JPH072380Y2 - 二・三輪車用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は二・三輪車用シートに係り、特にヘルメット等
を収納することのできる二・三輪車に用いられるシート
に関する。

［従来の技術］ 従来からヘルメット等を収納できる、いわゆるメットイ
ンタイプの二輪車用シートＳに関しては、第5A図および
第5B図で示すように、収納部（いわゆるラゲージボック
ス）Ｂに収納したヘルメットＨの頭部と接するボトムプ
レート51の位置に、円形切欠部52を形成して、この切欠
部52からウレタンフォーム材等のクッション材53をラゲ
ージボックスＢ内に張出させて、収納したヘルメットＨ
を固定していた。なお符号54は表皮材である。

［考案が解決しようとする課題］ 上記第5A図および第5B図で示す従来例によればウレタン
フォーム等からなるクッション材53をラゲージボックス
Ｂ内に大きく突出させているので、時間が経過するにし
たがって、黄色く変色してシートＳを開放したときの商
品性を低下させたり、クッション材53が露出しているた
め、この部分から水分を吸収して劣化し、ヘルメットＨ
の押え機能を低下させたりする問題があった。またヘル
メットＨの形状についても、クッション材53と当接しな
い限り、ヘルメットＨを押えることができず、勢いゲー
ジボックスＢの形状が限定されるという問題もあった。

本考案の目的は、ヘルメットの形状を問わず確実にラゲ
ージボックス内のヘルメットを押え固定することのでき
る二・三輪車用シートの提供にある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記課題を解決するために成されたものであ
り、本考案に係る二・三輪車用シートは、収納部を備え
た二・三輪車に配設されるシートであって、ボトムプレ
ート上にクッション材を載置して表皮材で被覆した二・
三輪車用シートにおいて、前記ボトムプレート下面に前
記収納部内へ膨出可能なエアバックが配設された構成と
する。

［作用］ 本考案によれば、ボトムプレート下面に収納部内へ膨出
可能なエアバックが配設されているので、このエアバッ
ク内に空気を注入することによって、エアバックを膨出
することができ、収納部に配設された収納品例えばヘル
メット等を安定的に固定する。また、膨出したエアバッ
クは所定形状をしていないので、収納品の形状等に関係
せず収納物を固定することができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。な
お、以下に説明する部材，配置等は本考案を限定するも
のでなく、本考案の趣旨の範囲内で種々改変することが
できるものである。

第1A図ないし第1D図は本考案の第一実施例を示すもので
あり、第1A図及び第1C図で示すように、本例のシートＳ
はソングルシートの例を示し、ボトムプレート１上にク
ッション材２を載置して表皮材３で被覆して成る。本例
の二輪車は、ボディカバー11内にヘルメットＨ等を収納
するための、いわゆるラゲージボックスＢが形成されて
おり、このラゲージボックスＢの上に蓋体を兼ねて上記
シートＳが配設されている。上記シートＳのボトムプレ
ート１下部には、袋体から成るエアバック５が配設され
ている。第1B図及び第1C図で示すように、エアバック５
は空気吸入口5aと、取付け部5bと、図示しない空気抜き
口を備えており、空気吸入口5aはクッション材３内に配
設された連結管６を介して空気注入ポンプＰと連結され
ており、空気吸入口5aには、図示しない逆止弁が設けら
れている。そして、エアクッション５の所定箇所には空
気抜き口が配設されている。また取付け部5bは上端部に
所定数の拡径部5dを備えてボトムプレート１側に形成さ
れている。本例の空気注入ポンプＰは、筒形の蛇腹体か
ら形成されており、上面側（すなわちボトムプレート
側）は、連結管６と接続されて下面は開放されている。
なお第1B中の鎖線は、空気抜き口からエアバック５の空
気を抜いた状態を示すものである。

本例のエアバック５の配設は次のように行なう。上記ボ
トムプレート１の所定箇所（本例では略中央）に上記取
付け部5aと同数の孔1aが穿設されており、この孔1aに取
付け部5bの拡径部5dを嵌入すると共に、エアバック５の
空気注入口を連結管６と接続する。次に連結管６の他端
と空気注入ポンプＰを連結する。

本例は、以上のように構成されているので、シートＳを
開放したときに、空気注入ポンプＰの蛇腹が伸長し、シ
ートＳを閉じると、蛇腹が縮み空気がエアバックＢ内に
入り込む。

なお、エアバック５をボトムプレート１に取り付ける場
合に、上記のように取付け部5bに拡径部5dを設けて行な
うだけでなく、面状ファスナやホック等接合具を用いる
ことができる。

また、シートＳの開閉および装着は次の様にして行な
う。即ち、シートＳは前側裏面にヒンジ部が形成され
て、上記ラゲージボックスＢの蓋体として開閉可能に形
成されている。ヒンジ部は、第4A図及び第4C図で示すよ
うに、突起部41と連結部材42と係合部材43とから構成さ
れている。突起部41は、ボトムプレート１前方下部に下
方に延出して二本形成され、ラゲージボックスＢの壁Ba
上端外周の前方（第1C図において左側）に固定ねじ44に
よって配設された係合部材43と、連結部材42によって係
合している。連結部材42は、所定間隔を置いて二本の丸
棒を配設して形成されており、二本の突起部41間に配設
される。係合部材43は、上記二本の突起部41間の幅より
小さい幅からなる湾曲した板体であり、板体の中央に溝
45が形成されている。溝45の上端（第4C図）はシートＳ
を開放するときに上記連結部材42（すなわち二本の丸
棒）が位置できるように拡大部45aを有しており、溝45
の下部には段部45bが、上記連結部材42の縦方向の幅と
略同じ位置に形成されている。そして、突起部41と一体
になった連結部材42が係合部材43の溝45に配置される。
第4C図中一点鎖線はシートＳを開放したときの状態を示
すものであり、鎖線Ｙはボトムプレート１先端Ｘ点の軌
跡を示すものである。

また上記ヒンジ部と反対側のボトムプレート１には棒状
のシートロック（図示せず）が配置されており、車体側
に設けられた図示しないシートキャッチによりシートＳ
と車体とを締結するように構成されている。

第2A図乃至第2E図は本考案の第２実施例を示すものであ
り、本例において上記実施例と同一部材等には同一符号
を付してその説明を省略する。本例では、第2A図で示す
ように、空気注入ポンプＰとして足踏みポンプ21と、こ
れに接続された管体22と、吸排気切り替えバルブ23とを
用いて、エアバック５と連結した例を示すものである。
すなわち、エアバック５の注入口5aをポンプ21が配設さ
れている側の側面に形成し、この注入口5aと吸排気切り
替えバルブ23とを管体24を用いて連結し、吸排気切り替
えバルブ23と足踏みポンプ21とを管体22により連結した
ものである。本例の吸排気切換バルブ23は、第2E図で示
すような外観をしており、第2C図及び第2E図で示す様
に、弁箱23aと、回転プラグ23bとから構成され、弁箱23
aには中心部に円柱状の空間部が形成され、この空間部
から３方へ通路25a,25b,25cが配設されている。これら
の通路のうち、通路25aは管体24と連結され、通路25cは
管体22と連結され、通路25bは開放されている。また回
転プラグ23bは、上記空間部と整合するような円柱体を
して、上記空間部に回転可能に嵌着されている。そして
回転プラグ23bの内部には、Ｔ字状の通路26が形成され
ている。この通路26の径は、上記弁箱23aの通路25a,25
b,25cの径と同形となっている。また管体22と通路25cと
の間には、逆支弁27がが配設されている。なお第2E図の
符号28は回転プラグ23bと一体となったつまみである。

本例のように構成すると、バルブ23のつまみを回転させ
第2C図の状態にして、ポンプ21から空気を注入すること
によって、収納部内のエアバックを膨出させることがで
きる。また空気を排出するときには、第2D図の状態に吸
排気切換バルブを位置させることによって行なう。

なお足踏みポンプ21の配設位置は、第2B図で示すよう
に、運転の邪魔にならない箇所に設けるものであり、吸
排気切換バルブも本例に限定されるものではない。

第３図及び第3B図は本考案の第３実施例を示すものであ
り、本例においても上記実施例と同一部材等には同一符
号を付してその説明を省略する。本例では、空気注入ポ
ンプＰとしてハンドポンプ31にしたものである。また、
ハンドポンプ31がサイドカバー11内に収納できるよう
に、サイドカバー11の所定箇所に収納ボックス部30を形
成している。収納ボックス30は、蓋体32により開閉自在
に形成され、ハンドポンプ31は係止部33によって固定さ
れる。

［考案の効果］ 本考案は上記のように、ボトムプレート下面に収納部内
への膨出可能なエアバックが配設されているので、この
エアバック内に空気を注入することによって、エアバッ
クを膨出することができ、収納部に配設された収納品例
えばヘルメット等を安定的に固定する。また、膨出した
エアバックは所定形状をしていないので、収納品の形状
等に関係せず収納物を固定することができる。このた
め、収納部の形状の自由度を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第1A図乃至第1D図は本考案の第１実施例を示し、第1A図
はシートを装着した状態を示す側面図、第1B図はヘルメ
ットを収納した状態を示す要部横断面図、第1C図はヘル
メットを収納した状態を示す要部縦断面図、第1D図は空
気注入状態を示す要部説明図、第2A図乃至第2E図並びに
第3A図及び第3B図は、空気注入の他の実施例を示すもの
であり、第2A図は要部断面図、第2B図は要部斜視図、第
2C図及び第2D図は吸排気切換バルブの概略断面図、第2E
図は吸排気切換バルブの外観図、第3A図は要部断面図、
第3B図は外観図、第4A図乃至第4C図はシートの開閉装置
を示すもので、第4A図は要部斜視図、第4B図は第4A図の
構成図、第4C図は作動説明図、第5A図及び第5B図は従来
例を示し、第5A図は要部断面図、第5B図はシートの裏面
を示す斜視図である。 １……ボトムプレート、２……クッション材、３……表
皮材、５……エアバック、Ｂ……収納部（ラゲージボッ
クス）、Ｐ……空気注入ポンプ（足踏みポンプ）、Ｈ…
…収納物（ヘルメット）、Ｓ……シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】収納部を備えた二・三輪車に配設されるシ
   ートであって、ボトムプレート上にクッション材を載置
   して表皮材で被覆した二・三輪車用シートにおいて、前
   記ボトムプレート下面に前記収納部内へ膨出可能なエア
   バックが配設されたことを特徴とする二・三輪車用シー
   ト。