JPH072463B2 - 一次懸架装置及び方向可変性を有する鉄道車両の車軸 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鉄道車両の車軸に係る。かかる車軸は一次懸架
装置を介して車体またはボギー台車の車台に接続された
２つの軸箱間に装着されている。

一次懸架装置はしばしば、軸箱の両側に配置され車台に
支承されており且つ金属枠を有する２つの弾性ブロック
から形成される。

ある種の使用条件下、特に線路のカーブ部分を走行する
ときには、車軸が線路のカーブに正確に内接しこれによ
って車輪の過度の摩耗が防止できるように、方向調整自
在な車軸を用いるのが有利である。

特にフランス特許公開第2,530,267号によれば、車軸を
方向調整し得る完全に機械的な方向調整装置が公知であ
る。これらの装置は軸箱に直接作用する踏み棒と連結棒
とを含む。

従って、一次懸架装置の可撓性に応じて車軸を方向調整
することが可能である。

しかしながら、これらの装置は複雑でありまた確実な信
頼性がない。更に、これらの装置は大型でありまたボギ
ー台車の内部スペースが既にかなり塞がっているため、
ボギー台車の内部に収納することができない。

本発明の目的は、一次懸架装置を有しまた簡単で小型の
信頼できる方向調整手段を備えた車軸を提供することで
ある。

本発明によれば、上記目的は、２つの軸箱間で回転し、
車台に取り付けられた車軸であって、該車軸が一次懸架
装置を備え、該一次懸架装置が、各軸箱に対して、軸箱
の両側に該軸箱を担持するように設けられた２つの弾性
ブロックを含み、該弾性ブロックの各々が空洞を有し、
該空洞が配給手段を介して調整自在な圧力の流体源に接
続されており、前記配給手段が一方の弾性ブロックの膨
張と、他方の弾性ブロックの圧縮を引き起こし、それに
より、軸箱の変位を引き起こすべく、前記２つの弾性ブ
ロックの空洞に異なる圧力で流体を配給し得るように構
成されていることを特徴とする一次懸架装置及び方向可
変性を有する鉄道車両の車軸によって達成される。

上記構成によれば、配給手段が軸箱の両側に設けられた
２つの弾性ブロックの空洞に異なる圧力で流体を配給す
ることにより、一方の弾性ブロックの膨張と、他方の弾
性ブロックの圧縮とを引き起こし、それにより、軸箱の
変位、即ち車軸の方向調整が行われる。

本発明の特定の実施態様においては、鉄道線路のカーブ
の入口には、線路のカーブに関する情報を表す信号を送
信するエミッタが配備され、車両には前記信号を受信す
るセンサと、該センサからの信号を処理する処理手段と
が搭載されており、前記配給手段が、前記処理手段によ
り与えられる情報に従い、前記車軸が線路のカーブにな
らうように、２つの弾性ブロックの空洞における流体の
圧力差を制御する。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて本発明の車軸を
具体的に説明する。

第１図は、ボギー台車の車台１と、金属枠51で強化され
たゴムのごとき弾性体50によって形成された２つのブロ
ック5A,5Bから成る一次懸架装置によって車台に連結さ
れた軸箱４とを概略的に示す。

第２図は車台１と、２つの車輪３を備えた車軸２とを示
す。車軸２は、車台の長軸Ｘに垂直な軸Ｙに一致する休
止位置に対して鉛直軸Ｚの周囲で＋ａまたは−ａの値だ
け回転することによって方向調整される。

線路のカーブ部分で車軸２が＋ａの値だけ方向調整され
たとき、ボギー台車または車両の他方の車軸は−ａの値
だけ方向調整されたことになる。

第３図は車台１、車軸２及びその２つの車輪3A,3Bを示
し、また、内部で車軸が回転する２つの軸箱４及び２つ
の軸箱を担持する４つの弾性ブロック5A,5Bを示す。本
発明の主な特徴によれば、車軸の一次懸架装置を構成す
るブロック5A,5Bの各々は空洞６と配給システム７とを
有し、配給システムはパイプ8,9を介して空洞６に流体
を供給する。

２つのパイプ８が２つのブロック5Bの空洞６への供給を
確保し、２つのパイプ９が２つのブロック5Aの空洞６へ
の供給を確保する。

第４図は軸箱４と２つの弾性ブロック5A,5Bと夫々の空
洞６とを示す部分断面立面図である。ブロック5Aは車台
エレメント1Aに連結され、ブロック5Bは車台エレメント
1Bに連結されている。第４図で車軸の転向角度は０度で
ある。

第５図は第４図と同様の図であるが車軸が＋ａの角度
（第３図参照）だけ傾いている。これは軸箱の偏移に対
応する。

車軸の傾きは以下の手順で得られる。

線路のカーブの曲率半径を与える信号を送出するエミッ
タを鉄道線路のカーブの入口に配備する。車両は、前記
信号を記録するセンサと前記信号を情報ｉに変換する処
理手段とを備える。

配給システム７は圧力Ｐの加圧流体を送出する液圧源に
接続され、情報ｉに基づいてパイプ８またはパイプ９の
いずれかに供給する。

パイプ９に供給するときはブロック5Aの空洞６が圧力下
に維持されてブロック5Aが膨張し、また、ブロック5Bの
空洞６は圧縮される（第５図参照）。

この結果車軸は、配給システム７によって送出された圧
力によって傾く。この傾きは、０度と＋ａ度との間の値
であり、＋ａ度が最大値である。この圧力は線路の曲率
半径の関数である。従って線路の曲率半径に応じて車軸
の転向角度を調整し得る。

勿論、鉄道線路の曲率半径以外の外部信号から信号が発
生されてもよい。

本発明によれば、普通の車軸に比較して顕著に大型化す
ることなく、容易に且つ確実に方向調整でき、信頼性が
長期間維持される車軸を得ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の車軸の概略部分図、第２図は任意の車
台に対する車軸の可能な方向調整の原理を示す説明図、
第３図は本発明の車軸の平面図、第４図は車軸の転向角
度０度の位置で示す第３図のIV-IV線断面図、第５図は
車軸が転向角度＋ａで方向調整された第４図同様の断面
図である。 １……車台、２……車軸、３……車輪、４……軸箱、5
A,5B……ブロック、６……空洞、７……配給システム、
8,9……パイプ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２つの軸箱間で回転し、車台に取り付けら
   れた車軸であって、該車軸が一次懸架装置を備え、該一
   次懸架装置が、各軸箱に対して、軸箱の両側に該軸箱を
   担持するように設けられた２つの弾性ブロックを含み、
   該弾性ブロックの各々が空洞を有し、該空洞が配給手段
   を介して調整自在な圧力の流体源に接続されており、前
   記配給手段が一方の弾性ブロックの膨張と、他方の弾性
   ブロックの圧縮を引き起こし、それにより、軸箱の変位
   を引き起こすべく、前記２つの弾性ブロックの空洞に異
   なる圧力で流体を配給し得るように構成されていること
   を特徴とする一次懸架装置及び方向可変性を有する鉄道
   車両の車軸。
2. 【請求項２】鉄道線路のカーブの入口には、線路のカー
   ブに関する情報を表す信号を送信するエミッタが配備さ
   れ、車両には前記信号を受信するセンサと、該センサか
   らの信号を処理する処理手段とが搭載されており、前記
   配給手段が、前記処理手段により与えられる情報に従
   い、前記車軸が線路のカーブにならうように、２つの弾
   性ブロックの空洞における流体の圧力差を制御する請求
   項１に記載の車軸。