JPH07251573A - 感熱色素転写用色素供与体要素 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な、接着性および加水分解安定性、並び
に色素移動に対する良好な障壁層特性を有する、色素層
の下引き層を持つ色素供与体要素を提供する。更に、そ
の製造において有機溶剤を必要としない、環境上の問題
のない下引き層を提供する。 【構成】 順に、下引き層および色素層をその一方の側
に担持する支持体を含んでなり、そして前記下引き層
が、真空蒸着した金属酸化物を含み、そして、ａ）赤外
線吸収物質が、前記色素層もしくは色素層と組合わさる
層に含有されているか、または、ｂ）前記支持体の他方
の側に滑り層を担持しているか、のいずれかである感熱
色素転写用色素供与体要素。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、感熱色素転写に用いる
色素供与体要素、特に、その色素層のために一定の下引
き層を用いることに関する。

【０００２】

【従来の技術】カラービデオカメラ等から電子的に生成
された映像からプリントを得るために、最近、感熱転写
システムが開発されている。そのようなプリントを得る
一つの方法によると、電子映像を、まずカラーフィルタ
ーによるカラー分解にかける。そして、それぞれのカラ
ー分解した画像を、電気信号に変換する。そして、これ
らの信号を操作して、シアン、マゼンタおよびイエロー
電気信号を生成する。そして、これらの信号をサーマル
プリンターに伝送する。プリントを得るためには、シア
ン、マゼンタもしくはイエロー色素供与体要素を、色素
受容要素に対して向かい合わせに置く。そして、この二
つを、サーマルプリントヘッドとプラテンローラの間に
差し込む。ライン型サーマルプリントヘッドを用いて、
色素供与体シートの裏から熱を加える。サーマルプリン
トヘッドは、多くの加熱要素を有しており、シアン、マ
ゼンタもしくはイエローの信号に応じて連続的に加熱さ
れる。そして、このプロセスを、他の二つの色の場合に
も繰り返す。このようにして、スクリーンで見られるオ
リジナルの映像に対応する、カラーハードコピーが得ら
れる。このプロセスおよび実施装置の詳細は、米国特許
第４，６２１，２７１号公報に記載されている。

【０００３】米国特許第４，７３７，４８６号明細書に
は、支持体と色素層との間の下引き層として、アルコキ
シドチタンの使用が開示されている。この材料は、接着
性においては良好な下引き層となるが、加水分解不安定
性の問題が生じており、この層を再現性のある方法で塗
布することが困難である。例えば、この材料の塗布溶液
は、大気中から水を拾って、その溶液を効果のないもの
にする。更に、この材料は、多くの環境上の心配を有す
る有機溶剤から塗布しなければならない。このことは、
廃棄物の見地および環境的に望ましくない大量の有機溶
剤の廃棄を必要とする理由で、製造プロセスをコストの
かかるものにする。更に、この材料を十分に塗布する場
合、少量の有機溶剤が大気に漏れることもあり、好まし
くない。また、この材料は、色素移動に対するかなり良
好な障壁層として機能するが、更に改良することが望ま
しい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な接着性を有する色素層の下引き層を提供することであ
る。また、もう一つの目的は、良好な加水分解安定性を
有する色素層の下引き層を提供することである。更に、
本発明の目的は、その製造において有機溶剤を必要とし
ない、従って、環境上の問題を避ける、下引き層を提供
することである。また、望ましくは色素移動に対する良
好な障壁層特性を有する下引き層を提供することも、本
発明の目的である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】これらの目的および他の
目的を、順に、下引き層および色素層をその一方の側に
担持する支持体を含んでなり、そして前記下引き層が、
真空蒸着した金属酸化物を含み、そして、ａ）赤外線吸
収物質が、前記色素層もしくは色素層と組合わさる層に
含有されているか、または、ｂ）前記支持体の他方の側
に滑り層を担持しているか、のいずれかである感熱色素
転写用色素供与体要素に関する本発明に従って達成す
る。

【０００６】本発明の用いることができる金属酸化物に
は、例えば、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、チタ
ン酸化物等が含まれる。ポリエステルフィルム（１２μ
ｍ厚）上に真空蒸着したアルミニウム酸化物層は、Camc
lear XL 、Camclear O、Camclear M（いずれも商標）と
して、CAMVAC LTDから市販されている。６μｍポリ（エ
チレンテレフタレート）支持体上に真空蒸着したケイ素
酸化物もまた、Courtaulds Performace Films 等の、い
くつかの販売会社から市販されている。更に、チタン酸
化物、ケイ素酸化物、およびアルミニウム酸化物を、真
空ウェブコーター中で、適当な酸素バックグラウンドガ
スレベルで、電子ビームガン蒸着により、６μｍポリ
（エチレンテレフタレート）に真空蒸着することができ
る。

【０００７】本発明の下引き層を、意図する目的のため
に有効ないずれの濃度で提供することができる。一般的
に、約０．０５ｇ／ｍ² 〜約０．５ｇ／ｍ² の所要量を
用いて良好な成果が達成されている。サーマルプリント
ヘッドもしくはレーザーのはたらきによって色素受容層
に転写可能ないずれの画像色素も、提供される本発明に
用いる色素供与体に使用することができる。特に、次の
ような昇華性色素：

【０００８】

【化１】

【０００９】

【化２】

【００１０】もしくは、米国特許第４，５４１，８３０
号、同第４，６９８，６５１号、同第４，６９５，２８
７号、同第４，７０１，４３９号、同第４，７５７，０
４６号、同第４，７４３，５８２号、同第４，７６９，
３６０号、および同第４，７５３，９２２号各公報に開
示される色素を用いて、良好な結果が得られている。上
記色素は、単独で使用しても、組み合せて使用しても良
い。これらのの色素を、約０．０５〜約５ｇ／ｍ² の塗
布量で用いることができ、好ましくは、疎水性である。

【００１１】寸法的に安定で、かつレーザーもしくはサ
ーマルヘッドの熱に耐えることができるのであれば、本
発明の色素供与体要素の支持体としていずれの材料も使
用することができる。そのような材料には、ポリ（エチ
レンテレフタレート）等のポリエステル類；ポリアミド
類；ポリカーボネート類；セルロースエステル類；弗素
ポリマー類；ポリエーテル類；ポリアセタール類；ポリ
オレフィン類；およびポリイミド類が含まれる。一般的
に、支持体は、約５〜約２００μｍの厚さを有し、必要
ならば、米国特許第４，６９５，２８８号もしくは同第
４，７３７，４８６号各公報に記載される材料のような
下引き層で被覆されていても良い。

【００１２】サーマルプリントヘッドを用いて色素供与
体要素から色素を転写する本発の態様においては、色素
供与体要素の反対側を、滑り層で被覆してプリントヘッ
ドが色素供与体要素にスティッキングするのを防止す
る。そのような滑り層は、固体もしくは液体の平滑材料
又はそれらの混合物のいずれかを含んでなり、ポリマー
バインダーもしくは界面活性剤を含有しているか、また
は含有していない層である。好ましい平滑材料には、オ
イル、または１００℃より下で融解するポリ（ステアリ
ン酸ビニル）、蜜蝋、マイクロクリスタンワックス、過
弗素化アルキルエステルポリエーテル類、ポリカプロラ
クトン、シリコーンオイル、ポリ（テトラフルオロエチ
レン）、カーボワックス、ポリ（エチレングリコー
ル）、もしくは米国特許第４，７１７，７１１号、同第
４，７１７，７１２号、同第４，７３７，４８５号およ
び同第４，７３８，９５０号各公報、並びに欧州特許第
２８５，４２５号公報、３ページ、２５〜３５行に記載
する材料等の半結晶の有機固体が含まれる。

【００１３】滑り層に適したポリマーバインダーには、
ポリ（ビニルアルコール−コ−ブチラール）、ポリ（ビ
ニルアルコール−コ−アセタール）、ポリ（スチレ
ン）、ポリ（酢酸ビニル）、酢酸酪酸セルロース、酢酸
プロピオン酸セルロース、酢酸セルロースもしくはエチ
ルセルロースが含まれる。滑り層に使用する平滑材料の
量は、その平滑材料のタイプに大きく依存するが、一般
的に、約０．００１〜約２ｇ／ｍ² の範囲である。ポリ
マーバインダーを用いる場合は、平滑材料は、使用する
ポリマーバインダーの０．０５〜５０重量％、好ましく
は０．５〜４０重量％の範囲で存在する。

【００１４】本発明の色素供与体要素と一緒に使用する
色素受容要素は、通常、色素画像受容層を担持してなる
支持体を含む。この支持体は、ポリ（エーテルスルホ
ン）、ポリイミド、セルロースエステル（酢酸セルロー
ス等）、ポリ（ビニルアルコール−コ−アセタール）も
しくはポリ（エチレンテレフタレート）等の透明フィル
ムとなることができる。また、色素受容要素の支持体
は、バライタコートペーパー、ポリエチレンコートペー
パー、アイボリー紙、コンデンサー紙もしくは DuPont
Tyvek （商品名）等の合成紙のような、反射性となるこ
ともできる。ホワイトポリエステル（その中に混合した
白色含量を有する透明ポリエステル）等の着色した支持
体もまた用いることができる。必要ならば、この色素受
容要素は、固体の射出成形物（ポリカーボネート等）を
含んでなっていても良い。

【００１５】色素画像受容層は、例えば、ポリカーボネ
ート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ（塩化ビニ
ル）、ポリ（スチレン−コ−アクリロニトリル）、ポリ
カプロラクトン、ポリ（ビニルアルコール−コ−ブチラ
ール）、ポリ（ビニルアルコール−コ−ベンザル）、ポ
リ（ビニルアルコール−コ−アセタール）またはそれら
のコポリマーもしくは混合物等のポリ（ビニルアセター
ル）を、含んでなることができる。この色素画像受容層
は、意図する目的のために有効な量で存在することがで
きる。一般的に、約１〜約５ｇ／ｍ² の濃度で、良好な
結果が得られている。

【００１６】上記した様に、本発明の色素供与体要素を
用いて色素転写画像を形成する。そのプロセスは、上記
した色素供与体要素を像様加熱すること、そして色素画
像を色素受容要素に転写して色素転写画像を形成するこ
とを含んでなる。本発明の色素供与体要素を、シート形
状または連続ロールもしくはリボンで、用いても良い。
連続ロールもしくはリボンを用いる場合、上記したよう
にその上に色素のみを有しても良く、もしくは他の別の
色素（例えば、昇華性の、シアンおよび／もしくはマゼ
ンタおよび／もしくはイエローおよび／もしくはブラッ
ク、またはその他の色素）の交互の領域を有しても良
い。そのような色素は、米国特許第４，５４１，８３０
号、同第４，５４１，８３０号、同第４，６９８，６５
１号、同第４，６９５，２８７号、同第４，７０１，４
３９号、同第４，７５７，０４６号、同第４，７４３，
５８２号、同第４，７６９，３６０号、および同第４，
７５３，９２２号各公報に開示されている。従って、単
色、二色、三色もしくは四色カラー要素（または、それ
以上の数もまた）は、本発明の範囲内に包含される。

【００１７】本発明の好ましい態様では、色素供与体要
素は、シアン、イエローおよびマゼンタ色相の上記色素
の連続的に反復する領域で被覆されたポリ（エチレンテ
レフタレート）支持体を含んでなり、上記のプロセス工
程を、それぞれ色において連続的に実施して三色色素転
写画像を得る。もちろん、このプロセスを単一のカラー
の場合にのみ実施する場合は、モノクロ色素転写画像が
得られる。

【００１８】レーザーを用いて本発明の色素供与体要素
から色素を転写することもできる。レーザーを用いる場
合は、ダイオードレーザーを用いるのが好ましい。なぜ
なら、ダイオードレーザーは、小サイズ、低コスト、安
定性、信頼性、頑丈、および調節容易による実質的な利
点を提供するからである。実際では、レーザーを用いて
色素供与体要素を加熱する前に、この要素は、米国特許
第４，９７３，５７２号公報に記載するカーボンブラッ
クもしくはシアニン赤外線吸収色素等の赤外線吸収物
質、または次の米国特許公報：第４，９４８，７７７
号、第４，９５０，６４０号、第４，９５０，６３９
号、第４，９４８，７７６号、第４，９４８，７７８
号、第４，９４２，１４１号、第４，９５２，５５２
号、第５，０３６，０４０号、および第４，９１２，０
８３号、に記載されるその他の材料を含有しなければな
らない。この赤外線吸収物質を、色素層自体もしくはそ
れと組合わさる層に組み入れることができる。レーザー
放射を色素層に吸収し、内部変換として知られている分
子プロセスにより熱に変換する。従って、有用な色素層
の構造は、画像色素の色相、転写性および強度だけでな
く、前記放射を吸収してそれを熱に変換する色素層の能
力にも依存する。

【００１９】上記のレーザーを用いてサーマルプリント
媒体上に画像を形成するサーマルプリンターは、米国特
許第５，１６８，２８８号明細書および特許請求の範囲
に記載されている。本発明の感熱転写構成は、ａ）上記
色素供与体要素、および、ｂ）上記色素受容要素を含ん
でなり、色素受容要素は、前記供与体要素の色素層を前
記受容要素の色素画像受容素に接触させるように、色素
供与体要素に重ね合わさる関係にある。

【００２０】モノクロ画像を得る場合には、これらの二
つの要素を含んでなる上記構成を、一体式ユニットとし
て前もって組み立てることができる。これは、前記二つ
の要素をそれらの端部で一時的に接着することによって
行うことができる。そして転写後、剥がして分離して色
素転写画像を出現させる。三色画像を得る場合には、別
々の色素供与体要素を用いて上記構成を三回作成する。
第一の色素を転写後、この要素を剥がして分離する。そ
して、第二の色素供与体要素（もしくは、異なる色素領
域を有する供与体要素の別の領域）を、色素受容要素と
見当を合わせて、前記プロセスを繰り返す。第三の色を
同じ様にして得る。

【００２１】

【実施例】以下の例により本発明を具体的に説明する。例１ 接着性テスト 個々の色素供与体要素を、表I に示す真空蒸着した金属
酸化物支持体上に、以下に特定する色素層を塗布するこ
とにより調製した。

【００２２】色素層 Ｄ−１：トルエン、メタノール、
およびシクロペンタノン溶剤混合物から塗布される、上
記図示の二番目のマゼンタ色素（０．１５ｇ／ｍ² ）；
上記図示の一番目のマゼンタ色素（０．１４ｇ／ｍ
² ）；酢酸プロピオン酸セルロース（アセチル２．５
％、プロピオニル４５％）０．５秒粘度（０．０８ｇ／
ｍ² ）；酢酸プロピオン酸セルロース（アセチル２。５
％、プロピオニル４５％）２０秒粘度（０．２４ｇ／ｍ
² ）；S-363N1 ビーズ（ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、およびShamrock Technologies, Inc. から市販され
ている酸化ポリエチレン粒子の微小化配合物）（０．０
１ｇ／ｍ² ）；および Fluorad FC-430 （商標）界面活
性剤（3M Corp., 製）（０．００２ｇ／ｍ² ）；からな
るマゼンタ色素層。

【００２３】色素層 Ｄ−２：トルエン、メタノール、
およびシクロペンタノン溶剤混合物から塗布される、上
記図示の一番目のシアン色素（０．３９ｇ／ｍ² ）；上
記図示の二番目のシアン色素（０．１１ｇ／ｍ² ）；酢
酸プロピオン酸セルロース（アセチル２．５％、プロピ
オニル４５％）２０秒粘度（０．２８ｇ／ｍ² ）；下図
のガラス（０．０６ｇ／ｍ² ）；S-363N1 ビーズ（０．
００２ｇ／ｍ² ）；および Fluorad FC-430 （商標）
（０．００２ｇ／ｍ² ）；からなるシアン色素層。

【００２４】

【化３】

【００２５】色素層 Ｄ−３ ２−ブタノンから塗布される、上記図示の一番目のマゼ
ンタ色素（０．１５ｇ／ｍ² ）；酢酸プロピオン酸セル
ロース（アセチル２．５％、プロピオニル４５％）０．
５秒粘度（０．３９ｇ／ｍ² ）；および Fluorad FC-43
0 （商標）（０．００４ｇ／ｍ² ）；からなるマゼンタ
色素層。

【００２６】前もって Tyzor TBT（商標）（テトラ−ｎ
−ブトキシドチタン：DuPont製）（０．１３ｇ／ｍ² ）
が塗布されている、６μｍ厚ポリ（エチレンテレフタレ
ート）上に、上記色素層を塗布することにより、対照色
素供与体要素を調製した。更に、裸のポリ（エチレンテ
レフタレート）上に、上記色素層を塗布することによ
り、いくつかの色素供与体要素を調製した。

【００２７】色素層Ｄ−１を持つ色素供与体要素の裏側
を、トルエン、メタノール、およびシクロペンタノン溶
剤混合物から塗布される、PS-513（商標）（アミノプロ
ピルジメチル基を末端に持つポリジメチルシロキサン、
Petrarch Systems, Inc.製）（０．０１１ｇ／ｍ² ）；
ｐ−トルエンスルホン酸（０．０００３ｇ／ｍ² ）；モ
ンタンワックス（０．０３２ｇ／ｍ² ）；酢酸プロピオ
ン酸セルロース（アセチル２．５％、プロピオニル４５
％）０．５秒粘度（０．４５ｇ／ｍ² ）；および酢酸プ
ロピオン酸セルロース（アセチル２．５％、プロピオニ
ル４５％）２０秒粘度（０．０８ｇ／ｍ² ）；からなる
滑り層で塗布した。

【００２８】色素層Ｄ−２を持つ色素供与体要素の裏側
には、滑り層を塗布しなかった。滑りを容易にするため
に、薄めていないPS-513を、印刷前にプリントヘッドに
塗布した。色素層Ｄ−３を持つ色素供与体要素の裏側
を、酢酸ｎ−プロピル、トルエン、イソプロピルアルコ
ールおよびｎ−ブチルアルコール溶剤混合物から塗布さ
れる、Emralon 329 （商標）（ポリ（テトラフルオロエ
チレン）粒子の乾燥フィルム滑剤、Acheson Colloids C
o.製）（０．５４ｇ／ｍ² ）；からなる滑り層で塗布し
た。

【００２９】金属酸化物下引き層に対する前記色素層の
接着性を、3M Scotch Magic Tape #810 （商品名）によ
るその剥離耐性によって、測定した。このテープを色素
層に接触させて、急に取り去った。このテープによって
取り去られた色素層の量を目で見て、次のように評価
（層のパーセントとして）した。

【００３０】

【表１】

【００３１】上記の結果は、本発明の下引き層が、Tyzo
r TBT と同じ良好な接着性を有するが、既に議論したよ
うなこの材料の不利益を持っていないことを示してい
る。

【００３２】例２ 色素障壁テスト この例に用いる色素受容要素を以下のように調製した：受容体１ ポリ（ビニルアルコール）／ポリ（酸化エチレン）帯電
防止バッキング層を有する、米国特許第５，２４４，８
６１号明細書に記載する紙支持体に貼合わされた微小の
孔の空いたポリプロピレン層上に、順に以下の層を塗布
した： １）エタノール９９％／水１％の溶剤混合物からの、Z-
6020（Dow Corning 製）（０．１１ｇ／ｍ² ）からなる
下引き層； ２）塩化メチレン溶剤からの、KL3-1013（ポリエーテル
改質ビスフェノールＡポリカーボネート：Bayer AG）
（１．７８ｇ／ｍ² ）；Lexan 141 （商標）（ビスフェ
ノールＡポリカーボネート：General Electric Co.）
（１．４５ｇ／ｍ²）；フタル酸ジフェニル（０．３２
ｇ／ｍ² ）；フタル酸ジブチル（０．３２ｇ／ｍ² ）；
およびFluorad FC-431（商標）（過フルオロ−スルホン
アミド界面活性剤： 3M Corp.）（０．０１ｇ／ｍ² ）
からなる受容層； ３）塩化メチレン溶剤から塗布する、ジエチレングリコ
ール４９モル％およびポリジメチルシロキサン１モル％
を含有するビスフェノールＡポリカーボネート（０．２
２ｇ／ｍ² ）、DC-510シリコーン液体（Dow Corning ：
０．００８ｇ／ｍ² ）、およびFluorad FC-431（０．０
１６ｇ／ｍ² ）からなる上塗り層。

【００３３】受容体 ２ 次の層を、順に、二酸化チタン着色したポリエチレン上
塗りペーパーストックに塗布した。 １）ブタノンから塗布する、ポリ（アクリロニトリル−
コ−塩化ビニリデン−コ−アクリル酸）（重量比１４：
７９：７）（０．０８ｇ／ｍ² ）からなる下引き層； ２）ジクロロメタンから塗布する、Makrolon 5705 （商
標）（ビスフェノールＡポリカーボネート：Bayer AG）
（１．６ｇ／ｍ² ）並びにカルボン酸、ビスフェノール
Ａ、およびジエチレングリコールから誘導される直鎖縮
合ポリマー（ビスフェノール：グリコール モル比５
０：５０、分子量約２００，０００）（１．６ｇ／ｍ
² ）の混合物中の、フタル酸ジフェニル（０．３２ｇ／
ｍ² ）、フタル酸ジ−ｎ−ブチル（０．３２ｇ／ｍ
² ）、および Fluorad FC-431 （商標）（過フルオロ界
面活性剤、3M Corp.）（０．０１ｇ／ｍ² ）からなる色
素受容層；並びに ３）ジクロロメタンから塗布する、Fluorad FC-431（商
標）（０．０１ｇ／ｍ ² ）を含有する上掲のビスフェノ
ールＡグリコールポリカーボネート（０．２２ｇ／ｍ
² ）、DC-510（商標）シリコーン流体（Dow-Coring Cor
p.）（０．０１６ｇ／ｍ² ）からなる上塗り層。

【００３４】それぞれの色素受容要素の反対側に、米国
特許第５，０９６，８７５号公報の例１に記載されるよ
うに、バッキング層を塗布した。受容体１を、色素層Ｄ
−１およびＤ−２を持つ色素供与体要素と共に用い、受
容体２を、色素層Ｄ−３を持つ色素供与体要素と共に用
いたことに留意されたい。

【００３５】印刷 色素層Ｄ−２を持つ色素供与体要素
の場合 色素供与体要素（面積約１０ｃｍ×１５ｃｍ）の色素側
を、同じ面積の色素画像受容要素のポリマー受容層側と
接触させて置いた。この組合せを、モーターで運転する
６０ｍｍ径のラバーローラーの上部に固定し、TDK サー
マルヘッド（モデル L-231）（サーモスタットで２５℃
に調温）を、３６Ｎの力で前記組合せの色素供与体要素
側に加えて、それを前記ラバーローラーに押しつけた。
このプリントヘッドは、解像度５．４ドット／ｍｍおよ
び有効印刷幅９５ｍｍを持つ平均ヒーター抵抗５０４Ω
の、独立してアドレスできる５１２のヒーターを持って
いた。

【００３６】画像形成電子装置を作動させて、前記の組
合せを、プリントヘッドとローラーの間を、６．９ｍｍ
／秒で引っ張った。同時に、サーマルプリントヘッドの
抵抗体を、３３ミリ秒／ドット印刷時間中に、１２８μ
秒間隔で２９μ秒／パルス、瞬動させた。ドット当りの
パルスの数を、０から２５５に増加することにより、段
階的な濃度画像を生成させた。プリントヘッドに加えた
電圧は、２４．５ボルトであり、瞬間ピークパワー１．
４ワット／ドットを生じ、最大反射濃度＞２．０を印刷
するのに必要な最大総エネルギーは、１０．５ミリジュ
ール／ドットであった。

【００３７】印刷 色素層Ｄ−１を持つ色素供与体要素
の場合 前記メカニズムを最大２０．７ボルトで操作して、比較
となる濃度を達成した以外は、上記した場合と同じであ
る。

【００３８】印刷 色素層Ｄ−３を持つ色素供与体要素
の場合 サーマルプリントヘッドの抵抗体を、１３０ミリ秒毎に
１２８μ秒間、瞬動させた。各パルスのデューティサイ
クルが９８．５％であるので、これは、パルス幅変調に
ほぼ近い。最大濃度を印刷するには、３３．８ミリ秒割
り当て印刷時間もしくは５８．２％デューティサイクル
の間に、１９．７ミリ秒のプリントライン当り１５４パ
ルス「オン」タイムを必要とした。加えた電圧は、１４
ボルトであり、瞬間ピークパワー約０．３８ワット／ド
ットを生じ、最大濃度２．３を印刷するのに要した最大
総エネルギーは、７．６ミリジュール／ドットであっ
た。

【００３９】障壁として機能する下引き層の能力を、最
大濃度領域の印刷中の支持体中に移動した残存色素を測
定する（ステータスＡフィルターを備えたデンシトメト
リーを用いる）ことにより評価した。これは、印刷後に
アセトン洗浄を用いて色素供与体層を除去し、支持体そ
のものを調べることにより行われた。濃度変化を、印刷
後に残存する支持体濃度（適当な色のもの）から、印刷
していないサンプルに残存する支持体濃度を引いたもの
と定義する。得られたデータを次の表IIに表わす：

【００４０】

【表２】

【００４１】

【発明の効果】上記データは、真空蒸着した金属酸化物
下引き層を持つ要素が、支持体中にほとんど色素を有さ
ず、対照のテトラ−ｎ−ブトキシドチタン下引き層より
も良好な障壁層としての機能を有することを示してい
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート ジョージ スパーン アメリカ合衆国，ニューヨーク 14580, ウェブスター，ハイタワー ウェイ 716 (72)発明者 エドワード ポール オトッカ アメリカ合衆国，ニューヨーク 14534, ピッツフォード，トップスピン ドライブ 104

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 順に、下引き層および色素層をその一方
   の側に担持する支持体を含んでなり、そして前記下引き
   層が、真空蒸着した金属酸化物を含み、そして、ａ）赤
   外線吸収物質が前記色素層もしくは色素層と組合わさる
   層に含有されているか、または、ｂ）前記支持体の他方
   の側に滑り層を担持しているか、のいずれかである感熱
   色素転写用色素供与体要素。