JP2015068439A - 緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】悪路および良路の乗り心地を改善することができる緩衝器の提供。【解決手段】第1の通路101,102に設けられ、ピストン18の移動によって減衰力を発生させる減衰バルブ147,197と、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、ピストンロッド21の位置により第2の通路402の通路面積を調整する通路面積調整機構91,227と、ハウジング320内に移動可能に設けられ第2の通路402を上流側と下流側とに区画するフリーピストン321と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、緩衝器に関する。
緩衝器には、減衰力を発生するディスクバルブを付勢する付勢バネを設け、シリンダに対するピストンの位置に応じて付勢バネのバネ力を変化させて、減衰力を可変とする位置感応型の緩衝器がある(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、上記の緩衝器は、ダンパストロークが大きい悪路走行時に減衰力が変化して乗り心地を改善できるが、微振幅入力が支配的な良路では、減衰力が十分に変化せず、乗り心地は、位置感応機能を持たない緩衝器と同等である。
本発明は、悪路および良路の乗り心地を改善することができる緩衝器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1の通路に設けられ、ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、ピストンロッドが最大長側所定位置よりもシリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、を有する構成とした。
また、本発明は、第1の通路に設けられ、ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、少なくともピストンロッドが最大長側所定位置よりもシリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となる最大長側特性となるよう第3の通路を開く通路開閉機構と、を有する構成とした。
また、本発明は、第1の通路に設けられ、ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、ピストンロッドが最大長側所定位置よりもシリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記減衰バルブの開弁圧を調整する開弁圧調整機構と、第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、を有する構成とした。
また、本発明は、第1の通路に設けられ、ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、ピストンロッドが最大長側所定位置よりもシリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となる最大長側特性となり、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となる最小長側特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、を有する構成とした。
本発明によれば、悪路および良路の乗り心地を改善することができる。
「第1実施形態」
以下、本発明に係る第1実施形態について図1〜図9を参照して説明する。以下の説明では理解を助けるために、図の下側を一方側および下側とし、逆に図の上側を他方側および上側として定義する。
以下、本発明に係る第1実施形態について図1〜図9を参照して説明する。以下の説明では理解を助けるために、図の下側を一方側および下側とし、逆に図の上側を他方側および上側として定義する。
第1実施形態の緩衝器1は、ストローク位置により減衰力を変化させる位置感応の減衰力調整式の緩衝器である。図1に示すように、第1実施形態の緩衝器1は、いわゆる複筒型の油圧緩衝器であり、作動液体としての油液が封入されるシリンダ2を有している。シリンダ2は、円筒状の内筒3と、この内筒3よりも大径で内筒3を覆うように同心状に設けられる有底円筒状の外筒4と、外筒4の上部開口側を覆うカバー5とを有しており、内筒3と外筒4との間にリザーバ室6が形成されている。
外筒4は、略円筒状の胴部材7と、胴部材7の下部側に嵌合固定されて胴部材7を閉塞する底部材8とからなっている。胴部材7の底部材8とは反対側の端部は開口部9となっている。胴部材7は、円筒状部11と係止部12とからなっており、係止部12は円筒状部11の開口部9側の端部から径方向内方に突出している。
カバー5は、筒状部15と筒状部15の上端側から径方向内方に延出する内フランジ部16とを有している。カバー5は、外筒4の胴部材7の上端開口部9側に被せられている。カバー5は、その筒状部15の内側に外筒4の胴部材7の円筒状部11が圧入されることで外筒4に固定されている。
内筒3内には、ピストン18が摺動可能に嵌装されている。このピストン18は、内筒3内を上室19と下室20との2室に区画している。内筒3内の上室19および下室20内には作動流体としての油液が封入され、内筒3と外筒4との間のリザーバ室6内には作動流体としての油液とガスとが封入される。
シリンダ2内にはピストンロッド21の一端側が挿入されており、ピストンロッド21の他端側はシリンダ2の外部へと延出されている。ピストン18は、このピストンロッド21のシリンダ2内側の一端側に連結されている。内筒3および外筒4には、ロッドガイド22が嵌合されており、外筒4には、ロッドガイド22よりもシリンダ2のさらに外部側にシール部材23が装着されている。ロッドガイド22には、シール部材23よりシリンダ2の内部側の位置に摩擦部材24が設けられている。ロッドガイド22、シール部材23および摩擦部材24は、いずれも環状をなしており、ピストンロッド21は、これらロッドガイド22、摩擦部材24およびシール部材23のそれぞれの内側に摺動可能に挿通されてシリンダ2の外部へ延出されている。
ここで、ロッドガイド22は、ピストンロッド21を、その径方向移動を規制しつつ軸方向移動可能に支持して、このピストンロッド21の移動を案内する。シール部材23は、その内周部で、軸方向に移動するピストンロッド21の外周部に摺接して、内筒3内の油液と外筒4内のリザーバ室6の高圧ガスおよび油液とが外部に漏洩するのを防止する。摩擦部材24は、その内周部でピストンロッド21の外周部に摺接して、ピストンロッド21に摩擦抵抗を発生させる。なお、摩擦部材24は、シールを目的とするものではない。
ロッドガイド22は、その外周部が、下部よりも上部が大径となる段差状をなしており、下部において内筒3の上端の内周部に嵌合し上部において外筒4に嵌合する。外筒4の底部材8上には、内筒3内の下室20とリザーバ室6とを画成するベースバルブ25が設置されており、このベースバルブ25に内筒3の下端の内周部が嵌合されている。シール部材23は、外筒4の係止部12と、内筒3に嵌合されたロッドガイド22とによって挟持されている。
ピストンロッド21は、ロッドガイド22、摩擦部材24およびシール部材23に挿通されて外部へと延出されるロッド本体26と、ロッド本体26のシリンダ2内側の端部に螺合されて一体的に連結される先端ロッド27とからなっている。ロッド本体26の径方向の中央には、軸方向に沿う挿入穴28が、先端ロッド27側から反対側の端部近傍の途中位置まで形成されている。また、先端ロッド27の径方向の中央には、軸方向に沿う貫通穴29が形成されている。これら挿入穴28と貫通穴29とがピストンロッド21の径方向中央に形成される挿入穴30を構成しており、よって、ピストンロッド21は中空構造となっている。ピストンロッド21のこの挿入穴30内に、メータリングピン31が挿入されている。メータリングピン31は、シリンダ2の底部材8に当接するベースバルブ25に一端側が固定されており、その他端側が、ピストンロッド21の挿入穴30内に挿入されている。挿入穴30とメータリングピン31との間は、ピストンロッド21内で油液が流動可能なロッド内通路32となっている。
ピストンロッド21のロッド本体26の外周側には、軸方向のピストン18側に円環状のピストン側バネ受35が、軸方向におけるピストン側バネ受35のピストン18とは反対側に円環状のロッドガイド側バネ受36が、それぞれ設けられている。これらピストン側バネ受35およびロッドガイド側バネ受36は、ロッド本体26を内側に挿通させておりロッド本体26に沿って摺動可能となっている。これらピストン側バネ受35およびロッドガイド側バネ受36の間には、コイルスプリングからなるリバウンドスプリング38が、その内側にロッド本体26を挿通させるようにして介装されている。ロッドガイド側バネ受36の軸方向のリバウンドスプリング38とは反対には円環状の弾性材料からなる緩衝体39が設けられている。緩衝体39もロッド本体26を内側に挿通させることでロッド本体26に沿って摺動可能となっている。
上述の緩衝器1は、例えば一方側が車体により支持され、他方側が車輪側に連結される。具体的には、図1に示すピストンロッド21にて車体側に連結され、シリンダ2のピストンロッド21の突出側とは反対側が車輪側に連結される。なお、上記とは逆に、緩衝器1の他方側が車体により支持され、緩衝器1の一方側が車輪側に固定されるようにしても良い。
車輪が走行に伴って振動すると該振動に伴ってシリンダ2とピストンロッド21との位置が相対的に変化するが、上記変化は図1に示すピストンロッド21に形成されたロッド内通路32の流体抵抗により抑制される。以下で詳述するごとくピストンロッド21に形成されたロッド内通路32の流体抵抗は振動の速度や振幅により異なるように作られており、振動を抑制することにより、乗り心地が改善される。上記シリンダ2とピストンロッド21との間には、車輪が発生する振動の他に、車両の走行に伴って車体に発生する慣性力や遠心力も作用する。例えばハンドル操作により走行方向が変化することにより車体に遠心力が発生し、この遠心力に基づく力が上記シリンダ2とピストンロッド21との間に作用する。以下で説明する通り、第1実施形態の緩衝器1は車両の走行に伴って車体に発生する力に基づく振動に対して良好な特性を有しており、車両の走行時における高い安定性が得られる。
図2に示すように、ロッド本体26の先端ロッド27側の端部には、挿入穴28よりも大径で挿入穴28に連通するネジ穴43が形成されている。先端ロッド27には、ロッド本体26側から順に、通路穴49、図3に示す通路穴50および通路穴51が、いずれも径方向に貫通するように形成されている。これら通路穴49〜51は、いずれも貫通穴29に直交している。
先端ロッド27は、図2に示すように軸方向のロッド本体26側から順に、外周部にオネジ54が形成されたネジ軸部55と、フランジ部56と、取付軸部57とを有している。ネジ軸部55は、先端ロッド27をロッド本体26に一体化する際にロッド本体26のネジ穴43にオネジ54において螺合される。フランジ部56は、その際にロッド本体26を当接させるため、ネジ軸部55およびロッド本体26よりも大径の外径となっている。取付軸部57は、フランジ部56よりも小径となっており、軸方向のフランジ部56とは反対側の部分に図4に示すオネジ61が形成されている。取付軸部57のオネジ61よりもフランジ部56側に、図2に示す通路穴49および図3に示す通路穴50,51が形成されている。
図2に示すように、ピストン側バネ受35は、円筒状部65と、円筒状部65の軸方向一端側から径方向外側に延出する中間胴部66と、中間胴部66の外周部から軸方向の円筒状部65とは反対側に突出する円筒状の押圧部67とを有している。このピストン側バネ受35は、円筒状部65をリバウンドスプリング38の内側に配置した状態で中間胴部66の軸方向の円筒状部65側の端面においてリバウンドスプリング38の軸方向の端部に当接する。ピストン側バネ受35は、中間胴部66の軸方向の押圧部67側の端面において先端ロッド27のフランジ部56に当接可能となっている。中間胴部66の軸方向の円筒状部65側の内周部は、円筒状部65の内径と同径となっており、中間胴部66の軸方向の押圧部67側の内周部は、円筒状部65の内径よりも大径の段差部68となっている。この段差部68には、摺動部材69が嵌合固定されており、この摺動部材69がロッド本体26の外周面を摺動する。押圧部67には、径方向に貫通する複数の貫通穴70が形成されている。
先端ロッド27の取付軸部57には、フランジ部56側から順に、複数枚のディスク73と、一枚のディスク74と、複数枚の付勢ディスク75と、一枚の開閉ディスク76と、一枚の中間ディスク77と、一枚の中間ディスク78と、一枚の当接ディスク79と、通路形成部材80とが設けられている。
複数枚のディスク73は、いずれも有孔円板状をなしており、ピストン側バネ受35の押圧部67の内径よりも小径の外径となっている。ディスク74は、ディスク73よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。複数枚の付勢ディスク75は、いずれも有孔円板状をなしており、ピストン側バネ受35の押圧部67の先端部の外径と略同径の外径となっている。
開閉ディスク76は、有孔円板状をなしており、付勢ディスク75の外径と略同径の外径となっている。開閉ディスク76の外周側には、軸方向の一面から軸方向他側に凹み軸方向の他面から軸方向他側に突出する円環状の開閉部83が形成されている。
中間ディスク77は、有孔円板状をなしており、開閉ディスク76よりも小径の外径となっている。中間ディスク78は、中間ディスク77と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。また、中間ディスク78の外周側には、複数の切欠78aが形成されている。当接ディスク79は、有孔円板状をなしており、開閉ディスク76と同径の外径となっている。当接ディスク79の径方向中間部には、軸方向から見てC字状をなす貫通穴79aが形成されている。
通路形成部材80は、有孔円板状をなしており、当接ディスク79よりも小径の外径となっている。通路形成部材80の内周側には複数の切欠80aが設けられている。中間ディスク78の外周部に形成された上記の切欠78aと、当接ディスク79の径方向中間位置に形成された上記の貫通穴79aと、通路形成部材80の内周部に形成された上記の切欠80aとが通路86を形成している。この通路86は、中間ディスク78の径方向外側つまり上室19を通路穴49に連通させている。
ピストン側バネ受35により押圧されない状態で、複数の付勢ディスク75は平坦形状をなしており、開閉ディスク76の開閉部83を当接ディスク79から離間させている。ここで、開閉ディスク76の開閉部83と当接ディスク79との隙間と、中間ディスク78、当接ディスク79および通路形成部材80に形成された通路86とがオリフィス88を構成しており、このオリフィス88と、先端ロッド27の通路穴49とが、上室19とロッド内通路32とを連通させる通路89を構成している。
主に複数の付勢ディスク75の付勢力によって、ピストン側バネ受35は、その中間胴部66を先端ロッド27のフランジ部56から軸方向に離間させている。この状態で、ピストンロッド21がシリンダ2から突出する伸び側つまり上側に移動すると、ピストン側バネ受35、リバウンドスプリング38、図1に示すロッドガイド側バネ受36および緩衝体39も、ピストンロッド21と共にロッドガイド22側に移動することになり、所定位置で緩衝体39がロッドガイド22に当接する。
さらにピストンロッド21が突出方向に移動すると、緩衝体39が潰れた後、緩衝体39およびロッドガイド側バネ受36が、シリンダ2に対して停止状態となり、その結果、ピストンロッド21と共に移動するピストン側バネ受35がリバウンドスプリング38を縮長させることになり、その際のリバウンドスプリング38の付勢力がピストンロッド21の移動に対して抵抗となる。このようにして、シリンダ2内に設けられたリバウンドスプリング38が、ピストンロッド21に弾性的に作用してピストンロッド21の伸び切りを抑制することになる。なお、このようにリバウンドスプリング38がピストンロッド21の伸び切りの抵抗となることで、搭載された車両の旋回時の内周側の車輪の浮き上がりを抑制して車体のロール量を抑えることになる。
ここで、ピストンロッド21が突出方向に移動して緩衝体39がロッドガイド22に当接すると、ピストン側バネ受35は、上記したようにロッドガイド側バネ受36との間でリバウンドスプリング38を縮長させる前に、リバウンドスプリング38の付勢力によって、図2に示す押圧部67で当接する複数の付勢ディスク75および開閉ディスク76を変形させながら、若干軸方向のフランジ部56側に移動して中間胴部66をフランジ部56に当接させる。このように、リバウンドスプリング38の付勢力によりピストン側バネ受35が押圧部67で付勢ディスク75および開閉ディスク76を変形させると、開閉ディスク76の開閉部83が当接ディスク79に当接することになり、オリフィス88を閉塞させて上室19とロッド内通路32との通路89を介する連通を遮断する。
ピストン側バネ受35、リバウンドスプリング38、図1に示すロッドガイド側バネ受36および緩衝体39は、シリンダ2内に設けられ一端が図2に示す付勢ディスク75を介して開閉ディスク76を押圧可能であって他端がシリンダ2の端部側の図1に示すロッドガイド22に当接可能なバネ機構90を構成している。このバネ機構90は、そのバネ力により図2に示す付勢ディスク75および開閉ディスク76の付勢力に抗してこれら付勢ディスク75および開閉ディスク76を閉弁方向に変形させる。そして、このバネ機構90と、オリフィス88を開閉する開閉ディスク76および当接ディスク79とが、ピストンロッド21の位置により変化するリバウンドスプリング38の付勢力に応じてオリフィス88つまり通路89の通路面積を調整する通路面積調整機構91を構成している。オリフィス88は、言い換えればピストンロッド21の位置に感応して通路面積が可変となる可変オリフィスになっており、ピストンロッド21の位置に感応して減衰力を変化させる。
上記通路面積調整機構91による、緩衝器1のストローク位置に対するオリフィス88の通路面積は、縮み側の全ストローク範囲および伸び側の所定位置までは、中立位置(1Gの位置(水平位置に停止した車体を支持する位置))を含んで最大の一定値であり、伸び側の所定位置でバネ機構90が付勢ディスク75の付勢力に抗して開閉ディスク76を閉じ始めると、伸び側ほど比例的に小さくなり、開閉ディスク76の開閉部83が当接ディスク79に当接する所定位置で最小となり、この所定位置よりも伸び側では最小の一定値になる。
図3に示すように、ピストン18は、先端ロッド27に支持されるピストン本体95と、ピストン本体95の外周面に装着されて内筒3内を摺動する円環状の摺動部材96とによって構成されている。
ピストン本体95には、上室19と下室20とを連通させ、ピストン18が上室19側へ移動する行程、つまりピストンロッド21がシリンダ2からの突出量を増やす伸び行程において上室19から下室20に向けて油液が流れ出す複数(図3では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路(第1の通路)101と、ピストン18が下室20側へ移動する行程、つまりピストンロッド21がシリンダ2内への進入量を増やす縮み行程において下室20から上室19に向けて油液が流れ出す複数(図3では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路(第1の通路)102とが設けられている。つまり、複数の通路101と複数の通路102とが、ピストン18の移動により上室19と下室20との間を作動流体である油液が流れるように連通する。通路101は、円周方向において、それぞれ間に一カ所の通路102を挟んで等ピッチで形成されており、ピストン18の軸方向一側(図3の上側)が径方向外側に軸方向他側(図3の下側)が径方向内側に開口している。
そして、これら半数の通路101に対して、減衰力を発生する減衰力発生機構104が設けられている。減衰力発生機構104は、ピストン18の軸方向の一端側である下室20側に配置されている。通路101は、ピストンロッド21がシリンダ2の外に伸び出る伸び側にピストン18が移動するときに油液が通過する伸び側の通路を構成しており、これらに対して設けられた減衰力発生機構104は、伸び側の通路101の油液の流動を規制して減衰力を発生させる伸び側の減衰力発生機構となっている。
また、残りの半数を構成する通路102は、円周方向において、それぞれ間に一カ所の通路101を挟んで等ピッチで形成されており、ピストン18の軸線方向他側(図3の下側)が径方向外側に軸線方向一側(図3の上側)が径方向内側に開口している。
そして、これら残り半数の通路102に、減衰力を発生する減衰力発生機構105が設けられている。減衰力発生機構105は、ピストン18の軸方向の他端側である軸線方向の上室19側に配置されている。通路102は、ピストンロッド21がシリンダ2内に入る縮み側にピストン18が移動するときに油液が通過する縮み側の通路を構成しており、これらに対して設けられた減衰力発生機構105は、縮み側の通路102の油液の流動を規制して減衰力を発生させる縮み側の減衰力発生機構となっている。
ピストン本体95は、略円板形状をなしており、その中央には、軸方向に貫通して、上記した先端ロッド27の取付軸部57を挿通させるための挿通穴106が形成されている。ピストン本体95の下室20側の端部には、伸び側の通路101の一端開口位置の外側に、減衰力発生機構104を構成するシート部107が、円環状に形成されている。ピストン本体95の上室19側の端部には、縮み側の通路102の一端開口位置の外側に、減衰力発生機構105を構成するシート部108が、円環状に形成されている。
ピストン本体95において、シート部107の挿通穴106とは反対側は、シート部107よりも軸線方向高さが低い段差状をなしており、この段差状の部分に縮み側の通路102の他端が開口している。また、同様に、ピストン本体95において、シート部108の挿通穴106とは反対側は、シート部108よりも軸線方向高さが低い段差状をなしており、この段差状の部分に伸び側の通路101の他端が開口している。
伸び側の減衰力発生機構104は、圧力制御型のバルブ機構であり、軸方向のピストン18側から順に、複数枚のディスク111と、一枚の当接ディスク112と、一枚の減衰バルブ本体113と、一枚のディスク114と、複数枚のディスク115と、一枚のディスク116と、一枚のディスク117と、一つのシート部材118と、一枚のディスク119と、一枚のディスク120と、一枚のディスク121と、複数枚のディスク122と、一枚のディスク123と、一枚のディスク124と、一つの規制部材125とを有している。
シート部材118は、軸直交方向に沿う有孔円板状の底部131と、底部131の内周側に形成された軸方向に沿う円筒状の内側円筒状部132と、底部131の外周側に形成された軸方向に沿う円筒状の外側円筒状部133とを有している。底部131は、内側円筒状部132および外側円筒状部133に対し軸方向の一側にずれており、底部131には、軸方向に貫通する複数の貫通穴134が形成されている。内側円筒状部132の内側には、軸方向の底部131側に先端ロッド27の取付軸部57を嵌合させる小径穴部135が形成されており、軸方向の底部131とは反対側に小径穴部135より大径の大径穴部136が形成されている。シート部材118の外側円筒状部133には、その軸方向の底部131側の端部に、環状のシート部137が形成されており、このシート部137にディスク119が着座する。
シート部材118の底部131と内側円筒状部132と外側円筒状部133とで囲まれた軸方向の底部131とは反対側の空間と、シート部材118の貫通穴134とは、減衰バルブ本体113にピストン18の方向に圧力を加えるパイロット室140となっている。先端ロッド27の上記した通路穴51と、シート部材118の大径穴部136と、後述するディスク116,117に形成されたオリフィス151とが、ロッド内通路32とパイロット室140とに接続されて、このパイロット室140にロッド内通路32を介して上室19および下室20から油液を導入可能なパイロット室流入通路141を構成している。
複数枚のディスク111は、ピストン18のシート部107よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク112は、ピストン18のシート部107よりも大径の外径を有しシート部107に着座可能な有孔円板状をなしている。
減衰バルブ本体113は、当接ディスク112の外径と同径の外径を有する有孔円板状のディスク145と、ディスク145のピストン18とは反対の外周側に固着されたゴム材料からなる円環状のシール部材146とからなっている。当接ディスク112と減衰バルブ本体113とが、ピストン18に設けられた通路101とシート部材118に設けられたパイロット室140との間に設けられてピストン18の伸び側への移動によって生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰バルブ147を構成している。よって、この減衰バルブ147はディスクバルブとなっている。なお、当接ディスク112およびディスク145には、ピストンロッド21の取付軸部57を挿通させる中央の孔以外に軸方向に貫通する部分は形成されていない。
減衰バルブ本体113のシール部材146は、シート部材118の外側円筒状部133の内周面に接触して、減衰バルブ本体113と外側円筒状部133との隙間をシールする。よって、減衰バルブ本体113とシート部材118との間の上記したパイロット室140は、減衰バルブ本体113に、ピストン18の方向、つまりシート部107に当接ディスク112を当接させる閉弁方向に内圧を作用させる。減衰バルブ147は、パイロット室140を有するパイロットタイプの減衰バルブであり、当接ディスク112がピストン18のシート部107から離座して開くと、通路101からの油液をピストン18とシート部材118との間の径方向の通路148を介して下室20に流す。
ディスク114は、ディスク145の外径よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。複数枚のディスク115は、ディスク111と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク116は、ディスク115と同径の外径を有する有孔円板状をなしており、外周側に複数の切欠116aが形成されている。ディスク117は、ディスク115と同径の外径を有する有孔円板状をなしており、内周側に複数の切欠117aが形成されている。ディスク116の切欠116aとディスク117の切欠117aとは、連通してオリフィス151を形成しており、上記したように、このオリフィス151によってシート部材118の大径穴部136内とパイロット室140とが連通する。
ディスク119は、シート部材118のシート部137よりも大径の外径を有し、シート部137に着座可能な有孔円板状をなしている。ディスク119には、外周側に複数の切欠119aが形成されており、径方向の中間部に切欠119aに繋がる貫通穴119bが形成されている。ディスク120は、ディスク119の外径と同径の外径を有している。ディスク120には、径方向の中間部に貫通穴120aが形成されている。ディスク121は、ディスク119の外径と同径の外径を有している。ディスク121には、外周側に複数の切欠121aが形成されている。複数枚のディスク122は、いずれもディスク119の外径と同径の外径を有している。
ディスク119〜122とシート部137とが、シート部材118に設けられたパイロット室140と下室20との間の油液の流れを抑制するディスクバルブ153を構成している。ディスク119の切欠119a、貫通穴119b、ディスク120の貫通穴120aおよびディスク121の切欠121aは、ディスク119がシート部137に当接状態にあってもパイロット室140を下室20に連通させる固定オリフィスであるオリフィス154を形成している。ディスクバルブ153は、ディスク122がディスク121から離れたり、ディスク119がシート部137から離れたりすることで、オリフィス154よりも広い通路面積でパイロット室140を下室20に連通させる。ディスク124は、剛性の高い規制部材125に当接しており、ディスクバルブ153の開方向への変形時にディスク122に当接してディスクバルブ153の規定以上の変形を規制する。
縮み側の減衰力発生機構105も、伸び側と同様、圧力制御型のバルブ機構であり、軸方向のピストン18側から順に、複数枚のディスク161と、一枚の当接ディスク162と、一枚の減衰バルブ本体163と、一枚のディスク164と、複数枚のディスク165と、一枚のディスク166と、一枚のディスク167と、一つのシート部材168と、一枚のディスク169と、一枚のディスク170と、一枚のディスク171と、複数枚のディスク172と、一枚のディスク173と、複数枚のディスク174とを有している。
シート部材168は、軸直交方向に沿う有孔円板状の底部181と、底部181の内周側に形成された軸方向に沿う円筒状の内側円筒状部182と、底部181の外周側に形成された軸方向に沿う円筒状の外側円筒状部183とを有している。底部181は、内側円筒状部182および外側円筒状部183に対し軸方向の一側にずれており、底部181には、軸方向に貫通する複数の貫通穴184が形成されている。内側円筒状部182の内側には、軸方向の底部181側に先端ロッド27の取付軸部57を嵌合させる小径穴部185が形成されており、軸方向の底部181とは反対側に小径穴部185より大径の大径穴部186が形成されている。シート部材168の外側円筒状部183には、その軸方向の底部181側の端部に、環状のシート部187が形成されており、このシート部187にディスク169が着座する。
シート部材168の底部181と内側円筒状部182と外側円筒状部183とで囲まれた軸方向の底部181とは反対側の空間と、シート部材168の貫通穴184とは、減衰バルブ本体163にピストン18の方向に圧力を加えるパイロット室190となっている。先端ロッド27の上記した通路穴50と、シート部材168の大径穴部186と、後述するディスク166,167に形成されたオリフィス201とが、ロッド内通路32とパイロット室190とに接続されて、このパイロット室190にロッド内通路32を介して上室19および下室20から油液を導入可能なパイロット室流入通路191を構成している。
複数枚のディスク161は、ピストン18のシート部108よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク162は、ピストン18のシート部108よりも大径の外径を有しシート部108に着座可能な有孔円板状をなしている。
減衰バルブ本体163は、当接ディスク162の外径と同径の外径を有する有孔円板状のディスク195と、ディスク195のピストン18とは反対の外周側に固着されたゴム材料からなる円環状のシール部材196とからなっている。当接ディスク162と減衰バルブ本体163とが、ピストン18に設けられた通路102とシート部材168に設けられたパイロット室190との間に設けられてピストン18の縮み側への移動によって生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる縮み側の減衰バルブ197を構成している。よって、この減衰バルブ197はディスクバルブとなっている。なお、当接ディスク162およびディスク195には、ピストンロッド21の取付軸部57を挿通させる中央の孔以外に軸方向に貫通する部分は形成されていない。
減衰バルブ本体163のシール部材196は、シート部材168の外側円筒状部183の内周面に接触して、減衰バルブ本体163と外側円筒状部183との隙間をシールする。よって、減衰バルブ本体163とシート部材168との間の上記したパイロット室190は、減衰バルブ本体163に、ピストン18の方向、つまりシート部108に当接ディスク162を当接させる閉弁方向に内圧を作用させる。減衰バルブ197は、パイロット室190を有するパイロットタイプの減衰バルブであり、当接ディスク162がピストン18のシート部108から離座して開くと、通路102からの油液をピストン18とシート部材168との間の径方向の通路198を介して上室19に流す。
ディスク164は、ディスク195の外径よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。複数枚のディスク165は、ディスク161と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク166は、ディスク165と同径の外径を有する有孔円板状をなしており、外周側に複数の切欠166aが形成されている。ディスク167は、ディスク166と同径の外径を有する有孔円板状をなしており、内周側に複数の切欠167aが形成されている。ディスク166の切欠166aとディスク167の切欠167aとは、連通してオリフィス201を形成しており、上記したように、このオリフィス201によってシート部材168の大径穴部186内とパイロット室190とが連通する。
ディスク169は、シート部材168のシート部187よりも大径の外径を有し、シート部187に着座可能な有孔円板状をなしている。ディスク169には、外周側に複数の切欠169aが形成されており、径方向の中間部に切欠169aに繋がる貫通穴169bが形成されている。ディスク170は、ディスク169の外径と同径の外径を有している。ディスク170には、径方向の中間部に貫通穴170aが形成されている。ディスク171は、ディスク169の外径と同径の外径を有している。ディスク171には、外周側に複数の切欠171aが形成されている。複数枚のディスク172は、いずれもディスク169の外径と同径の外径を有している。
ディスク169〜172とシート部187とが、シート部材168に設けられたパイロット室190と上室19との間の油液の流れを抑制するディスクバルブ203を構成している。ディスク169の切欠169a、貫通穴169b、ディスク170の貫通穴170aおよびディスク171の切欠171aは、ディスク169がシート部187に当接状態にあってもパイロット室190を上室19に連通させる固定オリフィスであるオリフィス204を形成している。ディスクバルブ203は、ディスク172がディスク171から離れたり、ディスク169がシート部187から離れたりすることでオリフィス204よりも広い通路面積でパイロット室190を上室19に連通させる。複数枚のディスク174は、ディスク169〜172の開方向への変形時にディスク172に当接してディスク169〜172の規定以上の変形を規制する。
図4に示すように、先端ロッド27の先端のオネジ61には、ナットを兼用する減衰力可変機構210が螺合されている。減衰力可変機構210は、外部から制御されることなく周波数(振動状態)により減衰力を可変とする周波数感応部である。減衰力可変機構210は、締め付けられることにより、図2に示す複数枚のディスク73、ディスク74、複数枚の付勢ディスク75、開閉ディスク76、中間ディスク77、中間ディスク78、当接ディスク79、通路形成部材80、複数枚のディスク174、ディスク173、複数枚のディスク172、ディスク171、ディスク170、ディスク169、図3に示すシート部材168、ディスク167、ディスク166、複数枚のディスク165、ディスク164、減衰バルブ本体163、当接ディスク162、複数枚のディスク161、ピストン18、複数枚のディスク111、当接ディスク112、減衰バルブ本体113、ディスク114、複数枚のディスク115、ディスク116、ディスク117、シート部材118、ディスク119、ディスク120、ディスク121、複数枚のディスク122、ディスク123、ディスク124および規制部材125を、図2に示す先端ロッド27のフランジ部56との間に挟持して、これらをピストンロッド21に連結する。
図4に示すように、減衰力可変機構210は、先端ロッド27の先端のオネジ61に螺合されるメネジ315が形成された蓋部材316と、この蓋部材316にその一端開口側が閉塞されるように取り付けられる略円筒状のハウジング本体317と、これらの間に介装されるスペーサ318とからなるハウジング320と、このハウジング320内に摺動自在に挿入されるフリーピストン321と、フリーピストン321とハウジング320の蓋部材316との間に介装されてフリーピストン321がハウジング320に対し軸方向の蓋部材316側へ移動したときに圧縮変形する縮み側の弾性体であるOリング326と、フリーピストン321とハウジング320のハウジング本体317との間に介装されてフリーピストン321がハウジング320に対し上記とは反対側へ移動したときに圧縮変形する伸び側の弾性体であるOリング327とで構成されている。なお、図4においては便宜上自然状態のOリング326,327を図示している(フリーピストン321およびハウジング320に食い込んでいるわけではない)。特にOリング327は、フリーピストン321の外周部とハウジング320の内周部との隙間を密閉するシールとしても機能するので、取り付けられた状態で常時、変形(断面非円形)しているように配置されることが望ましい。上記したOリング326はフリーピストン321が一方向へ移動したときに圧縮変形してフリーピストン321の変位に対し抵抗力を発生する抵抗要素となっており、Oリング327はフリーピストン321が他方向へ移動したときに圧縮変形してフリーピストン321の変位に対し抵抗力を発生する抵抗要素となっている。
蓋部材316は、切削加工を主体として形成されるもので、略円筒状の蓋内筒部330と、この蓋内筒部330の軸方向の一端部から径方向外側に延出する有孔円板状の蓋基板部331と、蓋基板部331の外周側から蓋内筒部330と同方向に延出する蓋外筒部332と、蓋内筒部330の軸方向の蓋基板部331とは反対側から径方向内側に突出する環状の内フランジ部333とを有している。内フランジ部333の内側は軸方向に貫通する貫通孔334となっている。蓋外筒部332の外周側にはオネジ335が形成されている。
蓋内筒部330の内周部に、上記したメネジ315が形成されている。蓋外筒部332の内周面は、蓋基板部331側から順に、円筒面部336および傾斜面部337を有している。円筒面部336は一定径をなしており、円筒面部336に繋がる傾斜面部337は、円筒面部336から軸方向に離れるほど大径となる円環状となっている。傾斜面部337は蓋部材316の中心軸線を含む断面が略円弧状をなしている。
ハウジング本体317は、切削加工を主体として形成されるもので、軸方向一側に径方向内方に突出する内側環状突起340が形成された略円筒状をなしている。ハウジング本体317の内周面には、軸方向一側から順に、小径円筒面部341、傾斜面部342、大径円筒面部343およびメネジ344が形成されている。小径円筒面部341は一定径をなしており、小径円筒面部341に繋がる傾斜面部342は、小径円筒面部341から離れるほど大径となる円環状となっており、傾斜面部342に繋がる大径円筒面部343は、小径円筒面部341より大径の一定径をなしている。傾斜面部342はハウジング本体317の中心軸線を含む断面が略円弧状をなしている。小径円筒面部341および傾斜面部342は、内側環状突起340に形成されている。なお、ハウジング本体317を円筒状と記述しているが、内周面は断面円形となることが望ましいが、外周面は、多角形等断面非円形であってもよい。
ハウジング本体317の内側環状突起340とは反対側の端部と、蓋部材316の蓋基板部331の蓋外筒部332よりも径方向外側に突出する部分とでスペーサ318を挟持するようにして、ハウジング本体317のメネジ344に、蓋部材316のオネジ335が螺合される。これにより、ハウジング本体317、蓋部材316およびスペーサ318が一体化されてハウジング320となる。蓋部材316の蓋外筒部332は、ハウジング320において大径円筒面部343よりも径方向内側に突出する円環状の小径部を構成しており、この部分に傾斜面部337が形成されている。また、ハウジング本体317の内側環状突起340は、ハウジング320において大径円筒面部343よりも径方向内側に突出する円環状の小径部を構成しており、この部分に傾斜面部342が形成されている。これら傾斜面部337と傾斜面部342とが軸方向に対向するように配置されている。
フリーピストン321は、切削加工を主体として形成される筒状のフリーピストン本体346と、フリーピストン本体346に一体的に取り付けられるシール部材347および二枚の通路形成ディスク348,349とを有している。なお、図4においては、メータリングピン31を仮想線(二点鎖線)で示し、シール部材347を、メータリングピン31が挿通される前の自然状態で示している(メータリングピン31に食い込んでいるわけではない)。フリーピストン本体346には、他の部分より大径となるように径方向外方に突出する円環状の外側環状突起350が軸方向の中間位置に形成されている。
フリーピストン本体346の外周面には、軸方向の一側から順に、テーパ面部352、小径円筒面部353、傾斜面部354、大径円筒面部355、傾斜面部356、小径円筒面部357およびテーパ面部358が形成されている。傾斜面部354、大径円筒面部355および傾斜面部356は、外側環状突起350に形成されている。
テーパ面部352は、軸方向の小径円筒面部353とは反対側ほど小径となるテーパ状をなしている。テーパ面部352の大径側に繋がる小径円筒面部353は一定径となっており、この小径円筒面部353に繋がる傾斜面部354は小径円筒面部353から軸方向に離れるほど大径となる円環状となっている。傾斜面部354に繋がる大径円筒面部355は、小径円筒面部353より大径の一定径をなしている。傾斜面部354はフリーピストン321の中心軸線を含む断面が略円弧状をなしている。
大径円筒面部355に繋がる傾斜面部356は、大径円筒面部355から離れるほど小径となる円環状をなしている。傾斜面部356に小径円筒面部357が繋がっており、この小径円筒面部357は、小径円筒面部353と同径の一定径となっている。小径円筒面部357に繋がるテーパ面部358は、軸方向の小径円筒面部357とは反対側ほど小径となるテーパ状をなしている。傾斜面部356はフリーピストン321の中心軸線を含む断面が略円弧状をなしている。外側環状突起350はその軸線方向の中央位置を通る平面に対して対称形状をなしている。
フリーピストン本体346の内周面には、軸方向の一側から順に、大径円筒面部360、段面部361、小径円筒面部362、段面部363、円筒面部364、テーパ面部365、中間内周面部366、段面部367および大径円筒面部368が形成されている。
大径円筒面部360は一定径となっており、大径円筒面部360に繋がる段面部361は、大径円筒面部360から径方向内方に延出する平坦面となっている。段面部361の内周部に繋がる小径円筒面部362は、大径円筒面部360よりも小径の一定径となっており、小径円筒面部362に繋がる段面部363は、小径円筒面部362から径方向外方に延出する平坦面となっている。段面部363の外周部に繋がる円筒面部364は、大径円筒面部360よりも小径かつ小径円筒面部362よりも大径の一定径となっており、円筒面部364に繋がるテーパ面部365は、円筒面部364から離れるほど小径となっている。テーパ面部365に繋がる中間内周面部366は、大径円筒面部360よりも小径かつ円筒面部364よりも大径であり、中間内周面部366に繋がる段面部367は中間内周面部366から径方向外方に延出する平坦面となっている。段面部367の外周部に繋がる大径円筒面部368は、中間内周面部366よりも大径の一定径となっている。
フリーピストン本体346には、中間内周面部366を軸方向に横断するように段面部367からテーパ面部365まで延在する通路溝369が形成されている。この通路溝369は、中間内周面部366の円周方向に間隔をあけて複数形成されている。
シール部材347は、円環状の弾性ゴム部375と円環状のベース部376とからなる一体成形品である。弾性ゴム部375は、ベース部376に固着されている。ベース部376は金属製となっており、弾性ゴム部375の形状を維持し、フリーピストン本体346への固定のための強度を得るためのものである。弾性ゴム部375は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの摺動性のよい弾性ゴム材料からなっている。
ベース部376は、底部380とテーパ部381と円筒部382とからなっている。底部380は有孔円板状をなしており、テーパ部381は底部380の外周側から軸方向に拡径しつつ延びるテーパ筒状をなしている。円筒部382は、テーパ部381の底部380とは反対の端部から底部380とは反対方向に延びる円筒状をなしている。
弾性ゴム部375は、ベース部376と中心軸を一致させた円環状をなしている。弾性ゴム部375は、ベース部376の底部380の軸方向のテーパ部381側の面と、テーパ部381および円筒部382の内周面とに固着されている。弾性ゴム部375は、自然状態にあるとき、その内周面が、互いの境界部分に最小内径部390を形成するテーパ面部391とテーパ面部392とからなっている。最小内径部390はシール部材347の中で最も小径となっている。
通路形成ディスク348,349は、いずれも全体として円環状をなしており、通路形成ディスク348には外周側に切欠部394が、通路形成ディスク349には内周側に切欠部395が、それぞれ形成されている。通路形成ディスク349が、フリーピストン本体346の円筒面部364に嵌合しながら段面部363上に載置され、その上に通路形成ディスク348が、円筒面部364に嵌合しながら載置される。この状態で、シール部材347が、ベース部376の円筒部382においてフリーピストン本体346の中間内周面部366に圧入されることになり、その際に、ベース部376の底部380とフリーピストン本体346の段面部363との間に通路形成ディスク348,349を挟持する。
シール部材347とフリーピストン本体346との間には、フリーピストン本体346に形成された通路溝369と、通路形成ディスク348に形成された切欠部394と、通路形成ディスク349に形成された切欠部395とによって通路397が形成されており、切欠部394,395の間の開口部分が通路397で最も流路面積が狭い固定オリフィスであるオリフィス398となっている。
フリーピストン321は、テーパ面部352を軸方向の内側環状突起340側の端部に配置するようにして、ハウジング320内に配置されることになる。ハウジング320内に配置された状態で、フリーピストン321は、大径円筒面部355がハウジング本体317の大径円筒面部343を軸方向に移動し、一側のテーパ面部352および小径円筒面部353がハウジング本体317の小径円筒面部341を軸方向に移動し、他側の小径円筒面部357およびテーパ面部358が蓋部材316の蓋外筒部332の円筒面部336を軸方向に移動する。
フリーピストン321がハウジング320内に配置された状態で、ハウジング本体317の傾斜面部342とフリーピストン321の傾斜面部354とがこれらの径方向において位置を重ね合わせることになる。よって、これら傾斜面部342および傾斜面部354がフリーピストン321の移動方向で対向する。加えて、蓋部材316の傾斜面部337とフリーピストン321の傾斜面部356とがこれらの径方向において位置を重ね合わせることになる。よって、これら傾斜面部337および傾斜面部356がフリーピストン321の移動方向で対向する。
フリーピストン321の小径円筒面部353および傾斜面部354と、ハウジング本体317の傾斜面部342および大径円筒面部343との間に、言い換えれば、フリーピストン321の外側環状突起350とハウジング320の内側環状突起340との間に、Oリング327(図2において自然状態を図示)が配置されている。このOリング327は、自然状態にあるとき、中心軸線を含む片側断面が円形状をなし、内径がフリーピストン321の小径円筒面部353よりも小径で、外径がハウジング本体317の大径円筒面部343よりも大径となっている。つまり、Oリング327は、フリーピストン321およびハウジング320の両方に対してこれらの径方向に締め代をもって嵌合される。
また、ハウジング320の大径円筒面部343および傾斜面部337と、フリーピストン321の傾斜面部356および小径円筒面部357との間に、言い換えれば、フリーピストン321の外側環状突起350とハウジング320の蓋外筒部332との間に、Oリング326(図2において自然状態を図示)が配置されている。このOリング326は、自然状態にあるとき、中心軸線を含む断面が円形状をなしており、内径がフリーピストン321の小径円筒面部357よりも小径で、外径がハウジング320の大径円筒面部343よりも大径となっている。つまり、Oリング326も、フリーピストン321およびハウジング320の両方に対してこれらの径方向に締め代をもって嵌合される。
両方のOリング326,327は、同じ大きさのものであり、フリーピストン321をハウジング320に対して軸方向の所定の中立位置に保持するように付勢するとともにフリーピストン321のハウジング320に対する軸方向両側の移動を許容する。Oリング326は、軸方向に圧縮変形するとフリーピストン321をOリング327側へ押圧し、Oリング327は、軸方向に圧縮変形するとフリーピストン321をOリング326側へ押圧する。
フリーピストン321においては、Oリング326が小径円筒面部357、傾斜面部356に接触することになり、これらのうち傾斜面部356は、フリーピストン321の移動方向に対し傾斜している。また、ハウジング320においては、Oリング326がハウジング320の大径円筒面部343および傾斜面部337に接触することになり、これらのうち傾斜面部337は、フリーピストン321の移動方向に対し傾斜している。
なお、減衰力可変機構210を組み立てる場合には、例えば、ハウジング本体317内に傾斜面部342の位置までOリング327を挿入し、これらハウジング本体317およびOリング327の内側にフリーピストン321を嵌合させる。その際に、フリーピストン321は、大径円筒面部355が、ハウジング本体317の大径円筒面部343に案内され、その後、テーパ面部352が小径側からハウジング本体317の小径円筒面部341に挿入される。次に、ハウジング本体317とフリーピストン321との間に傾斜面部356の位置までOリング326を挿入し、オネジ335をメネジ344に螺合させることで、蓋部材316をハウジング本体317に取り付ける。このように予め組み立てられた減衰力可変機構210が、ピストンロッド21の先端ロッド27のオネジ61にメネジ315を螺合させて取り付けられることになり、その際に、蓋部材316の蓋基板部331が規制部材125に当接することになる。減衰力可変機構210の蓋部材316は、ピストンロッド21の一部を構成している。蓋部材316の蓋内筒部330および内フランジ部333の内側もメータリングピン31が挿入される挿入穴30を構成している。減衰力可変機構210の外径は、内筒3の内径よりも流路抵抗とならない程度に小さく設定されている。
減衰力可変機構210の蓋部材316およびシール部材347には、内側にメータリングピン31が挿入される。シール部材347は、その内周部においてメータリングピン31の外周部を摺接させることになる。シール部材347が自然状態にあるとき、その最小内径部390は、シール部材347と摺接するメータリングピン31の摺接部分よりも小径となっており、よって、シール部材347は、弾性変形することによりメータリングピン31に常に所定の締め代をもって接触する。シール部材347は、減衰力可変機構210とメータリングピン31との隙間をシールするとともに、弾性力でメータリングピン31をピストンロッド21に対して同軸状に保持する。シール部材347は、メータリングピン31に生じる振動を減衰させる。ピストンロッド21がシリンダ内外方向に移動すると、シール部材347は、メータリングピン31に摺接しつつピストンロッド21と一体に移動する。
メータリングピン31は、図1に示すようにベースバルブ25に支持される支持フランジ部220と、支持フランジ部220よりも小径で支持フランジ部220から軸方向に延出する図4に示す大径軸部222と、大径軸部222の支持フランジ部220とは反対側から軸方向に延出するテーパ軸部223と、テーパ軸部223の大径軸部222とは反対側から軸方向に延出する小径軸部224とを有している。大径軸部222は一定径であり、小径軸部224は大径軸部222よりも小径の一定径である。テーパ軸部223は、大径軸部222の小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223aと、テーパ部223aの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223bと、テーパ部223bの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223cと、テーパ部223cの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223dと、テーパ部223dの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなして小径軸部224の大径軸部222側の端部に連続するテーパ部223eとを有している。外径差を軸方向長で除算したテーパ量は、テーパ部223d、テーパ部223e、テーパ部223a、テーパ部223b、テーパ部223cの順に大きくなっている。
ピストンロッド21の挿入穴30に挿入された状態で、メータリングピン31は、挿入穴30との間にロッド内通路32を形成している。ピストンロッド21のシリンダ2内の端側に位置する蓋部材316の内フランジ部333とメータリングピン31との隙間は、ロッド内通路32のうちの下室20と連通する側のオリフィス225となっている。
オリフィス225は、メータリングピン31の大径軸部222が内フランジ部333内の貫通孔334と軸方向位置を合わせると通路面積が最も狭くなる。また、オリフィス225は、メータリングピン31の小径軸部224が貫通孔334と軸方向位置を合わせると通路面積が最も広くなる。さらに、オリフィス225は、メータリングピン31のテーパ軸部223が貫通孔334と軸方向位置を合わせると、テーパ軸部223の小径軸部224側ほど通路面積が徐々に広くなるようになっている。
蓋部材316の貫通孔334と、メータリングピン31とが、ピストンロッド21のシリンダ2に対する変位に応じて通路面積が変化可能なオリフィス225を含みこのオリフィス225の通路面積をピストンロッド21のシリンダ2に対する位置により調整する通路面積調整機構227を構成している。オリフィス225は通路面積が可変の可変オリフィスとなっている。通路面積調整機構227は、ピストンロッド21の位置に感応して減衰力を変化させる。
上記通路面積調整機構227による、緩衝器1のストローク位置に対するオリフィス225の通路面積は、縮み側の第1所定位置よりも縮み側では、貫通孔334と大径軸部222とが軸方向位置を合わせることになって最小の一定値となり、第1所定位置から1G位置を挟んで伸び側の第2所定位置までは貫通孔334とテーパ軸部223とが軸方向位置を合わせることになって伸び側ほど大きくなり、この第2所定位置から伸び側では貫通孔334と小径軸部224とが軸方向位置を合わせることになって最大の一定値となる。
ハウジング320内には、ハウジング320とメータリングピン31とによって、通路397を含むハウジング内通路400が形成されている。ハウジング内通路400は、ロッド内通路32に常時連通しており、ロッド内通路32は、ハウジング内通路400との境界部分がオリフィス225になっている。図2に示すオリフィス88を含む通路89と、オリフィス225を含むロッド内通路32と、ハウジング内通路400と、下室20のフリーピストン321がハウジング320に対して移動することにより増減する部分とが、ロッド側通路(第2の通路)402を構成しており、このロッド側通路402が、図3に示すピストン18の移動により上室19および下室20間を作動流体が流れるように連通することになる。よって、ハウジング320には、内部にロッド側通路402の一部の通路としてのハウジング内通路400が形成されており、フリーピストン321は、このハウジング320内に移動可能に設けられてロッド側通路402を上流側と下流側とに画成する。ロッド側通路402は、シリンダ2内の上室19および下室20のうちの一方である上室19に連通されており、ピストン18の上室19側への移動により上室19の圧力が上昇すると上室19から油液が流れ出すことになる。
伸び行程でのピストン18の上室19側への移動により上室19の油液がロッド内通路32およびハウジング内通路400に流れると、フリーピストン321が下室20側に突出しながらハウジング320に対して軸方向の蓋部材316とは反対側へ移動する。すると、フリーピストン321とハウジング320との間に設けられた一方のOリング327が、フリーピストン321の外側環状突起350の傾斜面部354と、ハウジング320の内側環状突起340の傾斜面部342とに当接し、これらで挟まれて弾性変形させられる。つまり、この一方のOリング327は、伸び行程でのフリーピストン321の一方への移動に対し弾性力を発生する。
縮み行程でのピストン18の下室20側への移動により下室20の油液がフリーピストン321を押圧すると、フリーピストン321がハウジング内通路400を狭めながらハウジング320に対して軸方向の蓋部材316側へ移動する。すると、フリーピストン321とハウジング320との間に設けられた他方のOリング326が、フリーピストン321の外側環状突起350の傾斜面部356と、ハウジング320の蓋外筒部332の傾斜面部337とに当接し、これらで挟まれて弾性変形させられる。つまり、この他方のOリング326は、縮み行程でのフリーピストン321の他方への移動に対し弾性力を発生する。
図1に示すように、外筒4の底部材8と内筒3との間には、上記したベースバルブ25が設けられている。このベースバルブ25は、下室20とリザーバ室6とを仕切るベースバルブ部材231と、このベースバルブ部材231の下側つまりリザーバ室6側に設けられるディスク232と、ベースバルブ部材231の上側つまり下室20側に設けられるディスク233と、ベースバルブ部材231にディスク232およびディスク233を取り付ける取付ピン234と、ベースバルブ部材231の外周側に装着される係止部材235と、メータリングピン31の支持フランジ部220を支持する支持板236とを有している。取付ピン234は、ディスク232およびディスク233の径方向中央側をベースバルブ部材231との間で挟持する。
ベースバルブ部材231は、径方向の中央内周部に取付ピン234が挿通される円環状をなしている。ベースバルブ部材231には、下室20とリザーバ室6との間で油液を流通させる複数の通路穴239と、これら通路穴239の径方向の外側にて、下室20とリザーバ室6との間で油液を流通させる複数の通路穴240とが形成されている。リザーバ室6側のディスク232は、下室20から内側の通路穴239を介してリザーバ室6への油液の流れを許容する一方でリザーバ室6から下室20への内側の通路穴239を介しての油液の流れを規制する。ディスク233は、リザーバ室6から外側の通路穴240を介して下室20への油液の流れを許容する一方で下室20からリザーバ室6への外側の通路穴240を介しての油液の流れを規制する。
ディスク232は、緩衝器1の縮み行程において開弁して下室20からリザーバ室6に油液を流すとともに減衰力を発生する縮み側の減衰バルブを構成している。ディスク233は、緩衝器1の伸び行程において開弁してリザーバ室6から下室20内に油液を流すサクションバルブを構成している。なお、ディスク233は、主としてピストンロッド21のシリンダ2からの伸び出しにより生じる液の不足分を補うようにリザーバ室6から下室20に実質的に減衰力を発生させることなく液を流す機能を果たす。
係止部材235は、筒状をなしており、その内側にベースバルブ部材231を嵌合させる。ベースバルブ部材231は、この係止部材235を介して内筒3の下端の内周部に嵌合している。係止部材235のピストン18側の端部には径方向内側に延出する係止フランジ部245が形成されている。支持板236は、外周部が係止フランジ部245のピストン18とは反対側に係止され、内周部がメータリングピン31の支持フランジ部220のピストン18側に係止されている。これにより、係止部材235および支持板236がメータリングピン31の支持フランジ部220を取付ピン234に当接する状態に保持する。
図5に示すように、ロッドガイド22は、軸方向一側に大径外径部252が形成され、軸方向他側に大径外径部252よりも小径の小径外径部253が形成された外形形状をなしている。ロッドガイド22は、焼結部品であり、大径外径部252において外筒4に嵌合し、小径外径部253において内筒3の内周部に嵌合する。
ロッドガイド22の径方向の中央には、大径穴部254と中間穴部255と小径穴部256とが形成されている。大径穴部254は、ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側に形成されている。中間穴部255は、大径穴部254よりも小径であり、ロッドガイド22の軸方向の大径穴部254よりも小径外径部253側に形成されている。小径穴部256は、大径穴部254よりも小径且つ中間穴部255より若干大径であり、ロッドガイド22の軸方向の中間穴部255の大径穴部254とは反対側に形成されている。
大径穴部254には、その内周面および底面に連続して連通溝257が形成されている。連通溝257は、大径穴部254の内周面に軸方向の全長にわたって形成され、大径穴部254の底面に径方向の全長にわたって形成されている。
ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側の端面には、環状凸部258が形成されている。環状凸部258は、ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側の端部から軸方向外方に突出するように形成されている。ロッドガイド22には、環状凸部258の内側に連通穴261が形成されている。連通穴261は、ロッドガイド22の大径外径部252を軸方向に貫通しており、外筒4と内筒3との間のリザーバ室6に連通している。
シール部材23は、シリンダ2の軸方向の一端部に配置され、その内周部においてピストンロッド21のロッド本体26の外周部に圧接することになる。シール部材23は、その内周部で、軸方向に移動するピストンロッド21の外周部に摺接して、内筒3内の油液と外筒4内のリザーバ室6の高圧ガスおよび油液とが、ロッドガイド22とピストンロッド21との隙間、およびロッドガイド22と外筒4との隙間から外部に漏洩するのを防止する。なお、図4においては、ピストンロッド21を仮想線(二点鎖線)で示し、シール部材23を、ピストンロッド21が挿通される前の自然状態で示している(ピストンロッド21に食い込んでいるわけではない)。
シール部材23は、シール部265と円環状の環状部材266とからなる一体成形品のシール部材本体267と、環状のスプリング268と、環状のスプリング269とからなっている。シール部265は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの摺動性のよい弾性ゴム材料からなっている。環状部材266は、シール部265内に埋設されシール部材23の形状を維持し、固定のための強度を得るためのもので、金属製となっている。
シール部265は、その径方向の内側に、円環筒状のダストリップ272と、円環筒状のオイルリップ273とを有している。ダストリップ272は、環状部材266の内周側のシリンダ内外方向外側から軸方向に沿って環状部材266から離れる方向に延出している。オイルリップ273は、環状部材266の内周側のシリンダ内外方向内側から軸方向に沿って環状部材266から離れる方向に延出している。スプリング268はダストリップ272の外周部に嵌合されており、スプリング269はオイルリップ273の外周部に嵌合されている。
また、シール部265は、その径方向外側に、外周シール274と、円環状のシールリップ275とを有している。外周シール274は環状部材266の外周面を覆っている。シールリップ275は、外周シール274からシリンダ内外方向内側に延出している。さらに、シール部265は、円環状のチェックリップ276を有している。このチェックリップ276は、シール部265の径方向中間部分のシリンダ内外方向内側から、シリンダ内外方向内側に拡径しつつ延出している。
ダストリップ272は、自然状態にあるとき、全体として環状部材266からシリンダ内外方向外側に離れるほど内径が小径となる先細筒状をなしている。ダストリップ272の外周部は、径方向内方に凹む形状をなしており、この部分に上記したスプリング268が嵌合されている。
オイルリップ273は、自然状態にあるとき、全体として環状部材266からシリンダ内外方向内側に離れるほど小径となる先細筒状をなしている。オイルリップ273の外周部は、径方向内方に凹む形状をなしており、この部分に上記したスプリング269が嵌合されている。また、オイルリップ273は、内周部が段差状をなしている。
シール部材23は、ダストリップ272がシリンダ内外方向の外側に配置され、オイルリップ273がシリンダ内外方向の内側に配置された状態で、外周シール274において外筒4に密封接触することになる。シール部材23は、この状態で、シール部265の環状部材266の位置がロッドガイド22の環状凸部258と外筒4の係止部12とに挟持される。この際に、シール部材23は、シールリップ275が、ロッドガイド22の環状凸部258と外筒4との間に配置されて、これらに密封接触する。また、オイルリップ273がロッドガイド22の大径穴部254内に配置される。
そして、シリンダ2に取り付けられた状態のシール部材23には、ダストリップ272およびオイルリップ273の内側にピストンロッド21のロッド本体26が挿通されることになる。この状態で、ピストンロッド21はその一端がシリンダ2の一端から突出することになる。また、この状態で、ダストリップ272は、シリンダ2のピストンロッド21が突出する一端側に設けられ、オイルリップ273は、ダストリップ272よりもシリンダ内外方向の内側に設けられることになる。
ダストリップ272に嵌合されるスプリング268は、ダストリップ272のピストンロッド21への密着方向の締付力を一定状態に保つためのものである。また、このスプリング268は、設計仕様を満足させるための締付力の調整にも用いられる。オイルリップ273に嵌合されるスプリング269は、オイルリップ273のピストンロッド21への密着方向の締付力を調整する。
シール部265のロッドガイド22側のチェックリップ276は、ロッドガイド22の環状凸部258よりも内側部分に所定の締め代を持って全周にわたり密封接触可能となっている。ここで、ロッドガイド22とピストンロッド21との隙間から漏れ出た油液は、シール部材23のチェックリップ276よりもこの隙間側の主に大径穴部254により形成される室280に溜まることになる。チェックリップ276は、この室280の圧力が、リザーバ室6の圧力よりも所定量高くなった時に開いて室280に溜まった油液を連通穴261を介してリザーバ室6に流す。つまり、チェックリップ276は、室280からリザーバ室6への方向にのみ油液およびガスの流通を許容し逆方向の流通を規制する逆止弁として機能する。
上記のシール部材23は、ダストリップ272がその締め代およびスプリング268による緊迫力でピストンロッド21に密着して密封性を保持することになる。シール部材23は、外部露出時にピストンロッド21に付着した異物の内部への進入を主にこのダストリップ272が規制することになる。シール部材23は、オイルリップ273がその締め代およびスプリング269による緊迫力でピストンロッド21に密着して密封性を保持することになる。シール部材23は、ピストンロッド21の内筒3内への進入時にピストンロッド21に付着した油液が、ピストンロッド21の外部への露出にともなって外部へ漏出することを主にこのオイルリップ273によって規制することになる。
摩擦部材24は、ロッドガイド22の大径穴部254内の底部側に嵌合されることになり、よって、シール部材23よりもシリンダ2の内部側に配置されている。摩擦部材24は、その内周部においてピストンロッド21のロッド本体26の外周部に圧接することになり、ピストンロッド21への摩擦抵抗を発生させる。なお、図5においては、ピストンロッド21を仮想線(二点鎖線)で示し、摩擦部材24を、ピストンロッド21が挿通される前の自然状態で示している(ピストンロッド21に食い込んでいるわけではない)。
摩擦部材24は、円環状の弾性ゴム部291と円環状のベース部292とからなる一体成形品である。弾性ゴム部291は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの弾性ゴム材料からなっており、ベース部292に固着されている。ベース部292は金属製となっており、弾性ゴム部291の形状を維持し、ロッドガイド22への固定のための強度を得るためのものである。
摩擦部材24は、ベース部292が、底部301と筒部302とからなっている。底部301は有孔円板状をなしており、筒部302は底部301の外周側から軸方向に延びる円筒状をなしている。これら底部301および筒部302は中心軸を一致させており、言い換えれば、底部301に対し筒部302は垂直に延出している。
弾性ゴム部291は、ベース部292と中心軸を一致させた円環状をなしている。弾性ゴム部291は、ベース部292の底部301の内周面を覆うとともに底部301の軸方向の筒部302側を覆っており、底部301から軸方向の筒部302側に延出して設けられている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、筒部302から径方向に離間しており、筒部302と対向する外周側が軸方向の底部301側ほど大径となるテーパ面305となっている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、その内周面が、最小内径部307と拡径部308と拡径部309とを有している。最小内径部307は、摩擦部材24の中で最も小径となっている。拡径部308は、最小内径部307の軸方向の底部301とは反対側にあって最小内径部307から離れるほど大径となるテーパ状をなしている。拡径部309は、最小内径部307の軸方向の底部301側にあって最小内径部307から離れるほど大径となるテーパ状をなしている。言い換えれば、弾性ゴム部291には、内周側に最小内径部307と最小内径部307の軸方向両側の拡径部308,309とが設けられ、拡径部308,309の境界部分が最小内径部307となっている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、拡径部309の最小内径部307と底部301との間の軸方向長さが、拡径部308の軸方向長さよりも長くなっている。
上記構造の摩擦部材24は、ベース部292の軸方向の筒部302側がシリンダ内外方向の外側に配置され、ベース部292の軸方向の底部301がシリンダ内外方向の内側に配置された状態で、ロッドガイド22の大径穴部254に圧入される。このとき、摩擦部材24は、ベース部292の底部301が大径穴部254の底面に当接する。
そして、シリンダ2に取り付けられた状態の摩擦部材24には、弾性ゴム部291の内側にピストンロッド21のロッド本体26が、所定の締め代をもって挿通されることになり、よって、摩擦部材24は、弾性ゴム部291が径方向外側に弾性変形しつつピストンロッド21のロッド本体26に密着する。そして、ピストンロッド21がシリンダ内外方向に移動するとこれに弾性ゴム部291が摺接する。その際に、摩擦部材24は、摩擦特性の調整を行うことになる。
上記のように摩擦部材24を嵌合させた状態でロッドガイド22の大径穴部254と摩擦部材24との間には、大径穴部254に形成された連通溝257によって連通路311が形成されることになり、この連通路311がロッドガイド22の小径穴部256側と大径穴部254側つまり室280側とを連通させる。ロッドガイド22の小径穴部256側は、ピストンロッド21との隙間を介して上室19に連通しており、よって、連通路311は室280と上室19とを連通させて、これらの差圧を小さくする。言い換えれば、連通路311は、摩擦部材24の軸方向両側を連通させて摩擦部材24の軸方向両側の差圧を小さくする。よって、摩擦部材24は、積極的にシールとしての役割を果たすものではない。摩擦部材24および連通路311が、摩擦部材24によってピストンロッド21の摺動抵抗となって緩衝器1に減衰力を発生させる減衰力発生機構312を構成する。
なお、連通路311に代えて、または、連通路311に加えて、摩擦部材24の内周に軸方向両側の差圧を小さくする連通路を設けてもよい。また、連通路311は常時連通していなくとも、例えば、シリンダ2内から外側への逆止弁を設けてもよい。ようは、摩擦部材24が完全なシールとして作用するものでなければよい。
第1実施形態の緩衝器1の作動を説明する。第1実施形態の緩衝器1は、通路面積調整機構91,227が設けられていることにより、ピストンロッド21の位置により減衰力が変化する位置感応機能を有するものとなっている。
ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、図1に示す緩衝体39がロッドガイド22に当接し、リバウンドスプリング38を含むバネ機構90が縮長している。これにより、通路面積調整機構91が、図2に示すバネ機構90のピストン側バネ受35によって付勢ディスク75および開閉ディスク76を弾性変形させて開閉ディスク76を当接ディスク79に当接させて通路89を閉塞させることになる。また、この最大長側所定範囲では、図4に示す通路面積調整機構227が、メータリングピン31の小径軸部224の軸方向位置に貫通孔334を合わせてオリフィス225の通路面積を最大にすることになる。この最大長側所定範囲では、ロッド内通路32が上記オリフィス225の通路面積において下室20に連通することになり、図3に示す伸び側の減衰力発生機構104のパイロット室140と、縮み側の減衰力発生機構105のパイロット室190とが、図4に示す減衰力可変機構210のハウジング内通路400と、オリフィス225を含むロッド内通路32と、図3に示すパイロット室流入通路141,191とを介して共に下室20に連通する。
この最大長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の外部へ延出される伸び行程では、ピストン18が上室19側に移動し、上室19の圧力が上がり下室20の圧力が下がる。すると、上室19の圧力が、ピストン18に形成された伸び側の通路101を介して伸び側の減衰力発生機構104の減衰バルブ147を構成する減衰バルブ本体113および当接ディスク112に作用する。このとき、減衰バルブ147にシート部107の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室140は、図4に示す減衰力可変機構210のハウジング内通路400、オリフィス225を含むロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路141を介して下室20に連通しているため、下室20に近い圧力状態となって、パイロット圧が下がることになる。よって、減衰バルブ147は、受ける差圧が大きくなり、比較的容易にシート部107から離れるように開いて、ピストン18とシート部材118との間の径方向の通路148を介して下室20側に油液を流す。これにより、減衰力は下がる。つまり、伸び側減衰力がソフトの状態となる。
また、この最大長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の内部へ進入される縮み行程では、ピストン18が下室20側に移動し、下室20の圧力が上がり上室19の圧力が下がる。すると、下室20の油圧がピストン18に形成された縮み側の通路102を介して縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197を構成する減衰バルブ本体163および当接ディスク162に作用する。このとき、減衰バルブ197にシート部108の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室190は、図4に示す減衰力可変機構210のハウジング内通路400、オリフィス225を含むロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路191を介して下室20に連通しているため、下室20に近い圧力状態となり、下室20の圧力上昇と共にパイロット圧も上昇する。
この状態では、ピストン速度が遅い時、パイロット室190の圧力上昇が下室20の圧力上昇に追従可能であるため、減衰バルブ197は、受ける差圧が小さくなり、シート部108から離れにくい状態になる。よって、下室20からの油液は、図4に示す減衰力可変機構210のハウジング内通路400、オリフィス225を含むロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路191からパイロット室190を通り、ディスクバルブ203のオリフィス204を介して上室19に流れ、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して比較的減衰力の上昇率が高くなる。
また、ピストン速度が上記より速い時でも、減衰バルブ197がシート部108から離れにくい状態であり、下室20からの油液は、図4に示す減衰力可変機構210のハウジング内通路400、オリフィス225を含むロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路191からパイロット室190を通り、ディスクバルブ203を開きながら、シート部187とディスク169〜172との間を通って、上室19に流れることになり、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して減衰力の上昇率はやや下がることになる。
以上により、縮み行程の減衰力は、伸び行程の減衰力に比べて高くなり、縮み側減衰力がハードの状態となる。
以上により、縮み行程の減衰力は、伸び行程の減衰力に比べて高くなり、縮み側減衰力がハードの状態となる。
なお、最大長側所定範囲の縮み行程であっても、路面の段差等により生じるインパクトショック発生時等において、ピストン速度がさらに高速の領域になると、パイロット室190の圧力上昇が下室20の圧力上昇に追従できなくなり、縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197に作用する差圧による力の関係は、ピストン18に形成された通路102から加わる開方向の力がパイロット室190から加わる閉方向の力よりも大きくなる。よって、この領域では、ピストン速度の増加に伴い減衰バルブ197が開いてシート部108から離れることになり、ディスク169〜172とシート部187との間を通る上室19への流れに加え、ピストン18とシート部材168との間の径方向の通路198を介して上室19に油液を流すため、減衰力の上昇を抑えることになる。このときのピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して減衰力の上昇率がほとんどないことになる。よって、ピストン速度が速く周波数が比較的高い、路面の段差等により生じるインパクトショック発生時等において、上記のようにピストン速度の増加に対する減衰力の上昇を抑えることで、ショックを十分に吸収する。
以上、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲は、図6の位置P4よりも伸び側(図6の右側)の範囲であり、図6に実線U1で示すように伸び側減衰力がソフトの状態となり、図6に実線U2で示すように縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性となる。
他方、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、リバウンドスプリング38が縮長せず、図2に示す通路面積調整機構91は、リバウンドスプリング38を含むバネ機構90により押圧されずに開閉ディスク76を当接ディスク79から離間させて通路89のオリフィス88の通路面積を最大にする。また、最小長側所定範囲では、図4に示す通路面積調整機構227が、メータリングピン31の大径軸部222の軸方向位置に貫通孔334を合わせてオリフィス225を閉塞させる。この最小長側所定範囲では、ロッド内通路32が図2に示す上記通路89を介して上室19に連通することになり、図3に示す伸び側の減衰力発生機構104のパイロット室140と、縮み側の減衰力発生機構105のパイロット室190とが、ロッド内通路32を介して共に上室19に連通する。
この最小長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の外部へ延出される伸び行程では、ピストン18が上室19側に移動し、上室19の圧力が上がり下室20の圧力が下がる。すると、上室19の圧力が、ピストン18に形成された伸び側の通路101を介して伸び側の減衰力発生機構104の減衰バルブ147に作用する。このとき、減衰バルブ本体113および当接ディスク112にシート部107の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室140は、図2に示す通路89、ロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路141を介して上室19に連通しているため、上室19に近い圧力状態となり、上室19の圧力上昇と共にパイロット圧も上昇する。
この状態では、ピストン速度が遅い時、パイロット室140の圧力上昇が上室19の圧力上昇に追従可能であるため、減衰バルブ147は、受ける差圧が小さくなり、シート部107から離れにくい状態になる。よって、上室19からの油液は、図2に示す通路89、ロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路141からパイロット室140を通り、ディスクバルブ153のオリフィス154を介して下室20に流れ、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して比較的減衰力の上昇率が高くなる。
また、ピストン速度が上記より速い時でも、減衰バルブ147がシート部107から離れることなく、上室19からの油液は、図2に示す通路89、ロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路141からパイロット室140を通り、ディスクバルブ153を開きながら、シート部137とディスク119〜122との間を通って、下室20に流れることになり、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して減衰力の上昇率はやや下がることになる。
以上により、伸び行程の減衰力は高くなり、伸び側減衰力がハードの状態となる。
以上により、伸び行程の減衰力は高くなり、伸び側減衰力がハードの状態となる。
また、この最小長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の内部へ進入される縮み行程では、ピストン18が下室20側に移動し、下室20の圧力が上がり上室19の圧力が下がる。すると、下室20の油圧がピストン18に形成された縮み側の通路102を介して縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197に作用する。このとき、減衰バルブ197にシート部108の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室190は、図2に示す通路89、ロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路191を介して上室19に連通しているため、上室19に近い圧力状態となり、パイロット圧が下がることになる。よって、減衰バルブ197は、受ける差圧が大きくなり、比較的容易にシート部108から離れるように開いて、ピストン18とシート部材168との間の径方向の通路198を介して上室19側に油液を流す。
以上により、縮み行程の減衰力は、伸び行程の減衰力に比べて減衰力が低くなり、縮み側減衰力がソフトの状態となる。
以上により、縮み行程の減衰力は、伸び行程の減衰力に比べて減衰力が低くなり、縮み側減衰力がソフトの状態となる。
以上、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲は、図6の位置P1よりも縮み側(図6の左側)の範囲であり、図6に実線U1で示すように伸び側減衰力がハードの状態となり、図6に実線U2で示すように縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性となる。
図6の位置P1と位置P4との間では、伸び側減衰力がストロークが伸びるほどソフトの状態になり、縮み側減衰力がストロークが伸びるほどハードの状態になる。なお、図6の位置P2と位置P3との間に1Gの位置が配置されることになる。
通路面積調整機構91,227は、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性となり、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性となるよう、ピストンロッド21の位置によりロッド側通路402の通路面積を調整する。つまり、第1実施形態の緩衝器1は、通路面積調整機構91,227を備えることによって、以上に述べたように最大長側所定範囲と最小長側所定範囲とでハードとソフトの関係が逆になる反転型の位置感応の減衰力変化特性が得られる。
ここで、ピストン速度が遅いとき、つまり微低速域(例えば0.05m/s)の周波数が比較的高い領域(例えば7Hz以上)は、例えば路面の細かな表面の凹凸から生じる振動であり、このような状況では減衰力を下げるのが好ましい。また、同じくピストン速度が遅いときであっても、上記とは逆に周波数が比較的低い領域(例えば2Hz以下)は、いわゆる車体のロールによるぐらつき等の振動であり、このような状況では減衰力を上げるのが好ましい。
これに対応して、図4に示す減衰力可変機構210が、ピストン速度が同じように遅い場合でも、周波数に応じて減衰力を可変とする。つまり、ピストン速度が遅い時、ピストン18の往復動の周波数が高くなると、その伸び行程では、上室19の圧力が高くなって、ピストンロッド21のロッド内通路32を介して減衰力可変機構210のハウジング内通路400に上室19から油液を導入させながら、フリーピストン321が軸方向の下室20側にあるOリング327の付勢力に抗してハウジング320に対して軸方向の下室20側に移動する。このようにフリーピストン321が軸方向の下室20側に移動することにより、ハウジング内通路400に上室19から油液を導入することになり、上室19から通路101に導入され減衰力発生機構104を通過して下室20に流れる油液の流量が減ることになる。これにより、図7に実線W1で示すように、周波数が高い領域(図7のF1より右側の領域)の減衰力が、周波数が低い領域(図7のF1よりも左側の領域)よりも低い状態(ソフトな状態)になる。図7の破線W2は、減衰力可変機構210がない場合の特性を示している。
この伸び行程において、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、オリフィス225の流路面積がオリフィス398の流路面積よりも広くなっており、フリーピストン321がハウジング320に対して上記のように移動する。よって、ハウジング内通路400に上室19からの油液を即座に導入することができる。このため、図8に示す実線X1のように、周波数が低いときの減衰力に比べて周波数が高いときの減衰力が大きく下がる。逆に、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、オリフィス225の流路面積がオリフィス398よりも狭くなっており、よって、ハウジング内通路400に上室19からの油液を即座に導入することができない。このため、図8に示す実線X2のように、周波数が低いときの減衰力に比べて周波数が高いときの減衰力の下がりは小さくなる。また、最大長側所定範囲と最小長側所定範囲との間では、オリフィス225の流路面積が上記の中間になっている。このため、例えば1Gの位置では、図8に示す実線X3のように、周波数が低いときに比べて周波数が高いときの減衰力の下がりが上記の中間になる。ここで、図8に示す破線X4は、減衰力可変機構210がないときの1Gの位置での特性を示している。
続く縮み行程では、下室20の圧力が高くなるため、ピストンロッド21のロッド内通路32を介して減衰力可変機構210のハウジング内通路400から上室19に油液を排出させながら、それまで軸方向の下室20側に移動していたフリーピストン321が軸方向の上室19側にあるOリング326の付勢力に抗してハウジング320に対して軸方向の上室19側に移動する。このようにフリーピストン321が軸方向の上室19側に移動することにより、下室20の容積を拡大することになり、下室20から通路102に導入され減衰力発生機構105を通過して上室19に流れる油液の流量が減ることになる。これにより、図7に実線W3で示すように、周波数が高い領域(図7のF1より右側の領域)の減衰力が、周波数が低い領域(図7のF1より左側の領域)よりも低い状態(ソフトな状態)になる。図7の破線W4は、減衰力可変機構210がない場合の特性を示している。
この縮み行程において、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、オリフィス225の流路面積が広くなっており、よって、ハウジング内通路400の油液を上室19に即座に排出することができる。このため、減衰力が大きく下がる。なお、下室20からオリフィス398を介してハウジング内通路400に油液が流れるが、オリフィス398の流路面積はオリフィス225の流路面積よりも狭いため、フリーピストン321がハウジング320に対して上記のように移動する。逆に、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、オリフィス225の流路面積が狭くなっており、よって、ハウジング内通路400から上室19に即座に油液を排出することができない。このため、減衰力の下がりは小さくなる。
ピストン18の周波数が高い領域では、フリーピストン321の移動の周波数も追従して高くなり、その結果、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、上記した伸び行程の都度、上室19からハウジング内通路400に油液が流れ、縮み行程の都度、下室20の容積がフリーピストン321の移動の分拡大することになって、上記のように、減衰力が下がった状態に維持されることになる。
他方で、ピストン速度が遅い時、ピストン18の周波数が低くなると、フリーピストン321の移動の周波数も追従して低くなるため、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲にあっても、伸び行程の初期に、上室19からハウジング内通路400に油液が流れるものの、その後はフリーピストン321がOリング327を圧縮してハウジング320に対して軸方向の下室20側で停止し、上室19からハウジング内通路400に油液が流れなくなるため、上室19から通路101に導入され減衰力発生機構104を通過して下室20に流れる油液の流量が減らない状態となる。これにより、図7に実線W1で示すように、周波数が低い領域(図7のF1より左側の領域)の減衰力が、周波数が高い領域(図7のF1より右側の領域)よりも高い状態(ハードな状態)になる。
続く縮み行程でも、その初期に、下室20の容積がハウジング320に対するフリーピストン321の移動の分拡大することになるものの、その後はフリーピストン321がOリング326を圧縮してハウジング320に対し軸方向の上室19側で停止し、下室20の容積に影響しなくなるため、下室20から通路102に導入され減衰力発生機構105を通過して上室19に流れる油液の流量が減らない状態となり、減衰力が高くなる。これにより、図7に実線W3で示すように、周波数が低い領域(図7のF1より左側の領域)の減衰力が、周波数が高い領域(図7のF1より右側の領域)よりも高い状態(ハードな状態)になる。
上記した特許文献1,2に記載のものは、位置感応型の緩衝器であるが、ピストンに形成された通路を開閉するディスクバルブにスプリングのバネ荷重を直接負荷して開弁圧を上げるようになっており、伸び側の位置と、縮み側の位置とで、減衰力を調整できるようにするためには、スプリングが伸び側と縮み側とで2つ必要となってしまう。また、減衰力可変幅を大きくとるためには、バネレートを高くする必要があるが、バネレートを高くすれば、バネ反力の作用も大きくなり、減衰力の変化が急激になるだけでなく、ピストンロッド21のストロークが小さくなり、搭載車両の乗り心地が悪くなってしまう。
また、減衰力可変幅を大きくし、反力を小さくする設定は出来ず、緩衝器の特性を自由に設計できないという問題があった。
また、減衰力可変幅を大きくし、反力を小さくする設定は出来ず、緩衝器の特性を自由に設計できないという問題があった。
これに対して、以上に述べた本実施形態の緩衝器1によれば、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲で、伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性と、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲で、伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性とを、ピストンロッド21の位置によってオリフィス88の通路面積を調整する通路面積調整機構91と、ピストンロッド21の位置によってオリフィス225の通路面積を調整する通路面積調整機構226とで得ることができる。このように、油液が流通するオリフィス88,225の通路面積を調整するため、減衰力を滑らかに変化させることが可能となり、搭載車両の乗り心地が良好になる。
また、設計段階においても、通路面積調整機構91においては、リバウンドスプリング38のバネレートは変えずに開閉ディスク76の特性や中間ディスク78の切欠78aの面積を変えるのみで反力特性を殆ど変えずに減衰力特性を調整でき、また、通路面積調整機構226においては、メータリングピン31のプロフィールを変えることで、反力特性を変えずに減衰力特性を変えることができる。これにより、設計自由度も高まり、減衰特性のチューニングも容易に行うことができる。
また、上記最大長側特性および最小長側特性が得られることで、バネ上を加振する力を小さく(つまりソフト)し、バネ上を制振する力を大きく(つまりハード)することができ、電子制御なしでスカイフック制御のような上質の乗り心地が得られる。図9に、搭載車両の悪路走行時の乗り心地の効果を説明するためのバネ上加速度(PSD)を示す。図9に二点鎖線D0で示す位置感応の機能がない場合に対して、図9に実線D1で示す位置感応の機能を有する本実施形態の緩衝器1によれば、悪路走行時のバネ上加速度が大幅に下がることがわかる。これは、バネ上の動きが小さくなり、悪路走行時の乗り心地が向上していることを示している。具体的には、バネ上加速度を約5dB低減できる。
また、第1実施形態の緩衝器1によれば、ピストン18の移動により、シリンダ2内の上室19から油液がピストンロッド21内を通るロッド側通路402を通って流れ出すことになり、このロッド側通路402を上流側と下流側とに区画するフリーピストン321を設けて、減衰力を可変とし、良路走行時などの小ストロークでピストン速度が遅いとき、バネ上制振性の観点から減衰力を上げたい周波数が低い領域での減衰力を高くすることができる。また、周波数が高い領域(4〜8Hz付近)での減衰力を低くして、ヒョコ感などの不快に感じる振動を抑制する。よって、ピストン速度が遅い良路での乗り心地を改善することができる。
以上により、悪路などの大入力に対しては通路面積調整機構91,227による位置感応の機能により滑らかで上質な乗り心地を実現でき、良路などの微振幅・微低速入力に対しては減衰力可変機構210による周波数感応の機能により滑らかで上質な乗り心地を実現できる。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図10および図11に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
次に、第2実施形態を主に図10および図11に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図10に示すように、第2実施形態の緩衝器1Aでは、ロッドガイド22に第1実施形態の摩擦部材24が設けられていない。また、第1実施形態のメータリングピン31も設けられていない。
第2実施形態では、第1実施形態と異なるピストンロッド500が用いられている。ピストンロッド500は、ロッドガイド22およびシール部材23に挿通されてシリンダ2の外部へと延出される主軸部501と、シリンダ2内側の端部に形成される取付軸部502とを有している。取付軸部502は、主軸部501よりも小径となっている。ピストンロッド500には、取付軸部502を貫通し主軸部501の途中位置まで穿設される通路穴503と、主軸部501の位置で通路穴503を主軸部501の外周面に開口させる通路穴504とが形成されている。通路穴503と通路穴504とがロッド内通路505を形成している。取付軸部502の主軸部501とは反対端の外周側にはオネジ506が形成されている。主軸部501には、通路穴504よりもオネジ506とは反対側にストッパ部材507が固定されている。
ピストンロッド500の取付軸部502には、主軸部501側から順に、規制部材510と、複数枚のディスクからなる減衰バルブ511と、第1実施形態と同様のピストン18と、複数枚のディスクからなる減衰バルブ512と、規制部材513とが設けられている。
減衰バルブ511は、ピストン18のシート部108に当接するように設けられている。この減衰バルブ511は、ピストン18の移動により上室19および下室20間を油液が流れるように連通する通路102に設けられている。減衰バルブ511は、ピストン18の縮み側の移動により生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる縮み側の減衰バルブとなっている。減衰バルブ511とシート部108との間には、これらが当接した状態でも通路102を上室19に連通させる固定オリフィスであるオリフィス514が設けられている。
減衰バルブ512は、ピストン18のシート部107に当接するように設けられている。この減衰バルブ512は、ピストン18の移動により上室19および下室20間を油液が流れるように連通する通路101に設けられている。減衰バルブ512は、ピストン18の伸び側の移動により生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰バルブとなっている。減衰バルブ512とシート部107との間には、これらが当接した状態でも通路101を下室20に連通させる固定オリフィスであるオリフィス515が設けられている。
ピストンロッド500の先端には、第1実施形態と一部異なる減衰力可変機構210Aが設けられている。周波数感応部としての減衰力可変機構210Aは、第1実施形態と同様の、ハウジング320およびOリング326,327と、第1実施形態のフリーピストン321に対してシール部材347を設けることなく内側を閉塞させる閉塞部516を設けたフリーピストン321Aとからなっている。減衰力可変機構210Aがハウジング320においてピストンロッド500の取付軸部502のオネジ506に螺合されることにより、減衰力可変機構210Aが、規制部材510、減衰バルブ511、ピストン18、減衰バルブ512および規制部材513をピストンロッド500の主軸部501の取付軸部502側の端面とで挟持して、これらをピストンロッド500に連結する。
ピストンロッド500のロッド内通路505と、ハウジング320内のハウジング内通路400と、下室20のフリーピストン321Aがハウジング320に対して移動することにより増減する部分とが、ピストン18の移動により上室19および下室20間を油液が流れるように連通するロッド側通路(第2の通路)517を構成している。よって、ハウジング320には、ロッド側通路517の一部であるハウジング内通路400が形成されており、ハウジング320内に移動可能に設けられたフリーピストン321Aがロッド側通路517を上流側と下流側とに区画する。
第2実施形態では、第1実施形態と一部異なる内筒3Aが用いられている。内筒3Aには、底部材8とは反対側の内周面に軸方向に沿う通路溝519が形成されている。この通路溝519の内側は、ピストン18がその軸方向において通路溝519の中間位置に位置すると、上室19および下室20を連通する通路(第3の通路)520を形成している。つまり、通路520は、ピストン18の移動により上室19および下室20間を油液が流れるように連通する。通路520が上室19および下室20間を油液が流れるように連通すると、通路101あるいは通路102における油液の流れに加えて通路520で油液が流れることになり、減衰力がソフトの状態になる。ピストン18と通路溝519とが、ピストンロッド21の位置に感応して減衰力を変化させる通路開閉機構521を構成しており、この通路開閉機構521は、図11に実線Y1で示すように、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲P11〜P12で通路520を開く。通路開閉機構521は、ピストンロッド21の位置に応じて通路520を開き、その結果、最大長側所定範囲P11〜P12にて、第2実施形態を、伸び側減衰力が他の範囲と比べてソフトの状態となり、縮み側減衰力も他の範囲と比べてソフトの状態となる最大長側特性とする。つまり、通路開閉機構521は、ピストンロッド21の位置に感応して減衰力を変化させることになる。最大長側所定範囲P11〜P12よりもストロークが短い側(図11の位置P11よりも左側)に1Gの位置が配置される。また、最大長側所定範囲P11〜P12よりもストロークが長い側(図11の位置P12よりも右側)に伸び切り位置が配置される。
第2実施形態においては、ピストン速度が遅いとき、つまり微低速域(例えば0.05m/s)の周波数が比較的高い領域(例えば7Hz以上)は、減衰力可変機構210Aが、第1実施形態と同様に動作する。つまり、上記した減衰力可変機構210Aは、ピストン18の往復動の周波数が高くなると、その伸び行程では、上室19の圧力が高くなって、ピストンロッド500のロッド内通路505を介してハウジング内通路400に上室19から油液を導入させながら、フリーピストン321Aが軸方向の下室20側にあるOリング327の付勢力に抗してハウジング320に対して軸方向の下室20側に移動する。このようにフリーピストン321Aが軸方向の下室20側に移動することにより、ハウジング内通路400に上室19から油液を導入することになり、上室19から通路101に導入され減衰バルブ512を通過して下室20に流れる油液の流量が減ることになる。これにより、周波数が高い領域の減衰力が、周波数が低い領域よりも低い状態(ソフトな状態)になる。
続く縮み行程では、下室20の圧力が高くなるため、ピストンロッド500のロッド内通路505を介して減衰力可変機構210Aのハウジング内通路400から上室19に油液を排出させながら、それまで軸方向の下室20側に移動していたフリーピストン321Aが軸方向の上室19側にあるOリング326の付勢力に抗してハウジング320に対して軸方向の上室19側に移動する。このようにフリーピストン321Aが軸方向の上室19側に移動することにより、下室20の容積を拡大することになり、下室20から通路102に導入され減衰バルブ511を通過して上室19に流れる油液の流量が減ることになる。これにより、周波数が高い領域の減衰力が、周波数が低い領域よりも低い状態(ソフトな状態)になる。
ピストン18の周波数が高い領域では、フリーピストン321Aの移動の周波数も追従して高くなり、その結果、上記した伸び行程の都度、上室19からハウジング内通路400に油液が流れ、縮み行程の都度、下室20の容積がフリーピストン321Aの移動の分拡大することになって、上記のように、減衰力が下がった状態に維持されることになる。
他方で、ピストン速度が遅い時、ピストン18の周波数が低くなると、フリーピストン321Aの移動の周波数も追従して低くなるため、伸び行程の初期に、上室19からハウジング内通路400に油液が流れるものの、その後はフリーピストン321AがOリング327を圧縮してハウジング320に対して軸方向の下室20側で停止し、上室19からハウジング内通路400に油液が流れなくなるため、上室19から通路101に導入され減衰バルブ512を通過して下室20に流れる油液の流量が減らない状態となる。これにより、周波数が低い領域の減衰力が、周波数が高い領域よりも高い状態(ハードな状態)になる。
続く縮み行程でも、その初期に、下室20の容積がハウジング320に対するフリーピストン321Aの移動の分拡大することになるものの、その後はフリーピストン321AがOリング326を圧縮してハウジング320に対し軸方向の上室19側で停止し、下室20の容積に影響しなくなるため、下室20から通路102に導入され減衰バルブ511を通過して上室19に流れる油液の流量が減らない状態となり、減衰力が高くなる。これにより、周波数が低い領域の減衰力が、周波数が高い領域よりも高い状態(ハードな状態)になる。
第2実施形態においても、悪路などの大入力に対しては通路開閉機構521による位置感応の機能により滑らかで上質な乗り心地を実現でき、良路などの微振幅・微低速入力に対しては減衰力可変機構210Aによる周波数感応の機能により滑らかで上質な乗り心地を実現できる。
「第3実施形態」
次に、第3実施形態を主に図12に基づいて第2実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
次に、第3実施形態を主に図12に基づいて第2実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図12に示すように、第3実施形態の緩衝器1Bでは、第2実施形態と異なる減衰力可変機構528が用いられている。
周波数感応部としての減衰力可変機構528は、ピストンロッド500の取付軸部502のオネジ506に螺合されるメネジ530が形成された蓋部材531と、この蓋部材531にその一端開口側が閉塞されるように取り付けられる略有底円筒状のハウジング本体532とからなるハウジング533と、このハウジング533内に摺動自在に挿入されるフリーピストン535と、フリーピストン535とハウジング533の蓋部材531との間に介装されてフリーピストン535がハウジング533に対し軸方向の蓋部材531側へ移動したときに圧縮変形する縮み側の弾性体であるコイルバネ537と、フリーピストン535とハウジング533のハウジング本体532との間に介装されてフリーピストン535がハウジング533に対し上記とは反対側へ移動したときに圧縮変形する伸び側の弾性体であるコイルバネ538と、フリーピストン535の外周部とハウジング533の内周部との間をシールするシールリング539とで構成されている。
蓋部材531は、略円筒状の蓋筒部541と、この蓋筒部541の軸方向の一端部から径方向外側に延出する有孔円板状の蓋基板部542と、蓋筒部541の軸方向の蓋基板部542とは反対側から径方向内側に突出する環状の内フランジ部543とを有している。内フランジ部543の内側は貫通孔544となっている。蓋筒部541の内周部に、上記したメネジ530が形成されている。
ハウジング本体532は、円筒状の本体筒部548と、本体筒部548の軸方向の一端部を閉塞する本体底部549と、本体筒部548の軸方向他側の、本体筒部548よりも薄肉の薄肉部550とを有している。本体底部549の中央には軸方向に貫通する貫通孔551が形成されている。ハウジング本体532の薄肉部550の内側に、蓋部材531の蓋基板部542が嵌合され、この状態で薄肉部550の蓋基板部542よりも突出する部分が径方向内方に折り曲げられて係止部552が形成されることにより、ハウジング本体532および蓋部材531が一体化されてハウジング533となる。
フリーピストン535は、円筒状のピストン筒部556と、ピストン筒部556の軸方向の中間部を閉塞するピストン底部557と、ピストン筒部556の軸方向の中間位置から径方向外方に突出する円環状の外側環状突起558とを有している。外側環状突起558には、軸方向中央位置に外周面から径方向内方に凹む収容凹部559が形成されており、収容凹部559内にシールリング539が収容されている。
コイルバネ537は、蓋部材531の蓋基板部542とフリーピストン535の外側環状突起558との間に介装されており、コイルバネ538は、ハウジング本体532の本体底部549とフリーピストン535の外側環状突起558との間に介装されている。
第3実施形態の減衰力可変機構528は、コイルバネ537,538とOリング326,327との特性の相違はあるものの、第2実施形態の減衰力可変機構210Aとほぼ同様に動作する。
「第4実施形態」
次に、第4実施形態を主に図13に基づいて第2,第3実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2,第3実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
次に、第4実施形態を主に図13に基づいて第2,第3実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2,第3実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図13に示すように、第4実施形態の緩衝器1Cでは、第2実施形態の通路溝519が形成されていない第1実施形態と同様の内筒3が用いられている。また、第4実施形態では、ロッドガイド22のピストン18側にコイルバネ570が設けられており、ベースバルブ25のピストン18側にコイルバネ571が設けられている。ベースバルブ25には、その作動に影響することなくコイルバネ571の一端部を係止するための係止部材572が取り付けられている。
また、第4実施形態では、減衰バルブ511と規制部材510との間に、コイルバネ570の付勢力を減衰バルブ511に作用させるための作用部材575が設けられている。減衰バルブ512と規制部材513との間に、コイルバネ571の付勢力を減衰バルブ512に作用させるための作用部材576が設けられている。
ピストンロッド500が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、縮み側の減衰バルブ511に当接する作用部材575がロッドガイド22に当接するコイルバネ570を縮長させることになり、これにより、縮み側の減衰バルブ511の開弁圧が高くなる。また、この最大長側所定範囲では、伸び側の減衰バルブ512の開弁圧は変化しない。このため、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性となる。
ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、伸び側の減衰バルブ512に当接する作用部材576がベースバルブ25に支持されたコイルバネ571を縮長させることになり、これにより、伸び側の減衰バルブ512の開弁圧が高くなる。また、この最小長側所定範囲では、縮み側の減衰バルブ511の開弁圧は変化しない。このため、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性となる。
コイルバネ570,571および作用部材575,576が、ピストンロッド21の位置に感応して減衰バルブ511,512の開弁圧を上記のように調整して減衰力を変化させる開弁圧調整機構578を構成している。
第4実施形態においても、悪路などの大入力に対しては開弁圧調整機構578による位置感応の機能により滑らかで上質な乗り心地を実現でき、良路などの微振幅・微低速入力に対しては減衰力可変機構528による周波数感応の機能により滑らかで上質な乗り心地を実現できる。
「第5実施形態」
次に、第5実施形態を主に図14および図15に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
次に、第5実施形態を主に図14および図15に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図14に示すように、第5実施形態の緩衝器1Dでは、第1実施形態と異なるピストンロッド600が用いられている。ピストンロッド600は、ロッドガイド22およびシール部材23(図1参照)に挿通されてシリンダ2の外部へと延出される主軸部601と、シリンダ2内側の端部に形成される取付軸部602とを有している。取付軸部602は、主軸部601よりも小径となっている。ピストンロッド600には、取付軸部602を貫通し主軸部601の途中位置まで穿設される通路穴603と、取付軸部602の位置で通路穴603を取付軸部602の外周面に開口させる通路穴604と、主軸部601の位置で通路穴603を主軸部601の外周面に開口させる図示略の通路穴とが形成されている。この図示略の通路穴と通路穴603,604とがメータリングピン31との間にロッド内通路605を形成している。取付軸部602の主軸部601とは反対端の外周側にはオネジ606が形成されている。
ピストンロッド600の取付軸部602には、主軸部601側から順に、規制部材610と、複数枚のディスクからなる減衰バルブ611と、第1実施形態と一部異なるピストン18Dと、複数枚のディスクからなる減衰バルブ612と、規制部材613とが設けられている。
ピストン18Dは、第1実施形態のピストン18に対して挿通穴106に溝615が形成されている点が相違している。
減衰バルブ611は、ピストン18Dのシート部108に当接するように設けられている。この減衰バルブ611は、ピストン18Dの移動により上室19および下室20間を油液が流れるように連通する通路102に設けられている。減衰バルブ611は、ピストン18の縮み側の移動により生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる縮み側の減衰バルブとなっている。減衰バルブ611とシート部108との間には、これらが当接した状態でも通路102を上室19に連通させる固定オリフィスであるオリフィス617が設けられている。
減衰バルブ612は、ピストン18Dのシート部107に当接するように設けられている。この減衰バルブ612は、第1実施形態と同様、ピストン18Dの移動により上室19および下室20間を油液が流れるように連通する通路101に設けられている。減衰バルブ612は、ピストン18Dの伸び側の移動により生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰バルブとなっている。減衰バルブ612とシート部107との間には、これらが当接した状態でも通路101を下室20に連通させる固定オリフィスであるオリフィス618が設けられている。減衰バルブ612には、ピストン18Dに形成された溝615を介してピストンロッド600の通路穴604を通路101に常時連通させる導入オリフィスであるオリフィス619が設けられている。
ピストンロッド600の先端には、第1実施形態と同様の減衰力可変機構210が、ハウジング320のメネジ315において取付軸部602のオネジ606に螺合されている。減衰力可変機構210は、規制部材610と減衰バルブ611とピストン18Dと減衰バルブ612と規制部材613とを、ピストンロッド600の主軸部601の取付軸部602側の端面とで挟持して、これらをピストンロッド600に連結する。
減衰力可変機構210の蓋部材316およびシール部材347には、内側にメータリングピン31が挿入される。ロッド内通路605と、ハウジング320内のハウジング内通路400と、下室20のフリーピストン321がハウジング320に対して移動することにより増減する部分とが、ピストン18の移動により上室19および下室20間を油液が流れるように連通するロッド側通路(第2の通路)620を構成している。よって、ハウジング320には、ロッド側通路620の一部であるハウジング内通路400が形成されており、ハウジング320内に移動可能に設けられたフリーピストン321がロッド側通路620を上流側と下流側とに区画する。
第5実施形態では、ピストンロッド600が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、蓋部材316の貫通孔334がメータリングピン31の小径軸部224と軸方向の位置を合わせる。このため、通路面積調整機構227のオリフィス225が広い通路面積となっており、オリフィス225を含むロッド側通路620が、通路101あるいは通路102に加えて流す油液の量が多くなる。よって、伸び側減衰力がソフトの状態となる最大長側特性となる。また、ピストンロッド600が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、蓋部材316の貫通孔334がメータリングピン31の大径軸部222と軸方向の位置を合わせる。このため、通路面積調整機構227のオリフィス225が狭い通路面積となっており、オリフィス225を含むロッド側通路620が、通路101あるいは通路102に加えて流す油液の量が少なくなる。よって、伸び側減衰力がハードの状態となる最小長側特性となる。ここで、縮み行程では、ピストンロッド600がいずれのストローク位置にあっても、縮み側の減衰バルブ611が容易に開くことになって、減衰力がいずれもソフトの状態になる。
第5実施形態においても、悪路などの大入力に対しては通路面積調整機構227による位置感応の機能により滑らかで上質な乗り心地を実現でき、良路などの微振幅・微低速入力に対しては減衰力可変機構210による周波数感応の機能により滑らかで上質な乗り心地を実現できる。
ここで、第5実施形態では、オリフィス619の通路面積S1とオリフィス398の通路面積S4との関係により、伸び行程での位置感応の可変幅および伸び行程での周波数感応の可変幅を変えることができる。
例えば、S1を大きく、S4を小さくすれば、図15(a)に示すように、減衰力がハードの状態となる実線Z1で示す最小長側所定範囲の減衰力と、減衰力がソフトの状態となる実線Z2で示す最大長側所定範囲の減衰力との幅、つまり通路面積調整機構227による位置感応の可変幅が大きくなる。また、実線Z2で示す減衰力がソフト側となる最大長側所定範囲での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅が、実線Z1で示す減衰力がハード側となる最小長側所定範囲での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅よりも大きくなり、実線Z3で示す減衰力がこれらの間となる1G位置近傍での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅がこれらの中間となる。
例えば、S1を大きく、S4も大きくすれば、図15(b)に示すように、減衰力がハードの状態となる実線Z4で示す最小長側所定範囲の減衰力と、減衰力がソフトの状態となる実線Z5で示す最大長側所定範囲の減衰力との幅、つまり通路面積調整機構227による位置感応の可変幅が大きくなる。また、実線Z4で示す減衰力がハード側となる最小長側所定範囲での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅と、実線Z5で示す減衰力がソフト側となる最大長側所定範囲での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅と、実線Z6で示す減衰力がこれらの間の1G位置近傍での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅とが、いずれも小さくなる。
例えば、S1を小さく、S4を大きくすれば、図15(c)に示すように、減衰力がハードの状態となる実線Z7で示す最小長側所定範囲の減衰力と、減衰力がソフトの状態となる実線Z8で示す最大長側所定範囲の減衰力との幅、つまり、通路面積調整機構227による位置感応の可変幅が小さくなる。また、実線Z7で示す減衰力がハード側となる最小長側所定範囲での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅と、実線Z8で示す減衰力がソフト側となる最大長側所定範囲での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅と、実線Z9で示す減衰力がこれらの間の1G位置近傍での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅とが、いずれも小さくなる。
例えば、S1を小さく、S4を小さくすれば、図15(d)に示すように、減衰力がハードの状態となる実線Z10で示す最小長側所定範囲の減衰力と、減衰力がソフトの状態となる実線Z11で示す最大長側所定範囲の減衰力との幅、つまり通路面積調整機構227による位置感応の可変幅が狭くなる。また、実線Z10で示す減衰力がハード側となる最小長側所定範囲での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅と、実線Z11で示す減衰力がソフト側となる最大長側所定範囲での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅と、実線Z12で示す減衰力がこれらの間の1G位置近傍での減衰力可変機構210による周波数感応の可変幅とが、ある程度確保できることになる。
以上に述べた実施形態によれば、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、前記第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、を有する。悪路などの大入力に対しては通路面積調整機構による第2の通路の通路面積を位置感応で可変とする構成で滑らかで上質な乗り心地を実現でき、良路などの微振幅・微低速入力に対しては第2の通路を上流側および下流側に区画するフリーピストンの移動による周波数感応の構成により滑らかで上質な乗り心地を実現できる。
また、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路、第2の通路および第3の通路と、前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、前記第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、少なくとも前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となる最大長側特性となるよう前記第3の通路を開く通路開閉機構と、を有する。悪路などの大入力に対しては通路開閉機構による第3の通路を位置感応で開閉する構成で滑らかで上質な乗り心地を実現でき、良路などの微振幅・微低速入力に対しては第2の通路を上流側および下流側に区画するフリーピストンの移動による周波数感応の構成により滑らかで上質な乗り心地を実現できる。
また、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記減衰バルブの開弁圧を調整する開弁圧調整機構と、前記第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、を有する。悪路などの大入力に対しては開弁圧調整機構による第1の通路の減衰バルブを位置感応で開弁圧を調整する構成で滑らかで上質な乗り心地を実現でき、良路などの微振幅・微低速入力に対しては第2の通路を上流側および下流側に区画するフリーピストンの移動による周波数感応の構成により滑らかで上質な乗り心地を実現できる。
また、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となる最大長側特性となり、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となる最小長側特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、前記第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、を有する。悪路などの大入力に対しては通路面積調整機構による第2の通路の通路面積を位置感応で可変とする構成で滑らかで上質な乗り心地を実現でき、良路などの微振幅・微低速入力に対しては第2の通路を上流側および下流側に区画するフリーピストンの移動による周波数感応の構成により滑らかで上質な乗り心地を実現できる。
上記実施形態は、複筒式の油圧緩衝器に本発明を用いた例を示したが、これに限らず、外筒をなくしシリンダ2内の下室20の上室19とは反対側に摺動可能な区画体でガス室を形成するモノチューブ式の油圧緩衝器に用いてもよく、あらゆる緩衝器に用いることができる。なお、上記実施の形態では、油圧緩衝器を例に示したが、流体として水や空気を用いることもできる。
1,1A,1B,1C,1D 緩衝器
2 シリンダ
18,18D ピストン
19 上室
20 下室
21,500,600 ピストンロッド
91,227 通路面積調整機構
101,102 通路(第1の通路)
147,197,511,512,611,612 減衰バルブ
320,533 ハウジング
321,321A,535 フリーピストン
402,517,620 ロッド側通路(第2の通路)
520 通路(第3の通路)
521 通路開閉機構
578 開弁圧調整機構
2 シリンダ
18,18D ピストン
19 上室
20 下室
21,500,600 ピストンロッド
91,227 通路面積調整機構
101,102 通路(第1の通路)
147,197,511,512,611,612 減衰バルブ
320,533 ハウジング
321,321A,535 フリーピストン
402,517,620 ロッド側通路(第2の通路)
520 通路(第3の通路)
521 通路開閉機構
578 開弁圧調整機構
Claims (4)
- 作動流体が封入されるシリンダと、
前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、
前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
前記ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、
前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、
前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、
前記第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、
前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、
を有することを特徴とする緩衝器。 - 作動流体が封入されるシリンダと、
前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、
前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
前記ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路、第2の通路および第3の通路と、
前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、
前記第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、
前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、
少なくとも前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となる最大長側特性となるよう前記第3の通路を開く通路開閉機構と、
を有することを特徴とする緩衝器。 - 作動流体が封入されるシリンダと、
前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、
前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
前記ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、
前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、
前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記減衰バルブの開弁圧を調整する開弁圧調整機構と、
前記第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、
前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、
を有することを特徴とする緩衝器。 - 作動流体が封入されるシリンダと、
前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、
前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
前記ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、
前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、
前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となる最大長側特性となり、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となる最小長側特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、
前記第2の通路の少なくとも一部が形成されるハウジングと、
前記ハウジング内に移動可能に設けられ前記第2の通路を上流側と下流側とに区画するフリーピストンと、
を有することを特徴とする緩衝器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013204555A JP2015068439A (ja) | 2013-09-30 | 2013-09-30 | 緩衝器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013204555A JP2015068439A (ja) | 2013-09-30 | 2013-09-30 | 緩衝器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015068439A true JP2015068439A (ja) | 2015-04-13 |
Family
ID=52835306
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013204555A Pending JP2015068439A (ja) | 2013-09-30 | 2013-09-30 | 緩衝器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015068439A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2013
- 2013-09-30 JP JP2013204555A patent/JP2015068439A/ja active Pending
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DE112021005349T5 (de) | 2020-10-09 | 2023-08-03 | Hitachi Astemo, Ltd. | Stossdämpfer |
JP7378634B2 (ja) | 2020-10-09 | 2023-11-13 | 日立Astemo株式会社 | 緩衝器 |
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Date | Code | Title | Description |
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