JPH0724742A - ダクタイル鋳鉄品を鋸引きするための鋸刃 - Google Patents

ダクタイル鋳鉄品を鋸引きするための鋸刃

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JPH0724742A
JPH0724742A JP6130892A JP13089294A JPH0724742A JP H0724742 A JPH0724742 A JP H0724742A JP 6130892 A JP6130892 A JP 6130892A JP 13089294 A JP13089294 A JP 13089294A JP H0724742 A JPH0724742 A JP H0724742A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い切断能力と長い寿命 【構成】 鋸刃が基体(12)を有し、該基体の切刃範
囲(18)に窒化ホウ素粒子(14)が被着されてい
る。窒化ホウ素粒子(14)は金属結合層(16)によ
って結合されており、該層は、好ましくは、ビッカース
硬さが少なくとも600HVであるニッケル又はニッケ
ル合金からなる。結合層(16)は好ましくは電着され
る。窒化ホウ素粒子(14)は、有利には、粒径が約
0.5〜0.8mm、好ましくは約0.6〜0.7mm
である。この鋸刃(10)は、セメントライニングと繊
維補強セメント外被とを備えたGGG−鋳鉄管を鋸引き
する際に挽き回し鋸刃として使用するとき特別の利点を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基体に硬質材料粒子か
らなる被覆が被着されている鋸刃に関するものである。
【0002】本発明は、更に、ダクタイル鋳鉄品を鋸引
きすることへの、特に鋳鉄製管を鋸引きすることへの、
鋸刃の使用に関するものである。
【0003】本発明は、最後に、鋳鉄製管を鋸引きする
ための方法に関するものである。
【0004】
【従来の技術】給水及び排水に利用される管は、今日、
大部分鋳鉄から製造され、付加的にセメントライニング
が備えられる。耐食性を向上するために、これらの管
は、しばしばなお付加的に繊維補強セメント又はコンク
リートからなる層で外側から被覆される。鋳鉄は、一般
に、球状黒鉛を備えた鋳鉄(GGG)であり、多くの場
合主にフェライト又はパーライト基本組織中に球状黒鉛
の形で炭素が包み込まれている。
【0005】多くの場合直径が約15〜約40cm程度
及びそれ以上であるかかる管の鋸引きには、きわめて問
題が多い。特に、管を現場で布設又は修理する場合、窮
屈な事情の故に、しばしば挽き回し鋸で作業しなければ
ならない。
【0006】しかし、炭化タングステンで被覆された従
来の鋸刃は、耐用期間が不十分にすぎず、しばしば1本
の管を鋸断しただけでも、既に、同じ鋸刃で継続作業が
もはや不可能なほどに変形する。
【0007】ダイヤモンド被覆鋸刃も、ねずみ鋳鉄中に
含まれた黒鉛粒子の故に汚れる傾向があり、従って切断
能力が不十分であり、所要の押圧力が高いので鋸刃が既
に短時間のうちに変形するので、不適である。
【0008】送水管を修理するとき、水が完全に遮断さ
れているにもかかわらず引き続き微量の水が管内を流
れ、濡れた状態で作業しなければならず、セメントが切
刃に付着することになり、このことによって付加的にな
お鋸引き過程が困難となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、高い切断能力とできるだけ長い寿命とを有する、ダ
クタイル鋳鉄品を鋸引きするための鋸刃、特に、セメン
トライニングと繊維補強セメント又はコンクリートから
なる外部被覆とを備えたねずみ鋳鉄製管を鋸引きするた
めの鋸刃を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明は、基体12、22に硬質材料粒子からな
る被覆が被着されている鋸刃において、硬質材料粒子
が、窒化ホウ素粒子14、24として構成されており、
且つ、金属結合層16、26によって基体12、22上
に結合されていることを特徴とする鋸刃を要旨とする。
【0011】
【実施例】本発明によれば、前述の課題は、冒頭に指摘
した種類の鋸刃において、硬質材料粒子が、窒化ホウ素
粒子として構成されており、且つ、金属結合層によって
基体上に結合されていることによって解決される。
【0012】かかる鋸刃を使用すると、切断能力が著し
く向上し、耐用期間が大きく増大する。
【0013】従来のダイヤモンド被覆鋸刃は不適である
ので、窒化ホウ素とダイヤモンドが構造的に類似してい
る点を考慮するなら、この結果はきわめて意外なことで
ある。
【0014】ボラゾンとも呼ばれる立方晶型窒化ホウ素
の利用は、研削材産業において、ダイヤモンド被覆研削
工具が不適な場合、砥石、目直し車等を製造するのに一
般に行われている。
【0015】他方、鋸刃に窒化ホウ素を利用することは
従来一般的ではなかった。というのも、ダイヤモンド被
覆鋸刃は、普通、耐用期間が長く又切断能力が高いから
である。
【0016】本発明によれば、鋸刃を被覆するための硬
質材料粒子として窒化ホウ素粒子が使用され、これが金
属結合層によって基体上に結合されている。
【0017】従来のプラスチック結合層を金属結合層に
よって取り替えると、摩滅に対する耐性が著しく向上
し、それに伴い、より大きな耐用期間が達成される。本
発明による鋸刃は、セメントライニングと繊維補強セメ
ント外被とを備えたGGG-鋳鉄管を鋸引きする場合でも、
それもしかも、特に問題の多い約20cmの直径範囲でさ
え、著しく向上した切断結果をもたらし、一方で切断能
力が著しく高まり、他方で耐用期間が著しく向上する。
意外なことに、本発明による鋸刃は、球形黒鉛包含物を
有する球状黒鉛鋳鉄の場合にも、汚れる傾向がない。更
に、湿った鋳鉄管を鋸引きする場合でも、セメントライ
ニング又は外被から生じる残セメントが鋸刃に付着する
のが防止される。
【0018】本発明の有利な1展開では、結合層がニッ
ケル又はニッケル合金からなる。
【0019】この措置の利点として、かかる結合層は特
に高い靭性及び硬度を有する。
【0020】結合層は、有利には、電気的に陰極/陽極
法で、又は湿化学法で生成することができる。
【0021】結合層を電気的に製造すると、付着及び再
現性が格別良好であるという利点が得られ、製造も比較
的安価である。
【0022】基本的には、別の方法、例えばフレーム溶
射による製造も当然考えられようが、しかしこの方法は
一般にかなり高価である。
【0023】結合層としてニッケル又はニッケル合金を
使用すると、硬さは、有利なことに、少なくとも400
HVのビッカース硬さに調整することができる。
【0024】少なくとも500HVの硬さが特に好まし
く、ビッカース硬さ約550〜650HVのニッケル電
着結合層でもって最適の結果が得られる。
【0025】本発明の有利な1展開では、窒化ホウ素粒
子が粒径約0.3〜1mmであり、この場合、0.5〜
0.8mm、特に0.6〜0.7mmの粒径が特に好ま
しい。 かかる粗い窒化ホウ素粒子を使用すると、特
に、ニッケル又はニッケル合金からなる結合層と合わせ
て、特に前記硬さ範囲において、セメントライニングと
繊維補強セメント外被とを備えた鋳鉄製管を鋸引きする
ための挽き回し鋸として使用するとき、最適な切断結果
が得られる。
【0026】基体は、この場合、工具鋼又はその他の材
料から構成することができる。
【0027】直線的鋸刃も歯付鋸刃も、特に挽き回し鋸
として使用する場合、均一に良好な結果をもたらす。
【0028】それと並んで、本発明による鋸刃は、有利
には丸鋸刃として構成しておくこともできる。
【0029】鋳鉄管を鋸引きするための方法、特に、セ
メントライニングと繊維補強セメント又はコンクリート
からなる外被とを有することのあるGGG−鋳鉄管を鋸
引きするための方法において、本発明によれば、前記鋸
刃が特に挽き回し鋸刃として使用される。
【0030】前記特徴及び以下なお説明する特徴は、そ
の都度記載した組合せにおいてだけでなく、本発明の枠
から逸脱することなく別の組合せや単独でも勿論適用す
ることができる。
【0031】図示例 以下、図面を参考に、好ましい実施例に基づいて本発明
を詳しく説明する。
【0032】本発明による鋸刃は図1及び図2において
全体に符号10とされている。
【0033】鋸刃10は、工具鋼からなる縦長基体12
を有しており、基体の切刃範囲18は、図示実施例の場
合基体12の残りの範囲に対して多少先細となってお
り、窒化ホウ素粒子14で被覆されている。
【0034】切刃範囲18は厚さが約2〜2.5mmで
あり、そのことの利点として、鋸刃が十分な幅を有し、
大きな管を鋸引きするときくさびで作業することがで
き、こうして鋸刃の膠着が防止される。
【0035】立方晶型窒化ホウ素からなる窒化ホウ素粒
子14は粒径が約0.6〜0.7mmであり、このことか
ら、セメントライニングと繊維補強セメント被覆とを備
えたGGG−鋳鉄管を鋸引きするとき格別良好な切断結
果が得られる。
【0036】窒化ホウ素粒子14は、図2に符号16で
略示した結合層によって、基体12の切刃範囲18で保
持される。
【0037】この結合層16は、硬さ約600〜700
HVの電着(陽極/陰極)ニッケル層からなる。
【0038】窒化ホウ素粒子14は、結合層16の厚さ
に応じて、直径の約30〜50%が結合層から張り出
す。図2の図示は、説明に役立つだけであり、理解を助
ける意味で窒化ホウ素粒子14が拡大図示されたので、
寸法どおりではない。
【0039】図3では、本発明による鋸刃の選択的実施
態様が全体に符号20とされている。この場合にも、工
具鋼からなる基体22は切刃範囲28が窒化ホウ素粒子
24で被覆されており、該粒子は、ビッカース硬さ約6
00〜700HVのニッケル電着結合層によって結合さ
れている。
【0040】しかし、切刃範囲28は、前記実施態様と
は異なり直線的に構成されているのでなく、符号30で
示唆された歯を有する。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、切断能力が著しく向上
し、耐用期間が大きく増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鋸刃の一部を示す略示図である。
【図2】図1の鋸刃の一部を示す拡大略示図である(縮
尺どおりではない)。
【図3】図1に対して僅かに変形した、歯を備えた鋸刃
の一部を示す。
【符号の説明】
10、20 鋸刃 12、22 基体 14、24 窒化ホウ素粒子 16 結合層 18、28 切刃範囲 30 歯

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体(12、22)に硬質材料粒子から
    なる被覆が被着されている鋸刃において、硬質材料粒子
    が、窒化ホウ素粒子(14、24)として構成されてお
    り、且つ、金属結合層(16、26)によって基体(1
    2、22)上に結合されていることを特徴とする鋸刃。
  2. 【請求項2】 結合層(16、26)がニッケル又はニ
    ッケル合金からなることを特徴とする請求項1に記載の
    鋸刃。
  3. 【請求項3】 結合層(16、26)が電着されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋸刃。
  4. 【請求項4】 結合層(16、26)が陰極/陽極式又
    は湿化学式に蒸着されていることを特徴とする請求項3
    に記載の鋸刃。
  5. 【請求項5】 結合層(16、26)が少なくとも40
    0HVのビッカース硬さを有することを特徴とする請求
    項2〜4のいずれか1項又は複数項に記載の鋸刃。
  6. 【請求項6】 結合層(16、26)が少なくとも50
    0HVのビッカース硬さを有することを特徴とする請求
    項5に記載の鋸刃。
  7. 【請求項7】 結合層(16、26)が約550〜65
    0HVのビッカース硬さを有することを特徴とする請求
    項6に記載の鋸刃。
  8. 【請求項8】 窒化ホウ素粒子(14、24)が粒径約
    0.3〜1.0mmであることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか1項又は複数項に記載の鋸刃。
  9. 【請求項9】 窒化ホウ素粒子(14、24)が粒径約
    0.5〜0.8mmであることを特徴とする請求項8に
    記載の鋸刃。
  10. 【請求項10】 窒化ホウ素粒子(14、24)が粒径
    約0.6〜0.7mmであることを特徴とする請求項9
    に記載の鋸刃。
  11. 【請求項11】 ダクタイル鋳鉄品を鋸引きすることへ
    の、請求項1〜10のいずれか1項又は複数項に記載の
    鋸刃の使用。
  12. 【請求項12】 鋳鉄製管を鋸引きすることへの、請求
    項1〜10のいずれか1項又は複数項に記載の鋸刃の使
    用。
  13. 【請求項13】 セメントライニングを備えた鋳鉄製管
    を鋸引きすることへの、請求項1〜10のいずれか1項
    又は複数項に記載の鋸刃の使用。
  14. 【請求項14】 セメントライニングと繊維補強セメン
    ト外被とを備えた鋳鉄製管を鋸引きすることへの、請求
    項1〜10のいずれか1項又は複数項に記載の鋸刃の使
    用。
  15. 【請求項15】 鋳鉄製管を鋸引きし、セメントライニ
    ングを備えた鋳鉄製管を鋸引きし、又はセメントライニ
    ングと繊維補強セメント外被とを備えた鋳鉄製管を鋸引
    きするための方法において、請求項1〜10のいずれか
    1項又は複数項に記載の鋸刃を使用することを特徴とす
    る方法。
JP6130892A 1993-07-07 1994-05-23 ダクタイル鋳鉄管を切断する方法 Expired - Lifetime JP2853009B2 (ja)

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