JPH07250774A

JPH07250774A - バス設備

Info

Publication number: JPH07250774A
Application number: JP4555894A
Authority: JP
Inventors: Masayoshi Kubo; 雅義久保; Chika Naoe; 知香直江; Masaki Yamamoto; 正樹山本; Hirofumi Tamaizumi; 洋文玉泉
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1994-03-16
Filing date: 1994-03-16
Publication date: 1995-10-03

Abstract

(57)【要約】【目的】通常のバスタブ入浴と、このバスタブ入浴と
同等レベルの温熱作用がありながら、通常のシャワー入
浴と同等の簡易さを満足するシャワー入浴とが行えるよ
うにする。【構成】バスタブ１と、入浴者の身体に向け、この身
体のまわり各所から湯水を霧状に噴出させて、身体を霧
状の湯水によって包み込むように設けられた霧噴出手段
３とを並設し、どちらも適宜使用できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はバス設備に関し、詳しく
は複数のバス機能を有したバス設備に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】バス設備としては従来、バスタブと洗い
場を有した通常のバス設備、あるいはサウナバス設備、
およびスチームバス設備、さらに簡易なバス手段として
はシャワーのみによるシャワーバス設備もある。

【０００３】これらは、それぞれに特有のバス機能を有
している。一般家庭では、前記通常のバス設備に手に持
って使用するハンドシャワー具を設け、適宜使用するの
が普通となっている。

【０００４】バスタブ入浴は、ゆったりと湯につかって
リラックスし、十分に暖まることができる。したがっ
て、温熱作用による疲労回復と云った効果が得られる。
ハンドシャワー具は頭や体を洗い流すのに便利である一
方、シャワーを浴びるだけの簡易なシャワー入浴にもし
ばしば使用される。このシャワー入浴は、入浴前後に手
間が掛からない上、節水効果、省エネルギー、省スペー
スなどの特徴があり、これ単独の簡易入浴手段として慣
習化もしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、シャワー入浴
では、温熱作用が得られにくく、体の芯まで十分に暖ま
れないし、リラックスした気分が得られない。したがっ
て、これを日常の入浴方法とするのでは日本の風呂文化
に根ざす慣習に合わず不満が残る。また、バスタブ入浴
では、静水圧等により身体に負担が掛かり、心臓疾患の
ある人や高血圧症の人などには負担が大きい。さらに、
バスタブ入浴では、入浴前にバスタブに湯を溜め、また
入浴後バスタブの湯を抜き、内面を洗い流すなど、入浴
の前後に手間が掛かる。また、介護が必要な人がバスタ
ブ入浴するには、バスタブへの出入りを手伝い、またバ
スタブ内で安全に、かつ不安なきように支えたり、洗っ
たりするのに、介護者の負担が大きい。これをシャワー
入浴に代えて対処するのでは、温熱作用を十分得られな
いし、体の弱い人や体調の悪い人の場合、風邪を引きや
すいと云った問題もある。

【０００６】そこで本発明は、通常のバスタブ入浴と、
このバスタブ入浴と同等レベルの温熱作用があるシャワ
ー入浴とが適宜行えて、便利で、従来のような問題を解
消することができるバス設備を提供することを目的とす
るものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、バスタブと、入浴者の身体に向け、この身
体のまわり各所から湯水を霧状に噴出させて、身体を霧
状の湯水によって包み込むように設けられた霧噴出手段
とを並設したことを第１の特徴とするものであり、霧噴
出手段が湯水を噴出させる空間にスチームを吹き出すよ
うに設けられたスチーム吹出し手段をさらに備えたもの
とするのが好適である。

【０００８】また、本発明は上記目的を達成するため
に、入浴者の身体に向け、この身体のまわり各所から湯
水を霧状に噴出する霧噴出手段を備えた霧状シャワール
ームと、バスタブを備えたバスルームとを隣どうしに設
け、霧状シャワールームとバスルームとの間に連絡口を
設けるとともに、霧状シャワールームとバスルームとの
少なくとも一方に出入り口を設け、連絡口および出入り
口のそれぞれにドアを設けたことを第２の特徴とするも
のである。

【０００９】この場合、霧状シャワールームの所定位置
に設けられて、入浴者を座らせ、霧噴出ノズルから噴出
される霧状の湯水を所定の位置で受けるようにする座部
を備えたものとするのがよく、この座部は霧状シャワー
ルームの壁面に沿った格納位置と、壁面から前方に張り
出した使用位置との間で、出し入れできるように支持さ
れた座体であるのが好適である。

【００１０】また、連絡口および出入り口のうち、霧状
シャワールームが外部に通じる経路に位置するものの敷
居部において、この敷居で仕切られる両側の床面が、敷
居を介しほぼ面一状態で連続するようにしてあるのが好
適である。

【００１１】また、霧状シャワールームにスチームを吹
き出すスチーム吹出し手段を備えたものとするのが好適
である。

【００１２】また、給水源と給湯源とが、混合栓を介
し、霧噴出手段に接続されているのがよく、霧状シャワ
ールームには、手に持って使用するハンドシャワー具を
備え、このハンドシャワー具と霧噴出手段とが、前記混
合栓に切換え接続されて、湯水を供給されるようにする
のがよい。

【００１３】さらに、操作手段からの設定操作入力に応
じて、混合栓から供給する湯水の温度が設定温度になる
ように混合栓の混合比を自動的に制御する制御手段を備
えたものであるのが好適であり、操作手段は、霧状シャ
ワールームに設けられる霧噴出手段、または霧噴出手段
およびスチーム吹出し手段の作動、作動停止を制御する
機能をも有し、霧状シャワールームに常設される常設操
作手段と、持ち運びできるリモートコントロール機能を
持った手元操作手段との２つを備えるのがよい。

【００１４】バスルームはバスタブのみ設置し、霧状シ
ャワールームに洗い場用の湯水を供給する蛇口を設け、
霧状シャワールーム内をバスルームの洗い場に兼用する
こともでき、バスルームと霧状シャワールームとの連絡
口にスライドドアを設けるのが好適である。

【００１５】霧状シャワールームおよびバスルームはユ
ニットバス構造をなし、霧噴出手段は霧状シャワールー
ムの壁面に後付けされたパネルに取付けられた複数の霧
噴出ノズルを備え、前記壁面と前記パネルとの間に形成
した空間内に、前記各霧噴出ノズルへの配管を設けたも
のとするのが好適である。

【００１６】前記各場合において、霧噴出手段は、霧状
の噴出パターンが異なる霧噴出ノズルを組み合わせ備え
たものであるのが好適である。

【００１７】

【作用】本発明の第１の特徴の上記構成では、バスタブ
に湯を溜めてこれに入ることにより、ゆったりとリラッ
クスしたバスタブ入浴を行い、十分な温熱作用を得るこ
とができる一方、霧噴出手段を働かせると、入浴者の身
体に向け、この身体の回り各所から湯水を霧状に噴出さ
せて霧状シャワーとし、身体を霧状の湯水によって包み
込むようにするので、身体のまわりを滞空性のよい湯水
の微細粒子が充満する状態に包み込みながら、身体表面
全体に万遍なく一挙に接して即時に熱交換しながら、こ
の身体を包み込む湯水の微細粒子が、順次噴出される新
しい湯水の微細粒子と常時入れ変わることによって、バ
スタブの溜り湯のような経時的な温度低下を見ることな
しに、前記熱交換を身体全体に迅速かつ十分に行うの
で、バスタブ入浴時の溜り湯内でのそれと同等レベルの
温熱作用が短時間で得られる。

【００１８】しかも、溜り湯に入る場合のような静水圧
等による入浴者への負担がないし、霧状シャワーが湯で
ある場合でも、水である場合でも、これが霧状の微細粒
子であることにより、急激な温度変化を体感させること
がなく、入浴者への負担をさらに少なくし、快適に入浴
できるようにする。さらに、まわりの空間の広さにかか
わらず、入浴者の身体まわりにだけ湯水を霧状に噴出す
ればよく、節水、省エネルギー等にもなる。

【００１９】前記霧噴出手段を設けた空間にスチームを
吹き出すスチーム吹出し手段を備えていると、スチーム
を吹出した空間に入浴するスチームサウナとしても使用
でき、ドライサウナの乾燥空気に比べ低い温度で十分な
熱容量を持つスチームの存在により過度な発汗なく、低
温で血行を促進し身体は加熱される利点がある。また、
霧噴出手段とスチーム吹出し手段を同時に使用すること
もでき、霧状シャワーのみでは、雰囲気にスチームが飽
和していないため、霧状に噴出される湯が気化していく
とき気化熱を奪い、温熱作用の妨げになるのに対し、ス
チーム吹出し手段の同時使用により前記空間内の雰囲気
にスチームが過飽和状態となるので、ツチームが液化し
水滴になるときに大きな熱量を放出させて温熱作用を得
やすくすることができる。さらに、スチーム吹出し手段
と霧噴出手段とを交互に働かせることもでき、これによ
って、低温、高温の交互刺激を身体に与えて、身体の血
行や内蔵の働きをよくすることができる。

【００２０】また、本発明の第２の特徴の上記構成で
は、隣どうしの霧状シャワールームとバスルームとは、
これらの少なくとも一方に設けられる出入り口と、相互
間に設けられる連絡口とがあり、それぞれがドアで開閉
できるので、バスルームや霧状シャワールームに入っ
て、他に通じる連絡口や出入り口を閉じ、前記バスタブ
入浴や、前記霧状シャワーによるシャワー入浴が、異時
および同時を問わず、単独のルーム内で効率よく、かつ
それぞれのプライバシーを守って達成することができ
る。また、連絡路を開いておくと、介護の必要な人等
を、負担少なく十分な温熱作用が得られる霧状シャワー
ルームにてシャワー入浴させてこれを介護し、安全かつ
適正な使用状態を確認および確保しながら、介護者自ら
も余裕を見計らってバスルームにてバスタブ入浴でき、
時間を有効に使えるし、介護者の被服が介護の都度濡れ
てしまうというような問題も解消する。

【００２１】この第２の特徴の構成の場合、霧状シャワ
ールームの所定位置に設けられた座部に入浴者を座らせ
るようにすると、霧噴出手段から噴出される霧状の湯水
を適正に受けられる位置および姿勢に入浴者を自然に誘
導でき、使用しやすくすることができる。

【００２２】また、この座部を単独の座体とし、霧状シ
ャワールームの壁面に沿った格納位置と、壁面から前方
に張り出した使用位置との間で、出し入れできるように
支持してあると、座体を格納位置としてこれの張り出し
による邪魔をなくして、介護の必要な人を車椅子ごと出
入りさせて、容易にシャワー入浴させられると云った利
点がある。霧状シャワールームが外部に通じる経路に位
置する連絡口や出入り口の敷居で仕切られる両側の床面
が、敷居を介しほぼ面一状態で連続するようにしてある
と、前記車椅子での霧状シャワールームへの出入りを容
易にすることができる。

【００２３】また、霧状シャワールームにスチームを吹
き出すスチーム吹出し手段を備えたものとすると、霧状
シャワールームでのスチームサウナとしての入浴は勿
論、前記霧噴出手段を同時使用し、または交互使用した
特徴ある入浴を達成することができる。

【００２４】また、給水源と給湯源とが、混合栓を介
し、霧噴出手段に接続されていると、霧噴出手段から噴
出する霧状シャワーの温度を、混合栓で設定する湯水の
混合比によって、常温水に対応する低温から、危険のな
い所定の高温まで、広範囲に、しかもバスタブの溜め湯
では望めない即時の温度調節ができる。霧状シャワール
ームには、手に持って使用するハンドシャワー具を備
え、このハンドシャワー具と霧噴出手段とが、前記混合
栓に切換え接続されて、湯水を供給されるようにする
と、ハンドシャワー具を用いることにより、噴出する湯
水の粒子が大きく勢いがあるのを利用して、頭や体を洗
い流し易いので、霧状シャワーでは湯水が微粒子で勢い
がないために洗い流し難い点を補うことができる。

【００２５】さらに、混合栓が、制御手段によって、操
作手段からの設定操作入力に応じ、混合栓から供給する
湯水の温度が所定の設定温度になるように混合栓の混合
比を自動的に制御するようにすると、種々に温度設定し
てこの設定温度を混合操作の誤りなく適正に得られ、混
合操作の誤りにより思わない温度になってびっくりする
ようなことを回避することができる。操作手段が霧状シ
ャワールームに設けられる霧噴出手段、または霧噴出手
段およびスチーム吹出し手段の作動、作動停止を制御す
る機能をも有し、霧状シャワールームに常設される常設
操作手段と、持ち運びできるリモートコントロール機能
を持った手元操作手段との２つを備えていると、霧状シ
ャワールームでの入浴者自らはこの霧状シャワールーム
内の常設の操作手段によって操作し、入浴できる一方、
入浴者が介護の必要な人であるような場合に、介護者が
介護しながら、あるいはバスタブ入浴しながら、手元操
作手段を操作して、これのリモートコントロール機能に
より霧状シャワールームでの入浴状態を、適正かつ安全
なように管理することができる。

【００２６】バスルームはバスタブのみ設置し、霧状シ
ャワールームに洗い場用の湯水を供給する蛇口を設け、
霧状シャワールーム内をバスルームの洗い場に兼用する
ようにすると、通常のバスルーム程度の広さで霧状シャ
ワーによるシャワー入浴と、バスタブを用いたバスタブ
入浴との双方を満足することができる。この場合、バス
ルームと霧状シャワールームとの連絡口にスライドドア
を設けると、狭い空間でも邪魔にならず開閉でき、霧状
シャワールームを使用する場合に閉じておくことによ
り、スチームバス入浴時や霧状シャワーでの入浴時に、
空間がいたずらに大きくなって熱効率等が悪くなるのを
防止することができる。

【００２７】霧状シャワールームおよびバスルームはユ
ニットバス構造をなしていると、簡易に製作し設置で
き、しかも、霧噴出手段は霧状シャワールームの壁面に
後付けされたパネルに取付けられた複数の霧噴出ノズル
を備え、前記壁面と前記パネルとの間に形成した空間内
に、前記各霧噴出ノズルへの配管を設けたものとしてあ
ると、霧噴出手段はパネルと組み合わせた部品として予
め製作しておくことができ、これを霧状シャワールーム
自体の壁面に後付けするだけで、簡易に霧状シャワール
ームを完成することができる。

【００２８】前記各場合において、霧噴出手段は、霧状
の噴出パターンが異なる霧噴出ノズルを組み合わせ備え
るものであると、身体の各部や状態、あるいは好みに応
じた霧状のシャワーを噴出することができる。

【００２９】

【実施例】以下本発明のバス設備につき、幾つかの実施
例を示しながら具体的に説明する。

【００３０】図１〜図１０は本発明の第１の実施例を示
している。本実施例のバス設備は、図１〜図４に示すよ
うに、バスタブ１と、入浴者の身体に向け、この身体の
まわり各所から湯水２を霧状に噴出させて、身体を霧状
の湯水２によって包み込むように設けらた霧噴出手段３
とを並設した点を基本的な特徴としている。

【００３１】これにより、バスタブ１に湯を溜めてこれ
に入るバスタブ入浴ができるし、霧噴出手段３を働かせ
て、霧状に噴出される湯水２を身体に浴びるシャワー入
浴もできる。

【００３２】これら入浴を適宜行い、バスタブ入浴で
は、ゆったりとリラックスし、十分な温熱作用を得るこ
とができ、霧噴出手段３を働かせたシャワー入浴では、
この身体の回り各所から湯水２を霧状に噴出させて霧状
シャワーとし、身体を霧状の湯水２によって包み込むよ
うにするので、身体のまわりを滞空性のよい湯水２の微
細粒子が充満する状態に包み込みながら、身体表面全体
に万遍なく一挙に接して即時に熱交換しながら、この身
体を包み込む湯水２の微細粒子が、順次噴出される新し
い湯水２の微細粒子と常時入れ変わることによって、バ
スタブ１の溜り湯のような経時的な温度低下を見ること
なしに、前記熱交換を身体全体に迅速かつ十分に行うの
で、バスタブ入浴時の溜り湯内でのそれと同等レベルの
温熱作用が短時間で得られる。しかも、溜り湯に入る場
合のような静水圧等による入浴者への負担がないし、霧
状シャワーが湯である場合でも、水である場合でも、こ
れが霧状の微細粒子であることにより、急激な温度変化
を体感させることがなく、入浴者への負担をさらに少な
くし、快適に入浴できるようにする。さらに、まわりの
空間の広さにかかわらず、入浴者の身体まわりにだけ湯
水を霧状に噴出すればよく、節水、省エネルギー等にも
なる。

【００３３】なお、本実施例では、身体を包み込む湯水
２の霧状シャワーを得るのに、湯水を霧状に噴出させる
個別の霧噴出ノズルを複数用い、身体のシャワーを浴び
させたい部分、たとえば、身体の肩部に対応する霧噴出
ノズル３１、背中に対応する霧噴出ノズル３２、腰部に
対応する霧噴出ノズル３３、大腿部に対応する霧噴出ノ
ズル３４、ふくらはぎに対応する霧噴出ノズル３５等を
設け、身体の各部に向け湯水２を霧状に噴出させて、身
体の必要部分を霧状の湯水２で包み込んだ状態とするこ
とができるようにしてある。

【００３４】これにより、必要に応じて各霧噴出ノズル
３１〜３５等を身体の各部の直近に設けて、効率よくか
つ適正に湯水２を身体の必要各部に向け霧状に噴出させ
て包み込むことができるし、顔面等の所定の部分への湯
水２の噴出を避けることができる。顔面等の特定の部分
への湯水２の噴出を避けるため、本実施例では特に、肩
部に対応する霧噴出ノズル３１を図１、図２、図４に示
すような、扇型に湯水２を噴出させるものを採用してい
る。他の霧噴出ノズル３２〜３５は図１、図２、図４に
示すように円錐型に湯水２を噴出させる噴出域の広いも
のを使用し、身体の各部を霧状の湯水で包み込み易くし
ている。

【００３５】もっとも、湯水２を霧状に噴出させて、身
体の必要各部を包み込めるものであれば、どのような構
成の霧噴出手段３を採用してもよいのは勿論である。

【００３６】霧噴出ノズル３２〜３５は、図６の（ａ）
に示すような構造を有し、霧噴出ノズル３１は図６の
（ｂ）に示すような構造を有している。場合によって
は、図６の（ｃ）に示すような湯水２をストレートに噴
出させるノズル３６を用いることもできる。このノズル
３６は湯水２を分散させずにストレートに噴出させるの
で、打ち湯のような効果を発揮するが、入浴者によって
はこれを浴びたい箇所が異なるので、このノズル３６を
採用する場合は特に、屈曲自在な管に接続して所望の箇
所に向けられるようにするのが好適である。これを前記
他の形式のノズルに適用することもできる。

【００３７】本実施例ではまた、霧噴出手段３が湯水２
を噴出させる空間４にスチーム５を吹き出すように設け
られたスチーム吹出し手段６を備えている。スチーム吹
出し手段６は、図１、図７、図８に示すようなスチーム
吹出し器４２を有し、これにスチーマ４３で作ったスチ
ーム５を供給し、スチーム吹出し口４２ａから霧状シャ
ワールーム１１内に吹き出せるようにしている。しか
し、具体的な構成は適宜に変更することができる。

【００３８】これにより、スチーム５を吹出した空間４
に入浴するスチームサウナとしても使用でき、ドライサ
ウナの乾燥空気に比べ低い温度で十分な熱容量を持つス
チーム５の存在により過度な発汗なく、低温で血行を促
進し身体は加熱される利点がある。また、霧噴出手段３
とスチーム吹出し手段６を同時に使用することもでき、
霧状シャワーのみでは、雰囲気にスチーム５が飽和して
いないため、霧状に噴出される湯が気化していくとき気
化熱を奪い、温熱作用の妨げになるのに対し、スチーム
吹出し手段６の同時使用により、前記空間４内の雰囲気
にスチーム５が過飽和状態となるので、スチーム５が液
化し水滴になるときに大きな熱量を放出させて温熱作用
を得やすくすることができる。さらに、スチーム吹出し
手段６と霧噴出手段３とを交互に働かせることもでき、
これによって、低温、高温の交互刺激を身体に与えて、
身体の血行や内蔵の働きをよくすることができる。

【００３９】スチーム吹出し器４２は図７に示すような
ハーブ等の芳香剤４４を収容するケース４５を経由して
スチーム５が吹き出されるようにしてあり、スチーム５
に香り付けができる。ケース４５は着脱自在であり、芳
香剤４４を入れ換えられるようになっている。

【００４０】本実施例では、霧噴出手段３とスチーム５
とを並設するのに、入浴者の身体に向け、この身体のま
わり各所から湯水を霧状に噴出する霧噴出手段３を備え
た前記空間４をなす霧状シャワールーム１１と、バスタ
ブ１を備えたバスルーム１２とを隣どうしに設け、霧状
シャワールーム１１とバスルーム１２との間に連絡口１
３を設けるとともに、霧状シャワールーム１１とバスル
ーム１２との少なくとも一方に、本実施例では霧状シャ
ワールーム１１の方だけに出入り口１４を設け、連絡口
１３および出入り口１４のそれぞれにドア１５、１６を
設けてある。これにより、隣どうしの霧状シャワールー
ム１１とバスルーム１２に有する出入り口１４と、連絡
口１３のそれぞれが、ドア１５、１６で開閉できるの
で、バスルーム１２や霧状シャワールーム１１に入っ
て、他に通じる連絡口１３や出入り口１４を閉じ、前記
バスタブ入浴や、前記霧状シャワーによるシャワー入浴
が、異時および同時を問わず、単独のルーム内で効率よ
く、かつそれぞれのプライバシーを守って達成すること
ができる。また、連絡口１３を開いておくと、介護の必
要な人等を、負担少なく十分な温熱作用が得られる霧状
シャワールーム１１にてシャワー入浴させてこれを介護
し、安全かつ適正な使用状態を確認および確保しなが
ら、介護者自らも余裕を見計らってバスルーム１２にて
バスタブ入浴でき、時間を有効に使えるし、介護者の被
服が介護の都度濡れてしまうというような問題も解消す
る。ドア１６は内開き式の開き戸であり、ドア１６と出
入り口１４のバスルーム１２内に向く面との間にシール
４１を設けることができるので、出入り口１４部での外
部への水漏れ等を防止しやすい。ドア１５は内開き式の
２つ折り開き戸であり、開かれる側の霧状シャワールー
ム１１にて邪魔になりにくい。しかし、これらのドア形
式に限られることはない。

【００４１】また、霧状シャワールーム１１には、この
霧状シャワールーム１１の所定位置に設けられて、入浴
者を座らせ、霧噴出手段３から噴出される霧状の湯水２
を所定の位置で受けるようにする座部１７を設けてあ
る。

【００４２】これにより、霧状シャワールーム１１の所
定位置に設けられた座部１７に入浴者を座らせるように
することにより、霧噴出手段３から噴出される霧状の湯
水２を適正に受けられる位置および姿勢に入浴者を自然
に誘導でき、使用しやすくすることができる。

【００４３】さらに本実施例では、この座部１７は霧状
シャワールーム１１の壁面に沿った格納位置と、壁面か
ら前方に張り出した使用位置との間で、出し入れできる
ように支持された座体２２としてある。

【００４４】これにより、単独の座体２２を壁面から前
方に張り出した使用位置として、前記の利点を発揮する
上に、霧状シャワールーム１１の壁面に沿った格納位置
とすることにより、これの張り出しによる邪魔をなくし
て、介護の必要な人を車椅子ごと出入りさせて、容易に
シャワー入浴させられると云った利点がある。

【００４５】本実施例では座体２２を軸２１により枢支
して、この軸２１を中心とした回動によって前記出し入
れが行えるようにしてあり、この出し入れのために座体
２２が不用意に脱落するようなことを防止することがで
きる。また、座体２２の使用位置の安定をよくするため
に、霧状シャワールーム１１の背部壁面と両側壁面と
に、座体２２を受ける段部２３を形成してある。また、
霧状シャワールーム１１の背部壁面には、座体２２に座
った入浴者の背中部および頭部を受ける樹脂製の背もた
れ部２４を後付けしてあり、適正な姿勢を楽に保てるよ
うにしてある。この背もたれ部２４の下端部には下向き
の凹部２５を設け、この凹部２５に前記格納位置とされ
た座体２２の上端を仮想線で示すように嵌め合わせるこ
とにより、座体２２を格納位置に安定させられるように
してある。したがって、座体２２が格納位置から使用位
置に不用意に張り出してきて、座体２２を使用しないで
入浴したり、清掃を行っている人に当たったり、びっく
りさせるような不都合を防止することができる。背もた
れ２４は上下方向に頭部、背中部、および腰部等の数カ
所と局部的に当接する凹凸形状を有するものである。こ
れにより、身体と背もたれとの間に湯水２が入っても、
流れ落ちやすい状態で身体を支えることができる。

【００４６】もっとも、座体２２は前記段部２３等に着
脱できるように載せて使用し、不要なときは取り外して
邪魔にならない所に置いたり、収納部に収納したりでき
るようにすることもできる。この場合、座体２２の支持
構造が簡略化する。前記収納は、前記凹部２５を利用し
て格納位置に安定させる構成を採用することもでき、こ
の場合、座体２２および背もたれ部２４の一方の弾性を
利用して弾性的に保持できるようにすると、安定性がよ
くなる。この場合座体２２の下端を嵌め合わせる凹部を
段部２３の上面に設けておくとさらに座体２２の格納位
置での安定性を向上することができる。この弾性的な支
持の一方法として、座体２２を弾性体に富む発泡樹脂製
とすると、座り心地をよくする利点もあり好適である。

【００４７】バスルーム１２には、バスタブ１用の手操
作する混合栓１５３、洗い場６１用の手操作する混合栓
５４と、手に持って、あるいは壁に掛けて使用するハン
ドシャワー具５６と、追い炊きや温度設定を行う固設の
操作パネル５５とを有している。また霧状シャワールー
ム１１には、前記と同様なハンドシャワー具５７と、霧
噴出手段３およびスチーム吹出し手段６、およびハンド
シャワー具５７の各種機能や温度等を設定する固設の操
作パネル５８とを有している。そして霧噴出手段３には
電子制御される混合栓６０を介して湯水２が供給される
ようにしてある。本実施例ではさらに、操作パネル５８
と同じ操作機能を有する手持ちの操作パネル５９も備え
ている。

【００４８】図８に示すように、給水源は上水道管１６
１であり、これを前記各混合栓１５３、５４、６０のそ
れぞれと、スチーマ４３、および給湯源である給湯器６
２に接続する。給湯器６２は本実施例の場合、供給され
る水をヒータにより加熱して所定温度の熱湯として貯湯
し、これをいつでも各混合栓１５３、５４、６０に供給
できるように配管してあるが、蓄熱タイプのものに限ら
ず、瞬間湯沸しタイプのものを採用することもできる
し、熱源としてガスを利用したもの、太陽熱を利用また
は併用したもの等各種のものを採用することができる。

【００４９】特に、前記のように給水源および給湯源
が、混合栓６０を介し霧噴出手段３に接続されている
と、霧噴出手段３から噴出する霧状シャワーの温度を、
混合栓６０で設定する湯水の混合比によって、常温水に
対応する低温から、危険のない所定の高温まで、広範囲
に、しかもバスタブ１の溜め湯では望めない即時の温度
調節ができる。また霧状シャワールーム１１のハンドシ
ャワー具５７と霧噴出手段３とが、前記混合栓６０に切
換え接続されて、湯水２を供給するようにしてあるの
で、ハンドシャワー具５７を用いることにより、噴出す
る湯水２の粒子が大きく勢いがあるのを利用して、頭や
体を洗い流し易いので、霧状シャワーでは湯水２が微粒
子で勢いがないために洗い流し難い点を補うことができ
る。

【００５０】操作手段である各操作パネル５５、５８、
５９のそれぞれは、制御手段の一例としてのマイクロコ
ンピュータ６５に送受信器６６を介し通信できるリモー
トコントロール方式のものとされている。しかし、手元
操作用である操作パネル５９以外のものはマイクロコン
ピュータ６５に直接接続して通信するようにしても差し
支えない。操作パネル５８等の常設のものは着脱できる
ように壁面に設けておき、場合によっては壁面から取り
外して使用するようなものとすることもできる。これに
よって操作パネル５９を省略することができる。

【００５１】マイクロコンピュータ６５は、混合栓６
０、スチーマ４３、給湯器６２を動作させるドライバ７
１〜７３を備え、前記操作パネル５５、５８、５９から
の操作に応じてそれらを種々に制御するようにしてあ
る。また操作パネル５５での操作によっては、バスルー
ム１２独自の追い炊きや温度調節を行うための信号の授
受も行う。

【００５２】操作パネル５８、５９は、図９に示すよう
に、オン操作キー８１、オフ操作キー８２、オン操作状
態でスチーム吹出し手段６を働かせるスチームキー８
３、および霧噴出手段３を働かせるボデーキー８４、ハ
ンドシャワー具５７を使用状態とするためのハンドキー
８５、霧噴出手段３およびハンドシャワー具５７を使用
するときのモードを設定するサイクルキー８６、ビート
キー８７、ソフトスタートキー８８、およびクールダウ
ンキー８９が設けられ、さらに、湯水２の流量を４段階
に設定する流量設定キー群９１、温度ダウンキー９０
ａ、温度アップキー９０ｂ、操作案内や各種の設定条
件、あるいはモード等を表示する表示部９２が設けられ
ている。１回の入浴にバスタブ入浴では２７０ｌ程度の
湯が必要であるが、霧噴出手段３によるシャワー入浴で
は１回の入浴に９０ｌ程度あればよい。

【００５３】そこで、これに合わせて流量の設定は８ｌ
／分、９ｌ／分、１０ｌ／分、１１ｌ／分の４種類にし
てある。しかし、これに限られることはない。

【００５４】霧噴出手段３を用いるボディシャワー、お
よびハンドシャワー具５７を用いるハンドシャワーの各
モード時に、サイクルキー８６が操作されるとサイクル
モードが設定される。このサイクルモードでは、図１０
の（ａ）に示すような温度変化を与える。これは設定温
度を基準に高めと低めとの温度を所定時間ずつ交互に設
定し、身体にサイクル的な刺激を与え、血行や内蔵の働
きをよくできるようにする。これを常温水と所定温度の
湯との交互供給状態にしてもよく、これにより、前記刺
激を最大にすることができる。

【００５５】また、スチーム吹出し手段６と霧噴出手段
３とを交互に働かせて、低温、高温の交互刺激を身体に
与えて、前記刺激を与えるようにすることもできる。

【００５６】霧噴出手段３を用いるボディシャワー、お
よびハンドシャワー具５７を用いるハンドシャワーの各
モード時に、ビートキー８７が操作されるとビートモー
ドが設定される。このビートモードでは、出湯流量を図
１０の（ｂ）に示すように変化させる。これにより、マ
ッサージ効果を得る。これには、前記図６の（ｃ）に示
すノズル３６を用いると効果が高い。

【００５７】ハンドシャワーモード時に、ソフトスター
トキー８８が操作されるとソフトスタートモードが設定
される。このソフトスタートモードでは、ハンドシャワ
ー具５７への給湯に際し、設定温度より低い温度から段
階的に出湯温度を上げていき、入浴したところでまだ暖
まっていない身体に高い温度の湯と急に接触して、熱さ
を体感するような不都合を解消する。

【００５８】ハンドシャワーモード時に、クールダウン
キー８９が操作されるとクールダウンモードが設定され
る。このクールダウンモードでは、ハンドシャワー具５
７への給湯に際し、設定温度から徐々に出湯温度を下げ
ていき、入浴により開いた毛穴を塞いで湯冷め等しない
ようにすることが、急激な温度変化なしに自動的に達成
されるようにする。

【００５９】バスルーム１２の混合栓５４も電子制御す
るものとして、このような制御を行うこともできる。

【００６０】以上のように混合栓６０が、制御手段によ
って、操作手段である操作パネル５８、５９等からの設
定操作入力に応じ、混合栓６０から供給する湯水２の温
度が所定の設定温度になるように混合栓６０の混合比を
自動的に制御するようにしてあることにより、種々に温
度設定してこの設定温度を混合操作の誤りなく適正に得
られ、混合操作の誤りにより思わない温度になってびっ
くりするようなことを回避することができる。またこの
操作手段が霧状シャワールーム１１に設けられる霧噴出
手段３、または霧噴出手段３およびスチーム吹出し手段
６の作動、作動停止を制御する機能をも有し、霧状シャ
ワールーム１１に常設される常設操作パネル５８と、持
ち運びできるリモートコントロール機能を持った手元操
作パネル５９との２つを備えていることにより、霧状シ
ャワールーム１１での入浴者自らはこの霧状シャワール
ーム１１内の常設の操作パネル５８によって操作し、入
浴できる一方、入浴者が介護の必要な人であるような場
合に、介護者が介護しながら、あるいはバスタブ入浴し
ながら、手元操作パネル５９を操作して、これのリモー
トコントロール機能により霧状シャワールーム１１での
入浴状態を、適正かつ安全なように管理することができ
る。

【００６１】連絡口１３および出入り口１４のうち、霧
状シャワールーム１１が外部に通じる経路に位置するも
の、本実施例では、連絡口１３および出入り口１４双方
の敷居４６、４７部において、この敷居４６、４７で仕
切られる両側の床面５１と５２、５２と５３とが、敷居
４６、４７を介しほぼ面一状態で連続するようにしてあ
る。

【００６２】これにより、前記車椅子での霧状シャワー
ルーム１１への出入りを容易にすることができる。反
面、出入り口１４部で、これの内側にある本実施例では
バスルーム１２から外部に湯水２が流れ出やすくなる嫌
いがあるが、ドア１６の下面に図３の（ａ）、（ｂ）に
示すようなシール４８を設けると湯水２が外部に漏れ出
るのを防止できるし、床面５２における出入り口１４の
直ぐ内側の部分に溝４９を設け、ドア１６部で受止めら
れる湯水２を受入れてバスルーム１２の置く側に案内で
きるようにしておくと出入り口１４部での湯水２の外部
への漏れを防止しやすくすることができる。もっとも前
記シール４１と４８とは、出入り口１４との間で、図３
の（ａ）にドア１５と連絡口１３との場合で示してある
仮想線のような連続したシールライン５０が得られるよ
うに連続させるのが好適である。この連続状態はどのよ
うにして得てもよい。連絡口１３とドア１５との間のシ
ールは、霧状シャワールーム１１とバスルーム１２との
間の気密性をよくすることにより、相互間で熱や湯水
２、スチーム５が逃げるのを防止することができる。

【００６３】霧状シャワールーム１１およびバスルーム
１２は樹脂パネルを接合して形成し、必要な断熱処理を
施したユニットバス構造をなし、霧噴出手段３は霧状シ
ャワールーム１１をなすユニットバス自体の壁面１１ａ
に後付けされたパネル１９１に前記複数の霧噴出ノズル
３１〜３５を図３、図４に示すように取付け、前記壁面
１１ａと前記パネル９１との間に形成した空間１９２内
に、前記各霧噴出ノズル３１〜３５への配管９３を設け
たものとしてある。

【００６４】したがって、霧状シャワールーム１１およ
びバスルーム１２自体を簡易に製作し設置でき、しか
も、霧噴出手段３はパネル１９１と組み合わせた部品と
して予め製作しておくことができ、これを霧状シャワー
ルーム１１自体の壁面１１ａに後付けするだけで、簡易
に霧状シャワールームを完成することができる。

【００６５】霧状シャワールーム１１およびバスルーム
１２の天井等には、図２に示すような排気口２０１を設
け、過剰にスチームがこもるのを防止している。このよ
うな排気口２０１は直接排気ファンを内蔵したものとす
ることもできるが、排気ファンの吸引力を働かせた排気
通路を接続すると、特にユニットバス構造のものに動作
機器を直付けしなくてよくなる利点がある。座体２２内
と、霧状シャワールーム１１の床下に面ヒータ２０２を
設け、霧状シャワールーム１１の使用初期に入浴者が床
面５１や座体２２に身体が触れて冷たく感じるようなこ
とを防止できるようにしてある。

【００６６】各霧噴出ノズル３１〜３５は、取付け基部
１０１とヘッド１０２とが図５に示すようなボールジョ
イント部１０３で接続され、ヘッド１０２を軸線まわり
に回転させたり、先端の向きを自在に変えられるように
してある。これにより、各霧噴出ノズル３１〜３５を固
設していても、入浴者の大きさや状態に応じて湯水２を
霧状に噴出させる状態や向きを調節できるようにしてあ
る。

【００６７】各霧状噴出ノズル３１〜３５はパネル１９
１の斜面１９１ａに取付けることにより、湯水２を入浴
者の各部に向け噴出させやすくしてある。

【００６８】図１１は本発明の第２の実施例を示し、バ
スルーム１２のバスタブ１および洗い場６１の、霧状シ
ャワールーム１１に対する設置向きが第１の実施例の場
合とことなっている。本実施例での形態は、洗い場６１
から霧状シャワールーム１１内が見やすいので、バスル
ーム１２で入浴しながら、霧状シャワールーム１１内で
の入浴者を観察し易い利点がある。

【００６９】図１２は本発明の第３の実施例を示し、霧
状シャワールーム１１およびバスルーム１２の双方に出
入り口１４およびドア１６を設けてある。したがって、
霧状シャワールーム１１およびバスルーム１２を同時使
用するのに便利であるし、プライバシーを守りやすい。
また、霧状シャワールーム１１への出入りが直接行える
ので介護が必要な人に便利である。スチーム吹出し手段
６は、ドアがどのような幅で設置されても邪魔になら
ず、また、配管やスチーム吹出し器４２の設置がし易い
位置として、本実施例では座体２２の下にスチーム吹出
し口４２ａが位置するようにしてある。このようなスチ
ーム吹出し手段６の配置は、前記した第１、第２の実施
例のものに採用して同様の特徴を発揮することができ
る。

【００７０】図１３は本発明の第４の実施例を示し、第
３の実施例の場合のバスルーム１２における出入り口１
４およびドア１６を省略したものとしてある。この場
合、湯水が飛び散りやすいバスルーム１２にて、外部へ
の湯水の漏れを特別なシール構造を設けずに防止するこ
とができる。本実施例でもスチーム吹出し口４２ａは第
４の実施例の場合同様に座体２２の下に設けてある。

【００７１】図１４は本発明の第５の実施例を示し、第
２の実施例のドア１６を引き戸にしたものである。これ
により、出入り口でもシールが容易となるし、ドアを開
けてもバスルーム１２内外どちらにも邪魔にならず、介
護の必要な人を伴っての出入りが楽である。本実施例で
もスチーム吹出し口４２ａは座体２２の下に位置してい
る。

【００７２】図１５は本発明の第６の実施例を示し、ド
ア１５のみを引き戸とした場合を示している。本実施例
では霧状シャワールーム１１への出入りが容易である。

【００７３】したがって、図に示さないが、ドア１５、
１６の双方をも引き戸にすると、霧状シャワールーム１
１およびバスルーム１２双方への出入りが楽になるし、
双方で同時入浴するのにドア１５、１６が邪魔にならず
有利である。スチーム吹出し口４２ａは座体２２の下に
位置している。

【００７４】図１６は本発明の第７の実施例を示し、バ
スルーム１２はバスタブ１のみ設置し、霧状シャワール
ーム１１に洗い場用の湯水を供給する蛇口１１１を、例
えばハンドシャワー具の接続のない手操作混合栓として
設けてあり、霧状シャワールーム１１内をバスルーム１
２の洗い場に兼用することができるしたがって、通常の
バスルーム程度の広さで霧状シャワーによるシャワー入
浴と、バスタブ１を用いたバスタブ入浴との双方を満足
することができる。また、バスルーム１２と霧状シャワ
ールーム１１との連絡口１３のドア１５を引き戸にして
あるので、狭い空間でも邪魔にならず開閉でき、霧状シ
ャワールーム１１を使用する場合に閉じておくことによ
り、スチームバス入浴時や霧状シャワーでの入浴時に、
空間がいたずらに大きくなって熱効率等が悪くなるのを
防止することができる。スチーム吹出し口４２ａは座体
２２の下に位置している。

【００７５】

【発明の効果】本発明の第１の特徴によれば、上記の作
用から、ゆったりとリラックスしたバスタブ入浴を行
い、十分な温熱作用を得ることができる一方、身体の回
り各所から湯水を霧状に噴出させて霧状シャワーとし、
身体を霧状の湯水によって包み込み、バスタブの溜り湯
のような経時的な温度低下を見ることなしに、身体全体
と迅速かつ十分な熱交換を行い、バスタブ入浴時の溜り
湯内でのそれと同等レベルの温熱作用が短時間で得られ
る。しかも、溜り湯に入る場合のような静水圧等による
入浴者への負担がないし、霧状シャワーが湯である場合
でも、水である場合でも、これが霧状の微細粒子である
ことにより、急激な温度変化を体感させることがなく、
入浴者への負担をさらに少なくし、快適に入浴できるよ
うにする。さらに、まわりの空間の広さにかかわらず、
入浴者の身体まわりにだけ湯水を霧状に噴出すればよ
く、節水、省エネルギー等にもなる。

【００７６】前記霧噴出手段を設けたルーム内にスチー
ムを吹き出すスチーム吹出し手段を備えた構成では、ス
チームサウナとしても入浴でき、ドライサウナの乾燥空
気に比べ低温で十分な熱容量を持つスチームの存在によ
り過剰な発汗なく、低温で血行を促進し、身体は加熱さ
れる利点がある。また、霧噴出手段とスチーム吹出し手
段との同時使用にて、霧状シャワーのみでは、雰囲気に
蒸気は飽和していないため、霧状に噴出される湯が気化
していくとき気化熱を奪い、温熱作用の妨げになるのに
対し、スチーム吹出し手段の同時使用によりルーム内の
空気を蒸気で過飽和状態とするので、蒸気が液化し水滴
になるときに大きな熱量を放出させて温熱作用を得やす
くすることができる。さらに、スチーム吹出し手段と霧
噴出手段とを交互に働かせることもでき、これによっ
て、低温、高温の交互刺激を身体に与えて、身体の血行
や内蔵の働きをよくすることができる。

【００７７】また、本発明の第２の特徴によれば、上記
の作用から、隣どうしの霧状シャワールームとバスルー
ムとに、これらの少なくとも一方に設けられる出入り口
と、相互間に設けられる連絡口とを通じて入り、他に通
じる連絡口や出入り口を閉じることにより、前記バスタ
ブ入浴や、前記霧状シャワーによるシャワー入浴が、異
時および同時を問わず、単独のルーム内で効率よく、か
つそれぞれのプライベートを守って達成することができ
る。また、連絡路を開いておくと、介護の必要な人等
を、負担少なく十分な温熱作用が得られる霧状シャワー
ルームにてシャワー入浴させてこれを介護し、安全かつ
適正な使用状態を確認および確保しながら、介護者自ら
も余裕を見計らってバスタブ入浴でき、時間を有効に使
えるし、介護者の被服が介護の都度濡れてしまうという
ような問題も解消する。

【００７８】この第２の特徴の場合で、霧状シャワール
ームの所定位置に設けられた座部に入浴者を座らせる構
成では、霧噴出ノズルから噴出される霧状の湯水を適正
に受けられる位置および姿勢に入浴者を自然に誘導で
き、使用しやすくすることができる。

【００７９】また、この座部を単独の座体とし、霧状シ
ャワールームの壁面に沿った格納位置と、壁面から前方
に張り出した使用位置との間で、出し入れできるように
支持した構成では、座体を格納位置としてこれの張り出
しをなくし、介護の必要な人を車椅子ごと出入りさせ
て、容易にシャワー入浴させられると云った利点があ
る。

【００８０】霧状シャワールームが外部に通じる経路に
位置する連絡口や出入り口の敷居で仕切られる両側の床
面が、敷居を介しほぼ面一状態で連続するようにした構
成では、前記車椅子での霧状シャワールームへの出入り
を容易にすることができる。

【００８１】また、霧状シャワールームにスチームを吹
き出すスチーム吹出し手段を備えた構成では、霧状シャ
ワールームでのスチームサウナとしての入浴は勿論、前
記霧噴出手段を同時使用し、または交互使用した特徴あ
る入浴を達成することができる。

【００８２】また、給水源と給湯源とが、混合栓を介
し、霧噴出手段に接続された構成では、霧噴出手段から
噴出する霧状シャワーの温度を、混合栓で設定する湯水
の混合比によって、常温水に対応する低温から、危険の
ない所定の高温まで、広範囲に、しかもバスタブの溜め
湯では望めない即時の温度調節ができる。

【００８３】霧状シャワールームには、手に持って使用
するハンドシャワー具を備え、このハンドシャワー具と
霧噴出手段とが、前記混合栓に切換え接続されて、湯水
を供給される構成では、ハンドシャワー具を用いること
により、噴出する湯水の粒子が大きく勢いがあるのを利
用して、頭や体を洗い流し易いので、霧状シャワーでは
湯水が微粒子で勢いがないために洗い流し難い点を補う
ことができる。

【００８４】さらに、混合栓が、制御手段によって、操
作手段からの設定操作入力に応じ、混合栓から供給する
湯水の温度が所定の設定温度になるように混合栓の混合
比を自動的に制御する構成では、種々に温度設定してこ
の設定温度を混合操作の誤りなく適正に得られ、混合操
作の誤りにより思わない温度になってびっくりするよう
なことを回避することができる。

【００８５】操作手段が霧状シャワールームに設けられ
る霧噴出手段、または霧噴出手段およびスチーム吹出し
手段の作動、作動停止を制御する機能をも有し、霧状シ
ャワールームに常設される常設操作手段と、持ち運びで
きるリモートコントロール機能を持った手元操作手段と
の２つを備えた構成では、霧状シャワールームでの入浴
者自らはこの霧状シャワールーム内の常設の操作手段に
よって操作し、入浴できる一方、入浴者が介護の必要な
人であるような場合に、介護者が介護しながら、あるい
はバスタブ入浴しながら、手元操作手段を操作して、こ
れのリモートコントロール機能により霧状シャワールー
ムでの入浴状態を、適正かつ安全なように管理すること
ができる。

【００８６】バスルームはバスタブのみ設置し、霧状シ
ャワールームに洗い場用の湯水を供給する蛇口を設け、
霧状シャワールーム内をバスルームの洗い場に兼用する
構成では、通常のバスルーム程度の広さで霧状シャワー
によるシャワー入浴と、バスタブを用いたバスタブ入浴
との双方を満足することができる。この場合、バスルー
ムと霧状シャワールームとの連絡口にスライドドアを設
けると、狭い空間でも邪魔にならず開閉でき、霧状シャ
ワールームを使用する場合に閉じておくことにより、ス
チームバス入浴時や霧状シャワーでの入浴時に、空間が
いたずらに大きくなって熱効率等が悪くなるのを防止す
ることができる。

【００８７】前記各場合において、霧噴出手段は、霧状
の噴出パターンが異なる霧噴出ノズルを組み合わせ備え
た構成では、身体の各部や状態、あるいは好みに応じた
霧状のシャワーを噴出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例としてのバス設備を示す
横断面図である。

【図２】図１のバス設備の縦断面図である。

【図３】図１のバス設備の一部を示す斜視図および断面
図である。

【図４】図１のバス設備の霧噴出手段の設置状態を示す
一部の断面図である。

【図５】霧噴出手段の霧噴出ノズルを示す一部を断面し
て示した側面図である。

【図６】霧噴出ノズルの各種具体例を示す断面図であ
る。

【図７】スチーム吹出し器を示す斜視図である。

【図８】制御手段を示すブロック図である。

【図９】操作手段の正面図である。

【図１０】霧およびハンドシャワー具によるシャワー状
態の制御例を示すグラフである。

【図１１】本発明の第２の実施例を示すバス設備の概略
横断面図である。

【図１２】本発明の第３の実施例を示すバス設備の概略
横断面図である。

【図１３】本発明の第４の実施例を示すバス設備の概略
横断面図である。

【図１４】本発明の第５の実施例を示すバス設備の概略
横断面図である。

【図１５】本発明の第６の実施例を示すバス設備の概略
横断面図である。

【図１６】本発明の第７の実施例を示すバス設備の概略
横断面図である。

【符号の説明】

１バスタブ２湯水３霧噴出手段４空間５スチーム６スチーム吹出し手段１１霧状シャワールーム１１ａ壁面１２バスルーム１３連絡口１４出入り口１５、１６ドア１７座部２１軸２２座体３１〜３５霧噴出ノズル３６ノズル４２スチーム吹出し器４２ａスチーム吹出し口４３スチーマ４６、４７敷居５１〜５３床面５７ハンドシャワー具５８、５９操作パネル６０混合栓６２給湯器６５マイクロコンピュータ１９１パネル９３配管１１１蛇口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｅ０４Ｈ 1/12 ３０１ (72)発明者玉泉洋文大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】バスタブと、入浴者の身体に向け、この
身体のまわり各所から湯水を霧状に噴出させて、身体を
霧状の湯水によって包み込むように設けられた霧噴出手
段とを並設したことを特徴とするバス設備。
【請求項２】霧噴出手段が湯水を噴出させる空間にス
チームを吹き出すように設けられたスチーム吹出し手段
を備えた請求項１に記載のバス設備。
【請求項３】入浴者の身体に向け、この身体のまわり
各所から湯水を霧状に噴出する霧噴出手段を備えた霧状
シャワールームと、バスタブを備えたバスルームとを隣
どうしに設け、霧状シャワールームとバスルームとの間
に連絡口を設けるとともに、霧状シャワールームとバス
ルームとの少なくとも一方に出入り口を設け、連絡口お
よび出入り口のそれぞれにドアを設けたことを特徴とす
るバス設備。
【請求項４】霧状シャワールームの所定位置に設けら
れて、入浴者を座らせ、霧噴出ノズルから噴出される霧
状の湯水を所定の位置で受けるようにする座部を備えた
請求項３に記載のバス設備。
【請求項５】座部は霧状シャワールームの壁面に沿っ
た格納位置と、壁面から前方に張り出した使用位置との
間で、出し入れできるように支持された座体である請求
項４に記載のバス設備。
【請求項６】連絡口および出入り口のうち、霧状シャ
ワールームが外部に通じる経路に位置するものの敷居部
において、この敷居で仕切られる両側の床面が敷居を介
しほぼ面一状態で連続するようにしてある請求項３〜５
のいずれかに記載のバス設備。
【請求項７】霧状シャワールームにスチームを吹き出
すスチーム吹出し手段を備えた請求項３〜６のいずれか
に記載のバス設備。
【請求項８】給水源と給湯源とが、混合栓を介し、霧
噴出手段に接続されている請求項３〜６のいずれかに記
載のバス設備。
【請求項９】霧状シャワールームには、手に持って使
用するハンドシャワー具を備え、このハンドシャワー具
と霧噴出手段とが、前記混合栓に切換え接続されて、湯
水を供給されるようにした請求項８に記載のバス設備。
【請求項１０】操作手段からの設定操作入力に応じ
て、混合栓から供給する湯水の温度が設定温度になるよ
うに混合栓の混合比を自動的に制御する制御手段を備え
た請求項８、９のいずれかに記載のバス設備。
【請求項１１】操作手段と制御手段は、霧状シャワー
ルームに設けられる霧噴出手段、または霧噴出手段およ
びスチーム噴出手段の作動、作動停止を制御する機能を
も有し、霧状シャワールームに常設される常設操作手段
と、持ち運びできるリモートコントロール機能を持った
手元操作手段との２つを備える請求項１０に記載のバス
設備。
【請求項１２】バスルームはバスタブのみ設置し、霧
状シャワールームに洗い場用の湯水を供給する蛇口を設
け、霧状シャワールーム内をバスルームの洗い場に兼用
する請求項３〜１１のいずれかに記載のバス設備。
【請求項１３】バスルームと霧状シャワールームとの
連絡口にスライドドアを設けた請求項１２に記載のバス
設備。
【請求項１４】霧状シャワールームおよびバスルーム
はユニットバス構造をなし、霧噴出手段は霧状シャワー
ルームの壁面に後付けされたパネルに取付けられた複数
の霧噴出ノズルを備え、前記壁面と前記パネルとの間に
形成した空間内に、前記各霧噴出ノズルへの配管を設け
た請求項３〜１４のいずれかに記載のバス設備。
【請求項１５】霧噴出手段は、湯水の霧状噴出パター
ンが異なるものを組み合わせ備えている請求項１〜１４
のいずれかに記載のバス設備。