JP2001133538A - 信号処理装置および信号処理方法 - Google Patents

信号処理装置および信号処理方法

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JP2001133538A
JP2001133538A JP31584099A JP31584099A JP2001133538A JP 2001133538 A JP2001133538 A JP 2001133538A JP 31584099 A JP31584099 A JP 31584099A JP 31584099 A JP31584099 A JP 31584099A JP 2001133538 A JP2001133538 A JP 2001133538A
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高志 関口
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貴彦 藤坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子アンテナ数が多くなると、適応的にフィ
ルタ係数を計算するために要する時間が増大する。 【解決手段】 素子アンテナ1−1〜1−Nおよび受信
機2−1〜2−Nにより受信され、A/D変換器3−1
〜3−Nによりデジタル信号に変換されたN本の受信信
号のうちの所定の複数Ns 本の受信信号の組がサブアレ
ー選択器4によりサブアレー信号としてそれぞれ選択
し、アダプティブアレー5aおよび重み付け合成器6−
1〜6−(I−1)によりサブアレー信号毎にまず干渉
波成分の抑圧を実行し、その処理後に信号に対してクラ
ッタ抑圧フィルタ7aによりクラッタ成分の抑圧を実行
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動物体に搭載
され、一直線上で等間隔に配置された複数N個の素子ア
ンテナを介して受信されたN本の受信信号に含まれる不
要信号成分を抑圧する信号処理装置および信号処理方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】航空機搭載用パルスドップラレーダなど
において目標信号の抽出は受信信号に対する時間領域の
ドップラフィルタ処理によって通常行われていたが、ク
ラッタのドップラ周波数と目標のドップラ周波数が重な
った場合、時間領域のみのフィルタ処理では両者の分離
は困難である。そこで、複数の素子アンテナを配列した
アレーアンテナを使用して受信した複数の受信信号に対
して時間−空間信号処理を実行すれば、クラッタのドッ
プラ周波数と目標のドップラ周波数が重なっていても、
ドップラ周波数−空間周波数平面において両者のスペク
トルが重ならなければ分離可能である。
【0003】以下、複数の素子アンテナを配列したアレ
ーアンテナを使用して受信した受信信号に対する干渉波
成分およびクラッタ成分の抑圧のための時間−空間信号
処理の原理について説明する。
【0004】まず、送信機により、波長λ、周波数fc
のパルス信号を搬送波(送信信号)として送信する。こ
のパルス信号の帯域幅は周波数fc に比べて十分小さい
ものとする。また、アレーアンテナは地面から所定の高
さの位置に配置され、速さvで移動するものとする。
【0005】図10は等間隔dで直線上に配置された複
数の素子アンテナからなるアレーアンテナを示す図であ
る。等間隔dで直線上に配置されたN個の素子アンテナ
1−1〜1−Nからなるアレーアンテナは、目標などで
反射して入射する信号を受信する。図10に示すよう
に、信号の入射角度をθとすると、第n番目の素子アン
テナ1−n(n=1,・・・,N)による受信信号un
(t)は一般的に式(1)となる。
【数1】 ここで、r(t)は基準となる素子アンテナ1−1にお
ける受信信号である。また、ここでは目標からの反射信
号(以下、目標信号という)、クラッタ成分、干渉波成
分の区別はしていない。
【0006】次に、ヒットとレンジを考慮して式(2)
に示す時間t毎に受信信号をサンプリングした場合、受
信信号は、式(3)に示すようにレンジビン番号k、ヒ
ット番号m、素子番号nに関する信号となる。
【数2】
【数3】 ここで、PRIはパルス繰返し周期であり、Tはレンジ
ビンに関するサンプリング間隔であり、t0 は適当な時
間オフセットである。
【0007】次に、目標信号、干渉波成分およびグラン
ドクラッタ成分のドップラ周波数−空間周波数に関する
2次元スペクトルについてそれぞれ説明する。
【0008】まず第1に、目標信号のドップラ周波数−
空間周波数に関する2次元スペクトルについて説明す
る。
【0009】振幅1、パルス間隔PRIの送信信号(等
価低域表現)をs(t)とし、ドップラ周波数をfdと
し、送信波を送信してから目標に反射して目標信号とし
て受信するまでの時間をτとし、Aを定数とすると、受
信信号r(t)(各素子受信信号ではなく、単一アンテ
ナとしての受信信号)は式(4)に示すようになる。従
って、式(1)および式(4)に基づいて各素子アンテ
ナ1−nの受信信号u n (t)は式(5)に示すように
なり、サンプリング後の信号u(k,m,n)は式
(6)に示すようになる。
【数4】
【数5】
【数6】
【0010】そして式(6)において、目標の存在する
レンジビンについてはs(kT+mPRI+t0 −τ)
=1となる。ここで目標の存在するレンジビンをk0
し(k=k0 )、そのレンジビンにおける信号をyT
(k0 ,m,n)とすると、レンジビンがk0 に固定さ
れるので、この信号はヒット番号mおよび素子番号nに
関する信号となり、式(7)に示すようになる。すなわ
ちこの信号はヒット番号mおよび素子番号nの2変数に
関する変数分離型の2次元正弦波である。
【数7】 ここでB(k0 )は目標の存在するレンジビンk0 に依
存し、目標までの距離や目標の反射断面積、送信アンテ
ナパターンに依存する複素数である。
【0011】次に、F1 をPRIの逆数であるパルス繰
返し周波数PRFで正規化したドップラ周波数とし、F
2 を素子間隔dの逆数で正規化した空間周波数とする
と、サンプリング後の目標信号yT (k0 ,m,n)の
2次元フーリエ変換YT (F1,F2 ;k0 )は式
(8)に示すようになる。
【数8】 ここでδ(a,b)は2次元のデルタ関数であり、a=
b=0の場合のみδ(a,b)=1となり、aおよびb
がその他の値である場合にはδ(a,b)=0となる。
図11は目標信号yT(k0 ,m,n)の2次元フーリ
エ変換YT (F1,F2 ;k0 )の振幅を示す図であ
り、あるレンジビンに目標が存在するとき、そのレンジ
ビンにおけるドップラ周波数−空間周波数に関するスペ
クトルはその2次元周波数平面上でインパルス状とな
り、このインパルスの位置は目標のドップラ周波数と入
射角に応じた位置になる。
【0012】第2に、干渉波成分のドップラ周波数−空
間周波数に関する2次元スペクトルについて説明する。
【0013】干渉波の受信信号r(t)は送信信号とは
無関係であるため、干渉波の各素子アンテナ1−nによ
る受信信号は式(9)に示すようになる。
【数9】 ここでf0 は干渉波源とアレーアンテナとの相対速度で
決まるドップラ周波数である。
【0014】そしてこの干渉波の受信信号をサンプリン
グし、レンジビンk0 (目標は存在しなくてもよい)の
信号をyJ (k0 ,m,n)とすると、レンジビンがk
0 に固定されるので、この信号はヒット番号mおよび素
子番号nに関する信号となり、式(10)に示すように
なる。すなわちこの信号はヒット番号mおよび素子番号
nの2変数に関する変数分離型の2次元正弦波である。
【数10】
【0015】次にこの信号yJ (k0 ,m,n)は変数
分離型であるので、その2次元フーリエ変換YJ (F
1 ,F2 ;k0 )は式(11)に示すように各変数部分
の1次元フーリエ変換の積になる。すなわち、r(mP
RI+k0 T+t0 )exp(j2πf0 (mPRI+
0 T+t0 ))の1次元フーリエ変換(周波数変数は
1 )と、exp(j2π(n−1)(d/λ)sin
θ)の1次元フーリエ変換(周波数変数はF2 )との積
になる。
【数11】
【0016】なお、式(11)においてk0 に依存する
絶対値1の複素定数は省略した。また、R(F1 −f0
PRI)は、r(t)をPRI間隔でサンプリングした
もののフーリエ変換をf0 PRIだけ平行移動したもの
である。図12は干渉信号y J (k0 ,m,n)の2次
元フーリエ変換YJ (F1 ,F2 ;k0 )を示す図であ
り、その振幅スペクトルは直線F2 =(d/λ)sin
θ上に分布する。なお、干渉波はアレーアンテナからの
距離に関係しないため、全レンジビンに現れる。
【0017】第3に、グランドクラッタ成分のドップラ
周波数−空間周波数に関する2次元スペクトルについて
説明する。
【0018】グランドクラッタの受信信号の2次元スペ
クトルはアレーアンテナの移動方向により異なる。ここ
では、アレーアンテナが例えば航空機の機体の側面にあ
り、素子アンテナの配列方向と移動方向が一致している
場合(すなわちサイドルッキングの場合)と、アレーア
ンテナが例えば航空機の機首にあり、アレーアンテナの
ブロードサイド方向にアンテナが移動している場合(す
なわちフォワードルッキングの場合)について説明す
る。
【0019】図13は、アレーアンテナの存在する空間
の座標系を示す図である。図13におけるクラッタ反射
源となる第iの反射点について、角度φi ,ψi ,θ
i 、アレーアンテナの高度H、アレーアンテナから第i
の反射点までの距離Ri を図13のように定義する。
【0020】サイドルッキングの場合、アレーアンテナ
がx軸方向に速さvで移動するものとすると、アレーア
ンテナから第iの反射点への方向の速度成分Vi は式
(12)に示すようになり、この反射点によるドップラ
周波数fdi は式(13)に示すようになる。
【数12】
【数13】
【0021】そして送信信号を送信してからτi 後にア
レーアンテナからの距離がRi の第iの反射点からの反
射信号を受信するものとすると、τi =2Ri /cであ
り、この反射点からの各素子アンテナ1−nによるクラ
ッタの受信信号xn (i)(t)は式(14)に示すように
なる。
【数14】 ここでCi は反射断面積、反射係数、反射点までの距
離、送信アンテナパターンに基づく係数である。
【0022】そしてこのクラッタの受信信号をサンプリ
ングし、距離Rに対応するレンジビンk0 の信号をy
SC (i) (k0 ,m,n)とすると、レンジビンがk0
固定されるので、この信号はヒット番号mおよび素子番
号nに関する信号となり、式(15)に示すようにな
る。すなわちこの信号はヒット番号mおよび素子番号n
の2変数に関する変数分離型の2次元正弦波である。
【数15】 ここでDi は複素数である。
【0023】距離Ri からのすべてのクラッタの受信信
号ySC(k0 ,m,n)は、Ri と同じ距離で位置の異
なる反射点からの反射信号の総和となり、式(16)に
示すようになる。つまり変数分離型2次元正弦波の和に
なる。
【数16】
【0024】そしてこのクラッタの受信信号ySC(k
0 ,m,n)の2次元フーリエ変換Y SC(F1 ,F2
0 )は式(17)に示すようになる。
【数17】
【0025】式(17)より、第iの反射点からの受信
信号の正規化ドップラ周波数F1 と正規化空間周波数F
2 は、アレーアンテナと第iの反射点の位置とのなす角
θiに応じて式(18)に示すようになる。
【数18】
【0026】クラッタは様々な角度から入射するので、
特定のレンジビンにおけるグランドクラッタのドップラ
周波数−空間周波数に関する2次元スペクトルは、式
(18)の2式からsinθi を消去した式(19)で
与えられ、アレーアンテナの移動する速さに応じた傾き
で原点を通る直線の上に現れる。すなわち、すべてのレ
ンジビンに対して式(19)で示される直線上に分布す
る。ただし、式(19)の直線上での分布の仕方はレン
ジビンにより異なる。図14は、グランドクラッタの2
次元スペクトルを示す図である。
【数19】
【0027】一方、フォワードルッキングの場合、図1
3においてアレーアンテナはy軸方向に速さvで移動す
るものとすると、アンテナから見た反射点方向の速度成
分V i は式(20)に示すようになり、ドップラ周波数
fdi は式(21)に示すようになる。
【数20】
【数21】
【0028】以下、サイドルッキングの場合と同様にし
て、距離Ri に対応するレンジビンk0 におけるクラッ
タの受信信号yFC(k0 ,m,n)は式(22)に示す
ようになり、その2次元フーリエ変換YFC(F1 ,F
2 ;k0 )は式(23)に示すようになる。
【数22】
【数23】
【0029】式(23)より、第iの反射点からの受信
信号の正規化ドップラ周波数F1 と正規化空間周波数F
2 はアレーアンテナと第iの反射点の位置とのなす角θ
i に応じて式(24)で与えられる。
【数24】
【0030】クラッタは様々な角度から入射するので、
特定のレンジビンにおけるグランドクラッタのドップラ
周波数−空間周波数に関する2次元スペクトルは、式
(24)からcosθi とsinθi を消去した式(2
5)で与えられる。式(25)の関係式は正規化ドップ
ラ周波数(F1 )−正規化空間周波数(F2 )平面上で
の楕円を表す。すなわち、アンテナの移動する速さやア
ンテナの高度、クラッタ反射点までの距離などに応じた
長径と短径を有する楕円の上に、グランドクラッタの2
次元スペクトルが現れることになる。
【数25】
【0031】なお、式(25)は特定のレンジビンに対
する関係式であり、他のレンジビンに対しては反射点ま
での距離が変わるため、式(25)の楕円の径はレンジ
ビンによって変わる。図15は、異なるレンジビンk
1 ,k2 ,k3 に対するグランドクラッタの2次元スペ
クトルの分布を示す図であり、図に示すように異なるレ
ンジビンk1 ,k2 ,k3 ではこの楕円の径が変わる。
【0032】以上のように、目標信号、干渉波成分およ
びクラッタ成分はドップラ周波数−正規化空間周波数平
面上では互いに異なる分布を有するので、受信信号に対
して時間−空間信号処理を実行することにより、仮にク
ラッタのドップラ周波数と目標のドップラ周波数が重な
っていても、図11の目標信号の2次元スペクトルと、
図12の干渉波の2次元スペクトルおよび図14または
図15のクラッタの2次元スペクトルとが重なっていな
ければ、目標信号が抽出可能である。
【0033】次に受信信号に対して干渉波成分やクラッ
タ成分を抑圧するための時間−空間信号処理を実行する
従来の信号処理装置について説明する。図16は、例え
ば「Analysis of the adaptiv
e space timeprocessing te
chnique for airborne rada
r」(P.G.Richardson著、IEE Pr
oc.Radar,Sonar Navig.,vo
l.141,no.4,第187頁〜第195頁、19
94年8月)に記載の従来の信号処理装置を示すブロッ
ク図である。
【0034】図16において、11は間隔dで直線上に
N個の素子アンテナ1−1〜1−Nを配置したアレーア
ンテナであり、2−n(n=1,・・・,N)は各素子
アンテナ1−nに接続され、受信信号から同相信号およ
び直交信号を生成する受信機であり、3−nは受信機2
−nの出力信号をディジタル信号に変換するA/D変換
器であり、101はA/D変換器3−1〜3−Nからの
N本の信号に基づいてレンジビン(あるいはレンジゲー
ト)毎にフィルタリング処理を行う不要信号抑圧適応フ
ィルタである。
【0035】不要信号抑圧適応フィルタ101におい
て、111はPRIだけ信号を遅延させる遅延器であ
り、N×(L−1)個の遅延器111はタップ数LのN
本のタップ付き遅延線回路を構成する。112は適応的
に設定される係数α(k,l(エル),n)(k=1,
2,・・・,K、Kはレンジビン数またはレンジゲート
数、l(エル)=0,1,・・・,L−1、n=1,
2,・・・,N)を乗ずる乗算器であり、113は初段
の乗算器112、または前段の加算器113の出力と乗
算器112の出力とを加算する加算器であり、114は
最終段のN個の加算器113の出力の総和を演算する加
算器である。
【0036】次に動作について説明する。アレーアンテ
ナ11の各素子アンテナ1−n(n=1,・・・,N)
により受信された信号は受信機2−nにより同相信号お
よび直交信号とされ、A/D変換器3−nに供給され
る。A/D変換器3−nはその信号をディジタル信号に
変換してディジタル同相・直交信号u(k,m,n)
(kはレンジビン番号、mはパルスヒット番号、nは素
子番号)を不要信号抑圧適応フィルタ101に供給す
る。
【0037】不要信号抑圧適応フィルタ101にはA/
D変換器3−1〜3−NからN本のディジタル同相・直
交信号u(k,m,n)(n=1,・・・,N)が供給
され、タップ数LのN本のタップ付き遅延線に入力され
る。その信号はPRI毎にタップ付き遅延線を進んでい
き、各タップ付き遅延線に接続された乗算器112およ
び加算器113により各タップでの信号値とフィルタ係
数α(k,l,n)との積和演算が実行され、各タップ
付き遅延線毎に演算された積和演算値の総和が加算器1
14により演算され、出力される。このときの出力信号
c (k,m)は式(26)に示すようになる。不要信
号抑圧適応フィルタ101は一種のビームフォーマでも
あり、zc (k,m)はビーム合成後の信号ともいえ
る。
【数26】
【0038】不要信号抑圧適応フィルタ101のフィル
タ係数値α(k,l,n)を決定するアルゴリズムとし
ては、SMI(Sample Matrix Inve
rsion)法、LMS(Least Mean Sq
uare)法、拘束条件付出力電力最小化法などがあ
る。
【0039】このとき、決定すべき係数値の自由度は
(タップ数L)×(素子アンテナ数N)程度であり、適
応アルゴリズムの種類や拘束条件の数によってはそれよ
りやや少ない程度になる。従って素子アンテナ数を多く
した場合、それにほぼ比例してフィルタ係数の数が増加
し、フィルタ係数の決定のための計算時間が増大する。
【0040】また、図16に示すように不要信号抑圧適
応フィルタ101にタップ付き遅延線を使用する場合、
適応アルゴリズムにLMSアルゴリズムなどの反復計算
型のアルゴリズムを使用すると、収束までの時間が長く
なる傾向がある。
【0041】なお、不要信号抑圧適応フィルタ101で
の処理はフィルタ係数の制御も含めて原則として各レン
ジビン(k=1,2,・・・,K)毎に行う。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】従来の信号処理装置は
以上のように構成されているので、時間−空間信号処理
により不要信号を抑圧する場合、適応的に制御するフィ
ルタ係数の数が多いため、素子アンテナ数が多くなる
と、適応的にフィルタ係数を制御するための信号処理の
負担が大きくなる。また、収束までの時間が長くなり、
迅速に不要エコー信号を適切に抑圧することが困難にな
るなどの課題があった。
【0043】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、N本の受信信号のうちの所定の複
数Ns 本の受信信号の組をサブアレー信号としてそれぞ
れ選択し、サブアレー信号毎にまず干渉波成分またはク
ラッタ成分の抑圧を実行し、その処理後の信号に対して
残りの干渉波成分、またはクラッタ成分の抑圧を実行す
るようにし、干渉波成分の抑圧のためにのみアダプティ
ブアレーを使用するため、アダプティブアレーにおいて
適応的に設定される荷重係数の数が素子アンテナ数Nよ
り少なくなり、その荷重係数を制御するために要する信
号処理の負担が少なくて済み、迅速に不要信号を適切に
抑圧することができる信号処理装置および信号処理方法
を得ることを目的とする。
【0044】また、この発明は、適応アルゴリズムにL
MSアルゴリズムのような荷重係数を逐次更新する反復
計算型のアルゴリズムを用いた場合に反復計算の収束が
速い信号処理装置および信号処理方法を得ることを目的
とする。
【0045】
【課題を解決するための手段】この発明に係る信号処理
装置は、N本の受信信号からサブアレー信号毎に所定の
複数Ns 本の受信信号を選択して複数組のサブアレー信
号を生成するサブアレー信号選択手段と、各サブアレー
信号を構成するNs 本の受信信号に基づいて、干渉波成
分を抑圧するための荷重係数を適応的に設定し、Ns
の受信信号に荷重係数を乗じた信号を各サブアレー信号
毎に合成する複数の干渉波成分抑圧手段と、複数の干渉
波成分抑圧手段により演算された複数の信号のクラッタ
成分を抑圧するクラッタ成分抑圧手段とを備えるもので
ある。
【0046】この発明に係る信号処理装置は、複数の干
渉波成分抑圧手段のうちの1つの干渉波成分抑圧手段に
より、複数組のサブアレー信号のうちの1つを構成する
s本の受信信号に基づいて、干渉波成分を抑圧するた
めの荷重係数を適応的に計算し、残りの干渉波成分抑圧
手段に供給するとともに、Ns 本の受信信号に荷重係数
を乗じた信号を合成し、残りの各干渉波成分抑圧手段に
より、複数組のサブアレー信号のうちの残りの各サブア
レー信号を構成するNs 本の受信信号に前記1つの干渉
波成分抑圧手段より供給された荷重係数を乗じた信号を
それぞれ合成するようにしたものである。
【0047】この発明に係る信号処理装置は、N個の素
子アンテナが移動物体の移動方向と平行な一直線上で等
間隔に配置される場合、クラッタ成分抑圧手段におい
て、複数組のサブアレー信号間の位相中心間隔、移動物
体の速さおよびパルス繰返し周期に基づいてドップラ周
波数−空間周波数平面におけるクラッタ成分を抑圧する
ようにしたものである。
【0048】この発明に係る信号処理装置は、レンジア
ンビギュイティがない場合、クラッタ成分抑圧手段では
クラッタの入射する角度範囲に応じてクラッタ成分を抑
圧する阻止帯域を設定するようにしたものである。
【0049】この発明に係る信号処理装置は、複数組の
サブアレー信号間の位相中心間隔、移動物体の速さおよ
びパルス繰返し周期に基づいてドップラ周波数−空間周
波数平面におけるクラッタ成分を抑圧する2次元FIR
ディジタルフィルタのフィルタ係数を計算するフィルタ
係数計算手段を備え、クラッタ成分抑圧手段が、フィル
タ係数計算手段により計算されたフィルタ係数を持つ2
次元FIRディジタルフィルタであるものである。
【0050】この発明に係る信号処理装置は、N個の素
子アンテナが移動物体の移動方向と垂直な一直線上で等
間隔に配置される場合、クラッタ成分抑圧手段におい
て、受信信号の波長、複数組のサブアレー信号間の位相
中心間隔、移動物体の速さ、パルス繰返し周期、素子ア
ンテナの高度およびクラッタ反射源までの距離に基づい
てドップラ周波数−空間周波数平面におけるクラッタ成
分を抑圧するようにしたものである。
【0051】この発明に係る信号処理装置は、受信信号
の波長、複数組のサブアレー信号間の位相中心間隔、移
動物体の速さ、パルス繰返し周期、素子アンテナの高度
およびクラッタ反射源までの距離に基づいてドップラ周
波数−空間周波数平面におけるクラッタ成分を抑圧する
2次元FIRディジタルフィルタのフィルタ係数を計算
するフィルタ係数計算手段を備え、クラッタ成分抑圧手
段が、フィルタ係数計算手段により計算されたフィルタ
係数を持つ2次元FIRディジタルフィルタであるもの
である。
【0052】この発明に係る信号処理装置は、クラッタ
成分抑圧手段においてレンジビン毎にクラッタ成分を抑
圧するようにしたものである。
【0053】この発明に係る信号処理方法は、N本の受
信信号からサブアレー信号毎に所定の複数Ns 本の受信
信号を選択して複数組のサブアレー信号を生成するステ
ップと、各サブアレー信号を構成するNs 本の受信信号
に基づいて、干渉波成分を抑圧するための荷重係数を適
応的に設定し、Ns 本の受信信号に荷重係数を乗じた信
号を各サブアレー信号毎に合成するステップと、それぞ
れ荷重係数を乗じて合成され生成された複数の信号のク
ラッタ成分を抑圧するステップとを備えるものである。
【0054】この発明に係る信号処理装置は、N本の受
信信号からサブアレー信号毎に所定の複数Ns 本の受信
信号を選択して複数組のサブアレー信号を生成するサブ
アレー信号選択手段と、各サブアレー信号を構成するN
s 本の受信信号のクラッタ成分をそれぞれ抑圧する複数
のクラッタ成分抑圧手段と、複数のクラッタ成分抑圧手
段によりそれぞれクラッタ成分を抑圧された複数の信号
に基づいて、干渉波成分を抑圧するための荷重係数を適
応的に計算し、その複数の信号に荷重係数を乗じた信号
を合成する干渉波成分抑圧手段とを備えるものである。
【0055】この発明に係る信号処理装置は、N個の素
子アンテナが移動物体の移動方向と平行な一直線上で等
間隔に配置される場合、各クラッタ成分抑圧手段におい
て、複数組のサブアレー信号間の位相中心間隔、移動物
体の速さおよびパルス繰返し周期に基づいてドップラ周
波数−空間周波数平面におけるクラッタ成分を抑圧する
ようにしたものである。
【0056】この発明に係る信号処理装置は、複数組の
サブアレー信号間の位相中心間隔、移動物体の速さおよ
びパルス繰返し周期に基づいてドップラ周波数−空間周
波数平面におけるクラッタ成分を抑圧する2次元FIR
ディジタルフィルタのフィルタ係数を計算するフィルタ
係数計算手段を備え、各クラッタ成分抑圧手段が、フィ
ルタ係数計算手段により計算されたフィルタ係数を持つ
2次元FIRディジタルフィルタであるものである。
【0057】この発明に係る信号処理装置は、N個の素
子アンテナが移動物体の移動方向と垂直な一直線上で等
間隔に配置される場合、各クラッタ成分抑圧手段におい
て、受信信号の波長、複数組のサブアレー信号間の位相
中心間隔、移動物体の速さ、パルス繰返し周期、素子ア
ンテナの高度およびクラッタ反射源までの距離に基づい
てドップラ周波数−空間周波数平面におけるクラッタ成
分を抑圧するようにしたものである。
【0058】この発明に係る信号処理装置は、受信信号
の波長、複数組のサブアレー信号間の位相中心間隔、移
動物体の速さ、パルス繰返し周期、素子アンテナの高度
およびクラッタ反射源までの距離に基づいてドップラ周
波数−空間周波数平面におけるクラッタ成分を抑圧する
2次元FIRディジタルフィルタのフィルタ係数を計算
するフィルタ係数計算手段を備え、各クラッタ成分抑圧
手段が、フィルタ係数計算手段により計算されたフィル
タ係数を持つ2次元FIRディジタルフィルタであるも
のである。
【0059】この発明に係る信号処理装置は、クラッタ
成分抑圧手段において、レンジビン毎にクラッタ成分を
抑圧するようにしたものである。
【0060】この発明に係る信号処理方法は、N本の受
信信号からサブアレー信号毎に所定の複数Ns 本の受信
信号を選択して複数組のサブアレー信号を生成するステ
ップと、サブアレー信号毎にクラッタ成分をそれぞれ抑
圧するステップと、サブアレー信号毎にそれぞれクラッ
タ成分を抑圧して生成した複数の信号に基づいて、干渉
波成分を抑圧するための荷重係数を適応的に計算し、そ
の複数の信号に荷重係数を乗じた信号を合成するステッ
プとを備えるものである。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による信
号処理装置の構成を示すブロック図であり、図2は図1
のアダプティブアレーの構成を示すブロック図であり、
図3は図1の重み付け合成器の構成を示すブロック図で
あり、図4は図1のクラッタ抑圧フィルタの構成を示す
ブロック図である。
【0062】図1において、11は地面や海面から高さ
Hのところにあり、速さvで移動する航空機などの移動
物体において間隔dで直線上にN個の素子アンテナ1−
1〜1−Nを配置したアレーアンテナであり、2−n
(n=1,・・・,N)は各素子アンテナ1−nに接続
され、受信信号から同相信号および直交信号を生成する
受信機であり、3−nは受信機2−nの出力信号をディ
ジタル信号に変換するA/D変換器である。
【0063】4はN本の受信信号(すなわちA/D変換
器3−1〜3−Nからのディジタル信号)からサブアレ
ー信号毎に所定の複数Ns 本の受信信号を選択して複数
I組のサブアレー信号を生成するサブアレー選択器(サ
ブアレー信号選択手段)である。
【0064】5aは複数I組のサブアレー信号のうちの
1つ(今の場合、第1番目のサブアレー信号)を構成す
るNs 本の受信信号に基づいて、干渉波成分を抑圧する
ための荷重係数を計算し、そのNs 本の受信信号に荷重
係数を乗じた信号を合成するアダプティブアレー(干渉
波成分抑圧手段)である。
【0065】図2のアダプティブアレー5aは、一例と
してサイドローブキャンセラと同様な動作を行うエレメ
ントスペース構成のパーシャリアダプティブアレーとし
て構成されている。すなわち、既知の目標信号の入射方
向に主ビームを向け、サブアレー信号のNs 本の信号の
うちのB本の信号を補助アンテナの受信信号として利用
してそのサイドローブから入射する干渉波を再生し、受
信信号から再生した干渉波成分を減算して干渉波をキャ
ンセルするようになされている。
【0066】図2において、21はアンテナパターンの
主ビームを目標の方向に向けるための係数値a1 ,a
2 ,・・・,aNsを、サブアレー信号を構成するNs
の信号のそれぞれに乗ずる荷重係数器であり、22は荷
重係数器21のNs 本の出力信号を合成する合成器であ
る。
【0067】23は干渉波の入射方向にアンテナパター
ンの零点を向けるための係数値w1,w2 ,・・・,wB
を、サブアレー信号を構成するNs 本の信号のうちの
所定のB本にそれぞれに乗ずる適応荷重係数器である。
なお、図2においてはサブアレー信号を構成するNs
の信号のうちの第2番目から第(Ns −1)番目までの
信号が選択されているが、第1番目の信号や第Ns 番目
の信号が必要に応じて含まれるようにしても勿論よい。
また、もっと少なくしてもよいが、少なくとも入射する
干渉波の数以上でなければならない。24は適応荷重係
数器23のB本の出力信号を合成する合成器である。2
5は合成器22の出力信号から合成器24の出力信号を
減算する減算器である。
【0068】26はサブアレー信号を構成するNs 本の
信号のうちの上記B本の信号および合成器22の出力信
号に基づいて、干渉波の入射方向にアンテナパターンの
零点を向けるための係数値w1 ,w2 ,・・・,wB
適応的に計算し、適応荷重係数器23に供給する荷重係
数制御部であり、27は荷重係数器21の係数値a1
・・・,aNsおよび適応荷重係数器23の係数値w1
・・・,wB に基づいて、アダプティブアレー5aによ
りサブアレー信号に重み付けされる係数と同一の係数c
1 ,・・・,cNsを計算し、重み付け合成器6−1〜6
−(I−1)に供給する等価荷重係数計算部である。
【0069】なお、図2のアダプティブアレー5aは、
一例としてサイドローブキャンセラと同様な動作を行う
エレメントスペース構成のパーシャリアダプティブアレ
ーとして構成されているが、これに限定されるものでは
ない。例えば、ビームスペース構成としてもよい。アダ
プティブアレー5aにおける適応アルゴリズムは特に限
定されるものではない。
【0070】図1に戻り、6−1〜6−(I−1)は複
数I組のサブアレー信号のうちの残り(I−1)組の各
サブアレー信号を構成するNs 本の受信信号に、アダプ
ティブアレー5aにおける荷重係数と同一の荷重係数を
それぞれ乗じた信号を合成する複数の重み付け合成器
(干渉波成分抑圧手段)である。図3に示す重み付け合
成器6−(i−1)において、31はアダプティブアレ
ー5aの等価荷重係数計算部27からの係数c1 ,・・
・,cNsを、サブアレー信号を構成するNs 本の信号の
それぞれに乗算する荷重係数器であり、32は荷重係数
器31のNs 本の出力信号を合成する合成器である。
【0071】図1に戻り、7aはアダプティブアレー5
aおよび重み付け合成器6−1〜6−(I−1)により
それぞれ演算された複数I本の信号のクラッタ成分を抑
圧するクラッタ抑圧フィルタ(クラッタ成分抑圧手段)
であり、8はクラッタ抑圧フィルタ7aのフィルタ係数
を計算するフィルタ係数計算部(フィルタ係数計算手
段)である。図4に示すクラッタ抑圧フィルタ7aにお
いて、41はPRIだけ信号を遅延させる遅延器であ
り、I×(L−1)個の遅延器41はタップ数LのI本
のタップ付き遅延線回路を構成する。42は係数h
(k,l(エル),n)(k=1,2,・・・,K、K
はレンジビン数、またはレンジゲート数、l(エル)=
0,1,・・・,L−1、n=1,2,・・・,I)を
乗ずる乗算器であり、43は初段の乗算器42、または
前段の加算器43の出力と乗算器42の出力とを加算す
る加算器であり、44は最終段のI個の加算器43の出
力の総和を演算する加算器である。
【0072】次に動作について説明する。まず、図示せ
ぬ送信機により送信されたパルス信号で目標に反射した
目標信号の他に不要信号が、アレーアンテナ11を構成
するN個の素子アンテナ1−1〜1−Nにより受信され
る。
【0073】各素子アンテナ1−n(n=1,・・・,
N)により受信された信号は、受信機2−nにより同相
信号および直交信号とされ、A/D変換器3−nにより
それらの信号がディジタル信号に変換され、サブアレー
選択器4に供給される。サブアレー選択器4に供給され
る信号をu(k,m,n)とする。ここでkはレンジビ
ン番号(k=1,2,・・・,K)とし、mはパルスヒ
ット番号(m=1,2,・・・,M,Mはヒット数)と
し、nは素子番号(素子アンテナ1−n、受信機2−n
およびA/D変換器3−nの受信系を示す番号)とす
る。
【0074】次にサブアレー選択器4はN本の受信信号
u(k,m,1)〜u(k,m,N)から所定の複数N
s 本の受信信号u(k,m,n)をそれぞれ選択して複
数I組のサブアレー信号Xi (i=1,・・・,I)を
生成する。なお、第i組のサブアレー信号Xi を構成す
るNs 本の信号をxi (k,m,1),・・・,x
i(k,m,Ns )とする。
【0075】このときサブアレー選択器4は、グレーテ
ィングローブが発生せず、各サブアレー信号として選択
されるNs 本の受信信号の素子番号の間隔パターンがす
べてのサブアレー信号において同一になり、かつ、サブ
アレー信号間の位相中心間隔が同一になるように、各サ
ブアレー信号Xi とするNs 本の受信信号u(k,m,
n)を選択する。例えば素子アンテナ1−iと素子アン
テナ1−(i+1)との間隔を送信波の0.5波長以下
とし、かつ、第i番目のサブアレーと第(i+1)番目
のサブアレーの位相中心の間隔を送信波の0.5波長以
下とするとグレーティングローブは発生しない。
【0076】Ns +I−1≦Nとして例えば次に示すよ
うにサブアレー信号Xi を選択する。この例において
は、サブアレー信号を構成する受信信号の素子番号の間
隔がすべて1である間隔パターンとなっている。 第1番目のサブアレー信号X1 ={x1 (k,m,1),x1 (k,m,2),・・・, x1 (k,m,Ns )} ={u(k,m,1),u(k,m,2),・・・,u(k,m,Ns )} 第2番目のサブアレー信号X2 ={x2 (k,m,1),x2 (k,m,2),・・・, x2 (k,m,Ns )} ={u(k,m,2),u(k,m,3),・・・, u(k,m,Ns +1)} 以下同様に、第i番目のサブアレー信号Xi ={xi (k,m,1),xi (k,m,2),・・・, xi (k,m,Ns )} ={u(k,m,i),u(k,m,i+1),・・・, u(k,m,Ns +i−1)} 最後に、第I番目のサブアレー信号XI ={xI (k,m,1),xI (k,m,2),・・・, xI (k,m,Ns )} ={u(k,m,I),u(k,m,I+1),・・・, u(k,m,Ns +I−1)}
【0077】なお、サブアレー信号として選択される受
信信号u(k,m,n)の組合せはこれに限定されるも
のではなく、例えば素子番号の各間隔が2であるNs
の受信信号を選択してサブアレー信号を構成するように
してもよい。さらに、第i番目のサブアレー信号の最初
の信号xi (k,m,1)として選択される受信信号u
(k,m,n1 )の素子番号n1 と、第(i+1)番目
のサブアレー信号の最初の信号xi+1 (k,m,1)と
して選択される受信信号u(k,m,n2 )の素子番号
2 とが2以上離れていてもよいが、グレーティングロ
ーブの発生に気をつけなければならないので、望ましく
は前述のようにグレーティングローブが発生しない選択
方法がよい。
【0078】次に、アダプティブアレー5aおよび重み
付け合成器6−1〜6−(I−1)により、各サブアレ
ー信号Xi に含まれる干渉波成分がそれぞれ抑圧され
る。このとき、すべてのサブアレー信号を構成する受信
信号の素子番号の間隔パターンが同一であるので、アダ
プティブアレー5aがいずれか1つのサブアレー信号
(今の場合、第1番目のサブアレー信号)に対して干渉
波抑圧のための適応処理に基づき荷重係数を設定し、ま
た重み付け合成器6−1〜6−(I−1)の荷重係数
も、その適応処理の結果に基づきアダプティブアレー5
aと同一の荷重係数になるように設定する。
【0079】ここで、図2に示すアダプティブアレー5
aおよび図3に示す重み付け合成器6−1〜6−(I−
1)の動作について説明する。荷重係数器21により、
第1番目のサブアレー信号X1 を構成するNs 本の信号
のそれぞれに、アンテナパターンの主ビームを既知の目
標信号の入射方向(あるいは送信信号を送信する方向)
に向けるための係数値a1 ,a2 ,・・・,a Nsが乗算
され、合成器22により荷重係数器21のNs 本の出力
信号の総和が演算される。従って荷重係数器21および
合成器22によるサブアレー信号X1 と荷重係数との積
和演算の結果y0 (k,m,1)は式(27)に示すよ
うになる。
【数27】
【0080】そして荷重係数制御部26により、サブア
レー信号および合成器22の出力信号に基づいて、干渉
波の入射方向にアンテナパターンの零点を向けるための
係数値w1 ,w2 ,・・・,wB が適応的に計算され、
適応荷重係数器23に設定される。なお、合成器22の
出力信号を適応処理に使用するのは、これから説明する
ようにSMI法により係数値w1 ,・・・,wB を計算
するからである。荷重係数を逐次更新するLMS法など
の反復計算型の適応アルゴリズムをSMI法の代わりに
使用する場合には、合成器22の出力信号ではなく、一
般的に減算器25の出力信号を使用する。
【0081】図2のアダプティブアレー5aのようにS
MI法を使用する場合、適応荷重係数器23に入力する
信号数をBとし、それらB本の信号に対応する素子番号
を{i1 ,i2 ,・・・,iB }とすると、式(28)
において定義される行列Aとベクトルbに基づく式(2
9)の正規方程式から式(30)に示す適応荷重係数ベ
クトルWを計算することにより、適応荷重係数w1 ,w
2 ,・・・,wB が計算される。
【数28】
【数29】
【数30】
【0082】式(28)では受信クラッタ電力が比較的
小さく、クラッタの適応荷重計算への影響が小さい最後
のレンジビン(第Kレンジビン)の信号を使うようにし
たが、場合によっては他のあるいは複数のレンジビン
(レンジゲート)や、ある特定のヒットの信号を使うこ
とも考えられる。
【0083】そして適応荷重係数器23は、このように
適応的に設定された係数値w1 ,w 2 ,・・・,wB
を、サブアレー信号を構成するNs 本の信号のうちの所
定のB本にそれぞれに乗算し、合成器24は適応荷重係
数器23のB本の出力信号の総和を演算する。
【0084】そして減算器25が合成器22の出力信号
から合成器24の出力信号を減算し、その演算結果をア
ダプティブアレー5aの出力信号ya (k,m,1)と
する。従ってアダプティブアレー5aの出力信号ya
(k,m,1)は式(31)に示すようになる。
【数31】
【0085】このようにしてアダプティブアレー5aに
供給されるサブアレー信号を構成するNs 本の信号に乗
算される荷重係数(a1 ,・・・,aNsからw1 ,・・
・,wB を素子番号毎に減算した総合的な荷重係数c
1 ,・・・,cNs)が適応的に計算される。
【0086】なお、干渉波のドップラ周波数−空間周波
数の2次元スペクトルはレンジビンに関係なくドップラ
周波数軸と同じ距離を保ってドップラ周波数軸と平行に
現れるため、すべてのレンジビンに対して同一の適応荷
重係数w1 ,w2 ,・・・,wB を使用する。
【0087】一方、等価荷重係数計算部27は荷重係数
器21の係数値a1 ,・・・,aNsおよび適応荷重係数
器23の係数値w1 ,・・・,wB に基づいて、アダプ
ティブアレー5aによりサブアレー信号に荷重される係
数と同一の係数c1 ,・・・,cNsを式(32)に従っ
て計算し、重み付け合成器6−1〜6−(I−1)に供
給する。
【数32】 ここで、bは{i1 ,i2 ,・・・,iB }の添字1,
2,・・・,Bであり、ib は適応荷重係数器23の係
数wb を乗算されるサブアレー信号を構成する信号の番
号である。
【0088】重み付け合成器6−(i−1)(i=2,
・・・,I)は、Ns 個の係数c1,・・・,cNsが供
給されると、それを荷重係数器31に設定する。荷重係
数器31は第i番目のサブアレー信号Xi の各信号xi
(k,m,1)〜xi (k,m,Ns )に係数c1 ,・
・・,cNsをそれぞれ乗算し、合成器32は荷重係数器
31のNs 本の出力信号の総和を重み付け合成器6−
(i−1)の出力信号y a (k,m,i)として演算す
る。従って重み付け合成器6−(i−1)の出力信号y
a (k,m,i)は式(33)に示すようになる。
【数33】
【0089】このようにして、アダプティブアレー5a
および重み付け合成器6−1〜6−(I−1)により受
信信号の干渉波成分が抑圧され、これらの出力信号ya
(k,m,1)〜ya (k,m,I)がクラッタ抑圧フ
ィルタ7aに供給される。
【0090】次にクラッタ抑圧フィルタ7aにより上記
出力信号ya (k,m,1)〜ya(k,m,I)に対
して時間−空間の2次元のフィルタ処理を実行して受信
信号のクラッタ成分を抑圧する。すなわちクラッタ抑圧
フィルタ7aは一種の帯域阻止フィルタといえる。アダ
プティブアレー5aおよび重み付け合成器6−1〜6−
(I−1)では干渉信号は抑圧されるがクラッタはほと
んど抑圧されないため、クラッタ抑圧フィルタ7aによ
りクラッタを抑圧する。
【0091】なお、クラッタのドップラ周波数−空間周
波数2次元スペクトルの2次元周波数平面上での分布
は、式(19)および式(25)に示すように、アンテ
ナの移動速度すなわち移動物体の移動する速さv、パル
ス繰返し周期PRI、素子間隔dなど、値が既知のパラ
メータに基づいて定められるので、クラッタ抑圧フィル
タ7aでは、受信信号に応じて適応的にフィルタ係数を
設定する必要はなく、フィルタ係数を確定的に設定でき
る。
【0092】クラッタ抑圧フィルタ7aでは、アダプテ
ィブアレー5aおよび重み付け合成器6−1〜6−(I
−1)からの信号ya (k,m,1)〜ya (k,m,
I)が遅延器41により構成されるタップ数LのI本の
タップ付き遅延線回路に入力され、各タップl(エル)
の値に対して、乗算器42により係数h(k,l(エ
ル),n)(k=1,2,・・・,K、Kはレンジビン
数、またはレンジゲート数、n=1,2,・・・,I)
を乗算し、加算器43,44により乗算器42の演算結
果の総和をこの信号処理装置の出力za (k,m)とし
て計算する。従って信号処理装置の出力za (k,m)
は式(34)に示すようになる。
【数34】
【0093】信号処理装置の出力信号za (k,m)は
レンジおよびヒットに関する信号であり、干渉波成分お
よびクラッタ成分の抑圧された信号となっており、この
信号に基づいて目標検出処理が実行される。
【0094】一方、クラッタ抑圧フィルタ7aのフィル
タ係数は、クラッタ成分が存在する領域が阻止帯域とな
るようにフィルタ係数計算部8により計算される。図5
はクラッタ抑圧フィルタの所望特性を示す図であり、図
5(a)はサイドルッキングの場合のクラッタ抑圧フィ
ルタの所望特性を示し、図5(b)はフォワードルッキ
ングの場合のクラッタ抑圧フィルタの所望特性を示して
いる。すなわち、サイドルッキングの場合では図5
(a)において破線で示される式(19)のクラッタ成
分を幅FSBの阻止帯域により抑圧し、フォワードルッキ
ングの場合では図5(b)において破線で示される式
(25)のクラッタ成分を幅FSBの阻止帯域により抑圧
する。
【0095】なお、阻止帯域幅FSBは、クラッタが十分
抑圧できる範囲でなるべく狭いほうが好ましい。サブア
レー信号の組数I、クラッタ抑圧フィルタ7aのタップ
数L、遷移帯域幅およびクラッタ抑圧フィルタ7aの阻
止帯域減衰量の関係はトレードオフの関係にある。
【0096】フィルタ係数計算部8は、クラッタのスペ
クトルが分布する領域が阻止帯域となるように既知のパ
ラメータに基づいてクラッタ抑圧フィルタ7aのフィル
タ係数h(k,l,i)を計算する。この既知のパラメ
ータとは、サイドルッキングの場合、素子間隔d、アン
テナの移動する速さ(すなわち移動物体の移動する速
さ)vおよびパルス繰返し周期PRIであり、フォワー
ドルッキングの場合、送信波の波長すなわち受信信号の
波長λ、素子間隔d、アンテナの移動する速さv、パル
ス繰返し周期PRI、アンテナの高度Hおよびレンジビ
ン毎の第iの反射点までの距離Ri である。ただし、式
(19)および式(25)における素子間隔dとは、こ
こではサブアレー間の位相中心間隔である。
【0097】なお、サイドルッキングの場合、式(1
9)がクラッタ反射点までの距離Riに依存しないた
め、すべてのレンジビンに対して同一のフィルタ係数値
が使用される。一方、フォワードルッキングの場合に
は、式(25)がクラッタ反射点までの距離Ri に依存
し、この距離Ri がレンジビンに依存するので、レンジ
ビン毎にフィルタ係数を計算する。
【0098】次にフィルタ係数計算部8によるフィルタ
係数h(k,l,i)の具体的計算方法について説明す
る。ここでは、窓関数法に基づくフィルタ係数h(k,
l,i)の計算方法について説明する。なお、窓関数法
の代わりに他の計算方法を使用してフィルタ係数h
(k,l,i)を計算するようにしても勿論よい。
【0099】図4に示すような2次元FIR(Fini
te Impulse Response)ディジタル
フィルタのフィルタ係数h(k,l,i)を窓関数法に
より計算する方法としては、例えば「Multidim
ensional Digital Signal P
rocessing」(D.E.Dudgeon、R.
M.Mersereau著、Prentice−Hal
l発行、1984年)の第118頁以降に記載の方法が
ある。
【0100】まず、サイドルッキングの場合には、図5
(a)に示すクラッタ抑圧フィルタ7aの2次元所望特
性D(F1 ,F2 )は、d/(2vPRI)≧1のとき
には式(35)に示すようになり、d/(2vPRI)
<1のときには、式(36)に示すようになる。
【数35】
【数36】 ただし、p=・・・,−2,−1,0,1,2,・・・
であり、−0.5≦F 1 ≦0.5かつ−0.5≦F2
0.5の範囲のみ考慮する。
【0101】次に、フォワードルッキングの場合には図
5(b)に示すクラッタ抑圧フィルタ7aの2次元所望
特性D(F1 ,F2 )は、式(37)に示すようにな
る。
【数37】 なお、式(37)では、クラッタ反射点までの距離Ri
はレンジビンに依存するため、レンジビン番号kの関数
であるR(k)と書き換えている。また、式(37)に
おけるαは図13に示す係数α(k,l,n)とは関係
ない。
【0102】式(35)〜式(37)に示す2次元所望
特性D(F1 ,F2 )を、ドップラ周波数F1 に関する
格子点の数をN1 とし、空間周波数F2 に関する格子点
の数をN2 として、等間隔の周波数格子点(N1 ×N2
点)上で周波数応答値を計算し、その値を2次元逆離散
フーリエ変換した信号をhD (k)(n1 ,n2 )とする。
なお、信号hD (k)(n1 ,n2 )は、(n1 ,n2 )=
(0,0)を中心として、−N1 /2≦n1 <N1 /2
かつ−N2 /2≦n2 <N2 /2の範囲にあるものとす
る。
【0103】なお、格子点数N1 はヒット数Mの2倍以
上とし、格子点数N2 はサブアレー信号の組数Iの2倍
以上とする。また、格子点数N1 ,N2 をそれぞれ2の
べき乗とすると、2次元逆高速フーリエ変換を2次元逆
離散フーリエ変換の代わりに使用することができる。
【0104】そしてクラッタ抑圧フィルタ係数h(k,
l,i)は、式(38)のようにh D (k)(n1 ,n2
を適当な窓関数で打ち切ることによって得られる。ここ
で、サイドルッキングの場合、式(38)はレンジビン
番号kに依存しない。なお、窓関数法を使用する場合、
サブアレー信号の組数Iとクラッタ抑圧フィルタ7aの
タップ数Lは奇数とする。
【数38】
【0105】式(38)における窓関数w1 (n),w
2 (n)はそれぞれ原則として方形窓以外の例えばハミ
ング窓などの1次元窓関数であり、n=0に中心を有す
るものとする。w1 (l−(L−1)/2)の長さ(す
なわち値が0ではない(l−(L−1)/2)の個数)
はLであり、w2 ((I+1)/2−i)の長さはIで
あるものとする。ただし、サイドルッキングで、後で説
明する阻止帯域減衰量をほぼ特定することができるフィ
ルタ係数の計算方法を使用する場合には、窓関数w1
(n)は方形窓でもよい。
【0106】このようにして得られる式(38)に従っ
てフィルタ係数計算部8はクラッタ抑圧フィルタ7aの
フィルタ係数を計算する。しかしながら、上述の計算方
法では阻止帯域減衰量などを規定するのが難しいため、
およその阻止帯域減衰量や通過域リップルを規定する場
合には、例えば次に説明する計算方法により窓関数法に
基づいてフィルタ係数を計算する。
【0107】まずサイドルッキングの場合について説明
する。この計算方法では、2次元所望特性D(F1 ,F
2 )を式(35)とせず、所望の阻止帯域幅(FSB)、
遷移帯域幅、阻止帯域減衰量、通過域リップルに対応す
る阻止帯域幅FSB(カットオフ周波数は約FSB/2)の
1次元FIR形高域通過ディジタルフィルタを設計し、
それを周波数変換したものを2次元所望特性D(F1
2 )とする。ただし、d/(2vPRI)≧1の場合
についてのみ適用できる。
【0108】設計すべき1次元高域通過ディジタルフィ
ルタは零位相であり、そのインパルス応答長がLp (奇
数)とし、そのインパルス応答をp(−(Lp −1)/
2),p(−(Lp −1)/2+1), ...,p
(−1),p(0),p(1),...,p((Lp
1)/2)とし、その周波数応答をP(F)とする。こ
こでp(i)=p(−i)である。設計した1次元高域
通過ディジタルフィルタの周波数応答P(F)は式(3
9)に示すようになる。
【数39】 ここで、Ti (x)はi次のチェビシェフ多項式であ
り、T0 (x)=1、T 1 (x)=x、Ti (x)=2
xTi-1 (x)−Ti-2 (x)、Ti (cos(y))
=cos(iy)(i=2,3,...)の関係があ
る。
【0109】ここで式(40)により角度ηを定義し、
式(39)の周波数Fに対して式(41)の変数変換を
すると、式(39)は式(42)になる。この式(4
2)は理想的には図5(a)に示す所望特性を有する。
従ってこのQ(F1 ,F2 )を式(35)の2次元所望
特性D(F1 ,F2 )の代わりとして同様に得られるh
D (k)(n1 ,n2 )を式(38)に使用してフィルタ係
数計算部8はフィルタ係数h(h,l,i)を計算す
る。
【数40】
【数41】
【数42】
【0110】また、フォワードルッキングの場合、当業
者によく知られた周波数変換(例えば、「Design
of 2−D FIR digital filte
rsby McClellan transforma
tion and least squares ei
gencontour mapping」(S.−C.
Pei、J.−J.Shyu著、IEEE Tran
s.Circuitsand Systems − I
I: Analog and Digital Sig
nal Processing,vol.40,no.
9、第546頁〜第555頁、1993年9月)に記載
のもの)に基づいて同様にして、式(37)に相当する
図5(b)の振幅特性を有する周波数応答が得られ、そ
れに基づくhD (k)(n1 ,n2 )を式(38)に使用し
てフィルタ係数計算部8はフィルタ係数h(h,l,
i)を計算する。
【0111】なお、実施の形態1においては、アダプテ
ィブアレー5aにより適応的に計算された係数を重み付
け合成器6−1〜6−(I−1)に供給するようにして
いるが、重み付け合成器6−1〜6−(I−1)の代わ
りにアダプティブアレー5aと同一のアダプティブアレ
ーを設けるようにしてもよい。
【0112】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、N本の受信信号のうちの所定の複数Ns 本の受信信
号の組をサブアレー信号としてそれぞれ選択し、サブア
レー信号毎にまず干渉波成分の抑圧を実行し、その処理
後に信号に対してクラッタ成分の抑圧を実行するように
し、干渉波成分の抑圧のためにのみアダプティブアレー
を使用するようにしたので、アダプティブアレーにおい
て適応的に設定されるフィルタ係数の数が素子アンテナ
数Nより少なく、サブアレー信号を構成する信号の数N
s と同数程度の荷重係数を制御すればよいため、素子ア
ンテナ数が増えた場合でもフィルタ係数の制御に要する
時間が短くて済み、迅速に不要エコー信号を適切に抑圧
することができるという効果が得られる。
【0113】また、この発明は、適応的に設定するフィ
ルタ係数がアダプティブアレーにおけるものだけとな
り、空間に関するフィルタ係数だけであるので(すなわ
ち不要信号抑圧適応フィルタ101のように時間に関す
るフィルタ係数を有さないので)、適応アルゴリズムに
LMSアルゴリズムなどの反復計算型のアルゴリズムを
用いた場合に反復計算の収束が速いという効果が得られ
る。
【0114】実施の形態2.この発明の実施の形態2
は、実施の形態1におけるクラッタ抑圧フィルタのフィ
ルタ係数の計算方法を変更したものである。
【0115】クラッタ抑圧フィルタ7aの阻止帯域の面
積は、クラッタが抑圧される大きさであればよく、目標
信号を保存する観点からは狭い方がよい。サイドルッキ
ングの場合、実施の形態1においてはクラッタ抑圧フィ
ルタ7aの阻止帯域はF2 軸方向にはレンジビンに関係
なくほぼ全域に広げるようにしていた。しかし近距離の
クラッタ反射点を含む等レンジリング(アンテナからの
距離が同一の地面または水面上の円)ほど、クラッタの
入射角の分布角度(図13の角度θi )は狭くなる。す
なわち式(13)より式(43)が成り立ち、cosφ
は−1から1まで変化するが、ψが90度に近くなるほ
ど、つまりクラッタ反射点がアンテナに近づくほどco
sψが小さくなるため、式(43)よりθの範囲は狭く
なることになる。
【数43】 なおクラッタの反射点の番号を表す添字iは除いた。
【0116】従ってレンジアンビギュイティがない場合
には、クラッタ抑圧フィルタ7aの空間周波数F2 軸方
向に関する阻止帯域幅を、近距離反射点に対応するレン
ジビンほど狭くしてもクラッタを十分抑圧することがで
きる。
【0117】そこでレンジビン番号kに対応する角度ψ
をkの関数ψ(k)とすると、sinθの範囲は式(4
4)に示すようになり、それに対応する正規化空間周波
数F 2 の範囲は式(45)に示すようになる。
【数44】
【数45】
【0118】従って式(35)または式(36)の特性
における阻止帯域幅をレンジビン番号kに応じてさらに
式(45)の範囲に限定したものを2次元所望特性D
(F1,F2 )として、ドップラ周波数F1 に関する格
子点の数をN1 とし、空間周波数F2 に関する格子点の
数をN2 として、等間隔の周波数格子点(N1 ×N2
点)上で周波数応答値を計算し、その値を2次元逆離散
フーリエ変換した信号をh D (k)(n1 ,n2 )とする。
【0119】ただし、式(45)の上限値と下限値が+
0.5と−0.5にそれぞれ近づいたら、レンジビン番
号kに応じて変える必要はなく、式(35)または式
(36)をそのまま2次元所望特性として使用してもよ
い。そしてその2次元所望特性に基づきhD (k)(n1
2 )が得られる。従ってフィルタ係数計算部8は、そ
のhD (k)(n1 ,n2 )を使用して式(38)に従って
フィルタ係数h(k,l,i)を計算する。
【0120】さらに、サイドルッキングの場合であり、
かつd/(2vPRI)≧1の場合には、実施の形態1
で説明したことと類似して、2次元所望特性D(F1
2)を次のようにしてもよい。
【0121】まず、2つのFIR型の零位相1次元高域
通過デジタルフィルタを設計する。1つのフィルタにつ
いては、阻止帯域幅をFSBとし、周波数応答は式(4
6)に示すP1 (F)(インパルス応答p1 (l)、イ
ンパルス応答長Lp1(奇数))となる。
【数46】
【0122】もう1つのフィルタについては、式(4
7)の範囲を阻止帯域とし、周波数応答を式(48)に
示すP2 (k)(F2)(インパルス応答p2 (k)(l)、イ
ンパルス応答長Lp2(奇数))とする。なお、このフィ
ルタの特性はレンジビン番号kによって異なるので、例
えば「A simple approach to t
he design of linear phase
FIR digital filters with
variable characteristic
s」(P.Jarske、Y.Neuvo、S.K.M
itra著、Signal Processing、v
ol.14、第313頁〜第326頁、1988年)に
記載のものように、ごく少数のパラメータでカットオフ
周波数が変えられるものが便利である。
【数47】
【数48】
【0123】次に、式(46)と式(48)の積の特性
は、ドップラ周波数−空間周波数の2次元周波数平面上
で長方形の阻止帯域を有する。さらに式(46)と式
(48)の積について変数変換したものを2次元周波数
平面上での2次元所望特性D(F1 ,F2 )とする。
【0124】すなわち、式(49)に基づいて変数変換
をすることにより、式(46)および式(48)の積は
式(50)に示すようになり、式(50)のQ(k) (F
1 ,F2 )を2次元所望特性D(F1 ,F2 )として、
上述の場合と同様にしてhD ( k)(n1 ,n2 )が得られ
る。従ってフィルタ係数計算部8は、そのhD (k)(n
1 ,n2 )を使用して式(38)に従ってフィルタ係数
h(k,l,i)を計算する。図6は実施の形態2によ
り設計すべきフィルタの所望特性を示す図である。
【数49】
【数50】
【0125】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、サイドルッキングの場合で、かつレンジアンビギュ
イティがない場合、クラッタ抑圧フィルタの阻止帯域を
クラッタの入射する角度の範囲に応じて変えるようにし
たので、クラッタ成分の抑圧において目標信号も一緒に
抑圧されてしまう可能性を低減することができるという
効果が得られる。
【0126】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
よる信号処理装置は、実施の形態1による信号処理装置
の干渉波抑圧処理とクラッタ抑圧処理の順序を入れ替え
たものである。図7はこの発明の実施の形態3による信
号処理装置の構成を示すブロック図であり、図8は図7
のクラッタ抑圧フィルタの構成を示すブロック図であ
り、図9は図7のアダプティブアレーの構成を示すブロ
ック図である。
【0127】図7において、7b−1〜7b−Iは、複
数I組のサブアレー信号を構成するNs 本の受信信号の
クラッタ成分をそれぞれ抑圧するクラッタ抑圧フィルタ
(クラッタ成分抑圧手段)であり、8はクラッタ抑圧フ
ィルタ7b−1〜7b−Iのフィルタ係数を計算するフ
ィルタ係数計算部(フィルタ係数計算手段)である。図
8に示すクラッタ抑圧フィルタ7b−iにおいて、41
はPRIだけ信号を遅延させる遅延器であり、Ns ×
(L−1)個の遅延器41はタップ数LのNs 本のタッ
プ付き遅延線回路を構成する。42は係数h(k,l
(エル),n)(k=1,2,・・・,K、Kはレンジ
ビン数、またはレンジゲート数、l(エル)=0,1,
・・・,L−1、n=1,2,・・・,Ns )を乗ずる
乗算器であり、43は初段の乗算器42または前段の加
算器43の出力と乗算器42の出力とを加算する加算器
であり、44は最終段のNs 個の加算器43の出力の総
和を演算する加算器である。
【0128】図7に戻り、5bはI個のクラッタ抑圧フ
ィルタ7b−1〜7b−IのI本の出力信号の干渉波成
分を抑圧するための荷重係数を計算し、そのI本の受信
信号に荷重係数を乗じ、それらの信号を合成するアダプ
ティブアレー(干渉波成分抑圧手段)である。
【0129】図9のアダプティブアレー5bは、図2の
アダプティブアレー5aと同様に、一例としてサイドロ
ーブキャンセラと同様な動作を行うエレメントスペース
構成のパーシャリアダプティブアレーとして構成されて
いる。
【0130】図9において、51はアンテナパターンの
主ビームを目標の方向に向けるための係数値a1 ,a
2 ,・・・,aI を、クラッタ抑圧フィルタ7b−1〜
7b−IのI本の出力信号のそれぞれに乗ずる荷重係数
器であり、52は荷重係数器51のI本の出力信号を合
成する合成器である。
【0131】53は干渉波の入射方向にアンテナパター
ンの零点を向けるための係数値w1,w2 ,・・・,wB
を、クラッタ抑圧フィルタ7b−1〜7b−IのI本
の出力信号のうちのB本にそれぞれに乗ずる適応荷重係
数器である。なお、図9においてはクラッタ抑圧フィル
タ7b−1〜7b−IのI本の出力信号のうちの第2番
目から第(I−1)番目までの信号が選択されている
が、第1番目の信号や第I番目の信号が必要に応じて含
まれるようにしても勿論よい。また、もっと少なくして
もよいが、少なくとも入射する干渉波の数以上選択する
必要がある。54は適応荷重係数器53のB本の出力信
号を合成する合成器である。55は合成器52の出力信
号から合成器54の出力信号を減算する減算器である。
【0132】56はクラッタ抑圧フィルタ7b−1〜7
b−IのI本の出力信号のうちの上記B本の信号および
合成器52の出力信号に基づいて、干渉波の入射方向に
アンテナパターンの零点を向けるための係数値w1 ,w
2 ,・・・,wB を適応的に計算し、適応荷重係数器5
3に供給する荷重係数制御部である。
【0133】なお、図9のアダプティブアレー5bは、
一例としてサイドローブキャンセラと同様な動作を行う
エレメントスペース構成のパーシャリアダプティブアレ
ーとして構成されているが、これに限定されるものでは
ない。例えばビームスペース構成としてもよい。アダプ
ティブアレー5bにおける適応アルゴリズムは特に限定
されるものではない。
【0134】なお、図7におけるその他の構成要素につ
いては実施の形態1によるもの(図1)と同様であるの
でその説明を省略する。
【0135】次に動作について説明する。アレーアンテ
ナ11、受信機2−1〜2−N、A/D変換器3−1〜
3−Nおよびサブアレー選択器4は実施の形態1と同様
に動作する。サブアレー選択器4はグレーティングロー
ブが発生せず、各サブアレー信号として選択されるNs
本の受信信号の素子番号の間隔パターンがすべてのサブ
アレー信号において同一になるように、Ns 本の受信信
号u(k,m,n)を1組のサブアレー信号xi (k,
m)として選択する。実施の形態1とは異なり、このと
きサブアレー信号間の位相中心間隔は同一でなくてもよ
い。
【0136】サブアレー信号Xi (i=1,2,・・
・,I)は同一のフィルタ係数を有するクラッタ抑圧フ
ィルタ7b−iにそれぞれ供給される。クラッタ抑圧フ
ィルタ7b−1〜7b−Iはそれぞれ実施の形態1のク
ラッタ抑圧フィルタ7aと同様にクラッタ抑圧処理を行
い、出力信号yb (k,m,1)〜yb (k,m,I)
をそれぞれアダプティブアレー5bに供給する。クラッ
タ抑圧フィルタ7b−iの出力信号は式(51)に示す
ようになる。
【数51】
【0137】なお、フィルタ係数計算部8の動作は、フ
ィルタ係数の数が異なるものの実施の形態1によるもの
と同様であるのでその説明を省略する。
【0138】クラッタ抑圧フィルタ7b−iの出力信号
b (k,m,i)(i=1,2,・・・,I)では、
クラッタ成分が既に抑圧されているが干渉波成分はまだ
含まれている。そこで、次にアダプティブアレー5bに
よりクラッタ抑圧フィルタ7b−1〜7b−Iの出力信
号yb (k,m,1)〜yb (k,m,I)に含まれる
干渉波成分を抑圧する。
【0139】アダプティブアレー5bは実施の形態1の
アダプティブアレー5aと同様に動作し、信号処理装置
の出力信号を出力する。この信号処理装置の出力信号z
b (k,m)は式(52)のようになる。
【数52】 ここでBは適応荷重係数器53に入力される信号数であ
り、in は適応荷重係数器23に入力される信号の番号
である。
【0140】信号処理装置の出力信号zb (k,m)は
レンジおよびヒットに関する信号であり、干渉波成分お
よびクラッタ成分の抑圧された信号となっており、この
信号に基づいて目標検出処理が実行される。
【0141】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、N本の受信信号のうちの所定の複数Ns 本の受信信
号の組をサブアレー信号としてそれぞれ選択し、サブア
レー信号毎にまずクラッタ成分の抑圧を実行し、その処
理後の信号に対して干渉波成分の抑圧を実行するように
し、干渉波成分の抑圧のためにのみアダプティブアレー
を使用するようにしたので、アダプティブアレーにおい
て適応的に設定されるフィルタ係数の数が素子アンテナ
数Nより少なく、サブアレー信号の組数と同数程度の荷
重係数を制御すればよいため、素子アンテナ数が増えた
場合でもフィルタ係数の制御に要する時間が短くて済
み、迅速に不要エコー信号を適切に抑圧することができ
るという効果が得られる。
【0142】また、この発明は、適応的に設定するフィ
ルタ係数がアダプティブアレーにおけるものだけとな
り、空間に関するフィルタ係数だけであるので、適応ア
ルゴリズムにLMSアルゴリズムなどの反復計算型のア
ルゴリズムを用いた場合に反復計算の収束が速いという
効果が得られる。
【0143】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、N本
の受信信号からサブアレー信号毎に所定の複数Ns 本の
受信信号を選択して複数組のサブアレー信号を生成し、
各サブアレー信号を構成するNs 本の受信信号に基づい
て、干渉波成分を抑圧するための荷重係数を適応的に設
定し、Ns 本の受信信号に荷重係数を乗じた信号を各サ
ブアレー信号毎に合成し、それぞれ荷重係数を乗じて合
成され生成された複数の信号のクラッタ成分を抑圧する
ように構成したので、サブアレー信号を構成する信号の
数Ns と同数程度の荷重係数を適応的に制御すればよ
く、素子アンテナ数が増えた場合でもフィルタ係数の制
御に要する時間が短くて済み、迅速に不要エコー信号を
適切に抑圧することができるという効果がある。
【0144】また、この発明は、適応的に設定するフィ
ルタ係数が空間に関する荷重係数だけであるので、適応
アルゴリズムにLMSアルゴリズムのような荷重係数を
逐次更新する反復計算型のアルゴリズムを用いた場合に
反復計算の収束が速いという効果がある。
【0145】この発明によれば、複数の干渉波成分抑圧
手段のうちの1つの干渉波成分抑圧手段により、複数組
のサブアレー信号のうちの1つを構成するNs 本の受信
信号に基づいて、干渉波成分を抑圧するための荷重係数
を適応的に計算し、残りの干渉波成分抑圧手段に供給す
るとともに、Ns 本の受信信号に荷重係数を乗じた信号
を合成し、残りの各干渉波成分抑圧手段により、複数組
のサブアレー信号のうちの残りの各サブアレー信号を構
成するNs 本の受信信号に前記1つの干渉波成分抑圧手
段より供給された荷重係数を乗じた信号をそれぞれ合成
するように構成したので、1つの干渉波成分抑圧手段の
みが適応計算を実行すればよいので、残りの干渉波成分
抑圧手段の回路規模を低減することができるという効果
がある。
【0146】この発明によれば、N個の素子アンテナが
移動物体の移動方向と平行な一直線上で等間隔に配置さ
れる場合、複数組のサブアレー信号間の位相中心間隔も
しくは素子アンテナ間隔、移動物体の速さおよびパルス
繰返し周期に基づいてドップラ周波数−空間周波数平面
におけるクラッタ成分を抑圧するように構成したので、
受信信号に依存した適応的な計算をすることなくクラッ
タ成分を抑圧することができるという効果がある。
【0147】この発明によれば、レンジアンビギュイテ
ィがない場合、クラッタの入射する角度範囲に応じてク
ラッタ成分を抑圧するクラッタ成分抑圧手段の阻止帯域
を設定するように構成したので、クラッタ成分の抑圧に
おいて目標信号を抑圧してしまう可能性を低減すること
ができるという効果がある。
【0148】この発明によれば、複数組のサブアレー信
号間の位相中心間隔もしくは素子アンテナ間隔、移動物
体の速さおよびパルス繰返し周期に基づいてドップラ周
波数−空間周波数平面におけるクラッタ成分を抑圧する
2次元FIRディジタルフィルタのフィルタ係数を計算
するフィルタ係数計算手段を備え、クラッタ成分抑圧手
段を、フィルタ係数計算手段により計算されたフィルタ
係数を持つ2次元FIRディジタルフィルタとしたの
で、受信信号に依存した適応的な計算をすることなくク
ラッタ成分を抑圧することができる効果がある。加え
て、移動物体の速さなどのパラメータの値が変化した場
合にクラッタ成分抑圧手段の特性を適宜変更することが
できるという効果がある。
【0149】この発明によれば、N個の素子アンテナが
移動物体の移動方向と垂直な一直線上で等間隔に配置さ
れる場合、受信信号の波長、複数組のサブアレー信号間
の位相中心間隔もしくは素子アンテナ間隔、移動物体の
速さ、パルス繰返し周期、素子アンテナの高度およびク
ラッタ反射源までの距離に基づいてドップラ周波数−空
間周波数平面におけるクラッタ成分を抑圧するように構
成したので、受信信号に依存した適応的な計算をするこ
となくクラッタ成分を抑圧することができるという効果
がある。
【0150】この発明によれば、受信信号の波長、複数
組のサブアレー信号間の位相中心間隔もしくは素子アン
テナ間隔、移動物体の速さ、パルス繰返し周期、素子ア
ンテナの高度およびクラッタ反射源までの距離に基づい
てドップラ周波数−空間周波数平面におけるクラッタ成
分を抑圧する2次元FIRディジタルフィルタのフィル
タ係数を計算するフィルタ係数計算手段を備え、クラッ
タ成分抑圧手段を、フィルタ係数計算手段により計算さ
れたフィルタ係数を持つ2次元FIRディジタルフィル
タとしたので、受信信号に依存した適応的な計算をする
ことなくクラッタ成分を抑圧することができる効果があ
る。加えて、移動物体の速さなどのパラメータの値が変
化した場合にクラッタ成分抑圧手段の特性を適宜変更す
ることができるという効果がある。
【0151】この発明によれば、N本の受信信号からサ
ブアレー信号毎に所定の複数Ns 本の受信信号を選択し
て複数組のサブアレー信号を生成し、サブアレー信号毎
にクラッタ成分をそれぞれ抑圧し、サブアレー信号毎に
それぞれクラッタ成分を抑圧して生成した複数の信号に
基づいて、干渉波成分を抑圧するための荷重係数を適応
的に計算し、その複数の信号に荷重係数を乗じた信号を
合成するように構成したので、サブアレー信号の組数と
同数程度の荷重係数を適応的に制御すればよく、素子ア
ンテナ数が増えた場合でも荷重係数の制御に要する時間
が短くて済み、迅速に不要エコー信号を適切に抑圧する
ことができるという効果がある。
【0152】また、この発明は、適応的に設定するフィ
ルタ係数が空間に関するフィルタ係数だけであるので、
適応アルゴリズムにLMSアルゴリズムのような荷重係
数を逐次更新する反復計算型のアルゴリズムを用いた場
合に反復計算の収束が速いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による信号処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のアダプティブアレーの構成を示すブロ
ック図である。
【図3】 図1の重み付け合成器の構成を示すブロック
図である。
【図4】 図1のクラッタ抑圧フィルタの構成を示すブ
ロック図である。
【図5】 クラッタ抑圧フィルタの所望特性を示す図で
ある。
【図6】 実施の形態2により設計すべきフィルタの所
望特性を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による信号処理装置
の構成を示すブロック図である。
【図8】 図7のクラッタ抑圧フィルタの構成を示すブ
ロック図である。
【図9】 図7のアダプティブアレーの構成を示すブロ
ック図である。
【図10】 等間隔dで直線上に配置された複数の素子
アンテナからなるアレーアンテナを示す図である。
【図11】 受信した目標信号の2次元フーリエ変換Y
T(F1 ,F2 ;k0)の振幅を示す図である。
【図12】 受信した干渉波の2次元フーリエ変換YJ
(F1 ,F2 ;k0)の振幅を示す図である。
【図13】 アレーアンテナの存在する空間の座標系を
示す図である。
【図14】 グランドクラッタの2次元スペクトルを示
す図である。
【図15】 異なるレンジビンk1 ,k2 ,k3 に対す
るグランドクラッタの2次元スペクトルの分布を示す図
である。
【図16】 従来の信号処理装置を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
4 サブアレー選択器(サブアレー信号選択手段)、5
a,5b アダプティブアレー(干渉波成分抑圧手
段)、6−1〜6−(I−1) 重み付け合成器(干渉
波成分抑圧手段)、7a,7b−1〜7b−I クラッ
タ抑圧フィルタ(クラッタ成分抑圧手段)、8 フィル
タ係数計算部(フィルタ係数計算手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J021 AA07 AA11 DB01 FA28 FA29 FA32 GA05 HA04 HA08 JA09 5J070 AB01 AC02 AD08 AE20 AF06 AH04 AH08 AH10 AH31 AH35 AH39 AJ10 AK16 AK21 AK35 BA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動物体に搭載され、一直線上で等間隔
    に配置された複数N個の素子アンテナを介して受信され
    たN本の受信信号に含まれる不要信号成分を抑圧する信
    号処理装置において、 前記N本の受信信号からサブアレー信号毎に所定の複数
    s 本の前記受信信号を選択して複数組のサブアレー信
    号を生成するサブアレー信号選択手段と、 各サブアレー信号を構成する前記Ns 本の受信信号に基
    づいて、干渉波成分を抑圧するための荷重係数を適応的
    に設定し、前記Ns 本の受信信号に前記荷重係数を乗じ
    た信号を各サブアレー信号毎に合成する複数の干渉波成
    分抑圧手段と、 前記複数の干渉波成分抑圧手段により演算された複数の
    信号のクラッタ成分を抑圧するクラッタ成分抑圧手段と
    を備えることを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 複数の干渉波成分抑圧手段のうちの1つ
    の前記干渉波成分抑圧手段は、複数組のサブアレー信号
    のうちの1つを構成するNs 本の受信信号に基づいて、
    干渉波成分を抑圧するための荷重係数を適応的に計算
    し、残りの前記干渉波成分抑圧手段に供給するととも
    に、前記Ns 本の受信信号に前記荷重係数を乗じた信号
    を合成し、 残りの各干渉波成分抑圧手段は、前記複数組のサブアレ
    ー信号のうちの残りの各サブアレー信号を構成するNs
    本の受信信号に前記1つの干渉波成分抑圧手段より供給
    された前記荷重係数を乗じた信号をそれぞれ合成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 クラッタ成分抑圧手段は、N個の素子ア
    ンテナが移動物体の移動方向と平行な一直線上で等間隔
    に配置される場合、複数組のサブアレー信号間の位相中
    心間隔、前記移動物体の速さおよびパルス繰返し周期に
    基づいてドップラ周波数−空間周波数平面におけるクラ
    ッタ成分を抑圧することを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 クラッタ成分抑圧手段は、レンジアンビ
    ギュイティがない場合、クラッタの入射する角度範囲に
    応じてクラッタ成分を抑圧する阻止帯域を設定すること
    を特徴とする請求項3記載の信号処理装置。
  5. 【請求項5】 複数組のサブアレー信号間の位相中心間
    隔、移動物体の速さおよびパルス繰返し周期に基づいて
    ドップラ周波数−空間周波数平面におけるクラッタ成分
    を抑圧する2次元FIRディジタルフィルタのフィルタ
    係数を計算するフィルタ係数計算手段を備え、 クラッタ成分抑圧手段は、前記フィルタ係数計算手段に
    より計算されたフィルタ係数を持つ2次元FIRディジ
    タルフィルタであることを特徴とする請求項3記載の信
    号処理装置。
  6. 【請求項6】 クラッタ成分抑圧手段は、N個の素子ア
    ンテナが移動物体の移動方向と垂直な一直線上で等間隔
    に配置される場合、受信信号の波長、複数組のサブアレ
    ー信号間の位相中心間隔、前記移動物体の速さ、パルス
    繰返し周期、前記素子アンテナの高度およびクラッタ反
    射源までの距離に基づいてドップラ周波数−空間周波数
    平面におけるクラッタ成分を抑圧することを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の信号処理装置。
  7. 【請求項7】 受信信号の波長、複数組のサブアレー信
    号間の位相中心間隔、移動物体の速さ、パルス繰返し周
    期、素子アンテナの高度およびクラッタ反射源までの距
    離に基づいてドップラ周波数−空間周波数平面における
    クラッタ成分を抑圧する2次元FIRディジタルフィル
    タのフィルタ係数を計算するフィルタ係数計算手段を備
    え、 クラッタ成分抑圧手段は、前記フィルタ係数計算手段に
    より計算されたフィルタ係数を持つ2次元FIRディジ
    タルフィルタであることを特徴とする請求項6記載の信
    号処理装置。
  8. 【請求項8】 クラッタ成分抑圧手段は、レンジビン毎
    にクラッタ成分を抑圧することを特徴とする請求項1か
    ら請求項7のうちのいずれか1項記載の信号処理装置。
  9. 【請求項9】 移動物体に搭載され、一直線上で等間隔
    に配置された複数N個の素子アンテナを介して受信され
    たN本の受信信号に含まれる不要信号成分を抑圧する信
    号処理方法において、 前記N本の受信信号からサブアレー信号毎に所定の複数
    s 本の前記受信信号を選択して複数組のサブアレー信
    号を生成するステップと、 各サブアレー信号を構成する前記Ns 本の受信信号に基
    づいて、干渉波成分を抑圧するための荷重係数を適応的
    に設定し、前記Ns 本の受信信号に前記荷重係数を乗じ
    た信号を各サブアレー信号毎に合成するステップと、 それぞれ荷重係数を乗じて合成され生成された複数の信
    号のクラッタ成分を抑圧するステップとを備えることを
    特徴とする信号処理方法。
  10. 【請求項10】 移動物体に搭載され、一直線上で等間
    隔に配置された複数N個の素子アンテナを介して受信さ
    れたN本の受信信号に含まれる不要信号成分を抑圧する
    信号処理装置において、 前記N本の受信信号からサブアレー信号毎に所定の複数
    s 本の前記受信信号を選択して複数組のサブアレー信
    号を生成するサブアレー信号選択手段と、 各サブアレー信号を構成する前記Ns 本の受信信号のク
    ラッタ成分をそれぞれ抑圧する複数のクラッタ成分抑圧
    手段と、 前記複数のクラッタ成分抑圧手段によりそれぞれクラッ
    タ成分を抑圧された複数の信号に基づいて、干渉波成分
    を抑圧するための荷重係数を適応的に計算し、その複数
    の信号に前記荷重係数を乗じた信号を合成する干渉波成
    分抑圧手段とを備えることを特徴とする信号処理装置。
  11. 【請求項11】 各クラッタ成分抑圧手段は、N個の素
    子アンテナが移動物体の移動方向と平行な一直線上で等
    間隔に配置される場合、複数組のサブアレー信号間の位
    相中心間隔、前記移動物体の速さおよびパルス繰返し周
    期に基づいてドップラ周波数−空間周波数平面における
    クラッタ成分を抑圧することを特徴とする請求項10記
    載の信号処理装置。
  12. 【請求項12】 複数組のサブアレー信号間の位相中心
    間隔、移動物体の速さおよびパルス繰返し周期に基づい
    てドップラ周波数−空間周波数平面におけるクラッタ成
    分を抑圧する2次元FIRディジタルフィルタのフィル
    タ係数を計算するフィルタ係数計算手段を備え、 各クラッタ成分抑圧手段は、前記フィルタ係数計算手段
    により計算されたフィルタ係数を持つ2次元FIRディ
    ジタルフィルタであることを特徴とする請求項11記載
    の信号処理装置。
  13. 【請求項13】 各クラッタ成分抑圧手段は、N個の素
    子アンテナが移動物体の移動方向と垂直な一直線上で等
    間隔に配置される場合、受信信号の波長、複数組のサブ
    アレー信号間の位相中心間隔、前記移動物体の速さ、パ
    ルス繰返し周期、前記素子アンテナの高度およびクラッ
    タ反射源までの距離に基づいてドップラ周波数−空間周
    波数平面におけるクラッタ成分を抑圧することを特徴と
    する請求項12記載の信号処理装置。
  14. 【請求項14】 受信信号の波長、複数組のサブアレー
    信号間の位相中心間隔、移動物体の速さ、パルス繰返し
    周期、素子アンテナの高度およびクラッタ反射源までの
    距離に基づいてドップラ周波数−空間周波数平面におけ
    るクラッタ成分を抑圧する2次元FIRディジタルフィ
    ルタのフィルタ係数を計算するフィルタ係数計算手段を
    備え、 各クラッタ成分抑圧手段は、前記フィルタ係数計算手段
    により計算されたフィルタ係数を持つ2次元FIRディ
    ジタルフィルタであることを特徴とする請求項13記載
    の信号処理装置。
  15. 【請求項15】 クラッタ成分抑圧手段は、レンジビン
    毎にクラッタ成分を抑圧することを特徴とする請求項1
    0から請求項14のうちのいずれか1項記載の信号処理
    装置。
  16. 【請求項16】 移動物体に搭載され、一直線上で等間
    隔に配置された複数N個の素子アンテナを介して受信さ
    れたN本の受信信号に含まれる不要信号成分を抑圧する
    信号処理方法において、 前記N本の受信信号からサブアレー信号毎に所定の複数
    s 本の前記受信信号を選択して複数組のサブアレー信
    号を生成するステップと、 サブアレー信号毎にクラッタ成分をそれぞれ抑圧するス
    テップと、 前記サブアレー信号毎にそれぞれクラッタ成分を抑圧し
    て生成した複数の信号に基づいて、干渉波成分を抑圧す
    るための荷重係数を適応的に計算し、その複数の信号に
    前記荷重係数を乗じた信号を合成するステップとを備え
    ることを特徴とする信号処理方法。
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