JPH07246087A - 低温感受性酵母および該酵母を用いるパン生地 - Google Patents
低温感受性酵母および該酵母を用いるパン生地Info
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- JPH07246087A JPH07246087A JP6038852A JP3885294A JPH07246087A JP H07246087 A JPH07246087 A JP H07246087A JP 6038852 A JP6038852 A JP 6038852A JP 3885294 A JP3885294 A JP 3885294A JP H07246087 A JPH07246087 A JP H07246087A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 冷蔵パン生地に適し、あるいはペストリーパ
ン生地の製造に適するサッカロミセス属に属し、ホモタ
リックな性質、および低温感受性を有する酵母を提供す
ること。 【構成】 サッカロミセス属の2倍体のパン酵母から、
1倍体の胞子株を得てこれを変異処理し培養することに
より、自動的に2倍体となったホモタリックな、低温感
受性酵母を得る。これを生地と混合し、冷蔵パン生地、
ペストリーパン生地を得る。
ン生地の製造に適するサッカロミセス属に属し、ホモタ
リックな性質、および低温感受性を有する酵母を提供す
ること。 【構成】 サッカロミセス属の2倍体のパン酵母から、
1倍体の胞子株を得てこれを変異処理し培養することに
より、自動的に2倍体となったホモタリックな、低温感
受性酵母を得る。これを生地と混合し、冷蔵パン生地、
ペストリーパン生地を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温感受性酵母、該酵
母を用いるパン生地、およびパン生地の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、パンの冷蔵生地、冷凍生地、リタ
ード工程を含むデニッシュやクロワッサンなどのペース
トリーパン生地、およびその製造方法に関する。また、
本発明は、低温感受性酵母を育種する方法を含む、酵母
の新規な育種方法に関する。
母を用いるパン生地、およびパン生地の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、パンの冷蔵生地、冷凍生地、リタ
ード工程を含むデニッシュやクロワッサンなどのペース
トリーパン生地、およびその製造方法に関する。また、
本発明は、低温感受性酵母を育種する方法を含む、酵母
の新規な育種方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の製パン業界では、省力化のために
工程を合理化するというニーズと、多様な消費者ニーズ
に対応するためパンの品種を多様化するという相反する
ニーズに応えるため、生地を冷凍保存しておき、必要に
応じて解凍して使用する冷凍生地法がさかんに行われる
ようになってきた。この冷凍生地法における問題点は、
冷凍に耐え得る酵母の取得、生地の劣化等にある。例え
ば、生地ミキシング後、冷凍過程において若干発酵(い
わゆる冷凍前発酵)し、エチルアルコールが生成する事
によって酵母の冷凍耐性が低下すること、流通過程にお
ける冷凍庫の開閉など保管条件の不良による温度上昇の
ためせっかく冷凍した生地でも昇温による一部解凍が起
こり品質が低下したりすること、などの問題点がある。
これらの問題点解決のため、例えば、冷凍前発酵をおさ
えるため、冷凍生地の製法ではミキシング温度を極端に
低く抑える検討がされているが、冷蔵庫のような低温下
でミキシングを行い、かつ急速冷凍をするためスパイラ
ル急速冷凍機が必要となるなど膨大なエネルギーコスト
を必要としており、冷凍流通過程でも非常にシビアーな
温度管理を必要としているのが実状である。
工程を合理化するというニーズと、多様な消費者ニーズ
に対応するためパンの品種を多様化するという相反する
ニーズに応えるため、生地を冷凍保存しておき、必要に
応じて解凍して使用する冷凍生地法がさかんに行われる
ようになってきた。この冷凍生地法における問題点は、
冷凍に耐え得る酵母の取得、生地の劣化等にある。例え
ば、生地ミキシング後、冷凍過程において若干発酵(い
わゆる冷凍前発酵)し、エチルアルコールが生成する事
によって酵母の冷凍耐性が低下すること、流通過程にお
ける冷凍庫の開閉など保管条件の不良による温度上昇の
ためせっかく冷凍した生地でも昇温による一部解凍が起
こり品質が低下したりすること、などの問題点がある。
これらの問題点解決のため、例えば、冷凍前発酵をおさ
えるため、冷凍生地の製法ではミキシング温度を極端に
低く抑える検討がされているが、冷蔵庫のような低温下
でミキシングを行い、かつ急速冷凍をするためスパイラ
ル急速冷凍機が必要となるなど膨大なエネルギーコスト
を必要としており、冷凍流通過程でも非常にシビアーな
温度管理を必要としているのが実状である。
【0003】これらの問題点の解決のために、パン生地
を冷凍させないで冷蔵状態で保管すると同時に生地の熟
成をはかる、いわゆる冷蔵生地法が検討がされている。
を冷凍させないで冷蔵状態で保管すると同時に生地の熟
成をはかる、いわゆる冷蔵生地法が検討がされている。
【0004】しかし、従来使用されているパン酵母を用
いて生地を低温で冷却保存しても、発酵速度は常温より
も遅くはなるものの、発酵が進むため、せいぜい1日程
度しか冷蔵保存できないという問題点がある。
いて生地を低温で冷却保存しても、発酵速度は常温より
も遅くはなるものの、発酵が進むため、せいぜい1日程
度しか冷蔵保存できないという問題点がある。
【0005】さらに、デニッシュやクロワッサンなどの
ペーストリーの製造ではロールインマーガリンをきれい
に層状に折り込む必要がある。このため、生地の発酵を
抑える必要があり、従来から、生地を低温処理する「リ
タード法」が採用されている。しかし、通常の酵母を用
いても、このリタード工程で生地が発酵するため、ロー
ルインマーガリンがきれいに折り込まれず、できたパン
の層がきれいにならなかったり、生地の冷蔵保管が実質
的にできないため、成形残の生地の活用ができず、製パ
ン工程の歩留まりの低下を招いている。
ペーストリーの製造ではロールインマーガリンをきれい
に層状に折り込む必要がある。このため、生地の発酵を
抑える必要があり、従来から、生地を低温処理する「リ
タード法」が採用されている。しかし、通常の酵母を用
いても、このリタード工程で生地が発酵するため、ロー
ルインマーガリンがきれいに折り込まれず、できたパン
の層がきれいにならなかったり、生地の冷蔵保管が実質
的にできないため、成形残の生地の活用ができず、製パ
ン工程の歩留まりの低下を招いている。
【0006】そこで、パン生地の冷蔵保存、あるいはリ
タード工程に使用し得る、低温状態で発酵力が弱い低温
感受性の酵母が求められている。もちろん、通常の発酵
温度では発酵力がなければならないことはパンの製造上
不可欠であることはいうまでもない。すなわち、低温で
は発酵力が弱いが、高温では通常の発酵力を有するパン
酵母が求められている。さらに、この性質を有する酵母
は、冷凍生地法においてもパン生地の冷凍過程で速やか
に発酵が抑制されるため、酵母の冷凍耐性が向上する事
や冷凍流通過程での保管条件による昇温に対しても耐性
があることも期待できる。
タード工程に使用し得る、低温状態で発酵力が弱い低温
感受性の酵母が求められている。もちろん、通常の発酵
温度では発酵力がなければならないことはパンの製造上
不可欠であることはいうまでもない。すなわち、低温で
は発酵力が弱いが、高温では通常の発酵力を有するパン
酵母が求められている。さらに、この性質を有する酵母
は、冷凍生地法においてもパン生地の冷凍過程で速やか
に発酵が抑制されるため、酵母の冷凍耐性が向上する事
や冷凍流通過程での保管条件による昇温に対しても耐性
があることも期待できる。
【0007】低温で発酵力が抑制される酵母に関して
は、特開昭61−195637、特開平5−7634
8、特開平5−284896、特開平5−336872
などに開示があるが、いずれも育種方法が複雑で、手間
がかかったり、低温での発酵力が抑制される程度が低
く、実用性が低いという問題がある。
は、特開昭61−195637、特開平5−7634
8、特開平5−284896、特開平5−336872
などに開示があるが、いずれも育種方法が複雑で、手間
がかかったり、低温での発酵力が抑制される程度が低
く、実用性が低いという問題がある。
【0008】ところで、上記機能を有する低温感受性酵
母は、単に培養条件を変化させても得られるものでもな
く、自然界からの分離でも十分な機能を有する酵母を取
得することは困難であり、変異処理によらざるを得な
い。しかし、酵母の変異、特に、パン酵母の変異には困
難さがつきまとう。その理由の一つに、パン酵母として
2倍体が好適に使用されることにある。酵母には一本の
染色体上に2本のDNAがある2倍体と、1本のDNA
しかない1倍体とがある。1倍体は細胞の大きさが小さ
いため、パン酵母製造における濾過工程でフィルターが
目詰まりをおこし、十分脱水ができなかったり、各染色
体上にDNAが1本ずつしかないため、発酵力が低く、
実用的価値に問題点がある。そこでこのような欠点がな
い2倍体の酵母が好適に用いられている。
母は、単に培養条件を変化させても得られるものでもな
く、自然界からの分離でも十分な機能を有する酵母を取
得することは困難であり、変異処理によらざるを得な
い。しかし、酵母の変異、特に、パン酵母の変異には困
難さがつきまとう。その理由の一つに、パン酵母として
2倍体が好適に使用されることにある。酵母には一本の
染色体上に2本のDNAがある2倍体と、1本のDNA
しかない1倍体とがある。1倍体は細胞の大きさが小さ
いため、パン酵母製造における濾過工程でフィルターが
目詰まりをおこし、十分脱水ができなかったり、各染色
体上にDNAが1本ずつしかないため、発酵力が低く、
実用的価値に問題点がある。そこでこのような欠点がな
い2倍体の酵母が好適に用いられている。
【0009】2倍体の酵母を変異処理して、突然変異株
を得るには、2本のDNAをともに変異させる必要があ
る。例えば、1本のDNAに変異が起こる頻度を10-5
とすると2倍体の変異が起こる頻度は10-10となり、
2倍体の酵母を直接変異処理しても、所望の酵母の取得
は困難である。そのため、交雑法あるいは戻し交雑法が
使用されている。この方法を図1を用いて説明する。交
雑法は、胞子形成培地で2倍体酵母Aに胞子を形成さ
せ、変異株を取得し易い1倍体である胞子株Aを得て、
変異処理し、得られた変異株Aと別の2倍体の酵母Bか
らの胞子株Bとを、交雑あるいは細胞融合して2倍体化
した交雑株Xを得る方法である。しかし、交雑株Xは、
両親の性質の中間的な性質を示す事が多いため、実用に
適さない場合が多い。そこで、さらに交雑株Xから胞子
株Yを取得し、再度、胞子株Yと胞子株Bと交雑させて
交雑株Zを得る、いわゆる戻し交雑法が広く行われてい
る。
を得るには、2本のDNAをともに変異させる必要があ
る。例えば、1本のDNAに変異が起こる頻度を10-5
とすると2倍体の変異が起こる頻度は10-10となり、
2倍体の酵母を直接変異処理しても、所望の酵母の取得
は困難である。そのため、交雑法あるいは戻し交雑法が
使用されている。この方法を図1を用いて説明する。交
雑法は、胞子形成培地で2倍体酵母Aに胞子を形成さ
せ、変異株を取得し易い1倍体である胞子株Aを得て、
変異処理し、得られた変異株Aと別の2倍体の酵母Bか
らの胞子株Bとを、交雑あるいは細胞融合して2倍体化
した交雑株Xを得る方法である。しかし、交雑株Xは、
両親の性質の中間的な性質を示す事が多いため、実用に
適さない場合が多い。そこで、さらに交雑株Xから胞子
株Yを取得し、再度、胞子株Yと胞子株Bと交雑させて
交雑株Zを得る、いわゆる戻し交雑法が広く行われてい
る。
【0010】戻し交雑法は、特開平5-76348に記載され
ているように両親の性質の内、目的とする2以上の好ま
しい遺伝子が2倍体から1倍体に分離するときにランダ
ムに分離する事を利用した合理的な方法であるが、胞子
株、交雑株の単離に非常に時間を要するという欠点があ
る。胞子株の単離には最短で約2週間程度を要し、さら
に、目的の性質をスクリーニングする必要がある。マス
メイティング法による交雑株の単離は、2種類の親株と
交雑株が混在した中から交雑株のみを選択する困難性が
あり、最短でも3カ月という時間を要するのみならず、
予め親株にマーカーをつけるなどの手間がかかる。マイ
クロマニピュレーター法では、顕微鏡下で2つの胞子株
を共存させ、一定時間後に接合子をつくったものだけを
単離し、かつ単離した多数の交雑株の性質を調べる必要
があり、最短でも約1カ月の時間を要する。さらに、胞
子分離、交雑(または細胞融合)を少なくとも2回行う
必要があるため、熟練した技術者といえども、非常に長
期間を要し、かつ、戻し交雑の組み合せによっては実験
数が膨大になるという欠点がある。
ているように両親の性質の内、目的とする2以上の好ま
しい遺伝子が2倍体から1倍体に分離するときにランダ
ムに分離する事を利用した合理的な方法であるが、胞子
株、交雑株の単離に非常に時間を要するという欠点があ
る。胞子株の単離には最短で約2週間程度を要し、さら
に、目的の性質をスクリーニングする必要がある。マス
メイティング法による交雑株の単離は、2種類の親株と
交雑株が混在した中から交雑株のみを選択する困難性が
あり、最短でも3カ月という時間を要するのみならず、
予め親株にマーカーをつけるなどの手間がかかる。マイ
クロマニピュレーター法では、顕微鏡下で2つの胞子株
を共存させ、一定時間後に接合子をつくったものだけを
単離し、かつ単離した多数の交雑株の性質を調べる必要
があり、最短でも約1カ月の時間を要する。さらに、胞
子分離、交雑(または細胞融合)を少なくとも2回行う
必要があるため、熟練した技術者といえども、非常に長
期間を要し、かつ、戻し交雑の組み合せによっては実験
数が膨大になるという欠点がある。
【0011】特開平5−76348および特開平5−2
84896は上述の「もどし交雑」法という複雑な方法
を開示しているものであり、特開平5−336872は
2倍体の親株を直接変異処理しており、低頻度の変異株
をスクリーニングすることを開示しているにすぎない。
特に、パン酵母のように実用特性として要求される品質
保証の項目が多い場合は図1のもどし交雑だけでは全て
の目的が満足されることは少なく、さらに胞子株の単
離、交雑を繰り返すことが要求される場合があり、迅速
な酵母の変異株の取得方法、酵母の育種方法が待望され
ていた。
84896は上述の「もどし交雑」法という複雑な方法
を開示しているものであり、特開平5−336872は
2倍体の親株を直接変異処理しており、低頻度の変異株
をスクリーニングすることを開示しているにすぎない。
特に、パン酵母のように実用特性として要求される品質
保証の項目が多い場合は図1のもどし交雑だけでは全て
の目的が満足されることは少なく、さらに胞子株の単
離、交雑を繰り返すことが要求される場合があり、迅速
な酵母の変異株の取得方法、酵母の育種方法が待望され
ていた。
【0012】以上のように、パン業界では、優れた低温
感受性株を提供すること、および低温感受性等、有用な
性質を有するパン酵母を迅速に育種する方法が待望され
ていた。
感受性株を提供すること、および低温感受性等、有用な
性質を有するパン酵母を迅速に育種する方法が待望され
ていた。
【0013】
【発明が解決しようとうする課題】本発明者らは、上記
課題を解決するため、変異処理や交雑の細胞融合などに
よる育種操作を幅広く検討した結果、ヘテロタリックな
性質を示す2倍体から単離した胞子株(1倍体)に変異
処理などの処理を加える事によりヘテロタリックな性質
に容易に変異が起こり、ホモタリック化するという興味
深い現象を発見した。そしてこの現象を利用して低温感
受性酵母を取得するとともに、この低温感受性酵母を用
いて本発明を完成させたものである。
課題を解決するため、変異処理や交雑の細胞融合などに
よる育種操作を幅広く検討した結果、ヘテロタリックな
性質を示す2倍体から単離した胞子株(1倍体)に変異
処理などの処理を加える事によりヘテロタリックな性質
に容易に変異が起こり、ホモタリック化するという興味
深い現象を発見した。そしてこの現象を利用して低温感
受性酵母を取得するとともに、この低温感受性酵母を用
いて本発明を完成させたものである。
【0014】本発明は上記従来の欠点を解決するために
なされたものであり、その目的は、(1)低温では発酵
力が弱いが、高温では通常の発酵力を有する低温感受性
のパン酵母を提供すること、(2)生地を冷凍させない
冷蔵状態でも流通が可能なパン生地(冷蔵パン生地)を
提供すること、(3)リタード工程での生地膨張が従来
のパン酵母に比べて少なく、商品価値が高く、残生地も
活用でき製品歩留まりの高いペーストリー用パン生地を
提供すること、(4)冷凍保存中でも品質が劣化しない
冷凍パン生地を提供すること、(5)上記各種パン生地
の製造方法を提供すること、および(6)上記、本願発
明の実用性の高い酵母を含む、酵母の効率的な育種方法
を提供することにある。
なされたものであり、その目的は、(1)低温では発酵
力が弱いが、高温では通常の発酵力を有する低温感受性
のパン酵母を提供すること、(2)生地を冷凍させない
冷蔵状態でも流通が可能なパン生地(冷蔵パン生地)を
提供すること、(3)リタード工程での生地膨張が従来
のパン酵母に比べて少なく、商品価値が高く、残生地も
活用でき製品歩留まりの高いペーストリー用パン生地を
提供すること、(4)冷凍保存中でも品質が劣化しない
冷凍パン生地を提供すること、(5)上記各種パン生地
の製造方法を提供すること、および(6)上記、本願発
明の実用性の高い酵母を含む、酵母の効率的な育種方法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の低温感受性のパ
ン酵母は、サッカロミセス属に属する酵母であって、ホ
モタリックな性質を有する酵母であり、そのことによ
り、上記目的の(1)が達成される。
ン酵母は、サッカロミセス属に属する酵母であって、ホ
モタリックな性質を有する酵母であり、そのことによ
り、上記目的の(1)が達成される。
【0016】本発明の低温感受性の酵母は、30℃発酵
力と5℃発酵力の絶対値の比で表したときの値が5.0
以上である酵母であり、そのことにより上記目的の
(1)が達成される。この値は、6以上が好ましく、8
以上が特に好ましい。
力と5℃発酵力の絶対値の比で表したときの値が5.0
以上である酵母であり、そのことにより上記目的の
(1)が達成される。この値は、6以上が好ましく、8
以上が特に好ましい。
【0017】さらに、本発明の酵母は、2倍体の酵母か
ら取得した1倍体の胞子株を変異処理して得られる2倍
体の酵母であり、好適には、ヘテロタリックな2倍体の
酵母から取得した1倍体の酵母を変異処理し、該処理を
施した1倍体の酵母が自動的に2倍体に変化することに
よって得られた酵母であり、特に好適な酵母は、サッカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)R
−3227(FERMP−14178)、サッカロミセ
ス・セレビシエR−3230(FERM P−1417
9)、またはサッカロミセス・セレビシエR−3230
−2A(FERM P−14180)であり、このこと
により、上記目的(1)が達成される。
ら取得した1倍体の胞子株を変異処理して得られる2倍
体の酵母であり、好適には、ヘテロタリックな2倍体の
酵母から取得した1倍体の酵母を変異処理し、該処理を
施した1倍体の酵母が自動的に2倍体に変化することに
よって得られた酵母であり、特に好適な酵母は、サッカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)R
−3227(FERMP−14178)、サッカロミセ
ス・セレビシエR−3230(FERM P−1417
9)、またはサッカロミセス・セレビシエR−3230
−2A(FERM P−14180)であり、このこと
により、上記目的(1)が達成される。
【0018】さらに、本発明のパン生地は上記低温感受
性酵母を含むパン生地である。このことにより、上記目
的の(2)、(3)および(4)が達成される。実施の
態様として、好適には、前発酵した冷蔵パン生地が提供
され、上記目的(2)が達成される。
性酵母を含むパン生地である。このことにより、上記目
的の(2)、(3)および(4)が達成される。実施の
態様として、好適には、前発酵した冷蔵パン生地が提供
され、上記目的(2)が達成される。
【0019】また、本発明の製造方法は、上記低温感受
性酵母を生地と混合する方法でありこのことにより、上
記、目的の(5)が達成される。好適には、冷蔵パン生
地、ペストリー用パン生地、あるは冷凍パン生地の製造
方法である。
性酵母を生地と混合する方法でありこのことにより、上
記、目的の(5)が達成される。好適には、冷蔵パン生
地、ペストリー用パン生地、あるは冷凍パン生地の製造
方法である。
【0020】さらに、本発明の2倍体酵母の育種方法
は、(i)サッカロミセス属に属する2倍体の酵母から
1倍体を取得する工程、(ii)該取得した1倍体の酵母
を変異処理する工程、および、(iii)該変異処理した
1倍体を培養し、2倍体を取得する工程、を有する酵母
の育種方法であり、このことにより、上記目的(6)が
達成される。
は、(i)サッカロミセス属に属する2倍体の酵母から
1倍体を取得する工程、(ii)該取得した1倍体の酵母
を変異処理する工程、および、(iii)該変異処理した
1倍体を培養し、2倍体を取得する工程、を有する酵母
の育種方法であり、このことにより、上記目的(6)が
達成される。
【0021】好適な態様として、変異処理することによ
り自動的にホモタリック化する1倍体を取得することに
より、上記目的(6)が達成される。
り自動的にホモタリック化する1倍体を取得することに
より、上記目的(6)が達成される。
【0022】本発明に使用し得る酵母は、サッカロミセ
ス属する酵母であって、ホモタリックな性質、および低
温感受性である性質を有する酵母であればいずれをも使
用し得る。例えば、サッカロミセス・セレビシェ(Sacc
haromyces cerevisiae)、サッカロミセス・クルイベリ
(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・エクシ
ギュース(Sacchsaromyces exiguus)が挙げられる。
ス属する酵母であって、ホモタリックな性質、および低
温感受性である性質を有する酵母であればいずれをも使
用し得る。例えば、サッカロミセス・セレビシェ(Sacc
haromyces cerevisiae)、サッカロミセス・クルイベリ
(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・エクシ
ギュース(Sacchsaromyces exiguus)が挙げられる。
【0023】特に好適な酵母としては、サッカロミセス
・セレビシエR−3227(FERM P−1417
8)、サッカロミセス・セレビシエR−3230(FE
RMP−14179)、およびサッカロミセス・セレビ
シエR−3230−2A(FERM P−14180)
が挙げられる。
・セレビシエR−3227(FERM P−1417
8)、サッカロミセス・セレビシエR−3230(FE
RMP−14179)、およびサッカロミセス・セレビ
シエR−3230−2A(FERM P−14180)
が挙げられる。
【0024】用語「ホモタリック」については、後述す
る。
る。
【0025】本発明の低温感受性とは、5℃以下の低温
で酵母の発酵力が抑制されることを意味する。低温感受
性は、30℃発酵力と5℃発酵力の絶対値の比をいい、
次式で求められる。
で酵母の発酵力が抑制されることを意味する。低温感受
性は、30℃発酵力と5℃発酵力の絶対値の比をいい、
次式で求められる。
【0026】
【数1】
【0027】本願では5.0以上の場合、低温感受性が
あるとする。
あるとする。
【0028】低温感受性の評価方法は以下の通りであ
る。糖蜜(糖として)40g、尿素3g、硫安0.8
g、および燐安0.4gを水1000mlに溶解した糖
蜜培地5mlにパン酵母を1白金耳植菌し、30℃で2
4時間振とう培養した後、この種培養ブロス5mlを糖
蜜培地50mlに移植して、さらに30℃、24時間振
とう培養する。培養液10mlをとり、3000rp
m、10分遠心分離して、1回水洗する。
る。糖蜜(糖として)40g、尿素3g、硫安0.8
g、および燐安0.4gを水1000mlに溶解した糖
蜜培地5mlにパン酵母を1白金耳植菌し、30℃で2
4時間振とう培養した後、この種培養ブロス5mlを糖
蜜培地50mlに移植して、さらに30℃、24時間振
とう培養する。培養液10mlをとり、3000rp
m、10分遠心分離して、1回水洗する。
【0029】この洗浄菌体を、以下の表1の組成
【0030】
【表1】
【0031】を有するK10発酵液5mlに懸濁して、
30℃、2.5時間振とう培養する。30℃発酵前後の
培養液の重量差をもって、30℃発酵力とする。この
2.5時間の振とう培養後、3000rpm、10分の
遠心分離、洗浄後、新たなK10発酵液5mlに懸濁
し、5℃17時間振とう培養する。5℃発酵前後の培養
液の重量差をもって5℃発酵力とする。
30℃、2.5時間振とう培養する。30℃発酵前後の
培養液の重量差をもって、30℃発酵力とする。この
2.5時間の振とう培養後、3000rpm、10分の
遠心分離、洗浄後、新たなK10発酵液5mlに懸濁
し、5℃17時間振とう培養する。5℃発酵前後の培養
液の重量差をもって5℃発酵力とする。
【0032】本発明のパン生地は、上記低温感受性酵母
を含む。ここでいうパン生地は、食パン、菓子パン、デ
ニッシュペストリー、饅頭、ドーナツなどパン酵母を含
んでいる生地をいう。通常、小麦粉、砂糖、食塩、油
脂、水、必要に応じて添加物等と低温感受性酵母を混合
したもの、あるいは、これを前発酵させたものをいい、
前記成分はパンの用途に応じて、変化させ得る。小麦粉
に対する酵母の使用量は通常2.0〜4.0%である
が、これに限られず、パンの用途により決定され得る。
を含む。ここでいうパン生地は、食パン、菓子パン、デ
ニッシュペストリー、饅頭、ドーナツなどパン酵母を含
んでいる生地をいう。通常、小麦粉、砂糖、食塩、油
脂、水、必要に応じて添加物等と低温感受性酵母を混合
したもの、あるいは、これを前発酵させたものをいい、
前記成分はパンの用途に応じて、変化させ得る。小麦粉
に対する酵母の使用量は通常2.0〜4.0%である
が、これに限られず、パンの用途により決定され得る。
【0033】本発明のパン生地は、冷蔵あるいは冷凍し
て保存した後、製パンした場合と、通常のパン酵母を用
いて、冷蔵、冷凍保存をせずに製パンした場合とを比較
しても遜色がない。さらに、ペストリー用パン生地も低
温で発酵力が低下しているため、外観、内相ともに良好
なパンが製造される。さらに、食パン、バターロール等
の通常の糖濃度のパンはもとより、糖濃度20%以上の
リッチなパンにおいても冷蔵、冷凍保存過程を経て製パ
ンを行う冷蔵、冷凍製パン法において長期的に安定で良
好な比容積、外観、内相の優れたパンを得ることができ
る。
て保存した後、製パンした場合と、通常のパン酵母を用
いて、冷蔵、冷凍保存をせずに製パンした場合とを比較
しても遜色がない。さらに、ペストリー用パン生地も低
温で発酵力が低下しているため、外観、内相ともに良好
なパンが製造される。さらに、食パン、バターロール等
の通常の糖濃度のパンはもとより、糖濃度20%以上の
リッチなパンにおいても冷蔵、冷凍保存過程を経て製パ
ンを行う冷蔵、冷凍製パン法において長期的に安定で良
好な比容積、外観、内相の優れたパンを得ることができ
る。
【0034】次に、本発明の低温感受性酵母の取得方法
を説明する。
を説明する。
【0035】本発明の方法は、(1)サッカロミセス属
に属する2倍体の酵母から1倍体を取得する工程、
(2)該取得した1倍体の酵母を変異処理する工程、お
よび、(3)該変異処理した1倍体を培養し、2倍体酵
母を取得する工程を有する。本発明に使用する酵母はヘ
テロタリックな2倍体であることが好ましい。ホモタリ
ックの場合は、変異処理をするまでに2倍体に戻ってし
まう可能性が高く、そのために変異が起こる頻度が低
く、所望の酵母の取得が困難であるためである。
に属する2倍体の酵母から1倍体を取得する工程、
(2)該取得した1倍体の酵母を変異処理する工程、お
よび、(3)該変異処理した1倍体を培養し、2倍体酵
母を取得する工程を有する。本発明に使用する酵母はヘ
テロタリックな2倍体であることが好ましい。ホモタリ
ックの場合は、変異処理をするまでに2倍体に戻ってし
まう可能性が高く、そのために変異が起こる頻度が低
く、所望の酵母の取得が困難であるためである。
【0036】サッカロミセス属に属する酵母にはホモタ
リックな性質を示す酵母(以下、ホモ酵母と略す)とヘ
テロタリックな性質を示す酵母(以下、ヘテロ酵母と略
す)とが知られている。2倍体の酵母は、胞子形成培地
等の一定の条件下で、通常4個の、1倍体の胞子を形成
する。ヘテロ酵母から、これらの胞子を単離し、生育さ
せるとそれぞれ、aタイプおよびαタイプという異なる
性を有する胞子株が2つずつ得られる。aタイプの胞子
株は、aのままで増殖を続ける。αタイプの胞子株はα
のままで増殖する。それぞれ1倍体のaとαは接合し、
2倍体(a/α)になる。他方、ホモ酵母ではaタイプ
の1倍体を単離してもずっとaのままで増殖を続けるの
ではなく、何世代か後に突然aタイプの1倍体酵母がα
タイプに変化をしてしまい、みずからのaタイプと自己
接合を起こして自然に2倍体(a/α)にもどってしま
う性質を有する酵母である。
リックな性質を示す酵母(以下、ホモ酵母と略す)とヘ
テロタリックな性質を示す酵母(以下、ヘテロ酵母と略
す)とが知られている。2倍体の酵母は、胞子形成培地
等の一定の条件下で、通常4個の、1倍体の胞子を形成
する。ヘテロ酵母から、これらの胞子を単離し、生育さ
せるとそれぞれ、aタイプおよびαタイプという異なる
性を有する胞子株が2つずつ得られる。aタイプの胞子
株は、aのままで増殖を続ける。αタイプの胞子株はα
のままで増殖する。それぞれ1倍体のaとαは接合し、
2倍体(a/α)になる。他方、ホモ酵母ではaタイプ
の1倍体を単離してもずっとaのままで増殖を続けるの
ではなく、何世代か後に突然aタイプの1倍体酵母がα
タイプに変化をしてしまい、みずからのaタイプと自己
接合を起こして自然に2倍体(a/α)にもどってしま
う性質を有する酵母である。
【0037】サッカロミセス属に属する2倍体の酵母か
ら1倍体を取得するには、胞子を形成させ、単離すれば
よい。胞子の形成は、例えば、The yeasts -a taxonomi
c study(third revised and enlarged edition,edited
by N.J.W.Kreger-van Rij)に記載されているFowe
llの培地、McClaryの培地などを用いて行い得
るが、その他の、胞子形成が行えるどの培地でも使用し
得る。具体的には、たとえば、親株として、市販のパン
酵母(商品名:カネカレッドイースト:サッカロミセス
・セレビシェ:ヘテロ)を、YPD培地(グルコース2
%、ポリペプトン2%、酵母エキス1%)で、30℃、
1日培養する。培養した酵母を洗浄後、Fowell培地(酢
酸ナトリウム0.4%、寒天2%、pH6.7)に塗布
し、28℃、2日間培養することによって、胞子が形成
され得る。胞子の単離は、マイクロマニュピレーターを
用いる方法、あるいは、例えば、57℃、10分の熱処
理で栄養細胞を死滅させ、細胞壁を酵素処理して胞子を
単離するランダム胞子分離法などで行う。胞子株は、得
られた胞子を、例えばYM寒天培地(グルコース1%、
酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、ポリペプト
ン0.5%、寒天2%、pH5.0)で、30℃、1日
培養を行うことにより得られる。
ら1倍体を取得するには、胞子を形成させ、単離すれば
よい。胞子の形成は、例えば、The yeasts -a taxonomi
c study(third revised and enlarged edition,edited
by N.J.W.Kreger-van Rij)に記載されているFowe
llの培地、McClaryの培地などを用いて行い得
るが、その他の、胞子形成が行えるどの培地でも使用し
得る。具体的には、たとえば、親株として、市販のパン
酵母(商品名:カネカレッドイースト:サッカロミセス
・セレビシェ:ヘテロ)を、YPD培地(グルコース2
%、ポリペプトン2%、酵母エキス1%)で、30℃、
1日培養する。培養した酵母を洗浄後、Fowell培地(酢
酸ナトリウム0.4%、寒天2%、pH6.7)に塗布
し、28℃、2日間培養することによって、胞子が形成
され得る。胞子の単離は、マイクロマニュピレーターを
用いる方法、あるいは、例えば、57℃、10分の熱処
理で栄養細胞を死滅させ、細胞壁を酵素処理して胞子を
単離するランダム胞子分離法などで行う。胞子株は、得
られた胞子を、例えばYM寒天培地(グルコース1%、
酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、ポリペプト
ン0.5%、寒天2%、pH5.0)で、30℃、1日
培養を行うことにより得られる。
【0038】得られた胞子株の接合型は、胞子株をaお
よびαタイプの1倍体酵母と接合させ、いずれと接合す
るかにより決定し得る。
よびαタイプの1倍体酵母と接合させ、いずれと接合す
るかにより決定し得る。
【0039】次に、胞子株を変異処理する。変異処理
は、エチルメタンスルフォネート(EMS)、ニトロソ
グアニジン(NTG)などの化学的変異剤、紫外線(U
V)照射などの物理的変異処理などいずれをも用い得
る。変異処理した胞子株は、洗浄後、希釈してYPD寒
天培地(上述のYPD培地に寒天を2%加えたもの)で
30℃、1−2日培養する。
は、エチルメタンスルフォネート(EMS)、ニトロソ
グアニジン(NTG)などの化学的変異剤、紫外線(U
V)照射などの物理的変異処理などいずれをも用い得
る。変異処理した胞子株は、洗浄後、希釈してYPD寒
天培地(上述のYPD培地に寒天を2%加えたもの)で
30℃、1−2日培養する。
【0040】低温感受性酵母の選択は、例えば、5℃で
は生育が遅く、30℃では生育が早い酵母を選択するこ
とにより行い得る。好ましい方法の一つとして、レプリ
カ法がある。YPD寒天培地で生育した変異処理した胞
子株をレプリカし、5℃では小さいコロニーしか生じな
いが、30℃では、大きなコロニーを生じる株を選択す
る。5℃で培養を行う場合は10日間培養する。
は生育が遅く、30℃では生育が早い酵母を選択するこ
とにより行い得る。好ましい方法の一つとして、レプリ
カ法がある。YPD寒天培地で生育した変異処理した胞
子株をレプリカし、5℃では小さいコロニーしか生じな
いが、30℃では、大きなコロニーを生じる株を選択す
る。5℃で培養を行う場合は10日間培養する。
【0041】得られた酵母が低温感受性か否かは、前記
定義に従って、決定され得る。
定義に従って、決定され得る。
【0042】得られた低温感受性酵母が、2倍体である
か否かは、酵母の大きさ、接合能の有無、胞子形成の有
無で決定し得る。胞子の形成は、例えば、前記Fowellの
培地を用い、胞子の形成を顕微鏡で観察して、決定し得
る。
か否かは、酵母の大きさ、接合能の有無、胞子形成の有
無で決定し得る。胞子の形成は、例えば、前記Fowellの
培地を用い、胞子の形成を顕微鏡で観察して、決定し得
る。
【0043】得られた低温感受性酵母は、例えば糖蜜、
グルコース、庶糖、酢酸等の炭素源、ペプトン、酵母エ
キス、麦芽エキス等の有機窒素源、硫安、燐安等の無機
の窒素源、マグネシウム、カリウム等の微量金属元素を
含む天然あるいは合成培地を用いて、通気攪はんして培
養され得る。凍結乾燥酵母あるいは圧搾酵母も用いられ
得る。
グルコース、庶糖、酢酸等の炭素源、ペプトン、酵母エ
キス、麦芽エキス等の有機窒素源、硫安、燐安等の無機
の窒素源、マグネシウム、カリウム等の微量金属元素を
含む天然あるいは合成培地を用いて、通気攪はんして培
養され得る。凍結乾燥酵母あるいは圧搾酵母も用いられ
得る。
【0044】得られた低温感受性酵母は、種々の生地と
混合し、パン生地として、冷蔵保存、冷凍保存、あるい
はペストリーとして、製パンを行い、その良否を決定し
得る。
混合し、パン生地として、冷蔵保存、冷凍保存、あるい
はペストリーとして、製パンを行い、その良否を決定し
得る。
【0045】以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明
するが、本発明はなんら実施例に限定されるものではな
い。
するが、本発明はなんら実施例に限定されるものではな
い。
【0046】
(実施例1:変異株の取得)親株として、市販のパン酵
母(商品名:カネカレッドイースト:ヘテロ)をYPD
培地(グルコース2%、ポリペプトン2%、酵母エキス
1%)で、30℃、1日培養した。培養後、酵母を30
00rpm、10分の遠心分離で集菌し、滅菌水で洗浄
後、Fowell培地に塗布し、28℃、2日間培養した。胞
子をランダム胞子分離法で分離し、YM寒天培地(グル
コース1%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3
%、ポリペプトン0.5%、寒天2%、pH5.0)に
移し、30℃、1日培養を行った。得られた胞子株の接
合型を決定し、接合型aの胞子株1株をR−6Rと名付
け、これを親株として、3%のエチルメタンスルフォネ
ート(EMS)で2時間処理した。この処理での胞子の
生存率は約10%であった。目的とする菌株を選別する
ために、変異処理した胞子を、ナイスタチン(濃度50
μg/ml)を含む、YPD培地100mlに懸濁し、
5℃、5日間静置培養し、濃縮した。
母(商品名:カネカレッドイースト:ヘテロ)をYPD
培地(グルコース2%、ポリペプトン2%、酵母エキス
1%)で、30℃、1日培養した。培養後、酵母を30
00rpm、10分の遠心分離で集菌し、滅菌水で洗浄
後、Fowell培地に塗布し、28℃、2日間培養した。胞
子をランダム胞子分離法で分離し、YM寒天培地(グル
コース1%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3
%、ポリペプトン0.5%、寒天2%、pH5.0)に
移し、30℃、1日培養を行った。得られた胞子株の接
合型を決定し、接合型aの胞子株1株をR−6Rと名付
け、これを親株として、3%のエチルメタンスルフォネ
ート(EMS)で2時間処理した。この処理での胞子の
生存率は約10%であった。目的とする菌株を選別する
ために、変異処理した胞子を、ナイスタチン(濃度50
μg/ml)を含む、YPD培地100mlに懸濁し、
5℃、5日間静置培養し、濃縮した。
【0047】胞子株を洗浄後、希釈してYPD寒天培地
に塗布し、30℃、1−2日培養して生じたコロニーを
レプリカし、5℃では小さいコロニーしか生じないが、
30℃では、大きなコロニーを生じる株を選択し、つい
で、顕微鏡で形状が大きい酵母を選択した。この方法に
より、R−3227株、およびR−3230株の2株を
選択した。この2株は、aおよびαタイプの1倍体の酵
母とは接合せず、Fowellの培地で胞子を形成したので、
自動的に2倍体化しており、ホモタリックな性質を有し
ていることがわかった。この2株は、サッカロミセス・
セレビシエR−3227(FERM P−1417
8)、およびサッカロミセス・セレビシエR−3230
(FERM P−14179)として、工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されている。
に塗布し、30℃、1−2日培養して生じたコロニーを
レプリカし、5℃では小さいコロニーしか生じないが、
30℃では、大きなコロニーを生じる株を選択し、つい
で、顕微鏡で形状が大きい酵母を選択した。この方法に
より、R−3227株、およびR−3230株の2株を
選択した。この2株は、aおよびαタイプの1倍体の酵
母とは接合せず、Fowellの培地で胞子を形成したので、
自動的に2倍体化しており、ホモタリックな性質を有し
ていることがわかった。この2株は、サッカロミセス・
セレビシエR−3227(FERM P−1417
8)、およびサッカロミセス・セレビシエR−3230
(FERM P−14179)として、工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されている。
【0048】また、2倍体のサッカロミセス・セレビシ
エR−3230(FERM P−14179)から胞子
を形成させ、単離し、培養したところ、接合能がなく、
胞子形成能があることがわかった。この胞子株も自動的
に2倍体化しており、ホモタリックな性質を有している
ことがわかった。この株は自動的に2倍体化した株は、
R3230−2Aと名づけられ、サッカロミセス・セレ
ビシエR−3230−2A(FERM P−1418
0)として、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託
されている。
エR−3230(FERM P−14179)から胞子
を形成させ、単離し、培養したところ、接合能がなく、
胞子形成能があることがわかった。この胞子株も自動的
に2倍体化しており、ホモタリックな性質を有している
ことがわかった。この株は自動的に2倍体化した株は、
R3230−2Aと名づけられ、サッカロミセス・セレ
ビシエR−3230−2A(FERM P−1418
0)として、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託
されている。
【0049】このように、胞子株を変異処理するだけで
2倍体の低温感受性変異株を得た。なお、比較例とし
て、商品名カネカレッドイーストを胞子株とせず、2倍
体のまま同じ条件で変異処理を行ったが、目的とする低
温感受性変異株は取得できなかった。
2倍体の低温感受性変異株を得た。なお、比較例とし
て、商品名カネカレッドイーストを胞子株とせず、2倍
体のまま同じ条件で変異処理を行ったが、目的とする低
温感受性変異株は取得できなかった。
【0050】(実施例2:取得した低温感受性酵母の評
価)前記実施例1で取得した3株の酵母の低温感受性の
程度を、上記評価方法で、評価した。結果を表2に示
す。
価)前記実施例1で取得した3株の酵母の低温感受性の
程度を、上記評価方法で、評価した。結果を表2に示
す。
【0051】
【表2】
【0052】 (実施例3:低温感受性酵母の培養生産) (1)第1種母の作成: 以下の培地組成: 糖蜜(糖として) 30g 硫安 5g 燐安 3g 尿素 2g 水 1000ml を有する培地100mlを500ml容坂口フラスコに
分注、殺菌し、新鮮なスラントから1白金耳移植し、3
0℃24時間振とう培養して、第1種母を得た。 (2)第2種母の作成:上記と同じ培地11を51容坂
口フラスコに分注、殺菌後、第1種母を全量植菌し、3
0℃24時間振とう培養して、第2種母を得た。
分注、殺菌し、新鮮なスラントから1白金耳移植し、3
0℃24時間振とう培養して、第1種母を得た。 (2)第2種母の作成:上記と同じ培地11を51容坂
口フラスコに分注、殺菌後、第1種母を全量植菌し、3
0℃24時間振とう培養して、第2種母を得た。
【0053】(3)種培養: 以下の培地組成: 糖蜜(糖として) 300g流加方式で添加 硫安 4g 燐酸 0.7g 尿素 2.5g 水 1000ml 101容ミニジャーファーメンターに培地1lを加えて
殺菌し、第2種母全量を加えて21とする。30〜35
℃、pH4〜5、(アンモニア水でコントロール)、3
00rpmで撹拌しつつ、2N1/分の通気量で、12
時間培養して、種培養液を得た。
殺菌し、第2種母全量を加えて21とする。30〜35
℃、pH4〜5、(アンモニア水でコントロール)、3
00rpmで撹拌しつつ、2N1/分の通気量で、12
時間培養して、種培養液を得た。
【0054】(4)本培養: 以下の培地組成: 糖蜜(糖として) 350g流加方式で添加 硫安 4g 燐酸 1g 尿素 2.5g 水 1000ml 101容ミニジャーファーメンターに培地1.3lを加
えて殺菌し、第2種母全量を加えて21とする。30〜
35℃、pH4〜5、(安水でコントロール)、300
rpmで撹拌しつつ、2Nl/分の通気量で、10時
間、培養した。
えて殺菌し、第2種母全量を加えて21とする。30〜
35℃、pH4〜5、(安水でコントロール)、300
rpmで撹拌しつつ、2Nl/分の通気量で、10時
間、培養した。
【0055】上記培養ブロスを分離・水洗・濾過して、
生菌体を得た。
生菌体を得た。
【0056】(実施例4:製パン評価)実施例1で得ら
れた酵母が、通常の発酵温度に戻したときに、その発酵
力をどの程度回復できるか(復温発酵力)を、10℃発
酵力および30℃発酵力の差で評価した。
れた酵母が、通常の発酵温度に戻したときに、その発酵
力をどの程度回復できるか(復温発酵力)を、10℃発
酵力および30℃発酵力の差で評価した。
【0057】10℃発酵力の測定はイースト工業会で定
める高糖生地の生地膨張量の測定法を一部改変して行っ
た。すなわち、小麦粉100g、酵母3g、庶糖30
g、食塩0.5gおよび水52gを配合したパン生地を
こねあげ温度が20±1℃になるようにミキシングを行
い、生地をシリンダーにいれてあらかじめスタート時の
生地量を測定し、10℃15時間発酵させた後の生地量
とスタート時の生地量との差を10℃発酵力とした。
める高糖生地の生地膨張量の測定法を一部改変して行っ
た。すなわち、小麦粉100g、酵母3g、庶糖30
g、食塩0.5gおよび水52gを配合したパン生地を
こねあげ温度が20±1℃になるようにミキシングを行
い、生地をシリンダーにいれてあらかじめスタート時の
生地量を測定し、10℃15時間発酵させた後の生地量
とスタート時の生地量との差を10℃発酵力とした。
【0058】30℃発酵力の測定方法は、イースト工業
会で定める高糖生地の生地膨張量の測定法にほぼ準じ
た。すなわち、10℃の場合と同じ配合のパン生地をこ
ねあげ温度が30±1℃になるようにミキシングを行
い、生地をシリンダーにいれてあらかじめスタート時の
生地量を測定し、30℃90分発酵させた後の生地量と
スタート時の生地量との差を30℃発酵力とした。
会で定める高糖生地の生地膨張量の測定法にほぼ準じ
た。すなわち、10℃の場合と同じ配合のパン生地をこ
ねあげ温度が30±1℃になるようにミキシングを行
い、生地をシリンダーにいれてあらかじめスタート時の
生地量を測定し、30℃90分発酵させた後の生地量と
スタート時の生地量との差を30℃発酵力とした。
【0059】復温発酵力の測定方法は、10℃15時間
発酵させた生地を30℃に復温させ、30℃90分間の
発酵力をもって復温発酵力とした。
発酵させた生地を30℃に復温させ、30℃90分間の
発酵力をもって復温発酵力とした。
【0060】表3に10℃発酵力、30℃発酵力、復温
発酵力を示す。
発酵力を示す。
【0061】
【表3】
【0062】表3に示すように変異株は30℃発酵力は
対照に比べ若干低いが10℃発酵力は非常に低くまた復
温発酵力も30℃発酵力とほぼ同様の値を示した。
対照に比べ若干低いが10℃発酵力は非常に低くまた復
温発酵力も30℃発酵力とほぼ同様の値を示した。
【0063】(実施例5)実施例1で取得した酵母菌体
を用いて、下記の配合及び工程(リタード製法)により
デニッシュペストリーを得た。
を用いて、下記の配合及び工程(リタード製法)により
デニッシュペストリーを得た。
【0064】 配合:強力粉 70g 薄力粉 30g 砂糖 20g 食塩 1.2g ショートニング 6g 全卵 10g イーストフード 0.1g イースト 7g 水 46g ロールインマーガリン 50g 工程:ミキシング:低速3分、中速8分、高速1分 捏上温度 :22℃ 分割 :1000g×2 リタード :−20℃30分 ロールイン:三つ折り2回 リタード :5℃60分 圧延 :三つ折り1回、4mmに圧延 分割・成型:50gロール状(ファーモグラフ用も50
g) 貯蔵 :5℃、1、4、7日間 ホイロ :38℃、75%RH、60分 焼成 :200℃12分 生地を分割成型後、貯蔵することなく直ちに焼成する
か、5℃の冷蔵庫で1、4及び7日間貯蔵後焼成した。
g) 貯蔵 :5℃、1、4、7日間 ホイロ :38℃、75%RH、60分 焼成 :200℃12分 生地を分割成型後、貯蔵することなく直ちに焼成する
か、5℃の冷蔵庫で1、4及び7日間貯蔵後焼成した。
【0065】なお、冷蔵前及び冷蔵(5℃での貯蔵)後
の発酵力の測定は、ロールインしない生地50gを用い
ファーモグラフにより測定し、30℃で2時間の総炭酸
ガスの発生量(ml)を示した。冷蔵保存後に、どの程
度発酵力が残存しているか、すなわち、冷蔵耐性能を下
記の式で算出した。
の発酵力の測定は、ロールインしない生地50gを用い
ファーモグラフにより測定し、30℃で2時間の総炭酸
ガスの発生量(ml)を示した。冷蔵保存後に、どの程
度発酵力が残存しているか、すなわち、冷蔵耐性能を下
記の式で算出した。
【0066】
【数2】
【0067】冷蔵耐性能、製パン時の比容積の変化、製
パン時の外観、内相についての結果をそれぞれ表4、5
および6に示す。
パン時の外観、内相についての結果をそれぞれ表4、5
および6に示す。
【0068】
【表4】
【0069】この結果は、7日の冷蔵保存でも85%以
上の発酵力が保持されていることを示し、本発明の酵母
が冷蔵耐性を有していることを示している。
上の発酵力が保持されていることを示し、本発明の酵母
が冷蔵耐性を有していることを示している。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】表4、表5および表6の冷蔵保存経時の発
酵力、製パンテスト結果から通常イースト(カネカレッ
ドイースト)や胞子株のR−6Rに比較して、サッカロ
ミセス・セレビシエR−3227、サッカロミセス・セ
レビシエR−3230、サッカロミセス・セレビシエR
−3230−2Aを用いた生地の発酵力の低下は少なく
復温発酵力が高く、かつ、冷蔵保存に伴う比容積の低
下、外観、内相の劣化もほとんどなかった。
酵力、製パンテスト結果から通常イースト(カネカレッ
ドイースト)や胞子株のR−6Rに比較して、サッカロ
ミセス・セレビシエR−3227、サッカロミセス・セ
レビシエR−3230、サッカロミセス・セレビシエR
−3230−2Aを用いた生地の発酵力の低下は少なく
復温発酵力が高く、かつ、冷蔵保存に伴う比容積の低
下、外観、内相の劣化もほとんどなかった。
【0073】
【発明の効果】本発明により、もどし交雑法や、変異頻
度の低い2倍体からの変異株の取得によらず、2倍体か
ら取得した胞子株の1段変異だけで、実用可能な2倍体
の変異株が取得でき、食パン、バターロール等の通常の
糖濃度のパンはもとより、糖濃度20%以上のリッチな
パンにおいても冷蔵、冷凍保存過程を経て製パンを行う
冷蔵、冷凍製パン法において長期的に安定で良好な比容
積、外観、内相の優れたパンを得ることができる。
度の低い2倍体からの変異株の取得によらず、2倍体か
ら取得した胞子株の1段変異だけで、実用可能な2倍体
の変異株が取得でき、食パン、バターロール等の通常の
糖濃度のパンはもとより、糖濃度20%以上のリッチな
パンにおいても冷蔵、冷凍保存過程を経て製パンを行う
冷蔵、冷凍製パン法において長期的に安定で良好な比容
積、外観、内相の優れたパンを得ることができる。
【図1】図1は、もどし交雑法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/01 //(C12N 1/18 C12R 1:865) (C12N 15/01 C12R 1:865) C12R 1:865) (72)発明者 岩崎 末男 兵庫県高砂市高砂町栄町369 (72)発明者 大宅 甲三 兵庫県加古川市尾上町口里368−25 (72)発明者 西山 敏彦 兵庫県神戸市西区樫野台5丁目3−2− 108
Claims (15)
- 【請求項1】 サッカロミセス属に属する酵母であっ
て、ホモタリックな性質、および低温感受性である性質
を有する酵母。 - 【請求項2】 前記低温感受性が、30℃発酵力と5℃
発酵力の絶対値の比で表したときの値が8.0以上であ
る、請求項1記載の酵母。 - 【請求項3】 前記酵母が2倍体の酵母である、請求項
1に記載の酵母。 - 【請求項4】 前記2倍体の酵母が、1倍体の酵母を変
異処理し、該処理を施した1倍体の酵母が自動的に2倍
体に変化することによって得られた酵母である、請求項
1に記載の酵母。 - 【請求項5】 前記変異処理する1倍体の酵母がヘテロ
タリックな2倍体の酵母から取得した1倍体の酵母であ
る、請求項4に記載の酵母。 - 【請求項6】 前記酵母がサッカロミセス・セレビシエ
R−3227(FERM P−14178)、サッカロ
ミセス・セレビシエR−3230(FERMP−141
79)、またはサッカロミセス・セレビシエR−323
0−2A(FERM P−14180)である請求項1
ないし5いずれかに記載の酵母。 - 【請求項7】 請求項1ないし6いずれかの項に記載の
酵母を含むパン生地。 - 【請求項8】 前記パン生地が、冷蔵パン生地、ペスト
リー用パン生地、あるは冷凍パン生地である請求項7に
記載のパン生地。 - 【請求項9】 前記冷蔵パン生地が、前発酵したパン生
地である、請求項8に記載のパン生地。 - 【請求項10】 請求項1ないし6いずれかの項に記載
の酵母の少なくとも1種と、生地とを混合することを含
む、パン生地の製造方法。 - 【請求項11】 前記パン生地が、冷蔵パン生地、ペス
トリー用パン生地、あるは冷凍パン生地である請求項1
0に記載のパン生地の製造方法。 - 【請求項12】 前記冷蔵パン生地が、前発酵したパン
生地である、請求項11に記載のパン生地の製造方法。 - 【請求項13】 2倍体酵母の育種方法であって、該方
法は、 (1)サッカロミセス属に属する2倍体の酵母から1倍
体を取得する工程、 (2)該取得した1倍体の酵母を変異処理する工程、お
よび、 (3)該変異処理した1倍体を培養し、2倍体酵母を取
得する工程、を有する酵母の育種方法。 - 【請求項14】 前記変異した1倍体を培養し、自動的
にホモタリック化して2倍体となる1倍体を取得する、
請求項13に記載の方法。 - 【請求項15】 前記取得された2倍体酵母が低温感受
性である、請求項14に記載の育種方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6038852A JPH07246087A (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 低温感受性酵母および該酵母を用いるパン生地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6038852A JPH07246087A (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 低温感受性酵母および該酵母を用いるパン生地 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07246087A true JPH07246087A (ja) | 1995-09-26 |
Family
ID=12536739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6038852A Pending JPH07246087A (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 低温感受性酵母および該酵母を用いるパン生地 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07246087A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5992135B2 (ja) * | 2008-02-04 | 2016-09-14 | 東レ株式会社 | 連続発酵による乳酸の製造方法 |
KR20200027232A (ko) * | 2018-09-04 | 2020-03-12 | 정창민 | 막걸리 장기 보존을 위한 신규 효모 균주 |
-
1994
- 1994-03-09 JP JP6038852A patent/JPH07246087A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5992135B2 (ja) * | 2008-02-04 | 2016-09-14 | 東レ株式会社 | 連続発酵による乳酸の製造方法 |
KR20200027232A (ko) * | 2018-09-04 | 2020-03-12 | 정창민 | 막걸리 장기 보존을 위한 신규 효모 균주 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040618 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041014 |