JPH0724011A - 手動式運搬車用ブレーキ装置及び手動式運搬車 - Google Patents

手動式運搬車用ブレーキ装置及び手動式運搬車

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JPH0724011A
JPH0724011A JP5280936A JP28093693A JPH0724011A JP H0724011 A JPH0724011 A JP H0724011A JP 5280936 A JP5280936 A JP 5280936A JP 28093693 A JP28093693 A JP 28093693A JP H0724011 A JPH0724011 A JP H0724011A
Authority
JP
Japan
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wheel
peripheral surface
swing arm
outer peripheral
lock
Prior art date
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Application number
JP5280936A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Hirano
良一 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HIRANO SEIKI KOGYO KK
Original Assignee
HIRANO SEIKI KOGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存の手動式運搬車に取付けることができ
て、その取付けにより前記運搬車の後退移動を有効に阻
止することができるようにする。 【構成】 運搬車本体1を支持する車輪2の径方向に延
びる揺動アーム4と、該揺動アーム4の先端側に結合さ
れて車輪2の外周面に対向するロック体5と、揺動アー
ム4を運搬車本体1に枢着する支持体6とを備え、この
支持体6に揺動アーム4を、該支持体6を運搬車本体1
に取付けたとき、揺動アーム4の揺動支点が車輪2の径
方向内方部位に位置し、かつ、ロック体5が車輪外周面
に対し離反するロック解除位置と、ロック体5が車輪外
周面と接触し、車輪2の回転時、この回転に追従して車
輪外周面に食込むロック位置とに亘って揺動可能に枢着
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車椅子などの手動式運搬
車に使用されるブレーキ装置及びこのブレーキ装置を備
えた手動式運搬車に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車椅子は、身体障害者が搭乗せ
る載台をもった運搬車本体と、該運搬車本体を支持する
一対の弾性をもつ左右車輪とを備え、これら車輪の手動
による駆動操作で、前進したり、後退できるようになっ
ており、また、前記運搬車本体には、安全性のため前記
車輪の前進及び後退回転をロックする駐車ブレーキが設
けられている。従って、車椅子を停止させる場合には、
前記駐車ブレーキの操作で、その停止状態が維持される
のである。また、前記駐車ブレーキを解除して前進した
り、後退させたりする場合、その速度が過剰となった
り、また、停止させるには、前記車輪又は車輪に付設の
操作輪を掴むことにより制動させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】所が、平坦地や下り傾
斜地を進行方向に移動させる場合、前記車輪又は操作輪
を掴むことにより所望の制動が行えるのであるが、上り
傾斜地を進行方向に向かった姿勢で移動したり、或は進
行方向と反対方向に向かった姿勢で移動する場合、その
傾斜がきついと、車輪又は操作輪から進行方向に向かっ
て押し出し操作をする手を外すと、車椅子及び搭乗者の
自重により車椅子が進行方向と反対方向に移動すること
になる。従って、押し出し操作をした後には、押し出し
操作をした両手を素早く戻して車輪又は操作輪を掴み、
前記車輪の反進行方向への回転を阻止する必要があるの
であるが、何人でも押し出し操作をした両手を素早く戻
して車輪又は操作輪を掴むことができるとは限らない
し、また、押し出し操作をした両手を素早く戻して車輪
又は操作輪を掴むことができたとしても、反進行方向に
移動する場合もあるし、また、その操作を繰り返して進
行方向に移動させることになるから、使用者の負担が大
きい問題があった。
【0004】本発明の主たる目的は、既存の手動式運搬
車に取付けることができて、その取付けにより前記運搬
車の反進行方向の移動を有効に阻止することができるブ
レーキ装置を提供する点にあり、また他の目的は、この
ブレーキ装置を備えた手動式運搬車を提供する点にあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
被運搬物を載せる載台11をもった運搬車本体1と、該
運搬車本体1を支持する弾性をもつ車輪2とを備えた手
動式運搬車用ブレーキ装置であって、前記車輪2の径方
向内方部位から外周面外方側に延びる長さをもつ揺動ア
ーム4と、該揺動アーム4の先端側に結合されて前記車
輪2の外周面に対向するロック体5と、前記揺動アーム
4を、前記運搬車本体1に揺動可能に枢着する支持体6
とを備え、この支持体6に前記揺動アーム4を、該支持
体6を前記運搬車本体1に取付けたとき、前記揺動アー
ム4の揺動支点が前記車輪2の径方向内方部位に位置
し、かつ、前記ロック体5が車輪外周面に対し離反する
ロック解除位置と、前記ロック体5が前記車輪外周面と
接触し、前記車輪2の回転時、この回転に追従して車輪
外周面に食込むロック位置とに亘って揺動可能に枢着し
たのである。
【0006】請求項2記載の発明は、被運搬物を載せる
載台11をもった運搬車本体1と、該運搬車本体1を支
持する弾性をもつ車輪2とを備えた手動式運搬車であっ
て、前記車輪2の軸方向一側方で、径方向内方部位に、
この内方部位から外周面外方側に延びる揺動アーム4
と、該揺動アーム4の先端側に結合されて前記車輪2の
外周面に対向するロック体5とを備え、前記揺動アーム
4を前記運搬車本体1で、前記車輪2の径方向内方部位
に、前記ロック体5が車輪外周面に対し離反するロック
解除位置と、前記ロック体5が前記車輪外周面と接触
し、前記車輪2の回転時、この回転に追従して車輪外周
面に食込むロック位置とに亘って揺動可能に取付けたの
である。
【0007】また、請求項3記載の発明は、揺動アーム
4を、該揺動アーム4の先端側に結合したロック体5が
運搬車本体1における車輪2の外周面に対し離反するロ
ック解除位置と、前記ロック体5が前記揺動アーム4の
揺動支点に対し前記車輪2の後退回転方向後方側で車輪
外周面と接触し、前記車輪2の後退回転時、この後退回
転に追従して車輪外周面に食込む後退ロック位置と、前
記揺動支点に対し前記車輪2の前進回転方向前方側で車
輪外周面と接触し、前記車輪2の前進回転時、この前進
回転に追従して車輪外周面に食込む前進ロック位置とに
亘って揺動可能に取付けたのである。
【0008】また、請求項4記載の発明は、運搬車本体
1に、揺動アーム4を揺動操作する操作体10と、前記
揺動アーム4を駐車位置に係止する位置保持体22とを
もつ駐車ブレーキ機構を設けたのである。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明では、前記揺動アーム4
と、該揺動アーム4の先端側に結合されて前記車輪2の
外周面に対向するロック体5と、前記揺動アーム4を、
前記運搬車本体1に揺動可能に枢着する支持体6とを備
えているから、この支持体6を前記運搬車本体1に取付
けることにより、ブレーキ装置を既存の手動式運搬車に
組付けることができるのであり、しかも、前記支持体6
に前記揺動アーム4を、この支持体6を前記運搬車本体
1に取付けたとき、前記揺動アーム4の揺動支点が前記
車輪2の径方向内方部位に位置し、かつ、前記ロック体
5が車輪外周面に対し離反するロック解除位置と、前記
ロック体5が前記車輪外周面と接触し、前記車輪2の回
転時、この回転に追従して車輪外周面に食込むロック位
置とに亘って揺動可能に枢着しているから、前記揺動ア
ーム4をロック位置に動作し、ロック体5を車輪外周面
に接触させるだけの簡単な操作で、進行方向の移動を阻
害することなく、前記運搬車の反進行方向への移動を阻
止できるのである。即ち、車輪2を進行方向に回転させ
る場合には、車輪2の進行方向への回転により前記揺動
アーム4がロック解除位置方向に押されてロック体5と
車輪外周面との間に滑りが生じ、従って、車輪2を通常
通り進行方向に回転させられるのであって、進行方向の
移動は阻害されないし、また、上り傾斜地を移動する場
合において、前記車輪2が反進行方向に回転しょうとす
るとき、前記ロック体5が前記ロック位置で車輪外周面
と接触するから、前記車輪2の反進行方向への回転力に
より前記ロック体5を車輪2の反進行方向への回転に追
従移動させ易いのであり、そして、このロック体5の追
従移動に伴い前記車輪2の反進行方向への回転力が前記
ロック体5から揺動アーム4に伝わって、該揺動アーム
4が車輪の回転に追従して揺動させられるのであり、し
かも、この揺動により、前記ロック体5の車輪外周面へ
の面圧が増大し、この面圧増大で更に前記揺動アーム4
の車輪回転方向への追従揺動が増大し、ついには前記ロ
ック体5が車輪2の外周面に食い込み、前記車輪2の反
進行方向への回転が阻止されることになるのである。従
って、運搬車の反進行方向への移動を有効に阻止できる
のであり、特に車椅子に適用する場合には、殊更両手で
車輪又は操作輪を掴んでその反進行方向への回転を阻止
する必要がなくて、安心して進行方向に移動させること
ができるのである。また、平坦地や下り傾斜地を進行方
向に移動する場合は、前記揺動アーム4をロック解除位
置に位置させることにより、前記ロック体5が車輪外周
面に対し離反することになるので、前記車輪2を進行方
向及び反進行方向に回転させることができ、運搬車を進
行方向に移動及び反進行方向に移動させながら旋回する
こともできるのである。
【0010】また、請求項2記載の発明では、前記ロッ
ク体5が結合された揺動アーム4を運搬車本体1で、前
記車輪2の径方向内方部位に、前記ロック体5が車輪外
周面に対し離反するロック解除位置と、前記ロック体5
が前記車輪外周面と接触し、前記車輪2の回転時、この
回転に追従して車輪外周面に食込むロック位置とに亘っ
て揺動可能に取付けているから、請求項1記載の発明と
同様、前記揺動アーム4をロック位置に動作し、ロック
体5を車輪外周面に接触させるだけの簡単な操作で、進
行方向の移動を阻害することなく反進行方向の移動を阻
止できる安全性の高い手動式運搬車を提供できるのであ
る。
【0011】また、請求項3記載の発明では、揺動アー
ム4を、該揺動アーム4の先端側に結合したロック体5
が運搬車本体1における車輪2の外周面に対し離反する
ロック解除位置と、前記ロック体5が前記揺動アーム4
の揺動支点に対し前記車輪2の後退回転方向後方側で車
輪外周面と接触し、前記車輪2の後退回転時、この後退
回転に追従して車輪外周面に食込む後退ロック位置と、
前記揺動支点に対し前記車輪2の前進回転方向前方側で
車輪外周面と接触し、前記車輪2の前進回転時、この前
進回転に追従して車輪外周面に食込む前進ロック位置と
に亘って揺動可能に取付けて、前記揺動アーム4のロッ
ク位置を、後退ロック位置と前進ロック位置との一方に
選択できるようにしているから、上り傾斜地を進行方向
に向かった前向き姿勢で前進移動する場合でも、また、
進行方向と反対方向に向かった後ろ向き姿勢で後退移動
する場合でも、前記揺動アーム4のロック位置を選択す
るだけの簡単な操作で、進行方向の移動を阻害すること
なく、反進行方向の移動を阻止できるのである。
【0012】また、請求項4記載の発明では、運搬車本
体1に、揺動アーム4を揺動操作する操作体10と、前
記揺動アーム4を駐車位置に係止する位置保持体22と
をもつ駐車ブレーキ機構を設けているから、操作体10
の操作で揺動アーム4をロック位置に対し車輪の後退回
転方向に揺動させて位置保持体22の駐車位置に係止す
ることにより、ロック体5を車輪外周面に強制的に食込
ませて車輪2の前進・後退回転を阻止でき、かつ、前記
ロック体5の食込み状態を維持できて駐車することがで
きるのである。
【0013】
【実施例】図1に示したものは、左右中央部に身体障害
者が搭乗する載台11をもった運搬車本体1と、該運搬
車本体1の後部を支持する弾性をもつ一対の左右車輪2
及びこれら車輪2よりも小径で、かつ、各車輪2に付設
された操作輪(図示せず)と、前記運搬車本体1の前部
で左右中央部に旋回可能に取付けた一つの遊動輪3とを
備えた車椅子Aであって、この車椅子Aにおける前記運
搬車本体1の左右両側にブレーキ装置を組込んだもので
ある。
【0014】しかして、図1、図2に示したブレーキ装
置は、前記左右車輪2の軸方向内側方で、径方向内方部
位に、この内方部位から外周面外方側に延びる揺動アー
ム4と、該揺動アーム4の先端側に結合されて前記車輪
2の外周面に対向する丸ピンから成るロック体5と、前
記揺動アーム4を前記運搬車本体1に揺動可能に枢着す
るようにした支持体6とにより構成されている。
【0015】この支持体6は、図2に示すように一端側
に前記運搬車本体1の左右両側横杆12に嵌合する嵌合
凹部61と、該嵌合凹部61の上下両側に複数個の挿通
孔62とをもち、他端側に枢支孔63をもったプレート
から成り、この支持体6を、前記嵌合凹部61に対向す
る嵌合凹部71と前記各挿通孔62に対応する挿通孔7
2とを持った挟着体7と、前記各挿通孔62、72に挿
通する取付ねじ8とにより前記横杆12に挟着固定する
ようにしており、この支持体6を用いることにより、既
存の車椅子Aにも容易に適用できるのである。
【0016】また、前記揺動アーム4は、図2に示すよ
うにその基端部を、枢支軸9を介して前記支持体6の枢
支孔63に枢着するのであって、この支持体6の横杆1
2への取付位置は、前記揺動アーム4の揺動支点が前記
車輪2の径方向内方部位に位置し、かつ、前記ロック体
5が車輪外周面に対し離反するロック解除位置(図1鎖
線のN位置)と、前記ロック体5が前記揺動アーム4の
揺動支点に対し前記車輪2の後退回転方向後方側で車輪
外周面と接触し、前記車輪2の後退回転時、この後退回
転に追従して車輪外周面に食込むロック位置(図1実線
のY位置)とに亘って揺動可能となる位置とするのであ
る。
【0017】また、前記揺動アーム4は、前記支持体6
を介して前記横杆12に取付けたとき、その先端側が図
1のように前記横杆12に沿って前記運搬車本体1の前
方側に延出するのであって、この延出先端側に、図2の
ように前記ロック体5の一端部を結合している。また、
前記揺動アーム4の先端部と、前記運搬車本体1におけ
る左右両側縦杆13との間には、図1のように前記揺動
アーム4をロック位置方向に付勢する付勢ばね20を設
けて、揺動アーム4をロック位置に動作させたとき、前
記ロック体5が車輪外周面と軽く接触するようにしてい
る。
【0018】また一方、前記支持体6には、図1のよう
に前記揺動アーム4を揺動操作する操作体10を支持し
ている。即ち、揺動アーム4のロック体5よりも更に先
端側に、前記運搬車本体1の前方に向かって延びる杆状
の操作体10を結合して、前記載台11に搭乗した身体
障害者が着座した前向き姿勢で前記操作体10を容易に
揺動操作できるようにしている。また、前記操作体10
は、後記する駐車ブレーキ機構の操作体を兼ねている。
【0019】また、前記運搬車本体1における前方部の
左右両側縦杆14には、図3のように前記操作体10を
前記車輪2の回転方向に案内するガイド孔21と、前記
操作体10が係合して前記揺動アーム4を前記ロック位
置に対し車輪の後退回転方向に揺動させた駐車位置に係
止する係止部21aとをもった位置保持体22を取付
け、この位置保持体22と前記操作体10とで駐車ブレ
ーキ機構を構成している。
【0020】前記位置保持体22は、細長状の板体から
成り、その幅方向一端部を前記縦杆14に着脱可能に取
付けている。また、前記ガイド孔21は、図3に示すよ
うに前記揺動アーム4をロック解除位置からロック位置
に亘って動作させるのに必要な長さよりも所定長さ長く
形成して、そのガイド孔21の一端部に前記係止部21
aを設けて、前記操作体10を前記係止部21aに係合
させることにより、前記ロック体5を車輪外周面に強制
的に食込ませ、かつ、この食込状態を維持し、前記車輪
2の前進回転及び後退回転を阻止して駐車できるように
している。また、第1実施例では、前記ガイド孔21の
他端部に、前記操作体10が係合して前記揺動アーム4
をロック解除位置に保持する凹状保持部21bを設けて
いる。
【0021】尚、図示した車椅子Aには、前記運搬車本
体1の後部から上方に向かって延びるハンドル15が設
けられている。
【0022】次に以上のごとくブレーキ装置を組込んだ
第1実施例の車椅子Aの作動を説明する。
【0023】平坦地や下り傾斜地を移動する場合には、
操作体10を、位置保持体22におけるガイド孔21の
保持部21bに係合させ、前記揺動アーム4をロック解
除位置に位置保持させる。従って、この場合、前記車椅
子Aは、前記ブレーキ装置に係わりなく進行方向に向か
って前進移動又は反進行方向に向かって後退移動させら
れる。また、車椅子Aを上り傾斜地を前向き姿勢で前進
移動させる場合には、前記操作体10を操作し、前記位
置保持体22におけるガイド孔21の保持部21bとの
係合を離脱するのであって、之れにより、前記操作体1
0及び揺動アーム4は付勢ばね20の力によりロック位
置方向(図1矢印方向)に揺動し、ロック体5は前記揺
動アーム4の揺動支点に対し前記車輪2の後退回転方向
後方側で車輪外周面に軽く接触することになる。
【0024】この状態で、両手で左右車輪2の外周部又
は操作輪を掴んで進行方向に押し出し操作し、車輪2を
進行方向に前進回転させる場合には、車輪2の回転力に
より前記揺動アーム4がロック解除位置方向に押されて
ロック体5と車輪外周面との間に滑りが生じ、車輪2を
通常通り前進回転させることができるのである。之に対
し前記車輪2又は操作輪から両手を外したとき、前記車
輪2が後退回転する場合には、揺動アーム4の揺動支点
に対し車輪2の後退回転方向後方側で車輪外周面と接触
している前記ロック体5と車輪外周面との摩擦抵抗によ
りロック体5が車輪2の後退回転に追従移動し、この車
輪2の後退回転が前記ロック体5から揺動アーム4に伝
わり、該揺動アーム4が車輪後退回転方向に追従揺動す
るのであり、この揺動により、前記ロック体5の車輪外
周面への面圧が増大する。つまり、前記ロック体5の揺
動アーム4の揺動による回転軌跡は、前記車輪2の回転
軌跡よりその軌跡の半径が小さく、従って、前記揺動ア
ーム4の揺動により、前記ロック体5の車輪外周部の面
圧が増大するのである。
【0025】しかも、この面圧増大で更に前記揺動アー
ム4が車輪の後退回転方向に追従揺動することになり、
ついには図4実線に示すように前記ロック体5が弾性を
もつ車輪2の外周面に食い込み、前記車輪2の後退回転
が阻止されるのである。従って、車輪2又は操作輪から
両手を外しても、車椅子の後退移動を有効に阻止できる
のであるから、殊更両手で車輪2の後退回転を阻止する
必要がなくて、安心して前進移動させることができるの
である。
【0026】また、平坦地を移動する場合は、前記操作
体10を付勢ばね20に抗して前記揺動アーム4のロッ
ク解除位置方向に揺動操作し、該操作体10を前記位置
保持体22の保持部21bに係合させることにより、前
記揺動アーム4をロック解除位置に保持することがで
き、之れにより前記ロック体5が車輪2の外周面から離
反するため、前記車輪2の前進回転及び後退回転を自由
にできるのである。
【0027】また、第1実施例の車椅子Aを駐車する場
合は、前記操作体10を前記ロック位置に対し車輪の後
退回転方向に揺動操作して、該操作体10を前記位置保
持体22の係止部21aに係合させ、前記揺動アーム4
を駐車位置に係止するのであって、この揺動アーム4の
係止により前記ロック体5を車輪外周面に強制的に食込
ませることができ、かつ、この食込状態を維持できて、
前記車輪2の前進回転及び後退回転を阻止することがで
きる。
【0028】また、図1に示した前記ブレーキ装置は、
前記揺動アーム4を運搬車本体1に枢着するための支持
体6を備えているから、既存の車椅子であっても前記支
持体6を前記運搬車本体1の例えば前記左右両側横杆1
2に取付けることができるのであって、ブレーキ装置単
体として提供できるのである。また、前記支持体6の取
付けは、該支持体6の嵌合凹部61と挟着体7の嵌合凹
部71とを前記横杆12に嵌合して、これら支持体6と
挟着体7との挿通孔62、72に取付ねじ8を挿通する
ことにより簡単に取付けることができるのである。
【0029】また、前記ブレーキ装置は、前記挟着体7
をもった前記支持体6を設け、この支持体6を介して既
存の車椅子に取付けることができるようにしているが、
前記支持体6を前記運搬車本体1に溶接等により取付け
てブレーキ装置付き車椅子Aを構成してもよいし、ま
た、前記挟着体7をもつ支持体6を用いて前記ブレーキ
装置を組込んだ車椅子Aを形成してもよいのである。こ
の場合も、ブレーキ装置の動作は前記したものと同じで
あるから、その説明は省略する。また、予めブレーキ装
置を前記運搬車本体1に取付ける場合、前記位置保持体
22は前記運搬車本体1の左右両側縦杆14に固定して
もよいし、また、着脱可能に取付けてもよい。また、こ
の位置保持体22には、揺動アーム4をロック解除位置
に保持する保持部21bを設けているが、この保持部2
1bをなくし、前記縦杆14に、前記操作体10がロッ
ク解除位置に揺動したとき当接する当たりを設けると共
に、前記付勢ばね20として、前記揺動アーム4を揺動
方向一方側に付勢し、かつ、その付勢方向が、揺動アー
ム4の揺動途中で反転する不安定切換ばねを用い、この
不安定切換ばねにより前記揺動アーム4を前記当たりに
当接させてロック解除位置に保持し、また、揺動アーム
4をロック位置に揺動させた場合には前記不安定切換ば
ねによりロック体5を車輪外周面に軽く接触させるよう
にしてもよい。
【0030】尚、以上説明した実施例では、揺動アーム
4を揺動操作する操作体10を、揺動アーム4の先端部
に一体に結合し、該揺動アーム4を介して前記運搬車本
体1に支持したが、その他、例えば図5に示すように前
記支持体6の枢支軸9に、先端部に前記ロック体5が結
合された前記揺動アーム4と、該揺動アーム4とは別個
に形成した操作体10とを独立して揺動可能に枢支し、
前記揺動アーム4と前記支持体6との間に、前記揺動ア
ーム4を前記操作体10に対しロック位置方向に付勢す
る付勢ばね24を介装すると共に、前記操作体10に、
前記ロック体5を受入れる長孔状の伝動孔25を設け
て、前記操作体10の操作力を、前記ロック体5を介し
て前記揺動アーム4に伝達するようにしてもよい。ま
た、この場合、前記運搬車本体1における前方部の左右
両側縦杆14に取付ける前記位置保持体22には、図6
に示すように前記駐車位置に係止する前記係止部21a
と、解除位置を保持する前記保持部21bと、前記操作
体10が係合して前記揺動アーム4を前記ロック位置に
保持する長孔状の引掛部21cを設けるのであって、前
記操作体10を前記引掛部21cに係合させたときに
は、前記ロック体5が前記車輪外周面に接触して、図5
実線のようにロック体5が前記伝動孔25の中間位置に
停止するのであって、前記車輪2が後退回転するとき、
前記ロック体5は前記伝動孔25内で図5の反時計方向
に動作し、また、車輪2が前進回転するときは、前記ロ
ック体5が前記伝動孔25内で図5の時計方向に動作す
ることになるのである。
【0031】また、以上説明した実施例では、揺動アー
ム4を車輪2の中心側から前方側に延出させているた
め、付勢ばね20、24を用いて、ロック位置でロック
体5を車輪外周面に接触させるようにしたが、その他、
図7のように、前記揺動アーム4を前記車輪2の中心側
から上方側に延出させて、図7の実線で示したロック解
除位置に対し前記車輪2の後退回転方向側がロック位置
となるようにして、このロック位置で揺動アーム4及び
ロック体5の自重により前記ロック体5が車輪外周面と
接触するようにしてもよい。また、この実施例の場合、
前記運搬車本体1の前方部に操作体10を枢着し、この
操作体10と前記揺動アーム4とを連結杆27で連動連
結し、操作体10の操作で前記揺動アーム4をロック解
除位置とロック位置と駐車位置とに動作させることがで
きるように成すのである。尚、この場合、前記操作体1
0と前記運搬車本体1との間には、図示していないが、
前記操作体10をロック解除位置に位置保持する位置決
め機構と、揺動アーム4を駐車位置に係止する前記位置
保持体22とを設けるのである。
【0032】また、前記ロック体5は、主として丸ピン
により形成するのであるが、その形状は特に制限される
ものでないし、また、ロック体5の少なくとも前記ロッ
ク位置で車輪外周面と対向する表面に、ロック体5の長
さ方向に延びる凹凸条を周方向に複数個設けたりして、
この表面を粗面とし、車輪外周面に対し滑り難いように
してもよい。
【0033】また、以上説明した実施例では、駐車ブレ
ーキ機構の位置保持体22を利用して、揺動アーム4を
ロック解除位置に保持可能にしたが、この揺動アーム4
の位置保持は、例えば揺動アーム4と運搬車本体1との
一方に係合突部を設け、他方に該係合突部と係合する係
合凹部を設けるとか、又は、前記揺動アーム4に所定の
揺動抵抗を与えるとか、或は揺動アーム4を磁性材料で
形成すると共に、前記運搬車本体1又は前記揺動アーム
4を支持する前記支持体6にマグネットを設けて、この
マグネットの磁力で前記揺動アーム4をロック解除位置
に保持するようにしてもよいのである。
【0034】また、本発明のブレーキ装置は、前記した
ごとく車椅子Aに組付ける他、例えば、土砂などを載せ
る載台と一対の左右ハンドルとをもった運搬車本体の幅
方向中央側下部に一つの車輪が取付けられ、前記左右ハ
ンドルを握って前記運搬車本体を移動させるように構成
された手動式運搬車に組付けることもできるのである。
この場合も上り傾斜地を前進移動するとき、予め前記揺
動アームをロック位置に動作させてロック体が車輪外周
面と接触するように成すことにより、前記した実施例と
同様に車輪の後退回転を阻止することができるのであ
る。
【0035】また、本発明の手動式運搬車は、前記一つ
の輪車をもった手動式運搬車であってもよい。この場合
も前記一つの輪車をもった手動式運搬車にブレーキ装置
を組付けたものと同様、車輪の後退回転を阻止すること
ができるのである。
【0036】次に図8に示した第2実施例の車椅子Aに
ついて説明する。
【0037】この第2実施例の車椅子Aは、前向き姿勢
で車輪2を前進回転させながら前方に移動する場合で
も、又、後ろ向き姿勢で車輪2を後退回転させながら後
方に移動する場合でも、これら移動方向と反対方向に車
輪2が回転するのを阻止することができるようにしたも
のであって、第1実施例の車椅子と同様、運搬車本体1
の左右両側横杆16に、揺動支点が前記車輪2の径方向
内方部位に位置し、かつ、先端側が前記横杆16に沿っ
て前記車輪外周面より外方に延出する前記揺動アーム4
と、該揺動アーム4の先端部に結合した前記ロック体5
と、前記揺動アーム4の基端部を枢支軸9で枢着する支
持体6とを備えたブレーキ装置を組込んでいる。
【0038】このブレーキ装置の前記支持体6は、図9
及び図10に示すように、図2に示したものと同様、一
端側に嵌合凹部61をもち、他端側に枢支孔63をもっ
たプレートから成り、この支持体6の一端部に、嵌合凹
部71をもった前記挟着体7を枢支ピン28を介して枢
支し、これら支持体6と挟着体7とに設けた二組の挿通
孔62、72に取付ねじ8を挿通して前記支持体6を、
前記運搬車本体1の左右両側横杆16で、かつ、前記車
輪2の径方向内方部位に挟着固定している。
【0039】そして、この支持体6の枢支孔63に前記
揺動アーム4を、該揺動アーム4の先端側に結合した前
記ロック体5が前記車輪2の外周面に対し離反するロッ
ク解除位置(図8、図9のN位置)と、前記ロック体5
が前記揺動アーム4の揺動支点に対し前記車輪2の後退
回転方向後方側で車輪外周面と接触し、前記車輪2の後
退回転時、この後退回転に追従して車輪外周面に食込む
後退ロック位置(図8、図9のY位置)と、前記揺動支
点に対し前記車輪2の前進回転方向前方側で車輪外周面
と接触し、前記車輪2の前進回転時、この前進回転に追
従して車輪外周面に食込む前進ロック位置(図8、図9
のZ位置)とに亘って揺動可能に取付けている。
【0040】また、前記支持体6には、図9のように前
記枢支孔63を挟んだ左右両側位置に一対のピン孔6
4、64と、一対の位置保持用の係合突部65、65と
を設け、前記ピン孔64の一つにばね受ピン66を取付
ける一方、前記揺動アーム4の長さ方向中間部に、ばね
受ピン41と、前記係合突部65の一つに係合する係合
凹部42とを設け、この係合凹部42の前記係合突部6
5との係合により前記揺動アーム4を前記ロック解除位
置(図8、図9のN位置)に保持すると共に、前記各ば
ね受ピン66、41間に、前記揺動アーム4を揺動方向
一方側に付勢し、かつ、その付勢方向が揺動アーム4の
揺動途中で反転する不安定切換ばね29を張設して、前
記揺動アーム4を前記後退ロック位置(図8、図9のY
位置)に動作させたとき、該揺動アーム4を図8、図9
の反時計方向に軽く付勢して、前記ロック体5が車輪外
周面と軽く接触し、また、揺動アーム4を前記前進ロッ
ク位置(図8、図9のZ位置)に動作させたとき、該揺
動アーム4を図8、図9の時計方向に軽く付勢して、前
記ロック体5が車輪外周面と軽く接触するようにしてい
る。
【0041】尚、図9において67、73は前記支持体
6と挟着体7とに設けた補強用リブである。
【0042】しかして、第2実施例の車椅子Aによる
と、ロック解除位置に位置保持した揺動アーム4を動作
することにより該揺動アーム4のロック位置を、後退ロ
ック位置と前進ロック位置との一方に選択できるから、
使用者が上り傾斜地を進行方向に向かった前向き姿勢で
前進移動する場合、前記揺動アーム4を後退ロック位置
(図8のY位置)に動作させることにより、前記ロック
体5は前記揺動アーム4の揺動支点に対し前記車輪2の
後退回転方向後方側で車輪外周面に軽く接触することに
なる。従って、第1実施例の車椅子と同様、車輪2を進
行方向に前進回転させている両手を車輪2又は操作輪か
ら外したとき、前記車輪2が後退回転する場合には、ロ
ック体5が車輪2の後退回転に追従移動し、図4実線に
示す場合と同じく前記ロック体5が弾性をもつ車輪2の
外周面に食い込み、前記車輪2の後退回転が阻止される
のである。また、使用者が上り傾斜地を進行方向と反対
方向に向かった後向き姿勢で後退移動する場合、前記揺
動アーム4を前進ロック位置(図8のZ位置)に動作さ
せることにより、前記ロック体5は前記揺動アーム4の
揺動支点に対し前記車輪2の前進回転方向前方側で車輪
外周面に軽く接触することになる。従って、第1実施例
の車椅子と同様、車輪2を進行方向に後退回転させてい
る両手を車輪2又は操作輪から外したとき、前記車輪2
が前進回転する場合には、ロック体5が車輪2の前進回
転に追従移動し、図4実線に示した場合と同様、前記ロ
ック体5が弾性をもつ車輪2の外周面に食い込み、前記
車輪2の前進回転が阻止されるのである。
【0043】以上のように第2実施例の車椅子Aによる
と、揺動アーム4をロック解除位置から後退ロック位置
又は前進ロック位置に動作させるだけの簡単な操作で車
輪2の後退回転又は前進回転を阻止することができるか
ら、前向き姿勢で車輪2を前進回転させながら前方に移
動するのを好む使用者でも、又、後ろ向き姿勢で車輪2
を後退回転させながら後方に移動するのを好む使用者で
も、揺動アーム4を動作させるだけの簡単な操作で車椅
子が進行方向と反対方向に移動するのを阻止することが
できるのである。
【0044】また、第2実施例の車椅子Aのように支持
体6の枢支孔63を挟んだ両側位置に、一対のピン孔6
4、64と、一対の係合突部65、65とを設けること
により、運搬車本体1の左右両側に取付ける支持体6を
共通にでき、同じ形状の支持体を多量生産できて、コス
トを低減できるのである。尚、前記支持体6は、図9の
ように前記枢支孔63に対し左側のピン孔64に前記ば
ね受ピン66を取付けることにより運搬車本体1の右側
に取付ける支持体を形成でき、また、図11のように前
記枢支孔63に対し右側のピン孔64に前記ばね受ピン
66を取付けることにより運搬車本体1の左側に取付け
る支持体を形成できるのである。
【0045】尚、第2実施例の車椅子の支持体6には、
図9に示すように前記枢支孔63周りにばね受入用の環
状凹入部68を設けて、この環状凹入部68の前記枢支
孔63に対し上下位置に第1ばね掛孔69、69を設け
ると共に、前記揺動アーム4の前記環状凹入部との対向
部位に第2ばね掛孔43を設けている。そして、図12
のように前記不安定切換ばね29をなくし、前記環状凹
入部68に、両端部にばね足をもったリング状の付勢ば
ね30を介在し、この付勢ばね30のばね足を前記第1
ばね掛孔69の一つと第2ばね掛孔43とに係止するこ
とにより、前記揺動アーム4を、前記後退ロック位置方
向又は前進ロック位置方向に軽く付勢するようにしてい
る。また、第2実施例の車椅子において、揺動アーム4
をロック解除位置に位置保持する手段として前記係合突
部65と係合凹部42との係合抵抗で位置保持する他、
図13に示すように前記不安定切換ばね29の力を利用
して位置保持するようにしてもよい。図13に示したも
のは、前記支持体6と揺動アーム4とにばね受ピン6
6、41を突設し、これらばね受ピン66、41間に前
記不安定切換ばね29を張設する一方、前記揺動アーム
4の枢支孔44を、揺動アームの長さ方向に延びる長孔
に形成して、揺動アーム4を枢着する枢支軸9に対し前
記揺動アーム4をその長さ方向に移動可能とし、前記揺
動アーム4の基端縁に係合凹部45を設け、また、前記
支持体6に、前記係合凹部45と係合する係止ピン60
を突設し、前記不安定切換ばね29の力により前記係合
凹部45を前記係止ピン60に押付けて揺動アーム4を
ロック解除位置に保持し、また、前記揺動アーム4をロ
ック解除位置から後退ロック位置又は前進ロック位置に
揺動させるとき、前記枢支孔44と枢支軸9との間の隙
間分だけ前記揺動アーム4が枢支軸9に対し移動して図
13の鎖線に示すように揺動するごとく構成してもよ
い。
【0046】また、図8で示した実施例では、不安定切
換ばね29を用いて揺動アーム4の後退ロック位置と前
進ロック位置との一方側位置でロック体5が車輪外周面
と接触するようにしたが、その他、例えば図7のように
揺動アーム4を前記車輪2の中心側から上方側に延出さ
せた位置を前記ロック解除位置とし、このロック解除位
置に対し前記車輪2の後退回転方向側を後退ロック位
置、また、車輪2の前進回転方向側を前進ロック位置と
して、これら後退ロック位置と前進ロック位置とで揺動
アーム4及びロック体5の自重により前記ロック体5が
車輪外周面と接触するようにして、前記不安定切換ばね
29をなくしてもよい。
【0047】また、図8〜図12の実施例において、前
記揺動アーム4は、図1、図5或は図7のように前記操
作体10を用いて揺動操作するように構成してもよい。
また、この操作体10を用いる場合、図1、図5と同
様、揺動アーム4を駐車位置に係止する前記位置保持体
22を設けてもよい。
【0048】また、図9、図10で示したブレーキ装置
は、図8のように車椅子に組付ける他、前記したように
一つの輪車をもった手動式運搬車に組付けることもでき
るのである。
【0049】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、前記揺動
アーム4と、該揺動アーム4の先端側に結合されて前記
車輪2の外周面に対向するロック体5と、前記揺動アー
ム4を、前記運搬車本体1に揺動可能に枢着する支持体
6とを備えているから、この支持体6を前記運搬車本体
1に取付けることにより、ブレーキ装置を既存の手動式
運搬車に組付けることができるのであり、しかも、前記
支持体6に前記揺動アーム4を、この支持体6を前記運
搬車本体1に取付けたとき、前記揺動アーム4の揺動支
点が前記車輪2の径方向内方部位に位置し、かつ、前記
ロック体5が車輪外周面に対し離反するロック解除位置
と、前記ロック体5が前記車輪外周面と接触し、前記車
輪2の回転時、この回転に追従して車輪外周面に食込む
ロック位置とに亘って揺動可能に枢着しているから、前
記揺動アーム4をロック位置に動作し、ロック体5を車
輪外周面に接触させるだけの簡単な操作で、進行方向の
移動を阻害することなく、前記運搬車の反進行方向への
移動を阻止できるのである。即ち、車輪2を進行方向に
回転させる場合には、車輪2の進行方向への回転により
前記揺動アーム4がロック解除位置方向に押されてロッ
ク体5と車輪外周面との間に滑りが生じ、従って、車輪
2を通常通り進行方向に回転させられるのであって、進
行方向の移動は阻害されないのであり、また、上り傾斜
地を移動する場合において、前記車輪2が反進行方向に
回転しょうとするとき、前記ロック体5が前記ロック位
置で車輪外周面と接触するから、前記車輪2の反進行方
向への回転力により前記ロック体5を車輪2の反進行方
向への回転に追従移動させ易いのであり、そして、この
ロック体5の追従移動に伴い前記車輪2の反進行方向へ
の回転力が前記ロック体5から揺動アーム4に伝わっ
て、該揺動アーム4が車輪の回転に追従して揺動させら
れるのであり、しかも、この揺動により、前記ロック体
5の車輪外周面への面圧が増大し、この面圧増大で更に
前記揺動アーム4が車輪の回転方向に更に追従揺動し、
ついには前記ロック体5が車輪2の外周面に食い込み、
前記車輪2の反進行方向への回転が阻止されるのであ
る。従って、特に車椅子に適用する場合には、車輪又は
操作輪から両手を外しても運搬車の反進行方向への移動
を有効に阻止できるのであり、殊更両手で車輪の反進行
方向への回転を阻止する必要がなくて、安心して進行方
向に移動させることができるのである。
【0050】また、請求項2記載の発明によれば、前記
ロック体5が結合された揺動アーム4を運搬車本体1
で、前記車輪2の径方向内方部位に、前記ロック体5が
車輪外周面に対し離反するロック解除位置と、前記ロッ
ク体5が前記車輪外周面と接触し、前記車輪2の回転
時、この回転に追従して車輪外周面に食込むロック位置
とに亘って揺動可能に取付けているから、請求項1記載
の発明と同様、前記揺動アーム4をロック位置に動作
し、ロック体5を車輪外周面に接触させるだけの簡単な
操作で、進行方向の移動を阻害することなく反進行方向
の移動を阻止できる安全性の高い手動式運搬車を提供で
きるのである。
【0051】また、請求項3記載の発明によれば、揺動
アーム4を、該揺動アーム4の先端側に結合したロック
体5が運搬車本体1における車輪2の外周面に対し離反
するロック解除位置と、前記ロック体5が前記揺動アー
ム4の揺動支点に対し前記車輪2の後退回転方向後方側
で車輪外周面と接触し、前記車輪2の後退回転時、この
後退回転に追従して車輪外周面に食込む後退ロック位置
と、前記揺動支点に対し前記車輪2の前進回転方向前方
側で車輪外周面と接触し、前記車輪2の前進回転時、こ
の前進回転に追従して車輪外周面に食込む前進ロック位
置とに亘って揺動可能に取付けて、前記揺動アーム4の
ロック位置を、後退ロック位置と前進ロック位置との一
方に選択できるようにしたから、上り傾斜地を進行方向
に向かって前向き姿勢で前進移動する場合でも、また、
進行方向と反対方向に向かった後ろ向き姿勢で後退移動
する場合でも、前記揺動アーム4のロック位置を選択す
るだけの簡単な操作で、進行方向の移動を阻害すること
なく、反進行方向の移動を阻止できるのである。
【0052】また、請求項4記載の発明によれば、運搬
車本体1に、揺動アーム4を揺動操作する操作体10
と、前記揺動アーム4を駐車位置に係止する位置保持体
22とをもつ駐車ブレーキ機構を設けているから、操作
体10の操作で揺動アーム4をロック位置に対し車輪の
後退回転方向に揺動させて位置保持体22の駐車位置に
係止することにより、ロック体5を車輪外周面に強制的
に食込ませて車輪2の前進・後退回転を阻止でき、か
つ、前記ロック体5の食込み状態を維持できて駐車する
ことができるのである。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ブレーキ装置を適用した手動式運搬車の
側面図。
【図2】図1のXーX線における拡大断面図。
【図3】位置保持体のみの斜視図。
【図4】ロック体が車輪外周面に食込んで車輪の後退回
転が阻止された状態の説明図。
【図5】別の実施例のブレーキ装置を組込んだ手動式運
搬車の部分拡大側面図。
【図6】図5の実施例に用いる位置保持位置のみの斜視
図。
【図7】更に別の実施例のブレーキ装置を組込んだ手動
式運搬車の部分拡大側面図。
【図8】更に別の実施例を示す手動式運搬車の側面図。
【図9】図8のブレーキ装置のみの拡大側面図。
【図10】図9の右側面図。
【図11】図9の揺動アームを反対方向に組付けた例を
示す説明図。
【図12】図8のブレーキ装置の別の例を示す説明図。
【図13】不安定切換ばねを用いたブレーキ装置の別の
実施例を示す説明図。
【符号の説明】
1 運搬車本体 11 載台 2 車輪 4 揺動アーム 5 ロック体 6 支持体 10 操作体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被運搬物を載せる載台(11)をもった運
    搬車本体(1)と、該運搬車本体(1)を支持する弾性
    をもつ車輪(2)とを備えた手動式運搬車用ブレーキ装
    置であって、前記車輪(2)の径方向内方部位から外周
    面外方側に延びる長さをもつ揺動アーム(4)と、該揺
    動アーム(4)の先端側に結合されて前記車輪(2)の
    外周面に対向するロック体(5)と、前記揺動アーム
    (4)を、前記運搬車本体(1)に揺動可能に枢着する
    支持体(6)とを備え、この支持体(6)に前記揺動ア
    ーム(5)を、該支持体(6)を前記運搬車本体(1)
    に取付けたとき、前記揺動アーム(4)の揺動支点が前
    記車輪(2)の径方向内方部位に位置し、かつ、前記ロ
    ック体(5)が車輪外周面に対し離反するロック解除位
    置と、前記ロック体(5)が前記車輪外周面と接触し、
    前記車輪(2)の回転時、この回転に追従して車輪外周
    面に食込むロック位置とに亘って揺動可能に枢着してい
    ることを特徴とする手動式運搬車用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】被運搬物を載せる載台(11)をもった運
    搬車本体(1)と、該運搬車本体(1)を支持する弾性
    をもつ車輪(2)とを備えた手動式運搬車であって、前
    記車輪(2)の軸方向一側方で、径方向内方部位に、こ
    の内方部位から外周面外方側に延びる揺動アーム(4)
    と、該揺動アーム(4)の先端側に結合されて前記車輪
    (2)の外周面に対向するロック体(5)とを備え、前
    記揺動アーム(4)を前記運搬車本体(1)で、前記車
    輪(2)の径方向内方部位に、前記ロック体(5)が車
    輪外周面に対し離反するロック解除位置と、前記ロック
    体(5)が前記車輪外周面と接触し、前記車輪(2)の
    回転時、この回転に追従して車輪外周面に食込むロック
    位置とに亘って揺動可能に取付けていることを特徴とす
    る手動式運搬車。
  3. 【請求項3】揺動アーム(4)を、該揺動アーム(4)
    の先端側に結合したロック体(5)が運搬車本体(1)
    における車輪(2)の外周面に対し離反するロック解除
    位置と、前記ロック体(5)が前記揺動アーム(4)の
    揺動支点に対し前記車輪(2)の後退回転方向後方側で
    車輪外周面と接触し、前記車輪(2)の後退回転時、こ
    の後退回転に追従して車輪外周面に食込む後退ロック位
    置と、前記揺動支点に対し前記車輪(2)の前進回転方
    向前方側で車輪外周面と接触し、前記車輪(2)の前進
    回転時、この前進回転に追従して車輪外周面に食込む前
    進ロック位置とに亘って揺動可能に取付けている請求項
    2記載の手動式運搬車。
  4. 【請求項4】運搬車本体(1)は、揺動アーム(4)を
    揺動操作する操作体(10)と、前記揺動アーム(4)
    を駐車位置に係止する位置保持体(22)とをもつ駐車
    ブレーキ機構を設けている請求項2記載の手動式運搬
    車。
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