JPH0723886A - 清拭クロス材 - Google Patents

清拭クロス材

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Publication number
JPH0723886A
JPH0723886A JP5168222A JP16822293A JPH0723886A JP H0723886 A JPH0723886 A JP H0723886A JP 5168222 A JP5168222 A JP 5168222A JP 16822293 A JP16822293 A JP 16822293A JP H0723886 A JPH0723886 A JP H0723886A
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JP
Japan
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pile
piles
wiping
brushing
fibers
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Withdrawn
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JP5168222A
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English (en)
Inventor
Toshio Minami
俊夫 南
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
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  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】既知のクロス材では達成できなかった細かな凹
凸模様が複雑に入り組んだ表面にくぼみ、凹角部などを
含めて汚れを隅々まで取り去る性能を有するコイン等の
清拭クロス材を提供すること。 【構成】パイル構造を有する材料であって、パイル繊維
が、円形換算直径が50〜150μmのブラッシングパ
イルと、円形換算直径が5〜40μmのワイピングパイ
ルを含んで構成されている複合パイルであることを特徴
とする清拭クロス材。 【効果】表面に凹凸模様のある成形体面、例えばパチス
ロ機などの遊戯機に使用されるコインや硬貨の表面に付
着した汚れを迅速かつ効果的に取り除き、かつ性能が長
時間にわたって持続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は清拭クロス材に関し、特
に表面に凹凸模様のある成形体面、例えばパチスロ機な
どの遊技機に使用されるコインや硬貨の表面に付着した
汚れを迅速かつ効果的に取り除き、かつ性能が長時間に
わたって持続する、清拭性に優れたクロス材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パチスロ機に使用されるコインは
多くの人の手に繰返し触れるため、手垢が付着したり、
コイン同士の接触磨滅により発生する金属粉などが付着
する。汚れは大別すると手垢や手の脂肪分、煙草のヤニ
など粘性の汚れと、金属粉や微小なゴミ、錆などの固形
分としての汚れがある。もしそれらが放置されたら、汚
れは蓄積して人の手に黒い汚れが移るようになり、ベト
ツキが感じられようになって、遊技者に不快感を与える
ことになる。したがってコイン表面の汚れを常時除去
し、清潔な状態に保つことが要求され、コインが遊技台
から回収され、再び供給される間に汚れを除去すること
が必要となる。
【0003】従来、この目的のために採用されている方
法は、粒浴式か湯洗式である。粒浴式は、樹脂のペレッ
ト浴の中でかき混ぜ、コインの表面の汚れを樹脂ペレッ
トに付着転移させる。湯洗式は、温湯にてブラシなどを
併用して直接洗浄される。しかし、前者は横の除去能力
が低く、綺麗に汚れを取り除くことができない。しかも
汚れの保持能力の点からも劣るため、比較的短い周期に
て定期的にペレットを洗浄する手間が必要である。
【0004】後者の方法は、洗浄性は良好となるが、水
の使用による水分、湯気などの発生、漏洩によりコイン
の回収、供給および制御装置に腐食やダメージを与える
恐れが大きい。そこでこういう問題を回避し、優れた汚
れ除去を長期間にわたって達成するには、繊維クロス材
を用いた乾式清拭が望ましい。そのような例は、例えば
特公開平5−49750号公報に開示されている。しか
し、この公報には、クロス材の適、不適については記載
されていない。
【0005】この場合、凹凸のある面から綺麗に汚れを
除去することが大きな課題となる。なぜならば、コイン
は一般的にその表面にプレス成形などによる模様やマー
クづけがなされており、細かな凹凸段差の多い表面とな
っているからである。このような細かな凹凸段差のある
表面は、既知のどのように優れた清拭能力を持つクロス
材でもその表面から綺麗に汚れを取り去ることはできな
い。ごく少量枚数をゆっくりと磨こうとすれば、クロス
材の適、不適は選ばないが、大量枚数を高速処理しよう
とすれば、クロス材の構造、構成は重要であり、限定的
な構造と構成によってのみ達成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
ように既知のクロス材では達成できなかった細かな凹凸
模様が複雑に入り組んだ表面にくぼみ、凹角部などを含
めて汚れを隅々まで取り去る性能を有する清拭クロス材
を提供することにある。本発明の他の課題は、処理され
るコインの量が大量である点に鑑み、迅速かつ連続的な
処理で、上記汚れを容易に取り去る性能を持つ清拭クロ
ス材を提供することにある。
【0007】本発明のさらに他の課題は、粘性の汚れと
固形分の汚れを、ともによく除去する性能を具備した清
拭クロス材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明者は鋭意検討した結果、上記凹凸模様の複雑
に入り組んだくぼみ等の汚れを隅々まで清拭するには、
繊維をパイル状にした特定のシート状材料が最も好適で
あることを見出し、本発明に到達したものである。
【0009】本願で特許請求する発明は以下のとおりで
ある。 (1)パイル構造を有する材料であって、パイル繊維
が、円形換算直径が50〜150μmのブラッシングパ
イルと、円形換算直径が5〜40μmのワイピングパイ
ルを含んで構成されている複合パイルであることを特徴
とする清拭クロス材。
【0010】(2)パイルを構成する繊維素材がビスコ
ースレーヨンである前記第1項記載の清拭クロス材。 本発明をその好適態様について以下に詳細に説明する。
本発明のパイル構造を有する材料としては、後に詳述す
るように織物、メリヤス編物、トリコット編物、電着植
毛布などが挙げられるが、コインの拭き取り性能はこれ
ら材料の製造方式にはほとんど関係なく、一番重要なも
のは繊維の太さとその組合わせである。
【0011】凹凸模様のある表面の場合、掻き取りの役
割りを果たす太めの繊維直径のブラッシングパイルは不
可欠である。これなくしては細かな凹凸や段差のある個
所の汚れを完全に取り去ることが難しくなり、また性能
の持続性が全くないことが問題になる。そのような個所
の汚れを充分掻き取る力が不足するからである。しかし
それだけでは手垢や手の油脂分、煙草のヤニなど粘性の
汚れを除去する性能に劣るため、ベトツキ感が残る傾向
にある。またブラッシングパイルだけでは、金属粉や微
小なゴミ、錆などの固形分汚れはよく除去するが、その
保持と持続性が充分でない。
【0012】そのため、拭き取りの役割を果たす細めの
繊維直径のワイピングパイルを混合するパイル構成とす
る。このように2種のパイルを混合させることで、固形
分汚れの掻き取り、および掻き取られた汚れを保持する
作用と、粘性の汚れを拭き取る作用を充分ならしめるこ
とができる。ブラッシングパイルとしては、繊維の円形
換算直径が50〜150μm、より好ましくは60〜1
00μmのものを選び、ワイピングパイルとしては、繊
維の円形換算直径が5〜40μm、より好ましくは10
〜30μmのものを選ぶ。
【0013】ブラッシングパイルの繊維の太さが50μ
mより小さくなると、前述したように細かな凹凸や段差
のある個所の汚れを完全に取り去ることができないし、
また性能の持続性に欠ける。一方、ブラッシングパイル
の繊維の太さが150μm以上になると、ワイピングパ
イルの作用効果が低下し、結果的に良好な拭き取り性は
達成されない。
【0014】ワイピングパイルの繊維の太さは、ブラッ
シングパイルより細かな太さの領域で比較的幅広く選択
できるが、5μmより細くなるとその部分のみ集中的に
パイルがへたり易い傾向がある。本発明の清拭クロス材
は、このようにブラッシングパイルとワイピングパイル
両者の複合である点に意味がある。もしワイピングパイ
ルのみで構成されると、粘性の汚れを完全に除去するこ
とが困難で、それに触れた遊技者にベトツキ感を残すこ
とになる。逆にワイピングパイルのみで構成されると、
凹凸や段差のある個所のくぼみ部の汚れを完全に取り去
ることができない。もし凹凸のない表面であれば、ワイ
ピング能力だけで選ぶことができ、その部分はパイルの
長さもさほど問題ではなく、細くて柔らかくて密着感の
あるものがよい。
【0015】本発明は、ブラッシングパイルとワイピン
グパイルの複合に特徴があるが、ブラッシングパイルの
下限50μmとワイピングパイルの上限40μmの臨界
的な組合わせはそこそこの効果があるが、効果を最大な
らしめるためには、ブラッシングパイルの繊維太さDB
とワイピングパイルの繊維太さDW の比DB /DW は2
〜4が最適である。
【0016】両パイルの混合割合は、重量ベースで25
〜75%程度の範囲で良好な結果を得ることができる。
パイル本数ベースの混合割合は、重量ベースの混率、両
者の直径比によって異なるが、重量ベースの50%混合
でDB /DW =2の場合、ブラッシングパイルとワイピ
ングパイルの割合は、各々20%と80%になる。両パ
イルの繊維太さの比DB /DW や混合割合は、拭き取る
面の凹凸の程度や単位面積当たり必要とされる汚れの捕
捉能力などにより選択される。
【0017】汚れ保持の容量は、パイル本数やその表面
積に依存すると考えられ、太い繊維は汚れが再び脱落し
易く、保持力は劣る。逆に細い繊維ほど保持力がある。
汚れたコインを多数拭き取った後のクロス材パイルを見
ると、細いワイピングパイルに汚れがより多く強固に付
着することが確認できる。このようにワイピングパイル
は、ブラッシングパイルで取り除かれた汚れがコインに
再付着することを防ぐことに効果がある。このような挙
動は、平均的なブラッシングパイルである75コイン
と、平均的なワイピングパイルである30μmでは全く
異なったものである。
【0018】掻き取り性能と拭き取り性能は本来両立し
難く、一方はパイルの腰が要求され、一方はパイルの柔
軟性、密着感が要求され、それらは同一のものでは達成
できない。このように単一のパイルで、ブラッシング力
とワイピング力を両立させることは難しいが、本発明の
ように別々の役割りに最適なパイルを複合することで両
方の要求を満足させることができる。
【0019】繊維の太さは、断面形状が非円形の場合に
は円形に換算した直径で表わす。複雑な断面形状の場合
には、単位長さの重量から太さを割り出すことができ
る。またパイル部の厚みは1〜2.5mm、好ましくは1
〜1.5mmである。ここでいうパイル部の厚みとは、い
わゆる地糸層やベース布帛の厚みを除いた、パイル部の
根元から上のパイル層としての厚みである。この厚みが
1mmより小さくても、2.5mmより大きくても拭き取り
性が悪くなる。もし巻物の形でクロスを使用する場合、
一定のスペース内での巻長を長くとる意味で1〜1.5
mmの範囲内で選定するのが好ましい。
【0020】本発明ではさらに、パイルを構成する繊維
の繊維長L2 とパイル部厚みL1 の比L1 /L2 が0.
7以上であることが必要である。すなわち、図1におい
て、1はパイルを示し、2は織編物などの場合地糸層
を、また植毛などの場合ベース生地層を示すが、パイル
を構成する繊維の繊維長をL2 、パイル部厚みをL1
すれば、L1 /L2 は0.7以上であることが必要であ
る。
【0021】このL1 /L2 は、パイル直立度に関して
いるが、直立度の低いもの(L1 /L2 が小)は汚れ取
り性能が低くその持続性にも劣るし、もしパイルが寝て
しまったら凹凸がある面のくぼみを綺麗にすることがで
きない。特に方向性が強いものや、方向性がなくてもラ
ンダムに倒れたものでは、上滑り現象を起こして本発明
の目的を達成することができない。その意味ではパイル
のカット端接触が望ましいといえるが、側面接触を避
け、カット端接触を持続させるには、太さと長さが本発
明に規定されるものを用いて、L1 /L2 比が0.7以
上のパイル構造クロスとなることが必要である。
【0022】単位面積当たりの繊維の本数、つまり密度
や目付も重要である。パイルの目付量は100〜700
g/m2 が好ましく、より好ましくは200〜450g
/m 2 である。このような場合にパイルの本数は非常に
多くなる。例えば75μmの太さのフィラメント20本
からなる糸と34μmの太さのフィラメント100本か
らなる糸を交互に使用して、メリヤス編物で140cm幅
当たり960針で32目/吋でパイルを構成した場合、
1億500万本/m2 のパイル本数となり、電着植毛で
75μmと34μmの太さの繊維の混合パイル(重量ベ
ースで50%:50%、本数ベースで16%:84%)
で2mmの繊維長、100g/m2 の目付量のもので26
00万本/m2 のパイル本数となる。これらは24mmφ
のコインに対して12,000〜48,000パイルが
接触することになる。パイルの密集度が低ければ耐久性
が劣り、またパイルはブロック化しているよりは分散化
してランダムなほうが有効に作用する。
【0023】もしパイルクロスの腰だけが清拭性のポイ
ントであるならば、緊密にパイルを植えるのも一方法で
あるが、それだけではよい結果は得られない。パイル群
にある程度の空間を持つことがかえってよい結果を生
み、ある程度の空間を有していても長い時間へたらぬた
めに、本発明の構成が有効である。またパイル表面は平
坦なほうがよい。そのほうが接触はムラなく均一にでき
るからであり、この意味でパイル面のシャーリングは重
要である。
【0024】パイルの素材としては、ポリアミド、ポリ
エステル、ポリオレフィン、ポリビニル系の合成繊維、
ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、アセテートレ
ーヨンなどセルロース系の繊維、獣毛、麻などの天然繊
維が用いられるが、好適例は再生セルロース系であり、
特にビスコースレーヨンである。なぜならば、ビスコー
スレーヨンは耐熱、不融であり、コインと高速接触処理
による摩擦に強く、しかも摩擦接触によりコインを摩耗
させないからである。さらに、低帯電で電子機器への静
電気障害を起こしにくく、繊維断面形状が複雑であり、
汚れを保持する力に優れているからである。上記のう
ち、コインの寿命を縮めない点と静電気障害を起こしに
くい点は、ランニング上大きなメリットである。特に後
者の場合、高圧帯電すると遊技者に電撃を与えたり、静
電気による再付着、機械の誤動作など厄介な問題を引き
起こすからである。
【0025】パイル構造を有する材料は、前述のように
織物、メリヤス編物、トリコット編物、電着植毛布な
ど、各々長所、利点を有するが、織物の場合、面が綺麗
でパイルの分散性および寸法安定性がよく、方向性が出
にくいことのほか、スリッティングなど行った場合のカ
ット部のほつれが比較的軽微なこともあり、総合的に見
て最も好適である。
【0026】なお、パイル構造を有する材料は平面状の
ものに限定されず、織物、編物等の平面的材料を立体的
に加工し、目的とする清拭用途に適した形状としたもの
でもよい。またパイルは通常無処理であるが、より強固
な捕集、より多くの捕集、継続的な捕集効果を求める場
合には、油性の吸着剤としてのオイルを付与することが
できる。その場合、鉱物油系のオイルとしてパラフィン
系、ナフテン系、アロマチック系などを用いる。オイル
量が多すぎると、コイン面に対してオイル移行によるベ
トツキを招くので適性オイル量であることが必要であ
る。少量のオイルは効果的である。
【0027】本発明の清拭材を用い、コインを2000
枚/分で処理した場合で見ると、従来クロスの場合、短
時間で清拭性が低下し、数千枚程度で残留汚れが大とな
るが、本発明のものは数万〜20万枚まで清拭性が低下
しないことがわかった。なお、拭き取り性能は汚れが付
着したコインの両面からクロスを挟み込み、コインを両
サイドからサイドベルトで回転搬送させて接触拭き取る
操作を行い、一定時間ごと、または一定枚数ごとのコイ
ン表面の残留汚れを視覚判定した。ベトツキに対して
は、油脂を含んだ汚れを付着させ、コイン表面の残留ベ
タツキ感を触感判定した。
【0028】凹凸のあるコイン表面の汚れを拭き取る場
合、一般的に凸部表面や、その上部のコーナ部、側面は
比較的拭き取り易い。しかし凹部はもちろんであるが、
凸部でも他より相対的に低い部分などは汚れが取りにく
かった。本発明ではこのように従来のクロスでは清浄に
なりにくかった部分に対して特に効果的である。すなわ
ち、精度の低い表面、汚れの残り易かったり荒れたり傷
ついたりした表面、摩耗、損耗した表面、凸部に囲まれ
た複雑な凹部、凸部でも相対的にへこんだ部分などに対
して優れた清拭効果を発揮する。
【0029】
【実施例】次に、実施例および比較例によって本発明を
さらに具体的に説明する。 実施例1 グスケン(GUS KEN)のレピア式ダブルフェース
織機を用いて下記の条件にてパイル織物を製織した。
【0030】 経糸:ポリエステル30/2、42本/吋 緯糸:ポリエステル30/2、54本/吋 パイル糸のブラッシングパイルとワイピングパイルとし
ては、下記のものを一本交互に整経し、八越構造(W字
型構造)にて製織した。パイルの密度は経方向27本/
吋、緯方向21本/吋で、27×21本/(吋)2 であ
る。
【0031】ブラッシングパイル:ビスコースレーヨ
ン、900d/6f(円形換算直径120μm、以下同
様)、900d/10f(92μm)、900d/15
f(75μm)、900d/30f(53μm)、90
0d/50f(41μm)、900d/90f(31μ
m) ワイピングパイル:ビスコースレーヨン、900d/1
00f(29μm) 製織後、ブラッシングおよびシャーリングを行い、パイ
ル部の厚みを1.5mmとした。パイルの目付量は390
±20g/m2 である。
【0032】得られたクロスを幅20mmにスリッティン
グし、前記記載の方法にてコインの汚れ拭き取り性を評
価した。すなわち、コインを両面からクロスで挟み、サ
イドベルトにより回転搬送させる。クロスは固定し、ホ
ワイトボード用インキ(アルコール系インキ)を塗布し
たコインを2000枚/分の条件で通過させた。一定枚
数ごとにコインを拭き取り、コイン表面の残留汚れを視
覚判定する方法でクロスの性能を評価した。結果を表1
に示す。
【0033】判定は下記の基準にて5段階評価した。 完全に拭き取れてインクの残留が認められないもの ……5 細かな凹部のごく一部が残るもの ……4 凹部のくぼみが部分的に残るもの ……3 広い凹部や部分的に凸部も残るもの ……2 ごく一部以外ほぼ全体的に残っているもの ……1 またホワイトボード用インキに手垢代替物質としてラー
ド(豚脂)を5%溶解させたものをコインに塗布し、同
様に拭き取り後のコイン表面の残留ベトツキ感を触感判
定した。
【0034】判定は下記の基準にて3段階評価した。こ
れらの結果を表1に示す。 ベトツキの感じられないもの ……○ ベトツキがが僅かに感じられるもの ……△ ベトツキが拭き取る前と大差のないもの……×
【0035】
【表1】 表1で示された結果からわかるように、繊維の太さが5
0μmを下回ると汚れ除去性能の持続性低下が見られ、
40μm以下になると著しく性能低下する。またベトツ
キ感は全般的に取り除けることがわかるが、ブラッシン
グパイルが100μmを超えるとややベトツキ感の残留
が認められる。またブラッシングパイルが細くても同様
の傾向が見られるのは、パイルが倒れて有効に作用しな
くなるためと推定される。したがって凹凸ある表面の場
合、ブラッシングパイルが共存して初めてワイピングパ
イルの拭き取り性能が発揮されることがわかる。 比較例1 実施例1と同じ製織条件にて、比較のためにワイピング
パイルを使用せず、92μmと75μmのブラッシング
パイルのみを用いて同様に性能評価した。その結果を表
2に示す。
【0036】
【表2】 表2の結果より、ブラッシングパイルのみの場合、ホワ
イトボード用インクのように粉状汚れを取り除く性能は
全く遜色ないが、実施例1の結果と比較してわかるよう
に油性度の高い粘性汚れに対しては、拭き取り性能が低
くなることがわかる。 比較例2 ワイピングパイルとしては実施例1と同じものを用い
て、ブラッシングパイルとして150μmより大きい場
合の拭き取りを、ナイロン6のブラシで太さ180μm
と300μmのもので同様にテストを行った。ブラッシ
ングパイルとしてこのような太さになると、乾式拭き取
りでは3以下の評価しか得られず、湯を併用した洗浄で
なければ汚れを除去し難いことがわかった。 実施例2 ブラッシングパイルとして、ビスコースレーヨン900
d/15f(75μm)を用い、ワイピングパイルとし
て900d/50f(41μm)、900d/90f
(31μm)、900d/180f(22μm)、90
0d/900f(10μm)との組合わせで、実施例1
と同一規格の織物を作成した。
【0037】実施例1と同様の評価を行った結果を表3
に示すが、ホワイトボードインキはいずれもよく取り除
けるが、油性度の高い粘性汚れに対しては、ワイピング
パイルが40μmより大きくなるとベトツキ感が残る傾
向が認められた。
【0038】
【表3】 実施例3 実施例1のブラッシングパイル75μmのもので、パイ
ル長を長めに製織し、シャーリングによってパイル部厚
みを3.0、2.5、2.0、1.5、1.0mmと変化
させたパイルクロスを作成した。
【0039】実施例1と同様の評価を行った結果を表4
に示すが、パイル部厚みが2.5mmを超えると耐久性に
乏しい傾向が認められ、実用性がないことがわかる。
【0040】
【表4】 実施例4 75μmの太さのビスコースレーヨンの繊維束と、29
μmの太さのビスコースレーヨンの繊維束を各々2.5
mmの繊維長にカットし、重量比で50%、50%に混合
したこ。このようにして作成したカット繊維を用いてポ
リエステルの不織布にアクリル系接着剤を用いて電着植
毛した。そのときの電着剤付着量、電圧、飛翔距離、不
織布の移動速度などを変化させて、目付量を220±2
0g/m 2 とした上で、パイル部の厚みを変化させた。
【0041】そうして得られた電着植毛布を実施例1と
同様な方法にて評価した結果を表5に示す。パイルを構
成する繊維長L2 と、パイル部の厚みL1 との比L1
2 が重要で、0.7に達しないと耐久性に欠けて実用
的でないことがわかる。
【0042】
【表5】 実施例5 ブラッシングパイルとして、ビスコースレーヨン600
d/10f(75μm)と、ワイピングパイルとして6
00d/75f(28μm)を交撚した1200dの糸
と、ブラッシングパイルとして450d/15f(53
μm)とワイピングパイルとして450d/56f(2
8μm)を交撚した900dの糸を、960針/54吋
幅のメリヤスパイル編機で製編した。
【0043】パイル密度は経方向、緯方向とも17本/
吋とし、両者ほぼ同一密度で編上げたものをシャーリン
グカット後1.5mmのパイル長とした。両者の拭き取り
評価結果は表6に示すが、前者のほうがブラッシングパ
イル繊維の太さも目付量も大であったが、拭き取り性が
劣った。その原因を調べてみると、同一の編組織目に前
者のものは全体として太い糸の状態で編み込まれたため
糸にテンションが掛かり、結果としてパイルに強い方向
性が発生し、L1 /L2 は0.65であった。
【0044】
【表6】
【0045】
【発明の効果】本発明の清拭材は、上記のように優れた
清拭能力を有するが、その効果を列記すると以下のとお
りである。 (1)コイン表面の汚れがよくとれる。コイン表面に付
着した手の脂肪分や手垢汚れ、煙草のヤニなど粘性の汚
れ、微小なゴミ、錆、金属粉など粉体、固形物の汚れと
も、従来法の樹脂ペレットを用いた粒浴式に較べて拭き
取り性が格段に向上した。しかもその効果が長時間持続
する。 (2)乾式拭き取りで、操作が簡単である。
【0046】従来の湯洗式に較べて乾燥などの処理操作
が不要で手間がかからず、しかも乾式清拭のためオンラ
インでの迅速な処理が可能となった。 (3)処理速度が速い。実施例では2000枚/分の処
理条件での例を示したが、5000枚/分の高速処理が
可能である。
【0047】従来の方法では、例えば特開昭63−31
586号公報に見られるように400枚/分程度の処理
速度が限度であったが、これを著しく向上させた。処理
速度の向上は、装置のコンパクト化をもたらす。 (4)メンテナンスの手間が大幅に削減される。従来の
洗浄方式の場合、オフライン操作であることが多く、閉
店後の余分な労働を強いられていたが、本発明のクロス
材では完全にオンライン化可能で、メンテナンスの手間
が実質的に不要であり、洗浄作業から従業者を解放し
た。 (5)コインが摩耗、変形しにくい。
【0048】コインとの接触は、従来の樹脂ペレット式
に較べ本発明は繊維状であり、コインの模様などを摩耗
させにくくコインの使用可能期間が延びる。特にパイル
素材としてビスコースレーヨンが好ましい。なお、従来
の樹脂ペレットの場合、コインの角の磨滅や変形は避け
られなかった。 (6)パイル素材としてビスコースレーヨンを用いると
静電気の発生によるトラブルを防止できる。
【0049】摩擦帯電圧が低いため、遊技者との間の放
電による電撃もなく不快感を与えることはない。また帯
電量が大きくなると、拭き取り処理後に再び微小なゴミ
が付着し易くなり、付着したゴミを遊技場内に持ち込
み、動作不良を起こし易くなるが、この場合そのような
トラブルを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の清拭材のパイル構造の断面図。
【符号の説明】
1…パイル、2…地糸層またはベース生地層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06C 27/00 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル構造を有する材料であって、パイ
    ル繊維が、円形換算直径が50〜150μmのブラッシ
    ングパイルと、円形換算直径が5〜40μmのワイピン
    グパイルを含んで構成されている複合パイルであること
    を特徴とする清拭クロス材。
  2. 【請求項2】 パイルを構成する繊維素材がビスコース
    レーヨンである請求項1記載の清拭クロス材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09313417A (ja) * 1996-05-28 1997-12-09 Daiwabo Co Ltd ワイピングクロス
US7228587B2 (en) 2000-07-10 2007-06-12 Unicharm Corporation Cleaning article

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