JPH07247118A - 表面被覆酸化チタン粉末の製造方法 - Google Patents

表面被覆酸化チタン粉末の製造方法

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JPH07247118A
JPH07247118A JP3805894A JP3805894A JPH07247118A JP H07247118 A JPH07247118 A JP H07247118A JP 3805894 A JP3805894 A JP 3805894A JP 3805894 A JP3805894 A JP 3805894A JP H07247118 A JPH07247118 A JP H07247118A
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titanium oxide
oxide powder
silicon tetrachloride
coated
powder
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Kyoko Kawamura
京子 川村
Akira Nishihara
明 西原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水溶液を使用せずに表面被覆酸化チタン粉末
を製造する。 【構成】 四塩化ケイ素を液体状 (溶液を含む) または
ガス状で酸化チタン粉末と接触させることによって、表
面にその加水分解物 (シリカおよび/またはその水和
物) の被覆を形成する。 【効果】 乾燥および粉砕工程が不要で、従来法に比べ
て単純な工程で、分散性と耐光性に優れた表面被覆酸化
チタン粉末を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐光性が改善された表
面被覆酸化チタン粉末の製造方法に関する。本発明の方
法で製造された表面被覆酸化チタン粉末は、白色顔料や
紫外線散乱剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン (TiO2) の粉末は、その高い
屈折率、光散乱能を生かして、主に白色顔料や紫外線散
乱剤として用いられている。酸化チタン粉末は、高屈折
率である上、比重が小さいため分散が比較的容易で、化
学的に安定で耐薬品性に優れ、耐熱性と耐候性が高く、
毒性がないといった有利な性質を備えている。そのた
め、白色顔料として塗料、プラスチック、印刷インキな
どに大量に使用される以外に、紫外線散乱剤として自動
車、家具、光学材料などの表面被膜に混入するといった
利用もなされている。特に、平均一次粒子径0.1 μm以
下の超微粒粉末は可視光が吸収されなくなり、透明性が
出てくるので、このような超微粒酸化チタン粉末は、透
明な紫外線散乱剤として、化粧料やクリヤー塗料に透明
性や紫外線遮断効果を付与するのに利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】酸化チタン粉末の特性
のうち弱点とされているのは、耐光性が比較的低いこと
である。酸化チタン微粒子は表面が非常に高活性である
ため、紫外線などの外部エネルギーによる刺激によっ
て、塗膜やプラスチック内で酸化チタンの還元反応が起
こり、酸素欠陥が生成する。酸素欠陥の程度によって
は、酸化チタン粉末が黄色や青黒色に変色することがあ
り、この粉末が混入した被膜やプラスチックなどの全体
を変色させてしまう。この現象は酸化チタン粉末の粒子
径が小さくなるほど発生し易くなるので、透明な紫外線
散乱剤などとして平均一次粒子径0.1 μm以下の超微粒
子の酸化チタン粉末を使用する場合に特に問題となって
いた。従って、酸化チタン粉末を使用する場合には、紫
外線によって上記の変化が起こらないように、その耐光
性の向上が極めて重要な課題となる。
【0004】耐光性の向上のために、金属塩の中和によ
る酸化チタン粉末の表面被覆が一般に行われている。こ
の方法は、酸化チタン粉末の存在下で金属塩の水溶液を
中和し、酸化チタン粉末の表面上に金属水酸化物または
金属酸化物を析出させて表面をこれらで覆うものであ
る。例えば、酸化チタン粉末の存在下においてケイ酸ナ
トリウムまたはアルミン酸ナトリウムを含有するアルカ
リ性水溶液を硫酸で中和し、析出したシリカおよび/ま
たはアルミナおよび/またはその水和物 (水酸化ケイ素
および/またはアルミニウム) で酸化チタン粉末を表面
被覆することが行われている。
【0005】この方法を用いると、酸化チタン粉末表面
に金属酸化物または金属水酸化物の緻密で均一な被覆が
形成されるので、耐光性は大きく向上する。しかし、こ
の方法では水溶液を使用するため、表面被覆された酸化
チタン粉末の乾燥工程が必要となる。そして、水溶液を
用いた被覆処理および/または乾燥中に酸化チタン粒子
が凝集するため、その後に粉砕工程が必要となる。この
凝集は、特に酸化チタン粉末が乾式法で得られた平均一
次粒子径0.1 μm以下のものである場合に顕著である。
【0006】このように、従来の表面被覆方法は、工程
が複雑である上、粉砕工程を経ることによって酸化チタ
ン粉末を塗料、プラスチックなどの材料中に混練する際
の分散性が低下する、酸やアルカリを使用するので廃液
処理が面倒である、といった欠点があった。
【0007】本発明の目的は、耐光性が改善され、分散
性も良好な表面被覆酸化チタン粉末を単純な工程で製造
することができる方法を提供することである。本発明の
具体的な目的は、水溶液を使用せず、乾燥工程と乾燥後
の粉砕工程が不要な、表面被覆酸化チタン粉末の製造方
法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、四塩化ケ
イ素(SiCl4) をそのまま使用し、これをガス状または液
状で酸化チタン粉末と単に接触させるだけで、酸化チタ
ン粉末がシリカおよび/またはその水和物で表面被覆さ
れ、粉末の耐光性が著しく改善されることを見出した。
ここに、本発明は、酸化チタン粉末を四塩化ケイ素と接
触させることからなる、表面被覆酸化チタン粉末の製造
方法を要旨とする。酸化チタン粉末と接触させる四塩化
ケイ素は、液体状とガス状のいずれでもよい。
【0009】本発明の方法により表面被覆が施される酸
化チタン粉末に特に制限はなく、湿式法 (硫酸法) と乾
式法 (塩素法) のいずれで製造されたものでもよい。し
かし、乾式法の方が純度が高く、微細な酸化チタン粉末
を製造することができる上、乾式法で得た酸化チタン粉
末は、従来の水溶液を用いた表面被覆方法では凝集が起
こり易かったので、乾式法で製造された酸化チタン粉末
に本発明の方法を適用することが特に有利である。
【0010】酸化チタン粉末の平均一次粒子径は用途に
応じて選択され、一般に白色顔料として利用する場合に
は 0.1〜0.5 μmの範囲内であり、紫外線散乱剤として
利用する場合には0.1 μm以下、例えば、0.02〜0.07μ
mの超微粒子である。前述したように、酸化チタン粉末
の粒子径が小さくなるほど、粉末表面の活性が高くな
り、耐光性が低くなるので、本発明による表面被覆は特
に平均一次粒子径が0.1μm以下の超微粒子状の、透明
性を有し、紫外線散乱剤として利用される酸化チタン粉
末に適用することが好ましい。
【0011】本発明の方法による酸化チタン粉末の表面
被覆は、酸化チタン粉末を液体状またはガス状の四塩化
ケイ素と直接接触させるだけで達成される。それによ
り、酸化チタン粉末と接触した四塩化ケイ素は、酸化チ
タン粒子表面に存在する親水基(例、水酸基、酸素基)
と反応して自然に加水分解するので、加水分解生成物で
あるシリカおよび/またはその水和物 (含水シリカ) が
粒子表面に析出し、酸化チタン粉末がシリカおよび/ま
たはシリカ水和物によって表面被覆されるのである。そ
の結果、酸化チタン粉末の耐光性が著しく改善され、紫
外線にさらされても白色度または透明性の低下や変色が
起こりにくくなる。
【0012】本発明による酸化チタン粉末と四塩化ケイ
素との直接接触の方法は特に制限されず、この接触が可
能ないずれの方法を採用してもよい。四塩化ケイ素は後
述のように低沸点液体であるので、液体状およびガス状
のいずれの状態でも使用できる。
【0013】液体状の四塩化ケイ素を使用する場合に
は、例えば、四塩化ケイ素の液体中に酸化チタン粉末を
加えて攪拌し、液体中の酸化チタン粉末を分散させた
後、適当な固液分離手段 (例、濾過、遠心分離など) で
粉末を回収することにより酸化チタン粉末の表面被覆を
行うことができる。攪拌時間は特に制限されず、例え
ば、1分またはそれ以下から数時間までの範囲内で所望
の表面被覆が得られるように選択すればよい。この攪拌
・分散による方法は、過剰量の四塩化ケイ素が必要であ
る。但し、四塩化ケイ素の液体は繰り返し表面被覆に使
用できる。
【0014】別の方法として、酸化チタン粉末を浮遊状
態にしておき、この浮遊状態の粉末中に四塩化ケイ素の
液体を滴下することによっても、酸化チタン粉末を四塩
化ケイ素と接触させて、粉末表面を均一に被覆すること
ができる。この場合、四塩化ケイ素の滴下は徐々に行う
か、および/または滴下を数回に分けて行って、滴下の
休止中も粉末を浮遊状態に保持する。それにより、酸化
チタン粉末の被覆状態をより均一で緻密にすることがで
きる。四塩化ケイ素の滴下量は、SiO2として酸化チタン
粉末の 0.1〜30重量%に相当する量が好ましい。
【0015】白色顔料や紫外線散乱剤として使用される
酸化チタン粉末は、一般に平均一次粒子径が0.5 μm以
下の微粒子であるので、機械的に攪拌するだけで簡単に
浮遊状態にさせることができる。特に、酸化チタン粉末
が平均一次粒子径0.1 μm以下の超微粒子である場合に
は、機械的攪拌による浮遊状態の保持は非常に容易であ
る。このような超微粒子を大量処理する場合、前述した
攪拌・分散法では超微粒子の四塩化ケイ素液体中への分
散や固液分離が困難となる場合もあるが、この浮遊・滴
下法ではその欠点がない。。
【0016】なお、上記の攪拌・分散法と浮遊・滴下法
のいずれにおいても、四塩化ケイ素の液体をそのまま使
用する代わりに、四塩化ケイ素を適当な揮発性有機溶媒
中に溶解させた溶液の形態で使用することもできる。使
用に適した揮発性有機溶媒は、ベンゼン、トルエンなど
の芳香族炭化水素類、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類
などである。エタノールなどのアルコール類は、四塩化
ケイ素と反応してオルトケイ酸エステルを形成するの
で、単独では溶媒として使用するのに適していないが、
他の有機溶媒と混合して使用することはできる。このよ
うに溶液状とする場合の溶液濃度に特に制限はないが、
通常は過度の希釈は必要ないので、四塩化ケイ素濃度が
50重量%以上であることが好ましい。
【0017】上記のように液体状の四塩化ケイ素と接触
させて表面被覆を行った場合には、接触後の酸化チタン
粉末を空気中でしばらく放置することが好ましい。それ
により、余分な四塩化ケイ素が蒸発し (特に攪拌・分散
法の場合) 、同時に空気中の水分の作用により未反応の
四塩化ケイ素の加水分解が進んで、表面被覆が強固なも
のとなる。放置時間は必要に応じて決めればよいが、通
常は数十分ないし数日の範囲内である。
【0018】ガス状の四塩化ケイ素を用いる場合には、
例えば、四塩化ケイ素ガスを充満させた容器内で上記の
ように酸化チタン粉末を機械的攪拌により浮遊状態に保
持するか、酸化チタン粉末を上から落下させながら、こ
の粉末に四塩化ケイ素ガスを通気するか、またはこのよ
うに容器内で浮遊もしくは落下中の酸化チタン粉末に四
塩化ケイ素液体を噴霧して容器内で気化させる等の方法
で、酸化チタン粉末を四塩化ケイ素ガスと接触させるこ
とができる。
【0019】ガス状の四塩化ケイ素を使用した場合に
は、四塩化ケイ素の加水分解と同時に酸化チタン粉末へ
の被覆が起こるので、空気中の放置は特に必要ないが、
微量の四塩化ケイ素や加水分解で副生した塩化水素が残
留することもあるので、所望により空気中での放置を行
ってもよい。
【0020】四塩化ケイ素による表面被覆の量 (厚み)
が大きくなるほど、酸化チタンの耐光性が高くなる傾向
があるので、必要に応じて、上記の処理を繰り返して行
うこともできる。それにより、酸化チタン粉末の耐光性
が一層改善される。本発明による耐光性改善の効果を十
分に得るには、酸化チタン粉末の表面被覆量を、粉末の
重量に基づいて 0.1〜30重量%の範囲内とすることが好
ましい。被覆量が大きくなりすぎると酸化チタン粉末の
紫外線吸収能の阻害が目立つようになる。
【0021】
【作用】本発明により、液状またはガス状の四塩化ケイ
素を酸化チタン粉末と接触させると、酸化チタン粉末の
表面に存在する親水基 (水酸基、酸素基など) や空気中
の水分により四塩化ケイ素の加水分解が起こり、この加
水分解物 (シリカおよび/またはシリカ水和物) が粉末
表面に化学的に結合して表面被覆が形成され、酸化チタ
ン粉末の耐光性が確保される。このように、酸化チタン
粉末の表面に強固に結合した表面被覆が形成されるの
で、酸化チタン粉末を塗料やプラスチック中に混練する
際に表面被覆が剥離し、耐光性が低下するという恐れが
少なく、シリカによる優れた耐光性が持続する。
【0022】本発明で酸化チタンの表面被覆に用いる四
塩化ケイ素は、融点−68℃、常圧沸点57℃の常温で液状
の易揮発性の物質である。そのため、溶媒を使用せず
に、四塩化ケイ素をそのまま液体状で用いるか、或いは
揮発させてガス状で用いて、表面被覆を施すことがで
き、液状の四塩化ケイ素で処理した場合でも、表面に結
合していない余分な四塩化ケイ素は放置するだけで簡単
に蒸発するので、加熱による乾燥工程は必要ない。四塩
化ケイ素を揮発性有機溶媒で希釈して溶液状で使用する
場合も、有機溶媒として揮発性溶媒を使用すれば、やは
り乾燥工程の必要はない。
【0023】一方、前述したように、従来法による酸化
チタン粉末の表面被覆における粒子の凝集は、乾式法で
製造された酸化チタン粉末を水溶液中で湿式処理する間
に、或いは溶媒として用いた水を除去する乾燥工程で主
に起こる。しかし、本発明の方法では、水を使用せずに
酸化チタンの表面被覆を実施するので、湿式処理 (液状
処理) の場合でも処理中の酸化チタン粉末の凝集は避け
られる。また、乾燥工程が不要であるので、乾燥に伴う
凝集も起こらない。そのため、乾燥後の粉末の粉砕工程
も不要となる。
【0024】その結果、酸化チタン粉末の最初の粒子形
状が変化しないので、粉砕に伴う酸化チタン粉末の形状
変化に起因する粉末の分散性低下を避けることができ、
分散性に優れた表面被覆酸化チタン粉末を得ることがで
きる。しかも、乾燥工程と粉砕工程が省略されるので、
工程も大幅に単純化される。
【0025】本発明の方法で製造されたに表面被覆酸化
チタン粉末は、分散性に優れているので、これを塗料、
プラスチック、ペースト、化粧品などに容易に均一に配
合することができ、これらに優れた透明性や紫外線遮断
効果 (粒径が大きい場合には白色性) を付与することが
できる。
【0026】
【実施例】本発明を実施例によって例示する。以下の記
載において「%」は特に指定のない限り重量%を意味す
る。なお、実施例および比較例で表面被覆に使用した酸
化チタン粉末は、乾式法で製造された、平均一次粒子径
0.02μmの酸化チタン粉末であった。
【0027】(実施例1)酸化チタン粉末20gを、室温で
液体の四塩化ケイ素 250g中に加え、150 rpmで1分間
攪拌した。攪拌終了後、粉末を濾過により分離し、空気
中で24時間放置して余分な四塩化ケイ素を蒸発させた。
こうして得た表面被覆酸化チタン粉末を45メッシュの篩
でふるったところ、95%以上が通過した。表面被覆量は
粉末重量の0.1 重量%であった。この表面被覆酸化チタ
ン粉末の耐光性と分散性を次に述べる方法で調査した。
試験結果は表1にまとめて示す。
【0028】耐光性 表面被覆酸化チタン粉末を含有する塗膜に紫外線を照射
し、塗膜の変色度を調べて耐光性の目安とした。表面被
覆酸化チタン粉末 3.0g、アクリル樹脂20g、およびト
ルエン3mLをボールミルで攪拌混合し、酸化チタン含有
塗料を作製した。これをアプリケーターを用いてガラス
板上に10ミル(0.25 mm) の厚さに製膜し、室温暗所で乾
燥させて、塗膜を作製した。この塗膜の半分を光が照射
されないようにアルミホイルで覆ってブランクとした。
この半分を覆った塗膜に紫外線 (1mWh/cm2)を所定時間
照射した後、スガ製作所製SMカラーコンピューターを
用いて変色度 (ΔE) を測定した。ΔEは、ブランクに
対する紫外線照射塗膜の色差を示す。
【0029】分散性 上記の45メッシュの篩の通過率 (通過した粉末の重量
%) 。 沈降度:表面被覆酸化チタン粉末 1.5g、ガラスビー
ズ5g、および水/エタノールの重量で等量混合物50g
をガラスビンに入れ、ペイントシェーカーで30分間振盪
することにより、分散液を調製した。この分散液を直径
1cmの試験管に底から10 cm の高さまで入れて、24時間
静置した。この静置後に、酸化チタン粉末の沈降度を、
上部に生成した上澄み液の長さを測定することにより求
めた。沈降度は、この上澄み液の長さの最初の液長さ
(10cm) 対する%として表示した。
【0030】(実施例2)四塩化ケイ素の液体中での酸化
チタン粉末の攪拌時間を、1分間から2時間に延長した
以外は、実施例1と同様に酸化チタン粉末の表面被覆を
行った。得られた表面被覆酸化チタン粉末の試験結果を
表1に示す。
【0031】(実施例3)酸化チタン粉末20gを実施例1
と同様に四塩化ケイ素液体中で1分間攪拌して処理した
後、空気中に24時間放置し、余分な四塩化ケイ素を蒸発
させた。得られた粉末を、再び室温の四塩化ケイ素 250
gに加え、150 rpm で1時間攪拌した。攪拌終了後、濾
過により酸化チタン粉末を取り出し、空気中に24時間放
置して、余分な四塩化ケイ素を蒸発させた。こうして表
面被覆した酸化チタン粉末の試験結果を表1に示す。
【0032】(実施例4)酸化チタン粉末20gを密閉容器
内で機械的に14,700 rpmで攪拌し、浮遊状態にした。こ
の浮遊状態の酸化チタン粉末に、SiO2として10%に相当
する量の四塩化ケイ素の液体を徐々に滴下した。滴下終
了後、14,700 rpmでさらに1分間攪拌した後、空気中に
24時間放置して、表面被覆された酸化チタン粉末を回収
した。こうして表面被覆した酸化チタン粉末の試験結果
を表1に示す。
【0033】(実施例5)酸化チタン粉末20gを密閉容器
内で機械的に14,700 rpmで攪拌し、浮遊状態にした。こ
の浮遊状態の酸化チタン粉末に、SiO2として10%に相当
する量の四塩化ケイ素の液体を徐々に滴下した。滴下終
了後、14,700 rpmでさらに1分間攪拌した後、空気中に
1時間放置した。この操作をさらに2回繰り返して、合
計でSiO2として30%に相当する量の四塩化ケイ素を加え
た。こうして表面被覆した酸化チタン粉末の試験結果を
表1に示す。
【0034】(実施例6)酸化チタン粉末20gを密閉容器
内で機械的に14,700 rpmで攪拌し、浮遊状態にした。こ
の浮遊状態の酸化チタン粉末に、SiO2として5%に相当
する量の四塩化ケイ素をベンゼンに溶解させた50%四塩
化ケイ素/ベンゼン溶液を徐々に滴下した。滴下終了
後、14,700 rpmでさらに1分間攪拌した後、空気中に10
時間放置して、表面被覆された酸化チタン粉末を回収し
た。こうして表面被覆した酸化チタン粉末の試験結果を
表1に示す。
【0035】(実施例7)四塩化ケイ素ガスで飽和された
1L容の容器内で、酸化チタン粉末100 gを機械的に1
4,700 rpmで3分間攪拌し、浮遊状態に保持した。こう
して四塩化ケイ素ガスにより表面被覆した酸化チタン粉
末の試験結果を表1に示す。
【0036】(実施例8)酸化チタン粉末20gを直立させ
た直径30cm、長さ1mの管内で上部から落下させて容器
内に拡散させ、落下中の酸化チタン粉末に四塩化ケイ素
ガス5.6 g(SiO2として粉末の10%相当分) を横から吹き
付けた。こうして四塩化ケイ素ガスにより表面被覆した
酸化チタン粉末の試験結果を表1に示す。
【0037】(実施例9)酸化チタン粉末を実施例8と同
様に四塩化ケイ素ガスにより表面被覆したが、四塩化ケ
イ素ガスの吹き付けを上下に30cm間隔で離れた3カ所か
ら行った。吹き付けた四塩化ケイ素ガスの量は、SiO2
して酸化チタン粉末の30%相当分であった。こうして四
塩化ケイ素ガスにより表面被覆した酸化チタン粉末の試
験結果を表1に示す。
【0038】(比較例1)酸化チタン粉末20gを水200 mL
に分散させ、得られた分散液の溶液部分のpHを硫酸を用
いて1以下に保持して20分間攪拌し続けた。この溶液
に、珪酸ナトリウム 3.0g (SiO2として酸化チタンの5
%相当分) を攪拌しながら加え、硫酸を用いて溶液部分
のpHを2にし、さらに20分間攪拌した。その後、アルミ
ン酸ナトリウム2.75g (Al2O3 として酸化チタンの5%
相当分) を攪拌しながら加え、硫酸を用いて溶液のpHを
10にし、さらに20分間攪拌した。最後に硫酸で溶液を中
和し、60分間攪拌した後、デカンテーションの後、濾別
し、100 ℃で乾燥した。
【0039】こうして得たシリカおよびアルミナ (およ
びその水和物) で表面被覆された酸化チタン粉末は、45
メッシュの篩でふるったが、全く通過しなかった。その
ため、この表面被覆酸化チタン粉末の耐光性と分散性の
試験は、この粉末をポットミルで3分間粉砕してから実
施した。試験結果を表1に併せて示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】表1から分かるように、本発明の方法で
ガス状または液状の四塩化ケイ素により表面被覆した酸
化チタン粉末は、従来の水溶液を用いた湿式法によりシ
リカとアルミナ (水和物を含む) の混合物で被覆した酸
化チタン粉末 (比較例1) と同程度、或いはそれより一
層優れた耐光性を酸化チタン粉末に付与することができ
る。しかも、従来の水性系での処理による表面被覆で
は、表面被覆された酸化チタン粉末の分散性が非常に悪
く、塗料やプラスチックへの均一な分散が困難であるの
に対し、本発明の方法で表面被覆した酸化チタン粉末
は、分散性の低下が全く認められず、未処理の酸化チタ
ン粉末と同等の優れた分散性を保持していた。従って、
本発明により、乾燥および粉砕工程が不要で、従来法に
比べて単純な工程で、分散性と耐光性に優れた表面被覆
酸化チタン粉末を得ることができる。本発明の方法によ
り製造された酸化チタン粉末は、プラスチック、塗料、
化粧料等に容易に均一に分散でき、それらに透明性、紫
外線遮断性等の機能を付与できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタン粉末を四塩化ケイ素と接触さ
    せることからなる、表面被覆酸化チタン粉末の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記酸化チタン粉末が、平均一次粒子径0.
    1 μm以下の超微粒子からなるものである、請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 酸化チタン粉末を液状の四塩化ケイ素と
    接触させる請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 酸化チタン粉末を四塩化ケイ素の揮発性
    有機溶媒溶液と接触させる請求項1または2記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 酸化チタン粉末を四塩化ケイ素ガスと接
    触させる請求項1または2記載の方法。
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