−メタアクリル酸共重合体,
エチレン−アクリル酸エステル共重合体等、又ポリアミ
ド,ポリエステルなどが主成分として用いられる。
支持体2としては、従来より公知のフイルムをそのまま
使用することができ、例えばポリエステル,ポリカーボ
ネート,トリアセチルセルロース,ポリアミド,ポリイ
ミド等の比較的耐熱性の良いプラスチツクのフイルムな
どが好適に使用できる。
また感熱転写材に熱を印加する手段として、熱ヘツドを
使用する場合に、熱ヘツドと接触する支持体の表面に、
シリコーン樹脂,ふっ素樹脂,ポリイミド樹脂,エポキ
シ樹脂,フエノール樹脂,メラミン樹脂,ニトロセルロ
ース等からなる耐熱性保護層を設けることにより支持体
の耐熱性を向上することができ、あるいは従来用いるこ
とのできなかった支持体材料を用いることも出来る。
本発明の感熱転写材では、支持体2の厚みが7μm以上
で12μm以下、かつ第4インク層6の厚みが4μm以上
で9μm以下である。このように、支持体2と第4イン
ク層6の厚みを規定することにより、表面平滑性の低い
被記録体に対しても白抜けのない高濃度の転写記録像が
得られ、しかもリフトオフによる消去を行っても消去残
りが発生しない。
支持体2の厚みが薄すぎると、インク層に供給される熱
エネルギーが高くなり、インク層が過度に溶融する。こ
のため、被記録体表面の凸部が、着色剤を含有する第3
インク層5を突き抜け、インク層が被記録体に転写され
たときに、転写記録像中に被記録体の凸部が点在した白
抜け状態となり、全体として濃度の低い記録像となる。
またこの場合、着色剤を含有する第3インク層5は、被
記録体表面の凹部に深く入り込むと共に、第3インク層
5と被記録体とが広く接触して着色剤が被記録体にしみ
込んでしまう。その結果、リフトオフにより転写記録像
を消去しようとしても、被記録体表面凹部の、あるいは
被記録体中にしみ込んだ着色剤まではきれいに除去する
ことができず、消去残りが発生する。
逆に、支持体2の厚みが厚すぎると、インク層に供給さ
れる熱エネルギーが小さくなり、加熱手段から一番離れ
た第4インク層6では熱エネルギーが不足し、加熱部と
非加熱部の差がなくなる。その結果、インク層が加熱部
と非加熱部の境界でシヤープに切れなくなり、転写記録
像のエツジ部にヒゲ状の凹凸が発生する(すなわち、転
写記録像の切れ性が悪くなる)。
また、第4インク層6の厚みが薄すぎても、やはり被記
録体表面の凸部が第3インク層5を突き抜け、転写記録
像が白抜け状態となり、濃度の低い記録像になると共に
消去残りが発生する。第4インク層6が厚すぎる場合
も、支持体の厚い場合と同様に、第4インク層6に供給
される熱エネルギーが不足し、切れ性の悪い記録像とな
る。
本発明の感熱転写材1全体の厚みは、13〜30μm、更に
は15〜25μmが好ましい。
本発明の感熱転写材1を得るには、まず前記した熱溶融
性材料と必要に応じて加えられる着色剤,添加剤ととも
に、アトライター等の分散装置を用いて溶融混練する
か、あるいは適当な溶剤とともに混練して熱溶融性ある
いは溶液状ないしは分散液状の塗工インクを得る。次に
該塗工インクを支持体2上にアプリケーターあるいはメ
イヤバー等を用いて塗工し、必要に応じて乾燥させ、感
熱転写材1を完成する。
つぎに、本発明の感熱転写材を用いる感熱転写記録方法
について説明する。
第2図において、感熱転写材1は第4のインク層6が、
被記録体7と当接され、支持体2側から感熱記録ヘツド
8の発熱素子9からパターン状に熱エネルギーが印加さ
れる。前記感熱転写材1の第1のインク層3は前記熱エ
ネルギー印加によっても支持体2に強固に密着して被記
録体7側に転写しない。しかしながら、第4のインク層
6は被記録体7に対して接着力が発現するとともに、適
度な膜強度をもって、被記録体7に転写する。またこの
とき、第2のインク層4の熱印加部はシヤープメルト
し、半液体状あるいは液体状になり、溶融粘度も低下
し、凝集破壊を非常に起しやすくなる。
ところが、第2のインク層4の非熱印加部は溶融しない
ため、高い凝集力を保持したままとなり、第1のインク
層3と第3のインク層5と強固な接着を維持している。
またこのとき、第3のインク層5と第4のインク層6は
熱印加部も非熱印加部も強固に接着しており、その結
果、熱印加部と非熱印加部との接着力のコントラストが
極めて明確となり、転写像11が被記録体7上に形成され
る。
つぎに本発明の感熱転写体を用いた消去方法について説
明する。第3図において、被記録体7上には、本発明の
感熱転写材により転写記録像11が形成されている。この
転写記録像11と感熱転写材1の第4のインク層6が当接
され、転写記録像11と同一あるいはより拡大された領域
に支持体2側から感熱記録ヘツド8の発熱素子9より熱
エネルギーが印加される。これにより、感熱転写材1の
第4のインク層6は記録時と同様に接着力を発現し、被
記録体7上の転写記録像11と接着する。このとき感熱転
写材1の第2のインク層4は凝集力が低下するが、第4
図に示すごとく剥離部材10を突出させて被記録体7と感
熱転写材1の剥離を前記第2のインク層の強度、すなわ
ち、第1のインク層3と第3のインク層5との接着力及
び第2のインク層の凝集力が回復したのち、被記録体と
感熱転写材1を剥離する。このとき、第4のインク層6
と転写記録像11との接着力も増大し、前記感熱転写材1
を用いて転写記録像11のリフトオフ消去が達成される。
本発明の感熱転写材による転写記録像をリフトオフ消去
をする際に、上記のように感熱転写材自身を用いてリフ
トオフ消去せずに、感熱接着テープを用いてリフトオフ
消去してもかまわない。
以上説明したように、本発明の感熱転写材は、支持体の
厚さが7μm以上で12μm以下、かつ第4のインク層の
厚さが4μm以上で9μm以下であるため、記録印字時
には平滑性の高い被記録体はもとより、平滑性の低い被
記録体に対しても白抜けがなく均一な濃度を有する転写
記録像が得られ、更に得られた転写記録像をリフトオフ
消去した場合はほとんど消え残りのない修正消去が可能
となるのである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
尚、以下に示す重量比率は固形分の比率である。
〔実施例〕
ガラス転移温度0℃、重量平均分子量779000の酢酸ビニ
ル−エチレン共重合樹脂(エチレン含有20%)を使った
エマルジョン(不揮発分40%)を第1表に示す厚みの各
ポリエチレンテレフタレートフイルム上にアプリケータ
ーを用いて塗工し、80℃の熱風乾燥中において1分間の
乾燥を行い、厚さ1.0μmの第1のインク層を得た。
次に前記第1のインク層上に下記の処方1の水分散液を
2倍に希釈し、アプリケーターを用いて塗工し、60℃の
熱風乾燥中において1分間の乾燥を行い、厚さ1.0μm
の第2のインク層を設けた。この第2のインク層の融点
は80℃で、150℃における溶融粘度は20cpsであった。
上記処方2の配合物をプロペラ式攪拌機により均一に混
合し塗工液2を得た。塗工液2を前記第2のインク層上
にアプリケーターを用いて塗工し、60℃,1分間の熱風乾
燥を行い、厚さ1.5μmの第3のインク層を形成した。
上記処方3の配合物を処方2と同様な方法で均一混合
し、塗工液3を得た。塗工液3を前記第3のインク層上
にアプリケーターを用い、乾燥後の厚みが第1表に示す
第4のインク層の厚みとなるように塗工し、本発明の感
熱転写材を得た。
上記のようにして得た25種類の感熱転写材を8mm巾に裁
断し、キヤノン(株)製、電子タイプライターSP400Xを
使用し、被記録体としては平滑性の低いボンド紙(ベツ
ク平滑度2〜3秒)を用いて記録及びリフトオフ消去の
評価を行った。評価結果を第1表に示した。
前記タイプライターSP400Xは記録動作に先立ち感熱転写
材を室温以上に加熱する目的で、感熱記録ヘツドに加熱
ヒーターが組み込まれているが、本評価においては該ヒ
ーターが作動しないようにした。また、リフトオフ消去
は前記SP400Xの感熱修正用テープ収納部に印字時と同じ
感熱転写材を装填することにより、その評価が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の感熱転写材の一例を示す模式断面図、
第2図は本発明の感熱転写材の一例を用いた時の感熱転
写記録方法を説明する模式断面図、第3図及び第4図は
リフトオフ消去方法を説明する模式断面図である。 1……感熱転写材 2……支持体 3……第1のインク層 4……第2のインク層 5……第3のインク層 6……第4のインク層 7……被記録体 8……感熱記録ヘツド 9……発熱素子 10……剥離部材 11……転写記録像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−156993(JP,A) 特開 昭62−183389(JP,A) 特開 昭62−189190(JP,A) 特開 昭62−189191(JP,A) 特開 昭62−189192(JP,A) 特開 昭62−121092(JP,A) 特開 昭62−116187(JP,A) 特開 昭58−220795(JP,A) 特開 昭62−104794(JP,A) 特開 昭61−144393(JP,A) 特開 昭60−101083(JP,A) 特開 昭60−56592(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、前記支持体側から順に少なく
    とも第1のインク層,第2のインク層,第3のインク層
    及び第4のインク層を有し、前記支持体の厚さが7μm
    以上で12μm以下、前記第1のインク層の厚さが0.5μ
    m以上で5μm以下、前記第4のインク層の厚さが4μ
    m以上で9μm以下であり、かつ少なくとも前記第3の
    インク層に着色剤を含有することを特徴とする感熱転写
    材。
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