JPH07246951A - 自動車の構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造 - Google Patents

自動車の構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造

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JPH07246951A
JPH07246951A JP6066424A JP6642494A JPH07246951A JP H07246951 A JPH07246951 A JP H07246951A JP 6066424 A JP6066424 A JP 6066424A JP 6642494 A JP6642494 A JP 6642494A JP H07246951 A JPH07246951 A JP H07246951A
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仁志 菅
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和英 森
Yoshikatsu Suzuki
由克 鈴木
Shotaro Okamura
正太郎 岡村
Michiko Kawasaki
径子 川崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造部材の耐荷重性能を実質的に低下するこ
となく、前記構造部材から及ぼされる衝撃を吸収するこ
と。 【構成】 仮想面で切断した断面が閉じ構造を呈するよ
うにインナパネル(20)およびアウタパネル(22)
によって形成した構造部材(24)から及ぼされる衝撃
の吸収構造である。インナパネル(20)およびアウタ
パネル(22)の厚みより小さな厚みを有するエネルギ
吸収パネル(26)は、所定以上の荷重によって変形可
能に前記閉じ構造の内部に配置されている。インナパネ
ル(20)の内方に間隔(32)をおいて変位可能に配
置される内装材(28)は、インナパネル(20)を貫
通してエネルギ吸収パネル(26)に向けて突出され、
エネルギ吸収パネル(26)に接触可能な干渉ボス(3
4)を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の構造部材から及
ぼされる衝撃の吸収構造に関する。前記構造部材は、車
体のフロントピラー、センタピラー、リヤピラーまたは
ルーフサイドレールのような、仮想面で切断した断面が
閉じ構造を呈するように複数のパネルを折り曲げて接合
した剛性の高い部材であり、前記衝撃は、特に、乗員の
頭部に及ぼされる。
【0002】
【従来の技術】ルーフサイドレールのインナパネルとこ
のインナパネルの内方にあるルーフライナとの間隔内
と、ルーフサイドレールの閉じ構造内とにウレタンのよ
うな発泡体を配置すると共に、前記インナパネルの上下
の部分に複数の穴を開けた衝撃の吸収構造がある(公開
技報91-19719号)。このものでは、インナパネルおよび
発泡体の変形によって衝撃を吸収する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ルーフサイドレール
は、垂直仮想面で切断した断面が閉じ構造を呈するよう
にインナパネルおよびアウタパネルによって形成され、
大きな剛性を有する。車体は、この大きな剛性により、
自動車が正面衝突したとき、または側面衝突したときの
荷重に耐えるところ、前記吸収構造では、インナパネル
に複数の穴を開けてあるため、ルーフサイドレールの耐
荷重性能が低下するおそれがある。
【0004】本発明の目的は、構造部材の耐荷重性能を
実質的に低下することなく、前記構造部材から及ぼされ
る衝撃の吸収構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、仮想面で切断
した断面が閉じ構造を呈するようにインナパネルおよび
アウタパネルによって形成した構造部材から及ぼされる
衝撃の吸収構造であって、前記インナパネルおよびアウ
タパネルの厚みより小さな厚みを有し、所定以上の荷重
によって変形可能に前記閉じ構造の内部に配置されるエ
ネルギ吸収パネルと、前記インナパネルの内方に間隔を
おいて変位可能に配置される内装材とを備え、該内装材
は、前記インナパネルを貫通して前記エネルギ吸収パネ
ルに向けて突出され、前記エネルギ吸収パネルに接触可
能な干渉ボスを有する。
【0006】本発明はまた、仮想面で切断した断面が閉
じ構造を呈するようにインナパネルおよびアウタパネル
によって形成した構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構
造であって、前記インナパネルから間隔をおくように前
記閉じ構造の内部に配置される補強パネルを備え、前記
インナパネルは、前記アウタパネルおよび前記補強パネ
ルの厚みより小さな厚みを有し、所定以上の荷重によっ
て変形可能である。
【0007】インナパネルが所定以上の荷重によって変
形可能である場合、さらに、前記インナパネルと前記補
強パネルとの前記間隔内に充填された発泡体を備えるこ
とができる。
【0008】本発明はまた、構造部材のパネルから及ぼ
される衝撃の吸収構造であって、前記パネルから内方へ
間隔をおいて配置され、かつ、前記間隔内に充填された
発泡体と一体となった内装材を備える。
【0009】本発明はまた、仮想面で切断した断面が閉
じ構造を呈するようにインナパネルおよびアウタパネル
によって形成した構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構
造であって、前記インナパネルから内方へ間隔をおいて
配置される内装材を備え、該内装材は、前記仮想面にお
ける両端部で前記構造部材に固定される金属板製のイン
サートと、該インサートの内側面に貼り付けられる表皮
とからなる。
【0010】前記インサートは複数の穴を有し、前記表
皮はその外側に発泡層を有することができる。
【0011】前記インサートは、両端部のそれぞれに設
けられ、前記インナパネルの穴に固定されるつめを有す
ることができる。
【0012】前記構造部材は前記インナパネルおよびア
ウタパネルそれぞれのフランジを重ね合せて接合され、
前記内装材の前記インサートは前記フランジに溶接され
るフランジを有することができる。
【0013】
【作用および効果】閉じ構造の内部に配置されるエネル
ギ吸収パネルを備える場合、所定以上の荷重が乗員の特
に頭部から内装材に加わると、内装材が外方へ向けて変
位する。この変位によって干渉ボスがエネルギ吸収パネ
ルに接触し、エネルギ吸収パネルを変形させる。その結
果、エネルギ吸収パネルが無かったとしたら、構造部材
から及ぼされることとなる衝撃を吸収する。
【0014】構造部材の閉じ構造の内部に配置したエネ
ルギ吸収パネルが、構造部材の剛性の増大に寄与するた
め、構造部材の閉じ構造の有効断面積を小さくすること
ができ、それだけインナパネルを外方へ位置させること
が可能となる。したがって、インナパネルの内方にある
内装材の変位距離を確保した状態で、内装材の断面寸法
を小さくすることができる。
【0015】閉じ構造の内部に配置される補強パネルを
備え、インナパネルがアウタパネルおよび補強パネルの
厚みより小さな厚みを有する場合、所定以上の荷重が乗
員の頭部から加わると、インナパネルが変形し、構造部
材から及ぼされる衝撃を吸収する。
【0016】構造部材の剛性は、主として、アウタパネ
ルおよび補強パネルによって得ることができることか
ら、インナパネルの厚みを小さくしても、構造部材に必
要な剛性を確保できる。また、剛性部材をいわばエネル
ギ吸収部分と剛性保持部分とに分離した結果、エネルギ
吸収部分であるインナパネルの位置や形状を、剛性保持
部分が受ける意匠上の制約とは関係なく定めることがで
きる。
【0017】インナパネルと補強パネルとの間隔内に発
泡体を充填した場合、インナパネルの変形だけでなく、
発泡体が変形し、構造部材から及ぼされる衝撃を吸収す
るため、エネルギ吸収効果を高めることができる。
【0018】パネルから内方へ間隔をおいて配置される
内装材が、前記間隔内に充填された発泡体と一体となっ
ている場合、乗員の頭部から所定以上の荷重が加わる
と、内装材および発泡体が変形する。これによって、構
造部材から及ぼされる衝撃を吸収する。内装材は、一般
に、わずかなエネルギ吸収能力を持つのみであるため、
発泡体がない状態では、内装材が直接構造部材に突き当
たることにより、乗員の頭部は大きな衝撃を構造部材か
ら受ける。これに対し、発泡体を介在することにより、
衝撃そのものの大きさを低下させることができる。ま
た、発泡体によって内装材をパネルに取り付けることが
可能であり、内装材の取付け用クリップを省略できる。
【0019】内装材が仮想面における両端部で固定され
る金属板製のインサートと、このインサートの内側面に
貼り付けられる表皮とからなる場合、乗員の頭部から所
定以上の荷重が加わると、インサートおよび表皮が変形
する。これによって、構造部材から及ぼされる衝撃を吸
収する。金属板は、ストローク量ないし変形量に対する
荷重の立ち上りが、たとえば樹脂製のパッドに比べると
急であるため全体の変形量を少なくでき、安定したエネ
ルギ吸収特性が得られる。加えて、インサートの両端部
が固定されているため、インサートが荷重によって開い
てしまい、不十分な変形のまま、構造部材に突き当たる
ようなことがなく、インサートを確実に変形できる。ま
た、表皮によって車室内の意匠面を確保できる。
【0020】前記インサートが複数の穴を有し、前記表
皮がその外側に発泡層を有する場合、インサートの厚み
と、穴の形状、数量または配置の組合せとによって広い
範囲にわたるエネルギ吸収特性を得ることができる。ま
た、表皮が発泡層を有するため、インサートの複数の穴
による意匠面への影響がない。
【0021】前記インサートが前記インナパネルの穴に
固定されるつめを両端部に有する場合、インサートの着
脱が簡単である。
【0022】前記構造部材が前記インナパネルおよびア
ウタパネルそれぞれのフランジを重ね合せて接合され、
前記インサートが前記フランジに溶接されるフランジを
有する場合、インサートを前もって構造部材に溶接して
おくことができる。
【0023】
【実施例】衝撃の吸収構造は、図1に示すように、仮想
面で切断した断面が閉じ構造を呈するようにインナパネ
ル20およびアウタパネル22によって形成した構造部
材24から乗員の特に頭部に及ぼされる衝撃を吸収する
ものであって、エネルギ吸収パネル26と、内装材28
とを備える。
【0024】構造部材24は、図示の実施例では、車体
のフロントピラーであり、インナパネル20と、アウタ
パネル22と、補強パネル30とからなる。インナパネ
ル20のフランジ21A、21Bとアウタパネル22の
フランジ23A、23Bとの互いに対面するものの間に
補強パネル30のフランジ31A、31Bを介在させ、
スポット溶接してフロントピラー24は、斜めの仮想面
で切断した断面が閉じ構造を呈するように形成されてい
る。
【0025】エネルギ吸収パネル26は、インナパネル
20およびアウタパネル22の厚みより小さな厚みを有
し、所定以上の荷重によって変形可能に構造部材24の
前記閉じ構造の内部に配置される。たとえば、インナパ
ネル20およびアウタパネル22は、1.2 〜1.6mm の厚
みの鋼板によって形成することができ、エネルギ吸収パ
ネル26は、0.4 〜0.6mm の厚みの鋼板によって形成す
ることができる。図示の実施例のように、補強パネル3
0を備える場合、補強パネル30の厚みはインナパネル
20またはアウタパネル22の厚みと同じか、これより
大きくするため、エネルギ吸収パネル26の厚みは、補
強パネル30の厚みより小さい。
【0026】エネルギ吸収パネル26を変形可能に閉じ
構造の内部に配置するのに、図示の実施例では、エネル
ギ吸収パネル26をインナパネル20に向けて凸形状に
折り曲げている。エネルギ吸収パネル26は、両端部の
フランジ27A、27Bをインナパネル20のフランジ
21A、21Bと補強パネル30のフランジ31A、3
1Bとの間に介在させ、スポット溶接して、フロントピ
ラー24に固定されている。
【0027】エネルギ吸収パネル26は、フロントピラ
ー24の伸びる方向、すなわち図1の紙面に垂直な方向
へ、フロントピラー24と同じ長さ伸びる形態とするこ
とができ、さらに、図2に示すように、1または複数の
帯状の形態とすることができる。帯状のエネルギ吸収パ
ネル26は、フロントピラー24の閉じ構造の内部の一
部のみに配置される。特に、乗員の頭部に及ぼされる衝
撃を吸収するには、頭部に対応するフロントピラー24
の内部に帯状のエネルギ吸収パネル26を配置すること
が必要であり、これで十分である。
【0028】内装材28は、インナパネル20の内方に
間隔32をおいて変位可能に配置される。内装材28
は、インナパネル20を貫通してエネルギ吸収パネル2
6に向けて突出され、エネルギ吸収パネル26に接触可
能な干渉ボス34を有する。
【0029】図示の実施例では、内装材28は、ポリエ
チレンまたはポリプロピレンのような硬質の樹脂を成形
したピラーガーニッシュであり、干渉ボス34は、ピラ
ーガーニッシュの外側面つまり裏面に一体に成形されて
いる。図3のaに示すように、干渉ボス34は円筒状で
あり、複数のリブ35によって補強されている。干渉ボ
ス34は、インナパネル20の穴36を通り、エネルギ
吸収パネル26まで伸びている。
【0030】図3のaに示した干渉ボス34は、エネル
ギ吸収パネルに接触し、これを変形させる機能を有す
る。これに代えて、図3のbに示す干渉ボス38を使用
することができる。干渉ボス38は、エネルギ吸収パネ
ルに接触し、これを変形させる干渉部40と、複数のリ
ブ41と、干渉部40とリブ41との間の取付け部42
とを有する。取付け部42は、干渉部40の軸線方向の
中央で最も膨らみ、弾性変形可能な掛止部分となった複
数の隆起からなる。掛止部分はインナパネルの穴を通っ
て穴の縁に引っ掛かる。したがって、干渉ボス38によ
れば、エネルギ吸収パネルに接触し、これを変形させる
機能に加え、内装材28をインナパネルに取り付けるた
めのクリップの機能をも果たすことができる。
【0031】内装材28は、干渉ボス34を有するとき
には、別途用意するそれ自体公知のクリップによって、
また干渉ボス38を有するときには、取付け部42の掛
止部分によってフロントピラー24のインナパネル20
に取り付けられる。乗員の頭部から所定以上の荷重が内
装材28に加わると、図4に示すように、内装材28が
リブ35を破断させながら変位し、干渉ボス34が外方
へ変位する。これにより、エネルギ吸収パネル26が変
形し、エネルギ吸収パネル26が無かったとしたら、フ
ロントピラー24から及ぼされることとなる衝撃を吸収
する。
【0032】図示の実施例のように、干渉ボス34、3
8が複数の三角形状のリブ35、41を有する場合、ま
ずリブが破断し、その後、エネルギ吸収パネル26が変
形し、それぞれエネルギを吸収することから、2段階の
エネルギ吸収を行わせることができる。
【0033】図5に示す衝撃の吸収構造は、仮想面で切
断した断面が閉じ構造を呈するようにインナパネル50
およびアウタパネル52によって形成した構造部材54
から及ぼされる衝撃を吸収するものであって、インナパ
ネル50から間隔56をおくように前記閉じ構造の内部
に配置される補強パネル58を備える。
【0034】構造部材54は、図示の実施例では、車体
のフロントピラーである。インナパネル50のフランジ
51A、51Bとアウタパネル52のフランジ53A、
53Bとの互いに対面するものの間に補強パネル58の
フランジ59A、59Bを介在させ、スポット溶接して
フロントピラー54は、斜めの仮想面で切断した断面が
閉じ構造を呈するように形成されている。
【0035】インナパネル50は、アウタパネル52お
よび補強パネル58の厚みより小さな厚みを有し、所定
以上の荷重によって変形可能である。アウタパネル52
および補強パネル58は、1.2 〜1.6mm の厚みの鋼板に
よって形成することができる。これに対し、インナパネ
ル50は、0.4 〜0.6mm の厚みの鋼板によって形成する
ことができる。
【0036】補強パネル58は、インナパネル50から
間隔56をおくように、インナパネル50に向けて凸形
状に折り曲げられている。図5から明らかであるよう
に、補強パネル58およびアウタパネル52の互いに逆
方向への凸形状によって閉じ構造の有効面積を大きくで
きることと、必要であれば補強パネル58の厚みを大き
くできることから、構造部材54の剛性は、補強パネル
58とアウタパネル52とによって実質的に確保でき
る。したがって、インナパネル50の厚みを小さくして
も支障がない。補強パネル58とインナパネル50との
間隔56は、インナパネル50が変形し、これによって
エネルギ吸収するのに必要なもので、最も大きな箇所で
15〜20mmとなるように定めることができる。
【0037】内装材60は、ピラーガーニッシュであ
り、前記した硬質の樹脂で成形されている。内装材60
は、インナパネル50から内方へ間隔をおくように、そ
れ自体公知のクリップによってインナパネル50に取り
付けられる。乗員の頭部から所定以上の荷重が内装材6
0に加わると、内装材60が外方へ変位してインナパネ
ル50に突き当たり、インナパネル50が変形する。こ
れにより、フロントピラー54から及ぼされる衝撃を吸
収する。
【0038】図6に示す衝撃の吸収構造は、図5に示し
た衝撃の吸収構造と基本的な構成は同じである。すなわ
ち、仮想面で切断した断面が閉じ構造を呈するようにイ
ンナパネル50およびアウタパネル52によって形成し
た構造部材54から及ぼされる衝撃を吸収するものであ
って、インナパネル50から間隔56をおくように前記
閉じ構造の内部に配置される補強パネル58を備える。
インナパネル50は、アウタパネル52および補強パネ
ル58の厚みより小さな厚みを有し、所定以上の荷重に
よって変形可能である。
【0039】図6の衝撃の吸収構造は、さらに、インナ
パネル50と補強パネル58との間隔56内に充填した
発泡体62を備える。インナパネル50に開けた数箇所
の穴から発泡スチレンのような発泡剤を注入ガンで注入
して間隔56内で発泡させ、発泡体62とする。したが
って、この衝撃の吸収構造では、インナパネル50の変
形と発泡体62の変形とによって衝撃を吸収することと
なる。
【0040】図7に示す衝撃の吸収構造は、構造部材6
4のパネル66から及ぼされる衝撃を吸収するものであ
って、パネル66から内方へ間隔68をおいて配置さ
れ、かつ、間隔68内に充填された発泡体70と一体と
なった内装材72を備える。
【0041】図示の実施例では、構造部材64はフロン
トピラーであり、パネル66はインナパネルである。フ
ロントピラー64は、インナパネル66とアウタパネル
74とからなる。インナパネル66のフランジ67A、
67Bとアウタパネル74の互いに対面するフランジ7
5A、75Bとを重ね合せてスポット溶接し、斜めの仮
想面で切断した断面が閉じ構造を呈している。
【0042】図8に示すように、フロントピラー64の
インナパネル66に、フロントピラー64が伸びている
方向へ間隔をおいて複数の穴76を開けておく。複数の
穴76は図示のように2つの長穴とし、1つの長穴の長
軸の方向と別の長穴の長軸の方向とが直交するように長
穴76を開けることが好ましい。一方、前記した硬質樹
脂で成形する内装材72の外側面の長穴76に対応する
部位に固定ロッド78を、さらに両端部のそれぞれに位
置決めリブ79を設けておく。固定ロッド78の先端に
は埋設リブ80がある。埋設リブ80と固定ロッド78
とがインナパネル66の長穴76を貫通できるように、
それぞれの寸法を定める。
【0043】内装材72の埋設リブ80および固定ロッ
ド78をインナパネル66の長穴76に貫通させ、位置
決めリブ79をインナパネル66に当てて位置を決め
る。その後、内装材72の全体を2つの長穴76を利用
してねじり、内装材72を微調整する。発泡剤注入ガン
82を内装材72に開けた穴84に当て、発泡スチレン
のような発泡剤を間隔68内に注入する。間隔68内に
入った発泡剤はこの間隔68内で発泡し、さらに、長穴
76と固定ロッド78とのすきまを通ってインナパネル
66の外方へ向けて発泡し、固定ロッド78と埋設リブ
80とを取り囲む。これによって、内装材72はインナ
パネル66に取り付けられ、ピラーガーニッシュとな
る。
【0044】乗員の頭部から所定以上の荷重が内装材7
2に加わると、内装材72が発泡体70と共に変形す
る。これによって、構造部材64から及ぼされる衝撃を
吸収する。
【0045】図9に示す衝撃の吸収構造は、仮想面で切
断した断面が閉じ構造を呈するようにインナパネル90
およびアウタパネル92によって形成した構造部材94
から及ぼされる衝撃を吸収するものであって、インナパ
ネル90から内方へ間隔96をおいて配置される内装材
98を備える。
【0046】図示の実施例では、構造部材94は車体の
センタピラーであり、インナパネル90のフランジ91
A、91Bと、アウタパネル92のフランジ93A、9
3Bとの互いに対面するものを重ね合せてスポット溶接
し、水平仮想面で切断した断面が閉じ構造を呈してい
る。
【0047】内装材98は、前記仮想面における両端部
で構造部材94に固定される金属板製のインサート10
0と、インサート100の内側面に貼り付けられる表皮
102とからなる。内装材は、通常、前記した硬質樹脂
で成形するが、このような内装材にはエネルギ吸収効果
は実質的にない。しかし、内装材98の場合には、金属
板製のインサートを有するため、エネルギ吸収機能を発
現する。そして、表皮によって意匠上の要請を満たすこ
とができる。インサートは、0.4 〜0.6mm の厚みの鋼板
とすることができ、表皮はインサートに貼り付けたポリ
塩化ビニルその他の樹脂シートとすることができる。
【0048】図10に示すインサート100は複数の穴
104を有し、表皮102は、その外側に発泡スチレン
その他の発泡剤を発泡させた発泡層106と、内側にポ
リ塩化ビニルその他の樹脂の薄膜107とを有する。イ
ンサート100は1mm 程度の厚みの鋼板に複数の穴10
4を開けることによって変形し易くしてある。一方、表
皮102は、発泡層106をインサート100に当てる
ことにより、穴104の影響が薄膜107に現れるのを
防止し、薄膜107によって意匠面を形成している。表
皮102は、発泡層106をインサート100に貼り付
けてインサート100に取り付けられる。
【0049】インサート100は、図11に示す実施例
では、両端部のそれぞれに設けられ、インナパネル90
の穴110に固定されるつめ112を有する。複数の穴
110が、インサート100の各端部に対面するインナ
パネル90の部分に開けられている。一方、インサート
100は複数のつめ112と、複数の掛止片113とを
複数の穴110に対応する各端部に有する。つめ112
と掛止片113とは、互いに一つ置きとなるように、交
互に配列してあり、穴110に進入できる。インサート
100をインナパネル90に対して正しい位置にもたら
し、インナパネル90に向けて押し込むと、複数の掛止
片113が対応する穴110に入り、穴縁に押しつけら
れる。この状態で、つめ112を曲げ、インサート10
0をインナパネル90に固定する。
【0050】インサート100は、図12に示す実施例
では、フランジ101A、101Bを有する。これらフ
ランジ101A、101Bは、構造部材94のインナパ
ネル90のフランジ91A、91Bおよびアウタパネル
92のフランジ93A、93Bの対応するものと重ね合
せてスポット溶接されている。
【0051】乗員の頭部から所定以上の荷重が内装材9
8に加わると、内装材98のインサート100と表皮1
02とが変形する。これによって、構造部材94から及
ぼされる衝撃を吸収する。
【0052】自動車の車体には、図13に示すように、
フロントピラー24、センタピラー94、リヤピラー1
20のような構造部材があり、さらに、これらピラーの
上方部分を結合するように前後方向へ伸びるルーフサイ
ドレール122のような構造部材がある。本発明は、こ
のような構造部材から及ぼされる衝撃を吸収する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車の構造部材から及ぼされる
衝撃の吸収構造の実施例の断面図で、図13の1−1線
に沿って切断したものである。
【図2】図1の衝撃の吸収構造に使用したインナパネル
とエネルギ吸収パネルとを背面方向から見た斜視図であ
る。
【図3】内装材の背面方向から見た斜視図で、aは図1
の衝撃の吸収構造に使用したもと、bはaの干渉ボスと
は異なる干渉ボスを有する内装材を示している。
【図4】本発明に係る自動車の構造部材から及ぼされる
衝撃の吸収構造の別の実施例の図1と同様な断面図であ
る。
【図5】本発明に係る自動車の構造部材から及ぼされる
衝撃の吸収構造のさらに別の実施例の図1と同様な断面
図である。
【図6】本発明に係る自動車の構造部材から及ぼされる
衝撃の吸収構造のさらに別の実施例の図1と同様な断面
図である。
【図7】本発明に係る自動車の構造部材から及ぼされる
衝撃の吸収構造のさらに別の実施例の図1と同様な断面
図である。
【図8】図7の衝撃の吸収構造に使用したものの斜視図
で、aは構造部材を、bは内装材を示している。
【図9】本発明に係る自動車の構造部材から及ぼされる
衝撃の吸収構造のさらに別の実施例の断面図で、図13
の9−9線に沿って切断したものである。
【図10】図9の衝撃の吸収構造に使用した内装材の斜
視図で、aはインサートを、bは表皮を示している。
【図11】図9の衝撃の吸収構造に使用できるインサー
トとインナパネルとの固定部分を示す断面図で、aは図
10の11a−11a線に沿って、bは図10の11b
−11b線に沿って切断したものである。
【図12】図9の衝撃の吸収構造に使用できるインサー
トとインナパネルとの別の固定部分を示す断面図であ
る。
【図13】本発明に係る衝撃の吸収構造を実施できる構
造部材を備える車体の側面図である。
【符号の説明】
20、50、66、90 インナパネル 22、52、74、92 アウタパネル 24、54、64 構造部材(フロントピラー) 94 構造部材(センタピラー) 26 エネルギ吸収パネル 28、60、72、98 内装材(ピラーガーニッシ
ュ) 34、38 干渉ボス 58 補強パネル 62、70 発泡体 100 インサート 102 表皮 104 穴 106 発泡層 112 つめ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 正太郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 川崎 径子 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮想面で切断した断面が閉じ構造を呈す
    るようにインナパネルおよびアウタパネルによって形成
    した構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造であって、
    前記インナパネルおよびアウタパネルの厚みより小さな
    厚みを有し、所定以上の荷重によって変形可能に前記閉
    じ構造の内部に配置されるエネルギ吸収パネルと、前記
    インナパネルの内方に間隔をおいて変位可能に配置され
    る内装材とを備え、該内装材は、前記インナパネルを貫
    通して前記エネルギ吸収パネルに向けて突出され、前記
    エネルギ吸収パネルに接触可能な干渉ボスを有する、自
    動車の構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造。
  2. 【請求項2】 仮想面で切断した断面が閉じ構造を呈す
    るようにインナパネルおよびアウタパネルによって形成
    した構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造であって、
    前記インナパネルから間隔をおくように前記閉じ構造の
    内部に配置される補強パネルを備え、前記インナパネル
    は、前記アウタパネルおよび前記補強パネルの厚みより
    小さな厚みを有し、所定以上の荷重によって変形可能で
    ある、自動車の構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構
    造。
  3. 【請求項3】 さらに、前記インナパネルと前記補強パ
    ネルとの前記間隔内に充填された発泡体を備える、請求
    項2に記載の自動車の構造部材から及ぼされる衝撃の吸
    収構造。
  4. 【請求項4】 構造部材のパネルから及ぼされる衝撃の
    吸収構造であって、前記パネルから内方へ間隔をおいて
    配置され、かつ、前記間隔内に充填された発泡体と一体
    となった内装材を備える、自動車の構造部材から及ぼさ
    れる衝撃の吸収構造。
  5. 【請求項5】 仮想面で切断した断面が閉じ構造を呈す
    るようにインナパネルおよびアウタパネルによって形成
    した構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造であって、
    前記インナパネルから内方へ間隔をおいて配置される内
    装材を備え、該内装材は、前記仮想面における両端部で
    前記構造部材に固定される金属板製のインサートと、該
    インサートの内側面に貼り付けられる表皮とからなる、
    自動車の構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造。
  6. 【請求項6】 前記インサートは複数の穴を有し、前記
    表皮はその外側に発泡層を有する、請求項5に記載の自
    動車の構造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造。
  7. 【請求項7】 前記インサートは、両端部のそれぞれに
    設けられ、前記インナパネルの穴に固定されるつめを有
    する、請求項5に記載の自動車の構造部材から及ぼされ
    る衝撃の吸収構造。
  8. 【請求項8】 前記構造部材は前記インナパネルおよび
    アウタパネルそれぞれのフランジを重ね合せて接合さ
    れ、前記内装材の前記インサートは前記フランジに溶接
    されるフランジを有する、請求項5に記載の自動車の構
    造部材から及ぼされる衝撃の吸収構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20010055600A (ko) * 1999-12-11 2001-07-04 류정열 자동차용 전면기둥구조
WO2018211866A1 (ja) * 2017-05-17 2018-11-22 林テレンプ株式会社 車両用内装材、及び、その製造方法

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