JPH07242412A - 結晶性珪酸化合物の製造方法 - Google Patents

結晶性珪酸化合物の製造方法

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JPH07242412A
JPH07242412A JP6569194A JP6569194A JPH07242412A JP H07242412 A JPH07242412 A JP H07242412A JP 6569194 A JP6569194 A JP 6569194A JP 6569194 A JP6569194 A JP 6569194A JP H07242412 A JPH07242412 A JP H07242412A
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silicic acid
acid compound
belt
raw material
crystalline
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JP6569194A
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Itsuro Tsukahara
逸朗 塚原
Hitoshi Takatani
仁 高谷
Koji Okuda
宏二 奥田
Mikihiro Yamanaka
幹大 山中
Kaoru Matsushita
芳 松下
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】無定形珪酸化合物または珪酸化合物溶液を加熱
・焼成して結晶性珪酸化合物を得る結晶性珪酸化合物の
製造方法において、該無定形珪酸化合物または該珪酸化
合物溶液を加熱炉内に設けられた搬送用ベルト上に供給
して載置し、これを搬送しつつ加熱して焼成すると共
に、生成した結晶性珪酸化合物を該ベルトの近傍に設け
られた掻き取り手段によりベルトから離脱させることを
特徴とする結晶性珪酸化合物の製造方法。 【効果】本発明の製造方法によれば、ベルトを回転移動
させつつ掻き取り手段により焼成物をベルト上から脱離
させるため、焼成物の発泡、付着及び凝集が生じても、
安定した生産性が維持される。従って、従来法のように
焼成物のフィードバックによる熱効率の低下や、生産性
の低下を招くことなく、工業的規模で高効率にて連続的
に結晶性珪酸化合物を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶性珪酸化合物を工業
的に製造する方法に関する。さらに詳しくは、焼成装置
内で付着物層および凝集塊が生成しても、生産性良く結
晶性珪酸化合物を製造することができる製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】含水珪酸化合物を焼成することにより結
晶性珪酸化合物を製造する際に、原料となる含水珪酸粉
末に熱負荷を加えると、一般に脱水による発泡現象並び
に軟化現象を起こし、焼成装置内にて付着が生じること
が知られている。従って、安定した連続生産を可能とす
るためには、原料粉末の移動を阻害する付着現象を抑制
する必要がある。
【0003】従来、結晶性珪酸化合物の製造方法として
特公平5−66888号公報、特開平3−164422
号公報、特開平4−214024号公報、特開平4−2
38809号公報等に記載された方法が挙げられる。
【0004】特公平5−66888号公報では、粉末状
の無定形の含水珪酸塩化合物を断熱した内熱式横型回転
管状炉にて加熱結晶化を行い、結晶性珪酸塩化合物を得
ている。この際の炉芯管内壁面への原料粉末の付着や、
炉芯管内の原料粉末の移動を阻害するような粒径の大き
い塊状物の生成を抑制する手段としては、製品となる結
晶性珪酸塩化合物の一部を還流し、原料粉末中に配合す
る方法が提案されている。
【0005】特開平3−164422号公報では、低温
かつ滞留時間の短い噴霧乾燥によって高い嵩密度を有す
る粉末状の無定形の含水ケイ酸ナトリウムとし、これを
断熱した内熱式回転管状炉において加熱し、結晶性珪酸
ナトリウムを得ている。この際に、回転管状炉から吸引
しフィルターにて捕収して得た珪酸塩化合物粉末を、原
料となる含水珪酸塩化合物粉末中に配合する方法が提案
されている。
【0006】特開平4−214024号公報では、12
00〜1400℃の温度において溶融して得た珪酸塩化
合物の溶融物を2mm以下の粒度に粉砕し、これを加熱
結晶化処理して結晶性珪酸塩化合物を得ている。加熱結
晶化処理の際の水ガラスの焼き付きを防止する手段とし
て、製品となる結晶性珪酸塩化合物の一部を粉砕した水
ガラス粒に添加する方法が提案されている。
【0007】また、特開平4−238809号公報で
は、珪酸ナトリウム溶液を、スクレーパを付設した横型
回転管炉にて加熱結晶化する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
5−66888号公報、特開平4−214024号公報
及び特開平3−164422号公報に記載の方法におい
ては、いずれの方法においても炉芯管内部の粉末もしく
は製品粉末の一部が還流されることにより、熱効率及び
生産性が低下するという欠点を有している。さらに、特
開平4−214024号公報の方法では原料粉末中に配
合される還流粉末の見かけ比重が低いために炉芯管の容
積が大きくなるといった問題も発生する。また、工業的
な噴霧乾燥で得られる粉末は平均粒径が500μm以下
であり、焼成時の粉同士の接触面積が大きく、かつ加熱
中に軟化するため、管壁への珪酸化合物の付着及び粉同
士が凝集して塊状になることを防ぐことはできない。ま
た、後者の方法では回転管状炉から吸引して得られた珪
酸ナトリウムをフィルターにて回収し、再び無定形珪酸
ナトリウムに混合して管状炉へ導入する方法が記載され
ているが吸引して得られた珪酸ナトリウムは加熱が充分
でないため結晶化の度合いが小さく、管壁への付着防止
効果はほとんど期待できない。
【0009】また、特開平4−238809号公報記載
の方法では、珪酸ナトリウム溶液を直接加熱ゾーンに投
入しているが、この場合には発泡して管壁に付着する現
象が起こる。その付着物を除去するためにスクレーパを
付設することが開示されているが、発泡して付着性を有
する雰囲気にスクレーパが配設されているため、スクレ
ーパそのものにも付着が起こり、スクレーパに付着した
付着物を除去するためのメンテナンス回数が増えるとい
う欠点がある。
【0010】本発明は以上の問題点に着目してなされた
ものであり、発泡、付着及び凝集が生じても、安定した
生産性が維持される結晶性珪酸化合物の製造方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは焼成装置と
してベルト炉を使用することにより前記の課題を解決で
きることを見い出し、本発明を完成した。
【0012】即ち、本発明の要旨は、(1)無定形珪酸
化合物または珪酸化合物溶液を加熱・焼成して結晶性珪
酸化合物を得る結晶性珪酸化合物の製造方法において、
該無定形珪酸化合物または該珪酸化合物溶液を加熱炉内
に設けられた搬送用ベルト上に供給して載置し、これを
搬送しつつ加熱して焼成すると共に、生成した結晶性珪
酸化合物を該ベルトの近傍に設けられた掻き取り手段に
よりベルトから離脱させることを特徴とする結晶性珪酸
化合物の製造方法、並びに(2) 生成する結晶性珪酸
化合物が、一般式xM2 O・ySiO2 ・zM’O(但
し、MはNa及び/又はKを示し、M’はCa及び/又
はMgを示し、y/x=0.5〜3.5、z/x=0〜
1.0である。)で表される前記(1)記載の製造方
法、に関する。
【0013】本発明の結晶性珪酸化合物の製造方法は、
無定形珪酸化合物を原料として用いる態様(第1の態
様)と、珪酸化合物溶液を原料として用いる態様(第2
の態様)に大別される。以下、両態様について詳細に説
明する。
【0014】本発明の第1の態様で用いられる無定形珪
酸化合物としては、珪酸化合物溶液を乾燥して得られる
ものや、溶融ガラスを冷却固化したもの等が用いられ
る。これらのうち、珪酸化合物溶液を乾燥して得られる
ものが、夾雑物の少なさ、組成調整の自由度の高さの点
から好ましい。
【0015】無定形珪酸化合物の含水率は、湿量基準の
値で、通常0〜28重量%、好ましくは0〜24重量
%、より好ましくは2〜20重量%である。この範囲を
越えると粘着性のあるゼリー状の様相を呈し始め、取り
扱いが難しくなる。
【0016】珪酸化合物溶液を乾燥させて無定形珪酸化
合物を得る場合、含水率を28重量%以下、好ましくは
2〜25重量%に減少させると、粉末状の無定形珪酸化
合物が得られる。ここで、乾燥方法には特に制限はな
く、例としては棚乾燥、ドラムドライヤー、噴霧乾燥等
が挙げられるが、大量に乾燥する場合、連続操作が可能
で粉砕工程がいらないという理由から噴霧乾燥が好適に
用いられる。該乾燥工程により得られる珪酸化合物は無
定形であり、X線回折で分析してもはっきりとしたピー
クは観察されない。しかしながら、この無定形珪酸化合
物を焼成して生成される結晶化された結晶性珪酸化合物
は、その結晶相に応じて特定のピークが観察される。
【0017】また、無定形珪酸化合物の粒度、形状等
も、特に限定されることなく、粉末状、粒状、顆粒状、
塊状、造粒物等の各種の粒度、形状のものを用いること
ができる。これらのうち、粉塵の少なさ、取り扱いの容
易さの点から粒状、顆粒状、造粒物が好ましく用いられ
る。
【0018】無定形珪酸化合の組成としては、特に制限
されるものではないが、焼成により生成する結晶性珪酸
化合物が、一般式xM2 O・ySiO2 ・zM’O(但
し、MはNa及び/又はKを示し、M’はCa及び/又
はMgを示し、y/x=0.5〜3.5、z/x=0〜
1.0である。)で表されるものとなるように、適宜選
択される。
【0019】本発明の第2の態様で用いられる珪酸化合
物溶液としては、工業的に生産されている珪酸塩溶液を
そのまま用いることが可能であるが、工業的に生産され
ている珪酸塩溶液は通常、珪酸に対するアルカリ金属濃
度が低いので、これに水酸化ナトリウム溶液及び/又は
水酸化カリウム溶液等を添加してアルカリ金属濃度を適
宜調製したものを用いてもよい。さらにCa、Mgの供
給源としてこれらの水酸化物、塩化物又は硝酸塩を添加
した珪酸化合物溶液であっても使用することができる。
【0020】なお、本発明に用いる珪酸化合物溶液とし
ては、前記珪酸塩溶液のほか、固体状のオルト珪酸ナト
リウムやメタ珪酸ナトリウムに、ナトリウム又はカリウ
ムの、水酸化物、塩化物及び硝酸塩、可溶性シリカ等の
一種又は混合物の水溶液を添加して組成調製した珪酸化
合物溶液を用いることも可能である。
【0021】珪酸化合物溶液の組成としては、特に制限
されるものではないが、第1の態様と同様に焼成により
生成する結晶性珪酸化合物が、前記と同一の一般式で表
されるものとなるように、適宜組成を調整することが好
ましい。
【0022】本発明の製造方法は、以上のような焼成原
料を加熱炉内に設けられた搬送用ベルト上に供給して載
置し、これを搬送しつつ加熱して焼成すると共に、生成
した結晶性珪酸化合物を該ベルトの近傍に設けられた掻
き取り手段によりベルトから離脱させることを特徴とす
るものである。この場合、焼成原料を連続して供給する
ことにより、結晶性珪酸化合物を連続して製造すること
ができる。
【0023】まず、当該製造方法に用いられる装置につ
いて、概略説明図である図4を用いて説明する。加熱炉
本体40はキャリアガスの入口44およびキャリアガス
の排出口45、焼成原料の供給口46および焼成物の排
出口47を有する密閉式横型容器である。該加熱炉本体
の周囲には加熱手段43が設けられている。
【0024】加熱手段の方式としては焼成原料を焼成温
度まで加熱できるものであれば特に限定されない。例え
ば、燃焼ガスを直接吹き込む方式、電気ヒーターもしく
は燃焼ガスによる間接加熱等を用いることができ、加熱
温度が300℃以下の領域は蒸気、熱媒による加熱でも
よい。なお、本発明においては、加熱炉本体40内の焼
成温度を一定に保つ目的等で、通常保温材を用いるなど
して断熱を行なっている。
【0025】加熱炉本体内には焼成原料を移送するため
にベルトコンベア41を設けている。ベルトの材質、形
状としては、適度な耐熱性を有し、焼成原料を保持でき
るものであれば特に限定されることなく、金属ベルト、
メッシュベルト、多孔板ベルト等が挙げられる。但し、
焼成原料がベルト上より落下しないように、適切なガイ
ド構造を設けるのが好ましい。この構造としてはベルト
の側面にガイドを設けた構造等が挙げられる。特に液体
を用いる第2の態様では、液漏れが生じないように、コ
の字型の部材をベルト状に連結して、原料溶液の供給部
で各部材間に間隙が生じないようにしたもの(図5参
照)等が用いられる。また、移送のための駆動装置も特
に限定されることなく、例えば回転数可変モーターが好
適である。
【0026】また、生成した結晶性珪酸化合物をベルト
から離脱させる目的でベルトの近傍に掻き取り手段とし
て、スクレーパ42等が設けられる。スクレーパの形
状、材質は適度な耐熱性を有し、生成した結晶性珪酸化
合物を掻き取ることができるものであれば、特に制限さ
れるものではなく、通常、金属、セラミックス等が用い
られる。スクレーパは、焼成物の排出口47への近くに
設けるのが好ましい。またスクレーパは固定式である必
要はなく、掻き取り羽根が回転するようなものでもよい
が、故障の確率が低い点から固定式の方が好ましい。
【0027】次に、本発明の製造方法の製造条件につい
て説明する。焼成の温度範囲としては通常500℃〜ガ
ラス化開始温度、好ましくは結晶性珪酸化合物を収率良
く製造する点から550〜830℃である。この範囲を
越えると、珪酸化合物がガラス化するため結晶化された
珪酸化合物が得れにくい傾向がある。また500℃未満
では無定形珪酸化合物の結晶化が不十分となる傾向があ
る。
【0028】但し、第2の態様のように、珪酸化合物溶
液を用いる場合、加熱初期から直ちにこのような高温に
する必要はなく、含水量に応じて加熱温度を変化させて
もよい。即ち、含水量が28〜100重量%では150
〜200℃、含水量が1.2〜28重量%では200〜
500℃、含水量が0〜1.2重量%では500℃〜ガ
ラス化開始温度と変化させるの如きである。熱効率を考
慮するとむしろこの方が好ましく、この場合、焼成原料
の供給口側から焼成物の排出口側にかけて多段階に設け
た加熱手段によりそれを行うことができる。
【0029】また、焼成をおこなう時間としては、含水
量が28重量%以下になった後に、通常30秒以上、好
ましくは3分〜3時間の範囲、更に好ましくは5分〜1
時間の範囲である。焼成時間がこの範囲より少ないと加
熱時間の不足のため、焼成原料の温度が上がらず均一に
熱処理することができない。また、この範囲を越えて長
時間の焼成を行うと、生産性が低下する傾向がある。
【0030】含水量が28重量%以下になるまでの加熱
時間は、その加熱温度により異なるが、生産効率、装置
の有効長等を考慮して20分〜3時間の範囲で適宜調整
すればよい。
【0031】キャリアガスは、焼成原料から発生する水
分の除去のために用いられるが、その種類は特に限定さ
れることなく、空気、窒素等が用いられる。但し、第1
の態様において、水分量が極めて少ない場合、キャリア
ガスは、吹き込まない方が熱効率の点から好ましい。
【0032】ベルト上に載置する焼成原料の層厚みは、
1mm〜10cmが好ましく、さらに好ましくは3mm
〜5cmである。この範囲を越えると中心部まで十分に
熱を伝えにくくなる傾向があり、この範囲より小さくす
ると同じ重量を処理するのに必要な面積が増え、生産効
率が悪くなる傾向がある。
【0033】図4により以上の操作を説明すると、キャ
リアガスはキャリアガスの入口44より導入され、加熱
炉内を通過して排出口45から排出される。このように
キャリアガスをベルトを介して流通させつつ、加熱手段
43により加熱炉本体40内部を所定の焼成温度で加熱
する。また、キャリアガスの入口44より導入されるキ
ャリアガスは外部の熱交換器(図示せず)等により、加
熱してもよい。一方、造粒した焼成原料をベルトコンベ
ア41上に連続的に焼成原料の供給口46より供給して
載置し、ベルトコンベアにより該焼成原料を図中に示す
矢印A方向に移送しながら、焼成原料層の上部空間にキ
ャリアガスを流通させて加熱焼成を連続的に行う。得ら
れた焼成物は、焼成物の排出口47より回収する。
【0034】本発明の製造方法により生成される結晶性
珪酸化合物の組成としては、例えば 一般式xM2 O・ySiO2 ・zM’O (但し、MはNa及び/又はKを示し、M’はCa及び
/又はMgを示す。)のものが挙げられる。ここで一般
式において、y/x=0.5〜3.5、z/x=0〜
1.0であることが好ましく、さらに好ましくはy/x
=0.5〜2.0、z/x=0.005〜1.0であ
る。これらの結晶性珪酸化合物は、種々の用途に用いる
ことが可能であるが、例えば水軟水化剤として好適に用
いられる。
【0035】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0036】実施例1 (1)無定形珪酸化合物の調製 3号水ガラス(大阪珪曹社製−K3号)213kgを3
00リットル撹拌槽に仕込み、常温にて撹拌下48%N
aOH溶液(東ソー社製)61kg及びCa(OH)
2(土佐石灰社製)26kgを投入した。このとき槽内
温度は48%NaOH溶液の溶解熱により60℃まで上
昇した。3時間撹拌した後、生成した白濁スラリー30
0kgをそのまま噴霧乾燥にかけた。
【0037】噴霧乾燥塔は大川原化工機社製、2.2m
φ×5.4mH、送風温度260℃、排風温度115℃
の条件で行ったところ、含水率20重量%、平均粒子径
297μm、嵩比重0.5kg/リットルの乾燥粉12
6kgが得られた。
【0038】(2)製造装置 図1は本発明の製造装置の一例を縦断面図により示した
ものであり、図2,3はその製造装置の各部の断面図を
示したものである。加熱炉本体1の大きさは巾370m
m、高さ520mm、長さ2900mmである。加熱手
段としては加熱用電気ヒーター4および保温材5を用い
た電気炉方式を採用している。炉内の温度は有効ベルト
長の排出側から1/4の位置に設けた熱電対で測定し
た。
【0039】ベルト3は巾300mm、有効長さ200
0mmのスチール製エンドレスベルトである。このベル
トは焼成原料粉がベルトの端部から脱落しないようにす
るために図3に示すような断面形状となっている。そし
て、このベルトはベルト駆動ローラー11および加熱炉
本体外に設けた駆動用モーター21により図中の矢印A
方向に一定の速度で走行する。ローラー駆動軸12には
高温のガスをシールするために軸シール20が設けてあ
る。
【0040】加熱炉本体の焼成原料粉の供給口8には原
料貯槽14内の焼成原料粉をベルト上に連続して供給す
るための原料フィーダー13を直結している。原料フィ
ーダーにはスクリューフィーダーを使用した。また、厚
み調整板10はベルト上に供給された焼成原料粉をベル
ト上で一定の層厚みにするために設けてあり、層厚みを
変化できる調整機構を有している。層厚みは、焼成原料
粉の供給速度を原料フィーダー13の回転速度を制御す
るとともに厚み調整板10の設定厚みを変えることによ
り調整することができる。一定の層厚みになった焼成原
料粉はベルトにより図中の矢印A方向に移動しながら焼
成され、結晶性珪酸化合物となる。
【0041】また、焼成中には焼成原料粉中に含まれる
水が蒸発し、水蒸気が発生するが、これはキャリアガス
の入口6より導入されるキャリアガス(空気)とともに
キャリアガスの排出口7から排出される。焼成原料粉の
滞留時間(焼成原料粉が該加熱炉本体内のベルト上に供
給されてから焼成物の排出口9より出るまでの時間)、
すなわち焼成時間はベルトの走行速度により調整できる
が、このベルト走行速度を適切に制御するために前記駆
動用モーター21は、モーターの回転数を可変に制御で
きる機構を有している。所定の焼成時間を経て得られた
結晶性珪酸化合物を回収するために焼成物の排出口9の
上部にはベルト上への付着物を掻き取るためのステンレ
ス製のスクレーパが設けてあり、掻き取られた結晶性珪
酸化合物は製品貯槽15へ溜められる。
【0042】(3)結晶性珪酸化合物の製造 (1)で得られた無定形珪酸化合物を(2)の装置のベ
ルト上に6kg/Hrで供給し、炉内温度700℃、滞
留時間1時間で焼成した。焼成中、層厚みは約8cmに
まで膨張し、ベルトにも付着していたが、スクレーパに
て掻き落とすことができ、安定した操作ができた。17
時間製造を行った結果、得られた焼成物は97kgであ
った。
【0043】この焼成物はX線回折装置にて分析したと
ころ、十分に結晶化した珪酸化合物Na2 O・1.5S
iO2 ・0.5CaOであり、含水率は0重量%であっ
た。なお、含水率は700℃/1Hrでの重量減少値よ
り求め、平均粒径は篩いによる重量分率の累積50%の
値であり、嵩比重はメスシリンダーにてタッピングせず
に測定した値である。
【0044】実施例2 含水率59重量%の3号水ガラス(大阪硅曹社製、K−
3号)262kgを300リットル攪拌槽に仕込み、常
温にて攪拌下、48%NaOH溶液(東ソー社製)3
8.5kgを投入した。このとき、槽内温度は48%N
aOH溶液の溶解熱により52℃まで上昇した。30分
攪拌した後、得られた生成物(含水率42重量%)の1
00kgを実施例1で用いた装置を一部改変した装置に
3.5kg/Hrで供給した。
【0045】すなわち、本実施例では珪酸化合物溶液を
原料として用いるため、液漏れを防止する必要があり、
このため実施例1で用いた装置のベルト部を、コの字型
のスチール製部材をベルト状に連結して原料溶液の供給
部で各部材間に間隙が生じないようにしたもの(図5参
照)に改変した。また、原料フィーダーの代わりにポン
プを、原料貯槽の代わりにタンクを用いた。
【0046】電気ヒーターは炉内温度が800℃となる
ように調節し、焼成原料の滞留時間は、2.5時間とな
るようにした。なお、この時間は、予め実験をして含水
率28重量%に至るまでの乾燥時間と焼成時間が、それ
ぞれ0.6時間と1.9時間になるようにベルトの回転
速度を調整したものである。焼成物は約5cmの層厚み
まで膨らんだが、スクレーパにより容易に掻き取り、排
出することができた。
【0047】得られた焼成物の含水率は0重量%であっ
た。また、得られた焼成物をX線回折装置にて分析した
ところ十分に結晶化した珪酸化合物Na2 O・2 SiO
2 であった。
【0048】比較例1 実施例1において得られた噴霧乾燥粉(含水率20重量
%、平均粒子径297μm、嵩比重0.5kg/リット
ル)を、ロータリーキルン(サンアイ化熱社製、134
mmφ×800L)に1kg/時間で投入し、3rp
m、800℃の条件で焼成したが、投入後15分で粉体
の膨張及び凝集塊の生成、炉内壁への付着物層の生成に
よるレトルト(炉芯管)の閉塞が起こったため、焼成を
中止した。
【0049】なお、本発明の態様を種々挙げれば、以下
のようになる。 (1)無定形珪酸化合物を加熱・焼成して結晶性珪酸化
合物を得る結晶性珪酸化合物の製造方法において、該無
定形珪酸化合物を加熱炉内に設けられた搬送用ベルト上
に連続して供給して載置し、これを搬送しつつ加熱して
焼成すると共に、生成した結晶性珪酸化合物を該ベルト
の近傍に設けられた掻き取り手段によりベルトから離脱
させることを特徴とする結晶性珪酸化合物の製造方法。 (2)珪酸化合物溶液を加熱・焼成して結晶性珪酸化合
物を得る結晶性珪酸化合物の製造方法において、該珪酸
化合物溶液を加熱炉内に設けられた搬送用ベルト上に連
続して供給して載置し、これを搬送しつつ加熱して焼成
すると共に、生成した結晶性珪酸化合物を該ベルトの近
傍に設けられた掻き取り手段によりベルトから離脱させ
ることを特徴とする結晶性珪酸化合物の製造方法。 (3)キャリアガスを加熱炉内で流通させて焼成原料か
ら発生する水分を除去するものである上記(1)または
(2)記載の製造方法。 (4)掻き取り手段が固定式スクレーパ、掻き取り羽根
である上記(1)または(2)記載の製造方法。
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ベルトを回
転移動させつつ掻き取り手段により焼成物をベルト上か
ら脱離させるため、焼成物の発泡、付着及び凝集が生じ
ても、安定した生産性が維持される。従って、従来法の
ように焼成物のフィードバックによる熱効率の低下や、
生産性の低下を招くことなく、工業的規模で高効率にて
連続的に結晶性珪酸化合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に用いられる製造装置の一例を縦
断面図により示したものである。
【図2】図2は図1の製造装置のII−II線断面図であ
る。
【図3】図3は図1の製造装置のI−I線断面図であ
る。
【図4】図4は本発明に用いられる製造装置の概略説明
図である。
【図5】図5は本発明に用いられる製造装置のベルト部
の概略説明図である。
【符号の説明】
1 加熱炉本体 2 スクレーパ 3 ベルト 4 加熱用電気ヒーター 5 保温材 6 キャリアガスの入口 7 キャリアガスの排出口 8 焼成原料の供給口 9 焼成物の排出口 10 厚み調整板 11 ベルト駆動ローラー 12 ローラー駆動軸 13 原料フィーダーまたはポンプ 14 原料貯槽またはタンク 15 製品貯槽 16 熱電対 20 軸シール 21 駆動用モーター 40 加熱炉本体 41 ベルトコンベア 42 スクレーパ 43 加熱手段 44 キャリアガスの入口 45 キャリアガスの排出口 46 焼成原料の供給口 47 焼成物の排出口
フロントページの続き (72)発明者 松下 芳 和歌山県和歌山市弘西674−66

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無定形珪酸化合物または珪酸化合物溶液
    を加熱・焼成して結晶性珪酸化合物を得る結晶性珪酸化
    合物の製造方法において、該無定形珪酸化合物または該
    珪酸化合物溶液を加熱炉内に設けられた搬送用ベルト上
    に供給して載置し、これを搬送しつつ加熱して焼成する
    と共に、生成した結晶性珪酸化合物を該ベルトの近傍に
    設けられた掻き取り手段によりベルトから離脱させるこ
    とを特徴とする結晶性珪酸化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 生成する結晶性珪酸化合物が、一般式x
    2 O・ySiO2・zM’O(但し、MはNa及び/
    又はKを示し、M’はCa及び/又はMgを示し、y/
    x=0.5〜3.5、z/x=0〜1.0である。)で
    表される請求項1記載の製造方法。
JP6569194A 1994-03-08 1994-03-08 結晶性珪酸化合物の製造方法 Pending JPH07242412A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005037098A (ja) * 2003-07-18 2005-02-10 Koyo Thermo System Kk 熱処理装置
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