JPH072402U

JPH072402U - ニット地製ｔシャツ

Info

Publication number: JPH072402U
Application number: JP3685993U
Authority: JP
Inventors: 和彦志賀
Original assignee: 有限会社レリアンス
Priority date: 1993-06-10
Filing date: 1993-06-10
Publication date: 1995-01-13

Abstract

(57)【要約】【目的】型くずれせず、且つおしゃれなデザイン性の
付与されたニット地製Ｔシャツの提供。【構成】首廻り部１、ボディ部２、２’、右袖部３及
び左袖部４の各パーツとして所要の寸法・形状に裁断さ
れたニット地製布地を縫い合せて全体をＴ字状に仕立て
たニット地製ＴシャツＡにおいて、各縫い合せ部８の
内、右背肩部分５から後えり部分６を経由して左背肩部
分７に至る縫い合せ部８を連続して覆うように地糸９と
弾性糸１０を織成してなる細巾伸縮テープＢ一本が縫着
されているニット地製シャツＡ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ニット地製Ｔシャツ、詳しくは、弾性糸を織込んだ細巾伸縮テープを縫着することによって、型くずれを防止すると共におしゃれなデザイン性を付与したニット地製Ｔシャツに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

Ｔシャツは、広げた際にＴ字状に見えるところからその名が付けられた丸首の半袖シャツで、コットン１００％又はコットンとポリエステル混紡のニット地製布地で仕立てられており、安価であって吸収性に優れているので、元来、下着として着用されて来たが、いつの頃からか、カジュアルウェアとしても着用されるようになり、染色されたものや文字、絵柄などがプリントされたものもあり、近年、若者たちを中心に幅広い年代層に愛用されている。

【０００３】周知の通り、Ｔシャツは、首廻り部、ボディ部、右袖部及び左袖部の各パーツとして所要の寸法・形状に裁断されたコットン１００％又はコットンとポリエステル混紡のニット地製布地を縫い合せて全体をＴ字状に仕立てられているが、何度も洗濯すると、各縫い合せ部が他の部分に比較して縮み易く、縫い合せ部がギャザー縫いしたような状態となって、型くずれすることが避けられなかった。特に、薄手のニット地製布地を使用した場合や乱雑な縫製である場合には型くずれが激しい。なお、従来のＴシャツの内には、その両肩部部分の縫い合せ部を覆うように共生地の布テープやバイアス布テープを縫着したものがあるが、これらにあっても洗濯等による型くずれは避けられなかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案者は、Ｔシャツ、特に、カジュアルウェア用Ｔシャツの洗濯等による型くずれを防止すると共におしゃれなデザイン性を付与することを技術的課題とし、思考錯誤的な実験・試作を繰り返した結果、本考案を完成したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記技術的課題は、つぎの通りの本考案によって達成できる、即ち、本考案は、図１〜３に示す通り、首廻り部１、ボディ部２、２’、右袖部３及び左袖部４の各パーツとして所要の寸法・形状に裁断されたニット地製布地を縫い合せて全体をＴ字状に仕立てたニット地製ＴシャツＡにおいて、各縫い合せ部８の内、右背肩部分５から後えり部分６を経由して左背肩部分７に至る縫い合せ部８を連続して覆うように地糸９と弾性糸１０を織成してなる細巾伸縮テープＢ一本が縫着されているニット地製シャツＡである。

【０００６】本考案の実施に当っては、図１に示すように、ニット地製ＴシャツＡの左右袖部４、５表面の袖口廻り部３１、４１の近傍にも、細巾伸縮テープＢを一本宛縫着することができ、また、ニット地製ＴシャツＡにポケット２１を設け、その表面の開口部近傍にも細巾伸縮テープＢ一本を縫着することができる。なお、細巾伸縮テープＢを袖口廻り部近傍に縫着する場合には裏面の裁ちかがり部（図２参照）に対応する位置に縫着することが望しい。さらに、本考案の実施に当っては、図５に示すように、細巾伸縮テープＢの表面に文字１００、図形１０１、柄（例えばライン）の一種又は二種以上が織成によって隆起しているものを用いることができ、また、細巾伸縮テープＢを対象とするニット地製ＴシャツＡの色彩とは異なる色彩のものとすることができる。

【０００７】次に、本考案の構成をより詳しく説明する。先ず、本考案に係るニット地製ＴシャツＡに用いられるニット地製布地は、従来のＴシャツに使用されているものであり、コットン１００％又はコットンとポリエステル混紡のメリヤス編地製やゴム編地製の布地である。なお、常法に従って、ボディ部２、２’、右袖部３、左袖部４及びポケット２１にはメリヤス編地製の布地を用い、首廻り部１にはゴム編地製の布地を用いる。また、必要に応じて、両袖部３、４の袖口廻り部にもゴム編地製の布地を用いる。

【０００８】次に、本考案に用いられる細巾伸縮テープＢは、「細巾ゴム入り織物」とも呼ばれている周知のものであり、ポリエステルやナイロンのウーリ糸を地糸９として、ポリウレタン弾性糸１０が長手方向に並べて織込れている（図３参照）。細巾伸縮テープＢは、地糸９を７０〜１００デニール程度のものとし、且つポリウレタン弾性糸１０を約２８０デニール以下のものとした巾約８〜１５mm程度のものを用いることが好ましい。また、ニット地製ＴシャツＡに用いられているニット地製布地のもつ伸縮度は、通常、１．３〜１．５倍程度であるから、これよりも少し大きい１．５〜１．６倍程度の伸縮度をもつものを選ぶことが好ましい。細巾伸縮テープの伸縮度は、用いられているポリウレタン弾性糸のデニールと本数とによって調節され、所要の伸縮度をもつものが容易に入手できる。細巾伸縮テープＢの表面に文字１００や図形１０１等を織成によって隆起させる手段は、細巾伸縮テープ織成技術の一つとして常用されている。

【０００９】本考案に係るニット地製ＴシャツＡの縫製は、従来のＴシャツ縫製に採られている手段と何等変わるところはない。なお、細巾伸縮テープＢを所定位置に縫着するに当っては、周知の二本針二重環縫ミシンを用いることが好ましく、この場合、二本針の針巾（針落部分）に合せて細巾伸縮テープＢにゴム抜き部９１（図４参照）を形成して置くと縫い上り状態が美しく仕上る。

【００１０】

【作用】

本考案の作用は、次の通りである。本考案に係るニット地製ＴシャツＡは、その右背肩部分５から後えり部分６を経由して左背肩部分７に至る縫い合せ部８を連続して覆うように細巾伸縮テープＢ一本が縫着されているから、該縫い合せ部が保護されていると共に、当該部分の伸縮性が強化されているので、型くずれの発生が可及的に防止される。なお、細巾伸縮テープＢを袖口廻り部３１、４１の近傍やポケット２１の表面開口部近傍に縫着した場合にも、勿論、上記と同様の効果を奏している。また、本考案に係るニット地製ＴシャツＡは、縫着された細巾伸縮性テープＢの存在によってデザイン性が付与されるから、今までとは一味違ったおしゃれを楽しむことができ、細巾伸縮性テープＢの表面に文字１００や図形１０１等が織成によって隆起している場合やテープ自体の色彩がニット地製ＴシャツＡの色彩と異なる場合には、このデザイン性付与作用は一層顕著なものとなる。なお、折畳んだ状態で店頭にディスプレイされる場合にも首廻り部から細巾伸縮テープＢの一部が目視できるので、該部位があたかもラベルの如き役目を果すことになる。

【００１１】

【実施例】

本考案の代表的な実施例を次に示す。先ず、ボディ部２、２’、右袖部３、左袖部４及びポケット２１の各パーツとして３０番手のコットン糸を用いたメリヤス編地製の布地を所定の寸法・形状に裁断したものと首廻り部１のパーツとして３０番手のコットン糸を用いたゴム編地製の布地とを、常法に従ってミシン縫にて縫い合せ、図１、２（同各図には布地の編目は描いていない）に示す通りのＴシャツを仕立てた。なお、このＴシャツの巾方向の伸縮度は約１．４程度である。次に、７０／２デニールのコットン糸を地糸９として２１０デニールのポリウレタン弾性糸１０を長手方向に１０本並べて織成された巾１０mmの細巾伸縮テープＢ（長さ方向の伸縮度約１．６倍）を、所定の長さに切断して、上記ＴシャツＡの右背肩部５から後えり部分６を経由して左背肩部分７に至る縫い合せ部８を連続して覆うように該縫い合せ部に縫着した（図２参照）。また、上記細巾伸縮テープＢを所定の長さに切断して、上記Ｔシャツの各袖口廻り部３１、４１の近傍にリング状に縫着すると共に、ポケット２１の開口部近傍に該ポケットの横巾に一致させて縫着した（図１参照）。上記各細巾伸縮テープＢの縫着は、二本針二重環縫ミシンにて行ない、該二本針の針巾は６mmとした。なお、この細巾伸縮テープＢは、その表面に文字１００と図形１０１とが隆起している。

【００１２】ここに得た本考案に係るＴシャツＡと、比較のため細巾伸縮テープＢを縫着していない以外は前記と同じＴシャツとを、同時に、家庭用渦巻き式洗濯機により約２５℃の水と市販の中性洗剤を使用して約１５分間洗った後、さらに１０分間水洗いし、脱水、自然乾燥する操作を１２回繰返した後、両Ｔシャツの外観を比較したところ、本考案に係るＴシャツＡは殆ど型くずれしていないが、細巾伸縮テープＢが縫着されていないＴシャツは型くずれしていた（特に、首廻り部周辺の型くずれが激しい）。

【００１３】

【効果】

本考案に係るニット地製Ｔシャツは、その首廻り部周辺の特定部位に縫着されている一本の細巾伸縮テープによって該部位の縫い合せ部が連続して覆れているので、洗濯等による型くずれが殆ど生じず、また該縫い合せ部のほつれやもつれが防止できる。また、本考案に係るニット地製Ｔシャツは、縫着されている細巾伸縮性テープの存在によるデザイン性が付与されているので、従来のＴシャツとは一味違ったおしゃれや高級感を楽しむことができる。従って、本考案の産業利用性は非常に大きいといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るニット地製Ｔシャツの正面図

【図２】裏返した状態にある本考案に係るニット地製Ｔ
シャツの背面図

【図３】本考案における細巾伸縮テープの構成を模型的
に示した一部省略拡大平面説明図

【図４】本考案におけるゴム抜き部を形成した細巾伸縮
テープの構成を模型的に示した一部省略拡大平面説明図

【図５】本考案における細巾伸縮テープの表面を模型的
に示した一部省略拡大平面説明図

【符号の説明】

１首廻り部２ボディ部
２’ ボディ部２１ポケット３右袖部３
１袖口廻り部４左袖部４１袖口廻り部５
右背肩部分６後えり部分７左背肩部分８
縫い合せ部９地糸９１ゴム抜き部１０
弾性糸１１裁ちかがり部１００文字１０
１図形Ａニット地製ＴシャツＢ細巾伸縮テープ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】首廻り部、ボディ部、右袖部及び左袖部
の各パーツとして所要の寸法・形状に裁断されたニット
地製布地を縫い合せて全体をＴ字状に仕立てたニット地
製Ｔシャツにおいて、前記Ｔシャツの各縫い合せ部の内、右背肩部分から後え
り部分を経由して左背肩部分に至る縫い合せ部を連続し
て覆うように地糸と弾性糸を織成してなる細巾伸縮テー
プ一本が縫着されていることを特徴とするニット地製Ｔ
シャツ。
【請求項２】ニット地製Ｔシャツの袖部表面の袖口廻
り部近傍に、細巾伸縮テープ一本が縫着されている請求
項１記載のニット地製Ｔシャツ。
【請求項３】ニット地製Ｔシャツに設けたポケット表
面の開口部近傍に、細巾伸縮テープ一本が縫着されてい
る請求項１又は２記載のニット地製Ｔシャツ。
【請求項４】細巾伸縮テープの表面に文字、図形、柄
の一種又は二種以上が織成によって隆起している請求項
１乃至３のいずれかに記載のニット地製Ｔシャツ。
【請求項５】細巾伸縮テープがニット地製Ｔシャツの
色彩とは異なる色彩のものである請求項１乃至４のいず
れかに記載のニット地製Ｔシャツ。