JPH0725223U - 渦流室式ディーゼルエンジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 渦流室における一次燃焼を改善し、スモーク
生成量を低減できるのみならず、エンジン出力を向上さ
せ、更に燃費も改善することができる渦流室式ディーゼ
ルエンジンを提供すること。 【構成】 噴孔７を介して主室４に連通する渦流室３の
内壁面９と連続面を成す前記噴孔７の下側斜面８の幅
を、この下側斜面８に対峙する上側斜面13の幅よりも幅
広として形成した渦流室式ディーゼルエンジン。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は燃焼効率の改善を図った渦流室式ディーゼルエンジンに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

渦流室式ディーゼルエンジンは、図３に示すように、シリンダヘッド１とホッ トプラグ２との間に渦流室３を形成し、吸入行程で主室４に吸入した空気の一部 を、圧縮行程で渦流室３に充填し、燃焼行程で燃料噴射ノズル５から噴射した燃 料噴霧をグロープラグ６で気化し、吸入行程で渦流室３内に発生した渦流によっ て燃料噴霧と空気の混合を促進し、渦流室３内における一次燃焼を促進するよう になっている。

【０００３】 ところで、従来の渦流室式ディーゼルエンジンでは、主室４と渦流室３とを連 通する噴孔７の形状が、図４に示すように、ほぼ楕円形状をしているため、圧縮 行程で主室４から渦流室３に流入する空気の流れの流心は、噴孔７のほぼ中央部 に位置することになり、その結果、図３中に矢印で示すように、噴孔７の下側斜 面８から離間した流れになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、渦流室３内における一次燃焼を促進し、燃焼効率を高めるためには 、圧縮行程における主室４から渦流室３への空気の流れを、噴孔７の下側斜面８ に沿わせ、渦流室３の内壁面９の近くをできるだけ大きなループを描くように流 すことによって、スムーズな渦流を発生させる必要がある。

【０００５】 しかしながら、上述した従来の渦流室式ディーゼルエンジンでは、圧縮行程に おける主室４から渦流室３への空気の流れが、噴孔７の下側斜面８から離間して いるため、渦流に乱れが発生しがちであり、一次燃焼の効率が低ならざるを得な いことから、スモーク生成量が比較的に多く、エンジン出力や燃費の面でも更な る改善が要求されているという問題があった。

【０００６】 本考案は以上の問題点に鑑みて、渦流室における一次燃焼を改善し、スモーク 生成量を低減できるのみならず、エンジン出力を向上させ、更に燃費も改善する ことができる渦流室式ディーゼルエンジンを提供することを目的とするものであ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案の渦流室式ディーゼルエンジンは、噴孔を介 して主室に連通する渦流室の内壁面と連続面を成す前記噴孔の下側斜面の幅を、 この下側斜面に対峙する上側斜面の幅よりも幅広として形成したものである。 前記噴孔の流路断面の形状は、下側斜面に近接する部分を、上側斜面に近接す る部分よりも拡張して幅広に形成していれば良いので、例えば、下側斜面を長辺 とし、上側斜面を短辺とする台形形状などにすると好ましい。

【０００８】

【作 用】

本考案の渦流室式ディーゼルエンジンは以上の構成を有しているため、圧縮行 程において主室から渦流室に流入する空気の流れの流心は、噴孔の下側斜面に近 接した位置をとることになり、噴孔から渦流室に流入する空気は、この下側斜面 と連続面を成す渦流室の内壁面に沿ってスムーズな渦流を発生する。

【０００９】

【実 施 例】

次に図面を参照して本考案の渦流室式ディーゼルエンジンの一実施例を説明す る。図１に示すように、本実施例では、二次燃焼が行われる主室４に面するシリ ンダヘッド１に嵌合穴10を形成し、更にその奥に連続して渦流室３の上半分を構 成する凹部11を形成している。

【００１０】 また、この嵌合穴10にはホットプラグ２を嵌合しており、このホットプラグ２ には、渦流室３の下半分を構成する凹部12と、この渦流室３と主室４とを連通す る噴孔７を形成している。 この噴孔７の形状は、図２に示すような形状をしており、渦流室３の内壁面９ と連続面を成す噴孔７の下側斜面８に近い部分を長辺とし、上側斜面13に近い部 分を短辺とする、ほぼ台形形状に形成している。

【００１１】 このように、噴孔７の下側斜面８に近い部分を拡張しているため、圧縮行程に おいて主室４から渦流室３に流入する空気の流れの流心は、この下側斜面８に近 い部分に位置することになる。 従って、渦流室３内に発生する渦流は、図３中に矢印で示すように、渦流室３ の内壁面９に沿って大きなループを描き、スムーズな流れとなるので、燃料噴射 ノズル５から噴射され、グロープラグ６によって気化される燃料は、この渦流に よって空気との混合が著しく促進され、燃焼状態を大幅に改善することができる のである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案に係る渦流室式ディーゼルエンジンは、噴孔を介して主室に連通する渦 流室の内壁面と連続面を成す前記噴孔の下側斜面の幅を、この下側斜面に対峙す る上側斜面の幅よりも幅広として形成したので、以下の効果を奏することができ る。

【００１３】 圧縮行程において主室から渦流室に流入する空気の流れの流心に位置を、噴孔 の下側斜面に近接させることができ、噴孔から渦流室に流入する空気を、この下 側斜面と連続面を成す渦流室の内壁面に沿って流すことができるため、スムーズ な渦流を発生させることができる。 従って、渦流室における一次燃焼を改善することができ、スモーク生成量を低 減することができると共に、エンジン出力の向上や燃費の改善を図ることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例における渦流室式ディーゼル
エンジンの要部断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】従来の渦流室式ディーゼルエンジンの要部断面
図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

３ 渦流室 ４ 主室 ７ 噴孔 ８ 下側斜面 ９ 内壁面 13 上側斜面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 噴孔を介して主室に連通する渦流室の内
   壁面と連続面を成す前記噴孔の下側斜面の幅を、この下
   側斜面に対峙する上側斜面の幅よりも幅広として形成し
   た渦流室式ディーゼルエンジン。