JPH0724882B2 - 回転円筒状部材のための調整可能な案内装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、回転円筒状部材のための調整可能な案内装置
に関し、詳しくは、例えば継目無しチューブ加工機にお
いて、加工されるべき棒材及びチューブのような回転す
る円筒状部材を支持するため、該円筒状部材の側面を実
質的に360゜の方向から連続的に包囲するように調整可
能な案内装置に関する。

従来技術及びその問題点 金属加工の分野においては、通常相当な長さを有するチ
ューブ及び棒材のような円筒状部材を正確に案内するこ
とがしばしば必要とされる。円筒状部材の案内は、搬送
装置及び該円筒状部材の加工機の間、加工ステーション
及び繰出しテーブルの間、又は大規模な設備若しくは製
造ラインの種々の各加工ステーション間において行なわ
れる。また、円筒状部材の径は、例えば該部材が一方の
加工ステーションから他方の加工ステーションへ通過す
る間にロール加工による縮径が行なわれる場合、その加
工中に変化する。更に、同じ加工ライン若しくは加工機
における種々の径を有する円筒状部材の製造において
は、円筒状部材の搬送される通過ラインに沿って案内装
置の案内寸法を強制的に変化させなければならない。こ
のことは加工ライン又は加工機に多くの稼動休止時間、
生産ロスを生じるだけでなく、種々の径の円筒状部材に
適応させるために使用中の案内装置を異なる径用の案内
装置に取換えるための熟練作業者の必要さえ生じ得る。

細長く延ばされた継目無しチューブ製造のための加工機
又は加工ラインに沿って配置された穴あけ装置、引延ば
し装置又は整直用装置において円筒状部材を支持するた
め、複数の案内装置が使用されている。例えば、継目無
しチューブ加工機における初期加工の１つとして、加熱
又は非加熱の円筒状ビレット又は棒材の穴あけ加工があ
る。この加工は、加工ライン上の穴あけ位置上のビレッ
トを、加工ラインに沿って長く延びた孔あけ用マンドレ
ルの前端部に押圧する一対の加工ロールにより行なわれ
る。この一対の加工ロールは、加工ラインの前端部側に
配置されビレットの両側からこれを挟むように、加工ラ
インの延びる方向に対し適切な角度配置とされ、駆動さ
れる。ビレットは穴あけ位置に搬送される際に前記加工
ロールにより回転されており、回転するビル内での回転
に対し該ビレットに押付けられ長く延びているマンドレ
ル、及び穴あけ位置でのビレットの支持が必要である。
前記マンドレルは、前記加工機において形成される最長
のチューブの長さと少なくとも同じ距離に、前記穴あけ
位置上のビレットの長手方向の搬送方向に向かって前記
加工ロールから延ばされている。上流方向の長さが30フ
ィートとされるのは希れである。前記マンドレルの後端
部は、加工機又は加工ラインの後端部に配置された適切
なマンドレルキャリッジにより回転可能に支持されてい
る。該キャリッジは、穴あけ加工後のチューブが搬送さ
れる加工ライン上の搬送用テーブルから該チューブが排
出され得るように該チューブ内からマンドレルを引抜
き、チューブ排出の後、前記加工ロールに隣接した穴あ
け位置にマンドレルを戻すように設けられている。

穴あけ加工中、典型的には大きな圧縮荷重が回転するマ
ンドレルに加えられる。マンドレルを支持し、且つ穴あ
け加工中の高圧縮荷重によるマンドレルの座屈及び振動
を防ぐためには、マンドレルは何らかの案内装置により
回転可能な支持されなければならない。更に、案内装置
は、チューブが穴あけ位置から加工ラインに沿って搬送
される際に、内部にマンドレルが貫通している該チュー
ブを穴あけ位置において回転可能に支持し安定させなけ
ればならない。

継目無しチューブ加工機の穴あけ部におけるマンドレル
及びチューブを支持し且つ収容するための案内装置の一
つに、シュッツ（Schuetz）に寄与された米国特許第310
1015号明細書に開示された移動可能な３個のローラー集
合装置がある。このローラー集合装置は、加工機におけ
る搬出用テーブルに沿って間隔をおいて設けられた複数
のスタンドに設けられている。長く延びているマンドレ
ルがチューブ又はシェルの内部に通されているから、シ
ュッツの３個のローラーによる支持方法は、穴あけ部に
おける使用に適切であり、回転するチューブ又はシェル
が前記ローラー集合装置の中心からずれることが部分的
に防止されるている。しかしながら、より径の大きなチ
ューブに適合するように前記ローラーが径方向外方に移
動した場合、隣接するローラーの間隔が非常に大きくな
り、マンドレル無しでの延ばし作業においてチューブ側
面を360゜方向から包囲し確実に支持し得ない。このた
め、マンドレルの引抜かれた後の中空のチューブ又はシ
ェルは、中心ずれを防止するために通常箱形に類似した
包囲部に収容される。該包囲部は、継目無しチューブの
加工機の引延ばし部において更にロール加工された後、
回転する形状を支持する。

ファインドレイター（Findlater）に付与された米国特
許第2104117号明細書は、種々の径のチューブに適応す
るように互いに長さ方向に段形状とされた半円形の案内
溝を有する２個のアームを利用している棒形の案内装置
を開示している。該案内装置は、回転するマンドレル無
しのチューブ作業における広範囲に亘る径の調整若しく
は、360゜方向からの連続的な包囲が不可能である。

ライクル（Reichl）に付与された米国特許第2686444号
明細書は、複数の調整可能なクランクレバーに取付けら
れた、長手方向の軸回りに隣接する複数のチューブ支持
案内ローラーを備えているローラー案内装置を開示して
いる。前記レバーは、フレームに取付けられ可変的に調
整され得る。ライクルのローラー案内装置は、各ローラ
ー案内装置との接触点が一つであるため、より大径のチ
ューブに対しては360゜方向からの包囲が不可能であ
る。

また、チューブを取扱う他の種類の加工機においても、
前述と同様なタイプの、マンドレルを使用した又は使用
しない棒材加工のための安定支持具が必要とされる。

本発明の目的は、回転する棒材又はチューブのような円
筒状部材を支持するための調整可能な案内装置におい
て、穴あけ加工中のビレットに対しマンドレルを所望の
位置に正確に且つ回転可能に保持し得、マンドレルの実
質的な座屈若しくは振動の無い加工を実現することにあ
る。

詳細には、本発明の目的は、継目無しチューブ加工機の
穴あけ部及び延ばし部の双方に使用される同一の案内装
置を提供し、これにより、従来加工機のそれら各部に別
個に設けられていたローラー案内装置及び箱形包囲部の
必要性を無くすことにある。

更に、本発明の目的は、加工機の実質的な縮小化を図る
ため、加工機の穴あけ部及び延ばし部双方での案内を１
台の調整可能な案内装置により行ない得るように、構造
を簡易化し、このため操作の信頼性が高い、回転円筒状
部材のための調整可能な案内装置を提供することにあ
る。

発明の概要 本発明は、回転する円筒状部材を支持するための調整可
能な案内装置を提供する。前記円筒状部材は、従来サイ
ズのどのような径とされることも可能であり、継目無し
チューブ加工機のような金属加工ラインの通過ラインと
実質的に一致する中心軸線を有する。前記案内装置は、
前記通過ラインに対して固定された支持スタンドを備
え、好ましくは、該支持スタンドが前記通過ラインに沿
って間隔をおいて複数設けられる。前記支持スタンドの
各々には、半径方向に調整可能な少なくとも３個の案内
シューが取付けられている。前記案内シューは、前記通
過ラインに向かう方向又は該ラインから離れる方向に同
時に移動するように、前記通過ライン回りに実質的に凹
面状の支持面が対称的に設けられるのが好ましい。これ
により、前記案内シューは、回転する円筒状部材の側面
を実質的に360゜方向から連続的に包囲する。より好ま
しくは、加工後の円筒状部材を上方へ排出することがで
きるように、通過ライン上側に配置された案内シュー
に、前記通過ラインから離されるための軸回転可能なリ
ンク及び駆動装置が備えられる。

実 施 例 以下、本発明の実施例につき添付図面を参照しつつ説明
する。

第１図から第３図は、細長く全体が円筒状をなす部材
（12）又は（12′）を支持するための、調整可能な案内
装置を示している。第１図及び第２図に示す案内装置
（10）は３つの移動可能な案内シュー（14）、（15）及
び（16）を有し、該案内シューは好ましくは全体が凹面
形状をなす支持面（17）、（18）及び（19）を各々有し
ている。これらの支持面は、実質的に円筒状部材（12）
の長手方向の軸と同じ方向に延びている該円筒状部材の
通過ライン（13）を囲んでいる。複数の支持面（17）、
（18）及び（19）を結んで形成される領域は、金属加工
設備に通常送られる最大径を有する円筒状部材を支持す
るのに充分な大きさに形成されている。

案内シュー（14）、（15）及び（16）は、第１図に示さ
れる平行リンク機構をなす機械的リンク（22）により支
持フレーム若しくはスタンド（20）に取付けられてい
る。機械的リンク（22）は、第３図に示す支持スタンド
（20）の横方向に延びるサイドフレーム部材（21）に固
定されている。

第１図に示すように、案内装置（10）の案内シュー（1
4）、（15）及び（16）の全てが、前記機械的リンクに
より互いに接続されているので、前記案内シューの、通
過ライン（13）、即ち円筒状部材（12）の中心軸線（1
3）に対する移動を所望の通り行なうことができる。機
械的リンク（22）による案内装置（10）の開放及び閉
鎖、即ち前記案内シューの移動による円筒状部材のため
の収容空間の収縮及び拡張は、流体圧式、機械式、電気
式又は空気圧式装置のような従来の駆動力補助装置を用
いて行なわれ、案内シュー（14）、（15）及び（16）
は、円筒状部材（12）の中心軸線（13）の回りにおい
て、共通の中心軸線に対し半径方向へ同時に移動する。

機械的リンク（22）は、第３図において横方向に延び、
円筒状部材（12）の中心軸線と実質的に一致している通
過ライン（13）に沿って配置された支持スタンド（20）
の内側に装着されている。第１図に示すように、機械的
リンク（22）は、協働するように構成された各シュー
（14）、（15）及び（16）に接続されたレバーアーム
（23）、（24）及び（25）を備えている。これらレバー
アームは、交差部材（26）及び（28）に順に接続されて
いる。レバーアーム（23）、（24）及び（25）は、支持
フレーム（20）に固定された３つのシャフト（29）、
（30）及び（31）回りに回転可能に取付けられている。
シャフト（29）、（30）及び（31）の各軸線は、円筒状
部材（12）の中心軸線（13）回りに等距離及び等間隔に
設けられ、該シャフトは、支持フレーム（20）のサイド
フレーム部材（21）間に固定されている。

第１図及び第２図は、種々の径の円筒状部材周囲を包囲
するように閉じた案内位置における調整可能な案内装置
を例示している。前記複数の案内シューは、前記通過ラ
イン回りに等間隔に配され、これらの案内シューが同時
に移動するように形成されているので、第２図に示す小
径の円筒状部材（12′）回りに位置する（15′）及び
（16′）が移動する。図示のように、本発明の案内装置
は、継目無しチューブの加工機の穴あけ工程、延ばし工
程及び整直工程における円筒状部材をその径を問わず実
質的に360゜方向から包囲することが可能である。個々
の案内シュー（14）、（15）及び（16）の凹面状をなす
支持面（17）、（18）及び（19）は、支持される最大径
の円筒状部材の側面形状に一致するように形状を決めら
れている。円筒状部材（12）の支持に必要な案内シュー
の数は、該円筒状部材の径と案内シューの凹面状の支持
面の曲率半径との関数である。本出願人は、適切な曲率
半径を各々有する３個の案内シューにより円筒状部材
（12）側面を包囲し該円筒状部材を支持することが可能
であることを見出した。前記案内シューの曲率半径は、
予想されるチューブの最大径に適合するように設けられ
る。例えば曲率半径10インチの案内シューは、最大約20
インチの径の円筒状部材（12）の受入が可能である。

第３図に示すように、前記通過ラインに沿う案内シュー
（14）、（15）及び（16）の長手方向は、支持スタンド
（20）のサイドフレーム（21）を越えて延びる長さとさ
れている。この場合、前記案内シューによるチューブ支
持面は、従来の多数のローラー集合装置の場合には、支
持スタンドのサイドフレームにより制限される各軸受機
構部分の位置により円筒状部材の支持長さが限られてい
たのに比べ、一層大きな長さとなり有利である。典型的
には、本発明の案内装置における案内シューを同様のサ
イズの支持スタンド（20）に設けた場合、従来のシュッ
ツの案内装置の約３倍に当たる、円筒状部材の支持長さ
を有する。このように、本発明の案内装置における案内
シューは、前記シュッツの案内装置に比べ、実質的によ
り大きな制御及び支持が可能であり、実質的により大き
な包囲及び支持が可能である。

細長い案内シュー（14）、（15）及び（16）は、鋳鉄の
ような鉄材料により形成され、第３図によく示されるよ
うに、該シューの後面（54）から外方向に延びる一対の
フランジ付きの取付用脚（52）を有している。支持スタ
ンド（20）は、サイドフレーム（21）に固定されたシャ
フト（29）、（30）及び（31）の軸線回りに回転可能に
取付けられた円筒部材（56）を備えている。円筒部材
（56）の各々は、前記案内シューの取付用脚（52）に仮
想線（60）で示す位置においてボルト締めされる一体形
の取付フランジ（58）を備えている。案内シューは、ま
た、好ましくは、長手方向各端縁において斜面領域（6
2）を有し、マンドレルに支持されつつ搬送されるチュ
ーブ状のシェルを受入れるためのテーパー付リードが設
けられている。前記案内シューは、該シューの斜面領域
（62）を交換可能に、或いは逆向きで使用可能にするこ
とにより、補修及び交換部品の在庫を減少させることが
できる。本発明の案内装置における案内シューの構造に
より、従来のローラー及び軸受機構部を備えた案内装置
より非常に低コストとなることは重要である。

第２図に示す若干変形された案内シュー（14′）、（1
5′）及び（16′）は、第１図及び第３図の案内シュー
と異なる形状及び取付を備えており、円筒部材（56）′
のフランジ（58′）に適合する各端部にノッチ（59）を
有している。シャフト（29′）、（30′）及び（31′）
の固定軸回りの回転のため、案内シューは、回転可能な
円筒部材（56′）のフランジ（58′）にボルト（60′）
により堅く固定されている。

少なくとも一つの案内シュー、好ましくは各案内装置
（10）の最上側の案内シュー（14）は、円筒状部材（1
2）を前記通過ラインから取り出すことができるよう
に、通過ライン（13）から離れるように回動され得る。
案内シュー（14）は、第１図及び第３図に示すように、
流体圧駆動シリンダー（48）のピストンロッド（28）と
中心（34）において回転可能に接続され流体圧駆動され
るアーム（26）により該中心回りに回動される。機械的
リンクの作用については公知であり、詳細にはシュッツ
に付与された米国特許第3101015号明細書に述べられて
いる。アーム（26）は、該アームと或る角度をもって配
置された流体圧駆動シリンダー（48）のピストンロッド
（28）により選択的に移動され、ピストンロッド（28）
が収縮状態の際、シャフト（29）回りに案内シュー（1
4）を上方向に回動する。ピストンロッド（28）が第１
図に示す伸ばされた状態のとき、案内シュー（14）は、
案内する位置に戻されている。流体圧駆動シリンダー
（48）は、支持フレーム（20）に取付けられ、該シリン
ダー下側の閉鎖された端部に接続された流路（32）、及
び該シリンダー上側のピストンロッド端部に接続された
流路（33）を備えている。流路（32）及び（33）は、適
切な制御手段（図示せず）により、加圧状態の適切な圧
力流体供給源と接続されている（図示せず）。

レバーアーム（23）は、案内シュー（14）と堅く結合さ
れ、シャフト（29）の回りに回動する。レバーアーム
（23）の端部は、ロッド形状のリンクアーム（37）の端
部を摺動可能に受け入れるように、ピボット軸を横切る
方向に孔が開けられたトラニオン形部材（35）と回転可
能に結合されている。リンクアーム（37）の下端部は、
アーム（25）の端部に回転可能に接続されている。トラ
ニオン形部材（35）の上側には、必要な場合、ワッシャ
を介して一対の調整ナット（36）の底部を支持するよう
に取付けられる平面が設けられている。ナット（36）
は、レバーアーム（23）及び（25）上のクロスアームの
回転軸間の距離を調整できるように、リンクアーム（3
7）の端部に調整可能に捩子止めされている。好ましく
は、前記距離がシャフト（29）及び（31）の軸間距離と
等しく調整され、これら軸回りに案内シュー（14）及び
（16）が回転する。これにより、トラニオン形部材（3
5）の上側に設けられた前記平面が調整ナット（36）の
下側を支持している間、固定シャフト（29）及び（31）
は常時通過ライン（13）から等間隔に設けられ且つ等角
度をなしているので、案内シュー（14）及び（16）は共
に、同じ角度の取付位置及び同じ方向に移動する。機械
的リンク（22）の軸位置及び他の寸法は、幾何学的に
は、トラニオン形部材上側の平面が調整ナット（36）を
支持している場合、３個の案内シュー（14）、（15）及
び（16）が通過ライン（13）から等距離に、且つ通過ラ
イン（13）回りに等角度とされている。しかしながら、
トラニオン形部材（35）は、リンクアーム（37）上に摺
動可能に取り付けられているので、ピストンロッド（2
8）が収納状態の時、調整ナット（36）から離れ下方向
に移動され得る。この際、アーム（26）を下方向に回転
させ、且つ案内シュー（14）を他の案内シューと独立し
て通過ラインから離れる向きに移動させ、必要な場合に
は円筒状部材（12）上方への排出を選択的に可能とする
ことができる。

ジャッキ（40）は、調整可能な案内装置（10）の各々と
協働し、移動可能な上側の平面（42）が、案内シュー
（16）に結合されたレバーアーム（46）下側に湾曲した
支持面（44）を支持するように設けられている。例示の
装置において、各ジャッキ（40）は、従来のウォーム−
ギヤのタイプであり、支持スタンド（20）の長手方向に
延び、全ての案内装置（10）のジャッキ（40）を作動さ
せるシャフト（41）の適切な回転により、同時に且つ同
量の上昇及び降下が行なわれる。このようにして、加工
機又は加工ラインに配置された全ての案内装置は、同一
の基準の案内径に調整され円筒状部材を収容し得る。

更に、例示の各案内シューは、通過ライン（13）を形成
する通路外へ案内シューを移動し円筒状部材（12）を上
方へ排出する装置を有している。該装置は、案内シュー
（14）、（15）及び（16）の反対側の端部に設けられた
一対のアーム部材（図示せず）を備え、前記案内シュー
が堅く固定された共通の軸により昇降するように設けら
れている。

次に、本発明による案内装置の好ましい操作方法につい
て説明する。

操作サイクルの初期において、各案内装置（10）の全て
のジャッキ（40）は、上側の平面（42）が同じ高さに位
置するように、シャフト（41）の作動により同時に調整
される。平面（42）は、案内シューのレバー（46）の下
側の支持面（44）と接触している場合、所定直径の円筒
状部材を受入れるように、案内シューを全て同じ間隔に
位置決めする。そして、案内シュー（14）、（15）及び
（16）が、通過ライン（13）及び円筒状部材（12）に向
かって円筒状部材（12）と接触する位置まで径方向へ移
動させられる。このことは、流体圧駆動シリンダ（48）
の流路（32）、（33）におけるバルブを開放し圧力流体
をシリンダの内外に自由に流動させることにより、且つ
シリンダ（48）の閉鎖された端部に加圧状態の圧力流体
を供給することにより行なわれる。その結果、シリンダ
（48）のピストンロッド（28）が、該ロッドに回転可能
に接続されたクロスアーム（26）を移動させつつ、上方
向に移動する。この移動は固定シャフト（29）回りの案
内シュー（14）の回転を生じさせ、案内シュー（14）
は、円筒状部材（12）と接触するまで通過ラインに向か
って径方向へ移動する。この移動により、又、アーム
（23）により回転されるトラニオン形部材（35）の表面
は、レバーアーム（23）を上方向に移動させ、上方向へ
の移動を生じるリンクアーム（37）上の調整ナット（3
6）の下側と接触する。リンクアーム（37）の上方向へ
の移動は、アーム（25）、（46）を固定シャフト（31）
回りに時計方向に回動させ、同時に、案内シュー（16）
を径方向へ移動させて円筒状部材（12）と接触させ、更
に、アーム（25）の他端を下方へ移動させる。アーム
（25）は、上端部がアーム（24）と回転可能に結合さ
れ、案内シュー（15）に結合されたリンクアーム（39）
と回転可能に接続されている。アーム（25）他端の下方
への移動は案内シュー（15）の回転による閉鎖を同時に
生じさせ、これにより、案内シューが円筒状部材を支持
する。シャフト（29）、（30）及び（31）並びに案内シ
ュー（14）、（15）及び（16）は、通過ライン（13）か
ら等距離に且つ通過ライン回りにに等角度間隔で配置さ
れ、隣接する案内シュー同士は等距離に且つ等角度間隔
に設けられている。全ての案内装置において、案内シュ
ーが、こうして円筒状部材（12）と接触すると、流体圧
がシリンダ（48）の通路において或る程度まで増加す
る。そして、流体圧は、シリンダの流体通路の全てにお
けるバルブ制御をなす図外の圧力応答スイッチを作動さ
せ、シリンダの流体通路が全て閉鎖される。このこと
は、流体の圧縮弾性より為され得る微小圧力を除いて、
案内シュー（14）、（15）及び（16）が外方向に押圧さ
れることを防止するが、この際、案内シューが円筒状部
材を支持する力は、該円筒状部材の回転を阻止するには
至らない。

例えば、案内シューが小径のマンドレルを案内している
場合に、通過ラインの径方向外方へ案内シュー（14）、
（15）及び（16）を同時に移動させることは、しばしば
必要である。或る位置の案内装置は、該位置に接近する
穴あけ加工されたシェルを案内するために、拡張された
径の位置に案内シューを移動されなければならない。こ
のような場合、加圧状態の圧力流体が流体圧駆動シリン
ダ（50）に案内され、装着されたピストンロッド（51）
がアーム（46）の端部をジャッキ（40）の上側面（42）
と当接する位置まで下方へ移動させる。ジャッキ（40）
は、拡張されたシェルの寸法である前述の径の位置に予
め設定されている。同時に、加圧状態の圧力流体は、流
路（32）を通ってピストンロッド（28）を上方に移動さ
せるための、且つレバーアーム（23）を上方に上昇させ
るための流体圧駆動シリンダ（48）に導かれる。レバー
アーム（23）の動作は、調節ナット（36）を支持してい
るトラニオン形部材（35）により限定されている。流体
圧駆動シリンダ（50）は、より大きな径を有しているの
で、流体圧駆動シリンダ（48）より強い力を出し、案内
シュー（14）、（15）及び（16）の外方への同時移動を
制御する。

凹面状に形成された支持面（17）、（18）及び（19）、
並びに、機械的リンク（22）による案内シュー（14）、
（15）及び（16）の位置調整により、案内装置（10）
は、種々の径をなす円筒状部材を支持するように変化さ
れ得る。

案内シュー（14）、（15）及び（16）の各支持面（1
7）、（18）及び（19）は、前述のように好ましくは凹
面状とされるが、他の形状とされ得ることは明らかであ
る。例えば、支持面（17）、（18）及び（19）は、平
面、Ｖ字形断面を有する面とされ、前述の凹面状と同様
な機能を有する他の形状とすることができ、円筒状部材
側面を実質的に360゜方向から包囲することが可能であ
る。このように、マンドレル無しで回転する円筒状部材
は、支持面（17）、（18）及び（19）により360゜の方
向から包囲される。該支持面は、前述した従来技術の多
数のローラー集合装置による案内装置の場合と同様にチ
ューブの逃げを防止する。

発明の効果 本発明の、回転円筒状部材のための調整可能な案内装置
は、通過ラインに対し固定的に設けられた支持スタンド
と、円筒状部材の側面を包囲するように該側面に向けて
形成された支持面を有し通過ライン回りに配置され該ラ
インに対し半径方向へ移動され得る少なくとも３つの案
内シューと、各案内シューの半径方向への移動を同時に
なすための、支持スタンドに回転可能に取付けられた取
付装置とを備えている。

更に、前記取付装置は、通過ライン回りに等間隔に配置
された少なくとも３つの固定シャフト、該各シャフトに
回転可能に取付けられ先端部に案内シューの１つが保持
された少なくとも３つのレバーアーム、隣合う該レバー
アームを互いに連結するリンクアームを備え、前記レバ
ーアームの１つを作動させることにより、レバーアーム
が固定ァフト回りに同時に回動し、全ての案内シューの
通過ラインに対し半径方向へ同時に移動させ得るように
されている。

このように、本発明の案内装置は、通過ライン回りに配
置された各案内シューが回転円筒状部材の側面に同時に
当接し、これを支持し得るように半径方向に移動される
から、回転円筒状部材の逃げが防止されると共に、案内
シューの支持面により円筒状部材の側面を実質的に360
゜方向から包囲するように支持が行なわれる。したがっ
て、継目無しチューブ加工機において、穴あけ加工中の
ビレットに対しマンドレルを所望の位置に正確に且つ回
転可能に保持し得、マンドレルの実質的な座屈若しくは
振動の無い加工を実現することができる。

また、本発明の案内装置は、円筒状部材の支持が該円筒
状部材の側面を包囲するように該側面に向けて形成され
た支持面を有する案内シューにより案内がなされるか
ら、通過ライン方向に案内シューを延設すれば、円筒状
部材の支持長さを大きく設けることができる。したがっ
て、従来加工機のようにローラー案内装置及び箱形包囲
部を別個に設ける必要が無く、継目無しチューブ加工機
の穴あけ部及び延ばし部双方における円筒状部材の案内
を１台の案内装置で行なえるから加工機の実質的な縮小
化及び構造の簡易化を実現でき、操作の信頼性が高く、
コスト面でも有利となる。

【図面の簡単な説明】

図は、いずれも本発明実施例に係る回転円筒状部材の調
整可能な案内装置に関し、第１図は該装置の正面図、第
２図は該装置の変形例に係る案内装置の円筒状部材を支
持した状態を示す正面図、第３図は第１図のIII−III線
における断面を円筒状部材を除いて示す側面図である。 （10）……調整可能な案内装置 （12）……円筒状部材 （13）……通過ライン （14）、（15）、（16）……案内シュー （17）、（18）、（19）……支持面 （20）……支持スタンド （21）……サイドフレーム部材 （22）……機械的リンク （23）、（24）、（25）……レバーアーム （28）……ピストンロッド （29）、（30）、（31）……シャフト （32）、（33）……流路 （35）……トラニオン形部材 （36）……調整ナット （37）……リンクアーム （40）……ジャッキ （48）、（50）……流体圧駆動シリンダ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通過ラインと実質的に一致する中心軸線を
   有し回転する円筒状部材を支持するように調整可能な案
   内装置であって、該案内装置は、 （ａ）前記通過ラインに対し固定的に設けられた支持ス
   タンドと、 （ｂ）前記円筒状部材の側面を包囲するように該側面に
   向けて形成された支持面を有し前記通過ライン回りに配
   置され該ラインに対し半径方向へ移動され得る少なくと
   も３つの案内シューと、 （ｃ）前記各案内シューの半径方向への移動を同時にな
   すための、前記支持スタンドに回転可能に取付けられた
   取付装置とを備え、 前記取付装置は、前記支持スタンドに装着され前記通過
   ライン回りに等間隔に配置され少なくとも３つの固定シ
   ャフト、該各シャフトに回転可能に取付けられ先端部に
   前記案内シューの１つが保持された少なくとも３つのレ
   バーアーム、隣合う該レバーアームを互いに連結するリ
   ンクアームを備え、 前記レバーアームの１つを作動をさせることにより、互
   いに連結された前記レバーアームが前記固定シャフト回
   りに同時に回動し、全ての前記案内シューを通過ライン
   に対し半径方向へ同時に移動させ得るようにされてい
   る、回転円筒状部材のための調整可能な案内装置。
2. 【請求項２】前記案内シューの支持面が実質的に凹面形
   状である請求項１記載の案内装置。
3. 【請求項３】前記円筒状部材が、該円筒部材内部に挿入
   され前記円筒状部材と共に回転するマンドレルを備えて
   いる請求項１記載の案内装置。
4. 【請求項４】前記円筒状部材がマンドレル無しチューブ
   である請求項１記載の案内装置。
5. 【請求項５】前記円筒状部材を支持する表面領域を増す
   ように、前記各案内シューが前記通過ラインに沿う方向
   に前記支持スタンドを越えて延ばされている請求項３記
   載の案内装置。
6. 【請求項６】前記各案内シューが、案内されるべき前記
   円筒状部材の径に適合した曲率半径を有する凹面状の支
   持面を備えている請求項５記載の案内装置。
7. 【請求項７】前記固定シャフトが、前記円筒状部材の軸
   回りに等角度間隔に、且つ該固定シャフトから等距離に
   配置され、前記各レバーアームが前記各固定シャフト回
   りに回動する請求項６記載の案内装置。