JP6202726B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器に関する。
緩衝器には、減衰力を発生するディスクバルブを付勢する付勢バネを設け、シリンダに対するピストンの位置に応じて付勢バネのバネ力を変化させて、減衰力を可変とする変位感応型緩衝器がある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平2−283928号公報 特開平2−283929号公報
この種の緩衝器では、減衰力を大きくするために付勢バネのバネ力を大きくするとバネの反力が高くなってしまうので、設計段階において、減衰特性や反力等の設定自由度が低かった。
したがって、本発明は、減衰特性や反力等の設定自由度を高くすることが可能な緩衝器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1の通路に設けられ、ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、ピストンロッドが最大長側所定位置よりもシリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、を備え、前記減衰バルブは、伸び側および縮み側の減衰バルブであって、伸び側および縮み側の少なくとも一方の減衰バルブは、減衰バルブ本体と、前記第2の通路に接続されるパイロット室を前記減衰バルブ本体との間に形成するパイロット室形成部材とを有し、該パイロット室形成部材の前記パイロット室側に、該パイロット室内方向への作動流体の流れを許容し逆方向への作動流体の流れを抑制するチェック弁機構を設けた。
本発明によれば、減衰特性や反力等の設定自由度を高くすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る緩衝器を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る緩衝器の一方の通路面積調整機構周辺の部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る緩衝器の他方の通路面積調整機構を含むピストン周辺の部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る緩衝器のストローク位置とオリフィスの通路面積との関係を示す線図である。 本発明の一実施形態に係る緩衝器のロッドガイド周辺の部分拡大断面図である。
以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明では理解を助けるために、図の下側を一方側および下側とし、逆に図の上側を他方側および上側として定義する。
本実施形態の緩衝器1は、位置感応の減衰力調整式である。本実施形態の緩衝器1は、図1に示すように、いわゆる複筒型の油圧緩衝器であり、作動液体としての油液が封入されるシリンダ2を有している。シリンダ2は、円筒状の内筒3と、この内筒3よりも大径で内筒3を覆うように同心状に設けられる略有底円筒状の外筒4と、外筒4の上部開口側を覆うカバー5とを有している。内筒3と外筒4との間には、リザーバ室6が形成されている。
外筒4は、略円筒状の胴部材7と、胴部材7の下部側に嵌合固定されて胴部材7を閉塞する底部材8と、胴部材7の上部側に嵌合固定される略円筒状の口元部材9とからなっている。外筒4の外周部には、車体との間に介装されるコイルスプリングを保持するバネ受4aが取り付けられている。
口元部材9は、下部に形成された小径部10において胴部材7に圧入されて嵌合固定されており、この小径部10よりも上側は小径部10より外径が大径の大径部11となっている。この大径部11の外周部には、オネジ12が形成されている。また、口元部材9は、下部の内周部が小径内周部13となっており、上部内周部が、小径内周部13よりも大径の大径内周部14となっている。
カバー5は、筒状部15と筒状部15の上端側から径方向内方に延出する内フランジ部16とを有しており、筒状部15の下部の内周部にはメネジ17が形成されている。カバー5は、口元部材9の上端開口部に被せられており、その筒状部15に形成されたメネジ17において口元部材9のオネジ12に螺合されて固定されている。
内筒3内には、ピストン18が摺動可能に嵌装されている。このピストン18は、内筒3内を上室19と下室20との2室に区画している。内筒3内の上室19および下室20内には作動流体としての油液が封入され、内筒3と外筒4との間のリザーバ室6内には作動流体としての油液とガスとが封入される。
シリンダ2内にはピストンロッド21の一端側が挿入されており、ピストンロッド21の他端側はシリンダ2の外部へと延出されている。ピストン18は、このピストンロッド21のシリンダ2内側の一端側に連結されている。内筒3と外筒4の一端開口側の口元部材9とには、ロッドガイド22が嵌合されており、口元部材9にはロッドガイド22よりもシリンダ2のさらに外部側にシール部材23が装着されている。ロッドガイド22には、シール部材23よりシリンダ2の内部側の位置に摩擦部材24が設けられている。ロッドガイド22、シール部材23および摩擦部材24は、いずれも環状をなしており、ピストンロッド21は、これらロッドガイド22、摩擦部材24およびシール部材23のそれぞれの内側に摺動可能に挿通されてシリンダ2の外部へ延出されている。
ここで、ロッドガイド22は、ピストンロッド21を、その径方向移動を規制しつつ軸方向移動可能に支持して、このピストンロッド21の移動を案内する。シール部材23は、その内周部で、軸方向に移動するピストンロッド21の外周部に摺接して、内筒3内の油液と外筒4内のリザーバ室6の高圧ガスおよび油液とが外部に漏洩するのを防止する。摩擦部材24は、その内周部でピストンロッド21の外周部に摺接して、ピストンロッド21に摩擦抵抗を発生させる。なお、摩擦部材24は、シールを目的とするものではない。
ロッドガイド22は、その外周部が、下部よりも上部が大径となる段差状をなしており、下部において内筒3の上端の内周部に嵌合し上部において外筒4の口元部材9の大径内周部14に嵌合する。外筒4の底部材8上には、内筒3内の下室20とリザーバ室6とを画成するベースバルブ25が設置されており、このベースバルブ25に内筒3の下端の内周部が嵌合されている。カバー5の内フランジ部16とシール部材23との間には、円環状の押さえ部材33が配置されており、カバー5は、外筒4のオネジ12にメネジ17において螺合されると、内フランジ部16が、押さえ部材33およびシール部材23を、内筒3に嵌合されたロッドガイド22とによって挟持する。
ピストンロッド21は、ロッドガイド22、摩擦部材24およびシール部材23に挿通されて外部へと延出されるロッド本体26と、ロッド本体26のシリンダ2内側の端部に螺合されて一体的に連結される先端ロッド27とからなっている。ロッド本体26の径方向の中央には、軸方向に沿う挿入穴28が、先端ロッド27側から反対側の端部近傍の途中位置まで形成されている。また、先端ロッド27の径方向の中央には、軸方向に沿う貫通穴29が形成されている。これら挿入穴28と貫通穴29とがピストンロッド21の径方向中央に形成される挿入穴30を構成しており、よって、ピストンロッド21は中空構造となっている。ピストンロッド21のこの挿入穴30内に、メータリングピン31が挿入されている。メータリングピン31は、これよりもシリンダ2側に設けられたベースバルブ25に一端側が固定されており、その他端側が、ピストンロッド21の挿入穴30内に挿入されている。挿入穴30とメータリングピン31との間は、ピストンロッド21内で油液が流動可能なロッド内通路(第2の通路)32となっている。
ピストンロッド21のロッド本体26の外周側には、軸方向のピストン18側に円環状のピストン側バネ受35が、軸方向のピストン側バネ受35のピストン18とは反対側に円環状のロッドガイド側バネ受36が、それぞれ設けられている。これらピストン側バネ受35およびロッドガイド側バネ受36は、ロッド本体26を内側に挿通させることでロッド本体26に沿って摺動可能となっている。これらピストン側バネ受35およびロッドガイド側バネ受36の間には、コイルスプリングからなるリバウンドスプリング38が、その内側にロッド本体26を挿通させるようにして介装されている。ロッドガイド側バネ受36の軸方向のリバウンドスプリング38とは反対には円環状の弾性材料からなる緩衝体39が設けられている。緩衝体39もロッド本体26を内側に挿通させることでロッド本体26に沿って摺動可能となっている。
上述の緩衝器1は、例えば一方側が車両の車体により支持され、他方側が車両の車輪側に連結される。具体的には、図1に示すピストンロッド21にて車体側に連結され、シリンダ2のピストンロッド21の突出側とは反対側が車輪側に連結される。なお、上記とは逆に、緩衝器1の他方側が車体により支持され、緩衝器1の一方側が車輪側に固定されるようにしても良い。
車輪が走行に伴って振動すると該振動に伴ってシリンダ2とピストンロッド21との位置が相対的に変化するが、上記変化は図1に示すピストンロッド21に形成されたロッド内通路32の流体抵抗により抑制される。以下で詳述するごとくピストンロッド21に形成されたロッド内通路32の流体抵抗は振動の速度や振幅により異なるように作られており、振動を抑制することにより、乗り心地が改善される。上記シリンダ2とピストンロッド21との間には、車輪が発生する振動の他に、車両の走行に伴って車体に発生する慣性力や遠心力も作用する。例えばハンドル操作により走行方向が変化することにより車体に遠心力が発生し、この遠心力に基づく力が上記シリンダ2とピストンロッド21との間に作用する。以下で説明する通り、本実施形態の緩衝器1は車両の走行に伴って車体に発生する力に基づく振動に対して良好な特性を有しており、車両の走行時における高い安定性が得られる。
図2に示すように、ロッド本体26の先端ロッド27側の端部には、挿入穴28よりも大径で挿入穴28に連通するネジ穴43が形成されている。先端ロッド27のロッド内通路32を形成する貫通穴29は、上端部から中央部を越えて延在する主穴部47と、図3に示すように下部のみに形成された、主穴部47よりも小径の小径穴部48とからなっている。先端ロッド27には、図2に示すロッド本体26側から順に、通路穴49、図3に示す通路穴50および通路穴51が、いずれも径方向に貫通するように形成されている。これら通路穴49〜51は、いずれも先端ロッド27の軸方向の主穴部47の位置に形成されている。
先端ロッド27は、図2に示すように軸方向のロッド本体26側から順に、外周部にオネジ54が形成されたネジ軸部55と、フランジ部56と、保持軸部57とを有している。ネジ軸部55は、先端ロッド27をロッド本体26に一体化する際にロッド本体26のネジ穴43にオネジ54において螺合されることになる。フランジ部56は、その際にロッド本体26を当接させるため、ネジ軸部55およびロッド本体26よりも大径の外径となっている。保持軸部57は、フランジ部56よりも小径となっており、軸方向のフランジ部56とは反対側の外周部に図3に示すオネジ61が形成されている。保持軸部57のオネジ61よりもフランジ部56側に、上記した通路穴49〜51が形成されている。
図2に示すように、ピストン側バネ受35は、円筒状部65と、円筒状部65の軸方向一端側から径方向外側に延出する中間胴部66と、中間胴部66の外周部から軸方向の円筒状部65とは反対側に突出する円筒状の押圧部67とを有している。このピストン側バネ受35は、円筒状部65をリバウンドスプリング38の内側に配置した状態で中間胴部66の軸方向の円筒状部65側の端面においてリバウンドスプリング38の軸方向の端部に当接する。ピストン側バネ受35は、中間胴部66の軸方向の押圧部67側の端面において先端ロッド27のフランジ部56に当接可能となっている。中間胴部66の軸方向の円筒状部65側の内周部は、円筒状部65の内径と同径となっており、中間胴部66の軸方向の押圧部67側の内周部は、円筒状部65の内径よりも大径の段差部68となっている。この段差部68には、円環状の摺動部材69が嵌合固定されており、この摺動部材69がロッド本体26の外周面を摺動する。押圧部67には、径方向に貫通する複数の貫通穴70が形成されている。
先端ロッド27の保持軸部57には、フランジ部56側から順に、複数枚のディスク73と、一枚のディスク74と、一枚の付勢ディスク75と、一枚の開閉ディスク76と、一枚の中間ディスク77と、一枚の中間ディスク78と、一枚の当接ディスク79と、通路形成部材80とが設けられている。
複数枚のディスク73は、いずれも有孔円板状をなしており、ピストン側バネ受35の押圧部67の内径よりも小径の外径となっている。ディスク74は、ディスク73よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。一枚の付勢ディスク75は、有孔円板状をなしており、ピストン側バネ受35の押圧部67の先端部の外径と略同径の外径となっている。
開閉ディスク76は、有孔円板状をなしており、付勢ディスク75の外径と略同径の外径となっている。開閉ディスク76の外周側には、軸方向の付勢ディスク75側の一面から軸方向他側に凹み軸方向の他面から軸方向他側に突出する円環状の開閉部83が形成されている。
中間ディスク77は、有孔円板状をなしており、開閉ディスク76よりも小径の外径となっている。中間ディスク78は、中間ディスク77と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。また、中間ディスク78の外周側には、複数の切欠78Aが形成されている。当接ディスク79は、有孔円板状をなしており、開閉ディスク76と同径の外径となっている。当接ディスク79の径方向中間部には、C字状の貫通穴79Aが形成されている。
通路形成部材80は、有孔円板状をなしており、当接ディスク79よりも小径の外径となっている。通路形成部材80の内周側には複数の切欠80Aが設けられている。中間ディスク78の外周部に形成された上記の切欠78Aと、当接ディスク79の径方向中間位置に形成された上記の貫通穴79Aと、通路形成部材80の内周部に形成された上記の切欠80Aとが通路86を形成している。この通路86は、中間ディスク78の径方向外側つまり上室19を通路穴49に連通させている。
ピストン側バネ受35により押圧されない状態で、付勢ディスク75は平坦形状をなしており、開閉ディスク76の開閉部83を当接ディスク79から離間させている。ここで、開閉ディスク76の開閉部83と当接ディスク79との隙間と、中間ディスク78、当接ディスク79および通路形成部材80に形成された通路86とがオリフィス88を構成しており、このオリフィス88と、先端ロッド27の通路穴49とが、上室19とロッド内通路32とを連通させる通路(第2の通路)89を構成している。
主に付勢ディスク75の付勢力によって、ピストン側バネ受35は、その中間胴部66を先端ロッド27のフランジ部56から軸方向に離間させている。この状態で、ピストンロッド21がシリンダ2から突出する伸び側つまり上側に移動すると、ピストン側バネ受35、リバウンドスプリング38、図1に示すロッドガイド側バネ受36および緩衝体39も、ピストンロッド21と共にロッドガイド22側に移動することになり、所定位置で緩衝体39がロッドガイド22に当接する。
さらにピストンロッド21が突出方向に移動すると、緩衝体39が潰れた後、緩衝体39およびロッドガイド側バネ受36が、シリンダ2に対して停止状態となり、その結果、ピストンロッド21と共に移動するピストン側バネ受35がリバウンドスプリング38を縮長させることになり、その際のリバウンドスプリング38の付勢力がピストンロッド21の移動に対して抵抗となる。このようにして、シリンダ2内に設けられたリバウンドスプリング38が、ピストンロッド21に弾性的に作用してピストンロッド21の伸び切りを抑制することになる。なお、このようにリバウンドスプリング38がピストンロッド21の伸び切りの抵抗となることで、搭載された車両の旋回時の内周側の車輪の浮き上がりを抑制して車体のロール量を抑えることになる。
ここで、ピストンロッド21が突出方向に移動して緩衝体39がロッドガイド22に当接すると、ピストン側バネ受35は、上記したようにロッドガイド側バネ受36との間でリバウンドスプリング38を縮長させる前に、リバウンドスプリング38の付勢力によって、図2に示す押圧部67で当接する付勢ディスク75および開閉ディスク76を変形させながら、若干軸方向のフランジ部56側に移動して中間胴部66をフランジ部56に当接させる。このように、リバウンドスプリング38の付勢力によりピストン側バネ受35が押圧部67で付勢ディスク75および開閉ディスク76を変形させると、開閉ディスク76の開閉部83が当接ディスク79に当接することになり、オリフィス88を閉塞させて上室19とロッド内通路32との通路89を介する連通を遮断する。
ピストン側バネ受35、リバウンドスプリング38、図1に示すロッドガイド側バネ受36および緩衝体39は、シリンダ2内に設けられ一端が図2に示す付勢ディスク75を介して開閉ディスク76を押圧可能であって他端がシリンダ2の端部側の図1に示すロッドガイド22に当接可能なバネ機構90を構成している。このバネ機構90は、そのバネ力により図2に示す付勢ディスク75および開閉ディスク76の付勢力に抗してこれら付勢ディスク75および開閉ディスク76を閉弁方向に変形させる。そして、このバネ機構90と、オリフィス88を開閉する開閉ディスク76および当接ディスク79とが、ピストンロッド21の位置により変化するリバウンドスプリング38の付勢力に応じてオリフィス88つまり通路89の通路面積を調整する通路面積調整機構91を構成している。オリフィス88は、言い換えればピストンロッド21の位置に感応して通路面積が可変となる可変オリフィスになっている。
上記通路面積調整機構91による、緩衝器1のストローク位置に対するオリフィス88の通路面積は、図4に示す実線のようになっている。つまり、オリフィス88の通路面積は、縮み側の全ストローク範囲および伸び側の所定位置S3までは、中立位置(1Gの位置(水平位置に停止した車体を支持する位置))を含んで最大の一定値であり、伸び側の所定位置S3でバネ機構90が付勢ディスク75の付勢力に抗して開閉ディスク76を閉じ始めると、伸び側ほど比例的に小さくなり、開閉ディスク76の開閉部83が当接ディスク79に当接する所定位置S4で最小となり、所定位置S4よりも伸び側では最小の一定値になる。
図3に示すように、ピストン18は、先端ロッド27に支持されるピストン本体95と、ピストン本体95の外周面に装着されて内筒3内を摺動する円環状の摺動部材96とによって構成されている。
ピストン本体95には、上室19と下室20とを連通させ、ピストン18の上室19側への移動つまり伸び行程において上室19から下室20に向けて油液が流れ出す複数(図3では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路(第1の通路)101と、ピストン18の下室20側への移動、つまり縮み行程において下室20から上室19に向けて油液が流れ出す複数(図3では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路(第1の通路)102とが設けられている。つまり、複数の通路101と複数の通路102とが、ピストン18の移動により上室19と下室20との間を作動流体である油液が流れるように連通する。通路101は、円周方向において、それぞれ間に一カ所の通路102を挟んで等ピッチで形成されており、ピストン18の軸方向一側(図3の上側)が径方向外側に軸方向他側(図3の下側)が径方向内側に開口している。
そして、これら半数の通路101に対して、減衰力を発生する減衰力発生機構104が設けられている。減衰力発生機構104は、ピストン18の軸方向の一端側である下室20側に配置されている。通路101は、ピストンロッド21がシリンダ2の外に伸び出る伸び側にピストン18が移動するときに油液が通過する伸び側の通路を構成しており、これらに対して設けられた減衰力発生機構104は、伸び側の通路101の油液の流動を規制して減衰力を発生させる伸び側の減衰力発生機構となっている。
また、残りの半数を構成する通路102は、円周方向において、それぞれ間に一カ所の通路101を挟んで等ピッチで形成されており、ピストン18の軸線方向他側(図3の下側)が径方向外側に軸線方向一側(図3の上側)が径方向内側に開口している。
そして、これら残り半数の通路102に、減衰力を発生する減衰力発生機構105が設けられている。減衰力発生機構105は、ピストン18の軸方向の他端側である軸線方向の上室19側に配置されている。通路102は、ピストンロッド21がシリンダ2内に入る縮み側にピストン18が移動するときに油液が通過する縮み側の通路を構成しており、これらに対して設けられた減衰力発生機構105は、縮み側の通路102の油液の流動を規制して減衰力を発生させる縮み側の減衰力発生機構となっている。
ピストン本体95は、略円板形状をなしており、その中央には、軸方向に貫通して、上記した先端ロッド27の保持軸部57を挿通させるための挿通穴106が形成されている。ピストン本体95の下室20側の端部には、伸び側の通路101の一端開口位置の外側に、減衰力発生機構104を構成するシート部107が、円環状に形成されている。ピストン本体95の上室19側の端部には、縮み側の通路102の一端開口位置の外側に、減衰力発生機構105を構成するシート部108が、円環状に形成されている。
ピストン本体95において、シート部107の挿通穴106とは反対側は、シート部107よりも軸線方向高さが低い段差状をなしており、この段差状の部分に縮み側の通路102の他端が開口している。また、同様に、ピストン本体95において、シート部108の挿通穴106とは反対側は、シート部108よりも軸線方向高さが低い段差状をなしており、この段差状の部分に伸び側の通路101の他端が開口している。
伸び側の減衰力発生機構104は、圧力制御型のバルブ機構であり、軸方向のピストン18側から順に、複数枚のディスク111と、一枚の当接ディスク112と、一枚の減衰バルブ本体113と、複数枚のディスク114と、一枚のディスク115と、一つの通路形成部材116と、一枚の規制ディスク117と、一枚のディスク118と、一枚のディスク119と、一枚の当接ディスク120と、一枚のディスク121と、一つのパイロット室形成部材122と、一枚のディスク123と、一つの押さえ部材124とを有している。
パイロット室形成部材122は、軸直交方向に沿う有孔円板状の底部131と、底部131の内周側に形成された軸方向に沿う円筒状の内側円筒状部132と、底部131の外周側に形成された軸方向に沿う円筒状の外側円筒状部133とを有している。底部131および内側円筒状部132は、外側円筒状部133に対し軸方向の一側にずれている。底部131には、軸方向に貫通する複数の貫通穴134が形成されており、また、外側円筒状部133の延出側且つ径方向の貫通穴134よりも外側に、環状の室内側シート部137が形成されている。
パイロット室形成部材122の底部131と内側円筒状部132と外側円筒状部133とで囲まれた軸方向の底部131とは反対側の空間は、減衰バルブ本体113にピストン18の方向に圧力を加えるパイロット室140となっている。先端ロッド27の上記した通路穴51と、後述する通路形成部材116の貫通穴153および大径穴部152とが、ロッド内通路32とパイロット室140とに接続されて、パイロット室140にロッド内通路32を介して上室19および下室20から油液を導入可能なパイロット室流入通路(第2の通路)141を構成している。室内側シート部137は、パイロット室形成部材122のパイロット室140側に形成されている。
複数枚のディスク111は、ピストン18のシート部107よりも小径であって通路101の下室20側の端部の開口位置よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク112は、ピストン18のシート部107よりも大径の外径を有しシート部107に着座可能な有孔円板状をなしている。
減衰バルブ本体113は、当接ディスク112の外径と同径の外径を有する有孔円板状のディスク145と、ディスク145のピストン18とは反対側に固着されたゴム材料からなる円環状のシール部材146とからなっている。当接ディスク112と減衰バルブ本体113とピストン18のシート部107とが、ピストン18に設けられた通路101とパイロット室形成部材122に設けられたパイロット室140との間に設けられてピストン18の伸び側への移動によって生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰バルブ147を構成している。よって、この減衰バルブ147はディスクバルブとなっている。なお、当接ディスク112およびディスク145には、ピストンロッド21の保持軸部57を挿通させる中央の孔以外に軸方向に貫通する部分は形成されていない。
減衰バルブ本体113のシール部材146は、ディスク145から離れるほど大径となる形状をなしており、パイロット室形成部材122の外側円筒状部133の内周面に接触して、減衰バルブ本体113と外側円筒状部133との隙間をシールする。よって、減衰バルブ本体113とパイロット室形成部材122との間の上記したパイロット室140は、減衰バルブ本体113に、ピストン18の方向、つまりシート部107に当接ディスク112を当接させる閉弁方向に内圧を作用させる。減衰バルブ147は、パイロット室140を有するパイロットタイプの減衰バルブであり、当接ディスク112がピストン18のシート部107から離座して開くと、通路101からの油液をピストン18とパイロット室形成部材122との間の径方向の通路148を介して下室20に流す。
複数枚のディスク114は、ディスク111の外径よりも小径且つシール部材146の最小径よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク115は、シール部材146の最小径よりも小径且つディスク114の外径よりも大径の外径を有する有孔円板状をなしている。
通路形成部材116は、有孔円板状をなしており、ディスク115と同径の外径となっている。通路形成部材116の径方向の中央には、軸方向の一側に先端ロッド27の保持軸部57を嵌合させる小径穴部151が形成されており、軸方向の他側に小径穴部151より大径の大径穴部152が形成されている。通路形成部材116には、軸方向の大径穴部152の位置に径方向に貫通する貫通穴153が複数形成されている。貫通穴153は大径穴部152を介して通路穴51に連通している。
規制ディスク117は、通路形成部材116よりも大径且つ室内側シート部137よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク118は、規制ディスク117よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク119は、室内側シート部137よりも大径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク120は、ディスク119と同径の外径つまり室内側シート部137よりも大径の外径を有し室内側シート部137に着座可能な有孔円板状をなしている。当接ディスク120には、外周側に複数の切欠120Aが、径方向の外周端から室内側シート部137よりも内側位置まで延在して形成されている。
ディスク119および当接ディスク120は、ディスクバルブ154を構成している。当接ディスク120の切欠120Aは、ディスクバルブ154が当接ディスク120において室内側シート部137に当接する閉状態にあってもパイロット室140を下室20に連通させる(つまりパイロット室140を下室20に常時連通させる)オリフィス155を形成している。
ディスク119および当接ディスク120を有するディスクバルブ154と室内側シート部137とが、パイロット室形成部材122に設けられてパイロット室140内方向への油液の流れを許容し逆方向への油液の流れを抑制するチェック弁機構156を構成している。チェック弁機構156は、ディスクバルブ154が当接ディスク120において室内側シート部137に当接した状態では、オリフィス155の通路面積でパイロット室140を下室20に連通させ、ディスクバルブ154の当接ディスク120が室内側シート部137から離れると、オリフィス155よりも広い通路面積でパイロット室140を下室20に連通させる。規制ディスク117は、剛性が高く、ディスクバルブ154の開方向への変形時にディスク119に当接してディスクバルブ154の規定以上の変形を規制する。
ディスク121は、当接ディスク120よりも小径且つパイロット室形成部材122の室内側シート部137よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク123は、ディスク121と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。押さえ部材124は、ディスク123より若干大径の外径を有する有孔円板状をなしている。
縮み側の減衰力発生機構105も、伸び側と同様、圧力制御型のバルブ機構であり、軸方向のピストン18側から順に、複数枚のディスク161と、一枚の減衰バルブ本体163と、複数枚のディスク164と、一枚のディスク165と、一つの通路形成部材166と、一枚の規制ディスク167と、一枚のディスク168と、一枚のディスク169と、一枚の当接ディスク170と、一枚のディスク171と、一つのパイロット室形成部材172と、一枚のディスク173と、複数枚のディスク174とを有している。
パイロット室形成部材172は、軸直交方向に沿う有孔円板状の底部181と、底部181の内周側に形成された軸方向に沿う円筒状の内側円筒状部182と、底部181の外周側に形成された軸方向に沿う円筒状の外側円筒状部183とを有している。底部181および内側円筒状部182は、外側円筒状部183に対し軸方向の一側にずれている。底部181には、軸方向に貫通する複数の貫通穴184が形成されており、また、外側円筒状部183の延出側且つ径方向の貫通穴184よりも外側に、環状の室内側シート部187が形成されている。
パイロット室形成部材172の底部181と内側円筒状部182と外側円筒状部183とで囲まれた軸方向の底部181とは反対側の空間は、減衰バルブ本体163にピストン18の方向に圧力を加えるパイロット室190となっている。先端ロッド27の上記した通路穴50と、後述する通路形成部材166の貫通穴203および大径穴部202とが、ロッド内通路32とパイロット室190とに接続されて、パイロット室190にロッド内通路32を介して上室19および下室20から油液を導入可能なパイロット室流入通路(第2の通路)191を構成している。室内側シート部187は、パイロット室形成部材172のパイロット室190側に形成されている。
複数枚のディスク161は、ピストン18のシート部108よりも小径であって通路102の上室19側の端部の開口位置よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。
減衰バルブ本体163は、ピストン18のシート部108よりも大径の外径を有しシート部108に着座可能な有孔円板状のディスク195と、ディスク195のピストン18とは反対側に固着されたゴム材料からなる円環状のシール部材196とからなっている。減衰バルブ本体163とピストン18のシート部108とが、ピストン18に設けられた通路102とパイロット室形成部材172に設けられたパイロット室190との間に設けられてピストン18の縮み側への移動によって生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる縮み側の減衰バルブ197を構成している。よって、この減衰バルブ197はディスクバルブとなっている。なお、ディスク195には、ピストンロッド21の保持軸部57を挿通させる中央の孔以外に軸方向に貫通する部分は形成されていない。
減衰バルブ本体163のシール部材196は、ディスク195から離れるほど大径となる形状をなしており、パイロット室形成部材172の外側円筒状部183の内周面に接触して、減衰バルブ本体163と外側円筒状部183との隙間をシールする。よって、減衰バルブ本体163とパイロット室形成部材172との間の上記したパイロット室190は、減衰バルブ本体163に、ピストン18の方向、つまりシート部108に当接する閉弁方向に内圧を作用させる。減衰バルブ197は、パイロット室190を有するパイロットタイプの減衰バルブであり、減衰バルブ本体163がピストン18のシート部108から離座して開くと、通路102からの油液をピストン18とパイロット室形成部材172との間の径方向の通路198を介して上室19に流す。
複数枚のディスク164は、ディスク161の外径よりも小径且つシール部材196の最小径よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク165は、シール部材196の最小径よりも小径且つディスク164の外径よりも大径の外径を有する有孔円板状をなしている。
通路形成部材166は、有孔円板状をなしており、ディスク165と同径の外径となっている。通路形成部材166の径方向の中央には、軸方向の一側に先端ロッド27の保持軸部57を嵌合させる小径穴部201が形成されており、軸方向の他側に小径穴部201より大径の大径穴部202が形成されている。通路形成部材166には、軸方向の大径穴部202の位置に径方向に貫通する貫通穴203が複数形成されている。貫通穴203は大径穴部202を介して通路穴50に連通している。
規制ディスク167は、通路形成部材166よりも大径且つ室内側シート部187よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク168は、規制ディスク167よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク169は、室内側シート部187よりも大径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク170は、ディスク169と同径の外径つまり室内側シート部187よりも大径の外径を有し室内側シート部187に着座可能な有孔円板状をなしている。当接ディスク170には、外周側に複数の切欠170Aが、径方向の外周端から室内側シート部187よりも内側位置まで延在して形成されている。
ディスク169および当接ディスク170は、ディスクバルブ204を構成している。当接ディスク170の切欠170Aは、ディスクバルブ204が当接ディスク170において室内側シート部187に当接する閉状態にあってもパイロット室190を上室19に連通させる(つまりパイロット室190を上室19に常時連通させる)オリフィス205を形成している。
ディスク169および当接ディスク170を有するディスクバルブ204と室内側シート部187とが、パイロット室形成部材172に設けられてパイロット室190内方向への油液の流れを許容し逆方向への油液の流れを抑制するチェック弁機構206を構成している。チェック弁機構206は、ディスクバルブ204の当接ディスク170が室内側シート部187に当接した状態では、オリフィス205の通路面積でパイロット室190を上室19に連通させ、ディスクバルブ204の当接ディスク170が室内側シート部187から離れると、オリフィス205よりも広い通路面積でパイロット室190を上室19に連通させる。規制ディスク167は、剛性が高く、ディスクバルブ204の開方向への変形時にディスク169に当接してディスクバルブ204の規定以上の変形を規制する。
ディスク171は、当接ディスク170よりも小径且つパイロット室形成部材172の室内側シート部187よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク173は、ディスク171と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。複数枚のディスク174は、ディスク173と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。
先端ロッド27の先端のオネジ61には、ナット210が、内周部に形成されたメネジ211において螺合されている。ナット210は、外周側が六角柱状をなしており、外周側に係合される工具で締め付けられると、図2に示す複数枚のディスク73、ディスク74、付勢ディスク75、開閉ディスク76、中間ディスク77、中間ディスク78、当接ディスク79、通路形成部材80、複数枚のディスク174、ディスク173、図3に示すパイロット室形成部材172、ディスク171、当接ディスク170、ディスク169、ディスク168、規制ディスク167、通路形成部材166、ディスク165、ディスク164、減衰バルブ本体163、複数枚のディスク161、ピストン18、複数枚のディスク111、当接ディスク112、減衰バルブ本体113、複数枚のディスク114、ディスク115、通路形成部材116、規制ディスク117、ディスク118、ディスク119、当接ディスク120、ディスク121、パイロット室形成部材122、ディスク123および押さえ部材124を、図2に示す先端ロッド27のフランジ部56との間に挟持する。
図1に示すように、メータリングピン31は、ベースバルブ25に支持される支持フランジ部220と、支持フランジ部220よりも小径で支持フランジ部220から軸方向に延出する大径軸部222と、大径軸部222の支持フランジ部220とは反対側から軸方向に延出するテーパ軸部223と、テーパ軸部223の大径軸部222とは反対側から軸方向に延出する小径軸部224とを有している。大径軸部222は一定径であり、小径軸部224は大径軸部222よりも小径の一定径である。テーパ軸部223は、図1に示すように、大径軸部222の小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223aと、テーパ部223aの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223bと、テーパ部223bの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223cと、テーパ部223cの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223dと、テーパ部223dの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなして小径軸部224の大径軸部222側の端部に連続するテーパ部223eとを有している。外径差を軸方向長で除算したテーパ量は、テーパ部223d、テーパ部223e、テーパ部223a、テーパ部223b、テーパ部223cの順に大きくなっている。
メータリングピン31は、ピストンロッド21の挿入穴30に挿入されている。メータリングピン31は、ピストンロッド21との間にロッド内通路32を形成している。図3に示すように、ピストンロッド21のシリンダ2内に配置される一端側に位置する先端ロッド27の小径穴部48とメータリングピン31との隙間はオリフィス(可変オリフィス)225となっており、このオリフィス225はロッド内通路32の中で下室20側に設けられている。オリフィス225を含むロッド内通路32と、図2に示すオリフィス88を含む通路89とが、ピストン18の移動により上室19および下室20間を作動流体が流れるように連通させることになる。
図3に示すオリフィス225は、メータリングピン31の図1に示す大径軸部222が小径穴部48と軸方向位置を合わせると通路面積が最も狭くなる。また、オリフィス225は、メータリングピン31の小径軸部224が小径穴部48と軸方向位置を合わせると通路面積が最も広くなる。さらに、オリフィス225は、メータリングピン31のテーパ軸部223が小径穴部48と軸方向位置を合わせると、テーパ軸部223の小径軸部224側に小径穴部48が位置するほど通路面積が徐々に広くなるようになっている。
ピストンロッド21のシリンダ2内に配置される一端側を構成する先端ロッド27の小径穴部48と、メータリングピン31とが、ピストンロッド21のシリンダ2に対する変位に応じて通路面積が変化可能なオリフィス225を含みこのオリフィス225の通路面積をピストンロッド21のシリンダ2に対する位置により調整する通路面積調整機構227を構成している。通路面積調整機構227は、言い換えれば、オリフィス225の通路面積をメータリングピン31により調整するものとなっている。
上記通路面積調整機構227による、緩衝器1のストローク位置に対するオリフィス225の通路面積は、図4に示す破線のようになっている。つまり、オリフィス225の通路面積は、縮み側の所定位置S1よりも縮み側では、小径穴部48と大径軸部222とが軸方向位置を合わせることになって最小の一定値となり、所定位置S1から1G位置を挟んで伸び側の所定位置S2までは小径穴部48とテーパ軸部223とが軸方向位置を合わせることになって伸び側ほど大きくなり、この所定位置S2から伸び側では小径穴部48と小径軸部224とが軸方向位置を合わせることになって最大の一定値となる。
図1に示すように、外筒4の底部材8と内筒3との間には、上記したベースバルブ25が設けられている。このベースバルブ25は、下室20とリザーバ室6とを仕切るベースバルブ部材231と、このベースバルブ部材231の下側つまりリザーバ室6側に設けられるディスク232と、ベースバルブ部材231の上側つまり下室20側に設けられるディスク233と、ベースバルブ部材231にディスク232およびディスク233を取り付ける取付ピン234と、ベースバルブ部材231の外周側に装着される係止部材235と、メータリングピン31の支持フランジ部220を支持する支持板236とを有している。取付ピン234は、ディスク232およびディスク233の径方向中央側をベースバルブ部材231との間で挟持する。
ベースバルブ部材231は、径方向の中央に取付ピン234が挿通される円環状をなしている。ベースバルブ部材231には、下室20とリザーバ室6との間で油液を流通させる複数の通路穴239と、これら通路穴239の径方向の外側にて、下室20とリザーバ室6との間で油液を流通させる複数の通路穴240とが形成されている。リザーバ室6側のディスク232は、下室20から内側の通路穴239を介してリザーバ室6への油液の流れを許容する一方でリザーバ室6から下室20への内側の通路穴239を介しての油液の流れを規制する。ディスク233は、リザーバ室6から外側の通路穴240を介して下室20への油液の流れを許容する一方で下室20からリザーバ室6への外側の通路穴240を介しての油液の流れを規制する。
ディスク232は、ベースバルブ部材231とによって、緩衝器1の縮み行程において開弁して下室20からリザーバ室6に油液を流すとともに減衰力を発生する縮み側の減衰バルブ242を構成している。ディスク233は、ベースバルブ部材231とによって、緩衝器1の伸び行程において開弁してリザーバ室6から下室20内に油液を流すサクションバルブ243を構成している。なお、サクションバルブ243は、主としてピストンロッド21のシリンダ2からの伸び出しにより生じる液の不足分を補うようにリザーバ室6から下室20に実質的に減衰力を発生させることなく液を流す機能を果たす。
係止部材235は、筒状をなしており、その内側にベースバルブ部材231を嵌合させる。ベースバルブ部材231は、この係止部材235を介して内筒3の下端の内周部に嵌合している。係止部材235のピストン18側の端部には径方向内側に延出する係止フランジ部245が形成されている。支持板236は、外周部が係止フランジ部245のピストン18とは反対側に係止され、内周部がメータリングピン31の支持フランジ部220のピストン18側に係止されている。これにより、係止部材235および支持板236がメータリングピン31の支持フランジ部220を取付ピン234に当接する状態に保持する。
図5に示すように、ロッドガイド22は、軸方向一側に大径外径部252が形成され、軸方向他側に大径外径部252よりも小径の小径外径部253が形成された外形形状をなしている。ロッドガイド22は、焼結部品であり、大径外径部252において外筒4の口元部材9の大径内周部14に嵌合し、小径外径部253において内筒3の内周部に嵌合する。
ロッドガイド22の径方向の中央には、大径穴部254と中間穴部255と小径穴部256とが形成されている。大径穴部254は、ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側に形成されている。中間穴部255は、大径穴部254よりも小径であり、ロッドガイド22の軸方向の大径穴部254よりも小径外径部253側に形成されている。小径穴部256は、大径穴部254よりも小径且つ中間穴部255より若干大径であり、ロッドガイド22の軸方向の中間穴部255の大径穴部254とは反対側に形成されている。
大径穴部254には、その内周面および底面に連続して連通溝257が形成されている。連通溝257は、大径穴部254の内周面に軸方向の全長にわたって形成され、大径穴部254の底面に径方向の全長にわたって形成されている。
ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側の端面には、環状凸部258が形成されている。環状凸部258は、ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側の端部から軸方向外方に突出するように形成されている。ロッドガイド22には、環状凸部258の内側に連通穴261が形成されている。連通穴261は、ロッドガイド22の大径外径部252を軸方向に貫通しており、外筒4と内筒3との間のリザーバ室6に連通している。
シール部材23は、シリンダ2の軸方向の一端部に配置され、その内周部においてピストンロッド21のロッド本体26の外周部に圧接することになる。シール部材23は、その内周部で、軸方向に移動するピストンロッド21の外周部に摺接して、内筒3内の油液と外筒4内のリザーバ室6の高圧ガスおよび油液とが、ロッドガイド22とピストンロッド21との隙間、およびロッドガイド22と外筒4との隙間から外部に漏洩するのを防止する。なお、図5においては、ピストンロッド21を仮想線(二点鎖線)で示し、シール部材23を、ピストンロッド21が挿通される前の自然状態で示している(ピストンロッド21に食い込んでいるわけではない)。
シール部材23は、シール部265と円環状の環状部材266とからなる一体成形品のシール部材本体267と、環状のスプリング268と、環状のスプリング269とからなっている。シール部265は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの摺動性のよい弾性ゴム材料からなっている。環状部材266は、シール部265内に埋設されシール部材23の形状を維持し、固定のための強度を得るためのもので、金属製となっている。
シール部265は、その径方向の内側に、円環筒状のダストリップ272と、円環筒状のオイルリップ273とを有している。ダストリップ272は、環状部材266の内周側のシリンダ内外方向外側から軸方向に沿って環状部材266から離れる方向に延出している。オイルリップ273は、環状部材266の内周側のシリンダ内外方向内側から軸方向に沿って環状部材266から離れる方向に延出している。スプリング268はダストリップ272の外周部に嵌合されており、スプリング269はオイルリップ273の外周部に嵌合されている。
また、シール部265は、その径方向外側に、外周シール274と、円環状のシールリップ275とを有している。外周シール274は環状部材266の外周面を覆っている。シールリップ275は、外周シール274からシリンダ内外方向内側に延出している。さらに、シール部265は、円環状のチェックリップ276を有している。このチェックリップ276は、シール部265の径方向中間部分のシリンダ内外方向内側から、シリンダ内外方向内側に拡径しつつ延出している。
ダストリップ272は、自然状態にあるとき、全体として環状部材266からシリンダ内外方向外側に離れるほど内径が小径となる先細筒状をなしている。ダストリップ272の外周部は、径方向内方に凹む形状をなしており、この部分に上記したスプリング268が嵌合されている。
オイルリップ273は、自然状態にあるとき、全体として環状部材266からシリンダ内外方向内側に離れるほど小径となる先細筒状をなしている。オイルリップ273の外周部は、径方向内方に凹む形状をなしており、この部分に上記したスプリング269が嵌合されている。また、オイルリップ273は、内周部が段差状をなしている。
シール部材23は、ダストリップ272がシリンダ内外方向の外側に配置され、オイルリップ273がシリンダ内外方向の内側に配置された状態で、外周シール274において外筒4の口元部材9の大径内周部14に密封接触することになる。シール部材23は、この状態で、シール部265の環状部材266の位置がロッドガイド22の環状凸部258とカバー5の内フランジ部16とに押さえ部材33とともに挟持される。この際に、シール部材23は、シールリップ275が、ロッドガイド22の環状凸部258と外筒4の口元部材9の大径内周部14との間に配置されて、これらに密封接触する。また、オイルリップ273がロッドガイド22の大径穴部254内に配置される。
そして、シリンダ2に取り付けられた状態のシール部材23には、ダストリップ272およびオイルリップ273の内側にピストンロッド21のロッド本体26が挿通されることになる。この状態で、ピストンロッド21はその一端がシリンダ2の一端から突出することになる。また、この状態で、ダストリップ272は、シリンダ2のピストンロッド21が突出する一端側に設けられ、オイルリップ273は、ダストリップ272のシリンダ内外方向の内側に設けられることになる。
ダストリップ272に嵌合されるスプリング268は、ダストリップ272のピストンロッド21への密着方向の締付力を一定状態に保つためのものである。また、このスプリング268は、設計仕様を満足させるための締付力の調整にも用いられる。オイルリップ273に嵌合されるスプリング269は、オイルリップ273のピストンロッド21への密着方向の締付力を調整する。
シール部265のロッドガイド22側のチェックリップ276は、ロッドガイド22の環状凸部258よりも内側部分に所定の締め代を持って全周にわたり密封接触可能となっている。ここで、ロッドガイド22とピストンロッド21との隙間から漏れ出た油液は、シール部材23のチェックリップ276よりもこの隙間側の主に大径穴部254により形成される室280に溜まることになる。チェックリップ276は、この室280の圧力が、リザーバ室6の圧力よりも所定量高くなった時に開いて室280に溜まった油液を連通穴261を介してリザーバ室6に流す。つまり、チェックリップ276は、室280からリザーバ室6への方向にのみ油液およびガスの流通を許容し逆方向の流通を規制する逆止弁として機能する。
上記のシール部材23は、ダストリップ272がその締め代およびスプリング268による緊迫力でピストンロッド21に密着して密封性を保持することになる。シール部材23は、外部露出時にピストンロッド21に付着した異物の内部への進入を主にこのダストリップ272が規制することになる。シール部材23は、オイルリップ273がその締め代およびスプリング269による緊迫力でピストンロッド21に密着して密封性を保持することになる。シール部材23は、ピストンロッド21の内筒3内への進入時にピストンロッド21に付着した油液が、ピストンロッド21の外部への露出にともなって外部へ漏出することを主にこのオイルリップ273によって規制することになる。
摩擦部材24は、ロッドガイド22の大径穴部254内の底部側に嵌合されることになり、よって、シール部材23よりもシリンダ2の内部側に配置されている。摩擦部材24は、その内周部においてピストンロッド21のロッド本体26の外周部に圧接することになり、ピストンロッド21への摩擦抵抗を発生させる。なお、図5においては、ピストンロッド21を仮想線(二点鎖線)で示し、摩擦部材24を、ピストンロッド21が挿通される前の自然状態で示している(ピストンロッド21に食い込んでいるわけではない)。
摩擦部材24は、円環状の弾性ゴム部291と円環状のベース部292とからなる一体成形品である。弾性ゴム部291は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの弾性ゴム材料からなっており、ベース部292に固着されている。ベース部292は金属製となっており、弾性ゴム部291の形状を維持し、ロッドガイド22への固定のための強度を得るためのものである。
摩擦部材24は、ベース部292が、底部301と筒部302とからなっている。底部301は有孔円板状をなしており、筒部302は底部301の外周側から軸方向に延びる円筒状をなしている。これら底部301および筒部302は中心軸を一致させており、言い換えれば、底部301に対し筒部302は垂直に延出している。
弾性ゴム部291は、ベース部292と中心軸を一致させた円環状をなしている。弾性ゴム部291は、ベース部292の底部301の内周面を覆うとともに底部301の径方向内側部分の軸方向の筒部302側を覆っており、底部301から軸方向の筒部302側に延出して設けられている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、筒部302から径方向に離間しており、筒部302と対向する外周側が軸方向の底部301側ほど大径となるテーパ面305となっている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、その内周面が、最小内径部307と拡径部308と拡径部309とを有している。
最小内径部307は、摩擦部材24の中で最も小径となっている。拡径部308は、最小内径部307の軸方向の底部301とは反対側にあって最小内径部307から離れるほど大径となるテーパ状をなしている。拡径部309は、最小内径部307の軸方向の底部301側にあって最小内径部307から離れるほど大径となるテーパ状をなしている。言い換えれば、弾性ゴム部291には、内周側に最小内径部307と最小内径部307の軸方向両側の拡径部308,309とが設けられ、拡径部308,309の境界部分が最小内径部307となっている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、拡径部309の最小内径部307と底部301との間の軸方向長さが、拡径部308の軸方向長さよりも長くなっている。
上記構造の摩擦部材24は、ベース部292の軸方向の筒部302側がシリンダ内外方向の外側に配置され、ベース部292の軸方向の底部301がシリンダ内外方向の内側に配置された状態で、ロッドガイド22の大径穴部254に圧入される。このとき、摩擦部材24は、ベース部292の底部301が大径穴部254の底面に当接する。
そして、シリンダ2に取り付けられた状態の摩擦部材24には、弾性ゴム部291の内側にピストンロッド21のロッド本体26が、所定の締め代をもって挿通されることになり、よって、摩擦部材24は、弾性ゴム部291が径方向外側に弾性変形しつつピストンロッド21のロッド本体26に密着する。そして、ピストンロッド21がシリンダ内外方向に移動するとこれに弾性ゴム部291が摺接する。その際に、摩擦部材24は、摩擦特性の調整を行うことになる。
上記のように摩擦部材24を嵌合させた状態でロッドガイド22の大径穴部254と摩擦部材24との間には、大径穴部254に形成された連通溝257によって連通路311が形成されることになり、この連通路311がロッドガイド22の小径穴部256側と大径穴部254側つまり室280側とを連通させる。ロッドガイド22の小径穴部256側は、ピストンロッド21との隙間を介して上室19に連通しており、よって、連通路311は室280と上室19とを連通させて、これらの差圧を小さくする。言い換えれば、連通路311は、摩擦部材24の軸方向両側を連通させて摩擦部材24の軸方向両側の差圧を小さくする。よって、摩擦部材24は、積極的にシールとしての役割を果たすものではない。摩擦部材24および連通路311が、摩擦部材24によってピストンロッド21の摺動抵抗となって緩衝器1に減衰力を発生させる減衰力発生機構312を構成する。
なお、連通路311に代えて、または、連通路311に加えて、摩擦部材24の内周に軸方向両側の差圧を小さくする連通路を設けてもよい。また、連通路311は常時連通していなくとも、例えば、シリンダ2内から外側への逆止弁を設けてもよい。ようは、摩擦部材24が完全なシールとして作用するものでなければよい。
本実施形態の緩衝器1の作動を説明する。本実施形態の緩衝器1は、通路面積調整機構91,227が設けられていることにより、ストローク位置により減衰力が変化する位置感応機能を有するものとなっている。
ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、緩衝体39がロッドガイド22に当接し、リバウンドスプリング38を含むバネ機構90が縮長している。これにより、通路面積調整機構91が、図2に示すバネ機構90のピストン側バネ受35によって付勢ディスク75および開閉ディスク76を弾性変形させて開閉ディスク76を当接ディスク79に当接させて通路89を閉塞させることになる。また、この最大長側所定範囲では、図3に示す通路面積調整機構227が、メータリングピン31の小径軸部224の軸方向位置に小径穴部48を合わせてオリフィス225の通路面積を最大にすることになる。この最大長側所定範囲では、ロッド内通路32が上記オリフィス225において下室20に連通することになり、伸び側の減衰力発生機構104のパイロット室140と、縮み側の減衰力発生機構105のパイロット室190とが、オリフィス225を含むロッド内通路32と、パイロット室流入通路141,191とを介して共に下室20に連通する。
この最大長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の外部へ延出される伸び行程では、ピストン18が上室19側に移動し、上室19の圧力が上がり下室20の圧力が下がる。すると、上室19の圧力が、ピストン18に形成された伸び側の通路101を介して伸び側の減衰力発生機構104の減衰バルブ147の減衰バルブ本体113および当接ディスク112に作用する。このとき、減衰バルブ本体113および当接ディスク112にシート部107の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室140は、オリフィス225を含むロッド内通路32およびパイロット室流入通路141を介して下室20に連通しているため、下室20に近い圧力状態となって、パイロット圧が下がることになる。よって、減衰バルブ本体113および当接ディスク112は、受ける差圧が大きくなり、比較的容易にシート部107から離れるように開いて、上室19の油液を、通路101と、ピストン18とパイロット室形成部材122との間の径方向の通路148とを介して下室20側に流す。また、このとき、下室20に連通している縮み側の減衰力発生機構105のパイロット室190に設けられたディスクバルブ204にパイロット室形成部材172の貫通穴184を介して上室19の圧力が加わることになり、よって、ディスクバルブ204が室内側シート部187から離座して、上室19の油液を、貫通穴184、パイロット室190、パイロット室流入通路191およびロッド内通路32を介して下室20に流す。これら二系統の流れにより、減衰力は下がる。つまり、伸び側減衰力がソフトの状態となる。
また、この最大長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の内部へ進入される縮み行程では、ピストン18が下室20側に移動し、下室20の圧力が上がり上室19の圧力が下がる。すると、下室20の油圧がピストン18に形成された縮み側の通路102を介して縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197の減衰バルブ本体163に作用する。このとき、減衰バルブ本体163にシート部108の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室190は、ロッド内通路32およびパイロット室流入通路191を介して下室20に連通しているため、下室20に近い圧力状態となり、下室20の圧力上昇と共にパイロット圧も上昇する。
この状態では、ピストン速度が遅い時、パイロット室190の圧力上昇が下室20の圧力上昇に追従可能であるため、減衰バルブ本体163は、受ける差圧が小さくなり、シート部108から離れにくい状態になる。よって、下室20からの油液は、ロッド内通路32およびパイロット室流入通路191からパイロット室190を通り、チェック弁機構206の、室内側シート部187に当接状態にあるディスクバルブ204のオリフィス205を介して上室19に流れ、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して比較的減衰力の上昇率が高くなる。
以上により、縮み行程の減衰力は、伸び行程の減衰力に比べて高くなり、縮み側減衰力がハードの状態となる。つまり、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、伸び側減衰力がソフトの状態となり、縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性となる。
なお、最大長側所定範囲の縮み行程であっても、路面の段差等により生じるインパクトショック発生時等において、ピストン速度が高速の領域になると、パイロット室190の圧力上昇が下室20の圧力上昇に追従できなくなり、縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197の減衰バルブ本体163に作用する差圧による力の関係は、ピストン18に形成された通路102から加わる開方向の力がパイロット室190から加わる閉方向の力よりも大きくなる。よって、この領域では、ピストン速度の増加に伴い減衰バルブ197が開いて減衰バルブ本体163がシート部108から離れることになり、ピストン18とパイロット室形成部材172との間の径方向の通路198を介して上室19に油液を流すため、減衰力の上昇を抑えることになる。このときのピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して減衰力の上昇率がほとんどないことになる。よって、ピストン速度が速く周波数が比較的高い、路面の段差等により生じるインパクトショック発生時等において、上記のようにピストン速度の増加に対する減衰力の上昇を抑えることで、ショックを十分に吸収する。
他方、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、リバウンドスプリング38が縮長せず、通路面積調整機構91は、リバウンドスプリング38を含むバネ機構90により押圧されずに開閉ディスク76を当接ディスク79から離間させて通路89のオリフィス88の通路面積を最大にする。また、最小長側所定範囲では、通路面積調整機構227が、メータリングピン31の大径軸部222の軸方向位置に小径穴部48を合わせてオリフィス225を閉塞させる。この最小長側所定範囲では、ロッド内通路32が上記通路89を介して上室19に連通することになり、伸び側の減衰力発生機構104のパイロット室140と、縮み側の減衰力発生機構105のパイロット室190とが、ロッド内通路32を介して共に上室19に連通する。
この最小長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の外部へ延出される伸び行程では、ピストン18が上室19側に移動し、上室19の圧力が上がり下室20の圧力が下がる。すると、上室19の圧力が、ピストン18に形成された伸び側の通路101を介して伸び側の減衰力発生機構104の減衰バルブ147の減衰バルブ本体113および当接ディスク112に作用する。このとき、減衰バルブ本体113および当接ディスク112にシート部107の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室140は、通路89、ロッド内通路32およびパイロット室流入通路141を介して上室19に連通しているため、上室19に近い圧力状態となり、上室19の圧力上昇と共にパイロット圧も上昇する。
この状態では、ピストン速度が遅い時、パイロット室140の圧力上昇が上室19の圧力上昇に追従可能であるため、減衰バルブ本体113および当接ディスク112は、受ける差圧が小さくなり、シート部107から離れにくい状態になる。よって、上室19からの油液は、通路89、ロッド内通路32およびパイロット室流入通路141からパイロット室140を通り、チェック弁機構156の室内側シート部137に当接状態にあるディスクバルブ154のオリフィス155を介して下室20に流れ、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して比較的減衰力の上昇率が高くなる。これにより、伸び行程の減衰力は高くなり、伸び側減衰力がハードの状態となる。
また、この最小長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の内部へ進入される縮み行程では、ピストン18が下室20側に移動し、下室20の圧力が上がり上室19の圧力が下がる。すると、下室20の油圧がピストン18に形成された縮み側の通路102を介して縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197の減衰バルブ本体163に作用する。このとき、減衰バルブ本体163にシート部108の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室190は、通路89、ロッド内通路32およびパイロット室流入通路191を介して上室19に連通しているため、上室19に近い圧力状態となり、パイロット圧が下がることになる。よって、減衰バルブ本体163は、受ける差圧が大きくなり、比較的容易にシート部108から離れるように開いて、下室20の油液を、ピストン18とパイロット室形成部材172との間の径方向の通路198を介して上室19側に流す。また、このとき、上室19に連通している伸び側の減衰力発生機構104のパイロット室140に設けられたディスクバルブ154にパイロット室形成部材122の貫通穴134を介して下室20の圧力が加わることになり、よって、ディスクバルブ154が室内側シート部137から離座して、下室20の油液を、貫通穴134、パイロット室140、パイロット室流入通路141、ロッド内通路32および通路面積調整機構91の通路89を介して上室19に流す。これら二系統の流れにより、減衰力は下がる。
以上により、縮み行程の減衰力は、伸び行程の減衰力に比べて減衰力が低くなり、縮み側減衰力がソフトの状態となる。つまり、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、伸び側減衰力がハードの状態となり、縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性となる。
本実施形態の緩衝器1は、通路面積調整機構91,227を備えることによって、以上に述べたように最大長側所定範囲と最小長側所定範囲とでハードとソフトの関係が逆になる反転型の位置感応の減衰力変化特性が得られる。
そして、本実施形態の緩衝器1は、上記位置感応の減衰力特性を得るための構成に加えて、これとは独立して作動して機能する減衰力発生機構312を設け、その摩擦部材24によって、ピストン速度が微低速であって微振幅入力時のピストンロッド21への作用力を適正化している。つまり、摩擦部材24を用いると、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時に、ピストン速度が0からの動き始めの摩擦領域において、摩擦部材24はピストンロッド21と滑りを生じず弾性ゴム部291の弾性変形によるバネ力が発生し、このバネ力が作用力となる(動バネ領域)。その後、ある程度(0.1mm)以上ピストンロッド21が動くと、摩擦部材24とピストンロッド21との間で滑りが発生し、動摩擦力が発生することになる(動摩擦領域)。本実施形態では、摩擦部材24によって、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時の動バネ定数が向上し動摩擦係数が高くなり、摩擦部材24を備えずに通路面積調整機構91,227を備える緩衝器1の減衰力発生機構104,105による減衰力よりも上げることができる。
つまり、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時の減衰力可変特性は、減衰力発生機構312が設けられていない場合に比べて、減衰力発生機構312が設けられている場合の方が、最大長側所定範囲での伸び側減衰力がハードの状態になり、最小長側所定範囲での縮み側減衰力がハードの状態になる。これにより、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時に、良好な減衰力特性を得ることができ、バネ下制振性が向上し乗り心地が向上する。
上記した特許文献1,2に記載のものは、位置感応型の緩衝器であるが、ピストンに形成された通路を開閉するディスクバルブにスプリングのバネ荷重を直接負荷して開弁圧を上げるようになっており、伸び側の位置と、縮み側の位置とで、減衰力を調整できるようにするためには、スプリングが伸び側と縮み側とで2つ必要となってしまう。また、減衰力可変幅を大きくとるためには、バネレートを高くする必要があるが、バネレートを高くすれば、バネ反力の作用も大きくなり、減衰力の変化が急激になるだけでなく、ピストンロッド21のストロークが小さくなり、搭載車両の乗り心地が悪くなってしまう。
また、減衰力可変幅を大きくし、反力を小さくする設定は出来ず、緩衝器の特性を自由に設計できないという問題があった。
これに対して、以上に述べた本実施形態の緩衝器1によれば、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲で、伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性と、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲で、伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性とを、ピストンロッド21の位置によってオリフィス88の通路面積を調整する通路面積調整機構91と、ピストンロッド21の位置によってオリフィス225の通路面積を調整する通路面積調整機構227とで得ることができる。このように、油液が流通するオリフィス88,225の通路面積を調整するため、減衰力を滑らかに変化させることが可能となり、搭載車両の乗り心地が良好になる。
また、設計段階においても、通路面積調整機構91においては、リバウンドスプリング38のバネレートは変えずに開閉ディスク76の特性や中間ディスク78の切欠78Aの面積を変えるのみで反力特性を殆ど変えずに減衰力特性を調整でき、また、通路面積調整機構227においては、メータリングピン31のプロフィールを変えることで、反力特性を変えずに減衰力特性を変えることができる。これにより、設計自由度も高まり、減衰特性のチューニングも容易に行うことができる。
また、上記最大長側特性および最小長側特性が得られることで、バネ上を加振する力を小さく(つまりソフト)し、バネ上を制振する力を大きく(つまりハード)することができ、電子制御なしでスカイフック制御のような上質の乗り心地が得られる。
本実施形態の緩衝器1によれば、伸び側の減衰力発生機構104において、パイロット室形成部材122のパイロット室140側に、パイロット室140内方向への油液の流れを許容し逆方向への油液の流れを抑制するチェック弁機構156が設けられている。このため、最小長側所定範囲の伸び行程において、上室19の圧力が上昇するとチェック弁機構156が閉状態を維持することになり、よって、パイロット室140の圧力を十分に高めることができる。その結果、当接ディスク112および減衰バルブ本体113をシート部107からより離れにくくでき、伸び側減衰力をよりハードの状態とすることができる。また、パイロット室形成部材122の外側にチェック弁機構を設ける場合に比べて部品点数を削減できるため、先端ロッド27とナット210との間の軸力が安定し、バラツキの少ない安定したバルブ特性が得られる。詳述すると、例えば特開2006−10069号の図1に示されるように、パイロット室形成部材122の外側にディスクバルブを積層する構造を採用して、チェック弁機構を構成することを考えると、積層ディスクバルブが面する室が低圧側となる行程において、積層したディスクバルブが開弁しないようにする構成を有していないため、パイロット室140の圧力が高まった後、ディスクバルブが開弁しないよう、多くのディスクバルブを積層する必要がある。よって、部品点数の増加を招いたり、減衰力にばらつき生じる可能性がある。一方、積層ディスクバルブが面する室が高圧側となる行程においては、流路を絞って構成されているため、パイロット室140の圧力が高くなりずらく、結果としてハード側の減衰力が高くならない。つまり、伸び行程、縮み行程とで、積層ディスクバルブの流路を共用することになるので、何れかの行程で少なくとも所望の減衰力特性を出しにくいことになる。
また、縮み側の減衰力発生機構105において、パイロット室形成部材172のパイロット室190側に、パイロット室190内方向への油液の流れを許容し逆方向への油液の流れを抑制するチェック弁機構206が設けられている。このため、最大長側所定範囲の縮み行程において、下室20の圧力が上昇するとチェック弁機構206が閉状態を維持することになり、よって、パイロット室190の圧力を十分に高めることができる。その結果、減衰バルブ本体163をシート部108からより離れにくくでき、縮み側減衰力をよりハードの状態とすることができる。また、パイロット室形成部材172の外側にチェック弁機構を設ける場合に比べて部品点数を削減できるため、先端ロッド27とナット210との間の軸力が安定し、バラツキの少ない安定したバルブ特性が得られる。
チェック弁機構156は、ディスクバルブ154の特性やオリフィス155の大きさを容易に調整可能であり、チェック弁機構206も、ディスクバルブ204の特性やオリフィス205の大きさを容易に調整可能であるため、調整代が拡大する。これにより、微低速域での減衰力を向上でき、伸圧比の調整が可能となる。詳述すると、パイロット室からチェック弁機構を介して下流側の室に油液を移動させるときは、オリフィスを小さくすることにより微低速域での減衰力を高めることができる。一方、上流側の室からチェック弁機構を介してパイロット室に油液を移動させるときは、チェック弁機構がすぐに開弁することにより、行程反転後、上流側の室とパイロット室との差圧を小さくすることができるため、減衰力のばらつきを抑えることができる。
また、本実施形態の緩衝器1によれば、摩擦部材24を含む減衰力発生機構312を有するため、微振幅時の動バネ定数の向上と、動摩擦特性の調整が可能となる。具体的には、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時に、減衰力発生機構312が設けられていない場合に比べて、減衰力発生機構312が設けられている場合の方が、最大長側所定範囲での伸び側減衰力がハードの状態になり且つ最小長側所定範囲での縮み側減衰力がハードの状態になる。ここで、位置感応機能を有する緩衝器は、その機能を高めると、操舵入力に対するロール方向の動きおよびピッチ方向の動きが大きくなり、操縦安定性が低下する。つまり、位置感応機能は、加振入力に対してソフトになる機能のため、路面からの外部入力に対しては効果が得られるが、伝達力の応答性が必要な操舵入力も外部からの加振入力のため、ソフトになってしまい、ロール方向の動きおよびピッチ方向の動きが大きくなってしまい、操縦安定性が低下する。操舵時の緩衝器の作動は、ピストン速度が微低速であって微振幅の領域が大半を占め、この領域での減衰力の発生の仕方により、車体の動きが大きく変わる。また、位置感応機能の効果が小さい良路での乗り心地に対しても、ピストン速度が微低速であって微振幅の領域が支配的である。これに対して、本実施形態の緩衝器1によれば、ピストン速度が微低速であって微振幅の領域での伝達力をコントロールするデバイスである摩擦部材24を含む減衰力発生機構312を組み合わせることによって、位置感応機能の課題である、操舵入力に対してロール方向の動きおよびピッチ方向の動きが大きくなってしまうことや、ハンドリングの緩さ、初期応答性の低下といった、操縦安定性を犠牲にすることを生じることなく、乗り心地向上という位置感応機能の効果が十分に得られる。特に微操舵入力に対する車両応答性(ヨー応答性)を向上させることができる。また、乗り心地向上の点では、いわゆるビリザラ感、ブルブル感を低減でき、質感を向上させることができる。
なお、車体に設けられた車輪に取り付けられたタイヤが、パンク発生時も所定距離の走行が可能なランフラットタイヤや、空気圧が240kPa以上の低燃費タイヤである場合に、タイヤの剛性(バネ定数)が高く、バネ下振動が大きくなって乗り心地が悪化傾向となる。摩擦部材24は、周波数が高くなると動バネ力が上がる摩擦特性となっているため、特に、上記したランフラットタイヤや空気圧が240kPa以上の低燃費タイヤを車体に備えた車両に本実施形態の緩衝器1を設け、摩擦部材24によってバネ下共振(15Hz付近)の緩衝器1の伝達力を上げることにより、上記したバネ下制振性を向上させる効果が高い。ここで、ランフラットタイヤとは、ダイヤのサイドウォール(ショルダー)部分の剛性を強化したタイプや、タイヤ内部に中子を持たせたタイプ等があり、これら共通して、通常の同じサイズのタイヤ比べ重量が重く、また、タイヤが割けないように剛性が高くなっており、バネ定数が高くなっている。
また、低燃費タイヤとは、転がり抵抗を低めたタイヤで一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が転がり抵抗係数(RRC)9.0以下(JISD4234,ISO28580)と定義している。このような低燃費タイヤは、転がり抵抗係数を小さくするためにタイヤのバネ定数を高めたり、空気圧を高めるなどしており、結果として、バネ下振動が大きくなって乗り心地が悪化傾向となる。
メータリングピン31の径は上記のように、大径軸部222と小径軸部224との2段階に限られず、3段階以上としても良い。例えば、大径軸部222と小径軸部224との間に大径軸部222よりも小径かつ小径軸部224よりも大径の一定径の中径軸部を設ければ、ピストンロッド21が最大長側所定位置と最小長側所定位置との間の中間所定範囲にあるときに、以下の特性が得られる。
ピストンロッド21が中間所定範囲にあるとき、最小長側所定範囲と同様、通路面積調整機構91が、バネ機構90により押圧せずに開閉ディスク76を当接ディスク79から離間させて通路89の通路面積を最大にしているものの、通路面積調整機構227が、メータリングピン31の中径軸部の軸方向位置に小径穴部48を合わせていてオリフィス225の通路面積を最小長側所定範囲よりも広くする。この中間所定範囲では、パイロット室140およびパイロット室190の圧力は、最小長側所定範囲にあるときよりも下室20の圧力に近くなる。
よって、伸び行程では、パイロット室140の圧力が最小長側所定範囲よりも低くなるため、伸び側の減衰力発生機構104の減衰バルブ147の減衰バルブ本体113および当接ディスク112が受ける差圧が最小長側所定範囲よりも大きくなり、減衰力が最小長側所定範囲にあるときのハードの状態よりは低いが最大長側所定範囲にあるソフトの状態よりは高いミディアムの状態になる。他方、縮み行程では、通路面積調整機構91が、通路89の通路面積を最大にしているため、最小長側所定範囲と同様、減衰力が低く、ソフトの状態となる。
以上に述べた実施形態によれば、作動流体が封入されるシリンダと、一端側が前記シリンダ内に挿入され他端側が該シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、該ピストンロッドの一端側に連結されて前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、該ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、を備え、前記減衰バルブは、伸び側および縮み側の減衰バルブであって、伸び側および縮み側の少なくとも一方の減衰バルブは、減衰バルブ本体と、前記第2の通路に接続されるパイロット室を前記減衰バルブ本体との間に形成するパイロット室形成部材とを有し、該パイロット室形成部材の前記パイロット室側に、該パイロット室内方向への作動流体の流れを許容し逆方向への作動流体の流れを抑制するチェック弁機構が設けられていることを特徴とする。このように、作動流体が流通する第2の通路の通路面積を調整するため、減衰特性や反力等の設定自由度を高くすることが可能となる。また、減衰力を滑らかに変化させることが可能となり、搭載車両の乗り心地が良好になる。
パイロット室形成部材のパイロット室側に、パイロット室内方向への油液の流れを許容し逆方向への油液の流れを抑制するチェック弁機構が設けられているため、パイロット室の圧力上昇に対しチェック弁機構が閉状態を維持することになり、よって、パイロット室の圧力を十分に高めることができる。その結果、減衰バルブ本体を開きにくくでき、減衰力をよりハードの状態とすることができる。
前記チェック弁機構は、内周側がクランプされ、外周側は前記パイロット室内に形成されたシート部に着座する構成であることを特徴とする。
前記チェック弁機構の前後を常時連通するオリフィスを設けたことを特徴とする。
上記実施形態は、複筒式の油圧緩衝器に本発明を用いた例を示したが、これに限らず、外筒をなくしシリンダ2内の下室20の上室19とは反対側に摺動可能な区画体でガス室を形成するモノチューブ式の油圧緩衝器に用いてもよく、あらゆる緩衝器に用いることができる。勿論、上記したベースバルブ25に本発明を適用することも可能である。また、シリンダ2の外部にシリンダ2内と連通する油通路を設け、この油通路に減衰力発生機構を設ける場合にも適用可能である。
なお、上記実施の形態では、油圧緩衝器を例に示したが、流体として水や空気を用いることもできる。
上記実施形態では、摩擦部材24を備えた構成を示したが、微低速域での減衰力は低下するものの、摩擦部材24を無くしても良い。
1 緩衝器
2 シリンダ
18 ピストン
19 上室
20 下室
21 ピストンロッド
32 ロッド内通路(第2の通路)
89 通路(第2の通路)
91,227 通路面積調整機構
101,102 通路(第1の通路)
140,190 パイロット室
147,197 減衰バルブ
113,163 減衰バルブ本体
122,172 パイロット室形成部材
156,206 チェック弁機構

Claims (3)

  1. 作動流体が封入されるシリンダと、
    一端側が前記シリンダ内に挿入され他端側が該シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
    該ピストンロッドの一端側に連結されて前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、
    該ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、
    前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、
    前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、を備え、
    前記減衰バルブは、伸び側および縮み側の減衰バルブであって、
    伸び側および縮み側の少なくとも一方の減衰バルブは、減衰バルブ本体と、前記第2の通路に接続されるパイロット室を前記減衰バルブ本体との間に形成するパイロット室形成部材とを有し、
    該パイロット室形成部材の前記パイロット室側に、該パイロット室内方向への作動流体の流れを許容し逆方向への作動流体の流れを抑制するチェック弁機構が設けられていることを特徴とする緩衝器。
  2. 前記チェック弁機構は、内周側がクランプされ、外周側は前記パイロット室内に形成されたシート部に着座する構成であることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記チェック弁機構の前後を常時連通するオリフィスを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
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