JPH07243914A - 強塩基性高温融体用光高温計 - Google Patents

強塩基性高温融体用光高温計

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JPH07243914A
JPH07243914A JP5526994A JP5526994A JPH07243914A JP H07243914 A JPH07243914 A JP H07243914A JP 5526994 A JP5526994 A JP 5526994A JP 5526994 A JP5526994 A JP 5526994A JP H07243914 A JPH07243914 A JP H07243914A
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oxide
radiation tube
melt
radiation
tube
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JP5526994A
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English (en)
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Susumu Okabe
進 岡部
Kenichi Yamaguchi
健一 山口
Fumihiko Ogino
文彦 荻野
Etsuji Kimura
悦治 木村
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Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 融体に挿入される輻射管と、該輻射管の上端
に設けられた集光レンズおよび光ファイバからなる光学
系と、該光学系を通じて輻射管に接続された輻射温度計
とを有する光高温計において、酸化マグネシウムを主成
分とし、高温下で酸化マグネシウムおよび融体中の鉄と
共に高融点の複合酸化物を形成する酸化物を第2成分と
して含む耐塩基性耐火材によって上記輻射管を形成した
ことを特徴とする強塩基性高温融体用光高温計。 【効果】 従来は30分〜2時間程度しか測定できない
カルシウムフェライトスラグ等の強塩基性融体について
も16時間以上の連続測定が可能である。融体内部の温
度を測定でき、しかも融体の性状に制約されず、温度補
正の必要もない。また炉内のバーナー炎や雰囲気ガスな
どによる外乱要因の影響を受けない。輻射管の内部に熱
電対などのセンサーを有しないので、万一輻射管が溶損
または破損しても輻射管を交換すれば足り、取扱い易
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温の塩基性融体の温度
を測定する光高温計に関する。詳しくは、本発明の測温
装置は、輻射管を高温の融体に挿入し、融体による加熱
で生じた管内の熱放射を光学的に検出することにより融
体温度を測定する接触型光高温計に関し、輻射管表面に
高融点の複合金属酸化物層を設けて強塩基性融体に対す
る耐久性を大幅に高めたものであり、非鉄製錬炉内の強
塩基性融体金属および強塩基性溶融スラグなどの温度計
として好適な光高温計に関する。
【0002】
【従来技術】非鉄製錬炉内の溶融金属や溶融スラグの温
度を測定することは、炉内の反応制御、炉体管理のうえ
から極めて重要である。このような高温融体の温度測定
に使用される温度計として、高温融体に直接に差し込ん
で測温する接触型高温計が知られている。その一例は、
融体に挿入される温度センサーを保護管で覆い、この保
護管を、アルミナやジルコニアまたは炭化ケイ素などの
耐蝕性に優れた材料によって形成し、保護管内部に組込
んだ熱電対などの温度センサーによって、管壁を通じて
伝わる熱を測定する。この他に、中空の保護管を高温融
体に挿入し、融体の加熱により生じた管内の輻射光を光
学的に測定し、これによって温度を測定する接触型光高
温計などが知られている。これらの温度計は、保護管を
直接に高温融体に挿入して温度を測定することができる
利点を有しており、概ね800〜2000℃程度の温度
測定に広く用いられている。
【0003】従来の上記光高温計は、その保護管が耐蝕
性の材料によって形成されているので、一般の測定にお
いては比較的耐久性があるが、非鉄製錬炉内の塩基性溶
融金属や塩基性溶融スラグに対しては耐久性が乏しく、
長時間使用できない問題がある。すなわちカルシウムフ
ェライト系スラグのように塩基性の強い高温融体に従来
の光高温計を挿入すると、僅か30分程度で保護管が溶
損し測定不能となる。このため、従来の非鉄製錬炉にお
いて溶融金属や溶融スラグの温度を測定するには、(1)
消耗型熱電対による間欠的な測定、(2) 輻射熱温度計に
よる間接測定、(3) 炉体耐火物の背面温度や炉体冷却水
温度などから炉内温度を推定する方法などが実施されて
いる。
【0004】しかし、(1) 消耗型熱電対では連続的な測
定ができず、(2) 輻射熱温度計による間接測定では、融
体表面の輻射率が変化し、また保温用バーナの火炎によ
る輻射熱によって大きな影響を受け、さらに融体の表面
温度しか測定できないため、表面と内部の温度差が大き
い場合には正確な測温ができない。さらに(3) 炉体耐火
物の背面温度や炉体冷却水温度などから炉内温度を推定
する方法は外乱要因が多く、感度も低いため信頼性に乏
しいなどの問題がある。
【0005】
【発明の解決課題】本発明は、塩基性高温融体の測温方
法における従来の上記問題を解決したものであり、輻射
管が高温融体に挿入された際、該輻射管の表面に高融点
の複合金属酸化物層が形成されるようにし、或いは、あ
らかじめ輻射管表面に高融点複合金属酸化物層を設け
て、高温下での強塩基性融体に対する耐久性を大幅に高
めたものであり、従来は実施できなかった非鉄製錬炉な
どの強塩基性融体金属および強塩基性溶融スラグなどの
直接温度測定を可能にしたものである。
【0006】本発明によれば次の構成からなる強塩基性
高温融体用光高温計が提供される。 (1) 融体に挿入される輻射管と、該輻射管の上端に
設けられた集光レンズおよび光ファイバからなる光学系
と、該光学系を通じて輻射管に接続された輻射温度計と
を有する光高温計において、酸化マグネシウムを主成分
とし、高温下で酸化マグネシウムおよび融体中の鉄と共
に高融点の複合酸化物を形成する酸化物を含む耐塩基性
耐火材によって上記輻射管を形成したことを特徴とする
強塩基性高温融体用光高温計。 (2) 融体に挿入される輻射管と、該輻射管の上端に
設けられた集光レンズおよび光ファイバからなる光学系
と、該光学系を通じて輻射管に接続された輻射温度計と
を有する光高温計において、耐火材からなる輻射管の表
面に、酸化マグネシウムを主成分とし、酸化鉄を含み、
さらに酸化マグネシウムおよび酸化鉄と共に複合酸化物
を形成する酸化物からなる高融点の複合酸化物層が形成
されていることを特徴とする強塩基性高温融体用光高温
計。 (3) 酸化マグネシウムおよび酸化鉄と共に高融点の
複合酸化物を形成する酸化物として、酸化チタン、酸化
ニオブ、酸化ネオジム、酸化ランタン、酸化マンガン、
酸化ニッケルおよび酸化コバルトのうち1種または2種
以上を含む耐火材からなる輻射管を有する上記(1) また
は(2) の光高温計。 (4) 酸化マグネシウムの含有量50重量%以上、酸
化マグネシウムおよび酸化鉄と共に高融点の複合酸化物
を形成する酸化物の含有量0.1〜50重量%未満であ
る耐火材からなる輻射管を有する上記(1) 〜(3) の何れ
かの光高温計。 (5) 輻射管表面に酸化マグネシウム、酸化チタン、
酸化鉄からなる複合酸化物層を有し、該複合酸化物層の
酸化マグネシウム含有量が酸化鉄に対して8重量%以
上、酸化チタンに対して50重量%以上である耐火材か
らなる輻射管を有する上記(1),(2) または(4) の光高温
計。
【0007】
【具体的な説明】以下、本発明の光高温計を図面を参照
して詳細に説明する。図1は本発明に係る光高温計の概
略断面図である。図示するように、本発明の光高温計
は、輻射管を高温融体に挿入し、融体の加熱により生じ
た管内の輻射光を光学的に測定し、これによって融体温
度を測定する高温計であって、該光高温計10は融体1
1に挿入される輻射管12と該輻射管12に装着した光
学系13を有する。輻射管12は内部が中空であって融
体に挿入される下端が閉塞されており、管上端は光学系
13によって閉じられている。該光学系13は管底に焦
点が定まるように管上端に設置された集光レンズ13a
と該集光レンズを備えた光ファイバ13bによって形成
されている。輻射管12は光学系13を通じて輻射温度
計15に接続されており、該輻射温度計15は光学系1
3を通じて管内の輻射光を測定し、その光度に基づいて
温度を検出する。光学系および輻射温度計は既存のもの
を使用することができる。
【0008】本発明の光高温計は輻射管を高温融体に挿
入した際、該輻射管の表面に高融点の複合金属酸化物層
が形成されるようにし、或いは、予め輻射管ないしその
表面に高融点複合金属酸化物層を設けて高温下での強塩
基性融体に対する耐久性を大幅に高めたものであり、具
体的には、(1) 酸化マグネシウムを主成分とし、高温下
で酸化マグネシウムおよび融体中の鉄と共に高融点の複
合酸化物を形成する酸化物を含む耐塩基性耐火材によっ
て上記輻射管を形成し、または(2) 耐火材からなる輻射
管の表面に、酸化マグネシウムを主成分とし、酸化鉄を
含み、さらに酸化マグネシウムおよび酸化鉄と共に複合
酸化物を形成する酸化物からなる高融点の複合酸化物層
を形成したことを特徴とするものである。
【0009】本発明の輻射管を形成する耐火材は酸化M
gを主成分とし、さらに酸化Mgおよび酸化鉄と共に高
融点の複合酸化物を形成する酸化物を第2成分として含
むものである。酸化Mgの含有量の下限は50wt%、好
ましくは80wt%、上限は99.9wt%、好ましくは9
5wt%である。酸化Mg含有量が50wt%未満であると
耐火性が不十分であり、99.9wt%を上回ると本発明
の効果が十分に発揮されない。上記第2成分の酸化物と
しては、TiO2 、Nb2 5 、Nd2 3 、La2
3 、Mn3 4 、NiO、Co3 4 の1種または2種
以上が用いられる。各酸化物の具体的な含有量は使用環
境に応じて決定されるが、その下限は0.1wt%、好ま
しくは2wt%であり、上限は50wt%、好ましくは20
wt%である。第2成分の含有量が0.1wt%を下回ると
高融点複合酸化物の形成が不十分となり耐蝕性が低くな
る。また、この量が50wt%を上回ると耐火材のクリー
プ変形率あるいは荷重軟化点によって評価される高温強
度が不十分となったり、耐火材製造時に歪みによる割れ
を生じることある。なお、上記成分に加えて、Al2
3を1〜20wt%、好ましくは5〜10wt%含有しても
よい。Al2 3 を添加することにより緻密性が増し、
耐蝕性がさらに向上する。
【0010】上記耐火材からなる輻射管は、酸化Feに
富む融体に接触すると、融体中の酸化Feと耐火材中の
酸化Mgおよび酸化Tiなどの酸化物がMgO−TiO
2 −Fe2 3 などの3成分系の固溶体状の高融点複合
酸化物を形成し、これが耐火材の表面を覆って耐火材の
内部に融体が浸入するのを阻止し、耐火材の劣化を防止
するので優れた耐蝕性が得られる。これを模式的に図2
に示すと、該MgO−TiO2 からなる耐火材30が、
酸化Feに富む高温の融体31に接触した場合、酸化M
g粒子32および酸化Ti粒子33の間隙を通じて融体
31が表面層に浸入し粒子間の空隙を充填して、主成分
の酸化Mgと共に第2成分の酸化Tiが融体中の酸化F
eと反応してMgO−TiO2 −Fe2 3 からなる3
成分系の複合酸化物35を形成する。この複合酸化物
は、MgO−TiO2 −Fe2 3の3元状態図(図
3)において、TiO2 に対するMgOの量が42wt%
以上、Fe2 3 に対するMgOの量が8wt%以上の範
囲で約1750℃以上の融点を有する固溶体相の高融点
複合酸化物(Magnesiowustite )である。これが耐火材
表面を覆い、耐火材の内部に融体が浸入するのを阻止す
る。
【0011】従来の酸化Mg−酸化Cr系耐火煉瓦など
では、これが酸化Feに富む高温の融体に接触すると、
煉瓦表面の粒子間に融体が浸入し、融体中の酸化Feと
酸化Mgおよび酸化Crがそれぞれ反応して、表面層の
粒界にMgFe2 4 やFeCr2 4 のスピネル相が
形成され、この時に結晶粒が膨化し、周囲の酸化Mg粒
子および酸化Cr粒子との結合が破壊される。またスピ
ネル成分のMgFe24 は融体中のアルカリ成分によ
って浸蝕され易い。これらの原因で煉瓦の表面層が溶損
する。ところが、本発明の上記耐火材からなる輻射管で
は、表面に形成される上記複合酸化物は、従来のスピネ
ル相と異なり、耐火材を構成する焼結粒子の膨化を生じ
ないので耐火材の強度劣化を招かず、また融体中のアル
カリ成分によって浸蝕され難いので優れた耐蝕性を発揮
する。
【0012】本発明の輻射管を形成する酸化Mgを主体
とする耐火材は、溶融スラグなどの融体に対する耐浸透
性および熱伝導率の点から焼結密度の高いものが用いら
れ、好ましくは気孔率1%以下のものが用いられる。一
例として、粒度40〜200μm のMgO粉末90wt%
と、粒度40〜200μm のTiO2 粉末10wt%とを
混合して1500Kg/cm 2 の圧力で成形した後に大気中
1500℃で48時間焼成して得た耐火材は気孔率が1
%以下であって緻密性が高く、熱伝導率も良好である。
焼結密度が低く気孔率が大きいものは融体が内部に浸透
し溶損し易いので好ましくない。
【0013】本発明の輻射管は、あらかじめ輻射管の表
面に、酸化Mgを主成分とし、酸化鉄を含み、さらに酸
化Mgおよび酸化鉄と共に複合酸化物を形成する酸化物
からなる高融点の複合酸化物層を形成したものでもよ
い。輻射管表面に上記複合酸化物層を形成するには、
(1) 酸化Mgを主成分とし、酸化鉄を含み、さらに酸化
Mgおよび酸化鉄と共に高融点の複合酸化物を形成する
酸化物を含む耐塩基性耐火材によって上記輻射管を形成
する方法、あるいは (2)酸化Mgなどを主体とする未焼
成耐火材の表面に、酸化Mgを主成分とし、酸化鉄を含
み、さらに酸化Mgおよび酸化鉄と共に高融点の複合酸
化物を形成する酸化物を含む混合スラリーを一定厚さに
塗布し、焼成する方法などによって形成することができ
る。これらの輻射管は、その全体または表面に酸化Mg
−酸化鉄−上記酸化物の3成分系高融点複合酸化物層が
形成され、その好適な一例であるMgO−TiO2−F
2 3 は、既に述べたように、TiO2 に対するMg
Oの量が42wt%以上、Fe2 3 に対するMgOの量
が8wt%以上の範囲で約1750℃以上の融点を有する
高融点複合酸化物であり、これが耐火材の内部に融体が
浸入するのを阻止し、耐火材の劣化を防止するので優れ
た耐蝕性が得られる。TiO2 に代えてNb2 5 、N
2 3 、La2 3 、Mn3 4 、NiO、Co3
4 を用いた複合酸化物層を設けても同様の耐蝕性が得ら
れる。
【0014】本発明の光高温計は、(1) 融体に接した輻
射管表面に高融点の複合酸化物層が存在し、これが輻射
管を形成する耐火材内部への融体の浸透を防止するの
で、カルシウムフェライトスラグ等の強塩基性融体に対
して輻射管の耐蝕性が著しく向上し、24時間以上の連
続測定が可能である。(2) 融体によって加熱された輻射
管内部の輻射光によって温度測定を行なうために融体の
性状に制約されず、輻射率も一定であるので温度補正の
必要がなく、正確な測温ができる。(3) 輻射管の内部は
外部雰囲気と遮断されており、炉内のバーナー炎や雰囲
気ガスなどによる輻射熱の影響を受けない。(4) 輻射管
の先端を直接に融体に浸漬するので、融体内部の温度を
測定することができる。(5) 融体温度を直接に測定する
ので外乱要因が少なく測定精度が高い。(6) 輻射管の内
部は中空であり、熱電対などのセンサーが内臓されてい
ないので、万一輻射管が溶損または破損しても輻射管を
交換すれば足り、取扱い易い。
【0015】
【実施例および比較例】以下に本発明の実施例を示す。
なお、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。 実施例1 粒度40〜200μm のMgO粉末90wt%と、粒度4
0〜200μm のTiO2 粉末10wt%とを混合して1
500Kg/cm 2 の圧力で成形した後に大気中1500℃
で48時間焼成することにより、外径20mm、長さ30
0mm、肉厚5mmの下端が閉塞された中空の管材を得た。
この管材を輻射管に用い、上端開口部に焦点距離300
mmの集光レンズを備えた光ファイバーを接続し、該光フ
ァイバーを介して輻射温度計に接続して光高温計を形成
した。この輻射管の下端約30mmを溶融状態のカルシウ
ムフェライトスラグに浸漬して先端が溶損するまで融体
温度を連続測定した。この結果を表1に示した。表1か
ら明らかなように、本実施例においては33時間の連続
測定が可能であった。
【0016】実施例2 輻射管の材質をTiO2 粉末に代えてLa2 3 粉末、
Mn3 4 粉末またはNb2 5 粉末を用いた他は実施
例1と同一の条件で製造した輻射管を用い、同一条件で
溶融状態のカルシウムフェライトスラグの温度を測定し
た。この結果を表1に纏めて示した。本実施例において
も16時間〜30時間の連続測定が可能であった。
【0017】実施例3 粒径100μm 以下のMgO粉末(40wt%)、Fe2
3 粉末(20wt%)およびTiO2 粉末(40wt%)をスラ
リー状に混合したものをMgO粉末からなる未焼成の中
空耐火材の表面に厚さ1〜2mmに設けた。これを大気中
1450℃で2時間かけて焼成し、表面にMgO−Fe
2 3 −TiO2 からなる複合酸化物層を有する輻射管
を製造した。この輻射管を用いて、実施例1と同一条件
で溶融状態のカルシウムフェライトスラグの温度を測定
した。この結果を表1に纏めて示した。本実施例におい
ても30時間の連続測定が可能であった。
【0018】比較例1 粒度40〜200μm のAl2 3 粉末およびMgO粉
末を用いた他は同一条件で実施例1と同形の管材を製造
し、これを輻射管に用い、同一条件で溶融状態のカルシ
ウムフェライトスラグの温度測定を行なった。この結果
を表1に纏めて示した。これらの輻射管は融体に挿入
後、30分〜2時間以内に溶損ないし亀裂が生じ、温度
測定を継続することができなかった。
【0019】
【表1】 試料 輻射管成分 測定時間 測定温度℃ 備考 実施例1 MgO−TiO2 33時間 1250 良好 2−1 MgO−La2 3 20時間 1230 々 2−2 MgO−Mn3 4 16時間 1248 々 2−3 MgO−Nb2 5 30時間 1243 々 実施例3 MgO−TiO2 −Fe2 3 30時間 1237 々 比較例1 Al2 3 30分以内 1245 著しく溶損 MgO 2時間 1249 亀裂発生
【0020】上記実施例および比較例から明らかなよう
に、本発明に係る輻射管を用いた光高温計は、従来の輻
射管を用いたものと同等の測定精度を有し、しかも従来
の輻射管が30分〜2時間以内に溶損し、または熱衝撃
によって亀裂が発生し、それ以上の測定を継続できない
のに対して本発明の輻射管を用いた光高温計は16時間
〜33時間に及ぶ長時間の連続測定が可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明の光高温計は強塩基性融体に対す
る耐蝕性に優れ、従来は30分〜2時間程度しか測定で
きないカルシウムフェライトスラグ等についても16時
間以上の連続測定が可能である。また融体内部の温度を
測定でき、しかも、融体の性状に制約されず、温度補正
の必要がなく、さらに炉内のバーナー炎や雰囲気ガスな
どによる外乱要因の影響を受けない利点がある。また輻
射管の内部に熱電対などのセンサーを有しないので、万
一輻射管が溶損または破損しても輻射管を交換すれば足
り、取扱い易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光高温を示す概略断面図
【図2】 輻射管表面の状態を示す模式図
【図3】 MgO−TiO2 −Fe2 3 の3元状態図
【符号の説明】
10−光高温計、 11−融体、 12−輻射管、 1
3−光学系 15−輻射温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 悦治 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融体に挿入される輻射管と、該輻射管の
    上端に設けられた集光レンズおよび光ファイバからなる
    光学系と、該光学系を通じて輻射管に接続された輻射温
    度計とを有する光高温計において、酸化マグネシウムを
    主成分とし、高温下で酸化マグネシウムおよび融体中の
    鉄と共に高融点の複合酸化物を形成する酸化物を含む耐
    塩基性耐火材によって上記輻射管を形成したことを特徴
    とする強塩基性高温融体用光高温計。
  2. 【請求項2】 融体に挿入される輻射管と、該輻射管の
    上端に設けられた集光レンズおよび光ファイバからなる
    光学系と、該光学系を通じて輻射管に接続された輻射温
    度計とを有する光高温計において、耐火材からなる輻射
    管の表面に、酸化マグネシウムを主成分とし、酸化鉄を
    含み、さらに酸化マグネシウムおよび酸化鉄と共に複合
    酸化物を形成する酸化物からなる高融点の複合酸化物層
    が形成されていることを特徴とする強塩基性高温融体用
    光高温計。
  3. 【請求項3】 酸化マグネシウムおよび酸化鉄と共に高
    融点の複合酸化物を形成する酸化物として、酸化チタ
    ン、酸化ニオブ、酸化ネオジム、酸化ランタン、酸化マ
    ンガン、酸化ニッケルおよび酸化コバルトのうち1種ま
    たは2種以上を含む耐火材からなる輻射管を有する請求
    項1または2の光高温計。
  4. 【請求項4】 酸化マグネシウムの含有量50重量%以
    上、酸化マグネシウムおよび酸化鉄と共に高融点の複合
    酸化物を形成する酸化物の含有量0.1〜50重量%未
    満である耐火材からなる輻射管を有する請求項1〜3の
    何れかの光高温計。
  5. 【請求項5】 輻射管表面に酸化マグネシウム、酸化チ
    タン、酸化鉄からなる複合酸化物層を有し、該複合酸化
    物層の酸化マグネシウム含有量が酸化鉄に対して8重量
    %以上、酸化チタンに対して50重量%以上である耐火
    材からなる輻射管を有する請求項1、2または4の光高
    温計。
JP5526994A 1994-03-01 1994-03-01 強塩基性高温融体用光高温計 Pending JPH07243914A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003020268A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Itochu Ceratech Corp マグネシア−酸化コバルト−チタニア−アルミナ系クリンカー及びそれを用いて得られる耐火物
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