JPH07239378A - 不要信号抑圧装置 - Google Patents

不要信号抑圧装置

Info

Publication number
JPH07239378A
JPH07239378A JP6029475A JP2947594A JPH07239378A JP H07239378 A JPH07239378 A JP H07239378A JP 6029475 A JP6029475 A JP 6029475A JP 2947594 A JP2947594 A JP 2947594A JP H07239378 A JPH07239378 A JP H07239378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scans
reflection coefficient
clutter
value
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6029475A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Harasawa
康弘 原沢
Tetsuo Kirimoto
哲郎 桐本
Hideaki Yoshikura
秀明 吉倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP6029475A priority Critical patent/JPH07239378A/ja
Publication of JPH07239378A publication Critical patent/JPH07239378A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数回のビーム走査(スキャン)により適応
処理に使用する受信信号データのサンプル数を増加し、
不要信号の抑圧性能を向上させた不要信号抑圧装置を得
ることを目的とする。 【構成】 受信信号を入力とするノッチフィルタ8、及
びビームスキャン毎に反射係数を求める反射係数計算手
段9と、複数回のビームスキャンで得られるデータを記
憶して出力するタイミングを制御するスキャンデータ制
御手段71と、上記スキャンデータの中央値を求めて出
力するメディアンフィルタ13bと、メディアンフィル
タ出力からクラッタの中心周波数を推定する周波数計算
手段6と、推定されたクラッタの中心周波数に基づいて
受信信号中のクラッタを抑圧するフィルタ手段19とを
備え、上記ノッチフィルタのノッチをクラッタの中心周
波数に移動させて受信するクラッタを抑圧するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はフィルタを利用した不
要信号抑圧装置に関し、受信信号のうち目標信号以外の
不要信号(クラッタによる不要反射エコー)を除去する
不要信号抑圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーダにより受信される不要信号
(クラッタによる不要反射エコー)を除去するための不
要信号抑圧装置として、例えば、渡辺秀明、他:“複数
セグメントMEMを用いたアダプティブクラッタ抑圧装
置”,電子情報通信学会論文誌(B−1),J70−B
−1,pp.515−523(1987.4)に開示さ
れたものがある。
【0003】図30は、上記文献に示された従来の不要
信号抑圧装置の構成図である。図において、61a,6
1bは反射係数計算手段、60a,60bは遅延素子、
62a,62b,62c,62dは複素乗算器、63
a,63b,63c,63dは複素加算器である。ま
た、X(n),fL (n),bL (n)(n=1〜3,
L=1,2)は各々次式で示される信号のベクトル表現
でありPL は反射係数である。
【0004】 X(n) =[X1 (n),X2 (n),・・・, Xk (n)]T (1a) fL (n) =[f1 L (n),f2 L (n),・・・, fk L (n)]T (1b) bL (n) =[b1 L (n),b2 L (n),・・・, bk L (n)]T (1c) PL =diag[ρ1 L ,ρ2 L ,・・・, ρk L ] (1d) 但し、Tは転置を表し、diag[〜]は対角行列を表
す。
【0005】レーダでは図31に示すように、捜索する
範囲に対してアンテナ53を回転させたり、あるいは電
子的にビームを走査(スキャン)して各方位からのエコ
ー52を受信する。アンテナで受信された一連の受信電
波は、位相検波されベースバンドの受信信号に変換され
た後、標本化、量子化されてディジタル信号に変換され
る。このディジタル信号は受信電波の位相を保持してお
り、いわゆるI信号(In−phase)、Q信号(q
uadrature−phase)を夫々実部、虚部に
持つ複素信号である。信号の標本化は全ての受信信号に
対して同じタイミングで行われる。即ち、送信信号を送
信した時点より一定時間遅れた後、一定周期で標本化が
行われ、1つの受信信号からはX1 (n),X
2 (n),・・・,Xk (n)で示される総数k個のデ
ィジタル信号が生成される。ここでは、nをヒット番号
と呼び、kは標本化の順番を表すもので以下このkをレ
ンジビン番号と呼ぶ。以上述べたようなレーダで得られ
たディジタル信号X(n)がクラッタ抑圧装置の入力信
号として転送される。以下、この信号を入力信号と呼
ぶ。また、数字Lは図30に示すようなラティスフィル
タのステージ番号を表すものである。
【0006】次に従来装置の動作について、図30を参
照して説明する。レーダ受信機から転送される入力信号
は、ステージ1のラティスフィルタに入力される。この
とき、入力信号X(n)は式(2a),(2b)に示さ
れるように、前向予測誤差信号ベクトルf0 (n)、後
向予測誤差信号ベクトルb0 (n)として用いられる。
【0007】 f0 (n)=X(n) (2a) b0 (n)=X(n) (2b)
【0008】ステージ1のラティスフィルタは信号ベク
トルf0 (n),b0 (n)から式(3a),(3b)
により信号ベクトルf1 (n),b1 (n)を生成す
る。 f1 (n)=f0 (n)+P1 0 (n−1) (3a) b1 (n)=b0 (n−1)+P1 * 0 (n) (3b) 但し、式(3a),(3b)の演算において、乗算は複
素乗算器62a,62bで実施され、加算は複素加算器
63a,63bにて実施され、単位遅延は遅延素子60
aで実施される。これと同時に、反射係数計算手段61
aはf0 (n),b0 (n)を入力して式(4a)に示
されるように反射係数ベクトルP1 を計算する。
【0009】
【数1】
【0010】式(4a)に示される反射係数算出のアル
ゴリズムは、公知のBurg法によるものを応用したも
ので、前向予測誤差ベクトルf1 (n)と後向予測誤差
ベクトルb1 (n)の平均電力和を最小化するアルゴリ
ズムである。
【0011】次いでステージ2のラティスフィルタは予
測誤差ベクトルf1 (n),b1 (n)を入力して、次
の式(5a),(5b)に基づいて信号ベクトルf
2 (n),b2 (n)を生成する。
【0012】 f2 (n)=f1 (n)+P2 1 (n−1) (5a) b2 (n)=b1 (n−1)+P2 * 1 (n) (5b)
【0013】式(5a),(5b)の演算における乗算
は乗算器62c,62dで実施され、加算は複素加算器
63c,63dで実施され、信号ベクトルb1 (n)に
施される単位遅延は遅延演算子60bで実施される。こ
れと同時に反射係数計算手段21bは、f1 (n),b
1 (n)を入力して、式(5a),(5b)に必要な反
射係数ベクトルP2 を以下の式(6a),(6b)に基
づいて生成する。
【0014】
【数2】
【0015】式(5a),(5b)に示される反射係数
2 算出のアルゴリズムは、式(4a),(4b)同様
Burg法によるものである。最後にステージ2の予測
誤差信号ベクトルf2 (3)がクラッタ抑圧装置の出力
信号として外部に取り出される。このように各ステージ
のラティスフィルタの出力信号電力が最小になるように
反射係数が計算されるので、受信信号中のクラッタの電
力が極力小さくなるように本装置は動作する。尚、図3
0はラティスフィルタが2段の場合の例であるが、一般
にラティスフィルタを縦続接続することで段数は任意に
設定できる。
【0016】以上説明したように、従来のクラッタ抑圧
装置は、1回のビームスキャン毎に得られる受信信号X
(n)から逐次予測誤差信号、及び後向き予測誤差を生
成しつつ、出力信号の平均電力を最小化することによっ
て入力信号に含まれるクラッタを消去しようとするもの
である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の不要信号抑圧装
置は、以上のように構成されていて、短時間に広範囲に
ビームをスキャンするレーダに適用するような場合、目
標を検出するのに、一般に、短時間で機械的に送受のア
ンテナを回転させたり、あるいは電子的にビームのスキ
ャンを行っているため、各方位に対して送信することの
できるパルスの数、即ちパルスヒット数が非常に少なく
なってしまう。従って、広範囲の距離に存在し、ドップ
ラ周波数が未知であるようなクラッタを適応フィルタを
用いて抑圧しようとすると、使用できるデータ数(パル
スヒット数)が適応アルゴリズムを収束させるのに十分
ではないために、図32に示すようにクラッタに対して
自動的に形成されるフィルタ特性が最適特性から外れて
(ノッチが浅くなったり、ノッチ周波数がクラッタの中
心周波数からずれる)、クラッタの消え残りが多数発生
するという課題があった。
【0018】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、複数回のビーム走査(スキャン)
により適応処理に使用する受信信号データのサンプル数
を増加し、不要信号の抑圧性能を向上させた不要信号抑
圧装置を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係わる発明の不要信号抑圧装置は、以
下の要素を備え、複数回のビームスキャンで得られる受
信信号を用いてクラッタ電力スペクトルの推定精度を高
め、不要信号の抑圧性能を向上させたものである。 (a)受信信号を入力とする縦続接続されたラチスフィ
ルタ、(b)上記ラチスフィルタの入力信号を2分岐し
て入力としビームスキャン毎に夫々反射係数の分母要素
と分子要素とを求める計算手段、(c)上記反射係数の
分母要素と分子要素とを夫々ビームスキャン毎に記憶処
理するスキャンデータ制御手段、(d)上記記憶する反
射係数の分母要素と分子要素夫々についてスキャン間の
統計的平均値を求め、反射係数を求める平均化手段。
【0020】また、請求項2に係わる発明の不要信号抑
圧装置は、請求項1記載の不要信号抑圧装置における平
均化手段として、ビームスキャン毎に記憶する反射係数
の分母要素と分子要素夫々を入力とし、スキャン間で最
大値と最小値を除外して平均値をとり反射係数を求める
平均化手段を備えた、もしくはスキャン間で中央値を代
表値としてとり反射係数を求める平均化手段を備えたも
のである。
【0021】また、請求項3に係わる発明の不要信号抑
圧装置は、請求項1記載の不要信号抑圧装置にラチスフ
ィルタの出力信号電力における不要信号抑圧量を評価パ
ラメータにして、複数回のスキャンによる時間経過中の
不適当なデータを排除するスイッチ制御手段を備えたも
のである。
【0022】また、請求項4に係わる発明の不要信号抑
圧装置は、以下の要素を備え、複数回のビームスキャン
で得られる受信信号を用いてクラッタ電力スペクトルの
推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させたもの
である。 (a)受信信号を入力とする縦続接続されたラチスフィ
ルタ、(b)上記ラチスフィルタの入力信号を入力とし
ビームスキャン毎に夫々反射係数を求める計算手段、
(c)上記反射係数をビームスキャン毎に記憶処理する
スキャンデータ制御手段、(d)上記記憶する反射係数
についてスキャン間の統計的平均値を求める平均化手
段。
【0023】また、請求項5に係わる発明の不要信号抑
圧装置は、請求項4記載の不要信号抑圧装置における平
均化手段として、ビームスキャン毎に記憶する反射係数
を入力とし、スキャン間で最大値と最小値とを除外して
平均値をとる平均化手段を備えた、もしくはスキャン間
で中央値を代表値としてとる平均化手段を備えたもので
ある。
【0024】また、請求項6に係わる発明の不要信号抑
圧装置は、請求項4記載の不要信号抑圧装置にラチスフ
ィルタの出力信号電力における不要信号抑圧量を評価パ
ラメータにして、複数回のスキャンによる時間経過中の
不適当なデータを排除するスイッチ制御手段を備えたも
のである。
【0025】また、請求項7に係わる発明の不要信号抑
圧装置は、以下の要素を備え、複数回のビームスキャン
で得られる受信信号を用いてクラッタの中心周波数の推
定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させたもので
ある。 (a)受信信号を入力とする予め振幅特性が決まってい
るノッチフィルタ、(b)上記受信信号を2分岐して入
力としビームスキャン毎に夫々反射係数の分母要素と分
子要素とを求める計算手段、(c)上記反射係数の分母
要素と分子要素とを夫々ビームスキャン毎に記憶処理す
るスキャンデータ制御手段、(d)上記記憶する反射係
数の分母要素と分子要素夫々についてスキャン間の統計
的平均値を求め、反射係数を求める平均化手段、(e)
上記反射係数に基づいてクラッタの中心周波数を推定す
る周波数計算手段、(f)上記推定したクラッタの中心
周波数に基づいて、ノッチフィルタの荷重を調整するフ
ィルタ荷重計算手段。
【0026】また、請求項8に係わる発明の不要信号抑
圧装置は、請求項7記載の不要信号抑圧装置における平
均化手段として、ビームスキャン毎に記憶する反射係数
の分母要素と分子要素夫々を入力とし、スキャン間で最
大値と最小値とを除外して平均値をとる平均化手段、も
しくはスキャン間で中央値を代表値としてとる平均化手
段を備えたものである。
【0027】また、請求項9に係わる発明の不要信号抑
圧装置は、請求項7記載の不要信号抑圧装置に推定した
クラッタの中心周波数の分散値をパラメータにして、複
数回のスキャンによる時間経過中の不要信号抑圧に不適
当なデータを排除するスイッチ制御手段を備えたもので
ある。
【0028】また、請求項10に係わる発明の不要信号
抑圧装置は、以下の要素を備え、複数回のビームスキャ
ンで得られる受信信号を用いてクラッタの中心周波数の
推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させたもの
である。 (a)受信信号を入力とする予め振幅特性が決まってい
るノッチフィルタ、(b)上記受信信号を入力としビー
ムスキャン毎に夫々反射係数を求める計算手段、(c)
上記反射係数をビームスキャン毎に記憶処理するスキャ
ンデータ制御手段、(d)上記記憶する反射係数につい
てスキャン間の統計的平均値を求める平均化手段、
(e)上記平均反射係数に基づいてクラッタの中心周波
数を推定する周波数計算手段、(f)上記推定したクラ
ッタの中心周波数に基づいて、ノッチフィルタの荷重を
調整するフィルタ荷重計算手段。
【0029】また、請求項11に係わる発明の不要信号
抑圧装置は、請求項10記載の不要信号抑圧装置におけ
る平均化手段として、ビームスキャン毎に記憶する反射
係数を入力とし、スキャン間で最大値と最小値を除外し
て平均値をとる平均化手段、もしくはスキャン間で中央
値を代表値としてとる平均化手段を備えたものである。
【0030】また、請求項12に係わる発明の不要信号
抑圧装置は、請求項10記載の不要信号抑圧装置に推定
したクラッタの中心周波数の分散値をパラメータにし
て、複数回のスキャンによる時間経過中の不要信号抑圧
に不適当なデータを排除するスイッチ制御手段を備えた
ものである。
【0031】また、請求項13に係わる発明の不要信号
抑圧装置は、以下の要素を備え、複数回のビームスキャ
ンで得られる受信信号を用いてクラッタの中心周波数の
推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させたもの
である。 (a)受信信号を入力する予め振幅特性が決まっている
ノッチフィルタ、(b)上記受信信号を入力としビーム
スキャン毎に夫々反射係数を求める計算手段、(c)上
記反射係数に基づいてクラッタの中心周波数を推定する
周波数計算手段、(d)上記推定したクラッタの中心周
波数をビームスキャン毎に記憶処理するスキャンデータ
制御手段、(e)上記記憶するクラッタの中心周波数に
ついてスキャン間の統計的平均値を求める平均化手段、
(f)上記推定したクラッタの中心周波数のスキャン間
の平均値に基づいて、ノッチフィルタの荷重を調整する
フィルタ荷重計算手段。
【0032】また、請求項14に係わる発明の不要信号
抑圧装置は、請求項13記載の不要信号抑圧装置におけ
る平均化手段として、ビームスキャン毎に記憶する推定
したクラッタの中心周波数を入力とし、スキャン間で最
大値と最小値を除外して平均値をとる平均化手段、もし
くはスキャン間で中央値を代表値としてとる平均化手段
を備えたものである。
【0033】また、請求項15に係わる発明の不要信号
抑圧装置は、請求項13記載の不要信号抑圧装置に推定
したクラッタの中心周波数の分散値をパラメータにし
て、複数回のスキャンによる時間経過中の不要信号抑圧
に不適当なデータを排除するスイッチ制御手段を備えた
ものである。
【0034】
【作用】以上のように構成された請求項1に係わる発明
の不要信号抑圧装置では、複数回のビームスキャンで得
られる受信信号を用いて、ビームスキャン毎に求めた反
射係数の分母要素と分子要素夫々について、スキャン間
で統計的平均操作を行って反射係数を求めることによ
り、クラッタ電力スペクトルの推定精度を高めることが
できる。
【0035】また、請求項2に係わる発明の不要信号抑
圧装置では、請求項1に係わる発明のスキャン間の統計
的平均操作として、ビームスキャン毎に求めた反射係数
の分母要素と分子要素夫々について、スキャン間で最大
値と最小値を除外して平均値をとり反射係数を求めるこ
とにより、もしくはスキャン間で中央値を代表値として
とり反射係数を求めることにより、クラッタ電力スペク
トルの推定精度を高めることができる。
【0036】また、請求項3に係わる発明の不要信号抑
圧装置では、請求項1に係わる発明の作用に加えて、ラ
ティスフィルタの出力信号電力における不要信号抑圧量
をパラメータにして、スキャンによる時間経過中に不要
信号抑圧に不適当なデータを排除することにより、異な
るスキャン間で一部のクラッタ電力スペクトルが突発的
に変動した場合でもクラッタ電力スペクトルの推定精度
を保つことができる。
【0037】また、請求項4に係わる発明の不要信号抑
圧装置では、複数回のビームスキャンで得られる受信信
号を用いて、ビームスキャン毎に求めた反射係数につい
て、スキャン間で統計的平均操作を行うことにより、ク
ラッタ電力スペクトルの推定精度を高めることができ
る。
【0038】また、請求項5に係わる発明の不要信号抑
圧装置では、請求項4に係わる発明のスキャン間の統計
的平均操作として、ビームスキャン毎に求めた反射係数
について、スキャン間で最大値と最小値を除外して平均
値をとることにより、もしくはスキャン間で中央値を代
表値としてとることにより、クラッタ電力スペクトルの
推定精度を高めることができる。
【0039】また、請求項6に係わる発明の不要信号抑
圧装置では、請求項4に係わる発明の作用に加えて、ラ
ティスフィルタの出力信号電力における不要信号抑圧量
をパラメータにして、スキャンによる時間経過中に不要
信号抑圧に不適当なデータを排除することにより、異な
るスキャン間で一部のクラッタ電力スペクトルが突発的
に変動した場合でもクラッタ電力スペクトルの推定精度
を保つことができる。
【0040】また、請求項7に係わる発明の不要信号抑
圧装置では、複数回のビームスキャンで得られる受信信
号を用いて、ビームスキャン毎に求めた反射係数の分母
要素と分子要素夫々について、スキャン間で統計的平均
操作を行い、平均反射係数を求めて、それに基づいてク
ラッタの中心周波数を推定することにより、クラッタの
中心周波数の推定精度を高めることができる。
【0041】また、請求項8に係わる発明の不要信号抑
圧装置では、請求項7に係わる発明のスキャン間の統計
的平均操作として、ビームスキャン毎に求めた反射係数
の分母要素と分子要素夫々について、スキャン間で最大
値と最小値を除外して平均値を求め、もしくはスキャン
間で中央値を代表値として求めて、平均反射係数を求
め、それに基づいてクラッタの中心周波数を推定するこ
とにより、クラッタの中心周波数の推定精度を高めるこ
とができる。
【0042】また、請求項9に係わる発明の不要信号抑
圧装置では、請求項7に係わる発明の作用に加えて、推
定したクラッタの中心周波数の分散値をパラメータにし
て、スキャンによる時間経過中に不要信号抑圧に不適当
なデータを排除することにより、異なるスキャン間で一
部の不要信号の中心周波数が突発的に変動した場合でも
クラッタの中心周波数の推定精度を保つことができる。
【0043】また、請求項10に係わる発明の不要信号
抑圧装置では、複数回のビームスキャンで得られる受信
信号を用いて、ビームスキャン毎に求めた反射係数につ
いて、スキャン間で統計的平均操作を行い、平均反射係
数を求めて、それに基づいてクラッタの中心周波数を推
定することにより、クラッタの中心周波数の推定精度を
高めることができる。
【0044】また、請求項11に係わる発明の不要信号
抑圧装置では、請求項10に係わる発明のスキャン間の
統計的平均操作として、ビームスキャン毎に求めた反射
係数について、スキャン間で最大値と最小値を除外して
平均値を求め、もしくはスキャン間で中央値を代表値と
して求めて、それに基づいてクラッタの中心周波数の推
定することにより、クラッタの中心周波数の推定精度を
高めることができる。
【0045】また、請求項12に係わる発明の不要信号
抑圧装置では、請求項10に係わる発明の作用に加え
て、推定したクラッタの中心周波数の分散値をパラメー
タにして、スキャンによる時間経過中に不要信号抑圧に
不適当なデータを排除することにより、異なるスキャン
間で一部の不要信号の中心周波数が突発的に変動した場
合でもクラッタの中心周波数の推定精度を保つことがで
きる。
【0046】また、請求項13に係わる発明の不要信号
抑圧装置では、複数回のビームスキャンで得られる受信
信号を用いて、反射係数を算出し、ビームスキャン毎に
上記反射係数に基づいて推定したクラッタの中心周波数
を求め、スキャン間で統計的平均操作を行うことによ
り、クラッタの中心周波数の推定精度を高めることがで
きる。
【0047】また、請求項14に係わる発明の不要信号
抑圧装置では、請求項13に係わる発明のスキャン間の
統計的平均操作として、ビームスキャン毎に求めた反射
係数に基づいて推定したクラッタの中心周波数につい
て、スキャン間で最大値と最小値を除外して平均値を求
め、もしくはスキャン間で中央値を代表値として求める
ことにより、クラッタの中心周波数の推定精度を高める
ことができる。
【0048】また、請求項15に係わる発明の不要信号
抑圧装置では、請求項13に係わる発明の作用に加え
て、推定したクラッタの中心周波数の分散値をパラメー
タにして、スキャンによる時間経過中に不要信号抑圧に
不適当なデータを排除することにより、異なるスキャン
間で一部のクラッタの中心周波数が突発的に変動した場
合でも不要信号の中心周波数の推定精度を保つことがで
きる。
【0049】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図を参照して説
明する。図中、従来例と同一または同等部分は同一符号
を付し重複説明を省く。図2に示すようなラティスフィ
ルタを縦続接続する段数は任意に設定できるが、図1で
は冗長な説明を省くために、ラティスフィルタを2段縦
続接続した場合について記載している。図1において、
55a,55bは反射係数の分母部分を求める反射係数
分母計算手段、56a,56bは分子部分を求める反射
係数分子計算手段、3a,3bはビームのスキャン回数
をカウントして記憶手段に転送し、また所定のスキャン
回数になったら記憶手段のデータを出力させるスキャン
カウンタ、2a,2cは夫々スキャン毎に反射係数分母
計算手段55a,55bの出力を記憶する記憶手段、2
b,2dは夫々スキャン毎に反射係数分子計算手段56
a,56bの出力を記憶する記憶手段、4a,4b,4
c,4dは夫々記憶手段2a,2b,2c,2dの出力
を加算する加算器、5aは加算器4bの出力を加算器4
aの出力で割る除算器、5bは加算器4dの出力を加算
器4cの出力で割る除算器、50a,50bは夫々除算
器5a,5bの出力に基づいて受信信号中のクラッタを
抑圧するラティスフィルタである。ここで、上記スキャ
ンカウンタと記憶手段を有してスキャンデータ制御手段
70a,70bを構成し、上記加算器と除算器を有して
平均化手段を構成している。
【0050】レーダ受信機から転送される信号は分岐さ
れ、夫々前向予測誤差信号、後向予測誤差信号としてラ
ティスフィルタ50aに入力し、反射係数分母計算手段
55a、反射係数分子計算手段56aに転送する。反射
係数分母計算手段55a、反射係数分子計算手段56a
では夫々式(7a),(7b)を初期値とし、式(8
a),(8b)の演算が行われる。
【0051】
【数3】
【0052】これらの計算結果は夫々記憶手段2a,2
bに転送され、スキャンカウンタ3aより転送されるス
キャン番号mに従って記憶される。スキャンカウンタ3
aはビームを走査した回数即ちスキャン数をカウントし
てその番号を記憶手段に転送し、且つ、このスキャン回
数がレーダオペレータが任意に設定できるスキャンの総
数をSMXとして、それに満たない場合には、記憶手段
2a,2bからデータを出力せずにホールドするよう制
御する。スキャン回数がSMXに達したときは、記憶手
段2a,2bに夫々セーブされているスキャン番号が付
けられたデータを加算器4a,4bに転送して加算す
る。加算器4a,4bの出力は除算器5aに転送され、
式(9)の演算が行われて、反射係数が求まる。以上の
処理はスキャン番号mが1からSMXのデータに対する
処理であるが、更にSMX+1回目のスキャンデータが
得られると、スキャン番号2からスキャン番号SMX+
1のデータに対して同様な処理が行われ、SMX+2回
目のスキャンデータが得られると、スキャン番号3から
スキャン番号SMX+2のデータに対して同様な処理が
行われる、というように、使用されるスキャンデータの
番号は、スキャン回数が1回増すと1増えて常にSMX
回分のスキャンデータが選択されるように動作する。以
下の全ての実施例においても同様に、選択されるスキャ
ンデータの番号は、スキャン回数が1回増すと1増えて
常にSMX回分のスキャンデータが使用されるように動
作するが、以下の実施例では説明を簡単にするために、
スキャン番号1からSMXのスキャンデータが得られた
時点までの動作について説明する。
【0053】
【数4】
【0054】除算器5aの出力はラティスフィルタ50
aの反射係数として使用され、前向予測誤差信号f
0 (m,n,k)、後向予測誤差信号b0 (m,n,
k)に対して式(10a),(10b)の演算が行われ
る。
【0055】
【数5】
【0056】同様に式(10a),(10b)により生
成された前向予測誤差信号f1 (m,n,k)、後向予
測誤差信号b1 (m,n,k)を入力信号として、反射
係数分母計算手段55b、反射係数分子計算手段56b
では夫々式(11a),(11b)の演算が行われ、記
憶手段2c,2dに記憶される。そして上記タイミング
で記憶手段2c,2dのデータは、夫々加算器4c,4
dに転送されたのち、除算器5bで式(12)の演算が
行われる。
【0057】
【数6】
【0058】除算器5bの出力である反射係数は、ラテ
ィスフィルタ50bに適用され、式(13a),(13
b)の演算により、前向予測誤差信号f2 (m,n,
k)、後向予測誤差信号b2 (m,n,k)が生成され
る。
【0059】
【数7】
【0060】図1のようなラティスフィルタを2段縦続
接続させた不要信号抑圧装置であれば、上式で得られる
前向予測誤差信号f2 (m,n,k)が出力信号とな
る。ラティスフィルタをL段縦続接続させた不要信号抑
圧装置を考えると、L段目のラティスフィルタでは、式
(14a),(14b),(15)により計算された反
射係数が適用され、式(16a),(16b)の演算が
行われて出力信号を得ることになる。
【0061】
【数8】
【0062】以上のように動作する不要信号抑圧装置で
は、夫々のラティスフィルタの出力である前向予測誤差
信号、後向予測誤差信号の平均電力和を最小にするよう
に反射係数が計算され、且つスキャン間のデータを使用
することで適応アルゴリムの適応精度を高めているの
で、図3に示すように不要信号抑圧装置のフィルタ特性
はクラッタ電力スペクトルの逆フィルタを自動的に形成
することになり、出力信号としてクラッタ成分が抑圧さ
れた信号を得ることができる。
【0063】実施例2.次に、この発明の実施例2を図
を参照して説明する。図4において、従来例及び上記実
施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複説明を
省く。図4において、上記実施例1と異なるところは、
記憶手段2a,2bと、2c,2dの出力信号を夫々入
力し、除算器5a,5bに処理結果を転送する最大値最
小値除去平均手段11a,11bと、11c,11dを
設けた点である。ここで、上記最大値最小値除去平均手
段と除算器を有して平均化手段を構成している。最大値
最小値除去平均手段11bおよび11dの処理ブロック
図を図5に示す。最大値最小値除去平均手段11b,1
1dに入力されるデータは一般に複素数であるので、図
5に示すように、まず入力データが実部と虚部に分離さ
れる。データの総数をSMXとすると、実部虚部分離手
段21の出力は2×SMX個のデータになる。実部、虚
部に分けられたデータ群は、夫々最大値最小値除去手段
22a,22bに転送され、データの大きさが比較され
て最大値と最小値がカットされる。最大値最小値除去手
段22a,22bの(SMX−2)個の出力データは、
夫々加算器4a,4bに転送され、加算される。そして
加算器4a,4bの出力は複素信号合成手段23に転送
され、複素信号に変換された後、出力される。一方、最
大値最小値除去平均手段11a,11cに入力されるデ
ータは実数であるので、そのままのデータの大きさが比
較され、最大値最小値が除去された後、加算されて出力
データとなる。また、最大値および最小値が、それらを
除いたデータの平均値とほとんど変わらないような場合
には、それらは除去せずに出力する。以上のように、最
大値最小値除去平均手段を設けることにより、ビームス
キャンの間に推定したクラッタの電力スペクトルが他物
体等のエコーにより一時的に大きく変動したような場合
でも、例えば図7に示すように、他のスキャンで得られ
た反射係数の平均値から大きく外れた一部の反射係数
(図中のX,Y)の情報は加算されないので、このよう
な状況においてもクラッタ電力スペクトル推定精度が確
保できる。
【0064】実施例3.次に、この発明の実施例3を図
を参照して説明する。図7において、従来例及び上記実
施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複説明を
省く。図7において、上記実施例2と異なるところは、
記憶手段2a,2bおよび2c,2dの出力信号を夫々
入力し、除算器5a,5bに処理結果を転送するメディ
アンフィルタ13a,13bおよび13c,13dを設
けた点である。ここで、上記メディアンフィルタと除算
器とを有して平均化手段を構成している。メディアンフ
ィルタ13bまたは13dの処理ブロック図を図8に示
す。メディアンフィルタ13bに入力されるデータは一
般に複素数であるので、図8に示すように、まず入力デ
ータが実部虚部分離手段21により実部と虚部に分離さ
れる。データの総数をSMXとすると、実部虚部分離手
段21の出力は2×SMX個のデータになる。実部、虚
部に分けられたデータ群は、夫々ソート手段24a,2
4bに転送され、データが大きさの順に整列される。ソ
ート手段24a,24bの出力は夫々、中央値選択手段
25a,25bに転送され、丁度中央の順位に位置する
データが出力される。そして中央値選択手段25a,2
5bの出力は、複素信号合成手段23に転送され、複素
データに変換された後、出力される。一方、メディアン
フィルタ13a,13cに入力されるデータは実数であ
るので、図8における実部だけの処理と等価であるから
説明は省略する。以上のように、メディアンフィルタ1
3a〜13dを設けることにより、ビームスキャンの間
に推定したクラッタの電力スペクトルが他物体等のエコ
ーにより一時的に大きく変動したような場合でも、上記
実施例2と同等な効果が得られ、他のスキャンで得られ
たデータの平均値から大きく外れたものの情報を排除で
きるので、このような状況においてもクラッタ電力スペ
クトルの推定精度が確保できる。
【0065】実施例4.次に、この発明の実施例4を図
を参照して説明する。図9において、従来例及び上記実
施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複説明を
省く。図9において、上記実施例1,2,3と異なると
ころは、記憶手段2a,2bおよび2c,2dの出力信
号を、転送された制御信号に従って夫々選択して加算器
4a,4bおよび4c,4dに転送するスイッチ14
a,14bおよび14c,14d、ラティスフィルタ5
0a,50bの出力信号を入力し、スキャン毎に計算し
た電力値を求め、メモリに記憶しておいた以前のスキャ
ンでの電力値とを比較し、スイッチの切り替え制御信号
をスイッチ14a,14b,14c,14dに転送する
スイッチ制御手段58a,58bを設けた点とスキャン
カウンタから転送される制御信号に従って記憶手段のデ
ータをスイッチに転送するタイミングを変更した点であ
る。まず、ステージ1のラティスフィルタに関して動作
を説明する。本実施例4では、まずスイッチ14a,1
4bはスキャン1で得られるデータのチャンネルに対応
するスイッチのみONにしておく。この状態で、除算器
5aの出力である反射係数を求めてラティスフィルタ5
0aに転送し、受信信号を処理する。スイッチ制御手段
58aでは、ラティスフィルタ50aの出力信号である
前向予測誤差信号と後向予測誤差信号が入力され、電力
値が計算されメモリ等に記憶される。次いで、スキャン
2のデータが得られた後、スイッチ14a,14bはス
キャン1とスキャン2のデータに対応するスイッチだけ
ONにしておく。この状態で処理を行うと、スキャン1
とスキャン2のデータに対してスキャン間平均が行われ
ることになる。以降スキャン3,4,〜SMXまでのデ
ータが得られる都度、同様な処理が行われる。しかし、
受信信号中には複数回ビーム走査を行っている間に、例
えば天候の急激な変化等によるクラッタ環境の変動によ
り、ある番号のスキャンを境にクラッタの電力スペクト
ルが変化してしまうことが考えられるので、クラッタの
状態が異なるデータ間で平均操作を行ってもクラッタ電
力スペクトルの推定精度は改善されない可能性がある。
そこで、本実施例では、スイッチ制御手段58aを設
け、自動的に平均するスキャン数を決定できるようにし
ている。以下、図10に示すフローチャートに従って、
本実施例の動作について説明する。尚、フローチャート
では、同じ動作を行う手段については区別せずにまとめ
て記述している。
【0066】まず、ステップ80,81において変数と
スイッチの初期化が行われる。次いで、ステップ82で
は、平均するスキャン数が設定した最大スキャン数を越
えていないかチェックされ、そうでなければステップ8
3においてスキャン番号mまでに受信されたデータが記
憶手段2a,2bからスイッチ14a,14bに転送さ
れる。ステップ84において、除算器5aの出力である
反射係数が計算される。この反射係数をラティスフィル
タ50aに適用し、ステップ85において、ラティスフ
ィルタ出力信号電力がスキャン番号m毎に計算される。
ステップ86において、スキャン数が2以上かどうかを
判定し、2以上の場合はステップ87〜91の処理が行
われる。ステップ87において、データのスキャン間平
均を行うことによって、ラティスフィルタ出力信号電力
が小さくなる、即ちクラッタ電力スペクトルの推定精度
が改善される場合はステップ88に処理が移されるが、
そうでない場合はステップ89に処理が移される。スキ
ャン回数が1回増すごとに、つまりスキャン間で平均す
るデータが1スキャン分増すごとにその時点で求められ
るラティスフィルタ出力電力値と1回前のスキャンまで
で得られるラティスフィルタ出力電力値が比較され、ス
キャン間での平均を増すことでラティスフィルタ出力電
力値が大きくなってしまう場合は、ステップ89におい
て、追加したスキャンデータが使用されないようスイッ
チに制御信号を送って、スキャン番号mのスイッチがO
FFに切り替えられる。更に、ステップ90において電
力スペクトル推定精度が悪化するケースがカウントさ
れ、スキャン間平均を行うことによってクラッタ電力ス
ペクトル推定精度が悪化するケースの頻度がチェックさ
れる。ステップ91において、推定精度が悪化するケー
スが、レーダオペレータが任意に設定できる回数NOF
FMXを越えた時は、クラッタ電力スペクトルがスキャ
ン間でかなり異なるものに変化してしまったと判断さ
れ、以上の処理が一端終了し、全ての変数がリセットさ
れてまた新たに処理が行われることになる。また、ステ
ージ2以降のラティスフィルタに関しても、以上説明し
たステージ1以降のラティスフィルタと同様な処理が行
われる。以上のように、平均するスキャンデータを選択
するスイッチとスイッチを自動的に切り替えるスイッチ
制御手段を新たに設けることにより、平均操作を行うこ
とにより効果が得られるスキャン数が自動的に設定され
るので、時間経過によってクラッタの状態が変化した場
合でもクラッタ電力スペクトルの推定精度が確保でき
る。
【0067】実施例5.次に、この発明の実施例5を図
を参照して説明する。図11において、従来例及び上記
実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複説明
を省く。図11において、57a,57bは反射係数計
算手段、2bはスキャン毎に反射係数計算手段の出力を
記憶する記憶手段、4bは記憶手段2の出力を加算する
加算器、10a,10bは加算器4bの出力を加算した
スキャン数をSMXとして、そのSMXで割る除算器で
ある。ここで、スキャンカウンタ3aと記憶手段2bを
有してスキャンデータ制御手段71a,71bを構成
し、加算器4bと除算器10a、もしくは10bを有し
て平均化手段を構成している。
【0068】レーダ受信機から転送される信号は分岐さ
れ、夫々前向予測誤差信号、後向予測誤差信号としてラ
ティスフィルタ50aに入力され、まず反射係数計算手
段57aに転送される。反射係数計算手段57aでは式
(17)の演算が行われる。
【0069】
【数9】
【0070】この計算結果は記憶手段2bに転送され、
スキャンカウンタ3aより転送されるスキャン番号mに
従って記憶される。スキャンカウンタ3aはビームを走
査した回数即ちスキャン数をカウントしてその番号を記
憶手段に転送し、且つ、このスキャン回数がレーダオペ
レータが任意に設定できるスキャンの総数をSMXとし
て、それに満たない場合には、記憶手段2bからデータ
を出力せずにホールドするよう制御する。スキャン回数
がSMXに達したときは、記憶手段2bに夫々セーブさ
れているスキャン番号が付けられたデータを加算器4b
に転送して加算する。加算器4bの出力は除算器10a
に転送され、式(18)の演算が行われる。
【0071】
【数10】
【0072】除算器10aの出力はラティスフィルタ5
0aの反射係数として使用され、前向予測誤差信号f0
(m,n,k),後向予測誤差信号b0 (m,n,k)
に対して式(10a),(10b)の演算が行われる。
同様に式(10a),(10b)により生成された前向
予測誤差信号f1 (m,n,k)、後向予測誤差信号b
1 (m,n,k)を入力信号として、反射係数計算手段
57bでは、式(19)の演算が行われ、記憶手段2b
に記憶される。
【0073】
【数11】
【0074】そして上記タイミングで記憶手段2bのデ
ータは、夫々加算器4bに転送されたのち、除算器10
bで式(20)の演算が行われる。除算器10bの出力
である反射係数は、ラティスフィルタ50bに適用さ
れ、式(13a),(13b)の演算により、前向予測
誤差信号f2 (m,n,k)、後向予測誤差信号b
2 (m,n,k)が生成される。
【0075】
【数12】
【0076】図1のようなラティスフィルタを2段縦続
接続させた不要信号抑圧装置であれば、上式で得られる
前向予測誤差信号f2 (m,n,k)が出力信号とな
る。ラティスフィルタをL段縦続接続させた不要信号抑
圧装置を考えると、L段目のラティスフィルタでは、式
(21),(22)により計算された反射係数を適用
し、式(16a),(16b)の演算が行われて出力信
号を得ることになる。
【0077】
【数13】
【0078】以上のように動作する不要信号抑圧装置で
は、夫々のラティスフィルタの出力である前向予測誤差
信号、後向予測誤差信号の平均電力和を最小にするよう
に反射係数が計算され、且つスキャン間のデータを使用
することで適応アルゴリムの適応精度を高めているの
で、図2に示すように不要信号抑圧装置のフィルタ特性
はクラッタ電力スペクトルの逆フィルタを自動的に形成
することになり、出力信号としてクラッタ成分が抑圧さ
れた信号を得ることができる。以上のように、本実施例
5に係わる発明では、反射係数そのものをスキャン毎に
記憶するので、上記実施例1に比べて必要なメモリ量が
少なくてすむといった利点がある。
【0079】実施例6.次に、この発明の実施例6を図
を参照して説明する。図12において、従来例及び上記
実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複説明
を省く。図12において、上記実施例5と異なるところ
は記憶手段2bの出力信号を入力し、ラティスフィルタ
50a,50bに処理結果を転送する最大値最小値除去
平均手段11bを設けた点である。本実施例6では最大
値最小値除去平均手段11bの入力が反射係数であると
ころが上記実施例2と異なるが、最大値最小値除去平均
手段11bは、上記実施例2で説明したように動作する
ので、本実施例においてもビームスキャンの間に推定し
たクラッタの電力スペクトルが他物体等のエコーにより
一時的に大きく変動したような場合でも、クラッタ電力
スペクトルの推定精度が確保できる。
【0080】実施例7.次に、この発明の実施例7を図
を参照して説明する。図13において、従来例及び上記
実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複説明
を省く。図13において、上記実施例6と異なるところ
は、記憶手段2bの出力信号を入力し、ラティスフィル
タ50a,50bに処理結果を転送するメディアンフィ
ルタ13bを設けた点である。本実施例ではメディアン
フィルタ13bの入力が反射係数であるところが上記実
施例6と異なるが、メディアンフィルタ13bは、上記
実施例3で説明したように動作するので、本実施例にお
いてもビームスキャンの間に推定したクラッタの電力ス
ペクトルが他物体等のエコーにより一時的に大きく変動
したような場合でも、上記実施例3と同等な効果が得ら
れ、他のスキャンで得られたデータの平均値から大きく
外れた反射係数の情報を排除できるので、このような状
況においてもクラッタ電力スペクトルの推定精度が確保
できる。
【0081】実施例8.次に、この発明の実施例8を図
を参照して説明する。図14において、従来例及び上記
実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複説明
を省く。図14において、上記実施例5,6,7と異な
るところは、記憶手段2から転送される信号を選択して
夫々加算器4a,4bに転送するスイッチ14a,14
b、加算器4a,4bの出力信号の平均値を求める除算
器17a,17b、ラティスフィルタ50a,50bの
出力信号を入力し、スキャン毎に計算した電力値を求
め、メモリに記憶しておいた以前のスキャンでの電力値
とを比較し、スイッチの切り替え制御信号をスイッチ1
4a,14bおよび除算器17a,17bに転送するス
イッチ制御手段58a,58bを設けた点と、スキャン
カウンタから転送される制御信号に従って記憶手段のデ
ータをスイッチに転送するタイミングを変更した点であ
る。本実施例は、実施例4と同様に平均するスキャンデ
ータを選択するスイッチとスイッチを自動的に切り替え
るスイッチ制御手段を新たに設けることにより、平均操
作を行うことにより効果が得られるスキャン数が自動的
に設定されるので、時間経過によってクラッタの状態が
変化した場合でもクラッタ電力スペクトルの推定精度が
確保できる。実施例4との違いは、スキャン間で平均す
るデータが反射係数そのものであるので、スイッチで選
択されたスキャンデータチャンネルの数Mで、スキャン
間の反射係数加算後に除算を行う点である。更に、反射
係数そのものをスキャン毎に記憶するので、上記実施例
4に比べて必要なメモリ量が少なくてすむといった利点
がある。
【0082】実施例9.次に、この発明の実施例9を図
を参照して説明する。図15において、従来例と同一ま
たは同等部分は同一符号を付し重複説明を省く。実施例
1〜8と異なる点は、適応精度を更に向上させるため、
ノッチの深さと周波数とを調整するラティスフィルタで
なく、振幅特性が予め決まっているノッチフィルタを用
意し、クラッタの中心周波数のみを推定してその周波数
にノッチ周波数を移動させることでクラッタを抑圧する
クラッタ抑圧装置をベースにしているところである。図
15において、1a,1bは夫々反射係数の分母部分、
分子部分を求める反射係数分母計算手段、反射係数分子
計算手段、3はビームのスキャン回数をカウントして記
憶手段に転送し、また所定のスキャン回数になったら記
憶手段のデータを出力させるスキャンカウンタ、2a,
2bは夫々スキャン毎に反射係数分母計算手段1a、反
射係数分子計算手段1bの出力を記憶する記憶手段、4
a,4bは夫々記憶手段2a,2bの出力を加算する加
算器、5は加算器4bの出力を加算器4aの出力で割る
除算器、6は除算器5の出力の位相からクラッタの中心
周波数を求める周波数計算手段、7はノッチフィルタの
ノッチ周波数がクラッタ中心周波数に一致するように周
波数計算手段6から転送される周波数を用いて予め設計
されたノッチフィルタの荷重を調整するフィルタ荷重計
算手段、8はフィルタ荷重計算手段より転送される荷重
を用いて受信信号を処理するノッチフィルタである。こ
こで、上記スキャンカウンタ3と記憶手段2a,2bを
有してスキャン制御手段70を構成し、加算器4a,4
bと除算器5を有して平均化手段を構成している。
【0083】レーダ受信機から転送される信号は、クラ
ッタパラメータを推定するため分岐され、反射係数分母
計算手段1a、反射係数分子計算手段1bに転送され
る。反射係数分母計算手段1a、反射係数分子計算手段
1bでは夫々式(23a),(23b)の演算が行われ
る。
【0084】
【数14】
【0085】これらの計算結果は夫々記憶手段2a,2
bに転送され、スキャンカウンタより転送されるスキャ
ン番号に従って記憶される。スキャンカウンタ3はビー
ムを走査又はアンテナを回転させた回数即ちスキャン数
をカウントしてその番号を記憶手段に転送しかつ、この
スキャン回数がレーダオペレータが任意に設定できるス
キャンの総数SMXに満たない場合には、記憶手段2
a,2bからデータを出力せずにホールドするよう制御
する。スキャン回数がSMXに達したときは、記憶手段
2a,2bに夫々セーブされているスキャン番号が付け
られたデータを加算器4a,4bに転送して加算する。
加算器4a,4bの出力は除算器5に転送され、式(2
4)の演算が行われる。
【0086】
【数15】
【0087】除算器5の出力は周波数計算手段6に転送
され、式(25)の演算によりクラッタの中心周波数が
推定される。 fc (k) ={tan-1(Qρ/Iρ)}/2π (25) 但し、Qρ:ρSMX (k)の虚部 Iρ:ρSMX (k)の実部
【0088】さて、ここで以上説明したクラッタ中心周
波数推定原理について説明しておくクラッタ中心周波数
推定方法の原理を解析的に説明するために、スキャン間
の平均操作をパルスヒット間の平均操作に置き換え、受
信信号xk (n)が次式の数学モデルで与えられるとす
る。 xk (n) =S・exp[j2πfs n]・Δk0 ,k +C(k)・[j2πfc n]+e(n) (26) 但し、C(k):複素ガウス信号(クラッタ) S:目標信号振幅 Δk0 ,k:クロネッカのデルタ記号 e(n):複素ガウス信号(受信機雑音) fs :目標信号周波数 fc :クラッタ中心周波数 k:レンジビン番号 n:ヒット番号 Burgの方法に基いてラティス反射係数ρk を計算す
ると式(27)で表せられる。
【0089】
【数16】
【0090】但し、E[ ]はデータが、無限に得られ
た場合の平均演算を示す。ここで、式(26)を式(2
7)に代入し、目標信号、クラッタ、受信機雑音は互い
に統計的に独立であることを考慮すると式(28)が得
られる。
【0091】
【数17】
【0092】更に、目標信号電力、受信機雑音電力はク
ラッタ電力に比較して無視できるとすると式(28)は
式(29)の形に近似できる。 ρk =exp[j2πfc ] (29) よって、ラティス反射係数ρk を用いて式(30)の演
算を行うことで、クラッタの中心周波数が推定できる。 fc (k) ={tan-1(Qρk /Iρk )}/2π (30) 但し、Qρk :ρk の虚部 Iρk :ρk の実部 捜索レーダでは、結局式(27)の平均演算に用いるデ
ータが極端に少ないためにクラッタ中心周波数の推定精
度が確保できないので、本実施例ではその代替として、
スキャン間のデータで平均操作を行っている。複数のス
キャンで得られるデータブロックとデータブロックの間
隔は、ビーム走査に要する時間だけ間隔があいているた
め、連続したパルスヒット数が多数得られるような場合
とは等価にはならないが、嵐の中で受信される海面から
の不要エコー(シークラッタ)や雨、雲等からの不要エ
コー(ウェザクラッタ)でもない限りクラッタの中心周
波数やゆらぎの度合いがビーム走査中に著しく変化する
とは考えにくいので、連続したパルスヒット数が得られ
るような場合に準ずるクラッタ抑圧性能が得られること
が期待できる。
【0093】フィルタ荷重計算手段7では、例えば所望
の振幅特性を有するディジタルノッチフィルタの係数か
らノッチフィルタ8に転送するノッチフィルタ荷重を計
算する。一般に、FIR(Finite Impulse Response) 型
のノッチフィルタ設計時の係数は実数であり、そのまま
の係数値をノッチフィルタの荷重値として用いると、ノ
ッチフィルタのノッチは図16のようにクラッタのドッ
プラ周波数から外れた周波数に形成され、クラッタは除
去できない。そこでフィルタ荷重計算手段8では、この
係数値と周波数計算手段6から転送されたクラッタ中心
周波数f0 を用いて、式(31)に示す演算を行うこと
により、図3に示すようにノッチフィルタのノッチを推
定したクラッタ中心周波数に対して形成するようノッチ
フィルタ荷重を調整する。 ai =di ・exp[j2πf0 ・i] (31) (i=0,1,・・・,L) 但し、L:ノッチフィルタ段数、 di :調整前ノッチフィルタ荷重 ai :調整後ノッチフィルタ荷重
【0094】調整された荷重ai は、ノッチフィルタ8
へ転送される。ノッチフィルタ8(ここではFIR型フ
ィルタ)では、式(31)の荷重ai を適用し、受信信
号のフィルタリングを行う。即ち、式(32)の演算を
行う。
【0095】
【数18】
【0096】式(32)により、推定したクラッタ中心
周波数近辺のクラッタ成分が除去される。
【0097】実施例10.次に、この発明の実施例10
を図を参照して説明する。図18において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図18において、上記実施例9と異なると
ころは、記憶手段2a,2bの出力信号を入力し、除算
器5に処理結果を転送する最大値最小値除去平均手段1
1a,11bを設けた点である。ここで、上記最大値最
小値除去平均手段11a,11bと除算器5を有して平
均化手段を構成している。最大値最小値除去平均手段1
1bの処理ブロック図を図5に示す。最大値最小値除去
平均手段11bに入力されるデータは一般に複素数であ
るので、図5に示すように、まず入力データが実部と虚
部に分離される。データの総数をSMXとすると、実部
虚部分離手段21の出力は2×SMX個のデータにな
る。実部、虚部に分けられたデータ群は、夫々最大値最
小値除去手段22a,22bに転送され、データの大き
さが比較されて最大値と最小値がカットされる。最大値
最小値除去手段22a,22bの(SMX−2)個の出
力データは、夫々加算器4a,4bに転送され、加算さ
れる。そして加算器4a,4bの出力は複素信号合成手
段23に転送され、複素信号に変換された後、出力され
る。一方、最大値最小値除去平均手段11aに入力され
るデータは実数であるので、そのままのデータの大きさ
が比較され、最大値最小値が除去された後、加算されて
出力データとなる。また、最大値および最小値が、それ
らを除いたデータの平均値とほとんど変わらないような
場合には、それらは除去せずに出力する。以上のよう
に、最大値最小値除去平均手段を設けることにより、ビ
ームスキャンの間に推定したクラッタの中心周波数が他
物体等のエコーにより一時的に大きく変動したような場
合でも、例えば図6に示すように、他のスキャンで得ら
れたデータの平均値から大きく外れたもの(図中のX,
Y)の情報は加算されないので、このような状況におい
てもクラッタ中心周波数の推定精度が確保できる。
【0098】実施例11.次に、この発明の実施例11
を図を参照して説明する。図19において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図19において、上記実施例10と異なる
ところは、記憶手段2a,2bの出力信号を入力し、除
算器5に処理結果を転送するメディアンフィルタ13
a,13bを設けた点である。ここで、上記メディアン
フィルタ13a,13bと除算器5を有して平均化手段
を構成している。メディアンフィルタ13bの処理ブロ
ック図を図8に示す。メディアンフィルタ13bに入力
されるデータは一般に複素数であるので、図8に示すよ
うに、まず入力データが実部虚部分離手段21により実
部と虚部に分離される。データの総数をSMXとする
と、実部虚部分離手段21の出力は2×SMX個のデー
タになる。実部、虚部に分けられたデータ群は、夫々ソ
ート手段24a,24bに転送され、データが大きさの
順に整列される。ソート手段24a,24bの出力は夫
々、中央値選択手段25a,25bに転送され、丁度真
ん中の順位に位置するデータが出力される。そして中央
値選択手段25a,25bの出力は、複素信号合成手段
23に転送され、複素データに変換された後、出力され
る。一方、メディアンフィルタ13aに入力されるデー
タは実数であるので、図8における実部だけの処理と等
価であるから、ここでは説明は省略する。以上のよう
に、メディアンフィルタ13a,13bを設けることに
より、ビームスキャンの間に推定したクラッタの中心周
波数が他物体等のエコーにより一時的に大きく変動した
ような場合でも、上記実施例10と同等な効果が得ら
れ、他のスキャンで得られたデータの平均値から大きく
外れたものの情報を排除できるので、このような状況に
おいてもクラッタ中心周波数の推定精度が確保できる。
【0099】実施例12.次に、この発明の実施例12
を図を参照して説明する。図20において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図20において、上記実施例9,10,1
1と異なるところは、記憶手段2a,2bの出力信号を
転送された制御信号に従って夫々選択して加算器4a,
4bに転送するスイッチ14a,14b、周波数計算手
段6の出力信号である周波数値を入力し、スキャン毎に
推定した周波数の分散値を求める分散値計算手段15、
分散値計算手段15から転送される分散値とメモリに記
憶しておいた以前の分散値とを比較し、スイッチの切り
替え制御信号をスイッチに転送するデータ採用判定手段
16を設けた点とスキャンカウンタから転送される制御
信号に従って記憶手段のデータをスイッチに転送するタ
イミングを変更した点である。ここで、分散値計算手段
15とデータ採用判定手段16を有してスイッチ制御手
段18を構成している。本実施例では、まずスイッチ1
4a,14bはスキャン1で得られるデータのチャンネ
ルに対応するスイッチのみONにしておく。この状態で
周波数計算手段6によりクラッタの中心周波数の推定を
行い、その結果である推定値の平均値のばらつきを表す
分散値を分散値計算手段15で求め、メモリ等に記憶し
ておく。次いで、スキャン2のデータが得られた後、ス
イッチ14a,14bはスキャン1とスキャン2のデー
タに対応するスイッチだけONにしておく。この状態で
周波数計算手段6によりクラッタの中心周波数の推定を
行うと、スキャン1とスキャン2のデータに対してスキ
ャン間平均が行われることになる。以降スキャン3,
4,〜SMXのデータが得られる都度、同様な処理が行
われる。しかし、受信信号中には複数回ビーム走査を行
っている間に、例えば天候の急激な変化等によるクラッ
タ環境の変動により、ある番号のスキャンを境にクラッ
タパラメータが変化してしまうことが考えられる。この
ようなとき、即ちクラッタの状態が異なるデータ間で平
均操作を行ってもクラッタ中心周波数の推定精度は改善
されない可能性がある。そこで、本実施例では、データ
採用判定手段16を設け自動的に平均するスキャン数を
決定できるようにしている。以下、図21に示すフロー
チャートに従って、本実施例の動作について説明する。
尚、フローチャートでは、同じ動作を行う複数手段につ
いて区別せずにまとめて記述している。
【0100】まず、ステップ30,31において変数と
スイッチの初期化が行われる。次いで、ステップ32で
は、平均するスキャン数が設定した最大スキャン数を越
えていないかチェックされ、そうでなければステップ3
3においてスキャン番号mまでに受信されたデータが記
憶手段2a,2bからスイッチ14a,14bに転送さ
れる。ステップ34において、周波数計算手段6により
除算器5の出力信号からクラッタの中心周波数が推定さ
れる。このクラッタの中心周波数からステップ35にお
いて、分散値計算手段15によりスキャン番号m毎に分
散値が計算される。ステップ36において、スキャン数
が2以上かどうかを判定し、2以上の場合はステップ3
7〜41の処理が行われる。ステップ37において、ス
キャン間平均を行うことによって、クラッタ中心周波数
の推定精度が改善される場合はステップ38に処理が移
されるが、そうでない場合はステップ39に処理が移さ
れる。スキャン回数が一回増すごとに、つまりスキャン
間で平均するデータが1スキャン分増すごとに分散値計
算手段15で求められる分散値と1回前のスキャンまで
で得られる分散値が比較され、スキャン間での平均を増
すことでクラッタ中心周波数の推定精度が悪化する、即
ち分散値が大きくなってしまう場合は、ステップ39に
おいて、追加したスキャンデータが使用されないようス
イッチに制御信号を送って、スキャン番号mのスイッチ
がOFFに切り替えられる。更に、ステップ40におい
て推定精度が悪化するケースがカウントされ、スキャン
間平均を行うことによってクラッタ中心周波数の推定精
度が悪化するケースの頻度がチェックされる。ステップ
41において、推定精度が悪化するケースが、レーダオ
ペレータが任意に設定できる回数NOFFMXを越えた
時は、クラッタパラメータがスキャン間でかなり異なる
ものに変化してしまったと判断され、以上の処理が一端
終了し、全ての変数がリセットされてまた新たに処理が
行われることになる。以上のように、分散値計算手段1
5、データ採用判定手段16を新たに設けることによ
り、平均操作を行うことにより効果が得られるスキャン
数が自動的に制御されるので、時間経過によってクラッ
タパラメータが変化した場合でもクラッタ中心周波数の
推定精度が確保できる。また、本実施例ではスイッチの
切り替えの判定の目安に、推定したクラッタ中心周波数
の分散値を使用しているが、その代替としてノッチフィ
ルタ8の出力信号の電力を使用して、実施例4,8で説
明したような動作をさせてスイッチを切り替えてもかま
わない。
【0101】実施例13.次に、この発明の実施例13
を図を参照して説明する。実施例1〜8と異なる点は、
適応精度を更に向上させるため、ノッチの深さと周波数
とを調整するラティスフィルタでなく、振幅特性が予め
決まっているノッチフィルタを用意し、クラッタの中心
周波数のみを推定してその周波数にノッチ周波数を移動
させることでクラッタを抑圧するクラッタ抑圧装置をベ
ースにしているところである。図22において、従来例
及び上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し
重複説明を省く。図22において、9は反射係数計算手
段、2はスキャン毎に反射係数計算手段9の出力を記憶
する記憶手段、4は記憶手段2の出力を加算する加算
器、10は加算器4の出力を加算したスキャン数で割る
除算器である。ここで、スキャンカウンタ3と記憶手段
2を有してスキャンデータ制御手段71を構成し、加算
器4と除算器10を有して平均化手段を構成している。
【0102】レーダ受信機から転送される信号は、クラ
ッタパラメータを推定するため分岐され、反射係数計算
手段9に転送される。反射係数計算手段9では式(3
3)の演算が行われる。
【0103】
【数19】
【0104】これらの計算結果は記憶手段2に転送さ
れ、スキャンカウンタより転送されるスキャン番号に従
って記憶される。スキャンカウンタ3はビームを走査さ
せた回数即ちスキャン数をカウントしてその番号を記憶
手段に転送し、且つ、レーダオペレータが任意に設定で
きるデータ平均に使用するスキャンの総数SMXに満た
ない場合には、記憶手段2からデータを出力せずにホー
ルドするよう制御する。スキャン回数がSMXに達した
ときは、記憶手段2に夫々セーブされているスキャン番
号が付けられたデータを加算器4に転送して加算し、次
いで除算器10で平均演算を行う。即ち、式(34)に
示す演算を行うことになる。
【0105】
【数20】
【0106】そして、除算器10の出力である反射係数
から上記実施例9と同様にクラッタの中心周波数が求ま
り、クラッタを抑圧することができる。以上のように、
本実施例13に係わる発明では、反射係数そのものをス
キャン毎に記憶するので、上記実施例9に比べて必要な
メモリ量が少なくてすむといった利点がある。
【0107】実施例14.次に、この発明の実施例14
を図を参照して説明する。図23において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図23において、上記実施例13と異なる
ところは、記憶手段2の出力信号を入力し、周波数計算
手段6に処理結果を転送する最大値最小値除去平均手段
11bを設けた点である。本実施例では最大値最小値除
去平均手段11bの入力が反射係数であるところが上記
実施例10と異なるが、最大値最小値除去平均手段11
bは、上記実施例10で説明したように動作するので、
本実施例においてもビームスキャンの間に推定したクラ
ッタの中心周波数が他物体等のエコーにより一時的に大
きく変動したような場合でも、クラッタ中心周波数の推
定精度が確保できる。
【0108】実施例15.次に、この発明の実施例15
を図を参照して説明する。図24において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図24において、上記実施例14と異なる
ところは、記憶手段2の出力信号を入力し、周波数計算
手段6に処理結果を転送するメディアンフィルタ13b
を設けた点である。本実施例ではメディアンフィルタ1
3bの入力が反射係数であるところが上記実施例4と異
なるが、メディアンフィルタ13bは、上記実施例11
で説明したように動作するので、本実施例においてもビ
ームスキャンの間に推定したクラッタの中心周波数が他
物体等のエコーにより一時的に大きく変動したような場
合でも、上記実施例11と同等な効果が得られ、他のス
キャンで得られたデータの平均値から大きく外れたもの
の情報を排除できるので、このような状況においてもク
ラッタ中心周波数の推定精度が確保できる。
【0109】実施例16.次に、この発明の実施例16
を図を参照して説明する。図25において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図25において、上記実施例13,14,
15と異なるところは、記憶手段2から転送される信号
を選択して加算器4に転送するスイッチ14、加算器4
の出力信号の平均値を求める除算器16、周波数計算手
段6の出力信号である周波数値を入力し、スキャン毎に
推定した周波数の分散値を求める分散値計算手段15、
分散値計算手段15から転送される分散値とメモリに記
憶しておいた以前の分散値とを比較し、スイッチの切り
替え制御信号をスイッチに転送するデータ採用判定手段
16を設けた点とスキャンカウンタから転送される制御
信号に従って記憶手段のデータをスイッチに転送するタ
イミングを変更した点である。本実施例は、実施例13
と同様に分散値計算手段15、データ採用判定手段16
を新たに設けることにより、平均操作を行うことにより
効果が得られるスキャン数が自動的に制御されるので、
時間経過によってクラッタパラメータが変化した場合で
もクラッタ中心周波数の推定精度が確保できる。更に、
反射係数そのものをスキャン毎に記憶するので、上記実
施例12に比べて必要なメモリ量が少なくてすむといっ
た利点がある。また、本実施例ではスイッチの切り替え
の判定の目安に、推定したクラッタ中心周波数の分散値
を使用しているが、その代替としてノッチフィルタ8の
出力信号の電力を使用して、実施例4,8で説明したよ
うな動作をさせてスイッチを切り替えてもかまわない。
【0110】実施例17.次に、この発明の実施例17
を図を参照して説明する。図26において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図26において、上記実施例13と異なる
ところは、記憶手段2がスキャン毎に周波数計算手段6
の出力を記憶する、即ち不要信号の推定周波数を記憶す
る点である。これにより、記憶すべきデータが複素数か
ら実数になり、上記実施例13に比べて必要なメモリ量
を半減することができる。ここで、スキャンカウンタ3
と記憶手段2とを有してスキャンデータ制御手段72を
構成している。
【0111】実施例18.次に、この発明の実施例18
を図を参照して説明する。図27において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図27において、上記実施例17と異なる
ところは、記憶手段2の出力信号を入力し、フィルタ荷
重計算手段7に処理結果を転送する最大値最小値除去平
均手段11aを設けた点である。本実施例では最大値最
小値除去平均手段11aの入力が推定したクラッタ中心
周波数であるところが上記実施例10,14と異なる
が、最大値最小値除去平均手段11aは、上記実施例1
0で説明したように動作するので、本実施例においても
ビームスキャンの間に推定したクラッタの中心周波数が
他物体等のエコーにより一時的に大きく変動したような
場合でも、クラッタ中心周波数の推定精度が確保でき
る。
【0112】実施例19.次に、この発明の実施例19
を図を参照して説明する。図28において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図28において、上記実施例18と異なる
ところは、記憶手段2の出力信号を入力し、フィルタ荷
重計算手段7に処理結果を転送するメディアンフィルタ
13aを設けた点である。本実施例ではメディアンフィ
ルタ13aの入力がクラッタ中心周波数であるところが
上記実施例11,15と異なるが、メディアンフィルタ
13aは、上記実施例11で説明したように動作するの
で、本実施例においてもビームスキャンの間に推定した
クラッタの中心周波数が他物体等のエコーにより一時的
に大きく変動したような場合でも、クラッタ中心周波数
の推定精度が確保できる。
【0113】実施例20.次に、この発明の実施例20
を図を参照して説明する。図29において、従来例及び
上記実施例と同一または同等部分は同一符号を付し重複
説明を省く。図29において、上記実施例17,18,
19と異なるところは、記憶手段2から転送される信号
を選択して加算器4に転送するスイッチ14、加算器4
の出力信号の平均値を求める除算器17、周波数計算手
段6の出力信号である周波数値を入力し、スキャン毎に
推定した周波数の分散値を求める分散値計算手段15、
分散値計算手段15から転送される分散値とメモリに記
憶しておいた以前の分散値とを比較し、スイッチの切り
替え制御信号をスイッチに転送するデータ採用判定手段
16を設けた点とスキャンカウンタから転送される制御
信号に従って記憶手段のデータをスイッチに転送するタ
イミングを変更した点である。本実施例は、実施例12
と同様に分散値計算手段15、データ採用判定手段16
を新たに設けることにより、平均操作を行うことにより
効果が得られるスキャン数が自動的に制御されるので、
時間経過によってクラッタパラメータが変化した場合で
もクラッタ中心周波数の推定精度が確保できる。更に、
記憶手段2がスキャン毎に周波数計算手段6の出力を記
憶する、即ちクラッタの推定中心周波数推定のために記
憶するデータが実数ですむので、上記実施例16に比べ
て必要なメモリ量を半減することができる。また、本実
施例ではスイッチの切り替えの判定の目安に、推定した
クラッタ中心周波数の分散値を使用しているが、その代
替としてノッチフィルタ8の出力信号の電力を使用し
て、実施例4,8で説明したような動作をさせてスイッ
チを切り替えてもかまわない。
【0114】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係わる発明に
よれば、複数回のビームスキャンで得られる受信信号を
入力とするラティスフィルタと、ビームスキャン毎に反
射係数の分母要素と分子要素とを求める計算手段と、上
記反射係数の分母要素と分子要素夫々についてスキャン
間で統計的平均操作を行い反射係数を求める平均化手段
とを備え、クラッタ電力スペクトルの推定精度を高め
て、不要信号の抑圧性能を向上した不要信号抑圧装置を
得ることができる。
【0115】また、請求項2に係わる発明によれば、請
求項1に係わる発明の平均化手段として、ビームスキャ
ン毎に求めた反射係数の分母要素と分子要素夫々につい
て、スキャン間で最大値と最小値を除去してから平均値
をとり反射係数を求める、もしくはスキャン間で中央値
を代表値としてとり反射係数を求める、平均化手段を備
え、異なるスキャン間において一部のクラッタ電力スペ
クトルが突発的に変動した場合でもクラッタ電力スペク
トルの推定精度を保ち、不要信号の抑圧性能を向上した
不要信号抑圧装置を得ることができる。
【0116】また、請求項3に係わる発明によれば、請
求項1に係わる発明の効果に加えて、ラティスフィルタ
の出力信号電力における不要信号抑圧量を評価パラメー
タにして、平均をとるスキャン回数を自動的に決定する
スイッチ制御手段を備え、複数回のスキャンによる時間
経過によってクラッタ電力スペクトルが変化した場合で
も、クラッタ電力スペクトルの推定精度を保ち、不要信
号の抑圧性能を向上した不要信号抑圧装置を得ることが
できる。
【0117】また、請求項4に係わる発明によれば、複
数回のビームスキャンで得られる受信信号を入力とする
ラティスフィルタと、ビームスキャン毎に反射係数を求
める計算手段と、上記求めた反射係数についてスキャン
間で統計的平均操作を行う平均化手段とを備え、クラッ
タ電力スペクトルの推定精度を高めて、不要信号の抑圧
性能を向上した不要信号抑圧装置を得ることができる。
【0118】また、請求項5に係わる発明によれば、請
求項4に係わる発明の平均化手段として、ビームスキャ
ン毎に求めた反射係数について、スキャン間で最大値と
最小値を除去してから平均値をとる平均化手段、もしく
はスキャン間で中央値を代表値としてとる平均化手段を
備え、異なるスキャン間において一部のクラッタ電力ス
ペクトルが突発的に変動した場合でもクラッタ電力スペ
クトルの推定精度を保ち、不要信号の抑圧性能を向上し
た不要信号抑圧装置を得ることができる。
【0119】また、請求項6に係わる発明によれば、請
求項4に係わる発明の効果に加えて、ラティスフィルタ
の出力信号電力における不要信号抑圧量を評価パラメー
タにして、平均をとるスキャン回数を自動的に決定する
スイッチ制御手段を備え、複数回のスキャンによる時間
経過によってクラッタ電力スペクトルが変化した場合で
も、クラッタ電力スペクトルの推定精度を保ち、不要信
号の抑圧性能を向上した不要信号抑圧装置を得ることが
できる。
【0120】また、請求項7に係わる発明によれば、複
数回のビームスキャンで得られる受信信号を入力とする
ノッチフィルタと、ビームスキャン毎に反射係数の分母
要素と分子要素を求める計算手段と、上記反射係数の分
母要素と分子要素夫々についてスキャン間で統計的平均
操作を行って反射係数を求める平均化手段と、それに基
づいてクラッタの中心周波数を推定する周波数計算手段
とを備え、クラッタの中心周波数の推定精度を高め、不
要信号の抑圧性能を向上した不要信号抑圧装置を得るこ
とができる。
【0121】また、請求項8に係わる発明によれば、請
求項7に係わる発明の平均化手段として、ビームスキャ
ン毎に求めた反射係数の分母要素と分子要素夫々につい
て、スキャン間で最大値と最小値を除去してから平均値
をとり反射係数を求める平均化手段、もしくはスキャン
間で中央値を代表値としてとり反射係数を求める平均化
手段を備え、異なるスキャン間においてクラッタ中心周
波数の推定誤差が突発的に生じた場合でもクラッタ中心
周波数の推定精度を保ち、不要信号の抑圧性能を向上し
た不要信号抑圧装置を得ることができる。
【0122】また、請求項9に係わる発明によれば、請
求項7に係わる発明の効果に加えて、推定するクラッタ
中心周波数の推定精度を評価パラメータにして、平均を
とるスキャン数を自動的に決定するスイッチ制御手段を
備え、複数回のスキャンによる時間経過によってクラッ
タパラメータが変化した場合でもクラッタ中心周波数の
推定精度を保ち、不要信号の抑圧性能を向上した不要信
号抑圧装置を得ることができる。
【0123】また、請求項10に係わる発明によれば、
複数回のビームスキャンで得られる受信信号を入力とす
るノッチフィルタと、ビームスキャン毎に反射係数を求
める計算手段と、上記反射係数についてスキャン間で統
計的平均操作を行って反射係数を求める平均化手段と、
それに基づいてクラッタの中心周波数を推定する周波数
計算手段とを備え、クラッタの中心周波数の推定精度を
高め、不要信号の抑圧性能を向上した不要信号抑圧装置
を得ることができる。
【0124】また、請求項11に係わる発明によれば、
請求項10に係わる発明の平均化手段として、ビームス
キャン毎に求めた反射係数について、スキャン間で最大
値と最小値を除去してから平均値をとる平均化手段、も
しくはスキャン間で中央値を代表値としてとる平均化手
段を備え、異なるスキャン間においてクラッタ中心周波
数の推定誤差が突発的に生じた場合でも推定精度を保
ち、不要信号の抑圧性能を向上した不要信号抑圧装置を
得ることができる。
【0125】また、請求項12に係わる発明によれば、
請求項10に係わる発明の効果に加えて、推定したクラ
ッタ中心周波数の推定精度を評価パラメータにして、平
均をとるスキャン数を自動的に決定するスイッチ制御手
段を備え、複数回のスキャンによる時間経過によってク
ラッタパラメータが変化した場合でもクラッタ中心周波
数の推定精度を保ち、不要信号の抑圧性能を向上した不
要信号抑圧装置を得ることができる。
【0126】また、請求項13に係わる発明によれば、
複数回のビームスキャンで得られる受信信号を入力とす
るノッチフィルタと、ビームスキャン毎に反射係数を求
める計算手段と、上記反射係数に基づいてクラッタの中
心周波数を推定する周波数計算手段と、上記の推定した
クラッタの中心周波数についてスキャン間で統計的平均
操作を行う平均化手段と、を備え、クラッタの中心周波
数の推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上した不
要信号抑圧装置を得ることができる。
【0127】また、請求項14に係わる発明によれば、
請求項13に係わる発明の平均化手段として、ビームス
キャン毎に反射係数から推定したクラッタの中心周波数
を求め、スキャン間で最大値と最小値を除外して平均値
をとる平均化手段、もしくはスキャン間で中央値を代表
値としてとる平均化手段を備え、異なるスキャン間にお
いてクラッタ中心周波数の推定誤差が突発的に生じた場
合でも推定精度を保ち、不要信号の抑圧性能を向上した
不要信号抑圧装置を得ることができる。
【0128】また、請求項15に係わる発明によれば、
請求項13に係わる発明の効果に加えて、推定したクラ
ッタの中心周波数の分散値をパラメータにして、平均す
るスキャン回数を自動的に決定するスイッチ制御手段を
備え、複数回のスキャンによる時間経過によってクラッ
タパラメータが変化した場合でも推定精度を保ち、不要
信号の抑圧性能を向上した不要信号抑圧装置を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す構成図である。
【図2】図1のラティスフィルタの内部構成図である。
【図3】図1の動作を説明する周波数スペクトル図であ
る。
【図4】この発明の実施例2を示す構成図である。
【図5】図4の最大値最小値除去平均手段の内部構成図
である。
【図6】図4の最大値最小値除去平均手段の作用を説明
する図である。
【図7】この発明の実施例3を示す構成図である。
【図8】図7のメディアンフィルタのの内部構成図であ
る。
【図9】この発明の実施例4を示す構成図である。
【図10】図9のスイッチ制御手段の動作を説明するフ
ローチャートである。
【図11】この発明の実施例5を示す構成図である。
【図12】この発明の実施例6を示す構成図である。
【図13】この発明の実施例7を示す構成図である。
【図14】この発明の実施例8を示す構成図である。
【図15】この発明の実施例9を示す構成図である。
【図16】図15の動作を説明する周波数スペクトル図
である。
【図17】図15の動作を説明する周波数スペクトル図
である。
【図18】この発明の実施例10を示す構成図である。
【図19】この発明の実施例11を示す構成図である。
【図20】この発明の実施例12を示す構成図である。
【図21】図20のスイッチ制御手段の動作を説明する
フローチャートである。
【図22】この発明の実施例13を示す構成図である。
【図23】この発明の実施例14を示す構成図である。
【図24】この発明の実施例15を示す構成図である。
【図25】この発明の実施例16を示す構成図である。
【図26】この発明の実施例17を示す構成図である。
【図27】この発明の実施例18を示す構成図である。
【図28】この発明の実施例19を示す構成図である。
【図29】この発明の実施例20を示す構成図である。
【図30】従来の不要信号抑圧装置を示す構成図であ
る。
【図31】従来及びこの発明の不要信号抑圧装置とこれ
を用いたシステムとの関係を説明する図である。
【図32】従来の不要信号抑圧装置の動作を説明する周
波数スペクトル図である。
【符号の説明】
1a 反射係数分母計算手段 1b 反射係数分子計算手段 2,2a,2b,2c,2d 記憶手段 3,3a,3b スキャンカウンタ 4a,4b,4c,4d 加算器 5,5a,5b 除算器 6 周波数計算手段 9 反射係数計算手段 10,10a,10b 除算器 11a,11b,11c,11d 最大値最小値除去平
均手段 13a,13b,13c,13d メディアンフィルタ 14a,14b,14c,14d スイッチ 18 スイッチ制御手段 19 フィルタ手段 50,50a,50b ラティスフィルタ 55a,55b 反射係数分母計算手段 56a,56b 反射係数分子計算手段 58a,58b スイッチ制御手段 70,70a,70b スキャンデータ制御手段 71,71a,71b スキャンデータ制御手段 72 スキャンデータ制御手段 98 クラッタ電力スペクトル 99 フィルタ振幅特性

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の要素を備え、複数回のビームスキ
    ャンで得られる受信信号を用いてクラッタ電力スペクト
    ルの推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させた
    ことを特徴とする不要信号抑圧装置、(a)受信信号を
    入力とする縦続接続されたラチスフィルタ、(b)上記
    ラチスフィルタの入力信号を2分岐して入力としビーム
    スキャン毎に夫々反射係数の分母要素と分子要素とを求
    める計算手段、(c)上記反射係数の分母要素と分子要
    素とを夫々ビームスキャン毎に記憶処理するスキャンデ
    ータ制御手段、(d)上記記憶する反射係数の分母要素
    と分子要素夫々についてスキャン間の統計的平均値を求
    め、反射係数を求める平均化手段。
  2. 【請求項2】 平均化手段として、ビームスキャン毎に
    記憶する反射係数の分母要素と分子要素夫々を入力と
    し、スキャン間で最大値と最小値を除外して平均値をと
    り反射係数を求める平均化手段を備えた、もしくはスキ
    ャン間で中央値を代表値としてとり反射係数を求める平
    均化手段を備えた、請求項1記載の不要信号抑圧装置。
  3. 【請求項3】 ラチスフィルタの出力信号電力における
    不要信号抑圧量を評価パラメータにして、複数回のスキ
    ャンによる時間経過中の不適当なデータを排除するスイ
    ッチ制御手段を備えた、請求項1記載の不要信号抑圧装
    置。
  4. 【請求項4】 以下の要素を備え、複数回のビームスキ
    ャンで得られる受信信号を用いてクラッタ電力スペクト
    ルの推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させた
    ことを特徴とする不要信号抑圧装置、(a)受信信号を
    入力とする縦続接続されたラチスフィルタ、(b)上記
    ラチスフィルタの入力信号を入力としビームスキャン毎
    に夫々反射係数を求める計算手段、(c)上記反射係数
    をビームスキャン毎に記憶処理するスキャンデータ制御
    手段、(d)上記記憶する反射係数についてスキャン間
    の統計的平均値を求める平均化手段。
  5. 【請求項5】 平均化手段として、ビームスキャン毎に
    記憶する反射係数を入力とし、スキャン間で最大値と最
    小値とを除外して平均値をとる平均化手段を備えた、も
    しくはスキャン間で中央値を代表値としてとる平均化手
    段を備えた、請求項4記載の不要信号抑圧装置。
  6. 【請求項6】 ラチスフィルタの出力信号電力における
    不要信号抑圧量を評価パラメータにして、複数回のスキ
    ャンによる時間経過中の不適当なデータを排除するスイ
    ッチ制御手段を備えた、請求項4記載の不要信号抑圧装
    置。
  7. 【請求項7】 以下の要素を備え、複数回のビームスキ
    ャンで得られる受信信号を用いてクラッタの中心周波数
    の推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させたこ
    とを特徴とする不要信号抑圧装置、(a)受信信号を入
    力とする予め振幅特性が決まっているノッチフィルタ、
    (b)上記受信信号を2分岐して入力としビームスキャ
    ン毎に夫々反射係数の分母要素と分子要素とを求める計
    算手段、(c)上記反射係数の分母要素と分子要素とを
    夫々ビームスキャン毎に記憶処理するスキャンデータ制
    御手段、(d)上記記憶する反射係数の分母要素と分子
    要素夫々についてスキャン間の統計的平均値を求め、反
    射係数を求める平均化手段、(e)上記反射係数に基づ
    いてクラッタの中心周波数を推定する周波数計算手段、
    (f)上記推定したクラッタの中心周波数に基づいて、
    ノッチフィルタの荷重を調整するフィルタ荷重計算手
    段。
  8. 【請求項8】 平均化手段として、ビームスキャン毎に
    記憶する反射係数の分母要素と分子要素夫々を入力と
    し、スキャン間で最大値と最小値とを除外して平均値を
    とる平均化手段、もしくはスキャン間で中央値を代表値
    としてとる平均化手段を備えた請求項7記載の不要信号
    抑圧装置。
  9. 【請求項9】 推定したクラッタの中心周波数の分散値
    をパラメータにして、複数回のスキャンによる時間経過
    中の不要信号抑圧に不適当なデータを排除するスイッチ
    制御手段を備えた請求項7記載の不要信号抑圧装置。
  10. 【請求項10】 以下の要素を備え、複数回のビームス
    キャンで得られる受信信号を用いてクラッタの中心周波
    数の推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させた
    ことを特徴とする不要信号抑圧装置、(a)受信信号を
    入力とする予め振幅特性が決まっているノッチフィル
    タ、(b)上記受信信号を入力としビームスキャン毎に
    夫々反射係数を求める計算手段、(c)上記反射係数を
    ビームスキャン毎に記憶処理するスキャンデータ制御手
    段、(d)上記記憶する反射係数についてスキャン間の
    統計的平均値を求める平均化手段、(e)上記平均反射
    係数に基づいてクラッタの中心周波数を推定する周波数
    計算手段、(f)上記推定したクラッタの中心周波数に
    基づいて、ノッチフィルタの荷重を調整するフィルタ荷
    重計算手段。
  11. 【請求項11】 平均化手段として、ビームスキャン毎
    に記憶する反射係数を入力とし、スキャン間で最大値と
    最小値を除外して平均値をとる平均化手段、もしくはス
    キャン間で中央値を代表値としてとる平均化手段を備え
    た請求項10記載の不要信号抑圧装置。
  12. 【請求項12】 推定したクラッタの中心周波数の分散
    値をパラメータにして、複数回のスキャンによる時間経
    過中の不要信号抑圧に不適当なデータを排除するスイッ
    チ制御手段を備えた請求項10記載の不要信号抑圧装
    置。
  13. 【請求項13】 以下の要素を備え、複数回のビームス
    キャンで得られる受信信号を用いてクラッタの中心周波
    数の推定精度を高め、不要信号の抑圧性能を向上させた
    ことを特徴とする不要信号抑圧装置、(a)受信信号を
    入力する予め振幅特性が決まっているノッチフィルタ、
    (b)上記受信信号を入力としビームスキャン毎に夫々
    反射係数を求める計算手段、(c)上記反射係数に基づ
    いてクラッタの中心周波数を推定する周波数計算手段、
    (d)上記推定したクラッタの中心周波数をビームスキ
    ャン毎に記憶処理するスキャンデータ制御手段、(e)
    上記記憶するクラッタの中心周波数についてスキャン間
    の統計的平均値を求める平均化手段、(f)上記推定し
    たクラッタの中心周波数のスキャン間の平均値に基づい
    て、ノッチフィルタの荷重を調整するフィルタ荷重計算
    手段。
  14. 【請求項14】 平均化手段として、ビームスキャン毎
    に記憶する推定したクラッタの中心周波数を入力とし、
    スキャン間で最大値と最小値を除外して平均値をとる平
    均化手段、もしくはスキャン間で中央値を代表値として
    とる平均化手段を備えた請求項13記載の不要信号抑圧
    装置。
  15. 【請求項15】 推定したクラッタの中心周波数の分散
    値をパラメータにして、複数回のスキャンによる時間経
    過中の不要信号抑圧に不適当なデータを排除するスイッ
    チ制御手段を備えた請求項13記載の不要信号抑圧装
    置。
JP6029475A 1994-02-28 1994-02-28 不要信号抑圧装置 Pending JPH07239378A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6029475A JPH07239378A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 不要信号抑圧装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6029475A JPH07239378A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 不要信号抑圧装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07239378A true JPH07239378A (ja) 1995-09-12

Family

ID=12277121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6029475A Pending JPH07239378A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 不要信号抑圧装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07239378A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005530164A (ja) * 2002-06-18 2005-10-06 アーデーツエー・オートモテイブ・デイスタンス・コントロール・システムズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 物体検出用システムにおける妨害を抑制するための方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005530164A (ja) * 2002-06-18 2005-10-06 アーデーツエー・オートモテイブ・デイスタンス・コントロール・システムズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 物体検出用システムにおける妨害を抑制するための方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1021732B1 (en) Digital direction finding receiver
JP2815208B2 (ja) 適応波形レーダ
US5481270A (en) Radar with adaptive range sidelobe suppression
US5304940A (en) Unwanted signal suppression device
Malanowski Comparison of adaptive methods for clutter removal in PCL radar
JP2012181052A (ja) 相関抑圧フィルタ、ウェイト算出方法、ウェイト算出装置、アダプティブアレーアンテナ及びレーダ装置
JP2011117899A (ja) レーダ装置
CN110646769B (zh) 一种适用于lte外辐射源雷达的时域杂波抑制方法
US9810771B1 (en) Adaptive finite impulse response (FIR) filter and method
Meller Cheap cancellation of strong echoes for digital passive and noise radars
JP2014044193A (ja) クラッタ抑圧装置
JP4144195B2 (ja) レーダ装置
JP5858755B2 (ja) レーダ装置
JP3009624B2 (ja) ディジタルビーム形成装置のためのfir型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置、ディジタルビーム形成装置のためのfir型ディジタルフィルタ及びディジタルビーム形成装置
US11444643B2 (en) Signal frequency and bandwidth estimation using a learned filter pair response
JP5933245B2 (ja) クラッタ抑圧装置
Nickel Radar target parameter estimation with array antennas
JPH07239378A (ja) 不要信号抑圧装置
EP3770628A1 (en) A method for radar interference mitigation
JP2010060353A (ja) レーダ装置
JPH05223919A (ja) 信号処理装置
JP2001133538A (ja) 信号処理装置および信号処理方法
JP4109918B2 (ja) クラッタ抑圧装置及び方法
JP7034396B2 (ja) レーダ装置及び目標検出方法
JP3296234B2 (ja) クラッタ抑圧装置およびクラッタ抑圧方法