JPH07248782A - 振動低減装置の特性設定方法 - Google Patents

振動低減装置の特性設定方法

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JPH07248782A
JPH07248782A JP6037423A JP3742394A JPH07248782A JP H07248782 A JPH07248782 A JP H07248782A JP 6037423 A JP6037423 A JP 6037423A JP 3742394 A JP3742394 A JP 3742394A JP H07248782 A JPH07248782 A JP H07248782A
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JP
Japan
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vibration
characteristic
setting
vehicle
transfer characteristic
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Application number
JP6037423A
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English (en)
Inventor
Eiichi Miyahiro
栄一 宮広
Naoki Ikeda
直樹 池田
Shingo Harada
真悟 原田
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 できる限り車両の使用状態に近い状態の振動
伝達特性を設定することを可能とし、車両を量産するの
に適した振動低減装置の特性設定方法を提供することに
ある。 【構成】 車両に搭載した振動低減装置を制御する振動
低減コントロールユニット7において、その振動低減コ
ントロールユニット7における車両の振動伝達特性H
を、車両の使用状態で設定調整する。具体的には、実際
の車両の使用状態では存在し得ないプレスノイズ等の騒
音の入り込まない環境下や、現地のディーラ等において
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等に用いられる振
動低減装置の特性設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車載エンジンの騒音を低減す
る種能動型の振動低減装置として、例えば特公平1−5
01344号公報に開示されるように、エンジンで発生
する騒音に対応したリファレンス信号を発生させるリフ
ァレンス信号発生器と、このリファレンス信号から逆位
相でかつ同振幅の反転音信号を生成する適応型フィルタ
と、この適応型フィルタで生成された反転音信号を受け
て車室内に反転音を発生するスピーカと、車室内におい
て騒音を低減すべき個所に配置され、該箇所での空気の
振動を検出するマイクロフォンと、このマイクロフォン
により検出される音が低減されるよう上記適応型フィル
タのフィルタ係数を逐次変更するLMS(Least Mean S
quare Method(最小二乗法))アルゴリズム演算手段と
を備えたフィードフォアード方式の制御(以下LMS方
式という)が知られている。
【0003】即ち、上記リファレンス信号発生器におい
て、エンジン振動に対応するイグニッシュパルス信号を
検出し、このイグニッシュパルス信号からデジタル信号
としてのリファレンス信号を発生させる。このリファレ
ンス信号は適応型フィルタに入力され、この適応型フィ
ルタにおいてリファレンス信号のゲインや位相等が調整
されて、マイクロフォンの配置位置でエンジン騒音とス
ピーカで発生した音とが互いに打ち消しあうような反転
音信号が生成され、この反転音信号はスピーカに出力さ
れて該スピードから上記反転音が出力される。また、上
記リファレンス信号はLMSアルゴリズム演算手段にも
入力され、この演算手段において、マイクロフォンから
出力される信号のレベルが低くなるように上記適応型フ
ィルタのフィルタ係数を逐次更新して最適化するように
なっている。
【0004】また、エンジンをゴムや動電型の加振用ア
クチュエータを含むマウントで支え、上記スピーカの代
りにこのエンジンマウントを用いると共に、上記マイク
ロフォンを振動ピックアップで置き換え、エンジンマウ
ントにエンジン振動と逆位相の振動を加えて、車体にエ
ンジン振動が伝わらないようにしたアクティブエンジン
マウント(AEM)なる概念も知られている。
【0005】一方、本出願人は、前に、所定の振動低減
箇所にマイクロフォント等の検出手段を、またこの検出
手段とは異なる位置にスピーカ等の加振手段をそれぞれ
配置しておき、振動検出手段で検出された振動信号を、
加振手段と検出手段との間の振動伝達特性に基づいて、
逐次リファレンス信号として加工して振動低減信号を生
成し、この信号を加振手段に出力するようにしたフィー
ドバック方式(以下MC方式と称する)の振動低減装置
を提案している(特願平4−32217号)。このMC
方式の振動低減装置は、前者のLMS方式に比べ、マイ
クロフォン等の振動検出手段が検出した振動を加工する
ので、振動低減ための演算量が少なくて済み、振動レベ
ル全体を低減することができる利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
振動低減装置により振動としてのエンジン騒音を低減す
る場合、いずれの制御ロジックを用いるときでも、加振
手段と検出手段との間の振動伝達特性の情報を利用する
ことになる。このため、最初に、スピーカやアクチュエ
ータといった加振手段と、マイクロフォンや振動ピック
アップといった振動検出手段との間における振動伝達特
性を測定によって明らかにし、これをモデル化して制御
を行うための系を確立することが重要となる。
【0007】従来、この種の量産車の振動伝達特性の個
別な測定は行われていないか、開発実験段階における良
好な環境下、つまり暗騒音の少ない場所でのみ行って、
そこで得られた振動伝達特性データを、全ての車両にお
ける振動低減装置の特性設定に適用し、その微調整等は
フィードバック制御でカバーすることとしている。
【0008】しかし、実際の量産車両の生産において
は、工場内にプレスの昇降振動のような通常の車両の使
用状態とはかけ離れたノイズが伴うことから、実際の車
の使用状態からずれた振動伝達特性が設定されてしまう
こととなる。また、この振動伝達特性は、出荷される仕
向地等の使用環境によっても異なってくる。このため、
設定された振動伝達特性データに基づくフィードバック
制御では追従できなくなり、振動低減の制御が不十分又
は不能になることがあった。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、できる限り車両の使用状態に近い状態の振動伝達特
性を設定することを可能とし、車両を量産するのに適し
た振動低減装置の特性設定方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、できる限り、車両の使用状態に近い状態の
伝達特性を設定する。
【0011】具体的には、請求項1の発明では、振動を
発生させる加振手段と、所定箇所での振動を検出する振
動検出手段と、前記振動発生用加振手段及び振動検出手
段間の振動伝達特性に基づいて所定振動と逆位相の振動
を生成するための振動低減信号生成手段とを有し、該振
動低減信号に応じた振動を上記加振手段により発生させ
る振動低減装置の振動伝達特性の設定方法であって、前
記振動低減装置を制御する振動低減コントロールユニッ
トを有する車両の振動伝達特性を、車両の使用状態で調
整する。
【0012】請求項2の発明では、請求項1記載の振動
低減装置の特性設定方法において、仕向け地で、前記振
動伝達特性の設定調整を行う。
【0013】請求項3の発明では、請求項1記載の振動
低減装置の特性設定方法において、外乱の少ない所で、
前記振動伝達特性の設定調整を行う。
【0014】請求項4の発明では、請求項2記載の振動
低減装置の特性設定方法において、現地ユーザが、前記
振動伝達特性の設定調整を行う。
【0015】請求項5の発明では、請求項2記載の振動
低減装置の特性設定方法において、現地ディーラが、前
記振動伝達特性の設定調整を行う。
【0016】請求項6の発明では、請求項3記載の振動
低減装置の特性設定方法において、伝達特性設定場を設
けて、前記振動伝達特性の設定調整を行う。
【0017】請求項7の発明では、請求項3記載の振動
低減装置の特性設定方法において、生産ラインの最終工
程で、前記振動伝達特性の設定調整を行う。
【0018】請求項8の発明では、請求項4記載の振動
低減装置の特性設定方法において、振動低減コントロー
ルユニットに伝達特性設定スイッチを設け、ユーザがこ
れを操作して前記振動伝達特性の設定調整を行う。
【0019】請求項9の発明では、請求項5、6記載の
振動低減装置の特性設定方法において、車両の販売仕向
け地のディーラに上記振動伝達特性の設定設備を設け、
該ディーラにて上記伝達特性の設定調整を行う。
【0020】請求項10の発明では、請求項4記載の振
動低減装置の特性設定方法において、ユーザがディーラ
にある設定設備を利用して、前記振動伝達特性の設定調
整を行う。
【0021】請求項11の発明では、請求項6、7記載
の振動低減装置の特性設定方法において、生産ラインの
最終工程に前記伝達特性設定場としての設定設備を設け
る。
【0022】請求項12の発明では、請求項7記載の振
動低減装置の特性設定方法において、生産ラインの最終
工程で他の検査を兼ねて前記振動伝達特性の設定調整を
行う。
【0023】
【作用】請求項1では、振動低減装置を制御する振動低
減コントロールユニットを車両に搭載し、その振動低減
コントロールユニットにおける車両の振動伝達特性を、
車両の使用状態で調整する。
【0024】車両の伝達特性の設定を、実際とは全く違
う使用状態や場所等の環境のものに設定したのでは、せ
っかく設定した伝達特性も不適切となって、所望の振動
低減効果が得られないため、可能な限り実際の使用状態
に近い状態の伝達特性を設定するものである。従って、
ここでの「使用状態」には、実際の使用状態では存在し
得ないプレスノイズ等の除去ができる環境や、実際に運
転される仕向け地等の使用環境などが含まれる。
【0025】請求項2では、出荷される先が寒冷地など
であるかといった仕向地が考慮され、その仕向け地で振
動伝達特性の設定調整を行う。このため、実際の使用状
態に近付き、より実際の車両に適した振動伝達特性の設
定ができる。
【0026】請求項3では、外乱の少ない所で振動伝達
特性の設定調整を行う。従って、実際の使用状態では存
在し得ないプレスノイズ等が除去され、振動伝達特性の
設定精度が向上する。
【0027】請求項4では、仕向け地において現地のユ
ーザが設定するものであり、実際の使用状態では存在し
得ないプレスノイズ等の除去ができると同時に、車両の
個別的な振動伝達特性の設定ができる。
【0028】請求項5では、仕向け地において現地のデ
ィーラが設定するものであり、実際の使用状態では存在
し得ないプレスノイズ等の除去ができると同時に、車両
の仕向け地に適合した振動伝達特性の設定ができる。
【0029】請求項6では、外乱の少ない所として、振
動遮断室のような伝達特性設定場を積極的に作るもので
あるため、実際の使用状態では存在し得ないプレスノイ
ズ等の影響を除去できる。
【0030】請求項7では、工場の最終工程、例えば組
付け工程の最後で伝達特性の設定をするものであり、か
かる場所は一般にプレス設置場所等からは離れ設けられ
ているため、外乱の少ない所となり、上記と同様に実際
の使用状態では存在し得ないプレスノイズ等の影響を除
去できる。
【0031】請求項8では、現地のユーザが設定する場
合、振動低減コントロールユニットに伝達特性設定スイ
ッチを設け、ユーザがこれを操作して振動伝達特性の設
定調整を行うものであり、より具体性のある形態が得ら
れる。
【0032】請求項9では、現地のディーラが設定する
形態(請求項5)、又は、外乱が少ない伝達特性設定場
を作って設定する形態(請求項6)において、その車両
の販売仕向け地のディーラに振動伝達特性の設定設備を
設け、該ディーラにて上記伝達特性の設定調整を行うも
のである。これにより、車両の使用環境に近い振動伝達
特性の設定がなされるため、振動低減効果が向上する。
【0033】請求項10では、ユーザがディーラにある
設定設備を利用して、振動伝達特性の設定調整を行うも
のであるため、同様に車両の使用環境に近い振動伝達特
性の設定ができる。
【0034】請求項11では、通常プレスノイズ等の到
達しない場所に置かれる生産ラインの最終工程に、更に
振動遮断室のような伝達特性設定設備を設けるものであ
るため、実際の使用状態では存在し得ないプレスノイズ
等の影響を完全に除去することができる。
【0035】請求項12では、生産ラインの最終工程で
通常行われる他の検査、例えばオイルや燃料や冷却水等
を入れた状態で行われる検査を兼ね、そのようなオイル
や燃料や冷却水等を入れた状態で前記振動伝達特性の設
定調整を行うものである。つまり、走れる形態での車両
の振動伝達特性の設定調整が行われるため、実際の使用
状態に近い状態での振動伝達特性の設定ができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0037】ここで扱う振動低減装置は、自動車(車
輌)に搭載されたエンジンの騒音(振動)を低減するた
めのものであり、その代表的な騒音は、いわゆる「こも
り音」である。こもり音は、エンジンが上下に周期的に
加振されて、その振動がエンジンマウントから車体に伝
わって車内に放射される騒音であり、エンジン回転数の
2倍に同期するので、主な周波数帯域は約200Hz以
下と低い。
【0038】まず説明の便宜上、本発明の実施例で利用
する伝達特性の同定方法を、図1〜図19を用いて説明
する。
【0039】(同定方法1)図1において、1は自動車
の車体、2は車体の前後中央部に位置する車室、3は車
体前部に位置するエンジンルーム、4はエンジンルーム
内に配置された振動源としてのエンジン、5はこのエン
ジン4を車体に対して支えるゴムと動電型の加振用アク
チュエータ(振動発生用加振手段)5a(図6)を含む
エンジンマウント、6は車室に伝達される振動を検出す
るため車体の車室に対応する部分に設けた振動検出手段
としての振動センサ(振動ピックアップ)である。振動
センサは2つ付けているが、複数でもよいという意味で
あり、1個の場合でも不都合はない。7は助手席側の左
側前席前方のインストルメントパネル内に配置した車載
用の振動低減コントロールユニット、ここではAEM
(アクティブエンジンマウント)コントローラであり、
上記エンジンマウント5の加振用アクチュエータ5aと
振動センサ6と接続され、これらと共にANC(アクテ
ィブノイズコントロール)振動低減装置を構成してい
る。
【0040】この振動低減装置は、エンジン4から発せ
られる振動を各振動センサ6で検出し、その振動センサ
6から出力される検出信号eをコントローラ7に入力す
ると共に、エンジンマウント5へ信号eとは逆位相の信
号y(振動低減信号)を出力することにより、エンジン
マウント5の位置で振動低減信号yをエンジン騒音と干
渉させて、各振動センサ6により検出されるエンジン騒
音を低減するようになっている。
【0041】車体1は、この振動低減装置が搭載された
形で、つまり上記要素2〜7が付けられた状態で、ユー
ザに引き渡されることになる。
【0042】8は上記コントローラ7に対する検査用ツ
ールボックスであり、情報のやりとりができるようにイ
ンターフェース82(図2)を介してコントローラ7と
接続される。なお、この検査用ツールボックス8は、こ
れを用いて行う同定検査作業、つまり振動伝達特性の測
定が終了した後にはコントローラ7から除去される。
【0043】図2及び図3に、コントローラ7と検査用
ツールボックス8の接続状態を示す。図2の右側に示す
ように、検査用ツールボックス8は、内部に、CPUを
含む演算処理ブロック81と、これと外部のAEMコン
トローラ7とを結んで通信を行なわせるためのインタフ
ェース82と、同定検査作業の開始などを指示する操作
スイッチ83と、同定検査作業の振動波形や周波数分析
結果等を表示する表示部84とを有し、CPU演算処理
ブロック81に対して所望のソフトウエアが与えられ
て、必要な分析と内容の表示が行われるようになってい
る。即ち、演算処理ブロック81は、操作スイッチ83
のスイッチ操作、AEMコントローラ7に対する動作の
指示、コントローラ7の内部のデータの読み出しを行
う。例えば、そのとき振動ピックアップ(センサ)には
どういう信号が観測されているか、或いは、どういう信
号をエンジンマウント5に対して送り込むか、といよう
な情報を読み出す。また表示部84は、振動波形、周波
数分析結果、及び同定検査がうまく行われているかのモ
ニタリング表示を行う。
【0044】AEMコントローラ7は、図3の左側に示
すように、デジタル信号処理により検出信号eとは逆位
相波形の振動低減信号yを計算で求めるためのCPUを
含む演算処理ブロック11を有し、該演算処理ブロック
11はインターフェース12を介して検査用ツールボッ
クス8と接続されている。また、この演算処理ブロック
11の入力段には各振動センサ6からの検出信号eを増
幅するアンプ13と、検出信号eを濾波するローパスフ
ィルタ(LPF)14と、検出信号eをデジタル信号に
変えるA/D変換器15とが接続されている。一方、演
算処理ブロック11の出力段には、ディジタルの振動低
減信号yをアナログ信号に変えるD/A変換器16と、
信号yを濾波するローパスフィルタ(LPF)17と、
信号yを増幅するアンプ18とが接続されている。上記
演算処理ブロック11、各A/D変換器15及び各D/
A変換器16の作動はサンプリング周期信号により互い
に同期して行なわれる。
【0045】一方、上記エンジンルーム3内には、エン
ジン4のイグニッションパルス(IGパルス)信号を検
出するイグニッションパルス検出器(図示せず)が配置
され、この検出器は、エンジン4の各気筒の点火プラグ
にディストリビュータを介して点火電圧を送るIGコイ
ルの1次側からの点火信号を検出するようになってい
る。コントローラ7には、このイグニッションパルス検
出器からのイグニッションパルス(IGパルス)信号が
入力されている。即ち、このIGパルスは、コントロー
ラ7内で、波形整形器19を通して回転周期測定回路2
0に入力されており、ここでIGパルスを基にエンジン
4の点火周期つまり回転周期が計測され、その計測され
た周期出力信号が演算処理ブロック11に入力されてい
る。
【0046】AEMコントローラ7は、振動センサ6で
拾った振動を、必要なアンプ13及びローパスフィルタ
14を通し、更にA/D変換器15を通して演算処理ブ
ロック11に送る。ローパスフィルタ14は、サンプリ
ングできる周波数よりも高い周波数の信号が入ってきて
ノイズになるのを防止する働きをしている。これらは逆
位相波形を計算で生成するCPU演算処理ブロック11
に送られて、マウント5に対して駆動信号を出力してい
る。そして、エンジン回転の周期を計測するために、I
Gパルス(イグニッションパルス)を波形整形して周期
を測ることで、点火の周期情報もCPU演算処理ブロッ
ク11に入れている。
【0047】図4は、AEMコントローラ7のCPU演
算処理ブロック11の構成を示す。メモリは、A/D変
換された振動センサ6の検出信号eのデータとかD/A
変換されるマウント駆動信号(テスト信号)のデータを
記憶する入出力データ用メモリ21と、エンジンマウン
ト5及び振動センサ6間の今回同定検査される振動伝達
特性の情報を記憶する振動伝達特性用メモリ22とを有
する。このメモリ21,22は、振動低減を行うための
逆位相成分を作り出す計算処理を行うプログラムの振動
低減処理ブロック23と、今回の振動伝達特性の情報を
作るための同定検査処理を行うプログラムの同定検査処
理ブロック24との双方からアクセスされる。また騒音
低減処理と同定検査処理のいずれを行うかについてAE
Mコントローラ7の動作切り替えを行うプログラムの動
作切替処理ブロック25を有しており、検査用ツールボ
ックス8とインターフェース12を介して接続される。
【0048】上記同定検査処理を行うブロック24の詳
細を図5に示す。同定検査処理ブロック24は、上記振
動伝達特性用メモリ22に格納されている振動伝達特性
のデータを取り込んで同定検査処理を行う同定検査処理
プログラム26を有する。また、それとは別に、同定検
査のためのテスト信号を発生させるテスト信号発生手段
として、ランダムノイズ発生器27を設けており、この
ランダムノイズ発生器27からランダムノイズを発生
し、これを周波数特性変更手段28を通すことにより所
望のマウント駆動信号(テスト信号)S1として取り出
し、これをエンジンマウント5、正確にはその加振用ア
クチュエータ5aへ与える構成になっている。即ち、振
動伝達特性を測るために、エンジンマウント5に、ある
テスト信号を作って入力するものである。
【0049】上記エンジンマウント5を駆動するために
出した信号S1と、振動センサ出力信号S2として振動
センサ6から帰ってきた信号は、この同定検査処理ブロ
ック24の同定検査処理プログラム26において、エン
ジンマウント5及び振動センサ6間の振動伝達系に与え
た入力信号と出力信号の関係として把握され、振動セン
サ6の箇所で振動が最小になるマウンド駆動信号S1を
得るときの条件が計算処理によって求められ、このとき
の振動伝達特性データが作られる。
【0050】図6は、この同定検査処理プログラム26
の部分をブロック図化して示したものである。即ち、同
定検査処理ブロック24は、内部の係数が書き換え可能
なディジタルフィルタ29と、このディジタルフィルタ
29のフィルタ係数を振動センサで検出される振動が低
減されるよう逐次変更するLMS(Least Mean Square
Method(最小二乗法))アルゴリズム演算手段とを有す
る。そして伝達特性データは、逆位相の振動低減信号y
を生成するときと同じLMS制御ロジックを使って作り
出される。
【0051】図6において、マウント駆動信号S1は、
エンジンマウント5のアクチュエータ5aへ与えられる
一方、このディジタルフィルタ29を通して信号S3と
して出力される。また、このマウント駆動信号S1は、
別の経路として、エンジンマウント5を駆動して振動セ
ンサ6で観測され、振動センサ出力信号S2として同定
検査処理プロック24へ帰って来ている。この両者の信
号が比較部30にて比較される。要するに、比較部30
の一方に入力される信号は、同じマウント駆動信号S1
がフィルタ29を通って来た信号であり、比較部30の
他方に入力される信号は、エンジンマウント5が駆動さ
れて振動が出て振動センサ6で観測されて帰ってきた信
号S2であり、この両信号の差が誤差信号S4として比
較検出される。
【0052】LMSアルゴリズム演算手段の部分は、こ
の誤差信号S4に収束係数器31にて収束係数α(0<
α<1)を掛け、これにマウント駆動信号を掛け合わせ
た信号を作成し、これにより上記誤差信号S4がゼロに
なるようにフィルタの内容たるフィルタ係数を書き換え
ている。従って、フィルタを通って来た信号とエンジン
マウント5から振動センサ6を通って来た信号とが同一
になるようにフィルタの内容が書き換えられるので、誤
差信号S4が完全にゼロ又は微少になったときには、両
経路は同じ伝達特性を持っているということになり、フ
ィルタの値を知ることによりエンジンマウント5から振
動センサ6を通る経路の伝達特性の測定(同定検査)が
できる。
【0053】ここで、伝達特性は、フィルタの係数の数
nが行列的に並んだものであり、その数nが多いほど伝
達特性の精度が向上する。また、伝達特性の値は、伝達
特性を求める演算をするときに収束させるためのファク
ターである収束係数αの値によっても変わってくる。更
に、伝達特性の値は、データをサンプリングするときの
サンプリング周波数によっても変化する。例えば、上記
フィルタの係数の数nが100個で減衰振動波形の終り
付近まで描けていた場合に、サンプリング周波数を20
0ヘルツまで上げて行くと、その高域端の150〜20
0ヘルツ付近の精度はかなり上がって行くが、振動波形
の尻部が切れてしまうために、低い周波数の長い波長で
乗っている周波数帯について精度が落ちてくる。従っ
て、サンプリング周波数を変えて、収束するまでをカバ
ーするデータ個数nに調整し、或るいは低い周波数帯で
の精度を確保することが必要である。
【0054】図7に、同定検査作業の手順を示す。ま
ず、完成車のAEMコントローラ7に検査用ツールボッ
クス8を接続する(ステップS1)。次に,エンジン停
止状態でAEMシステムの電源を投入する(ステップS
2)。検査用ツールボックス8で振動センサ6の出力信
号を取り込み、暗振動のレベル周波数を確認する(ステ
ップS3)。AEMコントローラ7に暗振動の情報を転
送する(ステップS4)。同定検査作業を開始する(ス
テップS5)。表示部84の同定検査モニタにより、エ
ラー信号レベルeが、基準レベル以下となっていること
を確認(ステップS6)して同定検査作業を終了する。
【0055】上記振動伝達特性の測定つまり同定検査を
行う場合、実際に同定検査作業を行う場所には外乱とな
るノイズが伴うため測定精度を上げられないという問題
がある。そこで、ここでは同定検査作業が実際に行われ
る場所に合わせて、上記した周波数特性変更手段28に
より単なるランダムノイズではないより精度の高い測定
ができるようなテスト信号に変更するようになってい
る。
【0056】図8は、周波数特性変更手段28の構成例
を示したもので、信号経路中にプログラマブルフィルタ
32とゲイン調整器33とを順次挿入したものから成
る。
【0057】ランダムノイズ発生器27から発生される
ランダムノイズS0は、図8中に(a)で示すように、
各周波数が持っている振幅が一定である信号である。プ
ログラマブルフィルタ32はこれを取り込んで、外部か
らの情報(フィルタ特性に対する指示)に従って、ここ
を通過する信号の周波数特性を加工する。例えば、図8
中の(b)に示唆するように、外乱ノイズをマスクする
ような周波数特性に変更する。次に、ゲイン調整器33
は、プログラマブルフィルタ32から得られた信号を、
図8中の(c)に示すように、外部から入ってくるゲイ
ンの情報に基づいて適切なレベルに上げて出力する。要
するに、ある特性のテスト信号が欲しい場合、まずプロ
グラマブルフィルタ32により外乱ノイズをマスクした
形か又は外乱ノイズ以外の周波数域のレベルを上げた形
に加工し、次いでその周波数特性の変更された信号に対
してゲイン調整を施して最も環境に適合したテスト信号
を作成する。
【0058】図9〜図14に、外乱ノイズに対する周波
数特性の変化の付け方について幾つか例を示す。
【0059】図9(a)は、商用周波数で作動する機器
(空調のコンプレッサなど)の振動が外乱となっている
場合の外乱ノイズを示す。即ち、建物内には、外乱ノイ
ズとなる商用周波数で回っているコンプレッサ,空調機
器等が多数存在するので、関西では60ヘルツ,120
ヘルツという帯域でピーク性の外乱ノイズができる。こ
のノイズが、例えば振動センサで感知され、図2の検査
用ツールボックス8で振動波形を見たときに当該波形に
含まれているとすると、ランダムノイズS0を発生させ
たときに、図9(b)に斜線部分で示すように、ランダ
ムノイズS0が或る周波数域ではノイズに埋もれてしま
って精度が出ない。つまり、斜線部分の60ヘルツでは
完全に信号とノイズのレベル関係が逆転し、この周波数
域での測定精度は期待できないことになる。
【0060】そこで周波数特性変更手段28にランダム
ノイズを導き、ここで外乱ノイズに合わせてプログラマ
ブルフィルタ32のフィルタ特性とゲイン調整器33の
ゲイン調整とを行うことにより、図9(c)に示すよう
に、外乱ノイズの周波数でゲインを高め、外乱ノイズの
影響を抑圧してやる。このように、外乱ノイズに合わせ
てテスト信号の形を変える外乱ノイズを考慮して抑圧し
てやることにより、或る程度の精度を確保することがで
きる。
【0061】図10は、プレス機械などが発する低周波
振動が外乱となっている場合の例である。プレス機械で
はプレスの昇降によりかなり低い周期で振動が出るので
低周波振動の外乱となる(図10(a))。この場合で
も、図10(b)に斜線を付して示した部分において、
信号レベルとノイズレベルの逆転現象が起こる。そこ
で、それに対して周波数特性変更手段28に指示を行っ
て、外乱ノイズの周波数でゲインを高め、外乱ノイズの
影響を抑圧したテスト信号S1(図10(c))を作る
ものである。
【0062】図11は、回転機械の回転数に依存する高
周波振動が外乱となっている場合である。例えば、高回
転しているモータ等が図11(a)のように回転に伴う
高周波の振動を出している場合、図11(b)に斜線部
として示したかなり高い周波数域において信号レベルと
ノイズレベルの逆転現象が起こる。そこで、周波数特性
変更手段28により、外乱ノイズの周波数で高い方の周
波数域のゲインを高め、外乱ノイズの影響を抑圧したテ
スト信号S1(図11(c))を作るものである。
【0063】工場の場合、上記図9又は図10の事例が
多くなる。尚、測定の行われる場所がもともとの持って
いる暗振動ないし暗騒音は、エンジンマウントを動かさ
ないときの振動センサからの信号を観測することで観測
できるので、そのような情報を使って、ランダムノイズ
に対して周波数特性を変更する手段にフィルタ特性とゲ
インの情報を送ることになる。
【0064】図12〜図14は、上記のように外乱の全
域で変えるのではなく、精度良い同定検査を得るために
最低限必要とする対象周波数、即ちコントローラが消そ
うとしている振動の周波数域におけるゲインを高めたり
低めたりして、伝達特性の同定検査を行うようにした例
である。
【0065】図12は、アイドル振動を落とそうと考え
た場合の例である。アイドル信号はエンジン回転数がア
イドルのときのもので、ほぼ一定している。そこで、ア
イドル回転時のエンジン振動に含まれる1次、2次、3
次…といった周波数成分(図12(a))のうちの1
つ、ここでは2次の振動周波数(図12(b))を抑圧
したテスト信号を作成して、高精度に伝達特性を同定検
査する。2次の周波数というのは通常レベルが最も高く
影響が大きいためである。例えば、アイドル時の1次の
周波数が12ヘルツの場合、2次の24ヘルツの振動を
覆うように振幅を上げる操作を行うことになる。
【0066】要するに、第1の制御対象とするアイドル
回転数の2次振動だけについては、ここでの同定検査精
度を良くするために、他よりもゲインを高めたテスト信
号を使って伝達特性を同定検査するものである。
【0067】図13は、アイドル回転時のエンジン振動
(図13(a))を制御対象とするに際し、上記2次高
調波だけだけでなく、4次高調波も無視できないレベル
で存在すると意識した場合の例であり、図13(b)の
如くこれら2次と4次を最低限抑圧して、テスト信号を
作成するものである。
【0068】図14(a)(b)は、上記のように制御
対象とする振動次数領域のゲインを高めるのではなく、
対象とする2次以外、つまり対象とする次数の周波数領
域の周囲の周波数域のゲインを高めて、相対的に制御対
象とする2次の周波数の影響が抑圧されたテスト信号と
した例である。またこの例は、小さい信号である7次,
6次,5次といった所も制御対象として扱い、2次より
もむしろこの辺で伝達特性データの精度をかせがなけれ
ばならない場合に、適している。
【0069】上記の同定検査により得られた伝達特性
は、図15及び図16に示す手順により、AEMコント
ローラ7の振動伝達特性用メモリ22に記憶設定され
る。即ち、伝達特性パターンの設定手順としては、まず
完成車のAEMコントローラ7に検査用ツールボックス
8が接続され、該検査用ツールボックス8からAEMコ
ントローラ7に車種コードと仕向け地コードが転送され
る。そして、検査用ツールボックスでAEMコントロー
ラの設定内容を確認して終了する。一方、この伝達特性
パターン設定時のAEMコントロ−ラの動作としては、
車種コードと仕向け地コードを受信すると、車種コード
と仕向け地コードで伝達特性用メモリ22を検索し、伝
達特性データを登録して終了する。なお、「車種」と
「仕向け地」の例を図19に示す。即ち、車種は、ボデ
ィータイプ(セダン,ハードトップ,クーペ,ワゴン,
1BOX)、エンジン形式(ガソリン,ディーゼル)、
エンジン搭載形式(縦置き,横置き)および駆動形式
(FF,FR,4WD)によって分れ、仕向け地は、現
地ディーラが存在する寒冷地(カナダ・北ヨーロッパ・
北海道など)、一般(北海道を除く国内・北米・オース
トラリア・ECなど)、熱帯(東南アジア・南米など)
などに分れる。
【0070】(同定方法2)上記は、生産されてくる車
1台毎に検査用ツールボックス8を繋いで全車両に同定
検査作業を行うというものであったが、これ以外の方法
によることもできる。
【0071】図17は、同定検査作業を全部の車両に対
して行うのではなく、抽出的に特定車両に対してのみ同
定検査を行う例であり、具体的には生産ラインの立上り
時の1台目に対してのみ伝達特性データの測定を実施
し、このデータを次の2台目からは生産されてくる車両
に逐次移植して行くものである。この例では、生産ライ
ンの延長として上述の振動伝達特性の測定を行う同定検
査工程を設け、ここでラインオフ1台目の車両に対して
同定検査を行い、その同定検査結果情報をディジタルデ
ータとしてフロッピーディスク等の不揮発性メモリに保
存し、それを次から生産されてくる車両に対して移植す
る。
【0072】上記のような特定車両としては、特定仕向
け地の車両の初めのもの、或るいは特定車種の車両の初
めのものを、同定検査の対象とすることができる。
【0073】(同定方法3)図18は、複数台の車両に
対して同定検査を行い、その結果を用いて基準の伝達特
性値を設定して行く例である。即ち、上記実施例では同
定検査を車両全部に対して行うか、又はラインオフ1台
目毎でのみ行ったが、ここではそのいずによるのでもな
く、例えば開発車両の試作車又はパイロット車両を使っ
て何台かの伝達特性データを計測し、それを平均化処理
等することにより基準の伝達特性値(基準値)を求め、
これをコントローラのメモリの中に在る伝達特性の格納
場所、即ち伝達特性用メモリ22へ記憶する。
【0074】このようにして、上記平均化処理された伝
達特性値を1台1台の車両に最低限の基準データとして
持たせる。従って、生産ラインでは基本的には同定検査
を行わない。しかし、必要に応じて、生産ラインで再度
検査を行って、1台毎の誤差の調整を行うこともでき
る。
【0075】基準の伝達特性値の設定は、外部から検査
ツールボックスを使ってフロッピーディスク等にあるデ
ータを通信でコントローラ7に送り込む方法による。し
かし予めデーを格納したROMを作成し、このROMの
チップを差し替える方式よるこも可能である。
【0076】(同定方法4)ところで、上記のような同
定検査作業を量産車に対して実施せずに、車種毎の基準
値を定めて、振動伝達特性を設定することもできる。図
19は、この場合の分類例を示す。ボディータイプとし
て、セダン、ハードトップ、クーペ、ワゴン、1BOX
がある。エンジン形式として、ガソリンとディーゼルと
があり、ガソリンエンジンの場合は更に直列4気筒エン
ジンとV型6気筒エンジンとに分けられる。エンジン搭
載形式からは縦置きと横置きとがある。駆動形式として
は、FF,FR,4WDがある。更にまた、仕向け地の
別として、寒冷地(カナダ・北ヨーロッパ・北海道な
ど)、一般(北海道を除く国内・北米・オーストラリア
・ECなど)、熱帯(東南アジア・南米など)がある。
【0077】本発明は上記のような同定方法が採用でき
ることを前提として、量産車に上記伝達特性のデータを
設定するものである。この場合、できる限り、車両の使
用状態に近い状態の伝達特性値が設定されるようにする
ことが重要である。
【0078】(実施例1)まず、コントローラ内メモリ
に予め測定した幾つかのマップ化した伝達特性データを
持ち、同定検査での結果により、最適な伝達特性データ
を選択する実施例について説明する。この設定形態は、
主として工場の検査工程で出荷前に実施することにな
る。しかし、ディーラでのオプション品装着内容によ
り、最適な伝達特性データを採択することもできる。
【0079】図20において、H11,H12,H13…Hmn
として示したブロック41は伝達関数であり、これらの
伝達関数41は行列としてマップ化され、AEMコント
ローラ7の振動伝達特性用メモリ22内に格納されてい
る。42はこれらの伝達関数のうちの1つを選択的に切
り替えて接続使用状態とする切替スイッチである。この
切替スイッチにより選択された伝達関数41は、リファ
レンス信号入力端34から乗算部44への経路中に挿入
されており、振動センサ6から乗算部44への経路中に
挿入された収束係数器43と共に、適応アルゴリズム演
算手段40を構成する。
【0080】リファレンス信号入力端34とエンジンマ
ウント5のアクチュエータ5aとの間に、適応フィルタ
35が挿入されており、リファレンス信号は適応フィル
タ34を経てエンジンマウントのアクチュエータ5aを
加振する。また、振動センサ6により検知された振動
は、収束係数器43を経て乗算部44の適応アルゴリズ
ム演算手段40に加えられ、ここで上記の選択された伝
達関数の値が加味されて、適応フィルタ35の値が更新
され、振動センサ6で検出されるエラー信号が小さくな
るように修正される。
【0081】上記切替スイッチ42には切替スイッチ選
択判定装置45が接続されており、この切替スイッチ選
択判定装置45の判定出力によって上記切替スイッチ4
2の内容が切り替えられる。この切替スイッチ選択判定
装置45は、車体形状、車重、エンジン(E/G)種類
等の情報を選択条件として受け、この情報に基づき伝達
関数41の選択マップの中から適切なものを選択するよ
うに切替スイッチ42に指示する。
【0082】図21の(a)は、車体形状とエンジン種
類で選択する場合の選択マップを示している。列の左か
ら、車の4ドアーセダン、2ドアークーペ…5ドアーワ
ゴンといった車体形状が、また行の最初から、1.8リ
ットル、2.0リットル…デイーゼルエンジンといった
エンジンの種類が並べられ、それらの組み合わせとし
て、伝達関数H11,H12,H13…Hmnが規定されたマッ
プとなっている。車の4ドアーセダン、2ドアークーペ
…5ドアーワゴンといった車体形状によって、ある程度
伝達特性は同じになって来るので、そうした車体形状に
よって予め持ってきた伝達特性を切り換えて、伝達特性
を切り換えてしまうものである。従って、大量生産に適
した形態となる。
【0083】図21の(b)は、同一車種であっても、
グレードやオプション品の装着などで相違する車重を指
標として、伝達関数を選択する場合を示している。即
ち、列で表示したA、B、C…Gといった車種と、行で
表示した1t未満、1〜1.2t、…1.8〜2tとい
った車重との組み合わせにより、伝達関数H11,H12,
H13…Hmnを規定した選択マップとなっている。
【0084】図22に上記の選択マップを用いた伝達特
性の設定の仕方を示す。まず、車体形状,エンジン形
式,車種等の検査データを、切替スイッチ選択判定装置
45に読み込ませ、該装置により4ドアセダンであるか
等の車体形状の判断、ディーゼルエンジンであるか等の
エンジン形式の判断を行い、それに応じて最適な伝達関
数41を選択する。このように、自動的に、選択マップ
の最良点の伝達関数を選択させる。この場合、検査結果
のデータ入力には、バーコード等の利用を図ることもで
きる。そして、設定した伝達関数による当該車両につい
ての振動低減装置の制御性能の確認を行い、振動低減効
果が良好であれば設定を終了し、振動低減効果が不十分
なときは再検査を実施する。
【0085】上記の最適な伝達関数の選択は、切替スイ
ッチ選択判定装置45による自動的な方法の他に、図2
1の(a)又は(b)の選択マップの情報を見て、作業
者がコントロール側の切替スイッチ42を切り換えると
いう手動的な方法によることもできる。手動の場合は、
コントロールボックス等に切替スイッチを設けておき、
これを作業者が検査結果に応じて手動で操作することに
なる。なお、工場内での検査工程は、このような車の特
性に合わせた伝達関数の切り替えを行う工程として位置
づけられる。
【0086】(実施例2)この実施例2の形態は、上記
実施例1のようにコントローラ内メモリに複数の伝達特
性データを持たせるのではなく、上記伝達関数H11,H
12,H13…Hmnに対応する各々の伝達特性データを各々
1個のROMに記憶しておき、ファクトリーオプション
品又はディーラオプション品の装着内容により、工場又
はディーラ側において、これらのROMの中から最適な
ROMに交換するものである。
【0087】この形態はデーラー側で最も多く実施され
ると考えられる。その理由は、工場で基本的な伝達特性
の設定をして車を出荷しても、ユーザの要求に応じ、デ
ーラ側でオプション品を付ける場合があり、それが車体
の特性に影響するからである。そこで、このようなオプ
ション品による車体特性に変化があった場合、その車体
の特性に最適な伝達特性を用意させて、つまりユーザに
一番近いところのデーラーにおいて、最終的に車体の特
性をチューニングするものである。
【0088】上記した実施例1、2によれば、コントロ
ーラ内に車体の形状とエンジン形式等による何種類かの
伝達特性のデータを一括して持ち、車の組立ラインの最
終工程又はディーラ側で最適な伝達関数を選択する。つ
まり、AEMコントローラユニットを有する車両の振動
伝達特性を、オイル等を入れた使用状態で調整するもの
である。従って、当該車両に合致した伝達特性が設定さ
れる。この場合、車の形式等は作業者が視覚によって確
認することができるので伝達関数の選択的な情報入力は
容易に行われる。通常、車体形式等によって専用のコン
トローラを用意する場合は、かなりの種類のコントロー
ラを用意することが必要となるが、上記は伝達特性のデ
ータとして用意するものであるので、データ自体はさほ
ど大きくならないことから、その経済的負担も小さくな
る。
【0089】なお、上記使用状態は、できるだけ車両の
使用状態に近づけた状態で伝達特性の設定をすることを
志向するものである。従って、この車両の使用状態は、
上記実施例の場合に限らず、実際に車両が運転される仕
向け地や、工場の最終工程に置かれた外乱が少ない設定
場等の如何によって変わってくることを意味する。な
お、仕向け地は、ここでは現地のディーラが設定する場
合を含む。
【0090】(実施例3)図23に、伝達特性データを
1台毎に設定する場合の実施例を示す。つまり、上述の
検査工程で、車両の1台1台について実際に伝達特性の
測定を行って、全ての車両に同定検査を実施し、その車
に最適な伝達関数、つまりその車の使用状態に最も近い
状態の伝達特性を設定する例である。主に、工場やディ
ーラでのトラブルシューティング時に実施したり、或い
はディーラでのオプション品装着後や、定期点検時など
において実施することになる。
【0091】図23において、図の上側は通常のAEM
制御ブロックであり、46は内容をソフト的に又はハー
ド的に書換え可能な伝達関数要素であるが、上述の伝達
関数41の群とその切替スイッチ42とで構成すること
もできる。図の下側は伝達特性を設定する同定工程のブ
ロックであり、伝達関数要素36は、ディジタルフィル
タ29の値により定められ振動伝達特性用メモリ22に
記憶されている伝達特性データH’を、伝達関数要素の
形で示したものである。
【0092】同定工程ブロックの伝達関数要素36の
値、即ち振動伝達特性用メモリ22に記憶されている伝
達特性データH’は、伝達特性設定スイッチ47を介し
て、AEM制御ブロックの振動伝達特性用メモリ22
に、伝達関数要素46の値として移植される。
【0093】図24は、同定検査が工場において自動で
行われる場合を示したものである。即ち、同図に示すよ
うに、予め検査ラインに伝達特性設定場としての設定設
備9を設け、この検査設定設備9とAEMコントローラ
7間をリンク用ハーネス37により接続し、検査設定設
備9による検査結果たる伝達関数値を以て、自動的に当
該車両の伝達関数を置換する。
【0094】図25は、工場又はディラーにおいてAE
Mシステムチェッカたる検査用ツールボックス8を用い
て同定検査を行う場合を示したものである。同図に示す
ように、検査用ツールボックス8はリンク用ハーネス3
8によりAEMコントローラ7に接続され、これによる
同定検査結果たる伝達関数値により、自動的に当該車両
の伝達関数が置換される。
【0095】ディラーにおいて同定検査を行う場合を、
図26に示す。即ち、デーラにおいて、最終的にオプシ
ョン品など全て装着して、ユーザ側に渡す段階で、実際
に同定処理を行う。まずAEMシステムチェッカたる検
査用ツールボックス8により、伝達特性設定スイッチ4
7をオンする。そして、同定検査ブロックの伝達特性に
ついて伝達関数H’を測定し、これを当該車両の実際の
伝達関数値として記憶する。そして、この測定された伝
達関数H’で、AEM制御ブロックの伝達関数要素46
における伝達関数Hを置換する。そして、振動低減制御
効果を確認して伝達特性の設定を終了する。このとき所
定の振動低減制御効果が得られないときは、伝達特性の
設定パラメータを変更し、結果的に所望の振動低減制御
効果が得られるように調整する。
【0096】かかる調整を必要とする理由は、一度設定
した伝達特性の値はその後これを変更しなくて済むのが
理想であるが、車は耐久商品であり、その使われ方や事
故遭遇履歴等が車毎に相違し、最初の設定状態がその後
も依然として維持されることは希である。従って、車検
時や客からクレームが出た場合等において、伝達特性を
設定し直すことが必要となることが多いためである。従
って、この伝達特性の再設定過程では、再設定した伝達
特性でうまく制御ができているかを確認し、制御がうま
くできていないときは、伝達特性のパラメータを可変し
て調整するのである。具体的な可変のパラメータとして
は、行列的に並んでいるフィルタ係数値の数nと、収束
係数βとがあり、これらを増減することで、伝達特性を
調整する。なお、可変のパラメータとしては、他にサン
プリング周波数がある。
【0097】いずれにしても、デーラにおいて、最終的
にオプション品など全て装着して、ユーザ側に渡す段階
で、実際に同定処理を行い、その計測データを設定に使
用するものであるので、上述のカスタム化したROMを
デーラに持たせる場合に比べ、より良好な制御ができる
こととなる。
【0098】(実施例4)次に、ユーザが伝達特性の設
定を行う場合の実施例を示す。
【0099】基本となる構成は図23で説明したものと
同じであが、伝達特性設定スイッチ47はユーザが操作
できる位置に設定してあり、振動低減制御の効果が低減
したような場合に、ユーザが、この伝達特性設定スイッ
チ47をオンし、伝達特性を設定し直す。
【0100】図27に示すように、まずエンジンがオフ
で且つ人が乗っていない状態で伝達特性設定(リセッ
ト)スイッチ47をオンし、同定検査ブロックの伝達特
性について伝達関数H’を測定し設定する。そして、こ
の測定された伝達関数H’で、AEM制御ブロックの伝
達関数要素46における伝達関数Hを置換し、振動低減
制御効果を確認して伝達特性の設定を終了する。このと
き所定の振動低減制御効果が得られないときは、ディー
ラへ修理を依頼する。
【0101】この場合において、伝達特性設定スイッチ
47の機能は、工場で予め設定された伝達特性設定条件
(n,β)の一定範囲でのみ、伝達特性を設定し直すこ
とができ、例えば収束係数βについては可変できないよ
うに設定する。この伝達特性設定条件(n,β)の範囲
それ自体については、ディーラ又は工場においてのみ変
更できるように構成することができる。
【0102】伝達特性設定スイッチ47の取付場所は、
頻繁に使用するものではないので、人目につかない所、
従って誤って触れてしまわない所に定めるのが好まし
い。例えば、図28に示すように、ボンネット前端
部、グリル内側、ダンパー裏や、リヤトランク内、
コントローラ表面(コントローラがユーザに触れやすい
位置にある場合)、シート下などである。
【0103】上記実施例1〜4では、加振手段としてエ
ンジンマウントの加振用アクチュエータ5aを例にした
が、上記振動伝達特性の計測は、音響における伝達特性
の計測にも適用することができ、例えば、車両のキャビ
ンの中に加振手段としてスピーカをそして振動センサと
してマイクロフォンを置いて、テスト信号としてスピー
カから既知な信号を入力し、その出力信号をみて、どう
いう変化を受けたかを一般の周波数分析器等で測定する
ようにしたシステムの場合にも適用できる。
【0104】更に又、エンジン音だけでなく、例えばロ
ードノイズでもあって、サスペンションの支持端付近に
振動センサを設けて検出すれば、線形な変化である限
り、その伝達特性の測定と消音が行い得る。
【0105】また上記実施例1〜4では、LMS方式に
よるブロック構成の装置で説明したが、MC方式の振動
低減装置でも伝達特性「H」の切替などは同じであり、
同様に本発明を適用することができる。
【0106】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果が得られる。
【0107】請求項1によれば、振動低減装置を制御す
る振動低減コントロールユニットにおける車両の振動伝
達特性が、車両の使用状態での振動伝達特性に設定され
るため、その振動伝達特性の設定は生産される車両に適
した値となり、所望の振動低減効果が得られる。
【0108】請求項2によれば、車両の仕向け地で振動
伝達特性の設定調整を行うため、出荷される先が寒冷地
などの別が考慮され、このため実際の使用状態に近付
き、より実際の車両に適した振動伝達特性の設定ができ
る。
【0109】請求項3によれば、外乱の少ない所で振動
伝達特性の設定調整を行うため、実際の使用状態では存
在し得ないプレスノイズ等が除去され、振動伝達特性の
設定精度の向上を図れる。
【0110】請求項4によれば、仕向け地において現地
のユーザが設定するため、実際の使用状態では存在し得
ないプレスノイズ等の除去ができると同時に、現地にお
ける個々の車両の違いに迅速に適応することができる。
【0111】請求項5によれば、仕向け地において現地
のディーラが設定するため、実際の使用状態では存在し
得ないプレスノイズ等の除去ができると同時に、車両の
仕向け地に適合した振動伝達特性の設定ができ、また現
地での違いに迅速に対応することができる。
【0112】請求項6によれば、外乱の少ない所とし
て、振動遮断室のような伝達特性設定場を積極的に作る
ため、実際の使用状態では存在し得ないプレスノイズ等
の影響を除去し、振動伝達特性の設定精度を向上させる
ことができる。
【0113】請求項7によれば、工場の最終工程、つま
りプレス設置場所等から離れた場所で伝達特性の設定を
するため、上記と同様に実際の使用状態では存在し得な
いプレスノイズ等の影響を除去できる。
【0114】請求項8によれば、振動低減コントロール
ユニットに伝達特性設定スイッチを設け、これを現地の
ユーザが操作して振動伝達特性の設定調整を行うもので
あるため、より具体性のある形態が得られる。
【0115】請求項9によれば、現地のディーラが設定
する形態(請求項5)、又は、外乱が少ない伝達特性設
定場を作って設定する形態(請求項6)において、その
車両の販売仕向け地のディーラに振動伝達特性の設定設
備を設け、該ディーラにて上記伝達特性の設定調整を行
うため、車両の使用環境に近い振動伝達特性の設定がで
き、振動低減効果が向上する。
【0116】請求項10によれば、ユーザがディーラに
ある設定設備を利用して、振動伝達特性の設定調整を行
うため、同様に車両の使用環境に近い振動伝達特性の設
定ができる。またユーザが自己の感覚で調整設定する場
合よりも、的確な伝達特性の設定調整ができる。
【0117】請求項11によれば、通常プレスノイズ等
の到達しない場所に置かれる生産ラインの最終工程に、
更に振動遮断室のような伝達特性設定設備を設けるた
め、実際の使用状態では存在し得ないプレスノイズ等の
影響を完全に除去することができる。
【0118】請求項12によれば、生産ラインの最終工
程で通常行われる他の検査、例えばオイルや燃料や冷却
水等を入れた状態で行われる検査を兼ね、そのようなオ
イルや燃料や冷却水等を入れた状態、つまり、走れる形
態での車両の振動伝達特性の設定調整を行うものである
ため、実際の使用状態に近い状態での振動伝達特性の設
定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一実施例に係る車両の振動低減
装置の構成を示す略図である。
【図2】図1の検査用ツールボックスの構成を示したブ
図である。
【図3】図1のAEMコントローラの構成を示した図で
ある。
【図4】図3のAEMコントローラにおける演算処理ブ
ロックの内部構成を示した図である。
【図5】図4の演算処理ブロックにおける同定処理ブロ
ックの内部構成を示した図である。
【図6】図5の同定処理ブロックにおける同定処理ブロ
グラムの機能構成を示した図である。
【図7】同定検査作業の手順を示すフローチャート図で
ある。
【図8】図5の同定処理ブロックにおける周波数特性変
更手段の内部構成を示した図である。
【図9】図8の周波数特性変更手段によってテスト信号
が加工される外乱ノイズに対する変化を示した図であ
る。
【図10】図8の周波数特性変更手段によるテスト信号
の他の加工例を示した図である。
【図11】同じくテスト信号の他の加工例を示した図で
ある。
【図12】同じくテスト信号の他の加工例を示した図で
ある。
【図13】同じくテスト信号の他の加工例を示した図で
ある。
【図14】同じくテスト信号の他の加工例を示した図で
ある。
【図15】伝達特性パターンの設定手順を示すフロー図
である。
【図16】伝達特性パターンの設定のAEMコントロー
ラの動作を示すフロー図である。
【図17】同定検査の他の方法を示す図である。
【図18】同定検査の更に他の方法を示す図である。
【図19】同定検査の他の方法を説明するための図であ
る。
【図20】本発明の方法の一実施例に従い、予め用意さ
れた伝達関数からその一つを選択する場合の伝達特性設
定の構成ブロック図である。
【図21】図20の伝達特性設定で用いる選択マップを
例示した図である。
【図22】図20の伝達特性設定の手順を示したフロー
図である。
【図23】本発明の方法の他の実施例に従い、各車両毎
に同定検査を行う場合の伝達特性設定の構成ブロック図
である。
【図24】AEMコントローラと設定設備との接続リン
クを示した図である。
【図25】AEMコントローラとシステムチェッカーと
の接続リンクを示した図である。
【図26】図23の伝達特性設定をシステムチェッカー
で行う場合の手順を示したフロー図である。
【図27】ユーザが伝達特性設定を行う場合の手順を示
したフロー図である。
【図28】伝達特性設定スイッチの取付場所を例示した
図である。
【符号の説明】
1 自動車の車体 2 車室 3 エンジンルーム 4 エンジン 5 エンジンマウント 5a アクチュエ
ータ 6 振動センサ 7 AEMコントローラ(振動低減コントロールユニッ
ト) 8 検査用ツールボックス 9 検査設定設備 11 演算処理ブ
ロック 12 インターフェース 13 アンプ 14 ローパスフィルタ 15 A/D変換
器 16 D/A変換器 17 ローパスフ
ィルタ 18 アンプ 19 波形整形器 20 回転周期測定回路 21 入出力デー
タ用メモリ 22 振動伝達特性用メモリ 23 振動低減処
理ブロック 24 同定処理ブロック 25 動作切替処
理ブロック 26 同定処理プログラム 27 ランダムノ
イズ発生器 28 周波数特性変更手段 29 ディジタル
フィルタ 30 比較部 31 収束係数器 32 プログラマブルフィルタ 33 ゲイン調整
器 34 リファレンス信号入力端 35 適応フィル
タ 36 伝達関数要素 37 リンク用ハ
ーネス 38 リンク用ハーネス 40 適応アルゴ
リズム演算手段 41 伝達関数 42 切替スイッ
チ 43 収束係数器 44 乗算部 45 切替スイッチ選択判定装置 46 書換え可能
な伝達関数要素 47 伝達特性設定スイッチ 81 演算処理ブ
ロック 82 インタフェース 83 操作スイッ
チ 84 表示部 e 検出信号 y 振動低減信号 S0 ランダムノイズ S1 マウント駆動信号(テスト信号) S2 振動センサ出力信号 S3 信号 S4 誤差信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 憲彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を発生させる加振手段と、所定箇所
    での振動を検出する振動検出手段と、前記振動発生用加
    振手段及び振動検出手段間の振動伝達特性に基づいて所
    定振動と逆位相の振動を生成するための振動低減信号生
    成手段とを有し、該振動低減信号に応じた振動を上記加
    振手段により発生させる振動低減装置の振動伝達特性の
    設定方法であって、前記振動低減装置を制御する振動低
    減コントロールユニットを有する車両の振動伝達特性
    を、車両の使用状態で調整することを特徴とする振動低
    減装置の特性設定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の振動低減装置の特性設定
    方法において、仕向け地で、前記振動伝達特性の設定調
    整を行うことを特徴とする振動低減装置の特性設定方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の振動低減装置の特性設定
    方法において、外乱の少ない所で、前記振動伝達特性の
    設定調整を行うことを特徴とする振動低減装置の特性設
    定方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の振動低減装置の特性設定
    方法において、現地ユーザが、前記振動伝達特性の設定
    調整を行うことを特徴とする振動低減装置の特性設定方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の振動低減装置の特性設定
    方法において、現地ディーラが、前記振動伝達特性の設
    定調整を行うことを特徴とする振動低減装置の特性設定
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の振動低減装置の特性設定
    方法において、伝達特性設定場を設けて、前記振動伝達
    特性の設定調整を行うことを特徴とする振動低減装置の
    特性設定方法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の振動低減装置の特性設定
    方法において、生産ラインの最終工程で、前記振動伝達
    特性の設定調整を行うことを特徴とする振動低減装置の
    特性設定方法。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の振動低減装置の特性設定
    方法において、振動低減コントロールユニットに伝達特
    性設定スイッチを設け、ユーザがこれを操作して前記振
    動伝達特性の設定調整を行うことを特徴とする振動低減
    装置の特性設定方法。
  9. 【請求項9】 請求項5、6記載の振動低減装置の特性
    設定方法において、車両の販売仕向け地のディーラに上
    記振動伝達特性の設定設備を設け、該ディーラにて上記
    伝達特性の設定調整を行うことを特徴とする振動低減装
    置の特性設定方法。
  10. 【請求項10】 請求項4、9記載の振動低減装置の特
    性設定方法において、ユーザがディーラにある設定設備
    を利用して、前記振動伝達特性の設定調整を行うことを
    特徴とする振動低減装置の特性設定方法。
  11. 【請求項11】 請求項6、7記載の振動低減装置の特
    性設定方法において、生産ラインの最終工程に前記伝達
    特性設定場としての設定設備を設けることを特徴とする
    振動低減装置の特性設定方法。
  12. 【請求項12】 請求項7記載の振動低減装置の特性設
    定方法において、生産ラインの最終工程で他の検査を兼
    ねて前記振動伝達特性の設定調整を行うことを特徴とす
    る振動低減装置の特性設定方法。
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