JPH072516A - マグネシウムベース亜硫酸パルプ排液のベース置換方 法 - Google Patents
マグネシウムベース亜硫酸パルプ排液のベース置換方 法Info
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- JPH072516A JPH072516A JP29361492A JP29361492A JPH072516A JP H072516 A JPH072516 A JP H072516A JP 29361492 A JP29361492 A JP 29361492A JP 29361492 A JP29361492 A JP 29361492A JP H072516 A JPH072516 A JP H072516A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 マグネシウム亜硫酸パルプ排液をナトリウム
ベース排液にベース置換する。 【構成】 置換剤として炭酸ナトリウムを使用する。 【効果】 スラッジの分離良好な効率的置換ができる。
ベース排液にベース置換する。 【構成】 置換剤として炭酸ナトリウムを使用する。 【効果】 スラッジの分離良好な効率的置換ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】各種工業用分散剤が使用される分
野、例えば土木建築用コンクリート、分散染料、農薬、
燃料用石炭水スラリー等に用いられるパルプ排液に関す
る。
野、例えば土木建築用コンクリート、分散染料、農薬、
燃料用石炭水スラリー等に用いられるパルプ排液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】リグニンスルホン酸塩の中で、一般に工
業的分散剤としてはNa塩が用いられる。用途によって
はCa塩が良好な場合もある。従って工業的には、亜硫
酸パルプ排液(以下SSLと略す)の中で、Na塩(N
a−SSL)に用いるか、或いはCa塩(Ca−SS
L)をNa2SO4を使用してNa塩にベース置換して
用いるのが一般的である。Ca−SSLのベースで置換
で発生するCaSO4・2H2Oは粒径も大きく、分離
が容易な為、工業的に実施されている。しかし、Mgベ
ースのSSLの場合はNa2SO4のようなものを用い
ても、Ca塩のように容易にベース置換し、分離できな
い為、工業的には実施されていないのが現状である。
業的分散剤としてはNa塩が用いられる。用途によって
はCa塩が良好な場合もある。従って工業的には、亜硫
酸パルプ排液(以下SSLと略す)の中で、Na塩(N
a−SSL)に用いるか、或いはCa塩(Ca−SS
L)をNa2SO4を使用してNa塩にベース置換して
用いるのが一般的である。Ca−SSLのベースで置換
で発生するCaSO4・2H2Oは粒径も大きく、分離
が容易な為、工業的に実施されている。しかし、Mgベ
ースのSSLの場合はNa2SO4のようなものを用い
ても、Ca塩のように容易にベース置換し、分離できな
い為、工業的には実施されていないのが現状である。
【0003】Mg−SSLをNa−SSLにベース置換
する方法は、原理的には、Mgと難溶性塩をつくる水溶
性Na塩を用いれば可能と考えられる。具体的には、例
えば、NaOH,Na2CO3,NaHCO3,(CO
O)2Na2を使用した場合、下記の反応でMgベース
からNaベースに置換できる筈である。 Mg−SSL+NaOH →Na−SSL+Mg(OH)2 〃 +Na2CO3→Na−SSL+MgCO3 〃 +NaHCO3 →Na−SSL+Mg(HCO3)2 〃 +(COO)2Na2→Na−SSL+(COO)2Mg ここでMg(OH)2,MgCO3,(COO)2Mg
は水に難溶性であるから、反応は右に進み、ベース転換
がおこると予想される。しかし、ここで発生する難溶性
塩はいずれも、Ca−SSLをNaに置換する時に、発
生するCaSO4・2H2Oと異なり、微粒子となる。
しかも微粒子にリグニンが付着する。従ってその分離が
工業的に困難で、これまで実施されなかった。
する方法は、原理的には、Mgと難溶性塩をつくる水溶
性Na塩を用いれば可能と考えられる。具体的には、例
えば、NaOH,Na2CO3,NaHCO3,(CO
O)2Na2を使用した場合、下記の反応でMgベース
からNaベースに置換できる筈である。 Mg−SSL+NaOH →Na−SSL+Mg(OH)2 〃 +Na2CO3→Na−SSL+MgCO3 〃 +NaHCO3 →Na−SSL+Mg(HCO3)2 〃 +(COO)2Na2→Na−SSL+(COO)2Mg ここでMg(OH)2,MgCO3,(COO)2Mg
は水に難溶性であるから、反応は右に進み、ベース転換
がおこると予想される。しかし、ここで発生する難溶性
塩はいずれも、Ca−SSLをNaに置換する時に、発
生するCaSO4・2H2Oと異なり、微粒子となる。
しかも微粒子にリグニンが付着する。従ってその分離が
工業的に困難で、これまで実施されなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鋭意研
究の結果、次の方法により工業的にMg−SSLからN
a−SSLに置換できることを発明した。 (1)置換剤としてNa2CO3を用い、その量は50
〜200%(対Mg)とする。Na2CO3の量が10
0Mol%以下では、残Mgが多くなる。また200M
ol%以上では、未反応Na2CO3が多くなり、pH
も上昇する。
究の結果、次の方法により工業的にMg−SSLからN
a−SSLに置換できることを発明した。 (1)置換剤としてNa2CO3を用い、その量は50
〜200%(対Mg)とする。Na2CO3の量が10
0Mol%以下では、残Mgが多くなる。また200M
ol%以上では、未反応Na2CO3が多くなり、pH
も上昇する。
【0005】(2)Mg−SSLの濃度を5〜35%に
調整する。5%濃度以下では反応効率が悪くなり、また
35%濃度以上では、MgCO3の平均粒径が小さくな
り、また分離がむつかしくなる。
調整する。5%濃度以下では反応効率が悪くなり、また
35%濃度以上では、MgCO3の平均粒径が小さくな
り、また分離がむつかしくなる。
【0006】ベース置換のその他の条件は次のようであ
る。 ・反応温度 ベース置換率および生成スラッジ粒子を大きくするには
反応温度は、高い方が好ましいが材種によって異なる。
すなわち針葉樹の場合は、10〜90℃、好ましくは3
0〜90℃。広葉樹の場合は、90〜130℃、好まし
くは100〜120℃。 ・Na2CO3添加方法 ・Mg−SSLのMgの50〜200Mol%を添加す
る。(好ましくは、100〜150 Mol%)水溶液
にして添加するのが良い。 ・pH:強酸性であると、Na2CO3を用いるとCO
2ガスが発生するのでpH5以上が好ましい。
る。 ・反応温度 ベース置換率および生成スラッジ粒子を大きくするには
反応温度は、高い方が好ましいが材種によって異なる。
すなわち針葉樹の場合は、10〜90℃、好ましくは3
0〜90℃。広葉樹の場合は、90〜130℃、好まし
くは100〜120℃。 ・Na2CO3添加方法 ・Mg−SSLのMgの50〜200Mol%を添加す
る。(好ましくは、100〜150 Mol%)水溶液
にして添加するのが良い。 ・pH:強酸性であると、Na2CO3を用いるとCO
2ガスが発生するのでpH5以上が好ましい。
【0007】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明する。ただし本発明は、これに限定されない。
説明する。ただし本発明は、これに限定されない。
【0008】
【表1】
【0009】第1表のようにMg−SSLを500m
l、1lビーカに入れNa0HでpH5に中和し、水を
加えて濃度を20%に調整する。次に攪拌しながら加温
し、置換剤の水溶液をMg量の150Mol%約2分間
で添加する。その後、攪拌しながら2時間保持する。反
応終了後、遠心分離機を用いて1万rpmで30分間、
脱スラッジを行った。この上澄液の残Mg量と沈降スラ
ッジの性状と粒径を測定したところ第2表のような結果
が得られた。
l、1lビーカに入れNa0HでpH5に中和し、水を
加えて濃度を20%に調整する。次に攪拌しながら加温
し、置換剤の水溶液をMg量の150Mol%約2分間
で添加する。その後、攪拌しながら2時間保持する。反
応終了後、遠心分離機を用いて1万rpmで30分間、
脱スラッジを行った。この上澄液の残Mg量と沈降スラ
ッジの性状と粒径を測定したところ第2表のような結果
が得られた。
【0010】
【表2】
【0011】第2表において各種置換剤を用いた場合の
置換率は、NaOHを除いて80%以上になっている。
しかしNaHCO3の場合、スラッジ粒径が3μmと微
細で性状もゲル化し、スラッジ分離の面で困難と予想さ
れる。又(COO)2・Na2の場合は、置換率および
スラッジ粒径分離とも問題ないが他の置換剤と比べてコ
スト高の問題がある。一方Na2CO3を用いた場合
は、置換率も90%以上あり、スラッジ粒径性状とも問
題ないと判明した。
置換率は、NaOHを除いて80%以上になっている。
しかしNaHCO3の場合、スラッジ粒径が3μmと微
細で性状もゲル化し、スラッジ分離の面で困難と予想さ
れる。又(COO)2・Na2の場合は、置換率および
スラッジ粒径分離とも問題ないが他の置換剤と比べてコ
スト高の問題がある。一方Na2CO3を用いた場合
は、置換率も90%以上あり、スラッジ粒径性状とも問
題ないと判明した。
【0012】
【表3】 置換剤をNa2CO3に限定しSSL濃度を変えた結果
を第3表に示した。
を第3表に示した。
【0013】SSL濃度を5〜30%に調整し、置換剤
添加率を150Mol%にすればCaCO3の粒径も大
きく、分離もよくなることがわかる。しかしSSL濃度
50%において50Mol%では、ベース置換率が50
%以下となり、300Mol%ではSSL粘度が高くな
り、スラッジ分離が困難となる。又、SSL濃度2%で
は、濃度が低くなりすぎて濃縮費が多くなり経済的でな
い。
添加率を150Mol%にすればCaCO3の粒径も大
きく、分離もよくなることがわかる。しかしSSL濃度
50%において50Mol%では、ベース置換率が50
%以下となり、300Mol%ではSSL粘度が高くな
り、スラッジ分離が困難となる。又、SSL濃度2%で
は、濃度が低くなりすぎて濃縮費が多くなり経済的でな
い。
【0014】
【表4】 置換剤をNa2CO3に限定し、SSLの材種を針葉樹
と広葉樹でベース置換温度を変えた結果を第4表に示し
た。
と広葉樹でベース置換温度を変えた結果を第4表に示し
た。
【0015】
【表4】
【0016】針葉樹の場合、ベース置換温度はほとんど
影響なく、ベース置換率、およびスラッジ粒径とも問題
ない。一方、広葉樹の場合、ベース置換温度が80℃以
下になるとベース置換率は急激に低下し、又スラッジ粒
径も3μm以下になり分離困難となる。しかしベース置
換温度を100℃以上にするとベース置換率およびスラ
ッジ分離性とも問題ないと判明した。
影響なく、ベース置換率、およびスラッジ粒径とも問題
ない。一方、広葉樹の場合、ベース置換温度が80℃以
下になるとベース置換率は急激に低下し、又スラッジ粒
径も3μm以下になり分離困難となる。しかしベース置
換温度を100℃以上にするとベース置換率およびスラ
ッジ分離性とも問題ないと判明した。
【0017】
【発明の効果】本発明によればMg−SSLのベース置
換に際し、置換剤として炭酸ソーダを50〜200Mo
l%(対マグネシウム)を用い、しかもSSL濃度を5
〜35%、ベース置換温度を10〜130℃に調整する
事により、容易にベース置換することが可能になる。
換に際し、置換剤として炭酸ソーダを50〜200Mo
l%(対マグネシウム)を用い、しかもSSL濃度を5
〜35%、ベース置換温度を10〜130℃に調整する
事により、容易にベース置換することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中本 奉文 山口県岩国市飯田町2丁目8−1 山陽国 策パルプ株式会社生産技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 マグネシウム亜硫酸パルプ排液をナトリ
ウム亜硫酸パルプ排液にベース置換するに際し、置換剤
として炭酸ナトリウムを用いることを特徴とする排液の
ベース置換方法。 - 【請求項2】 炭酸ナトリウムの添加量が100〜20
0Mol%(対マグネシウム)である請求項1記載の排
液のベース置換方法。 - 【請求項3】 排液の濃度が5〜35%、置換反応温度
が10〜130℃である請求項1ないし2記載の排液の
ベース置換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29361492A JP3389582B2 (ja) | 1991-11-28 | 1992-09-21 | マグネシウムベース亜硫酸パルプ排液のベース置換方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-355466 | 1991-11-28 | ||
JP35546691 | 1991-11-28 | ||
JP29361492A JP3389582B2 (ja) | 1991-11-28 | 1992-09-21 | マグネシウムベース亜硫酸パルプ排液のベース置換方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH072516A true JPH072516A (ja) | 1995-01-06 |
JP3389582B2 JP3389582B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=26559489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29361492A Expired - Fee Related JP3389582B2 (ja) | 1991-11-28 | 1992-09-21 | マグネシウムベース亜硫酸パルプ排液のベース置換方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3389582B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102417249A (zh) * | 2010-09-28 | 2012-04-18 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种处理硝基苯废水的方法 |
-
1992
- 1992-09-21 JP JP29361492A patent/JP3389582B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102417249A (zh) * | 2010-09-28 | 2012-04-18 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种处理硝基苯废水的方法 |
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---|---|
JP3389582B2 (ja) | 2003-03-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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