JPH07247383A - 耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法

Info

Publication number
JPH07247383A
JPH07247383A JP6039654A JP3965494A JPH07247383A JP H07247383 A JPH07247383 A JP H07247383A JP 6039654 A JP6039654 A JP 6039654A JP 3965494 A JP3965494 A JP 3965494A JP H07247383 A JPH07247383 A JP H07247383A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
acrylate
meth
molecule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6039654A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Ichida
健 市田
Hironobu Kawasato
浩信 川里
Takeo Teramoto
武郎 寺本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nippon Steel Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP6039654A priority Critical patent/JPH07247383A/ja
Publication of JPH07247383A publication Critical patent/JPH07247383A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性、耐摩耗性がバランス良く改善された
ポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 カルド構造を有する2官能性アクリレートを
1〜20重量%含有する紫外線硬化型アクリレート20
〜95重量部とコロイダルシリカ(固形分として)80
〜5重量部との合計100重量部に対して、紫外線吸収
剤を0.5〜20重量部及び光重合開始剤を0.1〜1
5重量部添加してなる架橋硬化被膜を成形品表面に形成
されてなるポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方
法である。 【効果】 本発明のポリカーボネート樹脂成形品は、耐
摩耗性及び表面硬度に優れ、かつ、耐候性試験において
良好な密着性及び耐黄変性を示すため、屋外用途として
の使用にも十分に対応できる。また、1コートで製造で
きるために経済的にも装置的にも有利であり、工業上優
れた効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線硬化型アクリレ
ート樹脂にシリカ粒子を含むコロイダルシリカを分散さ
せることにより得られるアクリレート樹脂組成物で被覆
された、耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネー
ト樹脂成形品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、透明かつ軽
量であり、機械的特性に優れ、易加工性である等、種々
の特徴を有することから、これら本来の特徴を生かして
ガラスに代わる構造部品素材として使用されるほか、種
々の用途に用いられているのは周知の通りである。しか
し、金属やガラスに比べると、表面硬度、耐摩耗性、耐
擦傷性、耐溶剤性等の各種表面特性に劣ることから、そ
の用途が自ずから制約されている。
【0003】また、ポリカーボネート樹脂は、他の合成
樹脂に比べて耐候性が不足しており、屋外において使用
した場合、透明性の低下やクラック、クレージングの発
生あるいは黄色度の増加等の外観劣化が著しく、実用に
耐えないのが現状である。そのために、芳香族ポリカー
ボネート成形品の表面特性及び耐候性を改良することが
強く要望されている。
【0004】そして、芳香族ポリカーボネート成形品の
表面特性及び耐候性を改良する方法としては、ほとんど
が2コート系に関するものである(特開昭58ー221
62号、特開昭61ー143445号、特開昭58ー1
96237号、特開平2ー150431号、及び特開平
2ー284930号の各公報)。
【0005】この2コート系の具体例としては、ポリカ
ーボネート樹脂成形品の表面にアクリル系、シリコン
系、メラミン系、ウレタン系、等の樹脂、オリゴマーあ
るいはモノマーに紫外線吸収剤を配合させた塗料を塗布
し、次いで熱あるいは紫外線、電子線等の活性エネルギ
ー線を照射して被膜を形成させた後、この表面にアクリ
ル系、シリコン系、メラミン系、ウレタン系等からなる
塗料を塗布し、熱あるいは紫外線、電子線等の活性エネ
ルギー線を照射して架橋硬化被膜を形成する方法があ
る。
【0006】しかしながら、この2コート系の問題点と
しては、ポリカーボネート樹脂成形物表面に対する下塗
り層の密着性も必要であるが、下塗り層と上塗り層(硬
化被膜)との間の界面の密着性をも十分に与えることが
重要となる。また、この2コートの場合には、処理工程
が複雑であるばかりでなく、処理の時間も長くなり経済
的にも不利な面が多い。
【0007】そこで、これら2コート系の問題点を解決
すべく、1コート系での検討を行ったもの(特開昭56
ー127635号、及び特開平5ー32807号の各公
報)も存在するが、耐候性を向上させるために、紫外線
吸収剤を多量使用することとなり、硬度を発現させるた
めの架橋密度を低下させてしまう欠点があった。
【0008】そこで、耐摩耗性を向上させるために光重
合性樹脂に対して特定のシリカ成分を添加することによ
って、改善しようと試みたもの(特開平2ー16313
4)もあるが、密着性が十分ではなく、バランスのとれ
たものは得られていない。また、シリコン及びコロイダ
ルシリカの複合によるもの(特開平1ー14664号、
特開平1ー9709号、及び特開昭63ー27565号
の各公報)もあるが、長期密着性に問題が残っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、紫外線吸収剤の比較的多量の存在下における硬化被
膜の耐摩耗性、耐擦傷性、密着性のバランスを改良すべ
く鋭意検討した結果、特定の多官能性アクリレートに二
官能性アクリレートを含有してなる樹脂混合物と特定の
シリカ成分及び紫外線吸収剤、光開始剤とからなる被覆
材組成物をポリカーボネート樹脂成形品表面に架橋硬化
被膜として形成されることにより、上述の問題点を解決
できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】従って、本発明の目的は、上記の問題点を
解決し、耐候性、耐摩耗性がバランス良く改善されたポ
リカーボネート樹脂成形品及びその製造方法を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
とするところは、次の一般式(I)
【0012】
【化5】
【0013】で示される2官能性アクリレート(1)1
〜20重量%、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロ
イル基を有するウレタンアクリレートを20重量%以上
含有した1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基
を有するウレタンアクリレート(2)20〜90重量
%、(a)水酸基及び/又は(b)環状及び/又は鎖状
エーテルを有する1分子中に1個以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有するアクリレート化合物(3)0〜50重
量%及び次の一般式(II)
【0014】
【化6】
【0015】で示されるラクトン変性ポリペンタエリス
リトールポリメタクリレート(4)0〜50重量%から
なる樹脂混合物(A)20〜95重量部とコロイダルシ
リカ(B)固形分80〜5重量部との合計100重量部
に対し、紫外線吸収剤(C)を0.5〜20重量部、光
重合開始剤(D)を0.1〜15重量部それぞれ添加し
てなる被覆材組成物を架橋硬化させた被膜がポリカーボ
ネート樹脂成形品表面に形成されてなる耐摩耗性、耐候
性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品である。
【0016】また、本発明は、上記被覆材組成物を、ポ
リカーボネート樹脂成形品表面に塗布し、次いで活性エ
ネルギー線を照射することによって該成形品に架橋硬化
被膜を形成させる耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカ
ーボネート樹脂成形品の製造方法である。
【0017】本発明における2官能性アクリレート
(1)は、基材との密着性の改善及び樹脂の硬化収縮低
減の効果や耐熱性の向上の効果を有する。また、硬化時
の雰囲気が空気であっても、窒素、アルゴン、二酸化炭
素等の不活性ガス中と同様の結果を示す。
【0018】本発明で用いる2官能性アクリレートとし
ては、一般式(I)
【化7】
【0019】で示される。その使用量は樹脂混合物
(A)中に1〜20重量%までの範囲で使用することが
できる。20重量%を超える場合は、耐候性が不良とな
ったり、黄変を起こす場合があり、また1重量%未満で
あると、硬化収縮の低減効果がなく基材との密着性が不
良となったりする場合がある。長期耐候性を求める場合
には樹脂混合物(A)中で2〜10重量%が好ましく、
更に2官能性アクリレート(1)の効果(密着性と硬度
及び耐候性のバランス)を最大限に引き出すためには、
4〜8重量%の使用が好ましい。
【0020】本発明における1分子中に3個以上の(メ
タ)アクリロイル基を有するウレタンアクリレートを2
0重量%以上含有した1分子中に2個以上の(メタ)ア
クリロイル基を有するウレタンアクリレート(2)は、
ポリウレタンの末端又は側鎖にーCOCR=CH2
(但し、RはH又はメチル基を示す)を2個又は3個以
上有するものが90%以上含まれるものである。硬化被
膜の耐摩耗性を改善する効果及び硬化被膜自身の靭性特
性を改善する効果と耐熱性を向上させる効果とを有す
る。
【0021】この1分子中に3個以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有するウレタンアクリレートが、ウレタンア
クリレート(2)中において20重量%未満の場合、硬
化性が低下してくるために、硬化被膜に皺が発生した
り、透明性が低下したり、あるいは成形品基材に対する
密着性が低下したりする場合もある。また、このウレタ
ンアクリレート(2)の使用量は樹脂混合物(A)中の
20〜90重量%であり、この使用量が樹脂混合物
(A)中で90重量%を超えると、架橋密度及び粘度が
大きくなるためにその作業性及び長期密着性が不良とな
り、また、この使用量が樹脂混合物(A)中の20重量
%未満であるとシリカゾルとの相溶性が悪くなる。
【0022】本発明において、(a)水酸基及び/又は
(b)環状及び/又は鎖状エーテルを有する1分子中に
1個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリレー
ト化合物(3)は、紫外線吸収剤の存在下で比較的厚膜
にする場合においても、密着性が安定して得られる効果
がある。特に粘度の低い反応性モノマーの使用が好まし
い。例えば、この反応性モノマーとして、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート等の環状エーテルを持つアクリ
レート化合物や、フェノキシジエチレングリコールアク
リレートやエトキシジエチレングリコールアクリレート
等の鎖状エーテルを持つアクリレート化合物や、また、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基を持つ
アクリレート化合物等が挙げられる。
【0023】このアクリレート化合物(3)は、樹脂混
合物(A)中に50重量%までの範囲で使用することが
できる。50重量%を超える場合は、成形品表面にクレ
ーズが発生したり、透明性が低下したりする場合があ
る。なお、これには一般式(I)で示される2官能性ア
クリレートを含まない。
【0024】本発明におけるラクトン変性ポリペンタエ
リスリトールポリメタクリレート(4)は、硬化被膜の
耐摩耗性、耐擦傷性及び表面硬度を改善する効果と樹脂
中の粘度及び応力を低減する効果とを有する。また、硬
化時の雰囲気が空気であっても、窒素、アルゴン、二酸
化炭素等の不活性ガス中と同様の結果を示す。本発明で
用いるラクトン変性ポリペンタエリスリトールポリメタ
クリレート(4)は、下記一般式(II)
【0025】
【化8】
【0026】で示される。このラクトン変性ポリペンタ
エリスリトールポリメタクリレート(4)は、樹脂混合
物(A)中に50重量%までの範囲で使用することがで
きる。50重量%を超える場合は、硬化速度低下による
作業性の低下及びシリカゾルとの非相溶性増大による塗
膜の白化等が起こる場合がある。
【0027】次に、本発明で用いられる一次粒径1〜2
00ミリミクロンのシリカ粒子を含むコロイダルシリカ
(B)は、樹脂混合物(A)と併用して用いることで耐
擦傷性を著しく改善し、紫外線吸収剤が比較的多量に配
合された場合でも硬化被膜の性能を低下させない効果を
発揮するものである。
【0028】本発明のコロイダルシリカ(B)は、無水
珪酸の超微粒子をコロイド溶液としたものであり、分散
媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、nープロパノール、イソブタノール、nーブタノ
ール等のアルコール類や、メチルエチルケトン等のケト
ン類や、トルエン、キシレン、酢酸nーブチル等の一般
有機溶剤や、2ーヒドロキシエチルアクリレート等のモ
ノマー類が挙げられるが、本発明においては、混合する
有機樹脂との分散性が良好なメタノール、イソプロパノ
ール、イソブタノール、nーブタノール等のアルコール
系溶媒を分散媒としたコロイダルシリカの使用が好まし
い。
【0029】コロイダルシリカ(B)の量は、樹脂混合
物(A)とコロイダルシリカ(B)の固形分との合計量
100重量部に対して、5〜80重量部の範囲が好まし
く、有機樹脂との分散性及び長期耐候性を求めるために
は20〜60重量部の範囲が更に好ましい。80重量部
を超えて使用した場合、表面硬度の改良については好ま
しい方向ではあるが、架橋硬化被膜の外観、特に平滑性
あるいは透明性が低下し、更には基材と被膜との密着性
についても不良となるため好ましくない。5重量部未満
の場合は、樹脂混合物(A)との併用効果が低下し、過
酷な摩耗試験で優れた表面硬度が発現されないために好
ましくない。
【0030】コロイダルシリカ(B)は、周知の方法で
製造され、市販されているものを使用できる。粒子径は
1〜200ミリミクロンのものを使用するのが好まし
く、特に有機樹脂との分散性(二次凝集等を起こし難
い)を求めるためには、5〜80ミリミクロンのものが
好ましい。粒子径が1ミリミクロンに満たないものは分
散状態の安定性が悪く品質の一定したものを得ることが
困難であり、また、200ミリミクロンを超えるものに
ついては被覆の透明性が悪くなり、濁りの大きなものし
か得られない。
【0031】本発明における紫外線吸収剤(C)は、特
に限定されず、組成物に均一に溶解し、かつその耐候性
が良好なものであれば使用することが可能であるが、組
成物に対する良好な溶解性及び耐候性改善効果という点
から、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリ
チル酸フェニル又は安息香酸フェニルから誘導された化
合物で、それらの最大吸収波長が240〜380nmの
範囲である紫外線吸収剤が望ましく、ポリカーボネート
の黄変防止の観点から、ベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤が好ましい。
【0032】この紫外線吸収剤(C)の使用量は、樹脂
混合物(A)及びコロイダルシリカ(B)の固形分との
合計量100重量部に対し、0.5〜20重量部の範囲
である。この紫外線吸収剤(C)の使用量が0.5重量
部未満では、硬化被膜自身の耐候性の改良の効果が低下
し、また、20重量部を超えると塗膜自身の硬化性が不
十分となり、透明性や成形品に対する密着性が低下す
る。ポリカーボネート基板の耐候性改良と密着力とを十
分に得るためには3〜15重量%が好ましく、また長期
安定性を求めるためには5〜10重量%の使用が更に好
ましい。
【0033】本発明における光重合開始剤(D)は、特
に限定されず、組成物に均一に溶解するものであれば使
用することが可能である。光重合開始剤としては、ベン
ゾフェノン、ベンゾイン及びそのエーテル体、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−
〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−
1−プロパノン−2、2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン等のカルボニル化合物、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾインパーオキサイド
等のパーオキサイド化合物等があげられる。これらは単
独で使用してもよいし、また、2種以上の混合系で使用
してもよい。
【0034】この光重合開始剤(D)の使用量は、樹脂
混合物(A)及びコロイダルシリカ(B)の固形分との
合計量100重量部に対し、0.5〜10重量部の範囲
である。0.5重量部未満では硬化性が不十分となり、
10重量部を超えると硬化塗膜を着色させたり、塗膜自
体の耐候性の低下を招き好ましくない。初期の着色を防
止して硬化速度を低減させないためには、2〜8重量部
が好ましい。
【0035】更に、本発明においては、被膜の平滑性及
び均一性を更に向上させる目的で被覆材組成物に有機溶
剤を配合してもよい。有機溶剤としては特に限定される
ものではなく、上記性能を満足するものであればよい。
また2種以上の有機溶剤を併用して用いてもよい。有機
溶剤の使用割合は樹脂混合物(A)100重量部に対し
て0〜2,000重量部の範囲が好ましく、2,000
重量部を超えて使用した場合、架橋硬化被膜の膜厚が低
下し、被膜の表面硬度、耐摩耗性、耐擦傷性が不十分と
なる。
【0036】なお、本発明の被覆材組成物をポリカーボ
ネート樹脂成形品表面に塗布する方法としては、刷毛塗
り、流し塗り、スプレー塗布、回転塗布、ロール塗布あ
るいは浸漬塗布等の方法が採用されるが、被覆材組成物
の塗布作業性、被膜の平滑性、均一性、被覆の基材に対
する密着性等の面からスプレー塗布及びロール塗布が好
ましい。
【0037】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
成形品としては、ビスフェノール型ポリカーボネート、
脂肪族系ポリカーボネート、ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート等から成形されるシート状成形品、
フィルム状成形品、ロッド状成形品、各種射出成形品等
が具体例として挙げられる。
【0038】被覆材組成物の塗布量としては、硬化被膜
の膜厚が1〜30μm、好ましくは2〜20μm、更に
好ましくは3〜12μmの範囲となるように塗布するの
がよい。膜厚が1μm未満であると、十分な表面硬度が
得られず、耐候性においても十分ではない。また、30
μmを超える場合は、基材との密着性が低下したり、被
膜にクラックが発生し易くなる。
【0039】被覆材組成物を架橋硬化する方法として
は、活性エネルギー線(電子線、α線、β線、γ線等)
を照射しても可能であるが、被膜を硬化させ、また、形
成された硬化被膜を即時分解させない波長100〜50
0nmの紫外線を用いるのが好ましい。活性エネルギー
照射の雰囲気としては、空気雰囲気が経済的に優れてい
るが、窒素、炭酸ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを
用いてもよい。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例に
おいて、評価は次の方法によった。
【0041】1.外観 被膜の外観については、以下の通り判定した。 ○:表面異常(白化、ヒケ、割れ等)の発生なく平滑性
良好 △:表面異常(白化、ヒケ、割れ等)の発生又は平滑性
不良 ×:表面異常(白化、ヒケ、割れ等)の発生及び平滑性
不良
【0042】2.耐摩耗性、耐擦傷性 耐摩耗性及び耐擦傷性については、スチールウールテス
トで調べた。なお、上記外観評価で×のものは、テスト
しなかった。すなわち、スチールウール(#0000)
で5回ラビングし、傷の付き方を次の3段階で評価し
た。 ○:傷が付かない、△:少し傷が付く、×:簡単に傷が
付く
【0043】3.密着性 密着性については、JIS K5400に準拠して碁盤
目密着評価を行った。
【0044】4.耐候性試験 耐候性試験は、サンシャインウエザオメーターを用い
て、ブラックパネル温度63℃で降雨12分−乾燥48
分のサイクルで1,000時間の暴露後耐候性評価を行
った。被膜の外観について、以下の通り判定した。 ○:表面異常(白化、ヒケ、割れ等)の発生なく平滑性
良好 △:表面異常(白化、ヒケ、割れ等)の発生又は平滑性
不良 ×:表面異常(白化、ヒケ、割れ等)の発生及び平滑性
不良
【0045】実施例1〜7、比較例1〜7 2官能性アクリレートとして、一般式(I)において、
R=H、n=1の2官能性アクリレート(ASF40
0)を、また、ウレタンアクリレートとして、6官能性
アクリレート(UN−3320HA/粘度40,00
0)と2官能性アクリレート(UX−2200//重量
平均分子量8,300)の両者又は一方を、更に、アク
リレート化合物としては、1分子中に環状エーテルを有
するアクリレート(テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト)を、更にまた、一般式(II)においてm=1及びR
=Hのカプロラクトン変性ジペンタエリスリトール型ア
クリレート(DPCA−60)を表1に示す樹脂組成で
混合し、固形分濃度が50%となるように、有機溶媒
(トルエン−イソプロピルアルコール混合溶媒)を添加
した。
【0046】次に、添加剤としては、紫外線吸収剤とし
てベンゾトリアゾール系(チヌビンPS)を、光開始剤
としてカルボニル化合物系(イルガキュア184、イル
ガキュア907)をそれぞれ表1(実施例)及び表2
(比較例)に示すように添加した。その後、コロイダル
シリカ(IPA−シリカゾル/固形分濃度30%、分散
媒/イソプロピルアルコール、粒子径10〜20mμ)
を撹拌分散させた。
【0047】このように調製した被覆剤組成物をポリカ
ーボネート樹脂のテスト試片(5mm厚)に対して、バ
ーコート法を用いて塗布し、表面に被膜を形成させた。
得られた硬化被膜の膜厚は3〜5μであった。このテス
ト試片を加熱乾燥(70℃)した後、高圧水銀灯(東芝
ライテック社製、オゾンタイプ)を用い空気中で照射距
離150mmの間隔でテスト試片に10〜20秒間照射
した。得られたポリカーボネート樹脂成形品の評価結果
を表3(実施例)及び表4(比較例)に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂成形品
は、耐摩耗性、耐擦傷性及び表面硬度に優れ、かつ、耐
候性試験においても光沢保持率や塗膜の密着保持性に優
れるものである。更には、耐黄変性が良好であるため、
屋外用途としての使用にも十分に対応できる。また、本
発明のポリカーボネート樹脂成形品は、1コートで製造
できるため経済的にも装置的にも有利であり、工業上優
れた効果を持つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺本 武郎 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 【化1】 で示される2官能性アクリレート(1)1〜20重量
    %、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有
    するウレタンアクリレートを20重量%以上含有した1
    分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウ
    レタンアクリレート(2)20〜90重量%、(a)水
    酸基及び/又は(b)環状及び/又は鎖状エーテルを有
    する1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有
    するアクリレート化合物(3)0〜50重量%及び次の
    一般式(II) 【化2】 で示されるラクトン変性ポリペンタエリスリトールポリ
    メタクリレート(4)0〜50重量%からなる樹脂混合
    物(A)20〜95重量部とコロイダルシリカ(B)固
    形分80〜5重量部との合計100重量部に対し、紫外
    線吸収剤(C)を0.5〜20重量部、光重合開始剤
    (D)を0.1〜15重量部それぞれ添加してなる被覆
    材組成物を架橋硬化させた被膜がポリカーボネート樹脂
    成形品表面に形成されてなることを特徴とする耐摩耗
    性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 次の一般式(I) 【化3】 で示される2官能性アクリレート(1)1〜20重量
    %、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有
    するウレタンアクリレートを20重量%以上含有した1
    分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウ
    レタンアクリレート(2)20〜90重量%、(a)水
    酸基及び/又は(b)環状及び/又は鎖状エーテルを有
    する1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有
    するアクリレート化合物(3)0〜50重量%及び次の
    一般式(II) 【化4】 で示されるラクトン変性ポリペンタエリスリトールポリ
    メタクリレート(4)を0〜50重量%からなる樹脂混
    合物(A)20〜95重量部とコロイダルシリカ(B)
    固形分80〜5重量部との合計100重量部に対し、紫
    外線吸収剤(C)を0.5〜20重量部、光重合開始剤
    (D)を0.1〜15重量部それぞれ添加してなる被覆
    材組成物を、ポリカーボネート樹脂成形品表面に塗布
    し、次いで活性エネルギー線を照射することによって該
    成形品に架橋硬化被膜を形成させることを特徴とする耐
    摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形
    品の製造方法。
JP6039654A 1994-03-10 1994-03-10 耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法 Withdrawn JPH07247383A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6039654A JPH07247383A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6039654A JPH07247383A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07247383A true JPH07247383A (ja) 1995-09-26

Family

ID=12559081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6039654A Withdrawn JPH07247383A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07247383A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069333A (ja) * 2000-06-13 2002-03-08 Nippon Kayaku Co Ltd 放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルム
JP2012011766A (ja) * 2010-03-31 2012-01-19 Sumitomo Bakelite Co Ltd ハードコートフィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069333A (ja) * 2000-06-13 2002-03-08 Nippon Kayaku Co Ltd 放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルム
JP4623538B2 (ja) * 2000-06-13 2011-02-02 日本化薬株式会社 放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルム
JP2012011766A (ja) * 2010-03-31 2012-01-19 Sumitomo Bakelite Co Ltd ハードコートフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9017819B2 (en) Plastic substrates having a scratch-resistant coating, in particular housings of electronic devices, having high transparency, method for the production thereof, and use thereof
JP3616118B2 (ja) 放射線硬化性硬質被覆組成物
US5700576A (en) UV-curable scratch-resistant varnish having a thickener which becomes bound in the composition of the varnish by polymerization
JP2873855B2 (ja) 被覆材組成物及びそれを用いた耐摩耗性合成樹脂成形品の製造方法
WO1997011129A1 (fr) Composition de revetement resistant a l'usure et article ainsi revetu de cette composition
JPH07109355A (ja) 紫外線硬化性被覆材の製法及びそれを用いた耐摩耗性被覆材組成物
US20030045598A1 (en) Radiation curable coating compositions
JPH09157315A (ja) 紫外線硬化型樹脂原料組成物、それにより表面改質された樹脂成形品およびその成形品の製造方法
JP4372268B2 (ja) コーティング剤、および被覆層を有する樹脂成形品
JP2504061B2 (ja) 紫外線硬化型塗料及びその硬化方法
JP2000063549A (ja) 耐摩耗性薄膜を有する薄型物品、及び光学ディスク
JPS6052182B2 (ja) 塗料組成物
JP4299513B2 (ja) 被覆材組成物および物品
JPS6328095B2 (ja)
JPH07247383A (ja) 耐摩耗性、耐候性の改善されたポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法
JP3096862B2 (ja) 活性エネルギ−線硬化性塗料組成物
EP0331087A2 (en) Ultraviolet-curing coating composition and production process of molded plastic article having hardened coating of modified surface characteristics
JP3782670B2 (ja) 被覆用硬化性組成物、被覆物品、自動車用外板、および活性エネルギー線硬化性組成物
JPH1192690A (ja) ハードコート材組成物およびそれを施した合成樹脂製品
JPH0655848B2 (ja) 密着性に優れた塗料組成物
JP3061894B2 (ja) 塗料組成物及び樹脂成形品の表面改質方法
JPH05179160A (ja) 制電性被覆材組成物
JP2798261B2 (ja) 紫外線硬化型ポリカーボネート樹脂被覆用組成物および表面特性を改質した硬化被膜を有するプラスチック成形品の製造方法
JPH05320289A (ja) 活性エネルギ−線硬化性被覆材組成物
JP3100440B2 (ja) 表面特性に優れた複合化ポリカーボネート成形品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010605