JPH07239303A - 宝石鑑定装置及びその方法 - Google Patents

宝石鑑定装置及びその方法

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JPH07239303A
JPH07239303A JP5351114A JP35111493A JPH07239303A JP H07239303 A JPH07239303 A JP H07239303A JP 5351114 A JP5351114 A JP 5351114A JP 35111493 A JP35111493 A JP 35111493A JP H07239303 A JPH07239303 A JP H07239303A
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正治 富岡
Hiroaki Noda
浩昭 野田
Nobuhiro Kita
信浩 北
Yasutada Miura
靖忠 三浦
Shintaro Hayashi
信太郎 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熟練した宝石鑑定士の判断に依存することな
く、客観的なデータに基づいて極めて信頼性の高い宝石
鑑定を容易に実現することを目的とする。 【構成】鑑定すべき宝石510が配置される照明空間を
有する宝石照明部512と、照明空間内において宝石5
10を回転自在に保持する保持手段511と、宝石照明
部512の照明空間へ入射する光を生成する光源521
と、宝石510の反射光を取込み該宝石510の拡大像
を形成する拡大光学系522と、拡大光学系522によ
り形成された宝石像を撮像する撮像手段523と、宝石
画像を記憶する画像メモリ517と、表示手段515
と、画像メモリ517に記憶されている宝石画像の位置
情報及び輝度情報の少なくとも一方の情報に基づいて宝
石510の品質情報を算出する品質算定手段516とを
具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤモンド等の宝石
を鑑定するための宝石鑑定装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドの品質は、カラー,カッ
ト,クラリティー,カラットのいわゆる4C(品質情
報)により評価することができる。宝石鑑定士は、種々
の鑑定方法を使ってカラー評価,カット評価,クラリテ
ィー評価,カラット評価を行い、各評価値を総合して宝
石の鑑定結果を出している。
【0003】宝石の鑑定は、鑑定対象となる宝石のプロ
ポーション,表面の研磨状態,色調,重さ等を測定,観
察することにより行われる。特に、宝石のプロポーショ
ン,表面の研磨状態,色調は、鑑定士が10倍程度のル
ーペや宝石鑑定用顕微鏡又はビデオ顕微鏡を使用して拡
大した宝石像を肉眼で観察することによって判断してい
る。
【0004】図47は宝石鑑定用顕微鏡の外観を示す図
である。
【0005】この宝石鑑定用顕微鏡は、架台11上に双
眼実体顕微鏡12が支持アーム13に調節可能に支持さ
れ、宝石保持用ピンセット14により保持されたダイヤ
モンド15に対して架台11の上面の中央を架台内部か
ら透過暗視野照明16を施し、且つ架台11の前部に支
持アーム17を介して支持された簡易落射照明系18に
より宝石15を落射照明可能な構成としたものである。
【0006】図48は、ビデオ顕微鏡システムの外観を
示す図である。
【0007】このビデオ顕微鏡システムは、架台21上
にビデオ顕微鏡22が支持アーム23に調節可能に支持
され、宝石保持用ピンセット24により保持されたダイ
ヤモンド25に対して架台21の上面の中央を架台内部
から透過暗視野照明26を施し、且つ照明装置27より
簡易落射照明系28を介して宝石25を落射照明可能な
構成としたものである。この観察システムでは、ビデオ
顕微鏡22で撮像された画像情報はCRT等の表示装置
29に表示される。
【0008】宝石のプロポーション及び表面の研磨状態
の良否に関する宝石の鑑定技術としては、特開平3−2
31143号公報に記載されているものがある。これは
発光手段によりダイヤモンドに光を当て、ダイヤモンド
の各カット面から反射またはカット面を透過した光を凹
曲面状のスクリーン上へ投射させ、この投射像の分布数
量、色等からダイヤモンドの輝度を測定するといった鑑
定方法である。
【0009】一方、宝石のカラーに関する鑑定には、一
般的にはG.I.A方式に基づくカラーグレーディング
方式が採用されている。このカラーグレーディング方式
は、図49に示すカラーグレーダー31に無色から黄褐
色までの各基準色を有するマスターストーン32をそれ
ぞれ配し、鑑定対象の宝石と各マスターストーン32と
を肉眼で直接対比観察して分類評価する方式である。
【0010】最近では、宝石のカラーに関する鑑定技術
として、カラーグレーディングの定量化が試みられてい
る。例えば、特開昭57−204440号公報には、特
定波長の吸収率が宝石の有する色により相違することに
着目して宝石の色測定を行う色測定装置が記載されてい
る。この色測定装置は、図50に示すように、積分球4
0の中にダイヤモンド41を配置し、光源42からの測
定光を集光光学系43で集光し、その光束を導光管44
を通してダイヤモンド41のテーブル面に入射する。そ
してダイヤモンド41を透過した光を積分球40の内面
で多重反射させてから測光ユニット45に入射する。
【0011】測光ユニット45は、図51に示すように
構成され、ユニット内に入射した光をハーフミラー46
で2方向に分離し、一方の光を赤色波長域に透過特性を
持つ赤色フィルタ47を介して光検出器48Rに入射
し、他方の光は青色波長域に透過特性を持つ青色フィル
タ49を介してもう一つの光検出器48Gに入射する。
【0012】ここで、基準色が異なる4種類のマスター
ストーンF,G,H,Iをそれぞれ透過した光の吸収率
曲線を図52に示す。同図に示すように、赤色波長域
(780nm付近)の吸収率は各マスターストーン間の
差がほとんど無いのに対し、青色波長域(380nm〜
460nm付近)の吸収率はマスターストーン間で大き
な差がある。
【0013】上記色測定装置では、スイッチSWの切換
えにより各光検出器48R,48Gの出力を電流計50
で検出し、赤色波長域に対応する光検出器48Rの出力
と、青色波長域に対応する光検出器48Gの出力との比
に基づいて当該宝石の色を判定する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た鑑定技術は、宝石の寸法,角度を測定するのに、ノギ
スや角度ゲージ等の測定器具を使っていたため、例えば
ガードルが真円からどれだけ歪んでいるか、又はダイヤ
モンドのテーブルが正八角形からどれだけ歪んでいるか
といった相対的な形状判断は鑑定士の判断に委ねられて
いた。
【0015】また、宝石のプロポーションやクラリティ
ーの鑑定では、ビデオ顕微鏡やスクリーン投影機により
拡大した宝石像を使って鑑定を行う場合であっても、最
終的には鑑定士の肉眼による目視判別に依存していた。
【0016】一方、宝石のカラー鑑定では、宝石からの
反射光のうち赤色波長域と青色波長域との比を利用する
方式の場合、ダイヤモンドのカットの差異や表面の研磨
の良否によって宝石の反射光が変化するため正確な色測
定値を得られない可能性がある。
【0017】本発明は、以上のような実情に鑑みてなさ
れたもので、熟練した宝石鑑定士の判断に依存すること
なく、客観的なデータに基づいて極めて信頼性の高い宝
石鑑定を容易に実現し得る宝石鑑定装置及びその方法を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次のような手段を講じた。
【0019】請求項1に対応する宝石鑑定装置は、鑑定
すべき宝石が配置される照明空間を有し該照明空間の内
壁面で光を反射散乱して生成した無指向性の光で宝石を
照明する宝石照明部と、前記宝石照明部の照明空間内に
おいて前記宝石の姿勢を変化可能に該宝石を保持した保
持手段と、前記宝石照明部の照明空間へ入射する光を生
成する光源と、前記宝石照明部において照明されている
宝石の反射光を取込み該宝石の拡大像を形成する拡大光
学系と、前記拡大光学系により形成された宝石像を撮像
する撮像手段と、前記撮像手段から取込まれた宝石画像
を記憶する画像メモリと、少なくとも前記宝石画像が表
示される表示手段と、前記画像メモリに記憶されている
宝石画像の位置情報及び輝度情報の少なくとも一方の情
報に基づいて前記宝石の品質情報を算出する品質算定手
段とを具備する構成とした。
【0020】請求項2に対応する宝石鑑定装置は、前記
品質算定手段を、前記表示手段に表示されている宝石画
像の任意の位置座標を指定する画像位置指定手段と、前
記画像位置指定手段で入力した宝石画像の座標値に基づ
いて前記宝石の形状を算出する形状演算手段とを備えて
構成した。
【0021】請求項3に対応する宝石鑑定装置は、前記
品質算定手段を、前記画像メモリに記憶された宝石画像
に基づき少なくとも1画素単位の輝度分布を測定してヒ
ストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、前記ヒ
ストグラム作成手段で作成されたヒストグラムから輝度
の最頻値及び当該最頻値より低輝度側の分布状態に基づ
いて前記宝石の形状を算出する形状演算手段とを備えて
構成した。
【0022】請求項4に対応する宝石鑑定装置は、前記
形状演算手段で算出した形状に基づいて当該宝石のカッ
トに関する評価値を算出するカット評価手段と、前記カ
ット評価手段で算出したカット評価値と当該宝石の画像
のうち少なくともカット評価値を含む形状評価情報を作
成する形状評価情報作成手段とをさらに備える構成とし
た。
【0023】請求項5に対応する宝石鑑定装置は、前記
品質算定手段を、前記画像メモリに記憶された宝石画像
に基づき少なくとも1画素単位の輝度分布を測定してヒ
ストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、前記ヒ
ストグラム作成手段で作成されたヒストグラムから輝度
の最頻値及び当該最頻値より低輝度側の分布状態に基づ
いて前記宝石の研磨状態を評価する研磨状態評価手段と
を備えて構成した。
【0024】請求項6に対応する宝石鑑定装置は、前記
研磨状態評価手段で評価した研磨状態の評価値と前記宝
石画像とのうち少なくとも研磨状態の評価値を含む研磨
状態評価情報を作成する研磨状態評価情報作成手段をさ
らに備えた構成とした。
【0025】請求項7に対応する宝石鑑定装置は、前記
撮像手段に前記宝石の画像情報として複数の特定波長域
の光を選択的に取込ませる波長選択手段をさらに備える
構成とした。
【0026】請求項8に対応する宝石鑑定装置は、前記
品質算定手段を、前記画像メモリに記憶された赤色波長
域近傍及び近紫外波長域近傍の宝石画像に基づき前記宝
石の赤色波長域及び近紫外波長域近傍の輝度分布を測定
してそれぞれのヒストグラムを作成するヒストグラム作
成手段と、前記ヒストグラム作成手段で作成されたそれ
ぞれのヒストグラムの最大輝度近傍の分布状態を比較し
て前記宝石の色調を算出する色調演算手段とを備えて構
成した。
【0027】請求項9に対応する宝石鑑定装置は、前記
色調演算手段で算出された色調に基づいて前記宝石のカ
ーを評価するカラー評価手段と、前記カラー評価手段の
カラー評価値と前記宝石画像とのうち少なくともカラー
評価値を含むカラー評価情報を作成するカラー評価情報
作成手段をさらに具備する構成とした。
【0028】請求項10に対応する宝石鑑定装置は、前
記波長選択手段を、各々選択波長が異なり光路に対して
選択的に挿入される複数の分光フィルタから構成し、ま
た、前記品質算定手段を、前記画像メモリに記憶された
宝石画像の画素単位の輝度値から前記宝石の色測定値を
算出する色調演算手段を備える構成とした。
【0029】請求項11に対応する宝石鑑定装置は、前
記波長選択手段が赤色波長域に透過特性を有する分光フ
ィルタと、青色波長域に透過特性を有する分光フィルタ
とを有し、前記色調演算手段が少なくとも赤色波長域の
分光フィルタを介して取込まれた宝石画像の輝度値と青
色波長域の分光フィルタを介して取込まれた宝石画像の
輝度値とを比較する。
【0030】請求項12に対応する宝石鑑定装置は、前
記光源の分光特性を検出する検出手段と、前記検出手段
による検出値と予め定められた基準値とを比較する比較
手段とをさらに具備する構成とした。
【0031】請求項13に対応する宝石鑑定装置は、前
記宝石照明部へ照明光を導くための光路または宝石照明
部に配置されている宝石からの反射光を撮像素子へ導く
ための光学系いずれか一方に設けられ、各々波長帯域の
異なる透過特性を持った複数の分光フィルタから構成さ
れ、前記分光フィルタが選択的に該当する光路に挿入さ
れる波長選択手段と、前記光源部の分光特性を検出する
第1の検出手段と、前記各光学系を通った光の分光特性
を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段と前
記第2の検出手段との各検出結果を比較する比較手段と
を具備する構成とした。
【0032】請求項14に対応する宝石鑑定装置は、前
記宝石照明部を、それぞれの内側面が可視範囲の波長域
又は近紫外域から可視範囲の波長域において均一性の高
い反射散乱特性を有する一対の半球を着脱可能に係合し
てなる積分球であって、一方の半球の開口端の適宜位置
に前記撮像手段を設け、前記一方の半球の開口端であっ
て前記撮像手段の設置位置に対向する場所に前記保持手
段を取付けた構成とした。
【0033】請求項15に対応する宝石鑑定装置は、前
記宝石照明部を、それぞれの内側面が可視範囲の波長域
又は近紫外域から可視範囲の波長域において均一性の高
い反射散乱特性を有する一対の半球を着脱可能に係合し
てなる積分球であって、一方の半球の開口端の適宜位置
に前記光源からの光を積分球内に導光する落射照明系を
有する撮像手段を取付けると共に、この撮像手段の取付
部に前記落射照明系からの照明光を積分球内面に向けて
反射する反射手段を取付け、前記一方の半球の開口端で
あって前記撮像手段の設置位置に対向する位置に前記保
持手段を取付けた構成とした。
【0034】請求項16に対応する宝石鑑定装置は、前
記宝石照明部を、内面が可視波長範囲又は紫外域までの
波長域で均一性の高い反射特性が得られるように形成さ
れたほぼ半球状の曲面形状を有する覆体から構成し、前
記光源を、前記覆体の曲面開口部に対向配置され、前記
宝石及び前記撮像手段に直接光を入射することのないリ
ング照明を行うように構成した。
【0035】請求項17に対応する宝石鑑定装置は、前
記保持手段を、凹部を有する支持台と、全体がU字形を
なしその対向する2片を前記支持台の凹部内において回
動自在に軸支された振子台と、前記振子台の上面に上下
方向を中心軸として回転自在に設けられた回転台と、前
記宝石を保持している指輪を着脱可能に保持し前記回転
台の回転に連動して前記宝石を中心に回転移動する指輪
保持機構とを備える構成とした。
【0036】請求項18に対応する宝石鑑定装置は、前
記撮像手段から取込まれた宝石画像及び前記品質算定手
段で算出した宝石の品質情報の少なくとも一方を格納す
る外部記憶装置を備える構成とした。
【0037】請求項19に対応する宝石鑑定装置は、外
部装置に対して通信回線を介して接続され、前記外部装
置との間で前記宝石の品質情報の授受を行う通信手段を
備えた構成とした。
【0038】請求項20に対応する宝石鑑定方法は、鑑
定すべき宝石を照明した状態で撮像し、その撮像により
取込んだ宝石画像を表示手段に表示し、その表示されて
いる宝石画像の任意の位置座標を指定し、その指定され
た宝石画像の座標値に基づいて前記宝石の形状を算出す
ることを特徴とする。
【0039】請求項21に対応する宝石鑑定方法は、光
源からの光を宝石照明部に入射して該宝石照明部内に配
置された宝石をあらゆる方向から照明し、この宝石と対
向する位置から宝石を撮像して画像情報を取込み、この
画像情報をもとに前記宝石の輝度分布を測定してヒスト
グラムを作成し、このヒストグラムの最頻値及び最頻値
より低輝度側の分布状態を解析し、その結果をもとに宝
石の形状及び表面の研磨状態の良否を判別し、評価する
ことを特徴とする。
【0040】請求項22に対応する宝石鑑定方法は、光
源からの光を宝石照明部に入射して該宝石照明部内に設
けられた宝石をあらゆる方向から照明し、この宝石と対
向する位置から宝石を赤色波長域又は近紫外波長域近傍
の画像情報を取込み、これらの画像情報をもとに前記宝
石の赤色波長域と近紫外波長域近傍における輝度分布を
測定してヒストグラムをそれぞれ作成し、各ヒストグラ
ムの最大輝度近傍の分布状態を解析することにより求め
られた値の商の大小から前記宝石の色調の差異を判別
し、評価することを特徴とする。
【0041】
【作用】本発明は以上のような手段を講じたことによ
り、次のような作用を奏する。
【0042】請求項1に対応する宝石鑑定装置では、宝
石照明部の照明空間内に配置された宝石が、光源から該
照明空間に入射せしめられ内壁面で多重反射及び散乱を
繰り返して無指向性となった光で照明される。保持手段
により保持された宝石は拡大光学系に対して任意の姿勢
にて、例えば正面,側面を向けて、対向配置される。拡
大光学系に入射して拡大された宝石の正面像,側面像が
撮像手段により撮像される。撮像手段で入力した宝石画
像は画像メモリに格納され必要に応じて表示手段に表示
される。そして品質算定手段が画像メモリに記憶されて
いる宝石画像の位置情報,輝度情報から宝石のカット,
(プロポーション),カラー,クラリティー,カラッ
ト,表面研磨状態,内包物等の任意の品質情報を算出す
る。
【0043】請求項2に対応する宝石鑑定装置では、表
示手段に表示されている宝石画像の任意の位置がポイン
ティングデバイス等の画像位置指定手段で指定される
と、その指定された座標位置が座標位置認識手段で認識
される。形状演算手段ではその座標値に基づいて宝石の
形状が算出される。
【0044】請求項3に対応する宝石鑑定装置では、ヒ
ストグラム作成手段により画像メモリに記憶されている
宝石画像の少なくとも1画素単位の輝度分布からヒスト
グラムが作成される。このヒストグラムにおける輝度の
最頻値及び最頻値よりも低輝度側の分布状態は宝石の形
状に応じた分布状態となる。従って、形状演算手段が輝
度分布ヒトスグラムの最頻値及び最頻値よりも低輝度側
の分布状態を判断することにより宝石の形状が算出され
るものとなる。
【0045】請求項4に対応する宝石鑑定装置では、形
状演算手段で算出した宝石の形状がにカット評価手段へ
与えられ、カット評価手段基で宝石のカットに関する評
価値が算出される。カット評価手段により算出されたカ
ット評価値と当該宝石画像のうち少なくともカット評価
値が形状評価情報作成手段へ与えられて形状評価情報が
生成される。この形状評価情報は表示手段へ表示し、ま
た記憶手段に鑑定記録として格納できる。
【0046】請求項5に対応する宝石鑑定装置では、ヒ
ストグラム作成手段により画像メモリに記憶されている
宝石画像の少なくとも1画素単位の輝度分布からヒスト
グラムが作成される。このヒストグラムにおける輝度の
最頻値及び最頻値よりも低輝度側の分布状態は宝石の研
磨状態に応じた分布状態となる。従って、研磨状態評価
手段が輝度分布ヒトスグラムの最頻値及び最頻値よりも
低輝度側の分布状態を判断することにより宝石の研磨状
態が算出されるものとなる。
【0047】請求項6に対応する宝石鑑定装置では、研
磨状態評価情報作成手段により研磨状態評価手段で評価
した研磨状態の評価値と宝石画像とのうち少なくとも研
磨状態の評価値を含む研磨状態評価情報が作成される。
この研磨状態評価情報が表示手段に表示し、または記憶
手段に鑑定記録として格納できる。
【0048】請求項7に対応する宝石鑑定装置では、波
長選択手段で順次選択された複数の特定波長域の画像情
報が順次撮像手段から取り込まれ画像メモリにそれぞれ
記憶される。
【0049】請求項8に対応する宝石鑑定装置では、波
長選択手段により赤色波長域及び近紫外波長域近傍の画
像情報が選択され、撮像手段からそれぞれ画像メモリに
記憶される。ヒストグラム作成手段では赤色波長域及び
近紫外波長域近傍の輝度分布を測定してそれぞれのヒス
トグラムが作成される。色調演算手段では双方の波長域
の最大輝度近傍の分布状態が比較され、その比較結果か
ら宝石の色調が算出される。
【0050】請求項9に対応する宝石鑑定装置では、カ
ラー評価情報作成手段によりカラー評価手段で評価した
カラー評価値と宝石画像とのうち少なくともカラー評価
値を含むカラー評価情報が作成される。このカラー評価
情報が表示手段に表示し、または記憶手段に鑑定記録と
して格納できる。
【0051】請求項10に対応する宝石鑑定装置では、
波長選択手段によりそれぞれ分光特性の異なる各分光フ
ィルタが光路上に順次挿入され、各分光フィルタで分光
された画像情報が撮像手段から順次取り込まれた画像メ
モリにそれぞれ記憶される。色調演算手段では画像メモ
リの記憶された各画像情報、すなわち画素単位の輝度値
から宝石の色が算出される。
【0052】請求項11に対応する宝石鑑定装置では、
赤色波長域の分光フィルタを介して取込まれた宝石画像
が画像メモリに記憶され、また青色波長域の分光フィル
タを介して取込まれた宝石画像が画像メモリに記憶され
る。色調演算手段は、その2つの画像の輝度値を比較し
て宝石の色を測定する。
【0053】請求項12に対応する宝石鑑定装置では、
光源の分光特性が検出手段で検出され、その検出値と基
準値とが比較手段により比較される。光源の分光特性は
時間の経過など共に変化するための光源の分光特性を監
視して分光特性の変化に応じた修正を加えることにより
正確な測定が実現される。
【0054】請求項13に対応する宝石鑑定装置では、
第1の検出手段で光源部の分光特性が検出され、第2の
検出手段で宝石照明部へ照明光を導くための光路、又は
宝石照明部に配置されている宝石からの反射光を撮像素
子へ導くための光学系の分光特性が検出される。そし
て、双方の検出値が比較手段で比較され、光源部,光学
系の異常を検知できる。
【0055】請求項14に対応する宝石鑑定装置では、
開口端の適宜位置に撮像手段及びこれと対向する開口端
に宝石を保持する保持手段を取付けた一方の半球に他方
の半球を着脱可能に係合させて球体を構成するようにし
たので、宝石の交換を容易に行うことができ、また球体
は外光をしゃ断し、照明光が導入されると、この光は球
体内面で反射及び散乱して宝石に照射する積分球として
機能させることができる。
【0056】請求項15に対応する宝石鑑定装置では、
撮像手段に落射照明系を有する場合、この落射照明系よ
り出射された光が反射手段により球体の内面に向けて反
射され、この内面から反射、散乱した光が宝石全周に照
射されるので、均一性の高い影の極めて少ない照明を行
うことが可能となる。
【0057】請求項16に対応する宝石鑑定装置では、
光源の発光面より観察光軸と同軸上に出射した光は、覆
体の内面で散乱、反射され、宝石を均一性の高い状態で
照明する。このように照明された宝石は覆体の頂部中央
に設けられた穴を介して拡大光学系を介して撮像手段に
より画像情報として取り込まれる。
【0058】請求項17に対応する宝石鑑定装置では、
宝石を保持した指輪を指輪保持機構が内径側から保持す
ると共に、この指輪保持機構を振子台と回転台との組合
わせによって所望の角度で保持するので、宝石を観察視
野内で隠蔽しないようにその表面に触れずに保持でき、
かつ、所望の観察方向への操作を容易に行うことができ
る。
【0059】請求項18に対応する宝石鑑定装置では、
品質算定手段で算出された宝石の品質情報を外部記録装
置に鑑定記録として記憶することができる。
【0060】請求項19に対応する宝石鑑定装置では、
通信手段が通信回線を介して外部装置と接続されるので
宝石の品質情報を外部装置との間で授受できるものとな
る。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0062】図1は本発明の第1実施例に係る宝石鑑定
装置の機械的な構成を示す図である。なお、同図(a)
は宝石鑑定装置の正面図、同図(b)は宝石鑑定装置の
側面図である。
【0063】本実施例の宝石鑑定装置は、取付基体60
に後述する各構成要素を取付けている。取付体60にお
ける胴部60dの上端部および下端部に、それぞれ水平
方向に延出する上部腕60a、下部腕60bを一体的に
形成している。また、胴部60dのほぼ中央部に、水平
方向へ延出し、且つ互いに対向する一対の中央腕60c
を一体的に形成している。この両中央腕60cの各々の
端部に、それぞれ支持腕61a,61bを少なくとも9
0°(中央腕60cに水平な位置から垂直方向、すなわ
ち手前方向に90°)の範囲で回動可能に支持するもの
とした。一対の支持腕61a,61bで支持台62の両
端部を挟持し支持台62を支えている。
【0064】支持台62の上面には保持部材63が回転
自在で、且つ軸心方向へ移動可能に支持されている。ま
た支持台62の下面には回転つまみ64が回転自在に設
けられ、さらにその回転つまみ64に対して回転つまみ
65が回転つまみ64の回転軸と直交する方向を回転軸
として回転自在に支持されている。回転つまみ64の回
転により保持部材63が回転し、回転つまみ65の回転
により保持部材63が軸心方向に移動するように、回転
つまみ64,65の回転軸と保持部材63の回転軸およ
び移動機構とを機械的に連結している。
【0065】ここで、図4を参照して保持部材63の構
造について説明する。保持部材63は、取付軸66、対
向する2片を有する固定片67、可動片68、押し出し
コイルバネ69から構成されている。
【0066】可動片68は、取付軸66の外周を軸心方
向に移動可能に挿入されている。取付軸66の外周には
可動片68と固定片67との間に押し出しコイルバネ6
9が配設され、これにより可動片68を常時固定片67
と逆方向に押し出すように作用している。
【0067】ダイヤモンド70が固定された指輪71が
保持部材63に保持される。指輪71の下部(ダイヤモ
ンド70が固定されている部分とは遠ざかる部分)を可
動片68に当接させて下方に押し下げ、ダイヤモンド固
定部とリング部の連結部を固定片67の2片の間に差し
込むことにより、指輪71を保持部材63に保持させ
る。
【0068】一方、取付基体60には、一対の支持腕6
1a,61b間であって回転する保持部材63の円周方
向からダイヤモンド70を照射可能な位置に照明部材8
0が固定されている。取付基体60の上部腕60aに照
明部材81と一体に形成された拡大光学部材82が上下
動可能に設けられ、かつ胴部60dに支持腕83が移動
部材83を介して上下動可能に支持されている。移動部
材83の移動は回転つまみ84を回転させることにより
可能になっている。拡大光学部材82は、上下方向に移
動する移動部材83に設けられた支持腕85に取り付け
られ、取り付け位置の内部にCCD(固体撮像素子)カ
メラ86が設けられている。
【0069】回転つまみ84を回転させて移動部材85
を合焦位置へ移動させることにより、保持部材63に支
持されたダイヤモンド70から拡大光学系としての拡大
光学部材82に入射した拡大ダイヤモンド像が所定倍率
で光学的に拡大されてCCDカメラ86の受光面上に形
成される。CCDカメラ86は、拡大光学部材82によ
り形成されたダイヤモンド画像を撮影する。
【0070】CCDカメラ86によって撮像されたダイ
ヤモンド画像は、取付基体60の下部腕60bの内部に
設けられた画像処理装置87に取り込み、この画像情報
から宝石の寸法を数値として求める。この画像処理装置
87には、ダイヤモンド画像や寸法測定値などを表示す
るテレビモニタ88と、画像位置指定手段を構成するポ
インティングデバイス89が接続されている。
【0071】画像処理装置87の機能ブロックを図2に
示している。画像処理装置87は、アナログ信号処理回
路90、タイミング発生回路91、画像メモリー92、
ビデオ信号処理回路93、オーバーレイメモリー94、
CPU(中央演算処理装置)95によって構成されてい
る。
【0072】ダイヤモンド画像の画像信号を出力するた
めのCCDカメラ86の出力端子をアナログ信号処理回
路90の入力段に接続し、そのアナログ信号処理回路9
0の出力段を画像メモリー92に接続している。画像メ
モリー92には読み出された画像信号をビデオ表示処理
するビデオ信号処理回路93を接続している。また、ビ
デオ信号処理回路93にはオーバーレイメモリー94を
画像メモリー92と並列に接続している。このビデオ信
号処理回路93の出力端子をテレビモニター88に接続
している。アナログ信号処理回路90、画像メモリー9
2、オーバーレイメモリー94は、タイミング発生回路
91に接続されている。またCPU95に、画像メモリ
ー92、オーバーレイメモリー94、ポインティングデ
バイス96を接続している。
【0073】以下、このように構成された実施例の作用
効果について説明する。
【0074】支持台62は手前方向に90°回転させる
ことが可能であるので、保持部材63に支持されたダイ
ヤモンド70を、図1(b)に示す2状態で,テーブル
面(正面画像)とその面に対して90°の角度をなす側
面(側面画像)からCCDカメラ86で撮影する。
【0075】CCDカメラ86で撮影されたダイヤモン
ド画像は、アナログ信号処理回路90でデジタル信号に
変換され、タイミング信号発生回路91によって生成さ
れるタイミング信号に同期して画像メモリー92へ転送
され、CCDカメラ86の各画素に対応して2次元に配
列されている記憶画素へ順次格納される。さらに、画像
メモリー92に格納されたダイヤモンド画像は、その各
画素データがタイミング信号発生回路91で生成された
タイミング信号を使ってビデオ信号処理回路93に送ら
れ、そこでアナログ信号に変換された後、テレビモニタ
ー88に表示される。このときビデオ信号処理回路93
は、画像メモリー92の画素データとオーバーレイメモ
リー94のデータの両方を処理する。これにより各メモ
リの内容をテレビモニターに同時に表示することができ
る。
【0076】CPU95は、画像メモリー92、オーバ
ーレイメモリー94のいずれに対してもデータの読み書
きが可能であり、さらにポインティングデバイス89か
らデータを受け取ってポインテイングデバイス89の移
動に連動してオーバーレイメモリー94に、画面上の位
置指令を容易にするための表示データを書き込む。ま
た、CPU95は、ポインテイングデバイス89によっ
て指定された画面上の位置情報をもとに各種の演算を行
なうことができる。
【0077】次に、ダイヤモンド70のプロポーション
の測定方法について説明する。
【0078】前述のようにして撮影したダイヤモンド7
0の正面画像及び側面画像を順にテレビモニタ88に表
示する。図3(a)はテレビモニターに表示されたダイ
ヤモンド70の正面像、同図(b)はテレビモニターに
表示されたダイヤモンド70の側面像を示している。こ
のような平面像が表示されたテレビモニター上において
ポインティングデバイス89を使って任意の点を指定す
る。
【0079】a)寸法を測定する場合 寸法を測定すべき2点がポインティングデバイス89を
使って入力したならば、それぞれの点に対する座標を求
める。寸法測定すべき2点の座標値を(X1,Y1)、
(X2,Y2)とすれば、寸法は(1)式より求めるこ
とができる。 寸法=[(X1−X2)2 +(Y1−Y2)2 1/2 ×L …(1) ただし、Lは1画素に対応する実際の長さである。
【0080】具体的には、テレビモニター88に表示さ
れた画像、すなわち図3(a)に示すテーブル径Bの寸
法を測定するには、Bの両端、つまりテーブルの相対す
る2頂点をポインテイングデバイス89により指定し、
その座標(x1,y1)、(x2,y2)を求める。こ
れを(1)式に代入することにより実際のBの寸法を求
めることができる。ここで、1画素に対応する実際の長
さLを0.01mm以下にするような撮影倍率を選べば、一般
的な鑑定書に記載する寸法が1/100mmの精度で記載
されていることから、実際の使用に十分対応できる。
【0081】また、図3(a),(b)のガードル径
A、クラウン高さD、ガードル厚さE、パビリオン深さ
Fの寸法も、同様に測定する2点をそれぞれ指定し、そ
れらの座標を求め、(1)式を使って演算することによ
り求めることができる。
【0082】b)角度を測定する場合 また角度測定であれば頂点とその角度を挟む2つの直線
の任意の点からそれぞれの点に対する座標を求める。頂
点の座標値が(X4,Y4)、測定する角を挟む2つの
直線上のある点の座標がそれぞれ(X5,Y5)、(X
6,Y6)であれば、角度は(2)式より求めることが
できる。 角度[°]=(180/π)×tan -1(|(Y4−Y5)÷(X4−X5)| +(180/π)×tan -1(|(Y4−Y6)÷(X4−X6)| …(2) 具体的には、テレビモニター88に表示された画像、す
なわち図3(b)のクラウン角G、パビリオン角Hは、
それぞれ角の頂点とその角を挟んでいる2つの直線の任
意の点をそれぞれ指定し、それらの座標値を求め、
(2)式に従って演算することにより求めることができ
る。
【0083】また、ガードルの真円に対する歪みや、テ
ーブル面の正八角形からの変形量を測定するために次の
処理を行う。
【0084】ガードルの真円に対する歪みを判断する場
合は、図5に示すようにガードルの円周上を任意に3点
指定し、その3点を通る円(参照円)のデータをオーバ
レイメモリー94に書込み、ダイヤモンド画像と同時に
テレビモニターに重ねて表示する。
【0085】ここで、ガードルの歪みを観察するための
参照円の作成方法について図6のフローチャートを使っ
て簡単に説明する。まず、ガードルの円周上を任意に3
点指定し(S1)、その3点を頂点とする三角形を描く
(S2)。その三角形を構成する3辺のうち任意の2辺
を選び、それぞれの辺に交わる垂直2等分線を描く(S
3)。2つの垂直2等分線が交わる点を円の中心点とし
て(S4)、該中心点といずれかの頂点間の距離を求
め、その距離を半径として円を描く(S5)。
【0086】もし、ガードルが楕円であった場合には、
描いた参照円(破線)とガードルの画像(実線)の間に
違いが出る。この違いにより、どれだけ歪んでいるかを
目視判別できる。また、参照円(破線)とガードルの画
像(実線)との間でずれている面積を画像処理技術を使
って計算すればガードルの形状評価値を数値として求め
ることができる。
【0087】テーブルの正八角形からの変形量を判断す
る場合は、図7に示すように正八角形のデータをオーバ
ーレイメモリー94に書込み、ダイヤモンド画像と同時
にテレビモニター88に表示する。これによりテーブル
が正八角形からどれだけずれているかということを確認
することができる。実線は実際のテーブル画像であり、
破線は正八角形である。また、テーブル面と参照用正八
角形とのずれている面積を画像処理技術を使って算出す
れば、テーブル面の形状に関する評価値を数値化でき
る。
【0088】この正八角形を描く手順を図8のフローチ
ャートに示す。まず、テーブルの頂点8点を全て指定し
てそれぞれの座標値を得る(S6)。その得られたX座
標とY座標のそれぞれ8点の平均を求めて、その座標を
テーブルの中心点とする(S7)。指定した8点の中か
ら隣り合う2つの頂点を選び、その頂点を結ぶ直線を正
八角形の1辺とする(S8)。その決定した1辺を含む
正八角形が中心点を囲むように正八角形を描く(S
9)。
【0089】以上述べた実施例によれば、以下のような
作用効果が得られる。立体的なダイヤモンド70を平面
的に処理することが可能であるため、テレビモニター8
8上で測定したいところを、ポインティングデバイス8
9で指定することにより、この指定した座標値をCPU
95により演算することができ、これに基づきダイヤモ
ンド70のプロポーションを簡単かつ正確に測定でき
る。
【0090】また、従来、ガードルがどれだけ真円から
ずれているか、テーブルがどれだけ正八角形からずれて
いるかを測定することができなかったが、本実施例によ
れば、テレビモニター88で実際のガードル,テーブル
と参照円,参照用正八角形とを重ねて表示することがで
き、ガードル,テーブルの形状を目視で容易に判別でき
ると共に変形量を数値化することもできる。
【0091】さらに、ダイヤモンド70が指輪に装着さ
れていても、支持台62は図面の手前方向に90°回転
させることができるので、ダイヤモンド画像をテーブル
面とその面と90°の角度をなす側面との2方向からC
CDカメラ86により撮像することができ、ダイヤモン
ド70のプロポーションを正確に測定できる。
【0092】なお、前述した実施例の寸法、角度の算出
方法は他の算出方法でもよい。また、円を描く手順、正
八角形を描く手順も実施例に限らず他の手順でもよい。
さらに、実施例のテーブル径は、向かい合う頂点が4組
存在することから、それらの平均をテーブル径とするこ
ともできる。ガードル径も、ガードル周囲の3点から算
出した円の半径を2倍してガードル径とすることも可能
である。また、実施例の保持部材63を変形し、裸のダ
イヤモンドを保持できる保持部材を用いることにより、
指輪に装着されていないダイヤモンドのプロポーション
を測定することも可能である。
【0093】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0094】図9は第2実施例に係る宝石鑑定装置の概
略構成を示す図である。
【0095】本実施例の宝石鑑定装置は、積分球101
に対して光源102が投光管103を介して装着されて
いる。
【0096】積分球101は光源102から投光管10
3を通して入射される光をむらのない均一な光にするも
ので、この積分球101には宝石105を載置するため
の試料保持台104が投光管103の軸方向と直交する
位置に装着されている。また、積分球101内には球面
で反射される入射光が直接宝石105に照射されないよ
うに遮光板106が取付けられている。
【0097】投光管103にはその管路の適宜2箇所に
スリット103a,103bが設けられ、このスリット
には赤色波長域のみを取出すことが可能なバンドパスフ
ィルタ107A,近紫外波長域のみを取出すことが可能
なバンドパスフィルタ107Bが挿脱できるようになっ
ている。
【0098】一方、積分球1の試料保持台4と対向する
位置にCCDカメラ108が設置され、積分球1の出射
口とCCDカメラ108との間に宝石像を拡大する撮影
レンズ109が介挿されている。CCDカメラ108は
宝石105の反射光を撮影レンズ109を通して取込
み、宝石画像を光電変換して宝石の画像情報をとして出
力するものである。
【0099】CCDカメラ108には宝石の画像情報が
入力されるCPU110が接続されている。このCPU
110は,CCDカメラ108から入力する画像情報を
もとに宝石の輝度分布を測定してヒストグラムを作成す
るヒストグラム作成処理機能と、宝石105のプロポー
ション及び表面の研磨状態の良否、また宝石の色調の差
異の判別に必要な演算処理機能と、その結果をモニタ1
11に表示するための画像処理機能とを有している。
【0100】次に上記のように構成された宝石鑑定装置
の作用を述べる。
【0101】先ず図10に示すフローチャートを参照し
て宝石のカットの良否の評価方法について説明する。
【0102】試料保持台104にダイヤモンド105を
保持させ、また投光管103の光路にバンドパスフィル
タ107A,107Bの何ずれも挿入しない状態で光源
102から積分球101に光を入射する。
【0103】CCDカメラ108では、ダイヤモンド1
05の反射光が入射した撮影レンズ109が形成するダ
イヤモンド像を撮像し、その光電変換信号である宝石の
画像情報をCPU110に出力する。この場合、光源1
02から入射した光は積分球101によって宝石をあら
ゆる方向から照らすため、理想的な照明光での宝石の像
が得られる。
【0104】CPU110においては、CCDカメラ1
08から取込んだ光電変換信号から宝石画像の輝度分布
を測定してヒストグラムを作成し(S1)、このヒスト
グラムから輝度の最頻値である画素数(Y値)と、最頻
値より低輝度側である任意の輝度における画素数(X
値)をそれぞれ算出する(S2,S3)。なお、本実施
例ではヒストグラムから任意の輝度における撮像素子の
数を求めるにあたっては、最頻値の60〜95%の値を
目安にしている。
【0105】また、本発明者等は経験的に、且つ繰返し
測定を行うことにより理想的なカットから掛離れるほ
ど、Y値が減少し、X値が増加するという現象を見出し
た。
【0106】そこで、ヒストグラムの輝度分布から求め
られたY値と、X値をもとに、X/Y値を算出し(S
4)、ダイヤモンドへの入射光のロスの割合を求める。
この場合、X/Y値は0〜1の範囲をとれば、値が0に
近付くほどダイヤモンドへの入射光のロスが少ないこ
と、つまり理想的なカットであることを表わす。
【0107】ここで、カラーグレードが等しく、且つカ
ットの異なる2個のダイヤモンドの比較測定結果につい
て説明する。2つのダイヤモンドの像は、図12
(a),(b)に示す画像をなしている。なお、図12
(b)のダイヤモンドはパビリオン面の稜線がテーブル
面側に浮き出ており、入射光に対する出射光ロスが大き
い。一般には図12(a)に示すダイヤモンドのカット
のほうが、図12(b)のダイヤモンドよりもカット評
価値は高い。
【0108】この2つの画像を撮像した画像情報からそ
れぞれ作成した輝度分布ヒストグラムを図13(a),
(b)に示す。この2つのヒストグラムから図10に示
すフローチャートに基づいて各ステップでCPU110
が算出した各種データの一覧を図14に示す。同図に示
す結果から図12(a)のダイヤモンドの方が図12
(b)のダイヤモンドよりカットが良好であることが計
算上でも明らかになっている。
【0109】宝石に入射した光はカット面で反射を繰返
し、出射してくる光量のロスがなるべく少ないものが理
想的カットと呼ばれている。そこで、宝石には全反射角
(臨界角)を利用する等して光量のロスを最小限に抑え
る工夫がされているが、理想的なカットでないものは、
屈折及び反射を繰返す過程で光量ロスが生じる。
【0110】従って、前述したように宝石の画像の輝度
分布を測定してヒストグラムを作成し、このヒストグラ
ムの最頻値および最頻値より低輝度側の分布状態から、
宝石のプロポーション及び表面の研磨状態の良否を判別
し評価することができる。
【0111】次に図11に示すフローチャートを参照し
て宝石の色調の判別方法について説明する。
【0112】図11はダイヤモンドの色の差異の判別手
順の一例を示している。本例ではG・I・A方式にのっ
とってカラーグレーディングされたカラーグレード
(F、G−I、I−J、J−K)の異なる4つのマスタ
ーストーンを本実施例装置によってカラーグレーディン
グした実験例を説明する。
【0113】まず、積分球101内にある基準色のマス
ターストーンを配置し、投光管103の光路に近紫外波
長域を抽出するバンドパスフィルタ107Bを挿入した
状態で光源102から投光管103を通して光を出射す
る。これにより積分球101には近紫外波長域のみが入
射する。このとき宝石から出射される光を前述同様にC
CDカメラ108で検出し、その光電変換信号をCPU
110に取込んで内蔵するフレームメモリに格納する。
以下、同様にして他の基準色のマスターストーンについ
てもそれぞれ近紫外波長域の照明光で照明し、そのとき
の宝石像を撮像してフレームメモリに格納する。そして
フレームメモリに格納された各マスターストーンの画像
情報から各マスターストーンについて輝度のヒストグラ
ムを作成する(S1)。
【0114】近紫外波長域の輝度分布ヒストグラムにお
いて、最大出力側から高出力を示す順に例えば100個
程度の画素を選択し、それらから求められる出力平均を
B値として算出する(S2)。
【0115】同様に投光管103の光路に赤色波長域を
抽出するバンドパスフィルタ107Aを挿入した状態で
宝石から出射される光をCCDカメラ108で検出し、
光電変換して得られる画像情報をCPU110に取込ん
で4つのマスターストーンについてそれぞれ赤色波長域
の輝度のヒストグラムを作成する(S3)。
【0116】赤色波長域の輝度分布ヒストグラムにおい
て、最大出力側から高出力を示す順に例えば100個程
度の画素を選択し、それらから求められる出力平均をR
値として算出する(S4)。
【0117】また、近紫外波長域および赤色波長域にお
けるそれぞれのヒストグラムの最大輝度近傍の分布状態
を解析して求められたB値、R値を光源の時間的な光量
の変動による誤差をなくすために、B/R値を算出し
(S5)、その大小により宝石の色調の差異を判別し評
価する。この場合、カラーグレードの良いものほど、近
紫外波長域の透過率が高くなるので、B/R値が大きい
値のものほど高いグレードとなる。
【0118】CPU110は、以上のようにして測定し
たカット評価値,カラーグレードを当該ダイヤモンドの
画像と共にモニタ111に表示して鑑定結果を出力す
る。またカット評価値,カラーグレード等の品質情報の
みを出力する。
【0119】このような方法で測定されたカラーグレー
ド(F、G−I、I−J、J−K)の異なる4つのマス
ターストーンのB/R値を図15に示す。同図に示すよ
うに、上記測定によるB/R値と、G・I・A方式によ
るカラーグレーテイング値とは相関性のあることが分か
る。
【0120】以上述べたように本実施例によれば、鑑定
士の主観により大きく左右されていたプロポーション及
び表面の研磨状態の良否を機械的、定量的に判別可能に
したので、より正確な評価を手軽で且つ容易に実現でき
る。
【0121】また宝石の色調の差異の判別において、宝
石の取付け条件や光源から発せられる光量の時間的変動
等により発生する測定誤差を最小限に抑えることがで
き、より正確な評価を実現することができる。
【0122】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。
【0123】図16は第3実施例の宝石鑑定装置の全体
構成を示している。
【0124】本実施例の宝石鑑定装置は、鑑定対象とな
るラウンドブリリアントカットのダイヤモンドSを積分
球131の内部に配置し、積分球内に配設された不図示
の保持部にてダイヤモンドSのテーブル面132が積分
球の中心部を向くようにダイヤモンドSが保持されてい
る。
【0125】積分球131の導光口131aに対して測
定光を入射し得る位置にハロゲンランプからなる光源部
134が配置されている。積分球131の内部には、導
光口131aから入射する測定光をダイヤモンドSのテ
ーブル面132へ垂直に入射するための照明光学系(不
図示)がハーフミラー等を使って構築されている。
【0126】ダイヤモンドSのテーブル面132に対向
する積分球131側面は光が通過するように開口部13
5が形成されており、その開口部135から出射する光
の光路上に波長選択手段としてのフィルタ機構136及
び固体撮像カメラ137がそれぞれ配置されている。
【0127】なお、一般的なブリリアントカットのダイ
ヤモンドは、ダイヤモンドのクラウン面又はテーブル面
からダイヤモンド内に入射した光をダイヤモンド内部で
屈折させてテーブル面より出射するようにカットされて
いる。従って、ダイヤモンドSのテーブル面132から
出射した光は固体撮像カメラ137に垂直に入射するこ
とになる。
【0128】フィルタ機構136は、モータ138、そ
のモータ138にて回転せしめられる回転体139、そ
の回転体139の回転軸を中心とする同一径上に設けら
れた複数の分光フィルタ140から構成されている。第
1〜第4の分光フィルタ140は、赤色波長帯域,緑色
波長帯域,青色波長帯域及び紫外波長帯域にそれぞれ透
過特性を持っている。
【0129】固体撮像カメラ137からの信号が入力す
るプロセッサ141は、固体撮像カメラ137にて撮像
された画像をディスプレイ142に表示すると共に、そ
の画像の輝度値から色測定を行う機能を備えている。プ
ロセッサ141に対して後述する領域指定等の指示を行
う場合はマウス等からなる入力部143を接続する。
【0130】図17はプロセッサ141の機能ブロック
を示している。
【0131】固体撮像カメラ137からの画像信号が入
力するメモリ切換回路151の出力段に複数のメモリか
らなる記憶部152が接続され、その記憶部152のデ
ータを読み出すデータ読出し部153に表示制御部15
4,カラー画像生成部155,カラーグレード決定部1
56がデータバス等を介して接続されている。
【0132】上記各構成要素151〜156は制御部1
57にコントロールバス等を介して接続されている。制
御部157は、メモリ切換回路151及びフィルタ機構
136に切換指令を出す波長帯域指定部158、カラー
グレード決定部156へ与えるべきデータを指定する演
算対象領域指定部159、及びカラー画像生成部155
に与えるデータを指定するカラー画像指定部160を有
している。
【0133】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。
【0134】入力部143からプロセッサ141の制御
部157に測定開始の信号が与えられると、波長帯域指
定部158が起動される。その波長帯域指定部158
が、所定の分光フィルタ140を光軸上に配置するよう
にモータ駆動制御部161に対して制御信号を出力し、
かつ、光軸上に配置された分光フィルタの波長帯域に対
応したメモリに画像信号が入力するようにメモリ切換回
路151を切換える。ここでは、この波長選択動作によ
り、青色波長帯域の分光フィルタ(以下、青色フィルタ
140Bと呼ぶ)が選択されたものとする。
【0135】一方、光源部134からの測定光が積分球
131内に導かれ、ダイヤモンドSのテーブル面132
からダイヤモンド内に入射する。ダイヤモンド内に入射
した光は、ダイヤモンド内を伝播し、パビリオン面で屈
折してテーブル面側に反射し、テーブル面132から出
射する。
【0136】ダイヤモンドSのテーブル面132から出
射した光は、積分球131の開口部135からフィルタ
機構136の青色フィルタ140Bに入射し、さらに青
色フィルタ140Bを通った光が固体撮像カメラ137
に入射する。その結果、固体撮像カメラ137には青色
波長帯域の波長成分からなるテーブル面132及びクラ
ウン面133の平面像が形成される。その平面像が画素
単位の画像信号に光電変換される。固体撮像カメラ13
7から出力された画像信号はメモリ切換回路151にて
切換えられているメモリに格納される。
【0137】以上のようにして青色波長帯域の画像信号
の取込みが完了すると、次に赤色波長帯域の画像信号を
取込む動作を実施する。すなわち、モータ駆動制御部1
61を制御して、赤色波長帯域の分光フィルタ(以下、
赤色フィルタ140Rと呼ぶ)を光軸上に配置させる。
これと共にメモリ切換回路151を制御して、メモリ切
換回路151の出力段を赤色波長帯域に対応するメモリ
に切換える。
【0138】そして固体撮像カメラ137に結像された
赤色波長帯域の波長成分からなるテーブル面132及び
クラウン面133の平面像を画像信号に変換して対応す
るメモリに格納する。
【0139】さらに、緑色波長帯域に透過特性を持つ分
光フィルタ(以下、緑色フィルタ140Gと呼ぶ)、紫
外波長帯域に透過特性を持つ分光フィルタ(以下、紫外
フィルタ140UVと呼ぶ)に関して,上記同様の動作
を繰り返して、各波長帯域の波長成分からなる画像信号
を取込み、各々対応するメモリに格納する。
【0140】次に、演算対象領域指定部159が起動さ
れカラーグレード決定部156に対して測色演算に必要
なデータがメモリ152から供給される。演算対象領域
指定部159がデータ読出し部153に対して記憶部1
52の所定のメモリ(紫外フィルタ140UVに対応す
るメモリを除く)からダイヤモンドSの平面像を読み出
すように指示する。データ読出し部153により所定の
メモリから読み出された平面像は表示制御部154を介
してディスプレイ142に表示される。
【0141】次に、ディスプレイ142に表示された平
面像から測色演算に用いる領域を切り出すための処理を
実施する。これは入力部143によりディスプレイ14
2上の平面像の所定領域を指定することによって行われ
る。例えば、マウスを使ってダイヤモンドSのテーブル
面132に該当する領域を指定する。
【0142】入力部143で任意の領域が指定される
と、その指定領域に対応するメモリ上のアドレスが検出
される。このアドレスをデータ読出し部153に指定し
て記憶部152の全メモリから該当画像信号を読出し、
各色単位でカラーグレード決定部156に入力する。
【0143】カラーグレード決定部156では、各波長
帯域毎に画像信号の輝度値を平均化処理し、ダイヤモン
ドSの各波長帯域に対する吸収率を検出する。そして宝
石毎の差がほとんど無い赤色波長域の吸収率に対する青
色波長域の吸収率の比率を求める。さらに、赤色波長域
の吸収率に対する青色以外の波長域の吸収率との比率を
求める。これら複数の比率から総合的に判断して最終的
にダイヤモンドSの測色値を決定し、その最終測色値に
基づいてカラーグレードを決定する。
【0144】またダイヤモンドSの観察画像をカラー表
示する指示が入力部143から入力されると、カラー画
像指定部160が起動され、以下のような処理が実行さ
れる。すなわち、赤色,青色,緑色の各フィルタを介し
て取り込まれた画像信号が記憶部152の対応するメモ
リから読み出されてカラー画像生成部155に与えられ
る。カラー画像生成部155では赤色,青色,緑色の各
画像を重ね合わせることによりカラー画像を生成する。
カラー画像生成部155で生成されたカラー画像は、表
示制御部154を介してディスプレイ142に表示され
る。なお、このときカラーグレードの表示も合わせて表
示する要求があればカラーグレード決定部156からカ
ラー画像生成部155へカラーグレード決定値が与えら
れ、そのカラーグレード決定値を合わせて表示する。
【0145】このように本実施例によれば、分光フィル
タ140を切換えて複数の波長帯域に対するダイヤモン
ドSの吸収率をそれぞれ測定し、異なる波長帯域間での
吸収率の比からダイヤモンドSの色測定値を得るように
したので、宝石の色評価から鑑定員の主観,照明条件等
の誤差要因を排除することができ、信頼性の高いカラー
グレーディングを可能にする。しかも、赤色波長域に対
する青色波長域の吸収率の比だけでなく、他の波長域と
の吸収率の比まで考慮しているので、赤色波長域と青色
波長域だけの場合に比べて、高い測定精度を実現でき
る。
【0146】また、本実施例によれば、ダイヤモンドS
の所定のカット面からの出射光を固体撮像カメラ137
で撮像し、その画像をディスプレイ142に表示して測
色データとして用いる領域を任意に指定できるようにし
たので、例えばテーブル面132のデータのみを抽出す
ることができ、極めて高い精度の測色を容易に実現でき
る。
【0147】また、フィルタ機構136にR,G,Bの
各色フィルタ140R,140G,140Bを設け、各
フィルタを介して取込まれたデータを別々のメモリに格
納するようにしたので、カラー画像を得るのに安価な白
黒の撮像素子を用いることができる。
【0148】また測色と同時に宝石を表示できるので、
観察画面を見ながら宝石の位置決めをすることができ、
操作性の改善を図ることができる。
【0149】またフィルタ機構136を複数の分光フィ
ルタ140で構成していることから、ダイヤモンドの測
色に対してだけでなく、他の宝石の測色にも用いること
ができる利点がある。
【0150】図18及び図19には上記第3実施例の変
形例を示している。
【0151】上記第3実施例では、フィルタ機構136
をダイヤモンドSと固体撮像カメラ137との間の光路
上に配置しているが、フィルタ機構136を図18の2
点鎖線で示す位置、すなわち光源部136とダイヤモン
ドSとの間の光路上に配置するように構成しても良い。
【0152】また上記実施例では、フィルタ機構136
に回転式のものを用いているが、図19に示すように、
複数種類の分光フィルタ140′をホルダー136′に
1列に配列し、そのホルダー136′をフィルタ配列方
向にスライド可能に保持するようにしても良い。
【0153】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。
【0154】図20は第4実施例に係る宝石鑑定装置の
全体構成を示している。なお、前述した第3実施例の装
置と同一部分には同一符号を付している。また本実施例
の原理的な構成を図25に示している。
【0155】本実施例の宝石鑑定装置は、固体撮像カメ
ラ137からの画像情報が入力する本体コントローラ1
70が、固体撮像カメラ137にて撮像されたダイヤモ
ンドSの拡大像を画像処理し、ダイヤモンドSの形,
色,キズ等の特徴を抽出し、ダイヤモンドSの4Cを判
断する構成となっている。特に、ダイヤモンドSの色
は、各波長帯域の分光フィルタ140を使ってそれぞれ
取り込まれたTV信号の強度から、波長帯域間での吸収
率の比を求めて判定を行うようになっている。本体コン
トローラ170は、入力部143からの操作によりディ
スプレイ142にダイヤモンドSの拡大像を表示する。
またディスプレイ142に表示されたダイヤモンドSの
拡大像の中から色測定に用いる領域を入力部143から
の操作で指定できるようになっている。
【0156】一方、照明光学系130を含む光路中に光
路分割ミラー171が設けられており、そのミラーで分
割された一方の光は上述した照明光学系130をそのま
ま伝播し、他方の光はもう一つのフィルタ機構172を
介して光源監視ユニット173に入射する。
【0157】フィルタ機構172は、モータ174、そ
のモータ174にて回転せしめられるフィルタターレッ
ト175、そのフィルタターレット175の回転軸を中
心とする同一径上に設けられた複数の分光フィルタ17
6から構成されている。第1〜第4の分光フィルタ17
6a〜176dは、赤色波長帯域,緑色波長帯域,青色
波長帯域及び紫外波長帯域にそれぞれ透過特性を持って
いる。
【0158】図21は光源監視ユニット173の構成及
びその周辺の構成を示している。
【0159】光源監視ユニット173は、光路上に配置
された分光フィルタ176を透過した光が入射する受光
素子177と、フィルタ機構172で選択可能な各波長
帯域毎に光源部134の使用開始初期の分光強度が保存
されているメモリ178と、受光素子177の出力とメ
モリ178に保存されている対応する波長の基準値とを
比較する比較器179と、比較器179の比較結果に応
じて警報を出力する警報発生器180とからなる。
【0160】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。
【0161】先ず、ダイヤモンドSの色測定動作から説
明する。入力部143から測定開始の信号が与えられた
コントローラ本体170がモータを制御して所定の分光
フィルタ140を光軸上に配置し、前述した第3実施例
と同様にしてダイヤモンド像から所定の波長帯域の画像
を取込んで不図示のメモリに格納し、以下、分光フィル
タ140を交換して順次各波長帯域のダイヤモンド画像
をメモリに格納する。
【0162】以上のようにして各波長帯域の画像信号の
取込みが完了すると、メモリからダイヤモンドSの画像
情報を読み出してディスプレイ142に表示し、入力部
143からの操作によりディスプレイ142に表示され
た像から測色演算に用いる領域の画像情報を取り出す。
【0163】入力部143により指定された領域のTV
信号を波長帯域毎に各メモリから読出し、各波長帯域毎
にTV信号の輝度値を平均化処理し、ダイヤモンドSの
各波長帯域に対する吸収率を検出する。そして宝石毎の
差がほとんど無い赤色波長域の吸収率に対する青色波長
域の吸収率の比率を求め,さらに、赤色波長域の吸収率
に対する青色以外の波長域の吸収率との比率を求める。
これら複数の比率から総合的に判断して最終的にダイヤ
モンドSの測色値を決定し、その最終測色値に基づいて
カラーグレードを決定する。この決定したカラーグレー
ドは必要に応じてダイヤモンドの画像と共に、または単
独でディスプレイ142または他の出力装置に出力され
る。
【0164】次に光源監視ユニット173による監視動
作について図22のフローチャートを参照して説明す
る。
【0165】上述した色測定に用いる分光フィルタ14
0と同様の特性を有する分光フィルタ176a〜176
dを用意してフィルタターレット172に設置する。ま
た光源部134の使用開始初期の時点において各分光フ
ィルタ176a〜176dを通した際の分光強度をメモ
リ178に記憶する。
【0166】次に、上述した色測定が開始されると、本
体コントローラ170がモータ174を制御してフィル
タターレット172を所定の時間間隔で回転させる。照
明光学系130の光路分割ミラー171で照明光学系1
30から分岐された光は、フィルタターレット172に
保持された所定の分光フィルタ176を通って光源監視
ユニット173の受光素子177に入射する。そして分
光フィルタ176によって分光され、かつ、波長選択さ
れた特定波長域の光強度に応じた信号が受光素子177
から比較器179の一方の入力端子へ出力される。比較
器179のもう一方の入力端子には、本体コントローラ
170によって同一波長帯域の基準値がメモリ178か
ら読出されて設定されている。そして受光素子177で
検出した光強度と基準値との差が所定範囲を越えると、
比較器179から警報発生器180に異常検出信号が出
力される。警報発生器180は比較器179から入力す
る異常検出信号に応動して警告を発生して光源部134
のランプの交換を促す。
【0167】この様に本実施例によれば、各種の分光フ
ィルタ176a〜176dに対応した分光強度の基準値
をメモリ178に記憶しておき、分光フィルタ176を
通した測定光の分光強度を受光素子177で検出し、そ
の検出した分光強度と対応する波長の基準値とを比較器
179で比較するようにしたので、光源部134の経時
劣化を即座に検出することができ、ランプの交換時期を
正確に知ることができる。その結果、分光特性の変化し
た光源部134を使って色測定することがなくなり常に
高い測定精度を維持することができるようになる。
【0168】また分光フィルタ140を切換えて複数の
波長帯域に対するダイヤモンドSの吸収率をそれぞれ測
定し、異なる波長帯域間での吸収率の比からダイヤモン
ドSの色測定値を得るようにしたので、宝石の色評価か
ら鑑定士の主観,照明条件等の誤差要因を排除すること
ができ、信頼性の高いカラーグレーディングを可能にす
る。しかも、赤色波長域に対する青色波長域の吸収率の
比だけでなく、他の波長域との吸収率の比まで考慮して
いるので、赤色波長域と青色波長域だけの場合に比べ
て、高い測定精度を実現できる。
【0169】また、本実施例によれば、ダイヤモンドS
の所定のカット面からの出射光を固体撮像カメラ137
で撮像し、その画像をディスプレイ142に表示して測
色データとして用いる領域を任意に指定できるようにし
たので、例えばテーブル面132のデータのみを抽出す
ることができ、極めて高い精度の測色を容易に実現でき
る。
【0170】なお、上記第4実施例は受光素子177の
出力を監視することにより分光強度の変化を直接検出す
る構成であったが、光源部134の積算点灯時間から光
源部の経時劣化を予測してランプ交換を促すような構成
であっても同様の効果が得られる。その様に構成した変
形例を図23に示す。なお、同図において図21と同一
符号を付している構成要素は同一機能を有することを意
味する。
【0171】この変形例は、タイマ回路181で光源部
134の積算点灯時間をカウントするとと共に、分光特
性の変化が現れると予測される時間を予め統計的に求め
てメモリ178に保存しておく。そして色測定動作を実
施する度に、比較器179でタイマ回路181の積算点
灯時間とメモリ178の予測時間とを比較し、積算点灯
時間が予測時間を越えた時点で比較器179から警報発
生器180に対して異常信号を出力し、ランプ交換の警
報を出力する。
【0172】このような変形例によれば、前述した第4
実施例と同様な効果を得られ、さらに光源部134と光
源監視ユニットとの接続が電気的な接続となり光学的接
続や機械的に動作する部分を削減できることから、装置
の構成を簡単化できる利点がある。
【0173】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。
【0174】本実施例は、光源部からの測定光をダイヤ
モンドへ導く照明光学系とダイヤモンドからの光を固体
撮像素子へ導くための撮像光学系の異常を検出するため
の構成を備えた例でる。
【0175】図24は第5実施例に係る宝石鑑定装置の
要部の機能ブロックを示している。なお前述した第4実
施例と同一部分には同一符号を付している。また、本実
施例の原理的な構成を図26に示す。本実施例では、照
明光学系130によって測定光が入射する位置にダイヤ
モンドに代えて白色板等からなる基準試料S′を配置し
ておく。
【0176】光源部134から出射した測定光は光路分
割ミラー171で2方向に分割され、その一方の光が照
明光学系130を通り、ハーフミラー182で反射して
基準試料S′に入射する。基準試料S′で反射した光は
ハーフミラー182を透過し、本体コントローラ170
によって選択された分光フィルタ140、及び光学系1
83を通って固体撮像カメラ137に入射し画像信号に
変換される。
【0177】固体撮像カメラ137から出力される画像
信号は、画像処理回路184に入力され、照明光学系1
30から光学系183の全光学系の分光透過率特性を示
す信号に変換される。この画像処理回路184で変換さ
れた分光透過率特性に応じた信号値が演算回路185に
入力される。
【0178】一方、光源部134から出射し光路分割ミ
ラー171で分割された他方の測定光は、本体コントロ
ーラ170によって上記分光フィルタ171と同一波長
帯域が選択された分光フィルタ176を通って受光素子
177に入射する。そして受光素子177に入射した光
の強度、すなわち分光強度が検出され演算回路185へ
出力される。
【0179】演算回路185では、画像処理回路184
から入力する分光強度と受光素子177から入力する前
記全光学系の分光透過率特性を示す信号値との比を演算
し、その比と予め定められた基準値とを比較する。
【0180】以上の動作を分光フィルタ140(17
6)の各波長帯域毎に実施する。
【0181】ここで、照明光学系130から光学系18
3に亙る光学系に異常がなければ、両者の比は常に一定
となる。ところが、照明光学系130から光学系183
に亙る光学系の途中に汚れ,異物の混入,変形等があっ
て光が遮られていたりすると、分光透過率特性が変化す
るためそれに伴って両者の比が変化する。
【0182】そこで演算回路185では、演算した比が
基準値から一定値以上ずれた場合に異常信号を警報発生
器180へ出力する。警報発生器180は演算回路18
5から異常信号が入力すると、照明光学系130から光
学系183の経路に何等かの異常があることを知らせる
ための警報を出力する。
【0183】このように本実施例によれば、照明光学系
130から光学系183に亙る全光学系の分光透過率特
性を示す信号値と光源部134の分光特性を示す信号値
との比を波長帯域毎に監視し、その比が基準値からある
程度ずれたときに警報を出力するようにしたので、照明
光学系130から光学系183に亙る全光学系の異常、
例えば汚れ,異物の混入,変形等を検出することができ
る。
【0184】次に、本発明の第6実施例について説明す
る。
【0185】本実施例は、前述した各実施例の宝石鑑定
装置においてダイヤモンド等の宝石を保持するための宝
石保持機構に関する例である。従って、宝石鑑定装置を
構成する場合は、前記第1〜第5の各実施例における宝
石保持機構に代えて、本実施例の宝石保持機構を装備す
ることになる。以下、本実施例に係る宝石保持機構につ
いてのみ詳述し、その他の構成の説明は前記第1〜第5
の各実施例と同様であるとする。
【0186】図27は本実施例に係る宝石保持機構の構
成を示す図である。
【0187】本実施例の宝石保持機構は、断面がU字形
をなす支持台221を備え、その支持台221の対向す
る2片の上部221aに水平軸222がそれぞれ設けら
れている。支持台221の内側には同じく断面U字形の
振子台223が配置されており、前記各水平軸222に
より、振子台223を支持台221の内側で回動自在に
軸支している。また、振子台223を両側から軸支して
いる各水平軸222は、支持台211の外側に一部が突
出しており、その各突出部分に観察方向切換ハンドル2
24がそれぞれ取付けられている。また各水平軸222
は、支持台221に内蔵されたクリック225により任
意の位置で位置決め可能にしている。
【0188】振子台223は、その底面223bに回転
軸226が垂直に立設されている。この回転軸226は
目盛りが表記された回転ハンドル227の中心軸に連結
されている。回転ハンドル227の上面に回転台228
が固定されている。
【0189】回転台228の上面であってその回転中心
から所定距離離れた位置に、高さ調整部229が昇降自
在に設けられ、さらに高さ調整部229の上面に該上面
に平行な方向(以下、面方向という)に沿って滑動自在
に位置調整部230が設けられている。位置調整部23
0はその上面に指輪固定部231が設けられている。指
輪固定部231は、1つの固定アーム231aと2つの
可動アーム234a,234bを有する。固定アーム2
31aは可動アーム234a,234bよりも下方位置
において面方向に延びるアームを有しており指輪固定部
231に固定されている。可動アーム234a,234
bは、指輪固定部231の中心軸に回転可能に嵌合した
2つのリング(不図示)に各々の基端を固設しており、
その2つのリングの回動により可動アーム234a,2
34bの端部が互いに接近及び離反するようになってい
る。なお、2つのリングは指輪固定部231の中心軸に
嵌挿した不図示のつる巻きバネにより可動アーム234
a,234bが離反する方向に付勢されている。これら
指輪固定部231及び指輪保持部232から指輪保持機
構を構成している。
【0190】このように構成された宝石保持機構は、宝
石鑑定装置に備えられた拡大光学系(対物レンズ23
5)の光軸位置に,回転台228の回転軸226が位置
するように設置されている。
【0191】次に、以上のように構成された宝石保持機
構の動作を説明する。
【0192】いま、操作者により、指輪保持部234の
各可動アーム234a,234bが接近するように操作
される。各可動アーム234a,234bが十分接近し
たならば、宝石232の正面を対物レンズ235側に向
けた状態で指輪233の内側に可動アーム234a,2
34b及び固定アーム231aを挿入し、しかる後、該
可動アーム234a,234bを離反操作する。この一
連の操作により、宝石232を保持した指輪233が所
望の力で指輪保持機構に保持される。
【0193】続いて、宝石232が回転台228の回転
中心軸226上に位置するように位置調整部230によ
り面方向に調整され、且つ宝石232が水平軸222の
回転中心軸237上に位置するように高さ調整部229
により上下方向に調整される。この一連の操作により、
宝石鑑定装置の拡大光学系の合焦範囲及び観察視野中心
から宝石232が移動することなく、宝石232の正面
観察及び側面観察が可能となる。
【0194】例えば、正面観察時に観察方向切換ハンド
ル224が回動操作されると、観察方向切換ハンドル2
24に連動して振子台223が回動し、宝石232の側
面が対物レンズ235に対面し、その結果、側面観察が
可能となる。なお、この振子台223はクリック225
により正面位置及び側面位置などの所定の位置で位置決
め可能である。
【0195】さらに、宝石232の側面を対物レンズ2
35に向けた状態で、回転ハンドル227が回転操作せ
しめられると、回転ハンドル227の回転に連動して指
輪保持機構が回動し、宝石232の異なる側面が対物レ
ンズ235に対面することになる。このような観察時
に、回転ハンドル227の目盛りを適宜記録すれば、記
録値を再観察の際に用いることができる。以下、同様に
ツマミ及び回転ハンドルの操作によって宝石232を任
意の角度から観察できる。
【0196】なお、対物レンズ235により拡大された
宝石像を撮像素子で撮像し、該宝石画像から宝石の品質
情報を得る。宝石の品質情報を得るための宝石鑑定装置
の構成及び作用については前述した第1〜第5実施例で
詳述したのでここでは説明を省略する。
【0197】上述したように、本実施例によれば、宝石
232を保持した指輪233を指輪保持機構が保持する
と共に、この指輪保持機構を振子台223と回転台22
8との回転の組合わせによって所望の角度で保持するの
で、宝石232のの表面に触れずに保持でき、かつ、宝
石を観察面を容易に切替えられる。
【0198】また、指輪保持機構が宝石232の表面及
び指輪233の外径側に触れないことにより、宝石23
2及び指輪233の外径側に傷を付けないので、宝石2
32及び指輪233の外観を損ねることなく、宝石を観
察することができる。
【0199】さらに、宝石232が被われることなく保
持されることにより、宝石232の正面観察時には指輪
保持機構が宝石観察装置の合焦範囲に入り込まずに画像
に写り込むことが少なく、かつ、宝石232の側面観察
時には指輪保持機構が観察光路上に入り込まず、観察を
妨げない。よって、宝石を容易に観察することができ
る。
【0200】また、位置調整部230及び高さ調整部2
29により、宝石232を水平軸222及び回転軸22
6の回転中心軸の交点に位置させるようにしたので、宝
石232が合焦範囲及び観察視野中心から移動せず、各
観察方向からの宝石の観察を速やかに行うことができ
る。
【0201】さらに、クリック225及び回転ハンドル
227の目盛りにより任意の位置で位置決め可能として
いるので、宝石の正面及び側面を容易に観察することが
できる。
【0202】図28及び図29は、上記第6実施例にお
ける指輪保持機構の変形例を示している。
【0203】図28に示す指輪保持機構は、位置調整部
230上に立設された支柱238及びこの支柱側部に取
り付けられた弾性体よりなる円錐状の指輪止具239を
備えている。
【0204】ここで、操作者により、宝石232が上向
きにされた状態で指輪233が指輪止具239に嵌めら
れる。指輪止具239は、その弾性力と摩擦力とによ
り、この指輪233をその内径側から保持する。
【0205】この変形例の指輪保持機構によれば、弾性
体よりなる円錐状の指輪止具239が指輪233を保持
するので、極めて簡易な構成で、内径の異なる指輪を容
易に保持することができる。
【0206】図29に示す指輪保持機構は、位置調整部
230上に立設された支柱240及びこの支柱側部に取
り付けられ、中空に形成されて膨脹/収縮可能な弾性体
よりなる指輪止具241を備えている。支柱240は、
内部で指輪止具241に連通するように中空に形成さ
れ、外部からエアポンプ(図示せず)によりエアホース
(図示せず)を介して気体を導入可能な構成となってい
る。
【0207】この指輪保持機構では、宝石232を上向
きにした指輪233が収縮状態の指輪止具241に嵌め
られる。しかる後、操作者がエアポンプを作動させるこ
とにより、指輪止具241に気体が導入され、指輪止具
241が内部圧力の増加により膨脹し、指輪233を内
径側から保持する。指輪233が指輪止具241に完全
に保持されたところで、操作者によりエアポンプが停止
される。指輪233を取り外す場合は、指輪止具241
のエアーを抜いて収縮状態とする。
【0208】この変形例の指輪保持機構によれば、中空
形状で膨脹/収縮可能な弾性体よりなる指輪止具241
が膨脹し、指輪止具241が均一で最小限の圧力を指輪
233の内径側の全周にかけながら指輪233を保持す
るので、宝石232及び指輪233に過剰な力のかから
ない指輪保持機構を実現することができる。
【0209】図30は、上記第6実施例における回転ハ
ンドル部分の変形例を示している。
【0210】同図に示す変形例は、振子台223の下面
223cに、回転軸226に連結させた第2の回転ハン
ドル242を設けている。
【0211】従って、宝石232の正面方向の観察時に
は第6実施例と同様に回転ハンドル227が使用される
が、宝石232の側面方向の観察時には、操作者は手前
側に位置する第2の回転ハンドル242を使用して指輪
保持機構を回動する。
【0212】本変形例によれば、振子台223の外側下
部223cに回転軸226に連結させて第2の回転ハン
ドル242を設けたので、第6実施例と比べ、宝石23
2の観察方向に対応して2つの回転ハンドル227,2
42の使いわけを可能とし、操作性を向上させることが
できる。
【0213】次に、本発明の第7実施例に係る宝石保持
機構について説明する。
【0214】本実施例は、前述した第1〜第5実施例の
宝石鑑定装置においてダイヤモンド等の宝石を保持する
ための宝石保持機構に関する例である。
【0215】図31は本実施例に係る宝石保持機構を一
部破断して示す正面図である。なお、前述した第6実施
例の保持機構と同一部分には同一部分には同一符号を付
して説明する。
【0216】本実施例の宝石保持機構は、回転ハンドル
227が削除され、また中空に形成された振子台223
内の回転軸226に第1の傘歯車243が設けられてい
る。また、振子台223はその底部内に回転軸226に
直交する方向に配置された伝達軸244が回転可能に設
けられ、この伝達軸244は第1の傘歯車243に噛合
するように自由端に第2の傘歯車245を有する。また
伝達軸244の基端部近傍に第1のプーリ246が取付
けられている。
【0217】一方、振子台223と観察方向切換ハンド
ル224とを連結する水平軸222は中空に形成され、
かつ、内部に第2の水平軸247が軸通されている。第
2の水平軸247の一端部には振子台223内において
第2のプーリ248が回転可能に取り付けられ、また水
平軸247の他端部には観察方向切換ハンドルを貫通し
た先端部に回転用ハンドル249に連結されている。ま
た、第1及び第2のプーリ246,248の間はタイミ
ングベルト250により連結されている。
【0218】以上の構成において、回転用ハンドル24
9が回転せしめられると、その回転力が第2の水平軸2
47を介して第2のプーリ248に伝達され、第2のプ
ーリ248からタイミングベルト250を介して第1の
プーリ246を回転させると共に、伝達軸244、第2
の傘歯車245及び第1の傘歯車243を介して回転軸
226へ伝達される。従って、回転軸226が回転駆動
力を受けて回転し、回転軸226に連結された回転台2
28が回転する。これに伴い指輪保持機構が回転して指
輪233に保持された宝石232の観察面が回転する。
【0219】なお、回転ハンドル224を回転させるこ
とにより振子台223の動作は前述した第6実施例と同
様である。
【0220】本実施例によれば、外部から回転軸226
を回転制御可能にするように、回転軸226と回転用ハ
ンドル249とを、第1及び第2の傘歯車243,24
5、伝達軸244、第1及び第2のプーリ246,24
8、タイミングベルト250及び第2の水平軸247に
よって連動可能とし、かつ、回転用ハンドル249を観
察方向切換ハンドル224に近接配置してこれら回転用
ハンドル249及び観察方向切換ハンドル224によっ
て宝石232の観察方向を操作するようにしたので、操
作性を一層向上させることができる。
【0221】次に、本発明の第8実施例について説明す
る。
【0222】本実施例は、前述した第1〜第5実施例に
おいて使用した宝石照明部の変形例である。宝石鑑定装
置を構成する場合は、前記第1〜第5の各実施例におけ
る宝石照明部に代えて本実施例の積分球を装備する。以
下、本実施例に係る積分球についてのみ詳述し、その他
の構成の説明は前記第1〜第5の各実施例と同様である
とする。
【0223】図32は本実施例に係る積分球の分解斜視
図である。図32において、301,302はそれぞれ
の内側面が可視範囲の波長域、または近紫外域から可視
範囲の波長域において均一性の高い反射、散乱特性を有
する半球で、その一方の主半球301に他方の副半球3
02を全体が球体となるように着脱可能に係合し得る構
成となっている。
【0224】これら主半球301及び副半球302は、
それぞれの内側がチタンホワイト系顔料を多量に混入し
たプラスチック材料を射出成形により形成すると共に、
内面を光の散乱効果を高めるために梨地処理が施され、
また外側を遮光性に優れた黒色のプラスチックで成形し
た各々二重構造となっている。
【0225】上記主半球301の開口端の上部位置には
適宜大きさの半円状の切欠穴303aを有し、この切欠
穴303aの周囲外面に内周面にネジ溝が形成されたリ
ング状の取付具304が取付けられている。また、この
取付具304には、図33にも示すように画像入力手段
305として拡大レンズ305a、固体撮像素子305
b及び落射照明系305cからなるビデオ顕微鏡のプロ
ーブが螺合方式により取付けられている。
【0226】取付具304には白色のプラスチックで成
形された反射部材306が主半球301の内側から挿入
され固定されている。この反射部材306は中央に主半
球301の切欠穴303aと連通する穴が設けられ、画
像入力手段305による観察が可能になっている。
【0227】また、主半球301の開口端の下部位置
で、切欠穴303aと対向する内面に宝石307を保持
する保持部材308が取付けられている。
【0228】この保持部材308は、粘着性の高いブチ
ルゴムからなり、中央に図34に示す如く宝石307の
形状に対応する例えば円錐状の凹部308aが形成さ
れ、この凹部308aにその粘着性を利用して宝石30
7の保持が可能になっている。
【0229】他方、副半球302は開口端の上部位置に
適宜大きさの半円状の切欠穴303bを有し、主半球3
01に対して着脱自在に係合されると切欠穴303a,
303bにより画像入力手段305による撮像用穴が形
成されると共に、照明光の漏光のない積分球として機能
する。
【0230】次に上記のように構成された積分球の作用
について述べる。
【0231】主半球301の開口端の上部位置に有する
切欠穴303aの周囲外面に取付けられた取付具304
に画像入力手段305が取付けられ、切欠穴303aに
対向する開口端の下部位置内面に取付けられた保持部材
308に宝石307を保持させる。この場合、宝石30
7は保持部材308に有する粘着性を利用して円錐状の
凹部308aに固定される。
【0232】このような状態の主半球301に副半球3
02を全体が球体となるように係合し、一体化する。こ
の球体は外光をしゃ断し、照明光が入射するとその内面
で反射、散乱する積分球としての機能を有する。
【0233】ここで、上記画像入力手段305におい
て、光源ランプ309から導光部材310を通して照明
光が導入されると、この照明光は図33に示す如く落射
照明系305cより出射された光が反射部材306によ
り球体の内面に向けて反射され、この内面で照明光が反
射、散乱する。
【0234】従って、宝石307が直接照明されること
はなく、球体の内面で反射、散乱した光が宝石307の
全周から照射されるので、宝石307に対して均一性の
高い、影の極めて少ない照明が施される。
【0235】一方、画像入力手段305は、宝石307
の画像を撮像し、その画像情報を図示しない画像処理装
置等に伝送することで、宝石307のクラリティー評価
やカラー測定が行われる。これらの評価は前述した第2
〜第5実施例において既に説明したのでここでは省略す
る。
【0236】図35及び図36は上記第8実施例の宝石
照明部としての積分球の変形例を示す図である。
【0237】図35に示す積分球の変形例は、同軸落射
照明系を保有しない画像入力手段305と保持部材30
8とを結ぶ直線に対して直交する主半球301の中央位
置に照明光導入穴311を設け、この照明光導入穴31
1に光源ランプ312からの光を導光部材313を通し
て照明するようにしたものである。
【0238】このような構成の積分球において、主半球
301の中央位置に設けられた照明光導入穴312より
光源ランプ313から照明光が導入されると、この光は
球体内部を直進し、副半球302の内面で反射、散乱さ
れて前述同様の作用となる。
【0239】なお、上記第8実施例及び上記変形例では
主半球301及び副半球302のそれぞれの内側をチタ
ンホワイト系顔料を混入したプラスチック材料を用いた
が、通常の金属球と硫酸バリウム等の白色コーティング
との組合せ加工により成形するようにしてもよい。この
場合、プラスチック材料を用いたものに比べて価格が高
いものとなる。
【0240】また、主半球301及び副半球302とし
て、チタンホワイト等の白色顔料の入ったプラスチック
で成形し、外側に遮光用の塗装を施したものでもよい。
【0241】さらに、主半球301及び副半球302と
して、遮光性に優れた黒色プラスチックで成形し、内側
を白色塗装または硫酸バリウムをコーティングしたもの
でもよい。
【0242】図36に示す積分球の変形例は、図32に
示す固体撮像カメラによる画像入力手段305に付属す
る同軸落射照明系305cと図35に示す光源ランプ3
12からの光を球体内に導く光ファイバーによる導光部
313を有する2系統の照明系とし、また保持部材30
8に保持された宝石307を正面又は側面から観察可能
にするための回転機構314設ける構成としたものであ
る。
【0243】この回転機構314は、球体の両側に配設
された一対の支持部材314aに回動可能に可動部材3
14bを連結し、この可動部材314bに支持腕314
c及び取付ブロック314dを介して保持部材308を
取付けるようにしたものである。この場合、画像入力手
段305の同軸落射照明系305cからの照明は宝石に
対して直接照明するようにしてある。
【0244】このような構成の宝石鑑定装置において、
宝石の外観、形状を観察或いは計測する場合は、図36
(b)に示すように主半球301に副半球302を係合
させない状態で同軸落射照明で宝石307を直接照明す
る。この状態で宝石307が保持された保持部材308
を支持部材314aの支持点を中心に可動部材314b
と一体に回動させることにより、宝石307を正面及び
側面から観察することができる。
【0245】一方、ディスパージョンやシンチレーショ
ンを抑えてダイヤモンドのクラリティーやカラーを精密
に計測評価する時には、図36(a)に示すようにダイ
ヤモンドを正面方向に戻し、副半球302を主半球30
1に係合させ、外乱光をしゃ断すると共に、導光穴から
積分球内部へ照明光を導入し、積分球内部の散乱、反射
効果によりダイヤモンドに間接的に均一性の高い、影の
少ない照明光を与えることができる。この場合、ダイヤ
モンド上方の同軸落射照明系305cは消灯され、光源
からの直接照明による外観、形状の観察、測定とクラリ
ティー、カラーの測定と評価とを一つの鑑定装置で行う
ことができる。
【0246】本発明の第9実施例について説明する。
【0247】本実施例は、前述した各実施例の宝石鑑定
装置において宝石照明部に照明光を入射する照明手段に
関する例である。従って、宝石鑑定装置を構成する場合
は、前記第1〜第7の各実施例における照明手段に代え
て、本実施例の照明装置を装備することになる。以下、
本実施例に係る照明装置についてのみ詳述し、その他の
構成の説明は前記第1〜第7の各実施例と同様であると
する。
【0248】図37及び図38は本実施例に係る照明装
置の構成を示す図である。図において、411は半球状
の覆体で、この覆体411はその内面に硫酸バリウムの
コーティングが施され、近紫外から可視域で均一性の高
い散乱、反射効果が得られるようにしている。覆体41
1の上部の曲面中央には適宜の大きさの穴411aが設
けられ、この穴411aには前部にCCDカメラ412
bを備えた画像入力系412がレンズ412aを穴開口
面に位置させて設けられ、図示しない装置本体に固定さ
れている。
【0249】画像入力系412はその入射端であるレン
ズ412aのレンズ面をダイヤモンド等の宝石413に
向けており、また宝石413は球の中心と宝石413の
中心とが一致する位置に配設されている。画像入力系4
12により撮像された宝石413の画像情報は図示しな
い画像処理装置に出力されるようになっている。
【0250】一方、半球状の覆体411の下方開口部側
に画像入力系412の内側曲面に対向させて光源系41
4が配設されている。この光源系414は宝石413及
び画像入力系412よりも大きな内径を有するリング状
の発光面414aを有し、この発光面414aにハロゲ
ンランプ414bからの光が導光部414cを通して導
入される構成となっている。
【0251】光源系414の発光面414aは、図39
に示すような凹凸形状に形成され、レンズ効果によって
出射光が宝石413及び画像入力系412に直接当たら
ず、覆体411の内側曲面に照射されるようにしてあ
る。
【0252】従って、このような構成の照明装置におい
て、光源系414の発光面414aより出射した光は、
覆体411の内面で散乱、反射され、宝石413の周囲
から均一性の高い状態で照明する。
【0253】このように照明された宝石413は覆体4
11の上部の曲面中央に設けられた穴411aを介して
画像入力系412にその画像が取り込まれ、前述した第
1〜第5実施例のいずれかの処理により宝石の評価がな
される。
【0254】また、画像入力系412と覆体411は、
それぞれ独自に支持されているので、例えば画像入力系
412が合焦のために全長が伸縮する型のレンズ(ズー
ムレンズ)を備えている場合でも、覆体411と宝石4
13の位置は一定であり、合焦操作により照明条件が変
化することはない。
【0255】なお、上記実施例において、光源系414
にハロゲンランプ414bを用いたが、このハロゲンラ
ンプの他に短波長側の出力の大きなメタルハライドラン
プが使用可能である。
【0256】図40〜図42は上記第9実施例の照明装
置の変形例を示している。
【0257】図40に示す照明装置の変形例は、光源系
415としてコンピュータディスプレイ等に利用される
プラズマ発光を応用した面光源415aを用いるように
したものである。この光源系415は上面に遮光部材4
15bにリング状の配光用レンズ415cを組込んだも
ので、この配光用レンズ415cを通して前述同様に出
射した光は、覆体411の内面で散乱、反射され、宝石
413の周囲から均一性の高い状態で照明することが可
能である。
【0258】このような構成の面光源を用いれば、前述
のランプような発熱がなく、特別な冷却手段が不要とな
る利点がある。
【0259】図5に示す照明装置の変形例は、宝石41
8を保持する保持部417を支持腕416に片持ち支持
させた場合、リング状の発光面419の支持腕416と
対応する位置を遮光部材420で覆うようにしたもので
ある。その他の構成は図41,42に示す照明装置と同
様である。
【0260】図6に示す照明装置の変形例は、宝石41
8を保持する保持部417をその両側から支持腕416
a,416bにより支持させた場合、リング状の発光面
419に対して保持部417の両側の支持腕416a,
416bにそれぞれ対応する位置を遮光部材420で覆
うようにしたものである。
【0261】このように図41又は図42に示すような
構成とすることにより、発光面419から光が支持腕4
16又は416a,416bには照射されないので、覆
体411の内面に影響のない照明を行うことができる。
【0262】なお、上記説明ではリング状の照明装置を
覆体に適用しているが、積分球に適用することもでき
る。
【0263】次に、本発明の第10実施例について説明
する。
【0264】図43及び図44は、本実施例に係る宝石
鑑定装置の構成を示す図である。
【0265】本実施例の宝石鑑定装置は、鑑定すべき宝
石510が宝石保持手段511に保持され、その宝石5
10を照明装置512が観察項目や形状に応じて最適な
条件で照明する。宝石510の像は画像入力手段513
を介して制御手段514に入力される。この制御手段5
14にはディスプレイ515,品質情報算定手段51
6,記憶手段517,プリンタ518,通信装置519
が接続されている。また、通信装置519を介して他の
外部装置500−1〜500−3に接続されている。
【0266】宝石保持手段511は、前述した第1,第
6,第7実施例等に示す宝石保持機構のいずれかを適宜
適用して構成されている。
【0267】照明装置512は、光源521からの光を
均一性が高く無指向性の照明光に変換して宝石510を
照明する。又は、前述した第8,第9実施例の宝石照明
部の構成が採用されている。なお光源521は、演色性
に優れ長寿命型のハロゲンランプ,キセノンランプから
なる高輝度のものを用いている。
【0268】画像入力手段513は、照明装置512で
照明した宝石510の像を拡大するズームレンズ等から
なる拡大光学系522と、拡大光学系522で拡大形成
した宝石像を撮像する撮像装置523とを備えている。
【0269】制御手段514は、宝石輪郭形状観察,表
面及び内部の欠陥または異物内包観察,地色観察などの
各観察項目、または裸石,立爪指輪等の試料形状に対応
して予め設定されている光量となるように光源521を
制御する。また、宝石を最適条件で照明するために、照
明装置512に受光素子524を設け、その受光素子5
24の出力信号を制御手段514に取込んで制御手段5
14から光源521の駆動電圧を制御する制御ループを
構成している。
【0270】また制御手段514は、記憶手段517に
対する宝石画像や品質情報の書込み/読出しを制御し、
また通信装置519による各種情報の送受信を制御し、
さらにディスプレイ515上に必要な情報(宝石画像,
品質情報など)を表示させる。なお、宝石画像の表示は
いわゆるビデオ顕微鏡の原理を採用している。
【0271】品質情報算定手段516は、宝石の品質情
報を演算するために前述した第1〜第4実施例で説明し
た処理内容の作業プログラムが格納されており、カット
評価のための形状測定,カラット評価のための重量演
算,カラー評価のための地色測定,クラリティー評価の
ための表面及び内部欠陥,内包異物検出などといった品
質情報を算出する機能を実現している。なお、本実施例
では特に説明していないが、上記各評価において必要と
なる構成要件(フィルター,ポインティングデバイス
等)は第1〜第4実施例と同様に適宜装備されるものと
する。また、品質情報算定手段516は、画像処理機能
を備えており、宝石画像を所望の状態に加工することが
できるものとする。例えば、第4,第5実施例で説明し
たように宝石画像を加工してカラー画像を形成すること
ができる。
【0272】また、記憶手段517に格納した加工済み
の画像情報,品質情報を鑑定記録としてICカードに記
録するICカード記憶装置524を備えている。
【0273】図45及び図46は本実施例の宝石鑑定装
置の利用形態を示す図である。図45に示す如く、宝石
鑑定装置500を単独で使用する場合は、装置本体50
0Aとディスプレイ515及び情報保管用のICカード
記憶装置524から構成する。また、図46に示す如
く、本店と複数の支店に通信機能と磁気ディスク記憶装
置を有する通信用コンピュータ500A,500A−1
〜500A−3を備え、本店と複数の支店間の通信用コ
ンピュータ500A,500A−1〜500A−3を接
続する。
【0274】以上のように構成された本実施例では、前
述した各実施例と同様にして宝石の画像情報が記憶手段
に517に格納され、品質情報算定手段516により宝
石画像の加工及び所定の品質情報の演算がなされる。こ
れら加工済み画像及び品質情報はICカード記憶装置5
24を介してICカードに鑑定記録として記憶されると
共に、記憶装置517に格納される。また、必要に応じ
て通信用コンピュータ500A,500A−1〜500
A−3の通信装置519から電話回線等の通信回線を介
して本店から支店へ送信され、または支店から本店へ送
信される。あるいは、加工された宝石画像及び算出され
た品質情報がディスプレイ515に同時に又はいずれか
一方が表示される。または、それらの情報はビデオプリ
ンタ518から印字出力することができる。
【0275】1台の宝石鑑定装置で得られた鑑定情報を
他の支店,または本店との間で送受信することができ、
鑑定記録に現品の画像を添付することで電子カタログ的
な利用が可能になる。
【0276】なお、以上の説明では宝石として主にダイ
ヤモンドを例に説明したが、人工宝石や真珠まで含む他
の宝石であっても同様に鑑定可能である。
【0277】
【発明の効果】本発明によれば、熟練した宝石鑑定士の
判断に依存することなく、客観的なデータに基づいて極
めて信頼性の高い宝石鑑定を容易に実現し得る宝石鑑定
装置及びその方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る宝石鑑定装置の正面
図および測定図。
【図2】第1実施例に備えた画像処理装置の機能ブロッ
ク図。
【図3】ダイヤモンドのプロポーションの測定方法を説
明するための図。
【図4】第1実施例に備えた保持部材の分解斜視図。
【図5】第1実施例によるガードル径の算出方法を説明
するための図。
【図6】第1実施例によるガードル径の算出方法を説明
するためのフローチャート。
【図7】第1実施例によるテーブル径の算出方法を説明
するための図。
【図8】第1実施例によるテーブル径の算出方法を説明
するためのフローチャート。
【図9】本発明の第2実施例に係る宝石鑑定装置の構成
図。
【図10】第2実施例における宝石のカットの良否の評
価手順を示すフローチャート。
【図11】第2実施例における宝石の色調の判別手順を
示すフローチャート。
【図12】カラーグレードが等しく,且つカットの異な
る2個のダイヤモンドの観察像を示す図。
【図13】図12に示すダイヤモンドにそれぞれ対応す
る輝度のヒストグラムを示す図。
【図14】図13から得られる結果を示す説明図。
【図15】宝石の色調の判別結果をカラーグレードとB
/R値との関係で示すグラフ。
【図16】本発明の第3実施例に係る宝石鑑定装置の構
成図。
【図17】第3実施例のプロセッサ部分の機能ブロック
図。
【図18】第3実施例に対してフィルタ機構の配置を変
えた変形例を示す図。
【図19】第3実施例に対してフィルタ機構の構成及び
配置を変えた変形例を示す図。
【図20】本発明の第4実施例に係る宝石鑑定装置の構
成図。
【図21】第4実施例の宝石鑑定装置の要部の機能ブロ
ック図。
【図22】第4実施例の動作を示すフローチャート。
【図23】第4実施例の変形例の機能ブロック図。
【図24】本発明の第5実施例に係る宝石鑑定装置の構
成図。
【図25】第4実施例の原理図。
【図26】第5実施例の原理図。
【図27】本発明の第6実施例に係る保持機構の構成を
示す正面図。
【図28】第6実施例の保持機構における指輪保持機構
の変形例を示す図。
【図29】第6実施例の保持機構における指輪保持機構
の他の変形例を示す図。
【図30】第6実施例の保持機構における回転ハンドル
部分の変形例を示す図。
【図31】本発明の第7実施例に係る保持機構の構成を
示す正面図。
【図32】本発明の第8実施例に係る積分球の分解斜視
図。
【図33】第8実施例における積分球の主半球上部と画
像入力手段の取付け状態を示す拡大断面図。
【図34】第8実施例における宝石保持部材を示す斜視
図。
【図35】第8実施例の積分球の変形例の分解斜視図。
【図36】第8実施例の積分球の他の変形例の分解斜視
図。。
【図37】本発明の第9実施例に係る照明装置の概念
図。
【図38】第9実施例に係るの照明装置の構成図。
【図39】第9実施例における発光面の形状を説明する
ための要部断面図。
【図40】第9実施例の変形例の構成図。
【図41】第9実施例の照明装置の他の変形例を示す
図。
【図42】第9実施例の照明装置のさらに他の変形例を
示す図。
【図43】本発明の第10実施例に係る宝石鑑定装置の
構成図。
【図44】第10実施例に係る宝石鑑定装置の装置本体
部の詳細図。
【図45】第10実施例に係る宝石鑑定装置の利用形態
例を示す図。
【図46】第10実施例に係る宝石鑑定装置の他の利用
形態例を示す図。
【図47】双眼実体顕微鏡の概略構成を説明するための
斜視図。
【図48】ビデオ顕微鏡の概略構成を説明するための斜
視図。
【図49】従来のカラーグレーダの外観図。
【図50】従来の宝石の色測定装置の全体構成図。
【図51】図50に示す色測定装置の測光ユニットの構
成図である。
【図52】基準色の異なるマスターストーンの吸収率特
性図。
【符号の説明】
63,511…保持部材、70,510…宝石、81,
512…照明部材、82,522…拡大光学部材、87
…画像処理装置、88…テレビモニタ、89…ポインテ
ィングデバイス、92,517…画像メモリ、95…C
PU、516…品質算定手段。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−189818 (32)優先日 平5(1993)7月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−291811 (32)優先日 平5(1993)11月22日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−291816 (32)優先日 平5(1993)11月22日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−305190 (32)優先日 平5(1993)12月6日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 清水 一夫 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 富岡 正治 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 野田 浩昭 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 北 信浩 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 三浦 靖忠 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 林 信太郎 東京都杉並区浜田山1−24−3 (72)発明者 日吉 奈美 静岡県富士宮市青木1897−459

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鑑定すべき宝石が配置される照明空間を
    有し該照明空間に配置された宝石を照明する宝石照明部
    と、 前記宝石照明部の照明空間内において前記宝石の姿勢を
    変化可能に当該宝石を保持した保持手段と、 前記宝石照明部の照明空間へ入射する光を生成する光源
    と、 前記宝石照明部において照明されている宝石の反射光を
    取込み該宝石の拡大像を形成する拡大光学系と、 前記拡大光学系により形成された宝石像を撮像する撮像
    手段と、 前記撮像手段から取込まれた宝石画像を記憶する画像メ
    モリと、 少なくとも前記宝石画像が表示される表示手段と、 前記画像メモリに記憶されている宝石画像の位置情報及
    び輝度情報の少なくとも一方の情報に基づいて前記宝石
    の品質情報を算出する品質算定手段とを具備したことを
    特徴とする宝石鑑定装置。
  2. 【請求項2】 前記品質算定手段は、前記表示手段に表
    示されている宝石画像に対して任意に指定された座標位
    置を認識する座標位置認識手段と、前記座標位置認識手
    段で認識した宝石画像の座標値に基づいて前記宝石の形
    状を算出する形状演算手段とを有することを特徴とする
    請求項1記載の宝石鑑定装置。
  3. 【請求項3】 前記品質算定手段は、前記画像メモリに
    記憶された宝石画像に基づき少なくとも1画素単位の輝
    度分布を測定してヒストグラムを作成するヒストグラム
    作成手段と、前記ヒストグラム作成手段で作成されたヒ
    ストグラムから輝度の最頻値及び当該最頻値より低輝度
    側の分布状態に基づいて前記宝石の形状を算出する形状
    演算手段とを有することを特徴とする請求項1記載の宝
    石鑑定装置。
  4. 【請求項4】 前記形状演算手段で算出した形状に基づ
    いて当該宝石のカットに関する評価値を算出するカット
    評価手段と、前記カット評価手段で算出したカット評価
    値と当該宝石の画像のうち少なくともカット評価値を含
    む形状評価情報を作成する形状評価情報作成手段とを有
    することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の
    宝石鑑定装置。
  5. 【請求項5】 前記品質算定手段は、前記画像メモリに
    記憶された宝石画像に基づき少なくとも1画素単位の輝
    度分布を測定してヒストグラムを作成するヒストグラム
    作成手段と、前記ヒストグラム作成手段で作成されたヒ
    ストグラムから輝度の最頻値及び当該最頻値より低輝度
    側の分布状態に基づいて前記宝石の研磨状態を評価する
    研磨状態評価手段とを有することを特徴とする請求項1
    記載の宝石鑑定装置。
  6. 【請求項6】 前記研磨状態評価手段で評価した研磨状
    態の評価値と前記宝石画像とのうち少なくとも研磨状態
    の評価値を含む研磨状態評価情報を作成する研磨状態評
    価情報作成手段を有することを特徴とする請求項5記載
    の宝石鑑定装置。
  7. 【請求項7】 前記撮像手段に前記宝石の画像情報とし
    て複数の特定波長域の光を選択的に取込ませる波長選択
    手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の宝石鑑定
    装置。
  8. 【請求項8】 前記品質算定手段は、前記画像メモリに
    記憶された赤色波長域近傍及び近紫外波長域近傍の宝石
    画像に基づき前記宝石の赤色波長域及び近紫外波長域近
    傍の輝度分布を測定してそれぞれのヒストグラムを作成
    するヒストグラム作成手段と、前記ヒストグラム作成手
    段で作成されたそれぞれのヒストグラムの最大輝度近傍
    の分布状態を比較して前記宝石の色調を算出する色調演
    算手段とを有することを特徴とする請求項7記載の宝石
    鑑定装置。
  9. 【請求項9】 前記色調演算手段で算出された色調に基
    づいて前記宝石のカーを評価するカラー評価手段と、前
    記カラー評価手段のカラー評価値と前記宝石画像とのう
    ち少なくともカラー評価値を含むカラー評価情報を作成
    するカラー評価情報作成手段を有することを特徴とする
    請求項8記載の宝石鑑定装置。
  10. 【請求項10】 前記波長選択手段は、各々選択波長が
    異なり光路に対して選択的に挿入される複数の分光フィ
    ルタを有し、 前記品質算定手段は、前記画像メモリに記憶された宝石
    画像の画素単位の輝度値から前記宝石の色測定値を算出
    する色調演算手段を有することを特徴とする請求項7記
    載の宝石鑑定装置。
  11. 【請求項11】 前記波長選択手段は、赤色波長域に透
    過特性を有する分光フィルタと、青色波長域に透過特性
    を有する分光フィルタとを有し、 前記色調演算手段は、少なくとも赤色波長域の分光フィ
    ルタを介して取込まれた宝石画像の輝度値と青色波長域
    の分光フィルタを介して取込まれた宝石画像の輝度値と
    を比較することを特徴とする請求項10記載の宝石鑑定
    装置。
  12. 【請求項12】 前記光源の分光特性を検出する検出手
    段と、前記検出手段による検出値と予め定められた基準
    値とを比較する比較手段とを具備したことを特徴とする
    請求項1記載の宝石鑑定装置。
  13. 【請求項13】 前記宝石照明部へ照明光を導くための
    光路または宝石照明部に配置されている宝石からの反射
    光を撮像素子へ導くための光学系いずれか一方に設けら
    れ、各々波長帯域の異なる透過特性を持った複数の分光
    フィルタから構成され、前記分光フィルタが選択的に該
    当する光路に挿入される波長選択手段と、前記光源部の
    分光特性を検出する第1の検出手段と、前記各光学系を
    通った光の分光特性を検出する第2の検出手段と、前記
    第1の検出手段と前記第2の検出手段との各検出結果を
    比較する比較手段とを具備したことを特徴とする請求項
    1記載の宝石鑑定装置。
  14. 【請求項14】 前記宝石照明部は、それぞれの内側面
    が可視範囲の波長域又は近紫外域から可視範囲の波長域
    において均一性の高い反射散乱特性を有する一対の半球
    を着脱可能に係合してなる積分球であって、一方の半球
    の開口端の適宜位置に前記撮像手段を設け、前記一方の
    半球の開口端であって前記撮像手段の設置位置に対向す
    る場所に前記保持手段を取付けたことを特徴とする請求
    項1記載の宝石鑑定装置。
  15. 【請求項15】 前記宝石照明部は、それぞれの内側面
    が可視範囲の波長域又は近紫外域から可視範囲の波長域
    において均一性の高い反射散乱特性を有する一対の半球
    を着脱可能に係合してなる積分球であって、一方の半球
    の開口端の適宜位置に前記光源からの光を積分球内に導
    光する落射照明系を有する撮像手段を取付けると共に、
    この撮像手段の取付部に前記落射照明系からの照明光を
    積分球内面に向けて反射する反射手段を取付け、前記一
    方の半球の開口端であって前記撮像手段の設置位置に対
    向する位置に前記保持手段を取付けたことを特徴とする
    請求項1記載の宝石鑑定装置。
  16. 【請求項16】 前記宝石照明部は、内面が可視波長範
    囲又は紫外域までの波長域で均一性の高い反射特性が得
    られるように形成されたほぼ半球状の曲面形状を有する
    覆体からなり、 前記光源は、前記覆体の曲面開口部に対向配置され、前
    記宝石及び前記撮像手段に直接光を入射することのない
    リング照明を行うことを特徴とする請求項1記載の宝石
    鑑定装置。
  17. 【請求項17】 前記保持手段は、凹部を有する支持台
    と、全体がU字形をなしその対向する2片を前記支持台
    の凹部内において回動自在に軸支された振子台と、前記
    振子台の上面に上下方向を中心軸として回転自在に設け
    られた回転台と、前記宝石を保持している指輪を着脱可
    能に保持し前記回転台の回転に連動して前記宝石を中心
    に回転移動する指輪保持機構とを有することを特徴とす
    る請求項1記載の宝石鑑定装置。
  18. 【請求項18】 前記撮像手段から取込まれた宝石画像
    及び前記品質算定手段で算出した宝石の品質情報の少な
    くとも一方を格納する外部記憶装置を備えたことを特徴
    とする請求項1記載の宝石鑑定装置。
  19. 【請求項19】 外部装置に対して通信回線を介して接
    続され、前記外部装置との間で前記宝石の品質情報の授
    受を行う通信手段を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の宝石鑑定装置。
  20. 【請求項20】 鑑定すべき宝石を照明した状態で撮像
    し、その撮像により取込んだ宝石画像を表示手段に表示
    し、その表示されている宝石画像の任意の位置座標を指
    定し、その指定された宝石画像の座標値に基づいて前記
    宝石の形状を算出することを特徴とする宝石鑑定方法。
  21. 【請求項21】 光源からの光を宝石照明部に入射して
    該宝石照明部内に配置された宝石をあらゆる方向から照
    明し、この宝石と対向する位置から宝石を撮像して画像
    情報を取込み、この画像情報をもとに前記宝石の輝度分
    布を測定してヒストグラムを作成し、このヒストグラム
    の最頻値及び最頻値より低輝度側の分布状態を解析し、
    その結果をもとに宝石の形状及び表面の研磨状態の良否
    を判別し、評価することを特徴とする宝石鑑定方法。
  22. 【請求項22】 光源からの光を宝石照明部に入射して
    該宝石照明部内に設けられた宝石をあらゆる方向から照
    明し、この宝石と対向する位置から宝石を赤色波長域又
    は近紫外波長域近傍の画像情報を取込み、これらの画像
    情報をもとに前記宝石の赤色波長域と近紫外波長域にお
    ける輝度分布を測定してヒストグラムをそれぞれ作成
    し、各ヒストグラムの最大輝度近傍の分布状態を解析す
    ることにより求められた値の商の大小から前記宝石の色
    調の差異を判別し、評価することを特徴とする宝石鑑定
    方法。
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