JPH0725006B2 - 数値制御工作機械における工具退避方法及びその装置 - Google Patents

数値制御工作機械における工具退避方法及びその装置

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JPH0725006B2
JPH0725006B2 JP1074722A JP7472289A JPH0725006B2 JP H0725006 B2 JPH0725006 B2 JP H0725006B2 JP 1074722 A JP1074722 A JP 1074722A JP 7472289 A JP7472289 A JP 7472289A JP H0725006 B2 JPH0725006 B2 JP H0725006B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、数値制御(以下、NCという)工作機械の自動
運転中に切削異常が発生した場合における工具退避方法
及びその装置に関する。
(従来の技術) 従来のNC工作機械における工具退避方法としては、工具
を手動にて退避させる方法、工具を一定方向に自動で退
避させる方法、加工開始から加工終了までのツールパス
を記憶して工具軌跡の態様から工具の退避方向を決定し
て工具を自動で退避させる方法、端面加工,外径加工等
の加工方向を加工プログラム内に予め指定しておき、こ
の指定に基づいて工具の退避方向を決定して工具を自動
で退避させる方法がある。
第5図は上述した従来の工具を一定方向に自動で退避さ
せる方法を実現する工具退避装置の一例を示すブロック
図であり、切削異常検出部1で検出された切削異常信号
SAが退避動作制御部2に入力されると、退避パラメータ
登録部3に予め登録されている退避パラメータSBとNC装
置4に予め記憶されている切削異常発生時の工具移動方
向SCとが読出され、工具退避指令SDが生成されるように
なっている。そして、この工具退避指令SDがNC装置4に
入力されると、位置検出器5で検出された切削異常発生
時の工具の現在値SEが読出され、工具の退避動作が行な
われるようになっている。
このような構成において、その動作例を第6図のフロー
チャートで説明すると、切削加工を開始したならば切削
異常検出部1は切削異常の発生の有無の確認を続け(ス
テップS1,S2)、切削異常の発生が無く、切削加工が無
事終了した場合には全ての処理を終了する。一方、前記
判断ステップS2において、切削異常検出部1が切削異常
の発生を検出した場合には、切削異常信号を退避動作制
御部2に入力する。退避動作制御部2は、入力された切
削異常信号により退避パラメータ登録部3から退避パラ
メータである工具退避相対位置(ΔX,ΔZ)と退避経路
とを読出すと共に、NC装置4から切削異常発生時の工具
移動方向を読出し、工具退避指令を生成してNC装置4に
入力する(ステップS3)。NC装置4は、位置検出器5か
ら切削異常発生時の工具の現在値(X,Z)を読出し、こ
の工具の現在値(X,Z)と入力された工具退避指令とに
基づいて工具の退避動作を行なう(ステップS4)。
例えば工具退避指令が第7図に示す点Aから点Bを経由
して点Cに退避する指令の場合、工具の退避動作は,
のようになる。
A(X,Z)→B(X−pXf,Z−pZf) B(X−pXf,Z−pZf)→C(X+ΔX,Z+ΔZ) ただし、P>0 (Xf,Zf):工具移動方向ベクトル この退避動作を行なった後、手動操作又は割込みプログ
ラム等により工具交換等の処置を行ない、加工プログラ
ムの中断したブロックから再起動をかけ(ステップS
5)、ステップS1に戻って上述した動作を繰返す。
(発明が解決しようとする課題) 上述した工具を手動にて退避させる方法は、機械オペレ
ータが手動操作で工具を退避させるため、迅速に対応で
きないばかりか誤操作による工具とワークの干渉の可能
性が高いという欠点があった。工具を一定方向に自動で
退避させる方法は、この一定方向を例えば第7図に示す
外径加工のときの工具退避方向(点A→点B→点C)と
した場合、第8図に示すような端面加工のときに工具が
点Bから点Cへ退避中に工具とワークとが干渉を起こす
ことがある。従って、外径加工と端面加工とを組合せた
加工を行なうような加工プログラムの場合に適用できな
いという欠点があった。工具軌跡の態様から工具退避方
向を決定して工具を自動で退避させる方法は、加工開始
から加工終了までのツールパスを記憶する大容量の記憶
手段が必要となるため、装置が高価になるという欠点が
あった。加工プログラム内の指定加工方向に基づいて工
具退避方向を決定して工具を自動で退避させる方法は、
加工プログラムに変更を加えねばならないので手間が掛
かり、プログラミングミスを冒し易いという欠点があっ
た。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本
発明の目的は、簡便な手段により最適な工具退避指令を
生成して工具を自動で退避させることができるNC工作機
械における工具退避方法及びその装置を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、NC工作機械の自動運転中に切削異常が発生し
た場合における工具退避方法及びその装置に関するもの
であり、本発明の上記目的は、各加工軸方向の切削荷重
の大きさを検出し、検出した切削荷重の大きさの各軸方
向成分の比によりワークにかかる切削荷重方向を求め、
この切削荷重方向に基づいて工具退避相対位置を求め、
この工具退避相対位置にの反方向ベクトル上に工具退避
指令を生成し、生成した工具退避指令に従って工具を自
動で退避させるようにすることによって達成され、ま
た、前記切削異常を検出したときの各加工軸の切削荷重
の大きさを検出する手段と、検出した切削荷重の大きさ
の各軸方向成分の比によりワークにかかる切削荷重方向
を求める手段と、求めた切削荷重方向にの反方向ベクト
ル上に工具退避相対位置を求める手段と、求めた工具退
避相対位置に基づいて工具退避指令を生成する手段とを
具備することによって達成される。
(作用) 本発明のNC工作機械における工具退避方法及びその装置
は、切削異常発生時の切削荷重方向を求め、この切削荷
重方向に対して反方向を工具退避方向とするようにして
いるので、工具をワークと干渉させずに迅速に退避させ
ることができるものである。
(実施例) 第1図は本発明のNC工作機械における工具退避装置の一
例を第5図に対応させて示すブロック図であり、同一構
成箇所は同符号を付して説明を省略する。この工具退避
装置は、切削異常検出部1で検出された切削異常信号SA
が切削荷重方向算出部12に入力されると、切削異常発生
時の切削荷重SFが切削荷重検出部11で検出され、この切
削荷重SFにより切削荷重方向ベクトルSGが算出されるよ
うになっている。そして、この切削荷重方向ベクトルSG
が工具退避相対位置算出部13に入力されると、退避パラ
メータ登録部3に予め登録されている退避パラメータSH
が読出されて工具退避相対位置SIが算出され、退避動作
制御部2で読出されるようになっている。
このような構成において、その動作例を第2図のフロー
チャートで説明すると、切削加工を開始したならば切削
異常検出部1は切削異常の発生の有無を確認を続け(ス
テップS11,S12)、切削異常の発生が無く、切削加工が
無事終了した場合には全ての処理を終了する。一方、前
記判断ステップS12において、切削異常検出部1が切削
異常の発生を検出した場合には、切削異常信号を退避動
作制御部2及び切削荷重方向算出部12に入力する。切削
荷重方向算出部12は、入力された切削異常信号により切
削異常発生時の切削荷重fX,fZを切削荷重検出部11から
読出し(ステップS13)、次式(1)に代入して切削荷
重方向ベクトル(eX,eZ)を算出し、工具退避相対位置
算出部13に入力する(ステップS14)。
工具退避相対位置算出部13は、入力された切削荷重方向
ベクトル(eX,eZ)と、退避パラメータ登録部3から読
出した退避パラメータである退避距離lとを次式(2)
に代入して工具退避相対位置(ΔX,ΔZ)を算出する
(ステップS15)。
(ΔX,ΔZ)=(−eX×l,−eZ×l) ……(2) 退避動作制御部2は、切削異常検出部1から入力された
切削異常信号により工具退避相対位置算出部13から工具
退避相対位置(ΔX,ΔZ)を読出し、退避パラメータ登
録部3から退避パラメータである退避経路を読出し、さ
らにNC装置4から切削異常発生時の工具移動方向を読出
して工具退避指令を生成し、NC装置4に入力する(ステ
ップS16)。NC装置4は、位置検出器5から切削異常発
生時の工具の現在値(X,Z)を読出し、この工具の現在
値(X,Z)と入力された工具退避指令とに基づいて工具
の退避動作を行なう(ステップS17)。
例えば工具退避指令が第3図に示す点Aから点Cに退避
する指令の場合、工具の退避動作はのようになる。
A(X,Z)→C(X+ΔX,Z+ΔZ) なお、工具退避指令を第3図に示す点Aから点Bを経由
して点Cに退避する指令としても良い。
この退避動作を行なった後、手動操作又は割込みプログ
ラム等により工具交換等の処置を行ない、加工プログラ
ムの中断したブロックから再起動をかけ(ステップS1
8)、ステップS1に戻って上述した動作を繰返す。
上述した実施例においては外径加工の場合について説明
したが端面加工の場合には第4図に示すような退避動作
を行なうので、工具とワークとが干渉を起すことはな
い。
なお、マシニングセンタ等の3次元加工においては、切
削荷重方向のX,Y,Z成分を検出し、退避方向のベクトル
を3次元ベクトルとすれば同様の効果を得ることができ
る。
(発明の効果) 以上のように本発明のNC工作機械における工具退避方法
及びその装置によれば、最適な工具退避経路を生成して
工具を自動で退避させることが容易に行なえるので、加
工効率を向上させることができると共に、低価格で安全
性の高い工具退避装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のNC工作機械における工具退避装置の一
例を示すブロック図、第2図はその動作例を説明するフ
ローチャート、第3図及び第4図はそれぞれ本発明のNC
工作機械における工具退避方法を説明する図、第5図は
従来のNC工作機械における工具退避装置の一例を示すブ
ロック図、第6図はその動作例を説明するフローチャー
ト、第7図及び第8図はそれぞれ従来のNC工作機械にお
ける工具退避方法を説明する図である。 1…切削異常検出部、2…退避動作制御部、3…退避パ
ラメータ登録部、4…NC装置、5…位置検出器、11…切
削荷重検出部、12…切削荷重方向算出部、13…工具退避
相対位置算出部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数値制御工作機械の自動運転中に切削異常
    を検出したとき、各加工軸方向の切削荷重の大きさを検
    出し、検出した切削荷重の大きさの各軸方向成分の比に
    よりワークにかかる切削荷重方向を求め、この切削荷重
    方向の反方向ベクトル上に工具退避相対位置を求め、こ
    の工具退避相対位置に基づいて工具退避指令を生成し、
    生成した工具退避指令に従って工具を自動で退避させる
    ようにしたことを特徴とする数値制御工作機械におる工
    具退避方法。
  2. 【請求項2】数値制御工作機械の自動運転中に切削異常
    を検出した場合、工具退避指令を生成し、生成した工具
    退避指令に従って工具を自動で退避させる工具退避装置
    において、前記切削異常を検出したときの各加工軸の切
    削荷重の大きさを検出する手段と、検出した切削荷重の
    大きさの各軸方向成分の比によりワークにかかる切削荷
    重方向を求める手段と、求めた切削荷重方向の反方向ベ
    クトル上に工具退避相対位置を求める手段と、求めた工
    具退避相対位置に基づいて工具退避指令を生成する手段
    とを備えたことを特徴とする数値制御装置における工具
    退避装置。
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