JPH0725224U - 水冷形予燃焼室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 予燃焼室付電気着火リーンバーンエンジンに
おいて、点火栓取付部に冷却水を通水して冷却し点火プ
ラグ部の温度低減をはかり、失火又はフラッシュオーバ
を防止し、ターミナルシールの耐久性向上をはかった水
冷形予燃焼室を提供するにある。 【構成】 予燃焼室センタより偏心した上壁８上の位置
に点火プラグねじ穴３を設け、偏心により生じた点火プ
ラグねじ穴外周の前記上壁厚肉部に複数のボアクール穴
４，５あるいは貫通穴６を設け、予燃焼室外周の冷却水
を前記穴４，５，６に流し前記点火プラグ部の温度を低
減させたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は予燃焼室付電気着火式（点火プラグ使用）機関の予燃焼室構造に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

予燃焼室付電気着火式機関において、特に予燃焼室に冷却構造を採用したもの はない。（図６参照）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

低ＮＯｘを実現できるリーンバーン（希薄燃焼）ガス機関の代表である予燃焼 室付機関では、予燃焼を行わせるために点火プラグ９ならびにターミナルシール １０を予燃焼室の上壁８に取り付けている。そして外部よりの抵抗入りコード１ １により点火信号を送り、点火プラグ９をスパークさせ予燃焼室ガスを着火させ ている。 点火スパーク時点火プラグ９のターミナルナット１２と主体金具１３間には高 電圧が作用するため、この間の電圧リークをターミナルシール（ゴムシール）１ ０により絶縁している。 しかるに、予燃焼室１は高温高圧の環境にあることから、ゴムの劣化（硬化な らびに変形）のため、ターミナルシール１０には劣化あるいは間隙を生じ、電圧 がリークして失火を起すことになる。

【０００４】 本考案の目的は予燃焼室付電気着火式リーンバーンエンジンにおいて、点火プ ラグを取付けている予燃焼室の上壁にボアクール穴又は貫通穴を設け、予燃焼室 の外周の冷却水により点火栓取付部を冷却し、点火プラグ部の温度低減をはかり 、失火の防止とターミナルシールの耐久性向上をはかった水冷形予燃焼室を提供 するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の水冷形予燃焼室は、シリンダカバーに取り付けた予燃焼室付電気着火 式リーンバーンエンジンの点火プラグのフラッシュオーバあるいは失火を防止す るものにおいて、予燃焼室センタより偏心した位置にプラグ取付穴（２）及びプ ラグねじ穴３を設け、偏心により生じた点火プラグねじ穴外周の前記上壁厚肉部 に複数のボアクール穴４，５あるいは貫通穴６を設け、予燃焼室外周の冷却水を 前記穴４，５，６に流し、前記点火プラグ部の温度を低減させたことを特徴とし ている。

【０００６】

【作用】

プラグねじ穴３を偏心させたことにより上壁８上のプラグねじ穴３の外周には 厚肉部と薄肉部が構成され、この肉厚差によりねじ穴円周の温度差は約８０℃の レベルとなる（厚肉部が高温となる）。しかるに本考案では厚肉部に４，５，６ のボアクール穴及び貫通穴を設け、その穴にシリンダカバーの冷却水を導入して いるので厚肉側の温度を低減させることができるため点火プラグの失火が防止さ れ、ターミナルシールの寿命も延長される。

【０００７】

【実施例】

以下図１〜５を参照し本考案の実施例について説明する。図１は第１実施例に 係る予燃焼室の断面図、図２は図１のｘ−ｘ断面図、図３は図１のｚ−ｚ断面図 、図４は図３のｙ−ｙ断面図、図５は第２実施例としてのｚ−ｚ断面図である。 図１の予燃焼室１の上部は上壁８となっており、その下部の空間は予燃焼室と なっている。この上壁８には点火プラグ９が取り付けられているが、予燃焼室１ のセンタより偏心した位置にプラグ取付穴２とプラグねじ穴３を設け偏心によっ て生じた上壁８のプラグねじ穴３周りの厚肉部に対し、図２〜４に図示したもの は冷却水を通すボアクール穴４，５を設けた第１実施例であり、図５に図示した ものは冷却水を通す貫通穴６を設けた第２実施例である。なお７は予燃焼室１に 燃料ガスを送る通路である。

【０００８】 次に前記実施例の作用について説明する。 本考案では燃焼室の上壁８の点火プラグ穴３は上壁８のセンタより偏心して明 けられているので、前記ボアクール穴に冷却水を通さないときにはプラグねじ穴 ３の外周に構成される厚肉部と薄肉部との間に肉厚差を生じ冷却水を通水しない ときはねじ穴円周の両部分の温度差は約８０℃のレベルとなる。 ところが本考案では厚肉部に設けられた第１実施例のボアクール穴４，５又は 第２実施例の貫通穴６に冷却水を通水しているので非冷却のものにくらべ上壁８ の温度が約１００℃近く低下し、点火プラグ不良による燃焼不良あるいは失火の 割合が大巾に改善されると共にターミナルシールの寿命が長くなり耐久性が向上 する。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は前記のとおり構成したので次項の効果を生じる。 （１）本考案の採用により非冷却の従来例に比べ点火栓付近の温度を１００℃ 近く低下させることができた。 （２）前記温度低下によりターミナルシールの寿命が大巾に延長される。 （３）点火プラグの不良による燃焼不良あるいは失火の欠陥が大巾に改善でき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係る予燃焼室の断面図。

【図２】図１のｘ−ｘ断面図。

【図３】図１のｚ−ｚ断面図。

【図４】図３のｙ−ｙ断面図。

【図５】第２実施例としての図１のｚ−ｚ断面図。

【図６】従来の予燃焼室付近を示す断面図。

【図７】点火プラグ、ターミナルシールを示す図。

【符号の説明】

１…予燃焼室、２…プラグ取付穴、３…プラグねじ穴、
４，５…ボアクール穴、６…貫通穴、７…燃料ガス通
路、８…（予燃焼室）上壁、９…点火プラグ、１０…タ
ーミナルシール、１１…（電気）抵抗入りコード、１２
…ターミナルナット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダカバーに取り付けた予燃焼室付
   電気着火式リーンバーンエンジンの点火プラグのフラッ
   シュオーバあるいは失火を防止するものにおいて、予燃
   焼室センタより偏心した位置にプラグ取付穴（２）及び
   プラグねじ穴（３）を設け、偏心により生じた点火プラ
   グねじ穴外周の厚肉部に複数のボアクール穴（４）
   （５）あるいは貫通穴（６）を設け、予燃焼室外周の冷
   却水を前記ボアクール穴あるいは貫通穴に流し、点火プ
   ラグ部の温度を低減させたことを特徴とする水冷形予燃
   焼室。