JPH07248801A - プロセス制御装置 - Google Patents

プロセス制御装置

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JPH07248801A
JPH07248801A JP6038188A JP3818894A JPH07248801A JP H07248801 A JPH07248801 A JP H07248801A JP 6038188 A JP6038188 A JP 6038188A JP 3818894 A JP3818894 A JP 3818894A JP H07248801 A JPH07248801 A JP H07248801A
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JP6038188A
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Yoshihiro Satou
嘉洋 佐藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御指令のすべての範囲で回路の異常を検出
可能にする。 【構成】 正側のアナログ信号出力を担当する正側アナ
ログ出力回路21aと、負側のアナログ信号出力を担当
する負側アナログ出力回路21bと、このアナログ出力
回路21a、21bのそれぞれの出力を+/−を逆にし
て加算する電流加算回路23と、正側アナログ出力回路
21aの出力である抵抗R1 の両端電圧v1 を入力する
正側アナログ入力回路25aと、負側アナログ出力回路
21bの出力である抵抗R2 の両端電圧v2 を入力する
負側アナログ入力回路25bと、電流加算回路23の加
算結果iを電圧vに変換する抵抗Rと、プラントからの
プロセス量pに基づいて正負特性の異なる制御指令a1
、a2 を生成するとともに、アナログ入力回路25
a、25bでそれぞれ検出した電圧v1 、v2 から異常
の有無を判定するコントローラ27とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセスの制御に用い
られるプロセス制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プロセスの制御に用いられるプロセス制
御装置は、システムの信頼性を向上させるために、出力
回路配線の断線検出および出力回路の故障検出を行うこ
とも検討されている。
【0003】図10は、モータ1を可変速する駆動装置
(以下、INVと略す。)3をアナログ信号で制御する
プロセス制御装置5の従来例を示したものである。IN
V3は、制御指令(制御指令電圧v)を入力し、制御指
令電圧vが正方向のとき正回転、負方向のとき反回転、
0V(0値)のとき回転速度を整定させるようにモータ
1を可変速する。プロセス制御装置5は、INV3に制
御指令を出力するアナログ出力回路7と、INV3の入
口側に取付けられ、アナログ出力回路7の出力電流iを
制御指令電圧vに変換する抵抗Rと、制御指令電圧vを
入力するアナログ入力回路9と、プラントからのプロセ
ス量pに応じてモータ1を回転させる制御指令をアナロ
グ出力回路7に出力するとともに、アナログ入力回路9
で入力した制御指令電圧vを判定するコントローラ11
とで構成されている。
【0004】この構成において、コントローラ11はプ
ラントからのプロセス量pに応じてモータ1を回転させ
るための制御指令aを出力し、アナログ出力回路7はコ
ントローラ11からの指令aに応じた電流iを出力す
る。この出力電流iは抵抗Rにより制御指令電圧vに変
換されてINV3に入力され、モータ1を回転させる。
このとき、アナログ入力回路9は制御指令電圧vを検出
してコントローラ11に指令検出信号bを渡し、コント
ローラ11は制御指令aと指令検出信号bを比較するこ
とにより、アナログ出力回路配線の断線、あるいはアナ
ログ出力回路7の故障検出を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したような
従来のプロセス制御装置には以下のような問題点があ
る。
【0006】(1)正負領域の制御指令を扱うことか
ら、制御指令が0V(0値)の時に断線として検出でき
ない。すなわち、アナログ出力回路配線の断線または回
路故障を制御指令aと指令検出信号bとにより監視して
いるが、モータの回転速度が整定しているケースでは制
御指令a、指令検出信号bがともに0V(0値)であ
り、この状態で断線または回路故障により制御指令電圧
Vが0V(0値)となっても検出できない。このため、
装置故障を早期に発見できない可能性がある。
【0007】(2)出力回路配線の断線または出力回路
故障が発生した場合、保修員により故障箇所が修理され
るまで制御が中断されてしまうため、この間のプロセス
量の変化に追従できない可能性がある。
【0008】(3)従来構成のプロセス制御装置を2重
化構成とし、出力を切換えて制御が継続されるようにし
た場合でも、現状制御している装置側の出力回路配線の
断線または出力回路故障を上記(1)の理由により早期
発見ができない可能性があり、待機側の装置へ切換えで
きない可能性がある。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解消す
るためになされたもので、制御指令が0値近傍を含むす
べての範囲で配線の断線および回路の故障を検出するこ
とができるプロセス制御装置を提供することを目的とす
る。
【0010】また、本発明は、配線の断線および回路の
故障により制御が中断されない信頼性の高いプロセス制
御装置を提供することを目的とする。
【0011】さらに、本発明は、ノイズの影響を受けに
くい制御指令とし、ノイズによるモータの誤動作の可能
性を低減した信頼性の高いプロセス制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1の発
明は、正負領域の電圧または電流のアナログ信号により
被制御装置を制御するプロセス制御装置において、特性
の異なる制御指令に従ってそれぞれアナログ信号を出力
する2つアナログ出力回路と、これらのアナログ出力回
路から出力されたアナログ信号を合成し被制御装置に合
成アナログ信号を出力するアナログ信号合成手段と、ア
ナログ出力回路の出力経路にそれぞれ介挿されたリング
バック抵抗の両端電圧を入力する2つのアナログ入力回
路と、これらのアナログ入力回路の入力結果に基づいて
各アナログ出力回路を経由して被制御装置に至る各制御
系の異常の有無を判定するとともに、被制御装置の制御
量を演算し、この演算制御量および判定結果に基づい
て、合成アナログ信号が演算制御量に合致するように各
アナログ出力回路に入力する特性の異なる制御指令を生
成するコントローラとを具備することを特徴とする。
【0013】また、請求項2の発明は、正負領域の電圧
または電流のアナログ信号により被制御装置を制御する
プロセス制御装置において、特性の異なる制御指令に従
ってアナログ信号を出力する2つのアナログ出力回路
と、これらのアナログ出力回路から出力されるアナログ
信号を合成し被制御装置に合成アナログ信号を出力する
アナログ信号合成手段と、アナログ出力回路の出力経路
にそれぞれ介挿されたリングバック抵抗の両端電圧を入
力する2つのアナログ入力回路と、これらのアナログ入
力回路の入力結果に基づいて各アナログ出力回路を経由
して被制御装置に至る各制御系の異常の有無を判定する
とともに、被制御装置の制御量を演算し、この演算制御
量および判定結果に基づいて、合成アナログ信号が演算
制御量に合致するように各アナログ出力回路に入力する
特性の異なる制御指令をそれぞれ分担して生成する2台
のコントローラとを具備することを特徴とする。
【0014】上記構成においては、各制御系が正常であ
るとき、アナログ出力回路の一方から出力されアナログ
信号合成手段に入力されるアナログ信号は0値を除く正
の特性を持ち、他方のアナログ出力回路から出力されア
ナログ信号合成手段に入力されるアナログ信号は0値を
除く負の特性を持つような制御指令が生成される。
【0015】また、上記構成においては、コントローラ
は、各アナログ入力回路の入力結果と対応する各制御指
令との比較により制御系の一方の断線を検出したとき、
正常側のアナログ出力回路に対して演算制御量に相当す
る制御指令を出力する。
【0016】さらに、請求項5の発明のプロセス制御装
置は、上記構成に各アナログ出力回路と抵抗との間に遮
断手段を設け、コントローラは、各アナログ入力回路の
入力結果と対応する各制御指令との比較により制御系の
一方の故障を検出したとき、故障側のアナログ出力回路
の出力を遮断手段によって遮断し、正常側のアナログ出
力回路に対して演算制御量に相当する制御指令を出力す
ることを特徴とする。
【0017】また、請求項6の発明は、正負特性の制御
指令により被制御装置を制御するプロセス制御装置にお
いて、互いに特性の異なる制御指令を光伝送するととも
に、光伝送されたリングバック信号を受信する少なくと
も2つの第1の光送受信回路と、これらの第1の光送受
信回路を経由してそれぞれ伝送された互いに特性の異な
る制御指令を合成し、被制御装置に合成制御指令を出力
する制御指令合成手段と、第1の光送受信回路に対応し
てそれぞれ接続され、第1の光送受信回路から光伝送さ
れた制御指令を受信し制御指令合成手段に出力するとと
もに、制御指令合成手段に入力される各制御指令および
制御指令合成手段から出力された合成制御指令をリング
バック信号として取込み、第1の光送受信回路に光伝送
する少なくとも2つの第2の光送受信回路と、第1の光
送受信回路からリングバック信号を入力し各第1および
第2の光送受信回路を経由して被制御装置に至る各制御
系の異常の有無を判定するとともに、被制御装置への制
御指令を演算し、判定結果に基づいて、演算制御指令と
合成制御指令とが合致するよう互いに特性の異なる制御
指令を生成するコントローラとを具備することを特徴と
する。
【0018】さらに、請求項7の発明は、正負特性の制
御指令により被制御装置を制御するプロセス制御装置に
おいて、互いに特性の異なる制御指令を光伝送するとと
もに、光伝送されたリングバック信号を受信する少なく
とも2つの第1の光送受信回路と、これらの第1の光送
受信回路を経由してそれぞれ伝送された互いに特性の異
なる制御指令を合成し、被制御装置に合成制御指令を出
力する制御指令合成手段と、第1の光送受信回路に対応
してそれぞれ接続され、第1の光送受信回路から光伝送
された制御指令を受信し制御指令合成手段に出力すると
ともに、制御指令合成手段に入力される各制御指令およ
び制御指令合成手段から出力された合成制御指令をリン
グバック信号として取込み、第1の光送受信回路に光伝
送する少なくとも2つの第2の光送受信回路と、第1の
光送受信回路からリングバック信号を入力し各第1およ
び第2の光送受信回路を経由して被制御装置に至る各制
御系の異常の有無を判定するとともに、被制御装置への
制御指令を演算し、判定結果に基づいて、演算制御指令
と合成制御指令とが合致するよう互いに特性の異なる制
御指令をそれぞれ分担して生成する2台のコントローラ
とを具備することを特徴とする。
【0019】上記請求項6、7の構成において、コント
ローラは、各制御系が正常であるとき、演算制御指令を
分割し一方は所定の正の上下限値の範囲内にあり、他方
は所定の負の上下限値の範囲内にある制御指令を生成す
る。また、リングバック信号に基づいて制御系の一方の
異常を検出したとき、演算制御指令に異常系の出力を相
殺する信号成分を付加し正常系の第1の光送受信回路に
出力する。
【0020】
【作用】アナログ出力回路を用いた上記構成において
は、両制御系とも正常な場合には、合成アナログ信号が
0の時にも、個々のアナログ出力回路からの出力は同一
の0とはならないので、リングバック抵抗の両端には読
みとり可能な電圧が存在する。したがって、アナログ入
力回路に入力される電圧が0Vとなった場合には、その
制御系の配線が断線したと判断することができる。
【0021】そして、一方の制御系の配線が断線した場
合には、コントローラが、正常なアナログ出力回路から
演算制御量に相当する正負領域のアナログ信号が出力さ
れるような制御指令を生成することにより、他方の制御
系により制御を中断することなく続行することができ
る。
【0022】また、一方の出力が異常値を示して故障し
た場合には、そのアナログ出力回路の出力を遮断手段に
よりリフトして除外することにより、異常出力が合成ア
ナログ信号に反映することなく、断線時と同様に正常な
アナログ出力回路で制御を行うことができる。
【0023】同様に2台のコントローラを設置した構成
においても、一方のコントローラにより他方の制御系の
断線またはコントローラやアナログ出力回路の故障を検
出した場合には、その正常系のコントローラにより、他
方の制御系の制御指令分を補った制御指令を生成してア
ナログ出力回路に出力することにより、制御を続行させ
ることができる。この2重化構成では、コントローラが
故障した場合にも、対応することができ、プロセス制御
装置の信頼性および稼働率をより向上させることができ
る。
【0024】また、光送受信回路を用いた上記構成にお
いては、両制御系とも正常な場合には、合成制御指令が
0の時にも、個々の制御系からの出力は正または負特性
の所定の範囲内に入るようにしたので、個々の制御系の
リングバック信号が所定の範囲にない場合には、その制
御系の故障または配線断線による異常と判断することが
できる。さらに、個々の制御系のリングバック信号が所
定の範囲にある場合にも、リングバック信号および生成
した各制御指令により、制御系の異常を検出することが
できる。
【0025】また、コントローラと被制御装置間の光送
受信回路を2組以上設ける構成としたことにより、一方
の光送受信回路の出力が断線または故障による異常とな
った場合には、コントローラにより、正常な光送受信回
路から、異常出力を相殺し、合成制御指令が演算制御指
令となるような正負領域の制御指令を出力することによ
り、制御を中断することなく正常制御を継続することが
できる。
【0026】同様に独立したコントローラを2台用いて
1台のコントローラに一方の光送受信回路1を担当さ
せ、他の1台のコントローラに他方の光送受信回路を担
当させてそれぞれ特性の異なった制御指令を生成させる
2重化構成においては、両系のコントローラは、互いに
相手側の制御系の異常を監視しており、一方のコントロ
ーラにより他方のコントローラ故障、あるいは光送受信
回路の断線または故障を検出した場合には、その正常系
のコントローラにより、他方の制御系の異常出力を相殺
しかつ他方の制御系の本来の制御指令分を補った制御指
令を生成して正常系の光送受信回路に出力することによ
り、正常制御を続行させることができる。
【0027】このように2重化構成では、コントローラ
が故障した場合にも、対応することができ、プロセス制
御装置の信頼性および稼働率をさらに向上させることが
できる。
【0028】本発明のプロセス制御装置は、正転/反転
可能なモータの速度制御に好適であり、この場合にはモ
ータを可変速する駆動装置に制御信号を出力する。この
モータ駆動装置は一般に高電圧を制御するインバータコ
ントローラ、ACサーボモータコントローラ等が用いら
れるが、このモータ駆動装置自体がノイズ源である。一
方、コントローラから出力される制御指令は低電圧の計
装信号であることから、ノイズの影響を受けやすく、モ
ータの回転整定時等、制御指令が0V(0値)付近では
ノイズが加わると電圧変動でモータが誤動作する可能性
がある。
【0029】本発明の光送受信回路を用いた構成では、
このモータ駆動装置からのノイズが光送受信回路により
遮断されるため、制御指令に及ぼすノイズの影響を低減
することができ、よりいっそう制御の信頼性を高めるこ
とができるという利点を有する。
【0030】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例を詳細に説明する。なお、従来例と共通する部分に
は同一符号を付記し、重複する説明は省略する。
【0031】図1は、請求項1および3〜5の発明のプ
ロセス制御装置の一実施例を示すもので、このプロセス
制御装置20は、正側(正転方向)を担当する正側アナ
ログ出力回路21aと、負側(反転方向)を担当する負
側アナログ出力回路21bと、この正側アナログ出力回
路21aと負側アナログ出力回路21bのそれぞれの出
力を+/−を逆にして加算する電流加算回路23と、正
側アナログ出力回路21aの上げ方向用出力電流i1 を
監視するリングバック抵抗R1 と、負側アナログ出力回
路21bの下げ方向用出力電流i2 を監視するリングバ
ック抵抗R2 と、リングバック抵抗R1 の両端電圧v1
を入力する正側アナログ入力回路25aと、リングバッ
ク抵抗R2 の両端電圧v2 を入力する負側アナログ入力
回路25bと、正側アナログ出力回路21aと負側アナ
ログ出力回路21bの合成電流i(電流加算回路23の
加算結果)を電圧vに変換する抵抗Rと、プラントから
のプロセス量pに応じてモータ1を回転させる制御指令
電圧vをINV3に与えるべく正側アナログ出力回路2
1aおよび負側アナログ出力回路21bを制御するとと
もに、正側アナログ入力回路25aおよび負側アナログ
入力回路25bでそれぞれ検出した電圧v1 、v2 を判
定するコントローラ27とで構成されている。
【0032】なお、抵抗Rの両端電圧を制御指令電圧v
として入力しモータ1を駆動するINV3は、従来技術
と同じ機能を持つものとする。
【0033】次に、上記構成のプロセス制御装置の作用
を説明する。
【0034】コントローラ27は、プラントからのプロ
セス量pに応じてモータ1を回転させるための制御指令
a1 、a2 を図2に示すような特性曲線に基づいて生成
し、それぞれ正側アナログ出力回路21aおよび負側ア
ナログ出力回路21bへ出力する。正側アナログ出力回
路21aおよび負側アナログ出力回路21bは、コント
ローラ27からの特性の異なる制御指令a1 、a2 に基
づき、電流i1 、i2を出力する。電流加算回路23
は、これらの出力電流i1 、i2 を+/−を逆にして加
算(合成)し、加算した電流iを抵抗Rで制御指令電圧
vに変換後、INV3へ出力してモータ1を回転させ
る。
【0035】図2は、縦軸に電流(i、i1 、i2 の電
流値)、横軸に制御指令電圧vをとって、制御指令電圧
vに対する合成電流iと制御指令a1 、a2 にそれぞれ
対応する出力電流i1 と−i2 をグラフに表したもので
ある。制御指令a1 、a2 は、正側アナログ出力回路2
1aおよび負側アナログ出力回路21bの出力電流i1
、i2 がこのグラフに沿うよう作成される。各出力電
流i1 、i2 とモータ1の回転との関係を以下の(a)
〜(c)に示す。なお、電流加算回路23の加算(合
成)電流iは、次式
【数1】i=i1 −i2 で表される。
【0036】(a)モータ1を停止させる場合 正側アナログ出力回路21aと負側アナログ出力回路2
1bの各出力電流i1、i2 を断線検出可能なリミット
値ic とすると、式[数1]より
【数2】i=ic −ic =0 したがって、v=O となり、モータ1は停止する。
【0037】(b)モータ1を正回転させる場合 正側アナログ出力回路21aの出力電流i1 をリミット
値ic に対してモータ1の正回転量に対応した電流Z分
増加すると、式[数1]、[数2]より i=i1 −i2 =(ic +Z)−ic =Z したがって、v=Z*R となり、モータ1はZ分正回転する。
【0038】(c)モータ1を反回転させる場合 負側アナログ出力回路21bの出力電流i2 をリミット
値ic に対してモータ1の反回転量に対応した電流Z分
を増加すると、式[数1]、[数2]より i=ic −(ic +Z)=−Z したがって、v=−Z*R となり、モータ1はZ分反回転する。
【0039】また、各出力電流i1 、i2 は、正側アナ
ログ入力回路25aおよび負側アナログ入力回路25b
によって監視される。すなわち、正側アナログ入力回路
25aおよび負側アナログ入力回路25bは、正側アナ
ログ出力回路21aの+出力端子側に接続されたリング
バック抵抗R1 および負側アナログ出力回路21bの−
出力端子側に接続されたリングバック抵抗R2 の各両端
電圧v1 、v2 をそれぞれ取込み、検出信号b1 、b2
としてコントローラ27に通知する。
【0040】ここで、各出力電流i1 、i2 の配線およ
び合成電流iの配線の断線検出は、制御指令電圧v=0
のとき、各出力回路21a、21bの出力電流i1 、i
2 がi1 =i2 =ic であるため、各アナログ入力回路
25a、25bに入力しているリングバック抵抗R1 、
R2 の両端電圧v1 、v2 に基づいて、次の通り検出さ
れる。 v1 =0(i1 =0)のとき:i1 配線断線 v2 =0(i2 =0)のとき:i2 配線断線 v1 =0(i1 =0)かつv2 =0(i2 =0)のと
き:i配線断線 さらに、正側アナログ出力回路21aが回路制限一杯
(電流F値)に振り切れて故障したときは、コントロー
ラ27にて正常な負側アナログ出力回路21bから回路
制限一杯の電流Fを出力させることにより、式[数1]
より i=i1 −i2 =F−F=0 v=0 となり、モータ1を停止することができる。負側アナロ
グ出力回路21bが故障したときも同様である。
【0041】ところで、一方の出力回路配線の断線が発
生したときは、図3に示すように、コントローラ27に
て正常側出力回路のリミットを外し(図中、点線)、正
常側出力回路の出力電流を通常時の出力電流(図中、実
線)よりリミットic 分を引いて正負領域に変化させる
ことで(図中、一点鎖線)、モータ1の駆動は、通常通
り行える。なお、出力回路が異常出力となるモードで故
障したときにも、故障した出力回路をK1 またはK2 点
において図示しない遮断手段により故障系のみリフトす
ることで、故障回路の影響を除外して断線時と同様に正
常側出力回路のみでモータ1を正常に駆動することがで
きる。
【0042】上記出力回路配線の断線(あるいは出力回
路故障)発生時の、正常側出力回路による補償動作を、
以下に詳細に説明する。
【0043】(1)正側アナログ出力回路21a側が断
線したとき(出力回路故障は断線状態にする。) 補償動作時の負側アナログ出力回路21bの出力電流を
i2 ′とすると、各電流は、
【数3】i1 =0 i2 ′=i2 −ic i=i1 −i2 ′=0−(i2 −ic ) で表される。
【0044】(a)モータ1を停止させる場合 モータ停止時、出力電流i2 はリミット値ic であり、
式[数3]より i=0−(ic −ic )=0 v=0 となる。
【0045】(b)モータ1を正回転させる場合 出力電流i2 をモータ1の正回転量に対応した電流Z分
負側に増加すると、式[数3]より i=0−(ic −Z−ic ) =Z v=Z*R となる。
【0046】(c)モータ1を反回転させる場合 出力電流i2 をモータ1の反回転量に対応した電流Z分
正側に増加すると、式[数3]より i=0−(ic +Z−ic ) =−Z v=−Z*R となる。
【0047】(2)負側アナログ出力回路21b側が断
線したとき(出力回路故障は断線状態にする。) 補償動作時の正側アナログ出力回路21aの出力電流を
i1 ′とすると、各電流は、
【数4】i2 =0 i1 ′=i1 −ic i=i1 ′−i2 =i1 −ic で表される。
【0048】(a)モータ1を停止させる場合 モータ停止時、出力電流i1 はリミット値ic であり、
式[数4]より i=ic −ic =0 v=0 となる。
【0049】(b)モータ1を正回転させる場合 出力電流i1 をモータ1の正回転量に対応した電流Z分
正側に増加すると、式[数4]より i=ic +Z−ic =Z v=Z*R となる。
【0050】(c)モータ1を反回転させる場合 出力電流i1 をモータ1の反回転量に対応した電流Z分
負側に増加すると、式[数4]より i=ic −Z−ic =−Z v=−Z*R となる。
【0051】以上の説明からも明らかなように、本実施
例によれば、以下のような作用効果を奏することができ
る。
【0052】 アナログ出力回路配線の断線を制御指
令電圧vが0V近傍となっても検出することができ、し
たがってアナログ出力回路の断線および故障の検出を制
御範囲のすべてのアナログ領域で行うことができる。
【0053】 アナログ出力回路の断線またはアナロ
グ出力回路の故障を検出した場合に、正常なアナログ出
力回路によりINV3の制御を継続することができる。
【0054】図4は、請求項2〜5の発明のプロセス制
御装置20′の一実施例を示すもので、図1に示すプロ
セス制御装置20とは、アナログ出力回路を制御するコ
ントローラを2台設けている点で異なっている。すなわ
ち、本実施例は、正側アナログ出力回路21aおよび正
側アナログ入力回路25aを制御および監視するコント
ローラ27aと、負側アナログ出力回路21bおよび負
側アナログ入力回路25bを制御および監視するコント
ローラ27bとを備えた2重化システムのプロセス制御
装置20′である。
【0055】上記構成においては、コントローラ27a
は、プラントからのプロセス量pに応じてモータ1を回
転させるための正側アナログ出力回路21aへの制御指
令a1 を図2に示すような特性曲線に基づき作成し、正
側アナログ出力回路21aはコントローラ27aの指令
a1 に合う電流i1 を出力する。同時に、コントローラ
27bは同様に負側アナログ出力回路21bへの制御指
令a2 を図2に基づき作成し、負側アナログ出力回路2
1bはコントローラ27bの指令a2 に合う電流i2 を
出力して、図1の実施例と同じくモータ1を回転させ
る。
【0056】また、コントローラ27a、27bは、そ
れぞれ正側アナログ入力回路25a、負側アナログ入力
回路25bからリングバック抵抗R1 、R2 のそれぞれ
両端電圧v1 、v2 を示す検出信号b1 、b2 を入力す
るとともに、お互いに取り合い、図1の実施例と同様に
配線の断線ないし回路故障の検出を行うとともに、相互
の異常検出を行う。
【0057】片系のコントローラ故障あるいはアナログ
出力回路の故障により、故障した系の出力電流が上限ま
たは下限へ振り切れた場合には、故障した系のアナログ
出力回路を図示しない遮断手段によりK1 、K2 点にお
いて故障系のみリフトし、正常系で図1の実施例と同じ
く出力電流を作成して、制御を続行する。
【0058】このように、この実施例においても、図1
の実施例と同様な上記の作用効果を有するととも
に、さらに以下の作用効果が得られる。
【0059】 1台のコントローラ故障が発生して
も、正常なコントローラで被制御装置の誤動作を防止す
ることができ、故障したコントローラのアナログ出力回
路をアナログ出力信号の合成回路より遮断することで、
正常なコントローラで被制御装置を制御することができ
る。
【0060】図5は、請求項6および8〜9の発明のプ
ロセス制御装置30の一実施例を示すもので、プラント
からのプロセス量pに応じてモータ1を回転させる制御
指令Sを正側制御指令S1 および負側制御指令S2 に分
割して出力するとともに、INV3側から送信される各
制御指令のリングバック信号RS1、RS2、RS を入力し
出力経路の配線断線あるいは故障を監視するコントロー
ラ31と、このコントローラ31からの正側制御指令S
1 を受取りINV3側へ光伝送する第1の正側送受信回
路33aと、コントローラ31からの負側制御指令S2
を受取りINV3側へ光伝送する第1の負側送受信回路
33bと、INV3側に設置され第1の正側送受信回路
33aとの間で光伝送を行う第2の正側送受信回路35
aと、INV3側に設置され第1の負側送受信回路33
bとの間で光伝送を行う第2の負側送受信回路33b
と、第2の正側送受信回路35aに光伝送された正側制
御指令S1 と第2の負側送受信回路35bに光伝送され
た負側制御指令S2 とを加算しINV3へ制御指令Sを
出力する加算器37とで構成されている。
【0061】なお、第2の正側送受信回路35aおよび
第2の負側送受信回路35bはともに、リングバック信
号RS1、RS2、RS として、加算器37の入出力信号を
取込み、それぞれ対応する第1の正側送受信回路33a
および第1の負側送受信回路33bを経由してコントロ
ーラ31へ送信する。
【0062】このプロセス制御装置30は、大きく分け
てコントローラ31および第1の送受信回路33a、3
3bからなる制御部39と、制御部39と光ケーブルで
接続される第2の送受信回路35a、35bおよび加算
器37からなる信号処理部41によって構成されるIN
V3は、信号処理部41より加算器37で加算(合成)
された合成制御指令Sを入力しモータ1を駆動する。
【0063】次に、上記構成のプロセス制御装置の作用
を説明する。
【0064】コントローラ31は、プラントからのプロ
セス量pに応じてモータ1を回転させる制御指令Sの正
転方向成分である正側制御指令S1 、反転方向成分であ
る負側制御指令S2 を図6に基づき、第1の正側送受信
回路33aおよび第1の負側送受信回路33bに出力す
る。なお、図6は、縦軸に制御指令値、横軸にモータの
回転数をとり、モータの正転方向の指令値を正、モータ
の反転方向の指令値を負として、制御指令Sを構成する
正側制御指令S1 および負側制御指令S2 の特性をグラ
フに表したものである。
【0065】第1の送受信回路33a、33bでは制御
指令S1 、S2 を光信号に変換し、対応する第2の正側
送受信回路35aおよび第2の負側送受信回路35bに
伝送する。第2の正側送受信回路35aおよび第2の負
側送受信回路35bでは受け取った光信号をそれぞれ制
御指令S1 、S2 に変換し加算器37に出力する。加算
器37では制御指令S1 、S2 を加算し、合成した制御
指令SをINV3に出力してモータ1を回転させる。
【0066】このように、モータ1を回転させる制御指
令Sは、加算器37にて制御指令S1 、S2 により合成
され、次式
【数5】S=S1 +S2 で表される。各制御指令S1 、S2 は、以下に説明する
ように、モータ1の回転との関係で図6に示すような特
性を有する。
【0067】(a)モータ1を停止させる場合 正側送受信回路33aへの制御指令S1 を下限値に相当
するリミットSc 、負側送受信回路33bへの制御指令
S2 を上限値に相当するリミット−Sc とすると、式
[数5]より
【数6】S=S1 +S2 =Sc +(−Sc )=0 となり、モータ1は停止する。
【0068】(b)モータ1を正回転させる場合 正側送受信回路33aへの制御指令S1 をリミットSc
に対してモータ1の正回転量に対応した制御指令Zs 分
を増加すると、式[数6]より S=S1 +S2 =Sc +Zs +(−Sc ) =Zs となり、モータ1はZs 分正回転する。
【0069】(c)モータ1を反回転させる場合 負側送受信回路33bへの制御指令S2 をリミット−S
c に対してモータ1の反回転量に対応した制御指令−Z
s 分を増加すると、式[数6]より S=S1 +S2 =Sc +(−Sc −Zs ) =−Zs となり、モータ1はZs 分反回転する。
【0070】このように、合成制御指令S=0のとき、
正側送受信回路33a、負側送受信回路33bの制御指
令はS1 =Sc 、S2 =−Sc であり、このため正側送
受信回路33a、35aの I系および負側送受信回路3
3b、35bのII系の断線ないし故障を、リングバック
信号RS1、RS2、RS から次の通り (RS1=S1 )<Sc のとき: I系配線断線・故障 (RS2=S2 )>−Sc のとき:II系配線断線・故障 RS1<Sc 、RS2>−Sc のとき:両系配線断線・故障 検出することができる。
【0071】また、制御指令S1 、S2 は所定の範囲内
(Sc <S1 <Sd 、−Sd <S2<−Sc )であるこ
とから、この最大許容値である±Sd より次の通り RS1>Sd のとき: I系故障 RS2<−Sd のとき:II系故障 RS1>Sd 、RS2<−Sd のとき:両系故障 送受信回路の故障を検出することができる。
【0072】さらに、合成制御指令Sのリングバック信
号RS と各制御指令のリングバック信号RS1、RS2で送
受信回路の故障を通常の制御指令値の範囲内で次のよう
に RS −S1 ≠RS2のとき: I系故障 RS −S2 ≠RS1のとき:II系故障 検出することができる。
【0073】また、 I系の送受信回路が制御指令S1 =
Fの状態で故障したとき、コントローラ31から正常な
第1の負側送受信回路33bへ制御指令S2 =−Fを出
力することで、合成制御指令Sは、式[数5]より S=S1 +S2 =F−F=0 となり、モータ1を停止することができる。II系の送受
信回路が故障したときも同様である。
【0074】次に、送受信回路の断線または故障が発生
したときの動作を説明する。
【0075】I系、II系のうち一方の送受信回路の断線
または故障が発生したとき、図7および図8に示すよう
に、正常側送受信回路への制御指令について、通常時の
リミット(Sc または−Sc )をコントローラ31にて
外し、通常時の制御指令レベルよりリミット分(Sc ま
たは−Sc )を引き、さらに異常側からの制御指令異常
値Se を補正して、正負領域に変化させることで、正常
側の送受信回路により、次の通りモータ1を正常に駆動
することができる。
【0076】(1) I系側がS1 =Se で断線または故
障した場合 正常側送受信回路33bへの制御指令S2 ′を S2 ′=S2 −(−Sc )−Se とすると、合成制御指令Sは、次式
【数7】S=S1 +S2 ′ =Se +S2 −(−Sc )−Se =S2 +Sc で表される。
【0077】(a)モータ1を停止させる場合 モータ停止時、第1の負側送受信回路33bへの制御指
令S2 はリミット−Sc であり、式[数7]より S=−Sc +Sc =0 となる。
【0078】(b)モータ1を正回転させる場合 第1の負側送受信回路33bへの制御指令S2 はモータ
1の正回転量に対応した制御指令Zs 分が正側に増加さ
れ、式[数7]より S=−Sc +Zs +Sc =Zs となる。
【0079】(c)モータ1を反回転させる場合 第1の負側送受信回路33bへの制御指令S2 はモータ
1の反回転量に対応した制御指令Zs 分を負側に増加さ
れ、式[数7]より S=−Sc −Zs +Sc =−Zs となる。
【0080】(2)II系側がS2 =−Se で断線または
故障した場合 正常側送受信回路33aへの制御指令S1 ′を S1 ′=S1 −Sc +Se とすると、合成制御指令Sは、次式
【数8】S=S1 ′+S2 =(S1 −Sc +Se )−Se =S1 −Sc で表される。
【0081】(a)モータ1を停止させる場合 モータ停止時、正側送受信回路33aへの制御指令S1
はリミットSc であり、式[数8]より S=Sc −Sc =0 となる。
【0082】(b)モータ1を正回転させる場合 正側送受信回路33aへの制御指令S1 はモータ1の正
回転量に対応した制御指令Zs 分が正側に増加され、式
[数8]より S=Sc +Zs −Sc =Zs となる。
【0083】(c)モータ1を反回転させる場合 正側送受信回路33aへの制御指令S1 はモータ1の反
回転量に対応した制御指令Zs 分が負側に増加され、式
[数8]より S=Sc −Zs −Sc =−Zs となる。
【0084】以上の説明からも明らかなように、本実施
例によれば、以下のような作用効果を奏する。
【0085】(1) 送受信回路を含む出力経路配線の断線
または送受信回路の故障を制御指令0値近傍およびすべ
ての制御範囲で検出することができる。
【0086】(2) 配線の断線または送受信回路の故障を
検出した場合、もう一方の正常な送受信回路により、故
障側からの制御指令を切離さなくとも、INVの制御を
継続することができる。
【0087】(3) 光ケーブルにINVが発するノイズが
誘導されないことから、制御部へのノイズ混入を低減す
ることができる。
【0088】(4) 断線および故障監視用のリングバック
抵抗、アナログ入出力回路を無くすことができる。
【0089】図9は、請求項7〜9の発明のプロセス制
御装置30′の一実施例を示すもので、この実施例で
は、図5の実施例におけるコントローラ31と同等のコ
ントローラを2台用い、第1の正側送受信回路33aを
制御および監視するコントローラ31aと、第1の負側
送受信回路33bを制御および監視するコントローラ3
1bを設けて、2重化システムのプロセス制御装置3
0′を構成している。
【0090】この構成においては、コントローラ31a
でプラントからのプロセス量pに応じてモータ1を回転
させるための正側の制御指令S1 を図6に基づき作成
し、第1の正側送受信回路33aを経由して制御部3
9′から光信号にして出力する。同時に、コントローラ
31bで負側の制御指令S2 を図6に基づき作成し、第
1の負側送受信回路33bを経由して制御部39′から
光信号にして出力する。信号処理部41では制御部3
9′から出力された信号により、図5と同じくモータ1
を回転させる。
【0091】回路配線の断線またはコントローラを含む
制御系の故障検出は、正側の制御指令S1 を監視するリ
ングバック信号RS1、負側の制御指令S2 を監視するリ
ングバック信号RS2、および加算合成後の制御指令Sが
各コントローラ31a、31bにともに入力され、各コ
ントローラ31a、31bで図5の実施例と同様に処理
されることによって行われる。
【0092】また、回路配線の断線または制御系の故障
を検出した場合には、図5の実施例と同じく、正常系の
コントローラにより故障した系の制御指令分を補正し、
正常系側の制御指令をリミットを外して正負領域に変化
させることで、図7、図8と同じように制御指令を作成
して正常制御を行うことができる。
【0093】以上説明したように、本実施例によれば、
上記(1) 〜(4) に加えてさらに以下の作用効果を奏する
ことができる。
【0094】(5) 1台のコントローラ故障が発生して
も、正常なコントローラで被制御装置の誤動作を防止す
ることができる。また、故障したコントローラの制御指
令を切離さなくとも、正常なコントローラで故障した制
御指令を補うことで、被制御装置を制御することができ
る。
【0095】
【発明の効果】上記したように、請求項1の発明によれ
ば、特性の異なる制御指令を処理して合成することによ
り、各アナログ出力回路の配線断線および故障の検出を
容易にすることができるとともに、正常側のアナログ出
力回路を介して制御を続けるようにすることができる。
【0096】請求項2の発明によれば、コントローラを
含む制御系を分割して、それぞれ特性の異なる制御指令
を処理して合成することにより、各制御系の配線断線お
よび故障等の異常検出を容易にすることができるととも
に、コントローラの異常にも対処して正常側の制御系を
介して制御を続けるようにすることができる。
【0097】請求項3の発明によれば、正常時には各ア
ナログ出力回路から出力されるアナログ信号が0を示す
ことがないので、各制御系の配線断線を容易に検出する
ことができる。
【0098】請求項4の発明によれば、一方の制御系の
配線が断線しても、他方の制御系により正常な制御を続
けることができる。
【0099】請求項5の発明によれば、一方の制御系が
故障しても、故障側の出力を遮断して他方の制御系によ
り正常な制御を続けることができる。
【0100】請求項6の発明によれば、特性の異なる制
御指令をそれぞれ別の伝送回路で光伝送し合成すること
により、各伝送回路の配線断線および故障の検出を容易
にすることができるとともに、正常側の伝送回路を介し
て制御を続けるようにすることができ、さらには制御指
令に対するノイズの影響を低減することができる。
【0101】請求項7の発明によれば、コントローラお
よび伝送回路を含む2つの制御系にて、特性の異なる制
御指令を生成し伝送しついで合成することにより、各制
御系の配線断線およびコントローラを含む装置故障等の
異常検出を容易にすることができるとともに、コントロ
ーラの異常にも対処して正常側の制御系を介して制御を
続けるようにすることができ、さらには制御指令に対す
るノイズの影響を低減することができる。
【0102】請求項8の発明によれば、正常時には各制
御系から出力される制御指令は所定の範囲内にあるの
で、所定の範囲内にない制御指令を検出した場合には、
制御系の異常と容易に判断することができる。
【0103】請求項9の発明によれば、一方の制御系が
異常となっても、この異常制御系の出力を切離さなくと
も、他方の制御系により制御を継続することができる。
【0104】すなわち、本発明によれば、各制御系の配
線断線および故障等の異常を制御指令が0を含むすべて
の範囲においても行うことができ、一方の制御系の異常
を検出したときには、正常な制御系で被制御装置を制御
することができる。
【0105】したがって、信頼性が高く、稼働率の高い
プロセス制御装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のプロセス制御装置を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明にかかるアナログ信号の特性を示すグラ
フである。
【図3】本発明にかかる断線または故障時の正常系の制
御指令の補償動作を示すグラフである。
【図4】本発明の他の実施例のプロセス制御装置を示す
ブロック図である。
【図5】本発明の他の実施例のプロセス制御装置を示す
ブロック図である。
【図6】本発明にかかる制御指令の特性を示すグラフで
ある。
【図7】本発明にかかる断線または故障時の正常系の制
御指令の補償動作を示すグラフである。
【図8】本発明にかかる断線または故障時の正常系の制
御指令の補償動作を示すグラフである。
【図9】本発明の他の実施例のプロセス制御装置を示す
ブロック図である。
【図10】プロセス制御装置の従来例を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1………モータ、3………INV、21a………正側ア
ナログ出力回路、21b………負側アナログ出力回路、
23………電流加算回路、25a………正側アナログ入
力回路、25b………負側アナログ入力回路、27、3
1、31a、31b………コントローラ、33a………
第1の正側送受信回路、33b………第1の負側送受信
回路、35a………第2の正側送受信回路、35b……
…第2の正側送受信回路、37………加算器、39、3
9′………制御部、41………信号処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 23/02 302 S 7531−3H

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正負領域の電圧または電流のアナログ信
    号により被制御装置を制御するプロセス制御装置におい
    て、 特性の異なる制御指令に従ってそれぞれアナログ信号を
    出力する2つのアナログ出力回路と、 これらのアナログ出力回路から出力されたアナログ信号
    を合成し前記被制御装置に合成アナログ信号を出力する
    アナログ信号合成手段と、 前記アナログ出力回路の出力経路にそれぞれ介挿された
    リングバック抵抗の両端電圧を入力する2つのアナログ
    入力回路と、 これらのアナログ入力回路の入力結果に基づいて各前記
    アナログ出力回路を経由して前記被制御装置に至る各制
    御系の異常の有無を判定するとともに、前記被制御装置
    の制御量を演算し、この演算制御量および前記判定結果
    に基づいて、前記合成アナログ信号が前記演算制御量に
    合致するように各前記アナログ出力回路に入力する特性
    の異なる制御指令を生成するコントローラとを具備する
    ことを特徴とするプロセス制御装置。
  2. 【請求項2】 正負領域の電圧または電流のアナログ信
    号により被制御装置を制御するプロセス制御装置におい
    て、 特性の異なる制御指令に従ってアナログ信号を出力する
    2つのアナログ出力回路と、 これらのアナログ出力回路から出力されるアナログ信号
    を合成し前記被制御装置に合成アナログ信号を出力する
    アナログ信号合成手段と、 前記アナログ出力回路の出力経路にそれぞれ介挿された
    リングバック抵抗の両端電圧を入力する2つのアナログ
    入力回路と、 これらのアナログ入力回路の入力結果に基づいて各前記
    アナログ出力回路を経由して前記被制御装置に至る各制
    御系の異常の有無を判定するとともに、前記被制御装置
    の制御量を演算し、この演算制御量および前記判定結果
    に基づいて、前記合成アナログ信号が前記演算制御量に
    合致するように各前記アナログ出力回路に入力する特性
    の異なる制御指令をそれぞれ分担して生成する2台のコ
    ントローラとを具備することを特徴とするプロセス制御
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のプロセス制御装
    置において、前記各制御系が正常であるとき、前記アナ
    ログ出力回路の一方から出力され前記アナログ信号合成
    手段に入力されるアナログ信号は0値を除く正の特性を
    持ち、他方の前記アナログ出力回路から出力され前記ア
    ナログ信号合成手段に入力されるアナログ信号は0値を
    除く負の特性を持つことを特徴とするプロセス制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のプ
    ロセス制御装置において、前記コントローラは、各前記
    アナログ入力回路の入力結果と対応する各前記制御指令
    との比較により前記制御系の一方の断線を検出したと
    き、正常側の前記アナログ出力回路に対して前記演算制
    御量に相当する制御指令を出力することを特徴とするプ
    ロセス制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のプ
    ロセス制御装置において、各前記アナログ出力回路と抵
    抗との間に遮断手段を設け、前記コントローラは、各前
    記アナログ入力回路の入力結果と対応する各前記制御指
    令との比較により前記制御系の一方の故障を検出したと
    き、故障側の前記アナログ出力回路の出力を前記遮断手
    段によって遮断し、正常側の前記アナログ出力回路に対
    して前記演算制御量に相当する制御指令を出力すること
    を特徴とするプロセス制御装置。
  6. 【請求項6】 正負特性の制御指令により被制御装置を
    制御するプロセス制御装置において、 互いに特性の異なる制御指令を光伝送するとともに、光
    伝送されたリングバック信号を受信する少なくとも2つ
    の第1の光送受信回路と、 これらの第1の光送受信回路を経由してそれぞれ伝送さ
    れた前記互いに特性の異なる制御指令を合成し、前記被
    制御装置に合成制御指令を出力する制御指令合成手段
    と、 前記第1の光送受信回路に対応してそれぞれ接続され、
    該第1の光送受信回路から光伝送された前記制御指令を
    受信し前記制御指令合成手段に出力するとともに、該制
    御指令合成手段に入力される各制御指令および該制御指
    令合成手段から出力された合成制御指令をリングバック
    信号として取込み、前記第1の光送受信回路に光伝送す
    る少なくとも2つの第2の光送受信回路と、 前記第1の光送受信回路から前記リングバック信号を入
    力し各前記第1および第2の光送受信回路を経由して前
    記被制御装置に至る各制御系の異常の有無を判定すると
    ともに、前記被制御装置への制御指令を演算し、前記判
    定結果に基づいて、該演算制御指令と前記合成制御指令
    とが合致するよう前記互いに特性の異なる制御指令を生
    成するコントローラとを具備することを特徴とするプロ
    セス制御装置。
  7. 【請求項7】 正負特性の制御指令により被制御装置を
    制御するプロセス制御装置において、 互いに特性の異なる制御指令を光伝送するとともに、光
    伝送されたリングバック信号を受信する少なくとも2つ
    の第1の光送受信回路と、 これらの第1の光送受信回路を経由してそれぞれ伝送さ
    れた前記互いに特性の異なる制御指令を合成し、前記被
    制御装置に合成制御指令を出力する制御指令合成手段
    と、 前記第1の光送受信回路に対応してそれぞれ接続され、
    該第1の光送受信回路から光伝送された前記制御指令を
    受信し前記制御指令合成手段に出力するとともに、該制
    御指令合成手段に入力される各制御指令および該制御指
    令合成手段から出力された合成制御指令をリングバック
    信号として取込み、前記第1の光送受信回路に光伝送す
    る少なくとも2つの第2の光送受信回路と、 前記第1の光送受信回路から前記リングバック信号を入
    力し各前記第1および第2の光送受信回路を経由して前
    記被制御装置に至る各制御系の異常の有無を判定すると
    ともに、前記被制御装置への制御指令を演算し、前記判
    定結果に基づいて、該演算制御指令と前記合成制御指令
    とが合致するよう前記互いに特性の異なる制御指令をそ
    れぞれ分担して生成する2台のコントローラとを具備す
    ることを特徴とするプロセス制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のプロセス制御装
    置において、前記各制御系が正常であるとき、前記コン
    トローラは、前記演算制御指令を分割し一方は所定の正
    の上下限値の範囲内にあり、他方は所定の負の上下限値
    の範囲内にある制御指令を生成することを特徴とするプ
    ロセス制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれかに記載のプ
    ロセス制御装置において、前記コントローラは、前記リ
    ングバック信号に基づいて前記制御系の一方の異常を検
    出したとき、前記演算制御指令に異常系の出力を相殺す
    る信号成分を付加し正常系の前記第1の光送受信回路に
    出力することを特徴とするプロセス制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010033119A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Yokogawa Electric Corp 自己診断機能を備えるアナログ出力装置
US7991582B2 (en) 2004-09-30 2011-08-02 Rosemount Inc. Process device with diagnostic annunciation

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