JPH07241525A - 水中生物の付着防止方法 - Google Patents

水中生物の付着防止方法

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JPH07241525A
JPH07241525A JP6034094A JP6034094A JPH07241525A JP H07241525 A JPH07241525 A JP H07241525A JP 6034094 A JP6034094 A JP 6034094A JP 6034094 A JP6034094 A JP 6034094A JP H07241525 A JPH07241525 A JP H07241525A
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antifouling
silicone resin
water
cloth
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JP6034094A
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Tsutomu Oya
勉 大屋
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 毒性物質を使用しなくても水中構造物の表面
に水中生物が付着するのを効果的に防止できる防汚方法
を提供する。 【構成】 水の置換が容易に起こる空隙部を有する布、
網又は多孔質シートに反応硬化型シリコーン樹脂含有防
汚塗料の硬化被膜を形成してなる防汚性材料にて、水中
構造物表面を該防汚性材料の厚さが1mm以上となるよう
に被覆することを特徴とする水中構造物表面に水中生物
が付着するのを防止する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水中構造物表面に水中生
物が付着するのを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】水中構造物は、長期間に
わたって水(海水も含む、以下同様)と常時接触してい
る構造物であって、海、河川、湖沼、池などの水面もし
くは水中に設けられる装置、器具および導水路ならびに
水処理装置などがある。上記水面もしくは水中に設けら
れる装置、器具としては、例えば、石油掘削リグなどの
海洋建造物、浮き桟橋、浮標灯、消波用構造物、筏のフ
ロート、浮体構造物のフロート、ブイ、防油用構造物、
係留用ロープ、魚網、船舶などがあげられ、導水路とし
ては、例えば、導水管、水門、発電所における冷却水の
取水路ならびに循環水管などがあげられ、水処理装置と
しては淡水化装置、浄水装置、下水処理装置などをあげ
ることができる。
【0003】水中構造物はその一部もしくは全部が常に
水と接触しているために、その水接触部表面に水中生物
(例えば、苔虫類、まん脚類、二枚貝類、ホヤ類、藻類
など)が多く付着して、種々の欠陥を生じる。すなわ
ち、上記水面もしくは水中に設けられる装置、器具につ
いてみると、石油掘削リグでは水中生物が付着すること
によって基材が浸食されて物理的強度が低下し、また、
浮き桟橋、浮標灯、防波用構造物、筏のフロート、浮体
構造物のフロート、ブイ、防油構造物、係留用ロープな
どの水面に浮遊させるものについては物理的強度が低下
するのに加え、水中生物が付着すると重量が著しく増加
するために水中に徐々に没してその機能が果たせなくな
り、さらに魚網については水の流通を妨げ、魚類の生育
に悪影響を及ぼし、そして船舶については運航速度が低
下し、燃費が著しく増加する。
【0004】導水路についてみると、導水管では該管内
の導水部分がせまくなって導水量が少なくなり、水門で
はその開閉操作が困難となり、発電所の冷却水の取水路
ならびに循環水管などに水中生物が付着すると、取水量
の低下、管の破損、発電効率の低下、電力損失などが生
じる。水処理装置についてみると、それらの槽、機械、
パイプ、ポンプなどに水中生物が付着すると該装置の機
能が低下する。
【0005】従来、上記水中構造物の表面に水中生物が
付着するのを防止する方法として、該水中構造物の水接
触部分に防汚塗料を塗装しておくか、もしくは水中に塩
素を混入するなどの方法があった。
【0006】しかしながら、従来、防汚塗料の塗装によ
る方法は該塗料に配合した防汚剤成分が塗膜から水中に
徐々に溶出することによって水中生物の付着を防止する
のであるが、毒性の防汚剤を用いているために、該塗料
の製造、塗装時において環境安全衛生上好ましくなく、
しかも水中において塗膜から毒性の防汚剤を徐々に溶出
させているので、長期的にみれば水域を汚染するおそれ
があり、魚貝類に対して悪影響を及ぼすことが予想され
る。そこで近年、毒性防汚剤を含有しない無毒性防汚塗
料が種々提案されているが防汚性能が充分でないという
問題がある。
【0007】水中に塩素を混入する方法においては、そ
の適用分野が著しく制約され、しかも水中における塩素
濃度の管理が複雑であり、塩素自体毒性が強いので人
体、魚貝類などに悪影響を及ぼすことがある。
【0008】また本出願人は特開昭63−22908号
公報において、水中構造物に布、網もしくは多孔質シー
トで被覆する、水中生物の付着防止方法を提案したが、
防汚性能が高度に要求される用途には防汚性が不充分で
あった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこれ
らの状況に鑑みて、毒性物質を使用しなくても水中構造
物の表面に水中生物が付着するのを効果的に防止できる
方法に関して鋭意研究を行なった。その結果、該水中構
造物表面をシリコーン系防汚塗料を塗布した布、網もし
くは多孔質シートで被覆することによって、該表面に水
中生物が付着するのを防止するのに格段に優れた効果が
あることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち本発明は、水の置換が容易に起こ
る空隙部を有する布、網又は多孔質シートに反応硬化型
シリコーン樹脂含有防汚塗料の硬化被膜を形成してなる
防汚性材料にて、水中構造物表面を該防汚性材料の厚さ
が1mm以上となるように被覆することを特徴とする水中
構造物表面に水中生物が付着するのを防止する方法に関
する。
【0011】また本発明は、反応硬化型シリコーン樹脂
含有防汚塗料が、樹脂成分として、反応硬化型シリコー
ン樹脂50〜99重量%および下記一般式〔1〕
【0012】
【化2】
【0013】〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表わし、R
1 はエーテル基、エステル基又は−NH−を介在しても
よい炭素数1〜40の2価脂肪族炭化水素基を表わし、
2 は、水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
表わし、x及びyはそれぞれ0.01≦x<3.99、
0.01≦y<3.99で且つ0.02≦x+y<4で
ある。〕で表わされる数平均分子量250〜30,00
0及び粘度20〜50,000センチストークスの、炭
素原子に直接結合するヒドロキシル基又はアルコキシ基
を有するシリコーン樹脂1〜50重量%を含有すること
を特徴とする上記方法に関する。
【0014】
【作用】本発明方法において、防汚塗料の硬化被膜が形
成される被塗物である布、網および多孔質シートは、水
中に長期間(少なくとも12カ月)浸漬しても溶解、変
質、劣化せず、ある程度の空隙部を有しており、該空隙
部に水が浸入して、水中において該空隙部の内部で水の
置換(流れ)が容易に起るものであればよい。
【0015】まず、布としては、各種繊維をそれ自体公
知の方法で織ったものが使用できる。繊維としては、毛
状体および糸状体から選ばれた1種もしくは2種以上が
用いられる。
【0016】毛状体としては、動物毛が適しており、例
えばヒツジ、ウシ、ウマ、ネコ、ネズミ、シカ、アシ
カ、クマ、トラ、ウサギ、ヤギ、キツネ、タヌキ、リ
ス、ヒョウ、ロバ、ブタ、ライオン、ラクダなどの毛が
あげられる。
【0017】また、糸状体としては天然繊維、合成繊
維、加工糸状体などが使用でき、天然繊維としては例え
ば絹などのタンパク繊維、木綿、麻などのセルロース繊
維、アスベストなどの鉱物繊維などがあげられ、合成繊
維としては例えばポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
アクリロニトリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン
系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
アクリル系、ポリウレタン系、ポリスチレン系、ポリテ
トラフルオロエチレン系、ビスコース、アセテート、レ
ーヨンなどがあげられ、加工糸状体としては例えば金属
(鉄鋼、ステンレス、銅、アルミニウム、しんちゅう、
アルミニウムならびにこれらを含む合金)ならびにガラ
スなどを上記の太さの細線状に加工したものなどがあげ
られ、これ以外にしゅろの毛なども使用できる。
【0018】布には、これらの繊維を用いた平織り、斜
文織り、綾織り、朱子織り、重ね織り、パイル織り(添
毛織物)〔たとえば緯パイル織物、経パイル織物、タオ
ル織物、シェニール織物〕、搦織物、縮絨仕上げ織物、
起毛処理織物、煎毛処理織物、広巾綿布(金巾、更紗、
キャリコ、粗布、細布、綿ポプリン、ブロードクロス、
細綾綿布、縞三綾、ティッキング、太綾綿布、綿小倉、
綿イタリアン、綿ベネシアン、マル、ヘヤーコード、綿
縮、サッカー、リッカー、寒冷紗、ボイル、綿ネル、コ
ールテン、綿帆布、バーバリー、綿ギャバジン)、小幅
綿布(さらし綿、ゆかた地、手ぬぐい地、布団縞、縞木
綿、紺絣、綿黒八、盲縞、ガーゼ、紋羽、石底)、麻織
物(リネンシャツ地、テーブルクロス地、ロールタオル
地、リネンハンカチーフ地、洋服芯地、帆布、たたみへ
り地、かや地などのリネン織物、小千谷縮、上布などの
ラミー織物、ヘシアンクロース、ガンニークロス、ジュ
ート帆布、リノリウムクロスなどのジュート織物)、毛
織物(サージ、ガリサージ、ギャバジン、トロピカル、
ポーラー、ドスキン、背広服地、モスリン、ウール着
尺、シルクウール着尺、ベネシアン、ポプリン、ゼファ
ー、サンクロース、旗布、ピッケ、ヘリングボーン、シ
ヤーススキン、バーズアイ、オットマン、アストラカ
ン、芯地などの梳毛織物、フランネル、フラノ、メルト
ン、パイルオーバー地、玉ラシャ、カシミヤ、ツイー
ド、ホームスパン、サクソニー ピンヘッドなどの紡毛
織物、アルパカ、プラッシュ、モケット、テレンプなど
の交織毛織物、混紡毛織物)、絹織物(羽二重、塩瀬、
紋かい、生斜子、平絹、繪絹、富士絹、綸子、八ツ橋
織、シフォン、篩絹、ニノン、絹ボイル、ちりめん、パ
レスクレープ、ジョーゼットなどの生絹織物、銘仙、
紬、黄八丈、タフタ、どんす、きぬびろうど、もんびろ
うどなどの練絹織物)、人体織物(人平絹織物、ポプリ
ン、人絹綾織り、人絹朱子、人絹壁織り、人絹ちりめ
ん、フラットクレープ、ジョーゼットクレープ、人絹紋
織り、サッカー、シャークスキン、シャンタン)、フェ
ルト(織りフェルト、ハンマーフェルト、羊毛フェル
ト、牛毛フェルト、粗毛フェルトなどの圧縮フェルト)
不織布、ボンデッドファブリック(織物を2枚以上はり
合わせたもの、ウレタンフォームなどの薄いシートと織
物とをはり合わせたもの)などがあげられる。さらに、
本発明において、布として、編物製品(平編み、ゴム
編、パール編などによって編んだもの)、毛布(綿毛
布、化繊もしくは合繊毛布、毛製毛布など)、敷物(だ
んつう、フックドラッグなどの毛製、シェニールカーペ
ット、コットンラグラグ、コットンヤーンラッグなどの
綿製)なども使用できる。なお、本発明では、これらの
布には、基材に短繊維などを植毛したものも包含され
る。
【0019】また、網としては、それ自体公知方法で編
んだものが使用でき、防汚塗膜を形成した網の使用に際
しては、水中構造物の浸水部分の全面に均一に被覆する
ことが最も好ましいが、該浸水部分全面にわたって均一
に万遍なく、該浸水部分の50%以上、特に80%以上
の面積が網の素材によって被覆されていることが好まし
い。網を2重以上重ねて使用するのが最も好ましい。
【0020】また、多孔質シートとしては、水の流出入
が容易に行われる程度の空隙気泡を有するシートが使用
でき、たとえばウレタンフォーム、発泡ポリスチレン、
発泡ポリエチレンなどがあげられ、これらは標準セル数
5〜20個/25mm2 が好ましい。
【0021】上記布、網又は多孔質シートに硬化被膜を
形成して防汚性材料を得るための反応硬化型シリコーン
樹脂含有防汚塗料は、室温で、もしくは加熱によって硬
化するか、又は紫外線(または電子線)照射などによっ
て化学的に反応して硬化する反応硬化型シリコーン樹脂
を主成分とする防汚塗料である。該反応硬化型シリコー
ン樹脂としては、硬化反応性官能基および有機基がSi
に直接結合したオルガノポリシロキサンが挙げられる。
硬化反応性官能基としては水酸基、炭素数1〜5のアル
コキシ基などがあり、有機基としてはメチル基、エチル
基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ル基、ハロアルキル基、フェニル基などが挙げられる。
【0022】また上記反応硬化型シリコーン樹脂として
は、上記オルガノポリシロキサンに、加水分解可能な基
(例えばアセトキシ基、ケトキシム基など)を有する多
官能シラン化合物などの架橋剤や、亜鉛、鉄、コバル
ト、スズなどのオクチル酸塩、ナフテン酸塩、過酸化
物、有機アミンなどの硬化触媒を含有したものも包含さ
れる。
【0023】上記反応硬化型シリコーン樹脂は、室温も
しくは加熱することによって、加水分解、脱アルコー
ル、脱酢酸、脱ヒドロキシルアミン反応などによって硬
化することができる。また、上記オルガノポリシロキサ
ンとして、ビニル基、γ−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピル基などの重合性不飽和基を有するものを用いた
場合には電子線または紫外線の照射により硬化させるこ
とができる。紫外線照射の場合は光重合開始剤を添加す
る必要がある。
【0024】上記防汚塗料の主成分である反応硬化型シ
リコーン樹脂の具体例としては、KE42RTV、KE
44RTV、KR2706、KE45TS(これらはい
ずれも信越化学工業(株)製、商品名)、SE914
0、SH237(これらは東レダウコーニングシリコー
ン社製、商品名)、FSXR−2622(Dow. Corning
社製、商品名)等が挙げられる。
【0025】上記防汚塗料としては、防汚性の点からな
かでも樹脂分として、上記反応硬化型シリコーン樹脂5
0〜99重量%および下記一般式〔1〕
【0026】
【化3】
【0027】〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表わし、R
1 はエーテル基、エステル基又は−NH−を介在しても
よい炭素数1〜40の2価脂肪族炭化水素基を表わし、
2 は、水素原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
表わし、x及びyはそれぞれ0.01≦x<3.99、
0.01≦y<3.99で且つ0.02≦x+y<4で
ある。〕で表わされる数平均分子量250〜30,00
0及び粘度20〜50,000センチストークスの、炭
素原子に直接結合するヒドロキシル基又はアルコキシ基
を有するシリコーン樹脂(以下、「変性シリコーン樹
脂」と略称する。)1〜50重量%を含有するものが好
ましい。
【0028】上記変性シリコーン樹脂は、250〜3
0,000、好ましくは1,000〜20,000の範
囲の数平均分子量を有するものであり、また0.1〜5
0重量%の範囲のアルコキシ基又は水酸基(−OR2
基)含有量であることが好ましい。さらにこのアルコキ
シ基としてはメトキシ基又はエトキシ基であることが好
ましい。R1 の好ましい例としてポリオキシエチレン構
造やポリオキシプロピレン構造を有するものが挙げられ
る。
【0029】上記変性シリコーン樹脂の市販品として
は、例えば、KF3516、KF353(これらはいず
れも信越化学工業(株)製、商品名)をはじめ、SH3
749、BX16−034、SH8400(東レダウコ
ーニングシリコーン社製、商品名)やXF3940、X
F3949(東芝シリコーン(株)製、商品名)などが
挙げられる。
【0030】前記反応硬化型シリコーン樹脂と上記変性
シリコーン樹脂との配合割合は樹脂成分中、前者が50
〜99重量%、後者が1〜50重量%であることが好ま
しく、さらには前者が70〜98重量%、後者が2〜3
0重量%の範囲であることがより適している。
【0031】本発明において用いられる防汚塗料は、上
記樹脂成分以外に必要に応じて塩素化パラフィン、固形
パラフィン、流動パラフィン等を該塗料不揮発分100
重量部に対し約10重量部以下の範囲で配合することが
でき、さらに、要求される塗膜性能に応じて、体質顔
料、着色顔料、防食顔料等の顔料類;可塑剤、タレ止め
剤及び防汚剤等を配合することができる。
【0032】前記布、網又は多孔質シートへの上記防汚
塗料の塗装は、例えばスプレー塗り、浸漬塗り、ロール
塗り、ハケ塗りなど公知の塗装手段を利用することがで
きる。防汚塗料の塗布量は、布、網又は多孔質シートに
よって被覆される水中構造物表面に対して乾燥被膜重量
が1〜5,000g/m2、好ましくは50〜2,000g/
m2の範囲となる量であることが適当である。防汚塗膜の
乾燥は特に限定されるものではないが、通常、常温〜1
30℃の温度で行なうことができる。防汚塗料が電子線
または紫外線硬化型である場合には電子線または紫外線
を照射することによって硬化被膜を形成することができ
る。
【0033】本発明において、上記の防汚塗料の硬化被
膜を形成した布、網ならびに多孔質シートである防汚性
材料は、水中構造物表面に、一枚で又は同種のものもし
くは異種のものを二枚以上重ねて厚さが1mm以上、好ま
しくは2〜1,000mmの範囲になるように貼着させる
ことが好ましい。厚さが1mmより薄くなると水中生物の
付着を防止することが困難である。また、これら貼着
は、布、網ならびに多孔質シートの裏面および(また
は)水中構造物表面に接着剤または塗料を塗布してお
き、水中構造物に貼着することによって行なうことがで
きる。
【0034】接着剤ならびに塗料は常温で乾燥硬化し、
かつ耐水性ならびに防食性のすぐれた塗膜を形成するも
のを用いることが好ましく、接着剤としては例えばエポ
キシ樹脂系、フェノール樹脂系、ブチラール樹脂系、塩
化ビニル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、天然合成ゴム系、
ポリウレタン系、アクリル樹脂系などの有機溶液形接着
剤、酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、合成ゴム系な
どの水性形接着剤などが使用でき、塗料としては例えば
アルキド樹脂系ジンクリッチ塗料、エポキシ樹脂系ジン
クリッチ塗料、無機質系ジンクリッチ塗料、エポキシ樹
脂系ノンジンク塗料、タールエポキシ系塗料、塩化ゴム
系塗料、塩化ビニル樹脂系塗料などが用いられる。これ
らの接着剤ならびに塗料を水中構造物表面に塗布するに
あたって、該表面を清浄にし、必要ならばプライマーな
どをあらかじめ塗装しておくことが好ましく、そして該
接着剤および塗料の塗装膜厚は乾燥塗膜にもとづいて1
0μm 以上が適している。
【0035】
【実施例】実施例により本発明をより具体的に説明す
る。防汚塗料の製造 製造例 後記表1に示す配合組成の防汚塗料S−1〜S−7およ
びT−1(比較用)を得た。S−1〜S−7は反応硬化
型シリコーン樹脂含有防汚塗料であり、T−1は非反応
型シリコーン樹脂系防汚塗料である。
【0036】表1における(註)は以下のとおりであ
る。 (注1)KE42RTV:信越化学工業(株)製、反応
硬化型シリコーン樹脂、商品名。 (注2)SH237:東レダウコーニングシリコーン社
製、反応硬化型シリコーン樹脂、商品名。 (注3)KF96H−10万:信越化学工業(株)製、
非反応性ストレートシリコーンオイル、商品名。
【0037】(注4)KF3561:信越化学工業
(株)製、アルコキシル基含有シリコーン樹脂、前記一
般式〔1〕に相当する樹脂、商品名。 (注5)SH8400:東レダウコーニングシリコーン
社製、アルコキシル基含有シリコーン樹脂、前記一般式
〔1〕においてR1 部分がポリオキシエチレン構造を有
する樹脂、商品名。
【0038】(注6)SF8428:東レダウコーニン
グシリコーン社製、水酸基を含有するシリコーン樹脂、
商品名。 (注7)ISI4700:東芝シリコーン社製、アミノ
基を含有するシリコーン樹脂、商品名。 (注8)XI42−411:東芝シリコーン社製、カル
ボキシル基を含有するシリコーン樹脂、商品名。 (注9)エロジル# 200:日本アエロジル社製、シリ
カ微粉末、商品名。
【0039】実施例1 ポリウレタンフォームのシート(厚さ10mm)に防汚塗
料S−1をスプレー塗装し、室温で7日間硬化させて硬
化被膜を形成し、防汚性材料を得た。別に3.2×10
0×300mmのサンドブラスト処理鋼板にジンクエポキ
シ系ショッププライマーを乾燥膜厚約15μm となるよ
うに塗装、乾燥し、この上にエポキシ系塗料を乾燥膜厚
約200μm となるように塗装、乾燥させて塗装板を得
た。この塗装板のエポキシ系塗料塗膜上に、得られた防
汚性材料を接着剤にて貼着して防汚性材料被覆板を得
た。塗装板表面に対する防汚塗料S−1の乾燥皮膜重量
は480g/m2であった。
【0040】実施例2 実施例1において、防汚塗料S−1のかわりに防汚塗料
S−3を使用する以外は実施例1と同様に行ない防汚性
材料被覆板を得た。
【0041】実施例3 実施例1において、防汚塗料S−1のかわりに防汚塗料
S−5を使用する以外は実施例1と同様に行ない防汚性
材料被覆板を得た。
【0042】比較例1 実施例1で使用した塗装板のエポキシ系塗料塗膜上にエ
ポキシ系プライマーを塗装、乾燥し、その上に防汚塗料
S−1を乾燥皮膜重量が480g/m2となるようにスプレ
ー塗装し室温で7日間乾燥させて防汚塗料による被覆板
を得た。
【0043】比較例2 実施例1において防汚塗料を塗装しない以外は実施例1
と同様に行ないポリウレタンフォームによる被覆板を得
た。
【0044】比較例3 実施例1において、防汚塗料S−1のかわりに防汚塗料
T−1を塗装する以外は実施例1と同様に行ない防汚塗
料を塗布したウレタンフォームによる被覆板を得た。
【0045】実施例4〜10および比較例4〜6 実施例1において、防汚性材料として後記表2に示すも
のを使用し、処理鋼板表面に対する防汚塗料の乾燥皮膜
重量を表2に示すとおりとする以外は実施例1と同様に
行なって防汚性材料被覆板を得た。表2中における
(註)は以下のとおりである。 (注10)不織布:三共理化学社製「ケンマロン」(商
品名)。
【0046】実施例11 さび止め塗料を塗装した金網(線径1mm、網目の大きさ
5×5mm)を3枚重ねて、実施例1で使用した塗装板の
エポキシ系塗料塗膜上に金網がのるように塗装板に結束
後、このものに浸漬塗装によって防汚塗料S−1を塗装
して防汚性材料被覆板を得た。塗装板表面に対する防汚
塗料S−1の合計の乾燥皮膜重量は1,440g/m2であ
った。
【0047】実施例12 ポリプロピレン製の網(線径0.3mm、網目20メッシ
ュ)を4枚重ねて、実施例1で使用した塗装板のエポキ
シ系塗料塗膜上に網がのるように塗装板に巻きつけて結
束後、このものに浸漬塗装によって防汚塗料S−2を塗
装して防汚性材料被覆板を得た。塗装板表面に対する防
汚塗料S−2の合計の乾燥皮膜重量は1,920g/m2
あった。
【0048】実施例13 合成繊維糸を平面的かつ立体的に絡ませて集積し、その
糸の交叉接点を接着してなる多孔網構造物を実施例1で
使用した塗装板のエポキシ塗膜上に固着した後、このも
のに浸漬塗装によって防汚塗料S−3を塗装し、厚さ1
0mmの防汚性材料を有する防汚性材料被覆板を得た。塗
装板表面に対する防汚塗料S−3の乾燥皮膜重量は49
0g/m2であった。
【0049】比較例7 実施例11において防汚塗料を塗装しない以外は実施例
11と同様に行ない金網による被覆板を得た。
【0050】比較例8 実施例11において防汚塗料S−1のかわりに防汚塗料
T−1を使用する以外は実施例11と同様に行ない防汚
塗料を塗布した金網による被覆板を得た。
【0051】試験方法 上記実施例および比較例で得た被覆板である各試験片を
三重県鳥羽湾内に浸漬した後の防汚性能を浸漬12カ月
および24カ月の時点で調査した。結果を後記表3に示
す。評価は下記に従って行なった。 ◎;水中生物の付着が認められない。 ○;水中生物の付着面積が10%未満。 △;水中生物の付着面積が10%以上、30%未満。 ×;水中生物の付着面積が30%以上。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明方法は、反応硬化型シリコーン系
防汚塗料の硬化被膜を形成した布、網又は多孔質シート
で水中構造物表面を被覆するものであるが、シリコーン
系防汚塗料被膜の防汚性能と布、網又は多孔質シートの
形状による防汚性能とが相乗的に機能し、水中生物が水
中構造物表面に付着するのを効果的に防止できたもので
ある。
【0056】本発明方法においては、防汚剤を用いなく
てもよく、用いない場合には従来の防汚剤を用いる方法
に比べ、人体ならびに魚貝類に対して極めて安全であ
り、しかも水域を汚染することもない。本発明方法にお
いて、防汚塗料が反応硬化型シリコーン樹脂と一般式
〔1〕で表わされる変性シリコーン樹脂とを含有する塗
料である場合には、その硬化被膜が微細でしかも均一な
親水/疎水、疎水/疎水のミクロモザイク構造を呈する
ので、その表面へのタンパク質の吸着を更に一層抑制す
る効果を有し、又生物付着防止も、更に長期間阻止でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の置換が容易に起こる空隙部を有する
    布、網又は多孔質シートに反応硬化型シリコーン樹脂含
    有防汚塗料の硬化被膜を形成してなる防汚性材料にて、
    水中構造物表面を該防汚性材料の厚さが1mm以上となる
    ように被覆することを特徴とする水中構造物表面に水中
    生物が付着するのを防止する方法。
  2. 【請求項2】 反応硬化形シリコーン樹脂含有防汚塗料
    が、樹脂成分として、反応硬化形シリコーン樹脂50〜
    99重量%および下記一般式〔1〕 【化1】 〔式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、
    アリール基又はアラルキル基を表わし、R1 はエーテル
    基、エステル基又は−NH−を介在してもよい炭素数1
    〜40の2価脂肪族炭化水素基を表わし、R2 は、水素
    原子又は炭素数1〜6の低級アルキル基を表わし、x及
    びyはそれぞれ0.01≦x<3.99、0.01≦y
    <3.99で且つ0.02≦x+y<4である。〕で表
    わされる数平均分子量250〜30,000及び粘度2
    0〜50,000センチストークスの、炭素原子に直接
    結合するヒドロキシル基又はアルコキシ基を有するシリ
    コーン樹脂1〜50重量%を含有することを特徴とする
    請求項1記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10316933A (ja) * 1997-03-14 1998-12-02 Kansai Paint Co Ltd 防汚塗料組成物
JP2011524268A (ja) * 2008-05-29 2011-09-01 ブルースター・シリコーンズ・フランス 防汚特性を有し、水中用途、特に海洋用途に用いるための物品

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JP2011524268A (ja) * 2008-05-29 2011-09-01 ブルースター・シリコーンズ・フランス 防汚特性を有し、水中用途、特に海洋用途に用いるための物品

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