JPH07251002A - 2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法 - Google Patents
2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法Info
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- JPH07251002A JPH07251002A JP4549494A JP4549494A JPH07251002A JP H07251002 A JPH07251002 A JP H07251002A JP 4549494 A JP4549494 A JP 4549494A JP 4549494 A JP4549494 A JP 4549494A JP H07251002 A JPH07251002 A JP H07251002A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】減圧蒸発缶内圧力及び加熱温度等を予め減圧蒸
発缶内が不安定かつ異常な過渡現象を引き起こすことの
ない状態に保持して運転を開始する2成分系減圧蒸発缶
装置とその運転方法を提供する。 【構成】請求項1記載の発明に係る2成分系減圧蒸発缶
装置は、内部を減圧して沸点の異なる成分の供給液4を
蒸留する減圧蒸発缶3に設けた圧力計7及び温度計8
と、加熱蒸気調圧弁6を備えた加熱ジャケット5と減圧
蒸発缶3に接続した供給液配管9及び蒸気配管10と、こ
の蒸気配管10に介挿した蒸気流量計11、凝縮器12、真空
発生器13と、この真空発生器13の入口に接続した真空圧
力調整弁14と凝縮器12に接続した留出液流量計15と前記
供給液配管9に止め弁16を介して接続した高沸点成分供
給槽17とからなることを特徴とする。
発缶内が不安定かつ異常な過渡現象を引き起こすことの
ない状態に保持して運転を開始する2成分系減圧蒸発缶
装置とその運転方法を提供する。 【構成】請求項1記載の発明に係る2成分系減圧蒸発缶
装置は、内部を減圧して沸点の異なる成分の供給液4を
蒸留する減圧蒸発缶3に設けた圧力計7及び温度計8
と、加熱蒸気調圧弁6を備えた加熱ジャケット5と減圧
蒸発缶3に接続した供給液配管9及び蒸気配管10と、こ
の蒸気配管10に介挿した蒸気流量計11、凝縮器12、真空
発生器13と、この真空発生器13の入口に接続した真空圧
力調整弁14と凝縮器12に接続した留出液流量計15と前記
供給液配管9に止め弁16を介して接続した高沸点成分供
給槽17とからなることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は減圧蒸発缶装置に係り、
特に沸点の異なる複数の成分を含む液体を蒸留回収する
2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法に関する。
特に沸点の異なる複数の成分を含む液体を蒸留回収する
2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】沸点の異なる複数の成分を含む液体を加
熱して、その蒸発した成分を蒸留回収す減圧蒸発缶装置
については種々の型式があり、その運転条件も様々であ
る。ケトル型の減圧蒸発缶装置を例にすると、この減圧
蒸発缶の内部には、貯溜した供給液を加熱する加熱ジャ
ケットが設置されている。
熱して、その蒸発した成分を蒸留回収す減圧蒸発缶装置
については種々の型式があり、その運転条件も様々であ
る。ケトル型の減圧蒸発缶装置を例にすると、この減圧
蒸発缶の内部には、貯溜した供給液を加熱する加熱ジャ
ケットが設置されている。
【0003】また、この減圧蒸発缶には、供給液配管と
蒸気配管が接続されていて、この蒸気配管には蒸気流量
計と凝縮器、真空発生器が介挿され、蒸気配管において
凝縮器と真空発生器の間には、真空圧力調整弁が接続さ
れ、凝縮器には凝縮液の留出流量計が、前記加熱ジャケ
ットには加熱蒸気調圧弁が介挿されている。さらに減圧
蒸発缶には、運転中または運転終了後に内部に残った供
給液を排出する缶残液貯溜槽が接続されて構成してい
る。
蒸気配管が接続されていて、この蒸気配管には蒸気流量
計と凝縮器、真空発生器が介挿され、蒸気配管において
凝縮器と真空発生器の間には、真空圧力調整弁が接続さ
れ、凝縮器には凝縮液の留出流量計が、前記加熱ジャケ
ットには加熱蒸気調圧弁が介挿されている。さらに減圧
蒸発缶には、運転中または運転終了後に内部に残った供
給液を排出する缶残液貯溜槽が接続されて構成してい
る。
【0004】このケトル型の減圧蒸発缶の運転方法で
は、減圧蒸発缶内の液位を一定に制御して、減圧蒸発缶
に流入する供給液量と減圧蒸発缶より流出する発生蒸気
量との平衡を得るのが一般的である。しかし、供給液の
温度,圧力,組成の条件により供給液と発生蒸気との平
衡関係は大きく変化することがある。
は、減圧蒸発缶内の液位を一定に制御して、減圧蒸発缶
に流入する供給液量と減圧蒸発缶より流出する発生蒸気
量との平衡を得るのが一般的である。しかし、供給液の
温度,圧力,組成の条件により供給液と発生蒸気との平
衡関係は大きく変化することがある。
【0005】例えば供給液として有機物の溶液を扱う場
合には、その処理温度や圧力の操作条件、または供給条
件が変動した場合に、蒸発蒸気量の制御が非常に難しい
ため、経験を重ねて安定に運転できる条件を見いだし、
その条件で継続して運転することが多く行われている。
合には、その処理温度や圧力の操作条件、または供給条
件が変動した場合に、蒸発蒸気量の制御が非常に難しい
ため、経験を重ねて安定に運転できる条件を見いだし、
その条件で継続して運転することが多く行われている。
【0006】すなわち、供給液は供給液配管から減圧蒸
発缶に供給され、加熱ジャケットに設けられた加熱蒸気
調圧弁によって加熱ジャケットに供給する加熱蒸気流量
を調節することにより、供給液の温度が調整される。ま
た、真空発生器の運転と真空圧力調整弁によって、減圧
蒸発缶内の圧力が調整される。
発缶に供給され、加熱ジャケットに設けられた加熱蒸気
調圧弁によって加熱ジャケットに供給する加熱蒸気流量
を調節することにより、供給液の温度が調整される。ま
た、真空発生器の運転と真空圧力調整弁によって、減圧
蒸発缶内の圧力が調整される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】減圧蒸発缶における従
来の運転方法は、蒸発缶内圧力と加熱温度を一定にし
て、自動制御は行わずに、蒸発蒸気流量と減圧蒸発缶内
液流量は成り行きの値となっていた。このために、蒸発
蒸気流量または蒸発缶内液流量が一定となるように、加
熱温度または蒸発缶内圧力を運転員が手動で操作してい
た。また、減圧蒸発缶における加熱開始時においては、
定常運転時と同様に蒸留回収しようとする高沸点成分の
含有割合が低い混合供給液で液張りをして、ある液位に
なった後に加熱を開始していた。
来の運転方法は、蒸発缶内圧力と加熱温度を一定にし
て、自動制御は行わずに、蒸発蒸気流量と減圧蒸発缶内
液流量は成り行きの値となっていた。このために、蒸発
蒸気流量または蒸発缶内液流量が一定となるように、加
熱温度または蒸発缶内圧力を運転員が手動で操作してい
た。また、減圧蒸発缶における加熱開始時においては、
定常運転時と同様に蒸留回収しようとする高沸点成分の
含有割合が低い混合供給液で液張りをして、ある液位に
なった後に加熱を開始していた。
【0008】しかしながら、加熱開始時には減圧蒸発缶
内における供給液の濃度が濃縮されていないために沸点
温度が低く、このように定格運転条件での加熱温度で供
給液を加熱した場合には、貯溜された供給液は急激な蒸
発や突然沸騰を起こしながら、減圧蒸発缶に対する供給
液流量を上回る蒸発蒸気が発生する支障がある。
内における供給液の濃度が濃縮されていないために沸点
温度が低く、このように定格運転条件での加熱温度で供
給液を加熱した場合には、貯溜された供給液は急激な蒸
発や突然沸騰を起こしながら、減圧蒸発缶に対する供給
液流量を上回る蒸発蒸気が発生する支障がある。
【0009】この供給液流量を上回る蒸発蒸気の発生
は、シミュレーション及び実験結果からも図5の比較特
性図の蒸発蒸気曲線1に示すように、起動初期において
供給液曲線2を大幅に上回る状態が生じて、減圧蒸発缶
内における供給液の液位が急激に低下したり、この急激
な蒸発現象のために減圧蒸発缶内の真空度を安定に維持
できない不安定な状態等になる。
は、シミュレーション及び実験結果からも図5の比較特
性図の蒸発蒸気曲線1に示すように、起動初期において
供給液曲線2を大幅に上回る状態が生じて、減圧蒸発缶
内における供給液の液位が急激に低下したり、この急激
な蒸発現象のために減圧蒸発缶内の真空度を安定に維持
できない不安定な状態等になる。
【0010】このような減圧蒸発缶が不安定な状態にな
ると、減圧蒸発缶における必要な蒸発面の確保が困難に
なると共に、加熱ジャケットに焼き付きを起こしたり、
供給液が過熱により熱分解が生じる等の問題があった。
また、通常の運転中においても、特に減圧蒸発缶からの
発生蒸気流量、または凝縮器からの留出液流量を測定
し、その測定値に応じて運転条件を変化させることなく
運転を続行しているため、供給液の成分条件等の変化に
より減圧蒸発缶における発生蒸気流量が大きく変動して
不安定な状態となる場合があった。
ると、減圧蒸発缶における必要な蒸発面の確保が困難に
なると共に、加熱ジャケットに焼き付きを起こしたり、
供給液が過熱により熱分解が生じる等の問題があった。
また、通常の運転中においても、特に減圧蒸発缶からの
発生蒸気流量、または凝縮器からの留出液流量を測定
し、その測定値に応じて運転条件を変化させることなく
運転を続行しているため、供給液の成分条件等の変化に
より減圧蒸発缶における発生蒸気流量が大きく変動して
不安定な状態となる場合があった。
【0011】したがって、起動開始時は勿論のこと定格
運転時においても、減圧蒸発缶における条件変動に対す
る調整操作のために、熟練した運転員が常時監視に当た
っていることから、運転員の負担が大きいことと、熟練
運転員の確保が困難という課題があった。
運転時においても、減圧蒸発缶における条件変動に対す
る調整操作のために、熟練した運転員が常時監視に当た
っていることから、運転員の負担が大きいことと、熟練
運転員の確保が困難という課題があった。
【0012】本発明の目的とするところは、減圧蒸発缶
内圧力及び加熱温度等を予め減圧蒸発缶内が不安定で異
常な過渡現象を引き起こすことのない状態に維持して起
動及び運転する2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法
を提供することにある。
内圧力及び加熱温度等を予め減圧蒸発缶内が不安定で異
常な過渡現象を引き起こすことのない状態に維持して起
動及び運転する2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る2成分系減圧蒸発缶装置は、
内部を減圧すると共に貯溜した沸点の異なる複数の成分
を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶に圧力計及び前
記貯溜した供給液の温度計と、加熱蒸気調圧弁を備えた
加熱ジャケットを設ける。
請求項1記載の発明に係る2成分系減圧蒸発缶装置は、
内部を減圧すると共に貯溜した沸点の異なる複数の成分
を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶に圧力計及び前
記貯溜した供給液の温度計と、加熱蒸気調圧弁を備えた
加熱ジャケットを設ける。
【0014】さらに、前記減圧蒸発缶に接続した供給液
配管及び蒸気配管と、この蒸気配管に介挿した蒸気流量
計、凝縮器及び真空発生器と、この真空発生器の入口に
接続した真空圧力調整弁及び凝縮器に接続した留出液流
量計と、前記供給液配管に止め弁を介して接続した高沸
点成分供給槽とからなることを特徴とする。
配管及び蒸気配管と、この蒸気配管に介挿した蒸気流量
計、凝縮器及び真空発生器と、この真空発生器の入口に
接続した真空圧力調整弁及び凝縮器に接続した留出液流
量計と、前記供給液配管に止め弁を介して接続した高沸
点成分供給槽とからなることを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明に係る2成分系減圧蒸
発缶装置の運転方法は、内部を減圧すると共に貯溜した
沸点の異なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減
圧蒸発缶への供給液流量と発生する蒸気流量または留出
液流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定
して、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め
求めておいた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と減
圧蒸発缶内圧力との関係特性を用いて減圧蒸発缶内圧力
を制御することを特徴とする。
発缶装置の運転方法は、内部を減圧すると共に貯溜した
沸点の異なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減
圧蒸発缶への供給液流量と発生する蒸気流量または留出
液流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定
して、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め
求めておいた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と減
圧蒸発缶内圧力との関係特性を用いて減圧蒸発缶内圧力
を制御することを特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明に係る2成分系減圧蒸
発缶装置の運転方法は、内部を減圧すると共に貯溜した
沸点の異なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減
圧蒸発缶への供給液流量と発生する蒸気流量または留出
液流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定
して、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め
求めておいた減圧蒸発缶内圧力一定時における蒸発蒸気
流量と加熱温度との関係特性を用いて加熱温度を制御す
ることを特徴とする。
発缶装置の運転方法は、内部を減圧すると共に貯溜した
沸点の異なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減
圧蒸発缶への供給液流量と発生する蒸気流量または留出
液流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定
して、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め
求めておいた減圧蒸発缶内圧力一定時における蒸発蒸気
流量と加熱温度との関係特性を用いて加熱温度を制御す
ることを特徴とする。
【0017】請求項4記載の発明に係る2成分系減圧蒸
発缶装置の運転方法は、内部を減圧すると共に貯溜した
沸点の異なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減
圧蒸発缶への供給液流量と発生する蒸気流流量または留
出液流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測
定して、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予
め求めておいた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と
減圧蒸発缶内圧力との関係特性を用いて減圧蒸発缶内圧
力を制御すると共に、減圧蒸発缶内圧力一定時における
蒸発蒸気流量と加熱温度との関係特性により減圧蒸発缶
内圧力を制御することを特徴とする。
発缶装置の運転方法は、内部を減圧すると共に貯溜した
沸点の異なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減
圧蒸発缶への供給液流量と発生する蒸気流流量または留
出液流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測
定して、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予
め求めておいた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と
減圧蒸発缶内圧力との関係特性を用いて減圧蒸発缶内圧
力を制御すると共に、減圧蒸発缶内圧力一定時における
蒸発蒸気流量と加熱温度との関係特性により減圧蒸発缶
内圧力を制御することを特徴とする。
【0018】請求項5記載の発明に係る2成分系減圧蒸
発缶装置の運転方法は、減圧蒸発缶装置の起動開始に際
して減圧蒸発缶内の供給液を加熱する前に当該供給液に
高沸点成分を供給して、予め求めておいた複数成分系で
の高沸点成分の濃度と蒸発蒸気流量との関係特性を用い
て減圧蒸発缶内の供給液が所望の蒸発蒸気流量となる高
沸点成分の濃度に調整して起動開始することを特徴とす
る。
発缶装置の運転方法は、減圧蒸発缶装置の起動開始に際
して減圧蒸発缶内の供給液を加熱する前に当該供給液に
高沸点成分を供給して、予め求めておいた複数成分系で
の高沸点成分の濃度と蒸発蒸気流量との関係特性を用い
て減圧蒸発缶内の供給液が所望の蒸発蒸気流量となる高
沸点成分の濃度に調整して起動開始することを特徴とす
る。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明は、減圧蒸発缶内に供給液
配管より複数の沸点の異なる成分を含む供給液を貯溜し
て、真空発生器で減圧蒸発缶内部を減圧すると共に、加
熱ジャケットにより貯溜された供給液を加熱する。この
加熱により蒸発した蒸気は、一部が凝縮器で凝縮される
と共に真空発生器を経由して排出される。
配管より複数の沸点の異なる成分を含む供給液を貯溜し
て、真空発生器で減圧蒸発缶内部を減圧すると共に、加
熱ジャケットにより貯溜された供給液を加熱する。この
加熱により蒸発した蒸気は、一部が凝縮器で凝縮される
と共に真空発生器を経由して排出される。
【0020】減圧蒸発缶で蒸発する蒸気量と供給液配管
から供給される供給液量が平衡していると、減圧蒸発缶
内圧力と供給液温度は安定して推移する。しかしなが
ら、特に起動開始時には、供給液の成分により高沸点成
分が少ないと加熱ジャケットによる加熱により蒸発蒸気
量が急増して供給液量を上回り、減圧蒸発缶における供
給液の液面低下や圧力等が不安定状態となるが、減圧蒸
発缶内圧力あるいは供給液の加熱温度を調整することに
より、これを回避することができる。
から供給される供給液量が平衡していると、減圧蒸発缶
内圧力と供給液温度は安定して推移する。しかしなが
ら、特に起動開始時には、供給液の成分により高沸点成
分が少ないと加熱ジャケットによる加熱により蒸発蒸気
量が急増して供給液量を上回り、減圧蒸発缶における供
給液の液面低下や圧力等が不安定状態となるが、減圧蒸
発缶内圧力あるいは供給液の加熱温度を調整することに
より、これを回避することができる。
【0021】請求項2記載の発明は、複数の沸点の異な
る成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶への供給
液流量と減圧蒸発缶から発生する蒸気流量または留出液
流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定し
て、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求
めておいた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と減圧
蒸発缶内圧力との関係特性を用いて、供給液流量と蒸発
蒸気流量が平衡する減圧蒸発缶内圧力値を設定し、真空
圧力調整弁で減圧蒸発缶内圧力を設定値に制御すること
により蒸発蒸気流量が急増して供給液流量を上回り、減
圧蒸発缶における供給液の液面低下や圧力等が不安定と
なることが防止される。
る成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶への供給
液流量と減圧蒸発缶から発生する蒸気流量または留出液
流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定し
て、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求
めておいた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と減圧
蒸発缶内圧力との関係特性を用いて、供給液流量と蒸発
蒸気流量が平衡する減圧蒸発缶内圧力値を設定し、真空
圧力調整弁で減圧蒸発缶内圧力を設定値に制御すること
により蒸発蒸気流量が急増して供給液流量を上回り、減
圧蒸発缶における供給液の液面低下や圧力等が不安定と
なることが防止される。
【0022】請求項3記載の発明は、複数の沸点の異な
る成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶への供給
液流量と減圧蒸発缶から発生する蒸気流量または留出液
流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定し
て、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求
めておいた減圧蒸発缶内圧力一定時における蒸発蒸気流
量と加熱温度との関係特性を用いて、供給液流量と蒸発
蒸気流量が平衡する加熱温度値を設定し、加熱蒸気調圧
弁により加熱温度を設定値に制御することにより蒸発蒸
気流量が急増して供給液流量を上回り、減圧蒸発缶にお
ける供給液の液面低下や圧力等が不安定となることが防
止される。
る成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶への供給
液流量と減圧蒸発缶から発生する蒸気流量または留出液
流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定し
て、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求
めておいた減圧蒸発缶内圧力一定時における蒸発蒸気流
量と加熱温度との関係特性を用いて、供給液流量と蒸発
蒸気流量が平衡する加熱温度値を設定し、加熱蒸気調圧
弁により加熱温度を設定値に制御することにより蒸発蒸
気流量が急増して供給液流量を上回り、減圧蒸発缶にお
ける供給液の液面低下や圧力等が不安定となることが防
止される。
【0023】請求項4記載の発明は、複数の沸点の異な
る成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶への供給
液流量と減圧蒸発缶から発生する蒸気流量または留出液
流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定し
て、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求
めておいた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と減圧
蒸発缶内圧力との関係特性を用いて、供給液流量と蒸発
蒸気流量が平衡する減圧蒸発缶内圧力値を設定して、真
空圧力調整弁で減圧蒸発缶内圧力を設定値に制御する。
る成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶への供給
液流量と減圧蒸発缶から発生する蒸気流量または留出液
流量と減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定し
て、供給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求
めておいた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と減圧
蒸発缶内圧力との関係特性を用いて、供給液流量と蒸発
蒸気流量が平衡する減圧蒸発缶内圧力値を設定して、真
空圧力調整弁で減圧蒸発缶内圧力を設定値に制御する。
【0024】さらに、減圧蒸発缶内圧力一定時における
蒸発蒸気流量と加熱温度との関係特性を用いて、供給液
流量と蒸発蒸気流量が平衡する加熱温度値を設定し、加
熱蒸気調圧弁により加熱温度を設定値に制御する。これ
により、減圧蒸発缶における供給液の液面低下や圧力等
が不安定となることが応答性良く防止される。
蒸発蒸気流量と加熱温度との関係特性を用いて、供給液
流量と蒸発蒸気流量が平衡する加熱温度値を設定し、加
熱蒸気調圧弁により加熱温度を設定値に制御する。これ
により、減圧蒸発缶における供給液の液面低下や圧力等
が不安定となることが応答性良く防止される。
【0025】請求項5記載の発明は、複数の沸点の異な
る成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶装置の起
動開始前に、高沸点成分供給槽より高沸点成分の溶液を
供給液配管を介して減圧蒸発缶内に供給し、貯溜した供
給液における高沸点成分の濃度を、予め求めておいた複
数成分系での高沸点成分の濃度と蒸発蒸気流量との関係
特性を用いて所望の蒸発蒸気流量となる濃度に調整す
る。
る成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶装置の起
動開始前に、高沸点成分供給槽より高沸点成分の溶液を
供給液配管を介して減圧蒸発缶内に供給し、貯溜した供
給液における高沸点成分の濃度を、予め求めておいた複
数成分系での高沸点成分の濃度と蒸発蒸気流量との関係
特性を用いて所望の蒸発蒸気流量となる濃度に調整す
る。
【0026】これにより、起動開始初期における加熱ジ
ャケットによる加熱に対して、蒸発蒸気流量が急増しな
いので、これに起因する減圧蒸発缶における供給液の液
面低下や圧力等が不安定状態となることがなく、安定し
て定常状態に導くことができる。
ャケットによる加熱に対して、蒸発蒸気流量が急増しな
いので、これに起因する減圧蒸発缶における供給液の液
面低下や圧力等が不安定状態となることがなく、安定し
て定常状態に導くことができる。
【0027】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。第1実施例に示す減圧蒸発缶装置は図1の系統構成
図に示すように、減圧蒸発缶3の内部には、貯溜した供
給液4を加熱する加熱ジャケット5が設置されていて、
この加熱ジャケット5には、供給する加熱蒸気を調節す
る加熱蒸気調圧弁6が介挿されている。また、この減圧
蒸発缶3には、圧力計7と温度計8、及び複数成分が混
合した供給液4を供給する供給液配管9と蒸気配管10が
接続されていて、この蒸気配管10には蒸気流量計11と凝
縮器12、真空発生器13が介挿されている。
る。第1実施例に示す減圧蒸発缶装置は図1の系統構成
図に示すように、減圧蒸発缶3の内部には、貯溜した供
給液4を加熱する加熱ジャケット5が設置されていて、
この加熱ジャケット5には、供給する加熱蒸気を調節す
る加熱蒸気調圧弁6が介挿されている。また、この減圧
蒸発缶3には、圧力計7と温度計8、及び複数成分が混
合した供給液4を供給する供給液配管9と蒸気配管10が
接続されていて、この蒸気配管10には蒸気流量計11と凝
縮器12、真空発生器13が介挿されている。
【0028】さらに、蒸気配管10において凝縮器12と真
空発生器13の間には、真空圧力調整弁14が接続され、凝
縮器12には凝縮された液の留出液流量計15が接続されて
いる。また、前記供給液配管9には、止め弁16を介して
高沸点成分供給槽17が接続され、減圧蒸発缶3には、運
転中または運転終了後に内部に残った供給液を排出する
缶残液貯槽18が接続されて構成している。
空発生器13の間には、真空圧力調整弁14が接続され、凝
縮器12には凝縮された液の留出液流量計15が接続されて
いる。また、前記供給液配管9には、止め弁16を介して
高沸点成分供給槽17が接続され、減圧蒸発缶3には、運
転中または運転終了後に内部に残った供給液を排出する
缶残液貯槽18が接続されて構成している。
【0029】第2実施例として上記図1に示す構成によ
る運転方法を説明する。前記真空発生器13と真空圧力調
整弁14により減圧蒸発缶3内の圧力が調整され、加熱ジ
ャケット5と加熱蒸気調圧弁6によって、減圧蒸発缶3
内における供給液4の加熱温度を調整する。
る運転方法を説明する。前記真空発生器13と真空圧力調
整弁14により減圧蒸発缶3内の圧力が調整され、加熱ジ
ャケット5と加熱蒸気調圧弁6によって、減圧蒸発缶3
内における供給液4の加熱温度を調整する。
【0030】減圧蒸発缶3から発生して蒸気配管10を流
れる蒸気の流量は蒸気流量計11、または凝縮器12によっ
て凝縮された液を留出液流量計15で測定する。さらに、
減圧蒸発缶3内の圧力は圧力計7で、また減圧蒸発缶3
内の供給液4の加熱温度は温度計8で測定する。
れる蒸気の流量は蒸気流量計11、または凝縮器12によっ
て凝縮された液を留出液流量計15で測定する。さらに、
減圧蒸発缶3内の圧力は圧力計7で、また減圧蒸発缶3
内の供給液4の加熱温度は温度計8で測定する。
【0031】減圧蒸発缶3で蒸発蒸気流量の急激な変
動、もしくは供給液4の供給液流量に対して多量な蒸発
蒸気の発生等の不安定な状態になったときには、圧力計
7による減圧蒸発缶3内の圧力、及び温度計8による加
熱温度の測定値より、定格運転状態と同様に供給液流量
と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求めておいた、図
2の特性図に示す『減圧蒸発缶加熱温度を一定にしたと
きの、減圧蒸発缶圧力と蒸発蒸気流量の関係特性』を用
いる。
動、もしくは供給液4の供給液流量に対して多量な蒸発
蒸気の発生等の不安定な状態になったときには、圧力計
7による減圧蒸発缶3内の圧力、及び温度計8による加
熱温度の測定値より、定格運転状態と同様に供給液流量
と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求めておいた、図
2の特性図に示す『減圧蒸発缶加熱温度を一定にしたと
きの、減圧蒸発缶圧力と蒸発蒸気流量の関係特性』を用
いる。
【0032】この曲線19から現在の蒸発蒸気流量(For
D)が供給液流量に対して多い場合には、減圧蒸発缶内
圧力(P)を高くして、供給液流量と同じ蒸発蒸気流量
となるような減圧蒸発缶内圧力値を求める。また、現在
の蒸発蒸気流量(ForD)が供給液流量に対して少ない
場合には、低い減圧蒸発缶内圧力値を求める。
D)が供給液流量に対して多い場合には、減圧蒸発缶内
圧力(P)を高くして、供給液流量と同じ蒸発蒸気流量
となるような減圧蒸発缶内圧力値を求める。また、現在
の蒸発蒸気流量(ForD)が供給液流量に対して少ない
場合には、低い減圧蒸発缶内圧力値を求める。
【0033】次に現在の減圧蒸発缶内圧力(P)を、今
求めた減圧蒸発缶内圧力値にするように真空圧力調整弁
14を操作する。以上の自動操作により、減圧蒸発缶3内
を不安定な状態にさせることなく、安定した状態で減圧
蒸発缶3から発生する蒸発蒸気流量が、供給液流量を大
幅に上回ることなく供給液流量の値に近づけて、平衡し
た定常状態に制御する。
求めた減圧蒸発缶内圧力値にするように真空圧力調整弁
14を操作する。以上の自動操作により、減圧蒸発缶3内
を不安定な状態にさせることなく、安定した状態で減圧
蒸発缶3から発生する蒸発蒸気流量が、供給液流量を大
幅に上回ることなく供給液流量の値に近づけて、平衡し
た定常状態に制御する。
【0034】また通常運転時においても同様に、供給液
4の供給液流量や組成等の突発的な変動、及び蒸発蒸気
流量の変動に対して、所望の蒸発蒸気流量を与えられる
ように、減圧蒸発缶内圧力(P)を変化させることによ
って、減圧蒸発缶3における不安定な運転を未然に防止
することができる。
4の供給液流量や組成等の突発的な変動、及び蒸発蒸気
流量の変動に対して、所望の蒸発蒸気流量を与えられる
ように、減圧蒸発缶内圧力(P)を変化させることによ
って、減圧蒸発缶3における不安定な運転を未然に防止
することができる。
【0035】第3実施例は、上記第1実施例と同様に図
1に示す構成で、その運転方法としては、減圧蒸発缶3
における蒸発蒸気流量の急激な変動、もしくは供給液流
量に対して多量な蒸発蒸気の発生等の不安定な状態にな
ったときには、圧力計7による減圧蒸発缶内圧力、及び
温度計8による減圧蒸発缶3内の供給液4の加熱温度を
測定する。
1に示す構成で、その運転方法としては、減圧蒸発缶3
における蒸発蒸気流量の急激な変動、もしくは供給液流
量に対して多量な蒸発蒸気の発生等の不安定な状態にな
ったときには、圧力計7による減圧蒸発缶内圧力、及び
温度計8による減圧蒸発缶3内の供給液4の加熱温度を
測定する。
【0036】続いてこの測定値より、供給液流量と蒸発
蒸気流量が平衡するように予め求めておいた、図3の特
性図に示す『減圧蒸発缶内圧力を一定にしたときの、加
熱温度と蒸発蒸気流量の関係特性』を用いて、曲線20か
ら現在の蒸発蒸気流量(ForD)が供給液流量に対して
多い場合には、供給液4の加熱温度(T)を低くして供
給液流量と同じ蒸発蒸気流量となる加熱温度値を求め
る。
蒸気流量が平衡するように予め求めておいた、図3の特
性図に示す『減圧蒸発缶内圧力を一定にしたときの、加
熱温度と蒸発蒸気流量の関係特性』を用いて、曲線20か
ら現在の蒸発蒸気流量(ForD)が供給液流量に対して
多い場合には、供給液4の加熱温度(T)を低くして供
給液流量と同じ蒸発蒸気流量となる加熱温度値を求め
る。
【0037】次に現在の減圧蒸発缶3における供給液4
の加熱温度(T)を、今求めた加熱温度値となるように
加熱蒸気調圧弁6を操作して加熱ジャケット5における
加熱蒸気の供給流量を制御する。以上の自動操作によ
り、減圧蒸発缶3内を不安定な状態にさせることなく、
安定して減圧蒸発缶3から発生する蒸気流量が、供給液
流量を大幅に上回ることなく供給液流量の値に近づけて
定常状態とする。
の加熱温度(T)を、今求めた加熱温度値となるように
加熱蒸気調圧弁6を操作して加熱ジャケット5における
加熱蒸気の供給流量を制御する。以上の自動操作によ
り、減圧蒸発缶3内を不安定な状態にさせることなく、
安定して減圧蒸発缶3から発生する蒸気流量が、供給液
流量を大幅に上回ることなく供給液流量の値に近づけて
定常状態とする。
【0038】また通常運転時においても同様に、供給液
4の供給液流量や組成等の突発的な変動、及び蒸発蒸気
流量の変動に対して、所望の蒸発蒸気流量を与えられる
ように、加熱温度(T)を変化させることによって、減
圧蒸発缶3における不安定な運転を未然に防止すること
ができる。
4の供給液流量や組成等の突発的な変動、及び蒸発蒸気
流量の変動に対して、所望の蒸発蒸気流量を与えられる
ように、加熱温度(T)を変化させることによって、減
圧蒸発缶3における不安定な運転を未然に防止すること
ができる。
【0039】第4実施例は上記第2実施例と第3実施例
を併用した運転方法で、上記第1実施例と同様に図1に
示す構成で、減圧蒸発缶3において蒸発蒸気流量の急激
な変動もしくは供給液4の供給液流量に対して多量な蒸
発蒸気の発生等の不安定な状態になったときには、圧力
計7と温度計8による減圧蒸発缶3内の圧力及び供給液
4の加熱温度を測定する。
を併用した運転方法で、上記第1実施例と同様に図1に
示す構成で、減圧蒸発缶3において蒸発蒸気流量の急激
な変動もしくは供給液4の供給液流量に対して多量な蒸
発蒸気の発生等の不安定な状態になったときには、圧力
計7と温度計8による減圧蒸発缶3内の圧力及び供給液
4の加熱温度を測定する。
【0040】この測定値より、供給液流量と蒸発蒸気流
量が平衡するように予め求めておいた、図2の特性図に
示す『減圧蒸発缶加熱温度を一定にしたときの、減圧蒸
発缶圧力と蒸発蒸気流量の関係特性』を用いて、曲線19
から現在の蒸発蒸気流量(ForD)が供給液流量に対し
て多い場合には、減圧蒸発缶内圧力(P)を高くして、
供給液流量と同じ蒸発蒸気流量となるような減圧蒸発缶
内圧力値を求め、減圧蒸発缶3内の圧力を高くするよう
に真空圧力調整弁14を操作する。
量が平衡するように予め求めておいた、図2の特性図に
示す『減圧蒸発缶加熱温度を一定にしたときの、減圧蒸
発缶圧力と蒸発蒸気流量の関係特性』を用いて、曲線19
から現在の蒸発蒸気流量(ForD)が供給液流量に対し
て多い場合には、減圧蒸発缶内圧力(P)を高くして、
供給液流量と同じ蒸発蒸気流量となるような減圧蒸発缶
内圧力値を求め、減圧蒸発缶3内の圧力を高くするよう
に真空圧力調整弁14を操作する。
【0041】また同時に、図3の『減圧蒸発缶内圧力を
一定にしたときの、加熱温度と蒸発蒸気流量の関係特
性』を用いて、曲線20から現在の蒸発蒸気流量が供給液
流量に対して多い場合には、加熱温度(T)を低くして
供給液流量と同じ蒸発蒸気流量となるような加熱温度値
を求めて、この加熱温度値になるように加熱蒸気調圧弁
3を操作して加熱温度(T)を制御する。
一定にしたときの、加熱温度と蒸発蒸気流量の関係特
性』を用いて、曲線20から現在の蒸発蒸気流量が供給液
流量に対して多い場合には、加熱温度(T)を低くして
供給液流量と同じ蒸発蒸気流量となるような加熱温度値
を求めて、この加熱温度値になるように加熱蒸気調圧弁
3を操作して加熱温度(T)を制御する。
【0042】以上の自動操作により、減圧蒸発缶3内を
不安定な状態にさせることなく、安定して減圧蒸発缶3
から発生する蒸気流量が、供給液流量を大幅に上回るこ
となく供給液流量の値に近づき、定常状態に導くことが
できる。この第4実施例では、上記第2実施例と第3実
施例を併用していることから、その制御範囲が広く、ま
た、応答速度も速やかとなる特徴がある。
不安定な状態にさせることなく、安定して減圧蒸発缶3
から発生する蒸気流量が、供給液流量を大幅に上回るこ
となく供給液流量の値に近づき、定常状態に導くことが
できる。この第4実施例では、上記第2実施例と第3実
施例を併用していることから、その制御範囲が広く、ま
た、応答速度も速やかとなる特徴がある。
【0043】第5実施例は、上記図1と同じ構成であ
り、特に起動開始時の運転方法で、加熱開始前に止め弁
16を開いて高沸点成分供給槽17から供給液配管9を経由
し、減圧蒸発缶3内へ高沸点成分液の液張りを行い、こ
の後に加熱ジャケット5により高沸点成分液の加熱を実
施する。
り、特に起動開始時の運転方法で、加熱開始前に止め弁
16を開いて高沸点成分供給槽17から供給液配管9を経由
し、減圧蒸発缶3内へ高沸点成分液の液張りを行い、こ
の後に加熱ジャケット5により高沸点成分液の加熱を実
施する。
【0044】この際には、供給液流量と蒸発蒸気流量が
平衡する運転時を想定して予め求めておいた図4の特性
図に示す『2成分系での高沸点成分の濃度と蒸発蒸気流
量の関係特性』を用いて、この曲線21により所望の蒸発
蒸気流量に対応する高沸点成分の濃度として運転を開始
する。
平衡する運転時を想定して予め求めておいた図4の特性
図に示す『2成分系での高沸点成分の濃度と蒸発蒸気流
量の関係特性』を用いて、この曲線21により所望の蒸発
蒸気流量に対応する高沸点成分の濃度として運転を開始
する。
【0045】このように起動開始前に減圧蒸発缶3内の
供給液の組成を充分高沸点のものにしておけば、通常運
転時の加熱蒸発缶内圧力及び加熱温度で運転を開始して
も、図5の特性図で曲線22に示すように、減圧蒸発缶3
において発生する蒸気流量は、供給液流量を上回ること
なく安定した状態で曲線2で示す供給液流量の値に近づ
いて一致させることができる。したがって、起動開始に
際して急激な蒸発等は発生せずに安定して定常状態へ導
くことができるので、起動開始時における運転操作が上
記第2実施例乃至第4実施例に比べて簡便に行える特徴
がある。
供給液の組成を充分高沸点のものにしておけば、通常運
転時の加熱蒸発缶内圧力及び加熱温度で運転を開始して
も、図5の特性図で曲線22に示すように、減圧蒸発缶3
において発生する蒸気流量は、供給液流量を上回ること
なく安定した状態で曲線2で示す供給液流量の値に近づ
いて一致させることができる。したがって、起動開始に
際して急激な蒸発等は発生せずに安定して定常状態へ導
くことができるので、起動開始時における運転操作が上
記第2実施例乃至第4実施例に比べて簡便に行える特徴
がある。
【0046】なお、上記第2実施例乃至第4実施例につ
いては、図1に示した止め弁16と高沸点成分供給槽17を
設置する必要はなく、また第5実施例は、第2実施例乃
至第4実施例の夫々と併用することは容易で、その結果
として起動開始時における運転操作が簡便となる効果が
得られるものである。
いては、図1に示した止め弁16と高沸点成分供給槽17を
設置する必要はなく、また第5実施例は、第2実施例乃
至第4実施例の夫々と併用することは容易で、その結果
として起動開始時における運転操作が簡便となる効果が
得られるものである。
【0047】
【発明の効果】以上本発明によれば、複数成分系供給液
の蒸留回収をする減圧蒸発缶装置において、減圧蒸発缶
内の圧力及び減圧蒸発缶内の供給液の加熱温度が効率的
に制御されて、通常運転時は勿論のこと、起動開始時で
供給液における高沸点成分の割合が低く、突発的な蒸発
から減圧蒸発缶内が不安定になり易い条件でも、蒸気蒸
発量と供給液量とが平衡するようにに維持する運転が容
易に行える。これにより、減圧蒸発缶装置の健全性と蒸
留する供給液を適性に維持すると共に、運転員の負担を
軽減する効果がある。
の蒸留回収をする減圧蒸発缶装置において、減圧蒸発缶
内の圧力及び減圧蒸発缶内の供給液の加熱温度が効率的
に制御されて、通常運転時は勿論のこと、起動開始時で
供給液における高沸点成分の割合が低く、突発的な蒸発
から減圧蒸発缶内が不安定になり易い条件でも、蒸気蒸
発量と供給液量とが平衡するようにに維持する運転が容
易に行える。これにより、減圧蒸発缶装置の健全性と蒸
留する供給液を適性に維持すると共に、運転員の負担を
軽減する効果がある。
【図1】本発明に係る第1実施例の減圧蒸発缶装置の系
統構成図。
統構成図。
【図2】本発明に係る第2実施例の加熱温度を一定にし
た時の蒸発蒸気流量と減圧蒸発缶圧力との関係特性図。
た時の蒸発蒸気流量と減圧蒸発缶圧力との関係特性図。
【図3】本発明に係る第3実施例の減圧蒸発缶圧力を一
定にした時の蒸発蒸気流量と加熱温度との関係特性図。
定にした時の蒸発蒸気流量と加熱温度との関係特性図。
【図4】本発明に係る第4実施例の減圧蒸発缶圧力と加
熱温度を一定にした時の蒸発蒸気流量と2成分系高沸点
成分濃度との関係特性図。
熱温度を一定にした時の蒸発蒸気流量と2成分系高沸点
成分濃度との関係特性図。
【図5】本発明の第5実施例と従来例の減圧蒸発缶装置
運転方法における経過時間に対する蒸気流量の比較特性
図。
運転方法における経過時間に対する蒸気流量の比較特性
図。
1,2,19〜22…曲線、3…減圧蒸発缶、4…供給液、
5…加熱ジャケット、6…加熱蒸気調圧弁、7…圧力
計、8…温度計、9…供給液配管、10…蒸気配管、11…
蒸気流量計、12…凝縮器、13…真空発生器、14…真空圧
力調整弁、15…留出液流量計、16…止め弁、17…高沸点
成分供給槽、18…缶残液貯槽。
5…加熱ジャケット、6…加熱蒸気調圧弁、7…圧力
計、8…温度計、9…供給液配管、10…蒸気配管、11…
蒸気流量計、12…凝縮器、13…真空発生器、14…真空圧
力調整弁、15…留出液流量計、16…止め弁、17…高沸点
成分供給槽、18…缶残液貯槽。
Claims (5)
- 【請求項1】 内部を減圧すると共に貯溜した沸点の異
なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶
に設けた圧力計及び前記貯溜した供給液の温度計と、加
熱蒸気調圧弁を備えた加熱ジャケットと、前記減圧蒸発
缶に接続した供給液配管及び蒸気配管と、この蒸気配管
に介挿した蒸気流量計、凝縮器及び真空発生器と、この
真空発生器の入口に接続した真空圧力調整弁及び前記凝
縮器に接続した留出液流量計と、前記供給液配管に止め
弁を介して接続した高沸点成分供給槽とからなることを
特徴とする2成分系減圧蒸発缶装置。 - 【請求項2】 内部を減圧すると共に貯溜した沸点の異
なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶
への供給液流量と発生する蒸気流量または留出液流量と
減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定して、供
給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求めてお
いた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と減圧蒸発缶
内圧力との関係特性を用いて減圧蒸発缶内圧力を制御す
ることを特徴とする2成分系減圧蒸発缶装置の運転方
法。 - 【請求項3】 内部を減圧すると共に貯溜した沸点の異
なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶
への供給液流量と発生する蒸気流量または留出液流量と
減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定して、供
給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求めてお
いた減圧蒸発缶内圧力一定時における蒸発蒸気流量と加
熱温度との関係特性を用いて加熱温度を制御することを
特徴とする2成分系減圧蒸発缶装置の運転方法。 - 【請求項4】 内部を減圧すると共に貯溜した沸点の異
なる複数の成分を含む供給液を加熱蒸留する減圧蒸発缶
への供給液流量と発生する蒸気流量または留出液流量と
減圧蒸発缶内圧力及び供給液の加熱温度を測定して、供
給液流量と蒸発蒸気流量が平衡するように予め求めてお
いた加熱温度一定時における蒸発蒸気流量と減圧蒸発缶
内圧力との関係特性を用いて減圧蒸発缶内圧力を制御す
ると共に減圧蒸発缶内圧力一定時における蒸発蒸気流量
と加熱温度との関係特性により減圧蒸発缶内圧力を制御
することを特徴とする請求項2及び請求項3記載の2成
分系減圧蒸発缶装置の運転方法。 - 【請求項5】 2成分系減圧蒸発缶装置の起動開始に際
して減圧蒸発缶内の供給液を加熱する前に当該供給液に
高沸点成分を供給して、予め求めておいた複数成分系で
の高沸点成分の濃度と蒸発蒸気流量との関係特性を用い
て減圧蒸発缶内の供給液が所望の蒸発蒸気流量となる高
沸点成分の濃度に調整して起動開始することを特徴とす
る2成分系減圧蒸発缶装置の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4549494A JPH07251002A (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4549494A JPH07251002A (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07251002A true JPH07251002A (ja) | 1995-10-03 |
Family
ID=12720960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4549494A Pending JPH07251002A (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 2成分系減圧蒸発缶装置とその運転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07251002A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014088345A1 (ko) * | 2012-12-05 | 2014-06-12 | 코웨이 주식회사 | 스팀 발생기 |
JP5923226B1 (ja) * | 2016-01-29 | 2016-05-24 | 株式会社日立製作所 | 濃縮装置及び濃縮方法 |
US10150837B2 (en) * | 2016-06-23 | 2018-12-11 | Covestro Llc | Processes for removing water from a polyether polyol |
-
1994
- 1994-03-16 JP JP4549494A patent/JPH07251002A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014088345A1 (ko) * | 2012-12-05 | 2014-06-12 | 코웨이 주식회사 | 스팀 발생기 |
US9958151B2 (en) | 2012-12-05 | 2018-05-01 | Coway Co., Ltd. | Steam generator |
JP5923226B1 (ja) * | 2016-01-29 | 2016-05-24 | 株式会社日立製作所 | 濃縮装置及び濃縮方法 |
WO2017130554A1 (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 株式会社日立製作所 | 濃縮装置及び濃縮方法 |
US10150837B2 (en) * | 2016-06-23 | 2018-12-11 | Covestro Llc | Processes for removing water from a polyether polyol |
CN109312066A (zh) * | 2016-06-23 | 2019-02-05 | 科思创有限公司 | 从聚醚多元醇中除去水的方法 |
CN109312066B (zh) * | 2016-06-23 | 2021-09-28 | 科思创有限公司 | 从聚醚多元醇中除去水的方法 |
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