JPH07252250A - 新規エンインアレン化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規エンインアレン化合物及びその製造方法

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JPH07252250A
JPH07252250A JP4274894A JP4274894A JPH07252250A JP H07252250 A JPH07252250 A JP H07252250A JP 4274894 A JP4274894 A JP 4274894A JP 4274894 A JP4274894 A JP 4274894A JP H07252250 A JPH07252250 A JP H07252250A
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JP4274894A
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English (en)
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Kazuatsu Toshima
一敦 戸嶋
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Sterling Winthrop KK
Original Assignee
Sterling Winthrop KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】下記式 [式中、Rは−CO−R′(ここで、R′はC−C
のアルキル基、C−C10のアリール基又はC−C
14の複素環基であり、これらの基は置換基を有してい
ても良い)で表される基である]で表される新規10員
環エンインアレンスルホン化合物及びその製造方法。 【効果】公知の10員環エンジインスルフィド化合物に
比較して高いDNA鎖切断活性を有し、安定で取り扱い
やすい点に特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DNA鎖の切断活性を
もつ新規エンインアレン化合物及びその製造方法に関す
る。更に詳細には、極めて高いDNA鎖切断活性をもつ
新規な10員環エンインアレンスルホン化合物及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビシクロジイネン抗生物質として
分類されるエスペラミシン、カルチェミシン等の抗生物
質が、既存の抗癌剤と比較して極めて高い抗腫瘍活性を
示すことが報告された。更に、これらの抗生物質はビシ
クロジイネンという特異な化学構造を持ち、その構造に
よりフェニルラジカルが誘導され、このラジカルがDN
A鎖を切断するという作用機構に係わっていることも報
告されている。
【0003】この特異な構造は、既に構造が知られてい
たネオカルチノスタチン・クロモフォアと類似し、同様
なDNA鎖切断活性も実証された。
【0004】発明者等は、この特異な構造を持ち、合成
工程が短く合成が容易である高度に単純化された構造の
10員環エンジインスルフィド化合物を合成し、この化
合物のDNA鎖切断活性を確認している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、既に
合成した10員環エンジインスルフィド化合物の活性を
更に改善するため、この化合物から誘導される種々の優
れた特性をもつ化合物を合成し、その活性を確認するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的化合物は、
下記の式1
【化4】 で表されるエンインアレン化合物である。
【0007】式中、Rは水素、又はーC0−R’又はー
CS−R’で表される基であり、R’はC1−C4の分岐
していても良いアルキル基、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s
ec−ブチル、t−ブチル等であり、また置換基を持っ
ていても良く;C6−C10のアリール基、例えばフェニ
ル、ナフチル等であり、置換基を持っていても良く;又
はC4−C14個の環構成原子数をもつ単環又は縮合環で
ある複素環基、例えば、それぞれ1〜3個の窒素、酸
素、硫黄等を環の構成原子として含むものであり、これ
らの基は置換基を有していても良い基である。これらの
複素環としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダ
ゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル
等の五員複素環、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、
ピラジニル、ピリダジニル等の六員環、インドリル、イ
ンドリジニル、インダゾリル、ベンゾフラニル、プリニ
ル、キノニル、フタラジニル、ナフチジニル、キノキサ
リニル、シンノリニル、キナゾリニル、ベンゾキサジニ
ル、クロマニル等の縮合複素環が含まれる。
【0008】これらR’に含まれる基のうち、比較的合
成が容易であるか、又は取り扱いが容易であろうものと
してはC1−C3アルキル基、フェニル基、ナフチル基、
ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジニ
ル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、フ
タラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、
キナゾリニル基、及びシンノリニル基等が好ましい。
【0009】また、下記の条件を満たす限り、R’は例
示された基に限定されるものではない。すなわち、本発
明のエンインアレン化合物がDNA鎖に作用する際に、
塩基性条件下で−OR基が脱離してエンインアレン化合
物の10員環骨格が芳香族環に転化して、ラジカルを形
成する。塩基性条件下では、−ORへの電子の移動によ
り、この基が脱離されることが判明している。したがっ
て、このような電子の移動を妨げないかぎり、どのよう
な基も本発明の化合物のR’に含まれるものとする。
【0010】また、R’で表される基に結合されていて
も良い置換基については、上記のようにエンインアレン
化合物のラジカル形成反応はーOR基への電子の移動に
よって起こると考えられるから、置換基はいわゆる電子
吸引基、例えばニトロ基、カルボキシル基、ニトリル基
等であることが好ましい。置換基はこのような−OR基
の脱離を促進するか又は少なくとも妨害しないものであ
ることが必要である。
【0011】本発明の化合物は周囲温度での操作におい
ても安定であり、かつ高いDNA鎖切断活性があること
が確認されている。
【0012】上記式1の化合物は、式2で表される10
員環エンジインスルフィド化合物をメタ−クロロ過安息
香酸(mCPBA)のような過酸化物の作用により不活
性溶媒中でスルホンに酸化することによって合成でき
る。
【0013】
【化5】 [式中、Rは前述のとおりである。]反応は式2の化合
物を、メタ−クロロ過安息香酸のような過酸化物の存在
において、ジクロロメタンのような不活性溶媒中で10
〜40℃、好ましくは20〜30℃、30分〜5時間、
好ましくは30分〜3時間の条件で酸化させて目的のエ
ンインアレン化合物を得ることができる。
【0014】また、出発化合物である式2の10員環エ
ンジイン化合物は下記の反応によって合成できる。
【0015】
【化6】 この化合物の合成方法の詳細は本発明の発明者が発表し
た ”J. Chem. Soc.,Chemical Communications" Issue
18, pp.1306-1308, 1992 に説明されている。
【0016】本発明化合物のDNA鎖切断活性は、スー
パーコイルФX174DNAを用いるpH 8.5にお
ける検定で確認され、対応するエンジインスルフィド化
合物に比較して10〜100倍高いことが判明した。
【0017】本発明のエンインアレン化合物は塩基性条
件下でアシルオキシ基が脱離し、エンアレンクムレン中
間体を経て芳香族ラジカルが生成され、このラジカルが
作用してDNA鎖が切断されることが判明した。このラ
ジカル生成は次の機構で表すことができる。
【0018】
【化7】 以下、実験例及び実施例により、本発明を更に詳しく説
明する。
【0019】実験例 上記の式1で表わされる化合物である下記の化合物1〜
4を用いて、それぞれの化合物のDNA鎖切断活性を検
討した。(化合物2〜4は本発明の化合物であり、化合
物1は本発明のものではない。) 化合物1: 式1中のRが水素、 化合物2: Rがアセチル(−COCH3) 化合物3: Rがベンゾイル(−COC56) 化合物4: Rが2−キノキサロイル
【化8】 この実験では、ФX174 フォームI DNA(50μ
mol・dm-3/塩基対)を上記の各化合物と共に20
%ジメチルスルホキシド・トリス−酢酸緩衝液(pH
8.5)中で37℃で24時間インキュベートし、その
後電気泳動(1%アガロースゲル、エチジウムブロマイ
ド染色)により分析した。この化合物の添加量は10
0、又は10μmol・dm-3であった。分析の結果は
添付の図1に示す。
【0020】図1中、レーン1はDNAだけをインキュ
ベートした対照であり、レーン2〜5は、それぞれ化合
物1〜4を100μmol・dm-3の濃度で添加したも
のであり、レーン6〜8は、それぞれ化合物1〜4を1
0μmol・dm-3の濃度で添加したものである。
【0021】図1の結果から明らかなように、化合物2
〜4はそれぞれDNA鎖切断活性を示したが、化合物1
には殆ど活性が見られなかった。化合物2〜4は分子の
適当な位置に好ましい脱離基を有し、DNA鎖を切断し
て、一本鎖切断によって、ニックされた開環状DNA
(フォームII)を生じた。さらに、化合物2〜4のD
NA鎖切断活性は式1の−ORに該等するエステル基の
種類にはほぼ無関係であり、対応するエンジインスルフ
ィドに比較して10〜100倍であった。尚、エンジイ
ンスルフィドの活性については、前掲の "J. Chem. So
c., CHEM. COMMUN., 1992 を参照されたい。
【0022】
【実施例】
実施例1
【化9】 式中のRがアセチルであるエンジインスルフィドをジク
ロロメタン中に約0.15M濃度に溶解し、この溶液に
エンジインスルフィド当量に対して2.5当量のメター
クロロ過安息香酸を添加し、25℃で2時間撹拌して酸
化反応を行い、反応系内に飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液を注加後、ジエチルエーテルにて抽出し、有機相を減
圧濃縮した。その残渣をシリカゲルークロマトグラフィ
ー(ベンゼン/ジエチルエーテル=2/1)で精製し、
目的のエンインアレンスルホンを回収した。(収率:7
6%) 得られた化合物をシリカゲルークロマトグラフィーで精
製し、NMRスペクトルにより同定した。
【0023】
【式1】 実施例2 実施例1の式中Rがベンゾイルである化合物を用い、実
施例1と同様の条件で目的化合物をえた。(収率:63
%)
【0024】
【式2】 実施例3 実施例1の式中Rがキノキサロイルである化合物を用
い、実施例1と同様の条件で化合物を得た。(収率:7
8%)
【0025】
【式3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物のDNA鎖切断活性をしめす、
電気泳動の写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式 【化1】 [式中、RはーC0−R’(ここで、R’はC1−C4
    アルキル基、C6−C10のアリール基又はC4−C14の複
    素環基であり、これらの基は置換基を有していても良
    い)で表される基である]で表される化合物。
  2. 【請求項2】上記式中、R’がC1−C3アルキル基、フ
    ェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピ
    リミジル基、ピリダジニル基、インドリル基、キノリル
    基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル
    基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、及びシンノリ
    ニル基から選択される基である特許請求の範囲第1項記
    載の化合物。
  3. 【請求項3】次の式 【化2】 [式中、Rは−CO−R’(ここで、R’はC1−C4
    アルキル基、C6−C10のアリール基又はC4−C14の複
    素環基であり、これらの基は置換基を有していても良
    い)で表される基である]で表されるエンジインスルフ
    ィドを過酸化物の存在において、不活性溶媒中で酸化さ
    せることからなる、式 【化3】 [式中、Rは上記のとおりである]で表されるエンイン
    アレンスルホン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】上記の酸化反応が10〜40℃で30分〜
    5時間行われることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】上記の酸化反応が20〜30℃で30分〜
    3時間行われることを特徴とする請求項4記載の方法。
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