JPH07240301A - 抵抗及びこのトリミング方法 - Google Patents

抵抗及びこのトリミング方法

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JPH07240301A
JPH07240301A JP6055024A JP5502494A JPH07240301A JP H07240301 A JPH07240301 A JP H07240301A JP 6055024 A JP6055024 A JP 6055024A JP 5502494 A JP5502494 A JP 5502494A JP H07240301 A JPH07240301 A JP H07240301A
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JP
Japan
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trimming
resistance value
resistor
resistance
value
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JP6055024A
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Hideya Maki
秀哉 牧
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短いトリミング時間で精度の高いトリミング
が可能な方法を提供する。 【構成】 円筒状絶縁基体2の外周面の抵抗体膜3をト
リミングして一対の電極4、5の抵抗値を所望抵抗値に
する際に、所望抵抗値よりも低い抵抗を用意し、これを
回転すると共に軸方向に移動しつつ刃又はサンドブラス
トでトリミングを進める。所望抵抗値よりも幾らか低い
値になったら抵抗の回転速度を下げて所望抵抗値までト
リミングを進める。回転速度を下げるとトリミング溝2
4の傾きが変化し、トリミング溝24の長さの変化に対
する抵抗値の変化が小さくなり、量産時のバラツキが少
なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属皮膜、酸化金属皮
膜、炭素皮膜等の抵抗体膜を備えた抵抗及びこのトリミ
ング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の典型的な皮膜抵抗器(以下、抵抗
と言う)は、アルミナ等の円筒型絶縁基体と、この表面
にスパッタ、蒸着、無電解メッキ、塗布等によって形成
された抵抗体膜と、この両端に設けられた一対の電極
と、絶縁被覆体とから成る。この種の抵抗の値を目標値
にするためには、カッター式トリミング機等によって抵
抗体膜に螺旋状にトリミング溝を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、抵抗の量産
性を高めるために単位トリミング量(長さ)に対する抵
抗値の変化分を大きくすると、抵抗値のバラツキが大き
くなり、許容誤差の小さい抵抗を高い歩留りで作製する
ことができなかった。
【0004】そこで、本発明の目的は許容誤差の小さい
抵抗を比較的短時間のトリミングによって得ることがで
きるトリミング方法及び抵抗を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、円筒状又は円柱状の絶縁基体と、前記絶縁
基体の外周面を被覆するように形成された抵抗体膜と、
前記絶縁基体の両端部において前記抵抗体膜に接続され
た一対の電極とから成り、前記一対の電極間の抵抗値が
所望抵抗値よりも低い値を有している抵抗をトリミング
する方法において、前記抵抗体膜の一部を除去して前記
所定抵抗値を得るためのトリミングを行うためのトリミ
ング手段と前記抵抗との間に前記抵抗の軸を中心にした
相対的回転運動を生じさせると共に前記トリミング手段
と前記抵抗との間に前記抵抗の軸方向の相対的移動を生
じさせて前記所望抵抗値を得るためのトリミングを進
め、前記所望抵抗値よりも低く且つ近い値になった時か
ら後は前記回転運動の速度をそれまでよりも低い値にし
てトリミングを続け、前記所望抵抗値が実質的に得られ
た時に前記トリミング手段によるトリミングを終了させ
ることを特徴とするトリミング方法に係わるものであ
る。また、請求項2に示すように、所望抵抗値に近づい
た時に抵抗の回転を停止させ、軸方向の移動のみを続け
て高精度のトリミングを行うことができる。また、請求
項3に示すように、抵抗の軸を中心にした回転の速度を
時間の経過と共に低下させてトリミングすることができ
る。また、請求項4に示すように、抵抗の軸方向の相対
的移動速度を時間の経過と共に高めてトリミングを進め
ることができる。また、請求項5、6に示すように、第
1のシート抵抗値の第1の部分とこれよりも小さい第2
のシート抵抗値の第2の部分とを備えた抵抗体膜を設
け、第2の部分でトリミングを終了させることができ
る。なお、各請求項における所望抵抗値に近い値は、好
ましくは所望抵抗値の80%以上の値、より好ましくは
90%以上の値、更に好ましくは95%以上の値であ
る。
【0006】
【発明の作用及び効果】各請求項の発明によれば、所望
抵抗値に近い値になるまでは単位トリミング量(長さ)
に対する抵抗値の変化分が大きく、所要時間が短い。近
い値になった後は、単位トリミング量(長さ)に対する
抵抗値の変化分が小さくなるので、抵抗値を許容誤差内
に正確に収めることができる。従って、比較的短時間で
高精度の抵抗を作ることができる。
【0007】
【第1の実施例】次に、図1〜図5を参照して本発明の
第1の実施例に係わる皮膜抵抗のトリミング方法を説明
する。皮膜抵抗1は図2に示すように円筒状アルミナ磁
器から成る耐熱性絶縁基体2の外周面にNi−Pから成
る抵抗体膜3を円筒状に形成し、この両端部に金属キャ
ップから成る第1及び第2の電極4、5を電気的及び機
械的に結合したものから成る。なお、抵抗体膜3はトリ
ミング後に破線で示すように絶縁物6で被覆される。こ
の抵抗1は第1及び第2の電極4、5間の抵抗値が所望
抵抗値(目標抵抗値)R0 よりも低くなるように予め形
成されている。
【0008】図1は抵抗1の抵抗体膜3に螺旋状にトリ
ミング溝を形成することによって所望抵抗値を得るため
のカッター式トリミング装置を示すブロック図である。
円筒型抵抗1の第1及び第2の電極4、5の端面には支
軸7、8が固定され、抵抗1は支軸7、8と共に回転自
在に支持体9に支持されている。軸8には回転用モータ
10が結合され、このモータ10の回転によって抵抗1
が回転する。抵抗1をこの軸方向に移動するために送り
モータ11が設けられ、ここに結合されたリードスクリ
ュー12が支持体9に螺合している。支持体9は回り止
め部材(図示せず)によって回り止めされている。送り
モータ11によってリードスクリュー12が回転する
と、支持体9、抵抗体膜3及び回転用モータ10が軸方
向に移動する。回転用モータ10には速度制御回路13
が接続され、送りモータ11にも速度制御回路14が接
続されている。なお、支軸7、8は支持体9を軸受けと
して回転する。図1では原理的に示されているが、バネ
作用を有して一対の電極4、5を挟持するように構成さ
れている。勿論、支軸7、8を電極4、5に仮固定する
構成又は保持部材によって電極4、5を保持する構成等
にすることができる。要するに、抵抗1を何らかの方法
で回転する回転手段と、抵抗1をこの軸方向に送る移動
手段とを設ければよい。
【0009】抵抗体膜3にトリミング溝を形成するため
のトリミング手段として刃15が設けられ、これが制御
バルブ16を介してエアー源17で制御されている。バ
ルブ16はフィードバック制御装置18によって制御さ
れ、これが開いた時に刃15が抵抗体膜3を削り取る。
トリミング制御を実行するために一対のプローブ19、
20が一対の電極4、5に接触し、抵抗値測定器21に
接続されている。抵抗値測定器21は抵抗1の一対の電
極4、5間の抵抗値を刻々と測定し、測定抵抗値を示す
データを回転及び送り制御回路13、14とフィードバ
ック制御装置18に送る。なお、支軸7、8を導体と
し、これをプローブ19、20の代りに使用することが
できる。
【0010】図1の装置でトリミングを行う時には、図
2に原理的に示すように、矢印22で示すように円筒型
抵抗1をこの軸を中心に回転しつつ矢印23に示すよう
に円筒型抵抗1に軸方向の送りを与えながら刃15によ
って螺旋状のトリミング溝24を形成する。この実施例
では送りモータ11による送り速度はトリミング期間中
一定に保ち、回転用モータ10による抵抗1の回転速度
は図4に示すようにt0 〜t1 区間とt1 〜t2 区間で
異なる値にする。即ち、図4のt0 〜t1 区間では第1
の回転速度N1 で抵抗1を回転してトリミング溝24を
形成すると、図3のP0 位置からP1 位置までの1回転
以上の範囲に等ピッチW1 でトリミング溝24が形成さ
れる。図1の抵抗値測定器21によって所望抵抗値R0
に近い値R1 に達した時点t1 で制御回路13は回転速
度をN2 に低下させるようにモータ10を制御する。こ
れにより、トリミング溝24のパターンがP1 〜P2 区
間に示すように変化し、ピッチがW1 よりも広いW2 に
なる。図4のt2 時点で抵抗1が実質的に所望抵抗値R
0 になったらトリミングを完了させる。t1 時点で回転
速度を下げると、トリミング溝24のピッチがW2 で示
すように大きくなるので、図5に示すように単位リミン
グ量に対する抵抗値の変化分がR1 〜R0 の区間で小さ
くなる。この結果、量産時において所望抵抗値に対する
抵抗値のバラツキが小さくなり、高精度の抵抗を高い歩
留りで得ることができる。
【0011】
【第2の実施例】次に、図6及び図7を参照して第2の
実施例のトリミング方法を説明する。但し、図6及び図
7において、図1〜図5と共通する部分には同一の符号
を付してその説明を省略する。第2の実施例においても
図1のトリミング装置を使用してトリミングする。抵抗
1は図2と同様に形成されており、図6のP1 位置まで
のトリミング溝24の形成は第1の実施例と同一の方法
で形成する。図7のt0 〜t1 で回転速度N1 で抵抗1
を回転し、モータ11で一定の送りを与えてトリミング
し、t1 時点で図6のP1 位置までトリミング溝24を
形成して所望抵抗値R0 に近い値R1 になったらモータ
10による抵抗1の回転を停止し、送りモータ11によ
る矢印23に示す方向の送りのみによってトリミングを
続ける。これにより、P2 までトリミングして所望抵抗
値R0 又は許容範囲の抵抗値が抵抗値測定器21から得
られたらトリミングを完了させる。図6のP1 〜P2 区
間に示すように矢印23に平行に延びるようにトリミン
グ溝24を形成しても抵抗値が幾らか変化し、所望抵抗
値を得ることができる。この時のトリミング量と抵抗値
の関係は図5と同様な傾向になるので、抵抗値のバラツ
キの少ない状態で抵抗を量産することができる。
【0012】
【第3の実施例】次に、図8〜図9を参照して第3の実
施例のトリミング方法を説明する。但し、図8〜図9に
おいて図1〜図5と共通する部分には同一の符号を付し
てその説明を省略する。この実施例においても図1のト
リミング装置を使用してトリミングする。モータ10に
よる抵抗1の回転速度は図8に示すように時間の経過と
共に徐々に低下させる。一方、送りモータ11による抵
抗1の矢印23に示す方向への送りは一定に保つ。これ
により、トリミング溝24は図9に示すようにピッチが
徐々に増大するように形成される。図8のt1 時点で所
望抵抗値R0 に近い値R1 になった後は回転速度が図4
と同様に低いので単位トリミング量に対する抵抗値の変
化分が小さくなり、量産時における抵抗値のバラツキが
小さくなる。
【0013】
【第4の実施例】第4の実施例のトリミング方法では、
図1と同一のトリミング装置を使用してモータ11によ
る抵抗1の軸方向移動速度(送り速度)を図10に示す
ように時間の経過と共に増大させている。一方、モータ
10による抵抗1の回転速度は一定に保つ。これによ
り、図9のトリミング溝24と同様なトリミング溝を形
成することができ、第3の実施例と同様な効果が得られ
る。
【0014】
【第5の実施例】第5の実施例のトリミング方法では図
1と同一のトリミング装置を使用してモータ11による
抵抗1の軸方向移動速度(送り速度)を図11に示すよ
うにt1時点でS1 からこれよりも高いS2 に切り換え
る。即ち、第1の実施例において回転速度をN1 からN
2 に切り換えた代りに、所望抵抗値R0 に近い値R1 に
なったら送り速度を早める。これにより、抵抗1の軸方
向に対するトリミング溝24の傾斜角度が急になり、第
1の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0015】
【第6の実施例】次に、図12〜図14を参照して本発
明の第6の実施例の抵抗31を説明する。図12の抵抗
1aはアルミナ磁器から成る円筒型絶縁基体2の外周面
上にスパッタでNi−P皮膜から成る第1の抵抗体膜3
aを形成し、この中央部分を除いた両側の表面上にAg
−Pd抵抗体ペーストを塗布して焼付けて第2の抵抗体
膜3bを形成し、この第2の抵抗体膜3bに金属キャッ
プから成る第1及び第2の電極4、5を半田(図示せ
ず)で結合したものである。第2の抵抗体膜3bのシー
ト抵抗は第1の抵抗体膜3aのシート抵抗よりも小さな
値を有する。また、絶縁基体2の外周面における第1の
抵抗体膜3aのみの第1の領域Aは比較的高い第1のシ
ート抵抗を有し、第1及び第2の抵抗体膜3a、3bが
積層された複合領域からなる第2の領域B1 、B2 は第
1のシート抵抗よりも低い第2のシート抵抗を有する。
【0016】トリミング溝24を形成する前の第1及び
第2の電極4、5間の抵抗値は所望抵抗値R0 よりも低
く設定されている。トリミングは図1と同一のトリミン
グ装置で行う。この際、抵抗1aを第1の実施例と同様
に矢印23に示すように軸方向に一定の速度で送り、且
つ矢印23で示すように軸を中心に一定速度で回転しつ
つトリミングを進める。トリミング溝24の形成開始点
は第1の領域Aとし、所望抵抗値R0 よりも少し低い値
R1 に達した時に第2の領域Bに至るように進める。な
お、トリミング溝24は、第1の領域Aにおいては第1
の抵抗体膜3aを削り取り、第2の領域Bにおいては第
1及び第2の抵抗体膜3a、3bの両方を削り取るよう
に形成する。
【0017】図13に示すように螺旋状に形成されたト
リミング溝24のトリミング開始位置P0 と第2の領域
B1 のトリミング開始位置P1 と第2の領域B1 でのト
リミング終了位置P2 と抵抗値の関係は図14に示す通
りである。図14の横軸のトリミング量はトリミング溝
24の長さを示す。これから明らかなように、第1の領
域Aでの単位トリミング量(単位長さ)に対する抵抗値
の変化分は比較的大きく、第2の領域Bでの単位トリミ
ング量(単位長さ)に対する抵抗値の変化分は第1の領
域Aのそれよりも小さい。このため、量産時における抵
抗値のバラツキを小さくすることができ、抵抗値の許容
範囲の狭い高精度抵抗を高い歩留りで得ることができ
る。また、第1の領域Aでの単位トリミング量に対する
抵抗値変化が大きいので、トリミングの高速性を確保す
ることができる。
【0018】なお、第6の実施例では抵抗1aの回転速
度を一定に保ってトリミングを進めたが、第1、第2、
及び第3の実施例に示すように抵抗1aの回転速度に変
化を与えてトリミングを行うようにしてもよい。このよ
うにすれば、回転速度の低下に基づくトリミング量に対
する抵抗値の変化分の減少作用と第2の領域Bによるト
リミング量に対する抵抗値の変化分の減少作用との両方
が得られ、トリミング量に対する抵抗値の変化分が極め
て小さくなり、バラツキの少ないトリミングが可能にな
る。また、図12の抵抗1aのトリミングにおいて、第
4及び第5の実施例と同様に矢印23に示す方向の移動
速度を所望抵抗値R0 に近い値R1 になった時即ちP1
位置又はこの近傍になった時にそれまでよりも高めてト
リミング溝24の傾きを急にしてもよい。
【0019】
【第7の実施例】次に、図15及び図16を参照して第
7の実施例の抵抗1b及びこのトリミング方法を説明す
る。但し、図15及び図16において図12及び図13
と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略
する。この実施例では円筒型絶縁基体2の外周面中央に
Ag−Pdから成る第2の抵抗体膜3bが形成され、こ
の上面を含む絶縁基体2の外周面全体にNi−Pから成
る第1の抵抗体膜3aが形成されている。第2の抵抗体
膜3bのシート抵抗及び抵抗率は第1の抵抗体膜3aの
それよりも低い。第1の抵抗体膜3aから成る第1の領
域Aのシート抵抗及び平均的抵抗率は第1及び第2の抵
抗体膜3a、3bの積層領域から成る第2の領域Bのそ
れよりも高い。第1及び第2の電極4、5は第1の抵抗
体膜3aに半田で接続されている。
【0020】トリミング方法は第6の実施例と同様であ
って、第1の領域AのP0 位置からトリミングを開始
し、所望抵抗値R0 近い値R1 になった時に第1及び第
2の領域A、Bの境界位置P1 に至るようになし、第2
の領域B内の位置P2 でトリミングを終了させる。これ
により、第6の実施例と同一の作用効果を得ることがで
きる。なお、図15の抵抗1bにおいても第2〜第4の
実施例の方法でトリミングを行うことができる。
【0021】
【第8の実施例】次に、図17を参照して第8の実施例
のトリミング方法を説明する。但し、図17においてこ
の実施例では図12〜図16と共通する部分には同一の
符号を付してその説明を省略する。図17では図1の装
置でトリミングする際に、所望抵抗値R0 が得られるま
では抵抗1bの矢印23で示す軸方向の移動を停止し、
矢印22で示す方向の回転のみを与えてトリミングを進
め、所望抵抗値R0 よりも少し低い値R1 まで至ったら
回転は維持して矢印23で示す軸方向の移動を開始す
る。これにより、トリミング量(長さ)に対する抵抗値
の変化分(変化率)が小さくなり、高精度なトリミング
が可能になる。なお、図17においてP1aは矢印23で
示す軸方向移動を開始した時の位置を示し、P1bは第2
の領域Bに入る位置を示し、P2 は所望抵抗値になった
位置を示す。P1b〜P2 区間はトリミング量に対する抵
抗値の変化分が最も小さい部分であり、量産時における
抵抗値のバラツキを第6及び第7の実施例と同様の作用
効果を得ることができる。
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 図12に示す抵抗1aにおいても図17の第8
の実施例と同一のトリミング方法を採用することができ
る。 (2) 第1〜第8の実施例の基体2を円柱状にするこ
とができる。 (3) 第6〜第8の実施例の抵抗1a、1bの基体2
を角柱状、又は楕円状又は平板状等にすることができ
る。基体2を表面が平坦な絶縁性基板とする場合には、
この上に抵抗体膜3a、3bと第1及び第2の電極4、
5を設けた抵抗を用意し、抵抗体膜を除去するための刃
又はサンドブラストのノズル等のトリミング手段と抵抗
との間にX軸方向とY軸方向との相対的運動を生じさせ
る駆動手段を設ける。即ち、図17を例にとれば、矢印
23の方向の送りを与える機構をX軸駆動装置とし、矢
印22の回転の代りにY軸方向に移動するものをY軸駆
動装置とする。そして、トリミングの開始から所望抵抗
値R0 に近い値R1 になるまではY軸方向に抵抗又はト
リミング手段を移動し、矢印23で示すX軸方向の抵抗
又はトリミング手段の相対的移動は停止させるか又は低
速とする。これにより、トリミング量に対する抵抗値の
変化分は大きくなり、高速でトリミングを進めることが
できる。所望抵抗値R0に近い値R1 に達したら、X軸
方向の相対的移動速度を早める。これにより、図17の
P1a〜p2 区間と同様にY軸に対して傾いたトリミング
溝が形成され、トリミング量に対する抵抗値変化分が低
下し、各実施例と同様に量産時における抵抗値のバラツ
キが小さくなる。なお、P1a〜P2 区間ではY軸方向の
移動を停止し、トリミング溝をX軸方向(一対の電極を
結ぶ方向)に形成してもよい。このように形成しても抵
抗値の変化が生じる。 (4) 図12及び図15では第1及び第2の領域A、
Bを左右対称に配置しているが、それぞれを1つのみ設
けて左右非対称にすることもできる。 (5) 抵抗体膜3、3a、3bを削り取ったトリミン
グ溝24を抵抗1、1a、1bに対して1周以下の範囲
に形成することもできる。この場合でも第1及び第2の
電極4、5間のトリミング溝24の配置の変化によって
抵抗値が変化する。 (6) トリミングを刃で抵抗体膜3、3a、3bを削
り取る代りに、サンドブラスト、レーザビーム等で除去
してもよい。また、トリミング溝24を形成する代り
に、これに相当する部分をレーザビームによる加熱等で
絶縁化してもよい。 (7) 抵抗体膜3、3a、3bとしてNi−P、Ag
−Pdの代りに、Ta系抵抗材料、Ni−Cr−Si系
抵抗材料、RuO2 等を使用することができる。即ち、
種々の金属皮膜抵抗、酸化金属皮膜抵抗、炭素皮膜抵抗
とすることができる。また、抵抗体膜3、3a、3bは
蒸着、スパッタ、メッキ、塗布、印刷等の種々の方法で
形成することができる。 (8) 円筒状絶縁基体2の中空部の壁面にも抵抗体膜
を設けること又は中空部に抵抗体を充填することもでき
る。この場合には一対の電極4、5によって内側と外側
の抵抗体が並列接続された状態になり、抵抗値の小さい
ものを提供することができる。 (9) 電極4、5はキャップとせずに、導体層として
もよい。また、図12の構成の場合にはAg−Pdから
成る第2の抵抗体膜3bの一部を電極として使用しても
よい。 (10) 図12及び図15において第1及び第2の抵
抗体膜3a、3bの上下関係を逆にすることができる。 (11) 絶縁物6の被覆を形成した後に、この上から
トリミングすることもできる。 (12) 抵抗1、1a、1bを回転及び直線運動させ
る代りに、トリミング用の刃15又はサンドブラストの
ノズル等のトリミング手段を回転及び直線運動又はY軸
及びX軸運動させてもよい。また、抵抗を回転(又はY
軸)又は直線(又はX軸)運動させ、刃15等のトリミ
ング手段を直線(又はX軸)又は回転(Y軸)運動させ
てもよい。即ち、抵抗とトリミング手段との両方の運動
によって所定パターンのトリミングを行うことができ
る。。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例のトリミング装置を原理的に示す
ブロック図である。
【図2】第1の実施例の抵抗を示す断面図である。
【図3】図2の抵抗を抵抗体膜及び電極の厚さを省いて
示す斜視図である。
【図4】第1の実施例のトリミングの時間と回転速度と
の関係を示す図である。
【図5】第1の実施例のトリミング量(長さ)と抵抗値
との関係を示す図である。
【図6】第2の実施例の抵抗を抵抗体膜及び電極の厚さ
を省いて示す斜視図である。
【図7】第2の実施例のトリミング時間と回転速度との
関係を示す図である。
【図8】第3の実施例におけるトリミング時間と回転速
度との関係を示す図である。
【図9】第3の実施例の抵抗を抵抗体膜及び電極の厚み
を省いて示す斜視図である。
【図10】第4の実施例のトリミング時間と抵抗の軸方
向移動速度との関係を示す図である。
【図11】第5の実施例のトリミング時間と抵抗の軸方
向移動速度との関係を示す図である。
【図12】第6の実施例の抵抗の断面図である。
【図13】第6の実施例の抵抗を抵抗体膜及び電極の厚
さを省いて示す斜視図である。
【図14】第6の実施例のトリミング量(長さ)と抵抗
値との関係を示す図である。
【図15】第7の実施例の抵抗を示す断面図である。
【図16】第7の実施例の抵抗を抵抗体膜及び電極の厚
さを省いて示す斜視図である。
【図17】第8の実施例の抵抗を示す平面図である。
【符号の説明】
1 抵抗 2 絶縁基体 3 抵抗体膜 4、5 電極 24 トリミング溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状又は円柱状の絶縁基体と、前記絶
    縁基体の外周面を被覆するように形成された抵抗体膜
    と、前記絶縁基体の両端部において前記抵抗体膜に接続
    された一対の電極とから成り、前記一対の電極間の抵抗
    値が所望抵抗値よりも低い値を有している抵抗をトリミ
    ングする方法において、 前記抵抗体膜の一部を除去して前記所定抵抗値を得るた
    めのトリミングを行うためのトリミング手段と前記抵抗
    との間に前記抵抗の軸を中心にした相対的回転運動を生
    じさせると共に前記トリミング手段と前記抵抗との間に
    前記抵抗の軸方向の相対的移動を生じさせて前記所望抵
    抗値を得るためのトリミングを進め、前記所望抵抗値よ
    りも低く且つ近い値になった時から後は前記回転運動の
    速度をそれまでよりも低い値にしてトリミングを続け、
    前記所望抵抗値が実質的に得られた時に前記トリミング
    手段によるトリミングを終了させることを特徴とするト
    リミング方法。
  2. 【請求項2】 円筒状又は円柱状の絶縁基体と、前記絶
    縁基体の外周面を被覆するように形成された抵抗体膜
    と、前記絶縁基体の両端部において前記抵抗体膜に接続
    された一対の電極とから成り、前記一対の電極間の抵抗
    値が所望抵抗値よりも低い値を有している抵抗をトリミ
    ングする方法において、 前記抵抗体膜の一部を除去して前記所定抵抗値を得るた
    めのトリミングを行うためのトリミング手段と前記抵抗
    との間に前記抵抗の軸を中心にした相対的回転運動を生
    じさせると共に前記トリミング手段と前記抵抗との間に
    前記抵抗の軸方向の相対的移動を生じさせて前記所望抵
    抗値を得るためのトリミングを進め、前記所望抵抗値よ
    りも低く且つ近い値になった時に前記回転運動を停止さ
    せ、その後は前記軸方向の相対的移動のみでトリミング
    を続け、前記所望抵抗値が実質的に得られた時にトリミ
    ングを終了させることを特徴とするトリミング方法。
  3. 【請求項3】 円筒状又は円柱状の絶縁基体と、前記絶
    縁基体の外周面を被覆するように形成された抵抗体膜
    と、前記絶縁基体の両端部において前記抵抗体膜に接続
    された一対の電極とから成り、前記一対の電極間の抵抗
    値が所望抵抗値よりも低い値を有している抵抗をトリミ
    ングする方法において、 前記抵抗体膜の一部を除去して前記所定抵抗値を得るた
    めのトリミングを行うためのトリミング手段と前記抵抗
    との間に前記抵抗の軸を中心にした相対的回転運動を生
    じさせると共に前記トリミング手段と前記抵抗との間に
    前記抵抗の軸方向の相対的移動を生じさせて前記所望抵
    抗値を得るためのトリミングを進め、この際前記回転の
    速度を時間の経過と共に低下させ、所望抵抗値が得られ
    た時にトリミングを終了させることを特徴とするトリミ
    ング方法。
  4. 【請求項4】 円筒状又は円柱状の絶縁基体と、前記絶
    縁基体の外周面を被覆するように形成された抵抗体膜
    と、前記絶縁基体の両端部において前記抵抗体膜に接続
    された一対の電極とから成り、前記一対の電極間の抵抗
    値が所望抵抗値よりも低い値を有している抵抗をトリミ
    ングする方法において、 前記抵抗体膜の一部を除去して前記所定抵抗値を得るた
    めのトリミングを行うためのトリミング手段と前記抵抗
    との間に前記抵抗の軸を中心にした相対的回転運動を生
    じさせると共に前記トリミング手段と前記抵抗との間に
    前記抵抗の軸方向の相対的移動を生じさせて前記所望抵
    抗値を得るためのトリミングを進め、この際前記相対的
    移動速度を時間の経過と共に速め、前記所望抵抗値が実
    質的に得られた時にトリミングを終了させることを特徴
    とするトリミング方法。
  5. 【請求項5】 所望抵抗値よりも低い抵抗値を有してい
    る抵抗体膜の一部を除去すさせることによって抵抗値を
    調整するトリミング方法において、 第1のシート抵抗値の第1の部分と前記第1のシート抵
    抗値よりも小さい第2のシート抵抗値の第2の部分とを
    備えた抵抗体膜を有する抵抗を用意し、 前記第1の部分からトリミングを開始して前記第2の部
    分でトリミングを終了させることを特徴とするトリミン
    グ方法。
  6. 【請求項6】 所望抵抗値よりも低い抵抗値を有してい
    る抵抗体膜の一部を除去又は絶縁化させることによって
    抵抗値を調整するための抵抗であって、前記抵抗体膜が
    第1のシート抵抗値の第1の部分と前記第1のシート抵
    抗値よりも低い第2のシート抵抗値の第2の部分とを有
    していることを特徴とする抵抗。
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