JPH0725133Y2 - 中皿を交換自在としたコンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、固型化された粉末化粧料を収納保持するコ
ンパクト容器、特に化粧料を充填せる中皿を交換自在と
したコンパクト容器に関する。

（従来の技術） 従来、粉末化粧料を固型状に成形充填した中皿と称せら
れる皿状の小さな容器を、交換自在に収納保持してなる
コンパクト容器は公知である。

中皿を交換自在とするコンパクト容器は、中皿の交換を
容易に行うことが出来ること、収納された中皿の保持安
定性が高いこと、外部からの衝撃吸収性が良好で充填さ
れた化粧料にクラック等の損傷が生じないようにするこ
と等が要望されている。特に、近年の化粧料成分の変化
に伴い、外部からの衝撃吸収性を向上させ、化粧料にク
ラック等の損傷が生ずるのを防止するために、コンパク
ト容器の収納凹所に軟弾性のゴム等からなるクッション
材を配して、衝撃を吸収するようにしたものが提案され
ており、例えば実開昭64-25008号公報や実開昭64-25009
号公報に開示されている。

しかしながら、これら公報に開示のコンパクト容器にお
いても、容器底板に貫穿された孔からピン等を挿し込ん
で中皿を押し上げることにより、中皿の交換をするとい
う従来周知の手段により、中皿の取り出しが行われるよ
うになっているにすぎないため、中皿がコンパクト容器
から飛び出して、化粧料を損傷してしまうという従来と
同様の欠点が見られた。

（考案が解決しようとする課題） この考案は、コンパクト容器中皿の収納凹所に軟弾性の
中皿支持手段を配置して、該手段の弾性変形により、中
皿を確実に保持しつつ衝撃吸収を達成すると共に、該支
持手段の一部を指で押し上げることにより、支持手段に
よる中皿の弾性支持力を減少させつつ中皿を収納凹所か
ら外方へ押し出し可能としたものである。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために、この考案が採った手段は、
上方へ向って開放した中皿収納凹所（３）を備えたコン
パクト容器本体（１）の側壁外周面に位置するリング状
の取付板部（９）を有し、中皿収納凹所（３）に挿入さ
れた中皿（５）の側面に弾力的に当接する複数の突部
（12）を前記取付板部（９）に形成し、該突部（12）を
中皿収納凹所（３）の側壁（８）を通して凹所（３）内
に突出させ該突部（12）の弾性復元力と摩擦接触力とに
より中皿（５）を保持するようにしたコンパクト容器に
おいて、取付板部（９）と一体の弾性変形自在な押上板
部（11）を前記収納凹所（３）の底壁に配し、該押上板
部（11）の下面をコンパクト容器の下面に臨ませて、コ
ンパクト容器の下方から押上げ自在としたことを特徴と
する。

（実施例） 以下に図面を参照しつつ、この考案の好しい実施例を詳
細に説明する。

図において、（１）はコンパクト容器本体であって一側
に蓋体（２）が開閉自在に蝶着される。

コンパクト容器本体（１）には上面を開放した中皿収納
凹所（３）を形成する枠体（４）が配設される。（５）
は該中皿収納凹所（３）内に上方から挿入される中皿で
あって、固型状の粉末化粧料（６）が充填されている。

（７）はシリコンゴム等の軟弾性材料からなる中皿支持
部材であって、凹所（３）の立上がった側壁（８）の外
周面に沿って位置し、側壁に保持されるリング状の取付
板部（９）と、凹所（３）の底壁（10）に沿って凹所
（３）の底面と面一に位置し、弾性変形して中皿（５）
を押し上げ可能な押上板部（11）とからなり、取付板部
（９）には凹所（３）内に向って突出する突部（12）が
等間隔に複数形成される。そして、これら３つの部分
（９）（11）（12）は一体に形成される。かかる中皿支
持部材（７）を取り付けるために、蓋体（２）との蝶番
部に隣接して凹所（３）の側壁（８）並びに底壁（10）
は連続して切り欠かかれており、且押上板部（11）をコ
ンパクト容器本体（１）の下部から指で押し上げ操作可
能とするために、底壁（10）の切り欠ぎは下方へ貫通
し、押上板部（11）は底壁の下面に臨んでいる。又、収
納凹所（３）の側壁（８）には、複数の突部（12）を凹
所内に突出するための切欠部（13）が形成されている。

凹所（３）内に中皿（５）を挿着するとき、第３図に示
すように収納凹所（３）内に突出して来た突部（12）が
弾性変形して中皿（５）をその弾性復元力と摩擦接触力
とにより保持する。第４図に示すように、押上板部（1
1）をコンパクト容器本体（１）の下方から指で押し上
げて弾性変形させることにより、中皿（５）を上方へ押
し上げて凹所（３）から押し出すことが出来る。

（作用） コンパクト容器本体の中皿収納凹所に挿入された中皿の
側壁を突部の弾性復元力と摩擦接触力で保持する。押上
板部を上方へ押し上げて、中皿を中皿収納凹所から押し
出す。

収納された中皿は、突部（12）の弾性変形により保持さ
れているため、外部よりの衝撃は突部（12）の弾性によ
り吸収され、中皿への衝撃の伝達が低下する。押上板部
は押圧力により弾性変形するために、押上力を吸収し、
緩衝するため中皿の飛び出しを防止することが出来る。

（考案の効果） この考案によれば、押上板部を上方へ弾性変形せしめる
ことにより、中皿を容易に凹所から取り出すことが出
来、押圧板部の弾性変形による適度な押圧力の吸収と緩
衝とにより中皿が勢い良く飛び出すのを防止出来、化粧
料の損傷を回避することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は外観斜視図、第２図は分解斜視図、第３図は中
皿収納時の縦断面図、第４図は中皿取出時の縦断面図で
ある。 （１）……コンパクト容器本体、（２）……蓋体 （３）……中皿収納凹所、（４）……枠体 （５）……中皿、（６）……粉末化粧料 （７）……中皿支持部材、（８）……側壁 （９）……取付板部、（10）……底壁 （11）……押上板部、（12）……突部 （13）……切欠部

フロントページの続き (72)考案者 田口 敏夫 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 (72)考案者 遠藤 修三 東京都江東区大島３丁目２番６号 株式会 社吉野工業所内 (72)考案者 椿 辰男 東京都江東区大島３丁目２番６号 株式会 社吉野工業所内 (56)参考文献 実開 昭64−25008（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−25010（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上方へ向って開放した中皿収納凹所（３）
   を備えたコンパクト容器本体（１）の側壁外周面に位置
   するリング状の取付板部（９）を有し、中皿収納凹所
   （３）に挿入された中皿（５）の側面に弾力的に当接す
   る複数の突部（12）を前記取付板部（９）に形成し、該
   突部（12）を中皿収納凹所（３）の側壁（８）を通して
   凹所（３）内に突出させ該突部（12）の弾性復元力と摩
   擦接触力とにより中皿（５）を保持するようにしたコン
   パクト容器において、取付板部（９）と一体の弾性変形
   自在な押上板部（11）を前記収納凹所（３）の底壁に配
   し、該押上板部（11）の下面をコンパクト容器の下面に
   臨ませて、コンパクト容器の下方から押上げ自在とした
   ことを特徴とする中皿を交換自在としたコンパクト容
   器。