JPH0724786B2 - 竪型ミル - Google Patents

竪型ミル

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JPH0724786B2
JPH0724786B2 JP34070890A JP34070890A JPH0724786B2 JP H0724786 B2 JPH0724786 B2 JP H0724786B2 JP 34070890 A JP34070890 A JP 34070890A JP 34070890 A JP34070890 A JP 34070890A JP H0724786 B2 JPH0724786 B2 JP H0724786B2
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crushing
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table liner
powder
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橋本  勲
統右 木下
正博 内田
進 内山
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、たとえばセメントなどの製造に用いられる竪
型ミルに関する。
背景技術 第9図は従来技術の竪型ミル1の一部分の断面図であ
る。竪型ミル1は、ハウジング2内に鉛直回転軸線を有
するテーブル3を有し、テーブル3はテーブルライナ3a
およびテーブル本体3bから構成される。このテーブル3
は回転軸4によつて回転駆動される。またテーブルライ
ナ3aに圧接して、たとえばセメントなどの原料を粉砕す
るローラ5が回転軸6のまわりに、テーブル3の回転駆
動に伴つて回転する。ローラ5とテーブルライナ3aとの
間で粉砕された原料は、ノズル7を介しハウジング2内
で矢符A1方向に吹き上げられる気体流によつて上昇され
る。
第10図は竪型ミル1の動作を説明するグラフである。第
10図のライン1は、ローラ5のテーブルライナ3aとの
間で粉砕を行う外周面8の各部の回転軸6のまわりの回
転速度に関し、回転軸6の延びる方向に沿い、一端部か
ら他端部に亘る速度分布を示す。また、ラインl2はテー
ブル3の回転速度のテーブル3の半径方向に沿う分布を
示す。第10図のライン1,12の交点P1は、ローラ5とテ
ーブルライナ3aとが相互に等速度で接触しており、した
がつて相対速度が0の部分である。以下、この位置を回
転同期位置と称する。この回転同期位置P1より半径方向
内方側の第1粉砕領域Q1では、ローラ5の周速度の方が
大きく、点回転同期位置1より半径方向外方の第2粉砕
領域Q2では、テーブルライナ3aの周速度の方が大きい。
なお、参照符Q1,Q2は、図解の便宜のために、回転軸6
の軸線方向の長さで示してある。
このような粉砕領域Q1,Q2における相対速度を有して相
互に回転するローラ5とテーブルライナ3aとに関して、
原料は第9図の矢符A2方向に供給され、ローラ5とテー
ブルライナ3aとの間に噛込まれ、第1粉砕領域Q1におい
て、ローラ5とテーブルライナ3aとの圧接力によつて圧
縮粉砕される。また、第2粉砕領域Q2では、ローラ5と
テーブルライナ3aとの相対速度が比較的に大きいので、
両者の摩擦による摩擦粉砕が行われ、原料がさらに微粉
砕される。
従来の竪型ミル1においては、第9図に示すように第2
粉砕領域Q2において、テーブル3の半径方向外方になる
に従い、ローラ5の外周面8とテーブルライナ3aとの間
隙は次第に拡大している。したがつて上述したように粉
砕されて得られた粉体が、テーブルライナ3aとローラ5
との前記間隙9から、半径方向外方に容易に移動する。
したがつてローラ5からテーブルライナ3aへの圧下力に
よつて、粉体は上述のように半径方向外方に移動し、こ
の圧力下が粉体の微粉砕に有効に用いられないという問
題点があつた。
このような問題点を解決する従来技術として、第11図に
示すような構成を有する竪型ミル1aが用いられた。この
従来技術の竪型ミル1aは第11図に示した竪型ミル1に類
似し、対応する部分には同一の参照符を付す。本従来技
術の竪型ミル1aの注目すべき構成は、ローラ5の前記外
周面8と、テーブルライナ3aとの間の前記間隙9が、テ
ーブル3の半径方向内方から外方にかけて、単調に減少
する形状となつていることである。すなわち前記間隙9
の幅は、ローラ5の前記外周面8の半径方向外方側端部
付近で最も小さくなつており、第9図の前記回転同期位
置P1に関して指摘したような粉砕されて得られた粉体が
前記間隙9から半径方向外方に容易に移動してしまい、
ローラ5のテーブルライナ3aへの圧下力が有効に粉砕に
用いられないという問題点は、一定程度解消することが
できる。
発明が解決しようとする問題点 一方、このような従来技術では、第9図の第1粉砕領域
Q1に対応する部分の間隙9がむやみに広くなつてしま
い、この部分の原料の粉砕への寄与が減少すると共に、
ローラ外方端部のみに局部的に力が加わり、その他の部
分での粉砕が不十分となり、したがつて粉砕効率が低下
してしまうという問題点があつた。
本発明の目的は、上述の問題点を解決し粉砕効率が格段
に向上されるとともに、原料を粉砕して得られる粉体の
粒度分布を所望の態様にするようにできる改善された竪
型ミル、特に微粉砕に適した竪型ミルを提供することで
ある。
問題点を解決するための手段 本発明は、鉛直回転軸線を有するテーブル上に、テーブ
ルの半径方向に沿う回転軸線を有するローラを圧接回転
して、テーブルに備えられるテーブルライナとローラと
の間で原料を粉砕する竪型ミルにおいて、 ローラは、その回転軸線方向に沿う略円弧状の外周面を
有し、 テーブルライナには、ローラの外周面が嵌り込む環状凹
溝が形成され、 ローラとテーブルライナとの間隙がテーブルの半径方向
内方側から外方側に向けて狭くなる第1粉砕領域と、第
1粉砕領域よりも半径方向外方側で前記間隙が一定であ
る第2粉砕領域を有し、 テーブルライナの環状凹溝より半径方向外方で、前記半
径方向内方側に向けて突出した環状突出部を設け、 前記環状突出部にはその周方向に沿つてほぼ等間隔をあ
けて複数箇所において、半径方向に貫通する切欠きが設
けられ、この切欠きは、粉砕過程の原料および粉砕して
得られた粉体などが、ローラとテーブルライナとの間に
滞留する時間および量が、希望する各値になるように設
定することを特徴とする竪型ミルである。
作用 本発明に従う竪型ミルでは、ローラは、その回転軸線方
向に沿う略円弧状の外周面を有し、テーブルライナに
は、ローラの外周面が嵌り込む環状凹溝が形成される。
テーブルライナの環状凹溝より半径方向外方で、前記半
径方向内方側に向けて突出した環状突出部を設け、前記
環状突出部にはその周方向に沿う複数箇所において、半
径方向に貫通する切欠きが設けられる。
したがつて原料は、前記環状凹溝とローラの外周面によ
つて容易に噛み込まれ、また、ローラとテーブルライナ
との間の圧接力によつて粉砕される。このように微粉砕
された粉体は、テーブルライナの半径方向外方に設けら
れた環状突出部によつて半径方向外方に移動することが
阻害され、したがつてローラとテーブルライナとの間の
原料および粉体などがローラとテーブルライナとの間の
間隙に滞留する時間が長くなり、したがつて粉砕効率が
格段に向上されると共に、十分な微粉砕が得られること
になる。
また環状突出部の切欠きから、粉砕された粉体などが半
径方向外方に移動し、粉砕過程の原料や粉砕して得られ
た粉体などが、ローラと、テーブルライナとの間に滞留
する時間および量を、選択的に変化することができる。
したがつて、前記切欠きの周方向長さを所望の値とする
ことによつて、このような竪型ミルを用いて製造される
粉体の粉度分布を、所望の態様とすることができる。
もしも仮に、環状突出部が周方向に連続しており、本発
明における上述の切欠きが形成されていないと仮定すれ
ば、環状突出部によつて粉体は半径方向外方に移動する
ことが阻止され、しかもその移動することが阻止された
粉体の粒度は、上になるほど粗く、下方になるほど細か
くなつていることが本件発明者によつて確認され、その
上側の粗粉は、テーブルの回転時における遠心力によつ
て環状突出部を乗越えて排出され、多量の細粉だけが環
状突出部によつて滞留されることが分かつた。このよう
に環状突出部によつて半径方向外方に移動することが阻
止された多量の細粉は、クツシヨン効果を発揮し、ロー
ラの加圧力を、粉砕に確実に寄与させることができなく
なつてしまい、エネルギロスが大きくなるという問題が
生じる。
本発明に従えば、環状突出部に切欠きを、周方向に沿つ
てほぼ等間隔をあけて複数、設け、これによつて環状突
出部によつて半径方向外方への移動排出が阻止されてい
る細粉を、部分的に排出し、これによつて粉砕効率の向
上を図つており、上述の問題を解決する。またこれによ
つて製品の粒度分布を希望するように達成することがで
きる。
また本発明に従えば、ローラとテーブルライナとの間隙
が、半径方向内方側の第1粉砕領域では外方側に向けて
狭くなるように構成し、それよりも半径方向外方側の第
2粉砕領域では間隙が一定であるように構成され、これ
によつて粉体は第1粉砕領域に円滑に移動し、圧縮粉砕
が主として行われ、次に第2粉砕領域では、比較的長い
滞留時間で、微粉砕効率を向上している。このようなロ
ーラとテーブルライナとの間隙に関する構成と、前述の
環状突出部の切欠きによる細粉の部分的な排出を行うと
いう構成との組合わせによつて、粉砕効率の向上を一層
図ることができる。
実施例 第1図は本発明の基礎となる構成の竪型ミル11の一部分
の断面図であり、第2図は竪型ミル1の断面図であり、
第3図は間隙37の状態を示す展開図である。第1図〜第
3図を参照して、竪型ミル11の構成について説明する。
竪型ミル11は、大略的に円筒状のハウジング12を有し、
ハウジング12内に、鉛直回転軸線を有するテーブル13を
備える。テーブル13は、テーブルライナ13aとテーブル
本体13bとから成る。テーブル13は駆動装置14に結合さ
れた回転軸15によつて回転駆動される。
テーブル13の上方には、周方向に間隔をあけて複数のロ
ーラ16が配置される。ローラ16はテーブル13の回転駆動
に伴い、回転軸17の回りに回転する。ローラ16の略円弧
状の外周面16aは、テーブルライナ13aに形成されている
環状凹溝51に嵌り込み、圧下機構18によつてテーブルラ
イナ13aに圧接される。テーブル13のさらに上方には、
テーブル13上に、粉砕されるべきたとえばセメントクリ
ンカやスラグなどの粉砕原料を供給する供給シユート19
が設けられ、その下端部はテーブル13の中央部付近上方
に臨んで開口する。
また、テーブル13の中央部付近上方に、下端部が開口し
た逆円錐台形状のコーン21が配置される。コーン21の上
端部には、周方向に多数の旋回羽根22が配置され、後述
されるようにコーン21に関して半径方向外方から内方に
向けて、各旋回羽根22間を粉砕された粉体を含んだ気体
流が通過するとき、旋回羽根22によつて整流され、コー
ン21内で一定方向に旋回するように設けられる。コーン
21の半径方向内方には、周方向に多数の回転翼23が配置
され、回転翼23は支持部材24に固定され、この支持部材
は駆動装置25によつて回転駆動される回転軸26に固定さ
れる。
ハウジング12の天井板27において、前記回転翼23より半
径方向内方部分には、後述するように分級されて得られ
た細粉を竪型ミル11から取出すための排出ダクト28が設
けられる。また、ハウジング12のテーブル13より下方に
は、送風口29が設けられ、たとえば昇温された空気をハ
ウジング12内に圧送する。この昇温空気はテーブル13の
半径方向外方側においてハウジング12にテーブル13を外
囲して取付けられたノズル30を介して、ハウジング12内
を上方に吹き上げられる。
テーブル13の半径方向外方端部付近のいわゆるダム部31
の上端部には、テーブル13の全周にわたつて環状突出部
である環状突出部材32が設けられる。環状突出部材32の
半径方向外方側部33は、テーブル13の半径方向外方側の
外方側部34とたとえば円滑な円筒面を構成するように形
成される。一方、環状突出部材32の半径方向内方側の内
方側部35の下端部は、テーブルライナ13aの粉砕部36の
半径方向外方側端部に連なつており、鉛直上方になるに
従い半径が縮小するような円錐台面となつている。
また、ローラ16とテーブルライナ13aとの間の間隙37に
関して、この間隙の長さL3を下記のように定める。すな
わちローラ16のテーブルライナ13aとの間で粉砕を行う
粉砕面38の周速度は、ローラ16の半径に比例して変化す
る。ここでローラ16の粉砕面38の半径は、回転軸17の軸
線方向に沿つて次第に増加して、その後に減少する。ま
たテーブルライナ13aの粉砕部36の周速度は、テーブル1
3の半径に比例し、したがつて半径方向内方から外方に
向かうにつれて次第に増加する。一方、前記ローラ16の
粉砕面38の前記周速度と、テーブルライナ13aの前記周
速度とにおいて、両者が等速度になる位置を、第10図を
参照して説明したように回転同期位置l3と称する。
本構成例のローラ16における回転同期位置l3は、粉砕面
38の周方向に全周にわたつて想定される。これを第1図
において2点鎖線l3で示す。すなわち前記間隙37におい
て、前記回転同期位置l3に関してテーブル13の半径方向
内方側に第1の粉砕領域D1と、第1粉砕領域D1よりも半
径方向外方側の第2の粉砕領域D2とが想定される。ここ
で本実施例においては、前記第1粉砕領域D1および第2
粉砕領域D2の回転軸17の軸線方向の長さL1,L2に関し
て、 L1=L2 …(1) の関係が成立するように構成する。
一方、ローラ16とテーブルライナ13aとの間の前記間隙3
7の長さL3は、前記第1粉砕領域D1において半径方向内
方側から外方側にかけて次第に狭くなり、また、前記第
2粉砕領域D2において一定値とされる。すなわち第1粉
砕領域D1における粉砕面38および粉砕部36の形状は、半
径r1,R1の円弧状であり、第2粉砕領域D2における粉砕
面38および粉砕部36の形状は、それぞれ半径r2,R2の円
弧状である。ここで前記半径r1,r2に関して、r1=r2あ
るいはr1≠r2のいずれでもよい。すなわち前述したよう
に、あるいは後述するように第1粉砕領域D1が内方に向
かつて狭くなり、かつ第2粉砕領域D2の間隙37の長さL3
が一定であればよい。また、前記環状突出部材32の内方
側部35の傾きは、ローラ16に沿つた形状となるように定
められる。
上述の構成を有する竪型ミル11の動作について、第1図
〜第3図を参照して説明する。供給シユート19からテー
ブル13の中央部付近に原料が供給される。テーブル13の
回転駆動に伴い発生する遠心力によつて、この原料が半
径方向外方に移動し、ローラ16とテーブルライナ13aと
の間に噛み込まれる。このように噛み込まれた原料は、
前記第1粉砕領域D1において、基本的にはローラ16のテ
ーブルライナ13aへの圧下力によつて粉砕される。
すなわちこの第1粉砕領域D1においては、テーブルライ
ナ3aの周速度とローラ16の粉砕面38の周速度との相対速
度が小さく、したがつて両者の相対速度の差に基づく摩
擦粉砕効果よりも、上述したような圧下力による圧縮粉
砕効果が大きいことになる。
前記第1粉砕領域D1における粉砕過程の原料は、前記遠
心力などによつてさらに半径方向外方に移動し、第2粉
砕領域D2において、更に粉砕される。ここで第2粉砕領
域D2においては、テーブルライナ13aの周速度とローラ1
6の周速度との相対速度が比較的大きく、したがつてこ
の第2粉砕領域D2における粉砕過程の原料などは、テー
ブルライナ13aとローラ16との相対速度に基づく摩擦粉
砕によつてさらに微粉砕される。
また、この第2粉砕領域D2における間隙37は一定幅とさ
れているため、先行技術において指摘したように間隙37
が半径方向外方になるに従い、拡大する構成と比べ、粉
砕過程の原料や粉砕されて得られた粉体などの間隙37に
おいて半径方向外方に容易に移動してしまうことを防ぐ
ことができる。このため、粉砕過程の原料などが、ロー
ラ16とテーブルライナ13aとの間に滞留する時間が長く
なり、微粉砕効率を向上することができる。
また、前記環状突出部材32によつて、間隙37を半径方向
外方に移動する粉体が上述のように塞止められ、前記滞
留時間をより長くすることができる。したがつて環状突
出部材32を設けることによつて粉体などが、ローラ16と
テーブルライナ13aとの間に滞留する時間をさらに長く
することができ、微粉砕効率がさらに向上される。
本件発明者らは、セメントクリンカの粉砕テストにおい
て、間隙37が上述したような形状である本実施例の竪型
ミル11と、第9図〜第11図に示す従来技術の竪型ミル1,
1aとに関して、共通に前記環状突出部材32を設け、微粉
生成量を5.5μmふるいの通過量比として観測する実験
をおこなつた。その結果、下記の第1表に示す。
第1表から明らかなように、間隙37を上述したような形
状とし、かつ環状突出部材32を設けた構成とすることに
よつて、微粉生成量が格段に向上されたことを確認され
た。このような環状突出部材32の前記突出量Δdは、製
造される製品の粒度分布を勘案して設定されるが、たと
えばローラ16の直径の0.2〜1.0%程度であつてもよく、
さらにこの数値よりも大きい数値でもよく、また小さい
数値でもよい。
ここで、上記構成例におけるよりも更に微粉砕を必要と
する場合には、上述したような環状突出部材32の突出量
Δdを増加する。また竪型ミル11に供給される原料の粒
径が大きいとき、第2粉砕領域D2における微粉砕を有効
に生かすには、竪型ミル11の前記第1粉砕領域D1におけ
る圧縮粉砕効率を向上する必要がある。これらの場合、
本発明の他の基礎となる構成例として、上述した第1粉
砕領域D1および第2の粉砕領域D2の各長さL1,L2におい
て、 L1>L2 …(2) を満足するように設定する。すなわち第1粉砕領域D1を
拡大することによつて、原料の圧下力による圧縮粉砕効
果を向上するとともに、下記のように想定される問題の
発生を防止することができる。
第4図は竪型ミル11の一部分の平面図である。
第4図は合わせて参照して、前記第2式が成立するよう
にローラ16の構成を選ぶ根拠について説明する。テーブ
ル13はたとえば矢符B1方向に回転駆動される。このと
き、ローラ16は矢符B2方向に回転するが、ローラ16とテ
ーブル13との間には、前記回転同期位置l3より半径方向
内方側で矢符F1で示される摩擦力と、回転同期位置l3よ
り半径方向外方で矢符F2で示される摩擦力とが発生す
る。この摩擦力は、ローラ16とテーブルライナ13aとの
相対速度に基づいて発生し、前記回転同期位置l3に関し
て半径方向内方側および外方側において両者の相対速度
が逆転していることに起因して、相互に逆方向となる。
ここで回転軸17が、たとえばハウジング12に対して固定
されている位置から、各摩擦力F1,F2の作用点までの距
離をそれぞれL5,L6とする。
ここで一般に、上述したように回転同期位置l3よりテー
ブル13の半径方向外方においては、ローラ16とテーブル
ライナ13aとの相対速度は、半径方向内方側よりも比較
的大きいので、前記摩擦力F2はF1より大きい。
また、粉砕効率を向上するために第5図に示した第2粉
砕領域D2における間隙37の長さL3をさらに縮小し、環状
突出部材32の内方側部35をさらに半径方向に突出させる
ようにしてもよい。このとき、前記構成例で説明したよ
うに、粉砕過程の原料や粉体などが、ローラ16とテーブ
ルライナ13aとの間に停留する時間が長くなり、粉体効
率は向上されるけれども、第4図に示す摩擦力F2が摩擦
力F1よりも過剰に大きくなり、前記モーメントL6F2,L5F
1の均衡がくずれ、ローラ16などが回転軸17の延びる方
向とは垂直方向に振動してしまうことが考えられる。
したがつてこのような振動を発生させる前記モーメント
の不均衡の発生を防止するため、前記回転同期位置l3よ
り半径方向内方側における摩擦力F1を大きくするように
する。すなわち第1粉砕領域D1の前記長L1が前記第2式
満足するように設定する。したがつて前記摩擦力F1は増
大し、竪型ミル11の粉砕効率を向上するために、第2粉
砕領域D2における間隙37の長さを減少し、環状突出部材
32をさらに半径方向内方に突出させるようにしても、上
述したような振動を生じることを防ぐことができる。
このような上述の構成において、環状突出部材32は、周
方向に連続しており、したがつて粉砕過程の原料および
その原料が粉砕された粉体などは、環状突出部材32の働
きによつて半径方向外方に移動することが阻止される。
このような半径方向外方に移動することが阻止される粉
体において、その上下の厚み方向の上側では、粗粉が多
く、このような粗粉は、環状突出部材32を乗り越えて排
出されやすいけれども、厚み方向の下側の細粉は、環状
突出部材32によつて排出されず、そのような厚い細粉の
層によつて、ローラ16の加圧力が粉砕に確実に寄与させ
ることができなくなる。そのため細粉によるクツシヨン
効果で、エネルギロスが大きくなるという問題があるこ
とが本件発明者の実験によつて発見された。本発明は、
このような問題点を解決する。
第6図は本発明の一実施例のテーブル13の平面図であ
り、第7図は第6図の切断面線VII−VIIから見た断面図
であり、第8図は第6図の切断面線VIII−VIIIから見た
断面図である。本実施例は、前述の各構成例に立脚し、
これを更に改善したものである。前記構成例と重複する
全体構成の説明は省略する。前述の各構成例において環
状突出部材32は、テーブルライナ13aの全周にわたつて
設けられたけれども、本実施例では第7図に示すように
複数の突出片39をテーブル13の周方向に間隔をあけて配
置し、これをたとえばボルト40によつてテーブル13に固
定する。
すなわち各突出片39間の切欠き41から、粉砕された粉体
などが半径方向外方に移動し、粉砕過程の原料や粉砕し
て得られた粉体などが、第1図を参照して説明したよう
なローラ16と、テーブルライナ13aとの間に滞留する時
間および量を、選択的に変化することができる。したが
つて、前述の各構成例においては、環状突出部材32およ
び突出片39の半径方向内方への突出量Δdを変化するこ
とによつて、製造される粉体の粒度分布を変化するよう
にしているのに対して、本実施例では前記切欠き41の周
方向長さを所望の値とするように突出片39を選ぶことに
よつて、ローラ16とテーブルライナ13aとの間に、粉砕
過程の原料およびその原料が粉砕して得られた粉体など
が滞留する時間および量を希望する値になるように設定
することができ、そのため、このような竪型ミル11bを
用いて製造される粉体の粒度分布を、所望の態様とする
ことができる。
また、本実施例においては前記突出片39の形状を、テー
ブル13の軸線を通る面で切断した断面がたとえば大略的
に矩形であるようにした。そのため、突出片39の下方面
がテーブルライナ13aから半径方向内方に突出した突出
領域42が前記実施例における環状突出部材32の内方側部
35と同様の機能を有し、粉砕過程の原料および粉体など
が、ローラ16とテーブルライナ13aとの間の間隙37から
容易に半径方向外方に移動してしまうことを防ぐように
できる。このような構成によつて、前述の構成例で述べ
た効果に加え、更に改善された効果を実現することがで
きる。
このように突出片39を、ボルト40によつてテーブル13に
固定する構成は、第5図の構成例に対しても適用するこ
とができる。
第12図を参照して、環状突出部材32がテーブル13に装着
され、その環状突出部材32は、テーブルライナ13aの環
状凹溝より半径方向外方で、半径方向内方側に向けて突
出しているので、粉砕過程にある原料を含む粉体は参照
符61で示しされるようにして、滞留し、半径方向外方に
排出されることが抑制される。この粉体61のうち、上下
の厚み方向の上側には粗粉62が多く、下方には細粉63が
多いことが、本件発明者の実験によつて確認された。こ
の粗粉62は、環状突出部材32の内方側部35を乗越えて半
径方向外方(第12図の左方)に矢符64で示されるように
排出されることが比較的容易に可能である。これに対し
て細粉63は、環状突出部材32から半径方向外方に排出さ
れることが困難であり、このようにして細粉63は、比較
的多量に滞留する。そのためローラ16の加圧力を粉砕に
確実に寄与させることができなくなつてしまうおそれが
ある。そこで本発明では、切欠き41を形成し、細粉63の
うち、比較的上側の沿う63aを切欠き41から半径方向外
方に排出させ、下側の残りの細粉63bをテーブルライナ1
3aの環状凹溝に残存させる。このような薄い細粉の層63
bを残すことによつて、ローラ16とテーブルライナ13aと
が直接に接触することが防がれ、ローラ16およびテーブ
ル13のがたつき、すなわち振動が激しく発生することが
防がれる。このようにして粉砕効率の向上を図ることが
でき、しかも粒度分布を希望するようにすることが可能
となる。
効果 以上のように本発明に従えば、ローラは、その回転軸線
方向に沿う略円弧状の外周面を有し、テーブルライナに
は、ローラの外周面が嵌り込む環状凹溝が形成される。
テーブルライナの環状凹溝より半径方向外方で、前記半
径方向内方側に向けて突出した環状突出部を設け、前記
環状突出部にはその周方向に沿う複数箇所において、半
径方向に貫通する切欠きが設けられる。
したがつて原料は、前記環状凹溝とローラの外周面によ
つて容易に噛み込まれ、また、ローラとテーブルライナ
との間の圧接力によつて粉砕される。このように微粉砕
された粉体は、テーブルライナの半径方向外方に設けら
れた環状突出部によつて半径方向外方に移動することが
阻害され、したがつてローラとテーブルライナとの間の
原料および粉体などがローラとテーブルライナとの間の
間隙に滞留する時間が長くなり、したがつて粉砕効率が
格段に向上されると共に、十分な微粉砕が得られること
になる。
また環状突出部の切欠きから、粉砕された粉体などが半
径方向外方に移動し、粉砕過程の原料や粉砕して得られ
た粉体などが、ローラと、テーブルライナとの間に滞留
する時間および量を、選択的に変化することができる。
したがつて、前記切欠きの周方向長さを所望の値とする
ことによつて、このような竪型ミルを用いて製造される
粉体の粒度分布を、所望の態様とすることができる。特
に本発明によれば、環状突出部によつて半径方向外方に
排出することが阻止される粉体のうち、その滞留してい
る上側の層である粗粉は、環状突出部を乗越えることが
比較的容易であるのに対して、粉体の下側の細粉は、環
状突出部によつて滞留したままに保たれ、そのためロー
ラの加圧力を粉砕に確実に寄与させることができなくな
つてしまい、その細粉のクツシヨン効果力によつてエネ
ルギロスが大きくなる。このような環状突出部による本
件発明者が発見した問題を解決するために、本発明で
は、切欠きを、周方向に沿つてほぼ等間隔をあけて第6
図および第7図に明らかに示されるように、構成する。
これによつて環状突出部によつて滞留されたままに保た
れる傾向がある細粉のうち、上側の細粉の層63a(前述
の第12図参照)は、その切欠きから半径方向外方に排出
され、長時間にわたつて滞留したままになることが防が
れる。このようにして上述のように粉砕効率の向上を図
ることができる。
しかも本発明ではさらに、環状突出部によつて細粉63の
うち、下側の細粉の層63bは、滞留したままに保たれて
おり、これによつてローラと、テーブルライナとが直接
に接触することが防がれ、がたつきを防いで、円滑な粉
砕動作を続行することが可能となる。
さらに本発明では、ローラとテーブルライナとの間隙
を、半径方向内方側の第1粉砕領域では、外方側に向け
て狭くなるように構成し、それよりも半径方向外方側の
第2粉砕領域では、前記間隙が一定となるように構成し
たので、第1粉砕領域において粉体が円滑に移動して圧
縮粉砕効果が大きく達成され、また第2粉砕領域で粉体
の滞留時間を長くして微粉砕効率を向上することができ
る。
さらに本発明では、このようなローラとテーブルライナ
との間隙に関する構成とともに、環状突出部の切欠きに
よる細粉の部分的な排出を行う構成とを組合わせること
によつて、全粉砕効率をさらに一層、向上することがで
きるという優れた効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基礎となる構成の竪型ミル11の一部分
の断面図、第2図は竪型ミル11の断面図、第3図はロー
ラ16とテーブルライナ13a付近の周方向展開図、第4図
は本構成例の竪型ミル11の一部分の平面図、第5図は本
発明の他の基礎となる構成例の構成を示す断面図、第6
図は本発明の一実施例の平面図、第7図は第6図の切断
面線VII−VIIから見た断面図、第8図は第6図の切断面
線VIII−VIIIから見た断面図、第9図は第1の従来技術
の竪型ミル1の一部分の断面図、第10図は竪型ミル1の
動作を説明するグラフ、第11図は第2の従来技術の竪型
ミル1aの一部分の断面図、第12図は本発明の第6図〜第
8図に示される実施例における粉砕過程にある原料を含
む粉体61の滞留している状態を示す簡略化した断面図で
ある。 11,11a,11b…竪型ミル、12…ハウジング、13…テーブ
ル、13a…テーブルライナ、16…ローラ、32…環状突出
部材、35…内方側部、35…粉砕部、37…間隙、38…粉砕
面、39…突出片、40…ボルト、41…切欠き、42…突出領
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 統右 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 内田 正博 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 内山 進 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (56)参考文献 特開 昭60−209268(JP,A) 特開 昭60−114356(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉛直回転軸線を有するテーブル上に、テー
    ブルの半径方向に沿う回転軸線を有するローラを圧接回
    転して、テーブルに備えられるテーブルライナとローラ
    との間で原料を粉砕する竪型ミルにおいて、 ローラは、その回転軸線方向に沿う略円弧状の外周面を
    有し、 テーブルライナには、ローラの外周面が嵌り込む環状凹
    溝が形成され、 ローラとテーブルライナとの間隙がテーブルの半径方向
    内方側から外方側に向けて狭くなる第1粉砕領域と、第
    1粉砕領域よりも半径方向外方側で前記間隙が一定であ
    る第2粉砕領域を有し、 テーブルライナの環状凹溝より半径方向外方で、前記半
    径方向内方側に向けて突出した環状突出部を設け、 前記環状突出部にはその周方向に沿つてほぼ等間隔をあ
    けて複数箇所において、半径方向に貫通する切欠きが設
    けられ、この切欠きは、粉砕過程の原料および粉砕して
    得られた粉体などが、ローラとテーブルライナとの間に
    滞留する時間および量が、希望する各値になるように設
    定することを特徴とする竪型ミル。
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JP5859698B1 (ja) * 2015-04-17 2016-02-10 三菱日立パワーシステムズ株式会社 粉砕ローラ及び粉砕装置
CN112517155A (zh) * 2020-11-17 2021-03-19 合肥中亚建材装备有限责任公司 一种蜂窝辊面的制砂立式磨磨辊

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