JPH0725183Y2 - 電気洗濯機の回転駆動機構 - Google Patents

電気洗濯機の回転駆動機構

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JPH0725183Y2
JPH0725183Y2 JP1988167325U JP16732588U JPH0725183Y2 JP H0725183 Y2 JPH0725183 Y2 JP H0725183Y2 JP 1988167325 U JP1988167325 U JP 1988167325U JP 16732588 U JP16732588 U JP 16732588U JP H0725183 Y2 JPH0725183 Y2 JP H0725183Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、一槽式電気洗濯機の洗濯槽およびパルセー
タを回転駆動させる電気洗濯機の回転駆動機構に関する
ものである。
〔従来の技術〕
一槽式電気洗濯機は、洗濯と脱水を同一槽内で連続的に
行うもので、通常、洗濯時には洗濯槽の底部に設けられ
たパルセータのみが低速回転して衣料等をもみ洗いし、
脱水時にはパルセータと洗濯槽が一体的に高速回転して
衣料等を遠心脱水するようになつている。
このような洗濯時の回転と脱水時の回転は、例えば第5
図に示すような回転駆動機構によつて制御されている。
図において、1はメインシヤフトで、下端部1aにモータ
駆動を受けるプーリー20が固定されており、モータ(図
示せず)と1対1で回転し、この回転を、上端部1bに固
定した太陽歯車7に伝達する。2はパルセータシヤフト
で、上記メインシヤフト1と同軸上に配設されており、
後述する遊星歯車群6の回転軸を固定する蓋体8にスプ
ライン結合によつて固定されている。そして、その上端
にはパルセータ15が取り付けられており、遊星歯車群6
と一体的に回転してパルセータ15を回転させるようにな
つている。3はメインシヤフト1にオイレスメタル3aを
介して外嵌された外筒で、その下端部外側にバネクラツ
チ16が取り付けられている。このバネクラツチ16がONの
状態で外筒3はメインシヤフト1と一体的に回転するよ
うになつている。なお、17は外筒3のフランジ縁部に設
けられた溝部で、油漏れ防止のためのゴムパツキン18が
装填されている。4はギヤケースで、下端側がお椀を伏
せたような大径部に形成されて下向きラツパ状をしてお
り、上記外筒3のフランジ部にねじ止めされており、外
筒3と一体的に回転するようになつている。なお、その
上端部には軸受3bを介して洗濯槽19が固定されている。
5は外輪歯車で、ギヤケース4の内周面に嵌合されてお
り、その内周面に切られた歯が下記の遊星歯車群6と噛
み合つている。遊星歯車群6はメインシヤフト1の軸心
と同心円上に等分に配置されており、内側の歯が前記太
陽歯車7と噛み合い、外側の歯が上記外輪歯車5と噛み
合つている。9はブレーキホイールで、ギヤケース4と
外筒3の外側に、両者をねじ止めするねじを利用して固
定されている。このブレーキホイール9の外周面にはブ
レーキバンド10が巻回されている。このブレーキバンド
10の両端はブレーキレバー(図示せず)に接続されてお
り、ブレーキレバー10の操作によりブレーキホイール9
を巻き締めてギヤケース4および外筒3の回転にブレー
キをかけることができるようになつている。なお、20′
は板金で成形されたモータ台である。
上記の構成において、衣料を洗濯する場合には、バネク
ラツチ16がOFFとなり、外筒3およびギヤケース4は停
止した状態でメインシヤフト1のみが高速回転し、この
回転が遊星歯車群6によつては減速される。したがつ
て、洗濯槽19が停止した状態で、パルセータ15のみが低
速回転して洗濯槽19内で水流を作り出す。この水流は、
通常、反転するようになつており、ギヤケース4内での
遊星歯車群6の回転方向は単位時間ごとに反転する。
〔考案が解決しようとする問題点〕
したがつて、このような回転駆動機構では、遊星歯車群
6の反転のたびに大きなトルクがギヤケース4にかか
り、これを受けるためにギヤケース4は鋳鉄製とした方
がよいとされてきた。しかし、鋳鉄製では、ギヤケース
4の内面に直接ギヤ部を形成するのに加工面で多くの工
程を要し、割高になる。そこで、わざわざギヤケース4
の内側に外輪歯車5を嵌合させ、これに遊星歯車群6と
太陽歯車7を組み合わせて減速機構を形成している。こ
のため、部品点数が多く組み合わせが複雑で全体が大き
くなり、回転駆動部の重量が重く、反転時のがたつき
が大きい、複雑な組み合わせであるため各部品に余裕
をもたせる必要があり、回転時のがたつきが大きい。こ
のため、騒音が大きく、各歯車の損傷も激しくなり、
部品交換の頻度が高い、外輪歯車5の歯がモジユール
の小さいものとなり遊星歯車群6の歯もこれに拘束され
るため一定の強度を確保しようとすれば樹脂素材に換え
ることができず、歯車がいずれも金属製で音が大きい、
等の問題がある。しかも、ギヤケース4と外筒3,ブレー
キホイール9の接合をねじ止めによつて行つているた
め、どうしても隙間からの油漏れが発生し、充分に接
合部をシールする必要があり、ゴムパツキン18を介在さ
せる等の手間がかかり、ねじ止め作業と併せて非常に組
み立てが煩雑である、高速回転によつてねじ止め部分
が緩み、がたついて騒音を生じる、等の問題がある。
そこで、この出願人は、これらの問題を解決するため
に、上記ギヤケース4をアルミニウム冷間鍛造製品にし
てギヤケース4内面に遊星歯車6と噛み合うギヤ部を直
接、かつ安価に加工し、従来必要であつた太陽歯車7と
外輪歯車5を省略するとともに、ギヤケース4を外筒3
に一体的にかしめた回転駆動機構を開発し、すでに出願
している(実願昭62−159753号、昭和62年10月19日出
願)。
上記出願の回転駆動機構によれば、太陽歯車7と外輪歯
車5を省略でき、構造が大幅にコンパクトになり、軽量
で組み立て作業が容易になるとともに、遊星歯車群6の
モジユールも大きく設定でき、各歯車のセンター出しも
容易になるという多くの利点を有する。しかしながら、
当初、この出願人は、上記回転駆動機構の採用により、
太陽歯車7と外輪歯車5の省略のみならず、ブレーキホ
イール9の省略をも併せて達成することを企図したが、
ギヤケース4の冷間鍛造条件によつてはギヤケース4外
周面の硬度が不充分になり、ギヤケース4外周面に直接
ブレーキバンド10を巻回するとギヤケース4外周面が損
傷するため、必ずしもギヤケース4をアルミニウム冷間
鍛造製品にするだけではブレーキホイール9を省略でき
るとは限らないことが判明した。
この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、ギ
ヤケース外周面が直接ブレーキバンドを巻回することの
できる電気洗濯機の回転駆動機構を、安価に提供するこ
とをその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この考案の電気洗濯機の回
転駆動機構は、プーリーを介してモータ駆動を受けるメ
インシヤフトと、上記メインシヤフトに外嵌されバネク
ラツチの切り換えによつてメインシヤフトの回転が断続
的に伝達される外筒と、上記メインシヤフトの回転を減
速する遊星歯車群と、上記遊星歯車群を被覆し上記外筒
と一体的に回転しその回転力によつて洗濯槽を回転させ
るギヤケースと、上記ギヤケースの回転を制動するブレ
ーキバンドと、上記遊星歯車全体の回転が伝達されその
回転力によつてパルセータを回転させるパルセータシヤ
フトを備える電気洗濯機の回転駆動機構であつて、上記
メインシヤフトの上端部が遊星歯車群と噛み合うギヤ部
に形成され、上記ギヤケースが、少なくともその外周面
に酸化アルミニウム皮膜が形成され外周面硬度がHV150
以上になつているアルミニウム冷間鍛造製品であつて、
その内周面が遊星歯車群と噛み合うギヤ部に形成され、
しかもその下端面が外筒上端部にかしめられており、上
記ギヤケース外周面に、ブレーキホイールを介すること
なく直接ブレーキバンドが巻回されているという構成を
とる。
〔作用〕
すなわち、この考案は、前記先願(実願昭62−159753
号)と同様、ギヤケースをアルミニウム冷間鍛造製品と
することにより、この内側に直接ギヤ加工を施して遊星
歯車の外側と噛み合うようにするとともに、メインシヤ
フトの上端部を遊星歯車の内側と噛み合うギヤ部に形成
して、太陽歯車と外輪歯車とを省略し、ギヤケースを大
幅にコンバクトにしたものである。しかも、ギヤケース
の外周面に酸化アルミニウム被膜を形成して、外周面硬
度をHV150以上に高めているため、ギヤケースに、ブレ
ーキホイールを介することなく、直接ブレーキバンドが
巻回することができ、従来のような、ブレーキホイール
とのねじ結合が不要で、一層組み立てが容易となりがた
つきも生じない。したがつて、前記ギヤケース部分のコ
ンパクト化と相俟つて、静かな回転駆動を達成すること
ができる。
つぎに、この考案を、実施例にもとづいて説明する。
〔実施例〕
第1図はこの考案の一実施例を示している。
この電気洗濯機の回転駆動機構では、メインシヤフト21
の上端部21aが、後述する遊星歯車群26の内側と噛み合
うギヤ部に形成されている。また、ギヤケース24が、外
筒3のフランジ部にかしめられて固定されており、外筒
3と一体的に回転するようになつている。そして、、こ
のギヤケース24の内周面24aは、遊星歯車群26の外側と
噛み合うギヤ部に形成されている。遊星歯車群26は、メ
インシヤフト21の軸心と同心円上に等分に配置されてお
り、内側の歯が前記メインシヤフト21の上端部21aのギ
ヤ部と噛み合い、外側の歯が上記ギヤケース24の内周面
24aのギヤ部と噛み合つている。また、上記ギヤケース2
4の外周面には、直接ブレーキバンド10が巻回されてい
る。
他の構成は第5図と同様であり、この考案の要旨ではな
いので省略している。
なお、上記実施例において用いるギヤケース24は、アル
ミニウム合金6061(Al−Mg−Si系)を冷間鍛造によつて
成形したのち、下記の手順でその表面全体に酸化アルミ
ニウム皮膜を形成したものである。
〈酸化アルミニウム皮膜の形成〉 成形されたギヤケース24を所定の治具で吊り下げ、脱
脂浴に浸漬して表面の脱脂を行う。
水洗後、エツチング浴に浸漬して表面をごく微小な粗
面にする。
水洗,中和後、所定の酸化浴に浸漬し、治具あるいは
ギヤケース24自体を陽極に設定して所定時間、陽極酸化
を行う。これによつてギヤケース24の表面に酸化アルミ
ニウム被膜が形成される。
水洗を繰り返したのち治具から外し、自然乾燥させて
目的とするギヤケース24を得る。
上記一連の手順は、通常のアルマイト処理に準じるもの
であるが、この考案では、特に、酸化アルミニウム皮膜
によつて補強されたギヤケース24の外周面の硬度(ビツ
カース硬度)がHV150以上になるよう酸化条件を調整す
ることが必要である。
なお、ギヤケース24の表面硬度を、下記のようにして測
定した。すなわち、第2図に示すように、ギヤケース24
の細径部の4個所(a〜d)を切り出し、表面側のビツ
カース硬度を、微小硬度計(MVK−D、明石製作所社
製)を用いて測定した。また、対照品として酸化アルミ
ニウム皮膜を形成しないギヤケースを用意し、上記と同
様にしてその表面のビツカース硬度を測定した。
これらの結果を下記の表に示す。
上記の結果から、酸化アルミニウム皮膜を形成したギヤ
ケース24の表面硬度は、未処理品に比べ、大幅に向上し
ていることがわかる。
このように、上記実施例では、ギヤケース24内の歯車を
遊星歯車群26のみに簡略化したため、ギヤケース24が大
幅にコンパクトなものとなり、全体として非常に軽量化
することができた。そして、ギヤケース24の内周面24a
に形成したギヤ部の歯をモジユールの大きな大形のもの
(モジユール1.0)に設計することができるため、遊星
歯車群26の各歯車の強度も充分なものとなり、樹脂製の
ものに置き換えることができた。そして、各歯車(ギ
ヤ)のセンター出しも容易で、がたつくことがなかつ
た。すなわち、ギヤケース24,遊星歯車群26,メインシヤ
フト21は、第3図に示すように、ギヤケース24内周面24
aのギヤ部に遊星歯車群26の外側を噛み合わせながら挿
入してのち、さらに上記遊星歯車群26の内側に、メイン
シヤフト上端部21aのギヤ部を噛み合わせながら挿入す
れば、容易に組み立てることができ、それぞれのギヤ部
の噛み合わせによつて充分なセンター出しが達成されて
いる。また、ギヤケース24と外筒3をかしめによつて取
り付けているため、従来のようなねじ止め作業が不要
で、ねじ止めに由来する手間の煩雑さや回転時のがたつ
き,油漏れ等の問題を解消することができた。さらに、
ギヤケース24の外周面に酸化アルミニウム皮膜で被覆し
てギヤケース24の外周面に直接ブレーキバンド10を巻回
するようにしているため、従来必要であつたブレーキホ
イールが不要となり、製造コストの低減化と装置の軽量
化,騒音の低減化を実現することができた。
なお、上記実施例において、外筒3にギヤケース24をか
しめて固定する際、第4図に示すように、外筒3の上端
面に、円周方向に数本の突条30を設けておくと、矢印の
ようにギヤケース24を外嵌してかしめるときに、この突
条30がアルミニウム冷間鍛造製であるギヤケース24の下
端面に食い込むため、両者の接合部がより充分にシール
され、一層効果的に油漏れを防ぐことができる。
〔考案の効果〕
以上のように、この考案の電気洗濯機の回転駆動機構
は、ギヤケースがアルミニウムの冷間鍛造製で、その内
周面にギヤ部を形成したものであるため、ギヤケースが
コンバクトになり、減速機構部における歯車構成を簡略
化することができる。したがつて、モジユールの大きな
樹脂製歯車を用いることができ、回転時の騒音を小さく
することができる。しかも、ギヤケース内が軽量になる
ため、反転によつて生じるがたつきが少なくなり騒音も
少ない。さらに、組み立てが容易で各歯車のセンター出
しが簡単にできるため、がたをとる必要がなく、回転時
の騒音が小さくなる。そして、ギヤケースと外筒をかし
めによつて一体化したため、ねじ止めのようながたつき
がない。また、これらの効果に加えて、ギヤケースの少
なくとも外周面に酸化アルミニウム皮膜を形成してその
表面硬度をHV150以上に高め、ギヤケースの回転を制動
するブレーキバンドを直接ギヤケースに巻回するように
しているため、従来のものに比べ、ギヤケースのコンパ
クト化と相俟つて一層コンパクトで軽量の回転駆動機構
となる。したがつて、この考案の回転駆動機構を備えた
電気洗濯機は、全体として軽量で、騒音の小さい、優れ
たものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例の要部を示す縦断面図、第
2図はギヤケース表面の硬度測定方法を説明する説明
図、第3図は上記実施例の分解斜視図、第4図は他の実
施例を示す部分的な断面図、第5図は従来の電気洗濯機
の回転駆動機構を示す縦断面図である。 2……パルセータシヤフト、3……外筒、10……ブレー
キバンド、16……バネクラツチ、20……プーリー、21…
…メインシヤフト、24……ギヤケース、26……遊星歯車

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】プーリーを介してモータ駆動を受けるメイ
    ンシヤフトと、上記メインシヤフトに外嵌されバネクラ
    ツチの切り換えによつてメインシヤフトの回転が断続的
    に伝達される外筒と、上記メインシヤフトの回転を減速
    する遊星歯車群と、上記遊星歯車群を被覆し上記外筒と
    一体的に回転しその回転力によつて洗濯槽を回転させる
    ギヤケースと、上記ギヤケースの回転を制動するブレー
    キバンドと、上記遊星歯車全体の回転が伝達されその回
    転力によつてパルセータを回転させるパルセータシヤフ
    トを備える電気洗濯機の回転駆動機構であつて、上記メ
    インシヤフトの上端部が遊星歯車群と噛み合うギヤ部に
    形成され、上記ギヤケースが、少なくともその外周面に
    酸化アルミニウム被膜が形成され外周面硬度がHV150以
    上になつているアルミニウム冷間鍛造製品であつて、そ
    の内周面が遊星歯車群と噛み合うギヤ部に形成され、し
    かもその下端面が外筒上端部にかしめられており、上記
    ギヤケース外周面に、ブレーキホイールを介することな
    く直接ブレーキバンドが巻回されていることを特徴とす
    る電気洗濯機の回転駆動機構。
JP1988167325U 1988-12-24 1988-12-24 電気洗濯機の回転駆動機構 Expired - Lifetime JPH0725183Y2 (ja)

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JPH0286482U JPH0286482U (ja) 1990-07-09
JPH0725183Y2 true JPH0725183Y2 (ja) 1995-06-07

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JPH0733751Y2 (ja) * 1989-09-29 1995-08-02 シャープ株式会社 洗濯機
JP2005098339A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Sayama Precision Ind Co 減速機
FR2957628B1 (fr) * 2010-03-19 2012-04-20 Somfy Sas Reducteur et actionneur electrique comprenant un tel reducteur

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