JP2888052B2 - 減衰力可変式ショックアブソーバ - Google Patents

減衰力可変式ショックアブソーバ

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JP2888052B2
JP2888052B2 JP25546092A JP25546092A JP2888052B2 JP 2888052 B2 JP2888052 B2 JP 2888052B2 JP 25546092 A JP25546092 A JP 25546092A JP 25546092 A JP25546092 A JP 25546092A JP 2888052 B2 JP2888052 B2 JP 2888052B2
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valve
chamber
spool valve
piston
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文昭 川畑
和之 水野
一整 上村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバに
係り、更に詳細には減衰力可変式のショックアブソーバ
に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の減衰力可変式のショッ
クアブソーバの一つとして、例えば実開平2−6674
2号公報に記載されている如く、シリンダと、シリンダ
に往復動可能に嵌合しシリンダと共働してシリンダ上室
及びシリンダ下室を郭定するピストンと、シリンダに対
するピストンの相対運動に伴い流通する作動液体に流通
抵抗を与えて減衰力を発生する減衰力発生装置と、ピス
トンに設けられシリンダ上室とシリンダ下室とを連通接
続するバイパス通路と、バイパス通路の途中に設けられ
た弁孔と、弁孔に往復動可能に嵌合しバイパス通路の連
通度合を選択的に制御するスプール弁と、スプール弁を
駆動し位置決めするアクチュエータとを有するショック
アブソーバが従来より知られている。
【0003】かかるショックアブソーバに於ては、アク
チュエータによってスプール弁の位置が制御されバイパ
ス通路の連通度合が制御されることにより、バイパス通
路を経てシリンダ上室とシリンダ下室との間に流通する
作動液体の流量が制御されるので、減衰力発生装置を通
過する作動液体の流量が変化され、これにより減衰力発
生装置により発生される減衰力が可変制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来のショ
ックアブソーバに於ては、スプール弁が開弁し作動液体
がスプール弁と弁孔の壁面との間を経てバイパス通路を
通過する際に作動液体のスプール弁の往復動方向の運動
量が変化することに対応してスプール弁をその往復動方
向に付勢する流体力が作用する。かかる流体力の方向及
び大きさは作動液体の流れ方向及びスプール弁の開弁量
によって変化し、そのためアクチュエータの駆動負荷が
高くなったり減衰力の制御が不正確になったりするとい
う問題がある。
【0005】本発明は、従来の減衰力可変式ショックア
ブソーバに於ける上述の如き問題に鑑み、従来に比して
アクチュエータの駆動負荷を低減し減衰力を正確に制御
することができるよう改良された減衰力可変式のショッ
クアブソーバを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、シリンダと、前記シリンダに往復動可能に
嵌合し前記シリンダと共働して第一及び第二のシリンダ
室を郭定するピストンと、前記シリンダに対する前記ピ
ストンの相対運動に伴い流通する作動液体に流通抵抗を
与えて減衰力を発生する手段と、前記ピストンに設けら
れ軸線に沿って延在する弁孔と、一端にて前記弁孔と前
記軸線を横切る方向に連通し他端にて前記第一のシリン
ダ室と連通する第一のバイパス通路と、一端にて前記弁
と前記軸線に沿って連通し他端にて前記第二のシリン
ダ室と連通する第二のバイパス通路と、前記弁孔に前記
軸線に沿って往復動可能に嵌合し前記第一及び第二のバ
イパス通路の連通度合を選択的に制御する弁体と、前記
弁体を往復動し位置決めするアクチュエータとを有し、
前記弁体は前記軸線を横切る方向に突出する凸部を有
し、前記凸部は前記弁孔と共働して前記凸部に対し前記
第一及び第二のシリンダ室の側にそれぞれ第一及び第二
の圧力室を郭定しており、前記第一及び第二の圧力室は
それぞれ前記第一及び第二のシリンダ室に連通接続され
ていることを特徴とする減衰力可変式ショックアブソー
バによって達成される。
【0007】
【作用】上述の如く構成されたショックアブソーバに於
ては、第一のシリンダ室内の圧力が第二のシリンダ室内
の圧力よりも高く、第一のシリンダ室内の作動液体が第
一のバイパス通路、弁孔、第二のバイパス通路を経て第
二のシリンダ室へ流れる場合には、作動液体が弁体と弁
孔の壁面との間の最も狭い部分(これ以降可変オリフィ
スという)を通過する際にそのスプール弁の往復動方向
の運動量が増大すること起因してスプール弁にはそれを
第一のシリンダ室の方向へ付勢する流体力が作用する。
逆に第二のシリンダ室内の圧力が第一のシリンダ室内の
圧力よりも高く、第二のシリンダ室内の作動液体が第二
のバイパス通路、弁孔、第一のバイパス通路を経て第一
のシリンダ室へ流れる場合には、作動液体が可変オリフ
ィスを通過する際にそのスプール弁の往復動方向の運動
量が減小すること起因してスプール弁にはそれを第二の
シリンダ室の方向へ付勢する流体力が作用する。
【0008】上述の如き構成によれば、第一及び第二の
圧力室はそれぞれ第一及び第二のシリンダ室に連通接続
されており、従って第一のシリンダ室内の圧力が第二の
シリンダ室内の圧力よりも高いときには第一の圧力室内
の圧力が第二の圧力室内の圧力よりも高くなり、その差
圧によって弁体は第二のシリンダ室の方向へ付勢され、
逆に第二のシリンダ室内の圧力が第一のシリンダ室内の
圧力よりも高いときには第二の圧力室内の圧力が第一の
圧力室内の圧力よりも高くなり、その差圧によって弁体
は第一のシリンダ室の方向へ付勢されるので、作動液体
が弁体の周りを流れる際に弁体に作用する流体力の少な
くとも一部が第一及び第二の圧力室内の圧力の間の差圧
による付勢力によって相殺されることにより弁体に作用
する全体としての力が低減され、これによりアクチュエ
ータの駆動負荷が高くなったり弁体の位置決めが不正確
になることが確実に回避される。
【0009】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0010】図1はツインチューブ式ショックアブソー
バとして構成された本発明によるショックアブソーバの
一つの実施例の要部を示す縦断面図、図2は図1に示さ
れたの実施例のピストンの要部をスプール弁が全閉位置
にある状態にて示す拡大部分縦断面図、図3は図1及び
図2に示された実施例のスプール弁を全開位置にて示す
拡大部分縦断面図である。
【0011】図1に於て、10及び12は軸線14に沿
って同心に延在するインナシリンダ及びアウタシリンダ
を示しており、これらのシリンダの両端は図には示され
ていないエンドキャップにより閉じられている。シリン
ダ10、12及びエンドキャップは互いに共働して環状
室16を郭定している。インナシリンダ10内には軸線
14に沿って往復動可能にピストン18が配置されてい
る。ピストン18はインナシリンダ10の内部をシリン
ダ上室20とシリンダ下室22とに分離するピストン本
体24と、該本体に一体的に連結され上端のエンドキャ
ップを貫通して軸線14に沿って延在するピストンロッ
ド26とよりなっている。ピストン本体24はナット2
8によりピストンロッド26の先端部に固定されてお
り、ピストン本体24には周知の構造を有する伸び行程
用の減衰力発生装置30及び逆止弁32(図2参照)が
設けられている。
【0012】尚図1には示されていないが、インナシリ
ンダ10内の下方部にはそれ自身周知の構造を有するベ
ースバルブ組立体が設けられており、該ベースバルブ組
立体には伸び行程用の減衰力発生装置30と同様の縮み
行程用減衰力発生装置が設けられている。またシリンダ
上室20、シリンダ下室22、環状室16の一部には作
動液体としてのオイル34が充填されており、環状室1
6の上方部分には高圧ガスが封入されている。また図1
には示されていないが、ピストンロッド26の上端はば
ね上としての車体に連結され、アウタシリンダ12又は
下端のエンドキャップは図には示されていないばね下と
してのサスペンション部材に連結されるようになってい
る。
【0013】図2に示されている如く、ピストンロッド
26は軸線14に沿って延在する中空孔40を有するロ
ッド部材42を含んでいる。ロッド部材42の下端には
弁ハウジング44がねじ込みにより固定されており、中
空孔40内にはアクチュエータ46が収容されている。
図示の実施例に於てはアクチュエータ46はステップモ
ータ48とボールねじ装置50とを含み、ボールねじ装
置はステップモータの回転運動をシャフト52の往復運
動に変換する運動変換装置として機能するようになって
いる。
【0014】弁ハウジング44はロッド部44aを有
し、該ロッド部はロッド部材42の下端より下方へ軸線
14に沿って突出している。ナット28はロッド部44
aの下端にねじ込みにより固定されている。ロッド部4
4aは軸線14に沿って延在する中空孔54を有し、該
中空孔の上方部分はスプール弁56を軸線14に沿って
往復動可能に受入れる弁孔58を郭定している。ピスト
ン本体24と弁ハウジング44との間にはストッパ6
0、スペーサ62、バイパス装置64がロッド部44a
に嵌合する状態にて固定されている。
【0015】バイパス装置64はハウジング66とリン
グ部材68とエンドキャップ70とを含み、これらの部
材は互いに共働して軸線14の周りに環状に延在する内
部空間72を郭定している。ハウジング66には内部空
間72と連通し径方向に延在する複数個の溝74が設け
られており、またその端壁に図にて上下方向に延在する
複数個の通路76が設けられている。エンドキャップ7
0には図にて上下方向に延在する複数個の通路78が設
けられている。リング部材68はハウジング66と共働
して溝74と連通する環状ポート80を郭定している。
弁ハウジングのロッド部44aには環状ポート80と連
通する複数個の径方向通路82と、該通路と連通し弁孔
58に開口する環状ポート84とが設けられている。
【0016】ハウジング66の端壁及びエンドキャップ
70にはそれぞれそれらの上面に当接して逆止弁86及
び88が設けられている。逆止弁86は内部空間72及
び溝74より通路76を経てシリンダ上室20へ向うオ
イルの流れのみを許すようになっており、逆止弁88は
シリンダ上室20より通路78を経て内部空間72及び
溝74へ向うオイルの流れのみを許すようになってい
る。
【0017】図3に詳細に示されている如く、スプール
弁56はその長手方向に延在する中空孔90を有し、該
中空孔の直径はシャフト52の直径よりも僅かに大きく
設定されており、これによりスプール弁56はシャフト
52に遊嵌状態にて嵌合している。シャフト52の下端
近傍には環状溝92が設けられており、該環状溝にはス
トッパリング94が装着されている。ストッパリング9
4とスプール弁56の下端との間にはワッシャ96が介
装されている。またシャフト52にはスプール弁56の
上端より上方の位置に環状溝98が設けられており、該
環状溝にはストッパリング100が装着されている。
【0018】ストッパリング100に当接して配置され
たスプリングシート102とスプール弁56の上端に設
けられたカウンタボア104の端面との間にはシャフト
52に嵌合する状態にて圧縮コイルばね106が弾装さ
れている。圧縮コイルばね106のばね力はスプール弁
56に作用する流体力や摩擦力に抗してスプール弁を図
示の如くワッシャ96に当接した位置に保持するに足る
最小限の値に設定されており、これによりスプール弁5
6はそれがシャフト52により軸線14に沿って往復動
される際にはシャフトに従って往復動するが、軸線14
を横切る方向に比較的自由にシャフトに対し相対変位し
得るようになっている。
【0019】スプール弁56は弁孔58と共働してその
上下に上室108及び下室110を郭定しており、これ
らの室はカウンタボア104、中空孔90とシャフト5
2との間の空間、スプール弁、ワッシャ96、シャフト
52、ストッパリング94の間のクリアランス通路によ
り互いに連通接続されている。またスプール弁56の下
端部は先細状に形成されており、これによりスプール弁
が図2に示された全閉位置にあるときには環状ポート8
4と下室110との連通が遮断されるが、図3に示され
ている如くスプール弁が全閉位置より図にて上方へ駆動
されると環状ポート84と下室110とを連通接続する
可変オリフィス112が郭定されるようになっている。
【0020】更にスプール弁56はその円筒状外周面の
長手方向中央部に径方向外方へ突出する環状の凸部11
4を有しており、該凸部は弁孔58の大径部に往復動可
能に実質的に密に嵌合し、スプール弁の上端部は弁ハウ
ジング44に圧入固定されたスリーブ116に往復動可
能に実質的に密に嵌合している。凸部114は弁ハウジ
ング44及びスリーブ116と共働して上側圧力室11
8及び下側圧力室120を郭定している。上側圧力室1
18は弁ハウジング44に設けられた連通孔122及び
弁ハウジングの肩部に設けられた複数個の放射状の溝1
24によりシリンダ上室20と連通接続されており、下
側圧力室120はスプール弁56に設けられた複数個の
連通孔126により中空孔90とシャフト52との間の
空間に連通接続されており、これによりシリンダ下室2
2と連通接続されている。
【0021】かくして通路76及び78、内部空間7
2、溝74、環状ポート80、通路82、環状ポート8
4はシリンダ上室20と弁孔58とを連通接続し弁孔と
軸線14に垂直な方向に連通する第一のバイパス通路1
28を郭定しており、中空孔54はシリンダ下室22と
弁孔58とを連通接続し弁孔と軸線14に沿って連通す
る第二のバイパス通路を郭定しており、これらのバイパ
ス通路相互の連通度合はスプール弁56によってオリフ
ィス112の実効通路断面積が制御されることにより可
変制御されるようになっている。
【0022】図示の実施例の作動に於ては、ピストンの
伸び行程に於てはシリンダ下室22内の圧力がシリンダ
上室20及び環状室16内の圧力よりも低くなることに
よりシリンダ上室及び環状室内のオイルの一部がシリン
ダ下室へ流通し、その際にピストンに設けられた伸び行
程用の減衰力発生装置30によりオイルに対し流通抵抗
が与えられ、これにより減衰力が発生される。
【0023】同様にピストンの縮み行程に於てはシリン
ダ下室22内の圧力がシリンダ上室20及び環状室16
内の圧力よりも高くなることによりシリンダ下室内のオ
イルの一部がシリンダ上室及び環状室へ流通し、その際
にベースバルブ組立体に設けられた縮み行程用の減衰力
発生装置によりオイルに対し流通抵抗が与えられ、これ
により減衰力が発生される。
【0024】またピストンの伸び行程及び縮み行程の何
れに於ても、スプール弁56が図2に示された全閉位置
にあるときにはバイパス通路128及び54は相互に遮
断された状態にあるので、オイルがバイパス通路を経て
シリンダ上室20とシリンダ下室22との間に流通する
ことがなく、必ずピストンに設けられた減衰力発生装置
30及びベースバルブ組立体に設けられた減衰力発生装
置を通過し、これらの減衰力発生装置により高い減衰力
が発生され、これによりショックアブソーバは所謂ハー
ドモードにて作動する。
【0025】これに対しステップモータ48のコイルに
通電されスプール弁56が図3に示された全開位置又は
全閉位置と全開位置との間の中間位置に切換えられる
と、環状ポート84と下室110とがオリフィス112
により連通接続され、これによりバイパス通路は相互に
連通された状態になるので、シリンダ上室20及びシリ
ンダ下室22内のオイルの一部がバイパス通路を経て相
互に流通し、減衰力発生装置により発生される減衰力が
低減され、これによりショックアブソーバはスプール弁
の開弁位置に応じて所謂ソフトモード又はソフトモード
とハードモードとの間の中間モードにて作動する。
【0026】この場合、ピストンの伸び行程に於てはシ
リンダ上室20内のオイルはバイパス通路を経てシリン
ダ下室22へ流れる際に逆止弁88を通過するのに対
し、ピストンの縮み行程に於てはシリンダ下室22内の
オイルは逆止弁86を通過するが、逆止弁86はばねに
よって付勢されていないので、ピストンの縮み行程に於
て発生される減衰力はピストンの伸び行程に於けるより
も低い。
【0027】またスプール弁56が開弁した状態に於け
るピストンの伸び行程及び縮み行程に於ては、オイルが
バイパス通路128、54及び可変オリフィス112を
通過することによりスプール弁56には軸線14に沿っ
て流体力が作用する。図示の実施例に於ては、かかる流
体力は図にて下向きの方向を正として図4に於て破線A
にて示されている如く発生する。図4より解る如く、ピ
ストンの伸び行程に於てはオリフィス112の下流側、
即ちオリフィスに対しバイパス通路54の側に比較的強
い負圧領域が発生するスプール弁の変位量が僅かな範囲
を除き、スプール弁に作用する流体力は負の値となる。
【0028】図示の実施例によれば、ピストンの伸び行
程に於てはシリンダ上室20の圧力がシリンダ下室22
よりも高くなり、上側圧力室118内の圧力が下側圧力
室120内の圧力よりも高くなるので、これら二つの圧
力室の間の差圧によりスプール弁56には図4に於て一
点鎖線にて示されている如く軸線14に沿って下向きの
力Bが作用し、従ってスプール弁56に作用する全体と
しての力は図4に於て実線Cにて示されている如く低減
される。
【0029】逆にピストンの縮み行程に於てはシリンダ
下室の圧力がシリンダ上室よりも高くなり、下側圧力室
内の圧力が上側圧力室よりも高くなるので、これら二つ
の圧力室の間の差圧によりスプール弁56には図4に於
て一点鎖線にて示されている如く軸線14に沿って上向
きの力Bが作用し、従ってスプール弁56に作用する全
体としての力は図4に於て実線Cにて示されている如く
低減される。
【0030】正の流体力はスプール弁56を図にて下方
へ付勢することによりオリフィス112の実効通路断面
積を低減する方向に作用するのに対し、負の流体力はス
プール弁を図にて上方へ付勢してオリフィス112の実
効通路断面積を拡大する方向に作用するため、図4に於
て破線Aにて示されている如くピストンの伸び行程に於
て流体力の符号が変化する領域に於ては、ボールねじ装
置50やその軸受等に軸線方向のガタが存在する場合に
は、流体力の正負変動に起因してスプール弁が振動し、
そのため異音が発生したり減衰力が不安定に変動したり
し易い。
【0031】これに対し図示の実施例によれば、スプー
ル弁56に作用する全体としての力が負になることがな
いので、ボールねじ装置50やその軸受等にガタが存在
しても、スプール弁が振動することに起因する異音の発
生や減衰力の不安な変動を確実に防止することがで
き、アクチュエータ46を高精度にて組付ける必要がな
くなり、更にはアクチュエータの耐久性を向上させるこ
とができる。
【0032】また図示の実施例によれば、上述の如くス
プール弁56はシャフト52に遊嵌状態にて嵌合してお
り、また圧縮コイルばね106によりワッシャ96に当
接した位置に保持されるに足る最小限のばね力にてシャ
フト52に沿ってストッパリング94に対し付勢されて
いる。従ってスプール弁56は軸線14を横切る方向に
比較的自由にシャフトに対し相対変位することができ、
また実質的に圧縮コイルばね106によって弁孔58の
壁面に対し押付けられることがないので、シャフト52
又はスプール弁56の軸線と弁孔58の軸線とが互いに
ずれた状態にてこれらの部材が組付けられても、スプー
ル弁が往復動される際に於ける摺動抵抗が高くなること
はなく、スプール弁は弁孔に沿って円滑に往復動するこ
とができる。
【0033】また図示の実施例によれば、アクチュエー
タ46は正確な駆動及び位置決めが可能なステップモー
タ48とステップモータの回転運動を往復運動に変換す
る運動変換装置としてのボールねじ装置50とよりなっ
ているので、往復動型のアクチュエータが使用される場
合に比してスプール弁56を正確に駆動し位置決めする
ことができる。
【0034】尚上述の実施例はツインチューブ式のショ
ックアブソーバとして構成されているが、本発明による
ショックアブソーバは所謂モノチューブ式のショックア
ブソーバとして構成されてもよい。
【0035】また本発明のショックアブソーバに於ける
アクチュエータは図示の実施例に示された構造のアクチ
ュエータに限定されるものではなく、弁体を往復動し位
置決めし得る限り任意の構造のものであってよい。
【0036】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0037】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、作動液体が弁体の周りを流れる際に弁体に
作用する流体力の少なくとも一部が第一及び第二の圧力
室内の圧力の間の差圧によって相殺されることにより弁
体に作用する全体としての力が低減されるので、アクチ
ュエータの駆動負荷を低減することができ、これにより
アクチュエータを小型化し消費エネルギを低減すること
ができ、弁体を円滑に駆動し正確に位置決めすることに
よりショックアブソーバの減衰力を正確に制御し減衰力
制御の応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ツインチューブ式ショックアブソーバとして構
成された本発明によるショックアブソーバの一つの実施
例の要部を示す縦断面図である。
【図2】図1に示された実施例のピストンの要部をスプ
ール弁が全閉位置にある状態にて示す拡大部分縦断面図
である。
【図3】図1及び図2に示された実施例のスプール弁を
全開位置にて示す拡大部分縦断面図である。
【図4】スプール弁の変位量とスプール弁に作用する軸
線方向の力との間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…インナシリンダ 12…アウタシリンダ 18…ピストン 20…シリンダ上室 22…シリンダ下室 24…ピストン本体 30…減衰力発生装置 34…オイル 46…アクチュエータ 48…ステップモータ 50…ボールねじ装置 54…第二のバイパス通路 56…スプール弁 58…弁孔 112…可変オリフィス 114…凸部 118…上側圧力室 120…下側圧力室 128…第一のバイパス通路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−149423(JP,A) 特開 平3−186675(JP,A) 実開 平2−66742(JP,U) 実開 昭58−114956(JP,U) 実開 平4−13879(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/00 - 9/58 B60G 13/08 F16K 1/36 F16K 3/314

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダと、前記シリンダに往復動可能に
    嵌合し前記シリンダと共働して第一及び第二のシリンダ
    室を郭定するピストンと、前記シリンダに対する前記ピ
    ストンの相対運動に伴い流通する作動液体に流通抵抗を
    与えて減衰力を発生する手段と、前記ピストンに設けら
    れ軸線に沿って延在する弁孔と、一端にて前記弁孔と前
    記軸線を横切る方向に連通し他端にて前記第一のシリン
    ダ室と連通する第一のバイパス通路と、一端にて前記弁
    と前記軸線に沿って連通し他端にて前記第二のシリン
    ダ室と連通する第二のバイパス通路と、前記弁孔に前記
    軸線に沿って往復動可能に嵌合し前記第一及び第二のバ
    イパス通路の連通度合を選択的に制御する弁体と、前記
    弁体を往復動し位置決めするアクチュエータとを有し、
    前記弁体は前記軸線を横切る方向に突出する凸部を有
    し、前記凸部は前記弁孔と共働して前記凸部に対し前記
    第一及び第二のシリンダ室の側にそれぞれ第一及び第二
    の圧力室を郭定しており、前記第一及び第二の圧力室は
    それぞれ前記第一及び第二のシリンダ室に連通接続され
    ていることを特徴とする減衰力可変式ショックアブソー
    バ。
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