JPH07248038A - 減衰力可変式ショックアブソーバ - Google Patents

減衰力可変式ショックアブソーバ

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Publication number
JPH07248038A
JPH07248038A JP3995494A JP3995494A JPH07248038A JP H07248038 A JPH07248038 A JP H07248038A JP 3995494 A JP3995494 A JP 3995494A JP 3995494 A JP3995494 A JP 3995494A JP H07248038 A JPH07248038 A JP H07248038A
Authority
JP
Japan
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damping force
cylinder
valve
bypass passage
piston
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Application number
JP3995494A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Mizuno
和之 水野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減衰力可変式ショックアブソーバにおいて、
高ピストン速度域及び低ピストン速度域の双方におい
て、バイパス通路の開口面積に対する減衰力の変化特性
を連続的に制御できるようにする。 【構成】 スプール弁86の外周部には複数のスリット
160が形成され、弁ハウジング44には切欠166が
形成されており、スリット160を通過するオイルの流
通によって、スプール弁86を回転させようとする流体
力が働くとともに開口面積が変化するようになってい
る。シャフト71にはストッパ162を挟込む薄板16
4が取付けられており、スプール弁86の回転はスリッ
ト160に流入する流体力と薄板の弾性力により決定さ
れ、ピストン速度に比例したスプール回転角が得られる
ようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に用い
られる減衰力可変式ショックアブソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の減衰力可変式のショッ
クアブソーバの一つとして、例えば実開平2−6674
2号公報に記載されている如く、シリンダと、シリンダ
に往復運動可能に嵌合しシリンダと共働してシリンダ上
室及びシリンダ下室を郭定するピストンと、シリンダに
対するピストンの相対運動に伴い流通する作動液体に流
通抵抗を与えて減衰力を発生する減衰力発生装置と、ピ
ストンに設けられシリンダ上室とシリンダ下室とを連通
接続するバイパス通路と、バイパス通路の途中に設けら
れた弁孔と、弁孔に往復運動可能に嵌合しバイパス通路
の連通度合を連続的に制御するスプール弁と、スプール
弁を駆動し位置決めをするアクチュエータと、を有する
ショックアブソーバが従来より知られている。
【0003】上記したショックアブソーバにおいては、
アクチュエータによってスプール弁の位置が制御されバ
イパス通路の連通度合、即ち、バイパス通路の開口面積
が連続的に制御されることにより、バイパス通路を経て
シリンダ上室とシリンダ下室との間に流通する作動液体
の流量を連続的に変更し、減衰力発生装置を通過する作
動液体の流量を変化させ、これにより減衰力発生装置に
より発生される減衰力を連続的に可変制御しようという
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、減衰力可変
式ショックアブソーバでは、バイパス通路の開口面積の
変化量に対する減衰力の変化量がピストン速度に対して
変化する。ここで、開口面積の所定の変化量に対する減
衰力の変化量はピストン速度の2乗に比例することが知
られており、即ち、ピストン速度が大きいほど先の減衰
力の変化量は大きく、ピストン速度が小さいほど先の減
衰力の変化量は小さいのである。また、ピストン速度が
同一である場合には、開口面積の所定の変化量に対する
減衰力の変化量はバイパス通路の開口面積に反比例する
ことが知られており、即ち、ピストン速度が同一である
場合において、開口面積が大きくなるほど開口面積の所
定の変化量に対する減衰力の変化量が小さくなるのであ
る。
【0005】ところで、上記した従来のショックアブソ
ーバにおいては、発生する減衰力を連続的に可変制御す
るべくスプール弁をアクチュエータにより進退させてバ
イパス通路の開口面積を連続的に変化させているが、上
述の如く開口面積の所定の変化量に対する減衰力の変化
量はピストン速度の2乗に比例するとともに、同一のピ
ストン速度においては、開口面積が大きくなるにつれて
開口面積の所定の変化量に対する減衰力の変化量が小さ
いことから、図8に示される如く、ピストン速度が比較
的低い低ピストン速度域においては、減衰力を小さくす
るべく開口面積を大きくしても減衰力は所定の値以下に
はならず、発生する減衰力の連続的な変化が殆ど望めな
いという問題がある。
【0006】また、このような低ピストン速度域の減衰
特性を改善するべく、アクチュエータの回転角度等を調
整してスプール弁の進退度合を変化させうる幅、即ち開
口面積を変化させうる幅を、低ピストン速度域にて連続
的に変化させうる減衰力の調整幅(高ピストン速度域の
幅に比して小さい)に整合させた上で、アクチュエータ
による開口面積の切り換え変化率を小さく設定すること
により、低ピストン速度域における減衰力特性を開口面
積の変化に対して連続的に変化させるということも考え
られる。
【0007】しかしながら、このように低ピストン速度
域の減衰特性を連続的に変化させるべく、開口面積を変
化させうる幅を低ピストン速度域にて連続的に変化させ
うる減衰力の調整幅に整合させた場合には、低ピストン
速度域において設定された比較的小さな減衰力の調整幅
に起因して、高ピストン速度域おいて減衰力を小さくす
るべく開口面積を大きくしても、開口面積を所定より大
きくすることができず、十分に減衰力を小さくすること
ができないという問題がある。
【0008】本発明は、従来の減衰力可変式ショックア
ブソーバにおける上述の如き問題に鑑み、高ピストン速
度域及び低ピストン速度域の双方において、バイパス通
路の開口面積に対する減衰力の変化特性を連続的に制御
できるように改良された減衰力可変式ショックアブソー
バを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の減衰力可変式シ
ョックアブソーバは、シリンダと、前記シリンダに往復
運動可能に嵌合し前記シリンダと共働してシリンダ上室
及びシリンダ下室を郭定するピストンと、前記シリンダ
に対する前記ピストンの相対運動に伴い流通する作動液
体に流通抵抗を与えて減衰力を発生する手段と、前記ピ
ストンに設けられ前記シリンダ上室と前記シリンダ下室
とを連通接続するバイパス通路と、前記バイパス通路の
途中に設けられた弁孔と、前記弁孔にその軸線に沿って
往復運動可能に嵌合し前記バイパス通路の連通若しくは
連通度合を選択的に制御する弁体と、前記弁体を往復動
し前記軸線方向の位置決めをするアクチュエータと、前
記弁体と前記アクチュエータの前記軸線周りの相対変位
を規制する規制手段と、前記弁体に設けられバイパス通
路の作動液体の流れを受けて前記弁体を実質的に前記軸
線周りに回転変位させる弁体回転手段と、前記弁体或い
は前記弁孔に設けられ前記弁体回転手段により前記弁体
が回転変位するにつれて前記バイパス通路の連通度合を
増大する連通度合増大手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0010】
【作用】上述の如く構成されたショックアブソーバにお
いては、ピストンが相対運動するとバイパス通路に作動
液体が流通し、この作動液体の流体力を受けて弁体回転
手段が弁体を回転し、弁体の回転により連通度合増大手
段がバイパス通路の連通度合、即ち開口面積を増大す
る。また、上記流体力は作動液体の流通量即ちピストン
速度及び連通度合に比例して大きくなり、規制手段が作
動液体の流通量に比例した弁体とアクチュエータの相対
回転とするため、連通度合増大手段によるバイパス通路
の連通度合の増大は、ピストン速度及び連通度合に比例
して大きくなる。
【0011】ここで、アクチュエータによる連通度合を
変化させうる幅を、低ピストン速度域にて連続的に変化
させうる減衰力の調整幅に整合させて、バイパス通路の
連通度合に対する減衰力の変化特性を連続的に制御でき
るよう設定した場合に、高ピストン速度域においてはア
クチュエータによる連通度合を変化させうる幅が比較的
小さく設定されるが、連通度合増大手段がピストン速度
及び連通度合に比例してバイパス通路の連通度合を更に
増大させるので、高ピストン速度域において連通度合を
大きくすることができ十分に減衰力を小さくすることが
できる。
【0012】
【実施例】本発明の減衰力可変式ショックアブソーバの
一実施例を図1〜図7に従って説明する。
【0013】図5に示される如く、本実施例の減衰力可
変式ショックアブソーバ10は、アウタシリンダ12
と、このアウタシリンダ12内に軸線14に沿って同心
に延在するインナシリンダ16を備えており、これらの
アウタシリンダ12の両端とインナシリンダ16の両端
は、図には示されていないエンドキャップにより閉じら
れている。
【0014】アウタシリンダ12、インナシリンダ16
及びエンドキャップは、互いに共働して環状室18を形
成している。インナシリンダ16内には、軸線14に沿
って往復運動可能にピストン20が配設されている。ピ
ストン20はインナシリンダ16の内部をシリンダ上室
21とシリンダ下室22とに郭定するピストン本体24
と、このピストン本体24に一体的に連結され上端のエ
ンドキャップを貫通して軸線14に沿って延在するピス
トンロッド26とからなっている。ピストン本体24は
ナット28によりピストンロッド26の先端部に固定さ
れている。
【0015】なお、図5には示されていないが、インナ
シリンダ16内の下方部には、それ自身周知の構造を有
するベースバルブ組立体が設けられており、このベース
バルブ組立体には、縮み行程用減衰力発生装置及び伸び
行程用減衰力発生装置が設けられている。また、シリン
ダ上室21、シリンダ下室22、環状室18の一部に
は、作動液体としてのオイル34が充填されており、環
状室18の上方部分には高圧ガスが封入されている。ま
た、図5には示されていないが、ピストンロッド26の
上端は車体に連結され、アウタシリンダ12またはエン
ドキャップは図には示されていないサスペンション部材
に連結されている。
【0016】図6に示される如く、ピストン本体24に
は周知の構造を有する縮み行程用の減衰力発生装置30
及び伸び行程用の減衰力発生装置32が設けられてい
る。
【0017】図7に示される如く、減衰力発生装置30
はピストン本体24に設けられたシリンダ上室とシリン
ダ下室とを連通接続する接続通路30Aと、ピストン本
体24のシリンダ上室側の端面に当接して配置された減
衰力発生弁30Bと、減衰力発生弁30Bを図示の閉弁
位置へ付勢するばね30Cとを含んでいる。
【0018】減衰力発生弁30Bは、弾性材よりなる円
環板状の部材であり、複数個の孔を有している。また、
ばね30Cは同じく弾性材よりなりリング部とこのリン
グ部より放射状に延在する複数個のアーム部とを有し、
アーム部の先端にて減衰力発生弁30Bに当接するよう
になっている。
【0019】減衰力発生装置32は、ピストン本体24
に設けられたシリンダ上室とシリンダ下室とを連通接続
する接続通路32Aと、ピストン本体24のシリンダ下
室側の端面に当接して配置された減衰力発生弁32B
と、軸線14に沿って往復運動可能可能にナット28の
図7にて上端部に嵌合するスプリングシート32Cと、
このスプリングシート32Cとナット28の下端に設け
られたスプリングシート部28Aとの間に弾装されスプ
リングシート32Cを減衰力発生弁32Bに対して付勢
する圧縮コイルバネ32Dとを含んでいる。
【0020】図6に示される如く、ピストンロッド26
は、軸線14に沿って延在する中空孔40を有するロッ
ド部材42を含んでいる。ロッド部材42の下端には、
弁ハウジング44が、螺子込みにより固定されており、
中空孔40内にはアクチュエータとしてのステッピング
モータ48と、その回転運動を往復運動に変換する運動
変換装置50とが収容されている。ステッピングモータ
48はボビン52により保持されたコイル54と、それ
ぞれボールベアリング56及び58を介して軸受支持部
材60及び62により回転可能に支持され、コイル54
に対向する外周面に永久磁石64が固定された中空の回
転軸66とを有し、コイル54に通電されると回転軸が
軸線14の周りに回転するようになっている。
【0021】運動変換装置50は螺子装置であり、軸線
14に沿って延在し外周面に雄螺子を有する螺子シャフ
ト70と、外周面にて回転軸66の内周面に固定され内
周面に螺子シャフト70の雄螺子に螺合する雌螺子を有
するアウタレース部材72とを有している。螺子シャフ
ト70はその上端に断面矩形の突起74を一体に有し、
この突起74は軸受支持部材60に設けられた断面矩形
の孔76に軸線14に沿って往復運動可能に嵌入してお
り、これにより回転軸66が回転するとその回転方向に
応じて螺子シャフト70が回転することなく軸線14に
沿って図6の上方又は下方へ移動するようになってい
る。また、螺子シャフト70は、その下端より軸線14
に沿って下方へ延在し出力軸としてのシャフト71を一
体に有している。
【0022】弁ハウジング44にはそれぞれ軸受支持部
材62との間及び中空孔40の壁面との間をシールする
Oリング78及び80が装着されている。また中空40
の壁面にはボビン52を位置決めしその脱落を防止する
ストッパリング82が固定されている。
【0023】弁ハウジング44はロッド部44Aを有
し、このロッド部44Aはロッド部材42の下端より下
方へ軸線14に沿って突出している。ナット28はロッ
ド部44Aの下端に螺子込みにより固定されている。ロ
ッド部44Aは軸線14に沿って延在する中空孔84を
有し、この中空孔84の上方部分は、弁体としてのスプ
ール弁86を軸線14に沿って往復動可能に受入れる弁
孔88を形成している。ピストン本体24と弁ハウジン
グ44との間にはストッパ90、スペーサ92、バイパ
ス装置94がロッド部分44Aに嵌合する状態で固定さ
れている。
【0024】図7に示される如く、バイパス装置94は
内側円筒体96と外側円筒体98とこれらの両端に配置
された外側円筒体98と一体のエンドキャップ100
と、エンドキャップ102とを含み、これらの部材は互
いに共働して軸線14の周りに環状に延在する内部空間
104を形成している。エンドキャップ100及び10
2には、それぞれ図7にて上下方向へ延在する複数個の
通路106及び108が設けられており、また、エンド
キャップ100及び102の上面に当接してそれぞれ減
衰力発生弁110及び112が設けられている。減衰力
発生弁110は、その径方向内周部にてスペーサ92と
エンドキャップ100との間に挟まれており、内部空間
104よりシリンダ上室20へ向かうオイル34の流れ
のみを許すようになっている。一方、減衰力発生弁11
2はその径方向内周部にてばね114及びスペーサ11
6を介して内側円筒体96とピストン24との間に挟ま
れており、シリンダ上室20より内部空間104に向か
うオイル34の流れのみを許すようになっている。
【0025】バイパス装置94には内部空間104と連
通する複数個の径方向通路118と、この径方向通路1
18と連通する環状ポート120とが設けられている。
弁ハウジング44のロッド部44Aには、環状ポート1
20と連通する複数個の径方向通路122と、この径方
向通路122と連通し弁孔88に開口する環状ポート1
24とが設けれている。
【0026】スプール弁86は、その長手方向に延在す
る中空孔126を有し、この中空孔126の直径はシャ
フト71の直径よりも僅かに大きく、これによりスプー
ル弁86はシャフト71に遊嵌状態にて嵌合している。
シャフト71の下端近傍には環状溝128が設けれてお
り、この環状溝128にはストッパリング130が装着
されている。ストッパリング130とスプール弁86の
下端との間にはワッシャ132が介装されている。また
シャフト71にはスプール弁86の上端より上方の位置
に環状溝134が設けれており、この環状溝134には
ストッパリング136が装着されている。
【0027】ストッパリング136に当接して配置され
たスプリングシート138とスプール弁86の上端に設
けられたカウンタボア140の端面との間にはシャフト
71に嵌合する状態にて圧縮コイルばね142が弾装さ
れている。圧縮コイルばね142のばね力はスプール弁
86に作用する流体力や摩擦力に抗してスプール弁86
を図示の如くワッシャ132に当接した位置に保持する
に足りる最小限の値に設定されており、これによりスプ
ール弁86はそれがシャフト71により軸線14に沿っ
て往復動される際にはシャフト71に従って往復動する
が、軸線14周りに回転する方向に比較的自由にシャフ
ト71に対して相対変位し得るようになっている。
【0028】スプール弁86は弁孔88と共働してその
上下に上室144及び下室146を形成しており、これ
らの室はカウンタボア140、中空孔126とシャフト
71との間の空間、スプール弁86、ワッシャ132、
シャフト71、ストッパリング130の間のクリアラン
ス通路により、互いに連通接続されている。
【0029】このスプール弁86が全閉位置より上方へ
駆動されると環状ポート124と下室146とを連通接
続する可変オリフィス148が形成されるようになって
いる。
【0030】即ち、図7に示される如く、通路106及
び108、内部空間104、径方向通路118、環状ポ
ート120、径方向通路122、環状ポート124、中
空孔84は、減衰力発生装置30及び32を迂回してシ
リンダ上室20とシリンダ下室22とを連通接続し、途
中に弁孔88を有するバイパス通路158を形成してお
り、このバイパス通路158の連通及び連通度合はスプ
ール弁86によって、図1に示されるオリフィス148
の開口面積が制御されることにより可変制御されるよう
になっている。
【0031】図3に示される如く、シャフト71には、
スプール弁86の内部に突設された規制手段の一部とし
てのストッパ162を挟込む、規制手段の他の一部とし
てのばね鋼からなる2枚の薄板164が取付けられてい
る。シャフト71とスプール弁86は薄板164の弾性
力に抗して相対的に回転が可能となるようにされてい
る。
【0032】図1に示される如く、スプール弁86の外
周部には、弁体回転手段としてのスリット160が複数
個形成されている。これらのスリット160は軸線14
に対して、図1に示すように角度β傾斜して形成されて
いるとともに、図2に示される如く、スプール弁86の
径方向に対して角度α傾斜して形成されている。ショッ
クアブソーバ10が伸長行程にあるとき、オイルは図1
の矢印W1で示される如くシリンダ上室21から下室2
2に流通し、実質的にスプール弁86の軸直方向にてス
リット160に流れ込み、角度αを持ったスリット16
0の壁面に対向して、スプール弁86は回転される。ま
た、ショックアブソーバ10が圧縮行程にあるとき、オ
イルは矢印W2で示される如くシリンダ下室22から上
室21に流通し、実質的にスプール弁86の軸直方向に
てスリット160に流れ込み、角度βを持ったスリット
160の壁面に対向して、スプール弁86はシャフト7
1に対して相対的に回転される。
【0033】更に、スプール弁86の回転量はスリット
160に流入する流体力と薄板の弾性力により決定さ
れ、つまりバイパス通路158を通過するオイルの流量
が多いほどスプール弁86はシャフト71に対して相対
的に回転するのであり、即ちピストン本体24のピスト
ン速度及びバイパス通路の開口面積に比例して相対回転
は大きくなるのである。
【0034】また、弁孔88には、連通度合増大手段と
しての切欠166が形成されており、スプール弁86が
流体力によりシャフト71に対して相対回転すると、徐
々にスリット160と整合してバイパス通路の開口面積
を増大するように形成されている。ここで、スリット1
60は、スプール弁86を回転させる弁体回転手段であ
るとともに、切欠166と共働してバイパス通路の開口
面積を増大する連通度合増大手段として機能するもので
ある。
【0035】参考として、開口面積(スプール弁位置)
に対する減衰力の変化特性は数1のようになる。
【0036】
【数1】 ここで、Qは流量(ピストン速度)、Cは流量係数、Δ
Pは減衰力、ρは密度であり、開口面積Aはアクチュエ
ータによるスプール弁軸方向位置をx、ピストン速度に
よるスプール弁の回転角γにより決定されるため、A=
f(x,γ)となる。
【0037】また、数2より数3となる。
【0038】
【数2】 A=f(x,γ)=g(x)+e(Q)(∵e∝Q) ここで、g(x)は軸位置項、e(Q)はスプール弁回
転項とする。
【0039】
【数3】 ここで、g(x)≪e(Q)とし、e∝Q2 とすれば、
スプール弁の位置に対する減衰力の変化特性を流量Qに
関係なく一定に近づけることが可能となる。
【0040】次に、本実施例の作用を説明する。減衰力
可変式ショックアブソーバ10が伸縮動作を行うと、ピ
ストン20がインナシリンダ16に対して相対運動して
バイパス通路158にオイルが流通し、このオイルの流
体力がスリット160の角度α及びβを備えた壁面に作
用してスプール弁86が回転することにより、スリット
160と切欠166が徐々に整合して、バイパス通路1
58の開口面積が増大する。
【0041】上述の如く、スプール弁86の回転は、ピ
ストン速度とバイパス通路の開口面積に比例して大きく
なるため、スリット160と切欠166の整合によるバ
イパス通路の開口面積の増大は、ピストン速度が高く、
開口面積が大きくなるほど大きくなる。
【0042】ここで、アクチュエータによる開口面積を
変化させうる幅を、低ピストン速度域にて連続的に変化
させうる減衰力の調整幅に整合させて、バイパス通路1
58の開口面積に対する減衰力の変化特性を連続的に制
御できるよう設定した場合、高ピストン速度域において
はアクチュエータによる開口面積を変化させうる幅が比
較的小さく設定されることとなるが、上述の如く、ピス
トン速度と開口面積に比例してスプール弁86が回転
し、バイパス通路の開口面積が増大されるので、高ピス
トン速度域において開口面積を大きくすることができ
て、十分に減衰力を小さくすることができる。
【0043】また、本実施例の減衰力可変式ショックア
ブソーバ10は、ピストン速度をセンサなどにより検出
してスプール弁86の開口面積を変化させるものに比
べ、ピストン速度検出センサ等が必要ないため、制御ロ
ジックを簡略化できるとともに低コスト化できる。
【0044】以上に於いては、本発明を特定の実施例に
ついて詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施例が可能であることは当業者にとって明らかである。
例えば、本実施例では、スプール弁86の内部に規制手
段としてのストッパ162とばね鋼からなる2枚の薄板
164を設けたが、これに代えてスプール弁86の外部
に規制手段を設けても良く。ばね鋼からなる薄板に代え
てスプリング、ゴム等を使用しても良い。
【0045】尚上述の実施例はツインチューブ式のショ
ックアブソーバとして構成されているが、本発明による
ショックアブソーバは所謂モノチューブ式のショックア
ブソーバとして構成されても良い。
【0046】また本発明のショックアブソーバに於ける
アクチュエータ及び運動変換装置は図示の実施例に示さ
れる構造のものに限定されるものではなく、アクチュエ
ータは入力される制御信号に応答して所定量の回転を達
成し得る限り任意の構造のものであってよく、また運動
変換装置はアクチュエータの回転運動を駆動軸の往復運
動に変換してスプール弁を往復動し位置決めし得る限り
任意の構造のものであってもよい。
【0047】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、弁体回転手段が弁体に作用する流体力に応
じて弁体を回転し、連通度合増大手段がバイパス通路の
連通度合をピストン速度及び連通度合に比例して増大す
ることから、低ピストン速度域においてバイパス通路の
連通度合に対する減衰力の変化特性を連続的に制御でき
るようにアクチュエータによる連通度合を変化させうる
幅を設定しても、高ピストン速度域における連通度合の
上限が制限されてしまうということがなく、低ピストン
速度域及び高ピストン速度域の双方において、バイパス
通路の連通度合に対する減衰力の変化特性を連続的に制
御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の減衰力可変式ショックアブ
ソーバを示す拡大部分縦断面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】本発明の一実施例の減衰力可変式ショックアブ
ソーバのスプール軸方向位置と減衰力との関係を示すグ
ラフである。
【図5】本発明の一実施例の減衰力可変式ショックアブ
ソーバの要部を示す縦断面図である。
【図6】本発明の一実施例の減衰力可変式ショックアブ
ソーバの要部を示す拡大部分断面図である。
【図7】本発明の一実施例の減衰力可変式ショックアブ
ソーバの要部を示す拡大部分断面図である。
【図8】従来例の減衰力可変式ショックアブソーバのバ
イパス通路開口面積と減衰力との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 減衰力可変式ショックアブソーバ 12 アウタシリンダ 14 軸線 16 インナシリンダ 20 ピストン 21 シリンダ上室 22 シリンダ下室 24 ピストン本体 30 縮み行程用の減衰力発生装置 32 伸び行程用の減衰力発生装置 34 オイル(作動液体) 48 ステッピングモータ(アクチュエータ) 86 スプール弁(弁体) 88 弁孔 158 バイパス通路 160 スリット(弁体回転手段、連通度合増大手
段) 162 ストッパ(規制手段) 164 薄板(規制手段) 166 切欠(連通度合増大手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、前記シリンダに往復運動可
    能に嵌合し前記シリンダと共働してシリンダ上室及びシ
    リンダ下室を郭定するピストンと、前記シリンダに対す
    る前記ピストンの相対運動に伴い流通する作動液体に流
    通抵抗を与えて減衰力を発生する手段と、前記ピストン
    に設けられ前記シリンダ上室と前記シリンダ下室とを連
    通接続するバイパス通路と、前記バイパス通路の途中に
    設けられた弁孔と、前記弁孔にその軸線に沿って往復運
    動可能に嵌合し前記バイパス通路の連通若しくは連通度
    合を選択的に制御する弁体と、前記弁体を往復動し前記
    軸線方向の位置決めをするアクチュエータと、前記弁体
    と前記アクチュエータの前記軸線周りの相対変位を規制
    する規制手段と、前記弁体に設けられバイパス通路の作
    動液体の流れを受けて前記弁体を実質的に前記軸線周り
    に回転変位させる弁体回転手段と、前記弁体或いは前記
    弁孔に設けられ前記弁体回転手段により前記弁体が回転
    変位するにつれて前記バイパス通路の連通度合を増大す
    る連通度合増大手段を備えたことを特徴とする減衰力可
    変式ショックアブソーバ。
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