JPH07243503A - ロックアップ機構付きトルクコンバータ - Google Patents
ロックアップ機構付きトルクコンバータInfo
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- JPH07243503A JPH07243503A JP3707094A JP3707094A JPH07243503A JP H07243503 A JPH07243503 A JP H07243503A JP 3707094 A JP3707094 A JP 3707094A JP 3707094 A JP3707094 A JP 3707094A JP H07243503 A JPH07243503 A JP H07243503A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H41/00—Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
- F16H41/24—Details
- F16H2041/246—Details relating to one way clutch of the stator
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H45/00—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
- F16H45/02—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
- F16H2045/0273—Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
- F16H2045/0294—Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コーストトルクに応じてロックアップ締結方
向の力を発生するコースト反力発生機構を設けてアプラ
イ室、リリース室に生じる遠心油圧の差圧により発生す
るロックアップを解除する方向の力をキャンセルする。 【構成】 コンバータカバー7に結合されたポンプイン
ペラ5およびタービンハブ30を介して変速機入力軸9
に結合されたタービンランナ4間にアプライ室24を形
成してアプライ圧油路22よりアプライ圧を供給する。
タービンハブ30を介して変速機入力軸9に結合された
ロックアップピストン1およびコンバータカバー7間に
リリース室23を形成してリリース圧油路21よりリリ
ース圧を供給する。軸方向に分割したタービンハブ3
1,32の分割部に、タービンランナに加わるコースト
トルクに応じてロックアップ締結方向の力を発生するカ
ム機構を設けてコースト反力発生機構を構成する。
向の力を発生するコースト反力発生機構を設けてアプラ
イ室、リリース室に生じる遠心油圧の差圧により発生す
るロックアップを解除する方向の力をキャンセルする。 【構成】 コンバータカバー7に結合されたポンプイン
ペラ5およびタービンハブ30を介して変速機入力軸9
に結合されたタービンランナ4間にアプライ室24を形
成してアプライ圧油路22よりアプライ圧を供給する。
タービンハブ30を介して変速機入力軸9に結合された
ロックアップピストン1およびコンバータカバー7間に
リリース室23を形成してリリース圧油路21よりリリ
ース圧を供給する。軸方向に分割したタービンハブ3
1,32の分割部に、タービンランナに加わるコースト
トルクに応じてロックアップ締結方向の力を発生するカ
ム機構を設けてコースト反力発生機構を構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コースト状態における
ロックアップ締結/解除特性の向上を図ったロックアッ
プ機構付きトルクコンバータに関するものである。
ロックアップ締結/解除特性の向上を図ったロックアッ
プ機構付きトルクコンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロックアップ機構付きトルクコンバータ
の従来例としては、例えば図5に示すものがある。この
従来例は、コンバータカバー7に結合されたシェル8に
固着されたポンプインペラ5と、タービンハブ30を介
して変速機入力軸9に相対回転を規制されて結合された
タービンランナ4と、タービンランナ4およびポンプイ
ンペラ5を支持するステータ6と、ステータ6をワンウ
ェイクラッチ11を介して支持するステータシャフト1
0と、タービンハブ30を介して変速機入力軸9に相対
回転を規制されて結合されたロックアップピストン1と
ロックアップピストン1の外周側表面に固着されたロッ
クアップフェーシング2とトーショナルダンパ12に介
挿されたトーションスプリング3とを有するロックアッ
プクラッチ20とを具えて成る。
の従来例としては、例えば図5に示すものがある。この
従来例は、コンバータカバー7に結合されたシェル8に
固着されたポンプインペラ5と、タービンハブ30を介
して変速機入力軸9に相対回転を規制されて結合された
タービンランナ4と、タービンランナ4およびポンプイ
ンペラ5を支持するステータ6と、ステータ6をワンウ
ェイクラッチ11を介して支持するステータシャフト1
0と、タービンハブ30を介して変速機入力軸9に相対
回転を規制されて結合されたロックアップピストン1と
ロックアップピストン1の外周側表面に固着されたロッ
クアップフェーシング2とトーショナルダンパ12に介
挿されたトーションスプリング3とを有するロックアッ
プクラッチ20とを具えて成る。
【0003】上記変速機入力軸9の内部にはリリース圧
油路21が形成され、リリース圧油路21はロックアッ
プピストン1およびコンバータカバー7間に形成された
リリース室23に連通している。また、ステータシャフ
ト10の外周には、ポンプインペラ5およびタービンラ
ンナ4間に形成されたアプライ室24にアプライ圧を供
給するアプライ圧油路22が形成されている。リリース
室23およびアプライ室24は、図示のロックアップ解
除状態にはロックアップピストン1の外周部で連通す
る。
油路21が形成され、リリース圧油路21はロックアッ
プピストン1およびコンバータカバー7間に形成された
リリース室23に連通している。また、ステータシャフ
ト10の外周には、ポンプインペラ5およびタービンラ
ンナ4間に形成されたアプライ室24にアプライ圧を供
給するアプライ圧油路22が形成されている。リリース
室23およびアプライ室24は、図示のロックアップ解
除状態にはロックアップピストン1の外周部で連通す
る。
【0004】この従来例のロックアップ機構付きトルク
コンバータは、アプライ圧油路22からアプライ室24
にアプライ圧を供給すると、ロックアップピストン1の
ロックアップフェーシング2がコンバータカバー7に接
近して当接し、ロックアップ締結状態になる。また、リ
リース圧油路21からリリース室23にリリース圧を供
給すると、ロックアップピストン1のロックアップフェ
ーシング2がコンバータカバー7から遠ざかり、ロック
アップ解除状態になる。
コンバータは、アプライ圧油路22からアプライ室24
にアプライ圧を供給すると、ロックアップピストン1の
ロックアップフェーシング2がコンバータカバー7に接
近して当接し、ロックアップ締結状態になる。また、リ
リース圧油路21からリリース室23にリリース圧を供
給すると、ロックアップピストン1のロックアップフェ
ーシング2がコンバータカバー7から遠ざかり、ロック
アップ解除状態になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のロックア
ップ機構付きトルクコンバータは、ロックアップ解除状
態においてロックアップピストン1、タービンランナ4
の回転速度およびコンバータカバー7の回転速度がター
ビンランナ4に加わるトルクに応じて変化する際に回転
速度差があると、ロックアップピストン1のリリース側
の遠心油圧とアプライ側の遠心油圧との間に差圧が生じ
る構造になっているため、コースト状態でかつロックア
ップ解除状態のときには上記遠心油圧の差圧によりロッ
クアップを解除する方向の力が発生し、ロックアップ解
除状態からのロックアップ締結動作を妨げることとな
る。
ップ機構付きトルクコンバータは、ロックアップ解除状
態においてロックアップピストン1、タービンランナ4
の回転速度およびコンバータカバー7の回転速度がター
ビンランナ4に加わるトルクに応じて変化する際に回転
速度差があると、ロックアップピストン1のリリース側
の遠心油圧とアプライ側の遠心油圧との間に差圧が生じ
る構造になっているため、コースト状態でかつロックア
ップ解除状態のときには上記遠心油圧の差圧によりロッ
クアップを解除する方向の力が発生し、ロックアップ解
除状態からのロックアップ締結動作を妨げることとな
る。
【0006】本発明は、コーストトルクに応じてロック
アップ締結方向の力を発生する機構を設けて上記ロック
アップを解除する方向の力をキャンセルすることによ
り、上述した問題を解決することを目的とする。
アップ締結方向の力を発生する機構を設けて上記ロック
アップを解除する方向の力をキャンセルすることによ
り、上述した問題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の請求項1の構成は、コンバータカバーに結合されたポ
ンプインペラと、タービンハブを介して変速機入力軸に
相対回転を規制されて結合されたタービンランナおよび
ロックアップピストンと、前記ポンプインペラおよびタ
ービンランナ間に形成されたアプライ室にアプライ圧を
供給するアプライ圧油路と、前記ロックアップピストン
およびコンバータカバー間に形成されたリリース室にリ
リース圧を供給するリリース圧油路とを具えるロックア
ップ機構付きトルクコンバータにおいて、前記タービン
ランナに加わるコーストトルクに応じてロックアップ締
結方向の力を発生するコースト反力発生機構を設けたこ
とを特徴とするものである。
の請求項1の構成は、コンバータカバーに結合されたポ
ンプインペラと、タービンハブを介して変速機入力軸に
相対回転を規制されて結合されたタービンランナおよび
ロックアップピストンと、前記ポンプインペラおよびタ
ービンランナ間に形成されたアプライ室にアプライ圧を
供給するアプライ圧油路と、前記ロックアップピストン
およびコンバータカバー間に形成されたリリース室にリ
リース圧を供給するリリース圧油路とを具えるロックア
ップ機構付きトルクコンバータにおいて、前記タービン
ランナに加わるコーストトルクに応じてロックアップ締
結方向の力を発生するコースト反力発生機構を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の請求項2の構成は、前記コ
ースト反力発生機構は、前記タービンハブを分割断面が
同心円状になるように軸方向に分割して相対回転可能な
2つのタービンハブとし、両タービンハブ間に、前記タ
ービンランナに加わるコーストトルクに応じてロックア
ップ締結方向の力を発生するカム機構を形成したもので
あることを特徴とするものである。
ースト反力発生機構は、前記タービンハブを分割断面が
同心円状になるように軸方向に分割して相対回転可能な
2つのタービンハブとし、両タービンハブ間に、前記タ
ービンランナに加わるコーストトルクに応じてロックア
ップ締結方向の力を発生するカム機構を形成したもので
あることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明の請求項1の構成によれば、ロックアッ
プ解除状態においてロックアップピストン、タービンラ
ンナおよびコンバータカバー間の回転速度差により、ロ
ックアップピストンのリリース側およびアプライ側間の
遠心油圧の差圧が生じたときコースト状態であるとロッ
クアップを解除する方向の力が発生するが、その力は、
コースト反力発生機構がタービンランナに加わるコース
トトルクに応じて発生するロックアップ締結方向の力に
よりキャンセルされる。
プ解除状態においてロックアップピストン、タービンラ
ンナおよびコンバータカバー間の回転速度差により、ロ
ックアップピストンのリリース側およびアプライ側間の
遠心油圧の差圧が生じたときコースト状態であるとロッ
クアップを解除する方向の力が発生するが、その力は、
コースト反力発生機構がタービンランナに加わるコース
トトルクに応じて発生するロックアップ締結方向の力に
よりキャンセルされる。
【0010】また、本発明の請求項2の構成によれば、
前記コースト反力発生機構を、前記タービンハブを分割
断面が同心円状になるように軸方向に分割して相対回転
可能な2つのタービンハブとし、両タービンハブ間に、
前記タービンランナに加わるコーストトルクに応じてロ
ックアップ締結方向の力を発生するカム機構を形成して
構成したから、前記カム機構が発生するロックアップ締
結方向の力により上記ロックアップを解除する方向の力
がキャンセルされる。
前記コースト反力発生機構を、前記タービンハブを分割
断面が同心円状になるように軸方向に分割して相対回転
可能な2つのタービンハブとし、両タービンハブ間に、
前記タービンランナに加わるコーストトルクに応じてロ
ックアップ締結方向の力を発生するカム機構を形成して
構成したから、前記カム機構が発生するロックアップ締
結方向の力により上記ロックアップを解除する方向の力
がキャンセルされる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明のロックアップ機構付きトルク
コンバータの第1実施例の構成を示す図である。この第
1実施例は、図5の従来例に対し、以下の変更を加えた
ものであり、それ以外は図5と同様に構成する。
説明する。図1は本発明のロックアップ機構付きトルク
コンバータの第1実施例の構成を示す図である。この第
1実施例は、図5の従来例に対し、以下の変更を加えた
ものであり、それ以外は図5と同様に構成する。
【0012】まず、変速機入力軸9にタービンランナ4
およびロックアップピストン1を相対回転を規制して結
合するタービンハブを、分割断面が同心円状になるよう
に軸方向に分割して相対回転可能な2つのタービンハブ
31(内周寄り)、32(外周寄り)とし、タービンハ
ブ31を変速機入力軸9にスプライン結合する。その
際、タービンハブ31のワンウェイクラッチ11寄り側
面をリブ31aとして残し、リブ31aにタービンハブ
32の右側面が当接するようにしておくとともに、ター
ビンハブ31にはロックアップピストン1を結合し、タ
ービンハブ32にはタービンランナ4およびトーショナ
ルダンパ12を結合する。次に、タービンハブ31、3
2に、台形状の歯を有するネジ部31b、32aを形成
して両者を噛合させる。上記ネジ部31b、32aの台
形状の歯はドライブトルクが加わったときタービンハブ
32が相対回転しながらタービンハブ31上を図1の右
方向に相対移動し、コーストトルクが加わったときター
ビンハブ32が相対回転しながらタービンハブ31上を
図1の右方向に相対移動するように形成されている。
およびロックアップピストン1を相対回転を規制して結
合するタービンハブを、分割断面が同心円状になるよう
に軸方向に分割して相対回転可能な2つのタービンハブ
31(内周寄り)、32(外周寄り)とし、タービンハ
ブ31を変速機入力軸9にスプライン結合する。その
際、タービンハブ31のワンウェイクラッチ11寄り側
面をリブ31aとして残し、リブ31aにタービンハブ
32の右側面が当接するようにしておくとともに、ター
ビンハブ31にはロックアップピストン1を結合し、タ
ービンハブ32にはタービンランナ4およびトーショナ
ルダンパ12を結合する。次に、タービンハブ31、3
2に、台形状の歯を有するネジ部31b、32aを形成
して両者を噛合させる。上記ネジ部31b、32aの台
形状の歯はドライブトルクが加わったときタービンハブ
32が相対回転しながらタービンハブ31上を図1の右
方向に相対移動し、コーストトルクが加わったときター
ビンハブ32が相対回転しながらタービンハブ31上を
図1の右方向に相対移動するように形成されている。
【0013】次に、本実施例の作用を図5の従来例と比
較しながら説明する。通常、ロックアップ解除状態でト
ルクコンバータの速度比が1以上のコースト状態では、
ロックアップピストン1およびタービンライナ4の回転
速度の方がコンバータカバー7の回転速度よりも速くな
る。このため、トルクコンバータ内部のリリース側の作
動油はロックアップピストン1およびコンバータカバー
7の中間程度の速度で回転すると見なすことができるの
で、発生する遠心油圧はアプライ側の方が高くなる。よ
って、ロックアップフェーシング2の部分で作動油が絞
られなければロックアップピストン1の最大径部の油圧
がリリース側とアプライ側とで等しくなる(例えばトル
クコンバータの速度比1.2でコンバータカバー回転数
1000rpmの場合、圧力分布は図6に例示するよう
になる)ので、ロックアップピストン1にはアプライ室
24側へ移動させる方向の力、つまりロックアップを解
除する方向の力が作用することになる。
較しながら説明する。通常、ロックアップ解除状態でト
ルクコンバータの速度比が1以上のコースト状態では、
ロックアップピストン1およびタービンライナ4の回転
速度の方がコンバータカバー7の回転速度よりも速くな
る。このため、トルクコンバータ内部のリリース側の作
動油はロックアップピストン1およびコンバータカバー
7の中間程度の速度で回転すると見なすことができるの
で、発生する遠心油圧はアプライ側の方が高くなる。よ
って、ロックアップフェーシング2の部分で作動油が絞
られなければロックアップピストン1の最大径部の油圧
がリリース側とアプライ側とで等しくなる(例えばトル
クコンバータの速度比1.2でコンバータカバー回転数
1000rpmの場合、圧力分布は図6に例示するよう
になる)ので、ロックアップピストン1にはアプライ室
24側へ移動させる方向の力、つまりロックアップを解
除する方向の力が作用することになる。
【0014】この状態からロックアップ締結するために
は、ロックアップピストン1の外周部およびロックアッ
プフェーシング2の部分に、アプライ側およびリリース
側に生じる遠心油圧の差圧に打ち勝つ大きさの遠心油圧
が発生するようになるまで、アプライ側からリリース側
に作動油を流す必要がある。したがって、トルクコンバ
ータの速度比が約1.1以上の場合にはロックアップ締
結動作が困難になる。また、速度比が1以上1.1未満
の場合にロックアップ締結しようとすると、ロックアッ
プピストン1がコンバータカバー7に接近するにつれて
ロックアップフェーシング2による絞りが強くなるた
め、上記遠心油圧の差圧がさらに大きくなってロックア
ップ締結時の伝達トルク容量が過大になることから、大
きなロックアップ締結ショックを招いてしまう。
は、ロックアップピストン1の外周部およびロックアッ
プフェーシング2の部分に、アプライ側およびリリース
側に生じる遠心油圧の差圧に打ち勝つ大きさの遠心油圧
が発生するようになるまで、アプライ側からリリース側
に作動油を流す必要がある。したがって、トルクコンバ
ータの速度比が約1.1以上の場合にはロックアップ締
結動作が困難になる。また、速度比が1以上1.1未満
の場合にロックアップ締結しようとすると、ロックアッ
プピストン1がコンバータカバー7に接近するにつれて
ロックアップフェーシング2による絞りが強くなるた
め、上記遠心油圧の差圧がさらに大きくなってロックア
ップ締結時の伝達トルク容量が過大になることから、大
きなロックアップ締結ショックを招いてしまう。
【0015】一方、本実施例においては、上述したよう
に、ネジ部31b、32aの台形状の歯はドライブトル
クが加わったときタービンハブ32がタービンハブ31
上を図1の右方向に相対移動し(最終的にはリブ31a
に当接して相対移動を停止する)、コーストトルクが加
わったときタービンハブ32がタービンハブ31上を図
1の右方向に相対移動するように形成されているので、
ロックアップ解除状態でかつコースト状態のときロック
アップ締結動作を行うと、上記ネジ部31b、32aよ
り成るカム機構がコーストトルクに応じてロックアップ
ピストン1をリリース室23側へ移動させる方向の力、
つまりロックアップを締結する方向の力を発生する。こ
の力により、ロックアップピストン1はロックアップ締
結方向に相対移動し、このロックアップ締結方向の力
(コースト反力)が上記ロックアップ解除方向の力と釣
り合う位置で相対移動を停止する。これにより上記ロッ
クアップ解除方向の力がキャンセルされ、コースト状態
においても良好なロックアップ締結特性が得られる(ド
ライブ状態においても良好なロックアップ解除特性が得
られる)。
に、ネジ部31b、32aの台形状の歯はドライブトル
クが加わったときタービンハブ32がタービンハブ31
上を図1の右方向に相対移動し(最終的にはリブ31a
に当接して相対移動を停止する)、コーストトルクが加
わったときタービンハブ32がタービンハブ31上を図
1の右方向に相対移動するように形成されているので、
ロックアップ解除状態でかつコースト状態のときロック
アップ締結動作を行うと、上記ネジ部31b、32aよ
り成るカム機構がコーストトルクに応じてロックアップ
ピストン1をリリース室23側へ移動させる方向の力、
つまりロックアップを締結する方向の力を発生する。こ
の力により、ロックアップピストン1はロックアップ締
結方向に相対移動し、このロックアップ締結方向の力
(コースト反力)が上記ロックアップ解除方向の力と釣
り合う位置で相対移動を停止する。これにより上記ロッ
クアップ解除方向の力がキャンセルされ、コースト状態
においても良好なロックアップ締結特性が得られる(ド
ライブ状態においても良好なロックアップ解除特性が得
られる)。
【0016】図2に本実施例のロックアップ機構付きト
ルクコンバータのコースト反力発生機構による推力およ
び、遠心油圧の差圧による推力を例示する。図示の推力
は互いに正負が逆であるので、ほぼキャンセルされるこ
とが分かる。なお、図2の推力は、エンジン回転数(こ
の2乗にピストン推力が比例する)1000rpm、カ
ム機構の半径R=18mm、カムのリード角10°、カ
ム面μ=0.1、カム部のネジ部の最大ねじれ範囲36
°、ピストンストローク2mm、ロックアップフェーシ
ング径φ234mm、コンバータのトルク容量約2リッ
トルの場合における値である。
ルクコンバータのコースト反力発生機構による推力およ
び、遠心油圧の差圧による推力を例示する。図示の推力
は互いに正負が逆であるので、ほぼキャンセルされるこ
とが分かる。なお、図2の推力は、エンジン回転数(こ
の2乗にピストン推力が比例する)1000rpm、カ
ム機構の半径R=18mm、カムのリード角10°、カ
ム面μ=0.1、カム部のネジ部の最大ねじれ範囲36
°、ピストンストローク2mm、ロックアップフェーシ
ング径φ234mm、コンバータのトルク容量約2リッ
トルの場合における値である。
【0017】図3は本発明のロックアップ機構付きトル
クコンバータの第2実施例の要部の構成を示す図であ
る。この第2実施例は、上記第1実施例に対しコースト
反力発生機構の構成を変更したものであり、それ以外は
第1実施例と同様に構成する。すなわち、図3に示すよ
うに、タービンハブ33にロックアップピストン1およ
びその右端部に当接させたリテーナ41を結合するとと
もに、タービンハブ33にスプライン43によって可動
カム40を軸方向移動可能に結合してその左端部をリテ
ーナ41に当接させ、タービンハブ34の右端部34a
をタービンハブ33のリブ33aおよびタービンハブ3
3に嵌合したスナップリング42で挟んで軸方向に固定
し、タービンハブ34の左端部34bおよび可動カム4
0間に図4に示すようなカム部44を形成する。
クコンバータの第2実施例の要部の構成を示す図であ
る。この第2実施例は、上記第1実施例に対しコースト
反力発生機構の構成を変更したものであり、それ以外は
第1実施例と同様に構成する。すなわち、図3に示すよ
うに、タービンハブ33にロックアップピストン1およ
びその右端部に当接させたリテーナ41を結合するとと
もに、タービンハブ33にスプライン43によって可動
カム40を軸方向移動可能に結合してその左端部をリテ
ーナ41に当接させ、タービンハブ34の右端部34a
をタービンハブ33のリブ33aおよびタービンハブ3
3に嵌合したスナップリング42で挟んで軸方向に固定
し、タービンハブ34の左端部34bおよび可動カム4
0間に図4に示すようなカム部44を形成する。
【0018】この第2実施例は、タービンハブ34が軸
方向の移動を規制されてタービンハブ33に対する相対
回転のみ可能になっており、カム部44が図4に示すよ
うにドライブトルクが加えられたときはカム部44の歯
部によりトルクを伝達し、コーストトルクが加えられた
ときはカム部44のカム面によりトルクを伝達するとと
もに軸方向の力を発生するようになっているので、ロッ
クアップ解除状態でかつコースト状態のときロックアッ
プ締結動作を行うと、上記カム部44(カム機構)がコ
ーストトルクに応じてロックアップピストン1をリリー
ス室23側へ移動させる方向の力、つまりロックアップ
を締結する方向の力を発生し、この力は、リテーナ41
を介してロックアップピストン1に伝達される。このロ
ックアップ締結方向の力(コースト反力)により上記ロ
ックアップ解除方向の力がキャンセルされ、コースト状
態においても良好なロックアップ締結特性が得られる
(ドライブ状態においても良好なロックアップ解除特性
が得られる)。
方向の移動を規制されてタービンハブ33に対する相対
回転のみ可能になっており、カム部44が図4に示すよ
うにドライブトルクが加えられたときはカム部44の歯
部によりトルクを伝達し、コーストトルクが加えられた
ときはカム部44のカム面によりトルクを伝達するとと
もに軸方向の力を発生するようになっているので、ロッ
クアップ解除状態でかつコースト状態のときロックアッ
プ締結動作を行うと、上記カム部44(カム機構)がコ
ーストトルクに応じてロックアップピストン1をリリー
ス室23側へ移動させる方向の力、つまりロックアップ
を締結する方向の力を発生し、この力は、リテーナ41
を介してロックアップピストン1に伝達される。このロ
ックアップ締結方向の力(コースト反力)により上記ロ
ックアップ解除方向の力がキャンセルされ、コースト状
態においても良好なロックアップ締結特性が得られる
(ドライブ状態においても良好なロックアップ解除特性
が得られる)。
【0019】
【発明の効果】かくして本発明の請求項1の構成は上述
の如く、ロックアップ解除状態においてロックアップピ
ストン、タービンランナおよびコンバータカバー間の回
転速度差により、ロックアップピストンのリリース側お
よびアプライ側間の遠心油圧の差圧が生じたときコース
ト状態であるとロックアップを解除する方向の力が作用
するが、その力は、コースト反力発生機構がタービンラ
ンナに加わるコーストトルクに応じて発生するロックア
ップ締結方向の力によりキャンセルされる。よって、コ
ースト状態のロックアップ解除状態からのロックアップ
締結動作が妨げられることはない。
の如く、ロックアップ解除状態においてロックアップピ
ストン、タービンランナおよびコンバータカバー間の回
転速度差により、ロックアップピストンのリリース側お
よびアプライ側間の遠心油圧の差圧が生じたときコース
ト状態であるとロックアップを解除する方向の力が作用
するが、その力は、コースト反力発生機構がタービンラ
ンナに加わるコーストトルクに応じて発生するロックア
ップ締結方向の力によりキャンセルされる。よって、コ
ースト状態のロックアップ解除状態からのロックアップ
締結動作が妨げられることはない。
【0020】また、本発明の請求項2の構成は上述のご
とく、前記コースト反力発生機構を、前記タービンハブ
を分割断面が同心円状になるように軸方向に分割して相
対回転可能な2つのタービンハブとし、両タービンハブ
間に、前記タービンランナに加わるコーストトルクに応
じてロックアップ締結方向の力を発生するカム機構を形
成して構成したから、前記カム機構が発生するロックア
ップ締結方向の力により上記ロックアップを解除する方
向の力がキャンセルされる。よって、コースト状態のロ
ックアップ解除状態からのロックアップ締結動作が妨げ
られることはない。
とく、前記コースト反力発生機構を、前記タービンハブ
を分割断面が同心円状になるように軸方向に分割して相
対回転可能な2つのタービンハブとし、両タービンハブ
間に、前記タービンランナに加わるコーストトルクに応
じてロックアップ締結方向の力を発生するカム機構を形
成して構成したから、前記カム機構が発生するロックア
ップ締結方向の力により上記ロックアップを解除する方
向の力がキャンセルされる。よって、コースト状態のロ
ックアップ解除状態からのロックアップ締結動作が妨げ
られることはない。
【図1】本発明のロックアップ機構付きトルクコンバー
タの第1実施例の構成を示す図である。
タの第1実施例の構成を示す図である。
【図2】第1実施例のロックアップ機構付きトルクコン
バータのコースト反力発生機構による推力および遠心油
圧の差圧による推力を例示する特性図である。
バータのコースト反力発生機構による推力および遠心油
圧の差圧による推力を例示する特性図である。
【図3】本発明のロックアップ機構付きトルクコンバー
タの第2実施例の要部の構成を示す図である。
タの第2実施例の要部の構成を示す図である。
【図4】第2実施例のカム部の詳細図である。
【図5】従来のロックアップ機構付きトルクコンバータ
の構成を示す図である。
の構成を示す図である。
【図6】従来例のアプライ側およびリリース側の圧力分
布を示す図である・
布を示す図である・
1 ロックアップピストン 2 ロックアップフェーシング 4 タービンランナ 5 ポンプインペラ 6 ステータ 7 コンバータカバー 9 変速機入力軸 10 ステータシャフト 21 リリース圧油路 22 アプライ圧油路 23 リリース室 24 アプライ室
Claims (2)
- 【請求項1】 コンバータカバーに結合されたポンプイ
ンペラと、タービンハブを介して変速機入力軸に相対回
転を規制されて結合されたタービンランナおよびロック
アップピストンと、前記ポンプインペラおよびタービン
ランナ間に形成されたアプライ室にアプライ圧を供給す
るアプライ圧油路と、前記ロックアップピストンおよび
コンバータカバー間に形成されたリリース室にリリース
圧を供給するリリース圧油路とを具える、ロックアップ
機構付きトルクコンバータにおいて、 前記タービンランナに加わるコーストトルクに応じてロ
ックアップ締結方向の力を発生するコースト反力発生機
構を設けたことを特徴とする、ロックアップ機構付きト
ルクコンバータ。 - 【請求項2】 前記コースト反力発生機構は、前記ター
ビンハブを分割断面が同心円状になるように軸方向に分
割して相対回転可能な2つのタービンハブとし、両ター
ビンハブ間に、前記タービンランナに加わるコーストト
ルクに応じてロックアップ締結方向の力を発生するカム
機構を形成して成ることを特徴とする、請求項1記載の
ロックアップ機構付きトルクコンバータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3707094A JPH07243503A (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | ロックアップ機構付きトルクコンバータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3707094A JPH07243503A (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | ロックアップ機構付きトルクコンバータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07243503A true JPH07243503A (ja) | 1995-09-19 |
Family
ID=12487298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3707094A Pending JPH07243503A (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | ロックアップ機構付きトルクコンバータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07243503A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170017902A (ko) * | 2014-06-05 | 2017-02-15 | 발레오 유니시아 트랜스미션즈 가부시끼가이샤 | 일체형 원심 진자식 진동 흡수 장치를 갖는 댐퍼 |
-
1994
- 1994-03-08 JP JP3707094A patent/JPH07243503A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170017902A (ko) * | 2014-06-05 | 2017-02-15 | 발레오 유니시아 트랜스미션즈 가부시끼가이샤 | 일체형 원심 진자식 진동 흡수 장치를 갖는 댐퍼 |
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