JPH07238091A - 糖タンパク質及びこれを有効成分とする食欲抑制剤 - Google Patents
糖タンパク質及びこれを有効成分とする食欲抑制剤Info
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Abstract
の糖タンパク質及びこれを有効成分とする食欲抑制剤を
提供するものである。 【構成】本発明の糖タンパク質は、ヒラタケの子実体か
ら分離され、下記1)〜5)の特性を有する。 1)数平均分子量(ゲル濾過法、デキストラン換算):
70000〜90000 2)等電点:8.2〜9.2 3)糖含量(フェノール−硫酸法):2.2〜3.0重
量% 4)N末端アミノ酸配列:アラニン−スレオニン−バリ
ン−リジン−イソロイシン−スレオニン−アラニン−ス
レオニン−プロリン−アルギニン−グルタミン−フェニ
ルアラニン−グリシン 5)レクチン活性:有
Description
離される新規の糖タンパク質及びこれを有効成分とする
食欲抑制剤に関する。
タンパク質に抗腫瘍作用のあることが報告されている
(特開昭58−118519、特開昭58−12129
7)。一方、テトラヒドロピリジン化合物、デオキシ−
D−グルコール誘導体、キチン等のアミノ多糖類、トリ
グリセリド誘導体に食欲抑制作用のあることが報告され
ている(特開昭57−159714、特開昭60−81
127、特開昭62−123122、特開平3−220
123)。
実体から分離される糖タンパク質及びその食欲抑制作用
については報告がない。
叙上の如き実情に鑑み、ヒラタケの子実体から分離され
る糖タンパク質及びその食欲抑制作用について研究した
結果、ヒラタケの子実体に所定の処理を施すと、新規の
糖タンパク質が分離され、該糖タンパク質が優れた食欲
抑制作用を示すことを見出した。
分離される、下記1)〜5)の特性を有する糖タンパク
質及び該糖タンパク質を有効成分とする食欲抑制剤に係
る。 1)数平均分子量(ゲル濾過法、デキストラン換算):
70000〜90000 2)等電点:8.2〜9.2 3)糖含量(フェノール−硫酸法):2.2〜3.0重
量% 4)N末端アミノ酸配列:アラニン−スレオニン−バリ
ン−リジン−イソロイシン−スレオニン−アラニン−ス
レオニン−プロリン−アルギニン−グルタミン−フェニ
ルアラニン−グリシン 5)レクチン活性:有
ケ ( Pleurotus ostreatus ) は、ハラタケ目 ( Agaric
ales ) 、シメジタケ科 ( Tricholomataceae ) に属す
るきのこである。本発明ではヒラタケの子実体(傘部及
び/又は柄部)を用い、該子実体は人工栽培物又は天然
物のどちらでもよいが、土伏栽培物又は原木栽培物を用
いるのが好ましく、なかでも傘部が大きくて柄部の太い
ものを用いるのが特に好ましい。
の子実体から下記の抽出工程、沈殿工程及び分画工程を
経て得られる。
砕物若しくは磨砕物、その乾燥物又はその乾燥粉砕物を
水、生理的食塩水又は20重量%以下の範囲内にて極性
有機溶媒を溶解した水溶液で抽出処理し、その抽出液を
得る。この場合の極性有機溶媒としてはメチルアルコー
ル、エチルアルコール、アセトン等がある。例えば、ヒ
ラタケの子実体の乾燥粉砕物に10〜30倍量の水を加
え、室温下で、好ましくは40℃以下で、更に好ましく
は撹拌しつつ、10〜30時間程度抽出処理し、濾過又
は遠心分離して、抽出液を得る。
タンパク質が含まれてくるので、該抽出液、その濃縮液
又はその乾燥物も食欲抑制剤の有効成分とすることがで
きる。
酸アンモニウム又は極性有機溶媒で沈殿処理し、その沈
殿物を得る。この場合の極性有機溶媒としてはメチルア
ルコール、エチルアルコール、アセトン等がある。抽出
液を減圧濃縮した、好ましくは40℃以下の温度で減圧
濃縮した濃縮液を沈殿処理に供することもできる。抽出
液又はその濃縮液に対して、硫酸アンモニウムは60〜
90重量%飽和の範囲で加え、また極性有機溶媒は等量
〜3倍量の範囲で加えると、目的とする糖タンパク質を
含有する物質が沈殿する。例えば、抽出工程で得た抽出
液に硫酸アンモニウムを90重量%飽和まで加え、室温
下に静置して目的とする糖タンパク質を含有する物質を
沈殿させ、濾過又は遠心分離して、沈殿物を得る。
タンパク質が含まれてくるので、該沈殿物又はその乾燥
物も食欲抑制剤の有効成分とすることができる。
ロマト分画処理し、目的とする糖タンパク質を含有する
分画液を得る。クロマト分画処理は、詳しくは実施例で
後述するように、異なる担体及び移動相の組合わせで繰
り返して行ない、目的とする糖タンパク質を順次分画し
て、単離することができるが、沈殿工程で得た沈殿物を
水に対して透析処理し、その残留液(透析膜の内液)を
減圧下に、好ましくは40℃以下の減圧下に留去して、
更に同温度以下で凍結乾燥した後、その凍結乾燥物をア
フィニティークロマトグラフィーに供して、目的とする
糖タンパク質を単離することもできる。
タンパク質が含まれているので、該分画液、その濃縮液
又はその乾燥物を食欲抑制剤の有効成分とする。
分画工程を経て単離した本発明の糖タンパク質は下記
1)〜5)の特性を有しており、特に等電点が8.2〜
9.2の塩基性を示し、レクチン活性を有するという特
性がある。 1)数平均分子量(ゲル濾過法、デキストラン換算):
70000〜90000 2)等電点:8.2〜9.2 3)糖含量(フェノール−硫酸法):2.2〜3.0重
量% 4)N末端アミノ酸配列:アラニン−スレオニン−バリ
ン−リジン−イソロイシン−スレオニン−アラニン−ス
レオニン−プロリン−アルギニン−グルタミン−フェニ
ルアラニン−グリシン 5)レクチン活性:有
0.0の領域で人の赤血球凝集能を示すが、2’−フコ
シルラクトースとの特異的結合によりかかるレクチン活
性を失い、また湿潤状態では65℃以上の温度で急激に
レクチン活性を失う。したがって本発明では、抽出工
程、沈殿工程及び分画工程の全工程において、また各工
程で得た抽出液、沈殿物又は分画液を濃縮及び/又は乾
燥するに際して、これらの全処理を65℃以下の温度で
行なうのが好ましく、40℃以下の温度で行なうのが更
に好ましい。
用いた。平均傘径が4.5cmの子実体を40℃以下で凍
結乾燥し、ミキサーで粉砕した。その粉砕物200gに
4℃の水4リットルを加え、同温度で、撹拌しつつ、2
4時間抽出処理し、濾過して、抽出液を得た。抽出液を
40℃で1/2量に減圧濃縮し、その濃縮液に硫酸アン
モニウムを90重量%飽和まで加え、室温下に静置して
沈殿させ、遠心分離して沈殿物を得た。
(透析膜の内液)を40℃以下で凍結乾燥して、その凍
結乾燥物を下記のクロマト分画処理に供した。先ず、凍
結乾燥物を500mlの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.
0)に溶解し、同緩衝液で予め平衡化しておいたCMト
ヨパール(商品名、東ソー社製)に供した。同緩衝液で
充分に洗浄した後、0→1Mの濃度勾配で直線的に塩化
ナトリウム水溶液を流出させ、0.25Mの塩化ナトリ
ウム水溶液で流出した分画液Aを得た。
を1Mの濃度となるよう加え、予め1Mの硫酸アンモニ
ウム水溶液で平衡化しておいたブチルトヨパール(商品
名、東ソー社製)に供した。同硫酸アンモニウム水溶液
で充分に洗浄した後、1→0Mの濃度勾配で直線的に硫
酸アンモニウム水溶液を流出させ、0.25Mの硫酸ア
ンモニウム水溶液で流出した分画液Bを得た。
処理し、脱塩した残留液(透析膜の内液)を得、予め1
0mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)で平衡
化しておいたヒドロキシアパタイトに供した。同緩衝液
で充分に洗浄した後、10mM→3Mの濃度勾配で直線
的にリン酸ナトリウム緩衝液を流出させ、0.17Mの
リン酸ナトリウム緩衝液で流出した分画液Cを得た。
析処理し、その残留液(透析膜の内液)を40℃以下で
凍結乾燥した。その凍結乾燥物を5mlのPBS{10m
Mのリン酸緩衝液(pH7.4)+0.15Mの塩化ナ
トリウム水溶液}に溶解し、予め同PBSで平衡化して
おいたトヨパールHW55F(商品名、東ソー社製)に
供して、ゲル濾過した。かくして、前述した特性を有す
る本発明の糖タンパク質140mgを得た。この糖タンパ
ク質(以下、試料3という)を食欲抑制作用の試験に供
した。
表1に示した。
ケの子実体の粉砕物を水で抽出処理し、更にその抽出液
を硫酸アンモニウムで沈殿処理して、その沈殿物を得た
後、40℃以下の温度で凍結乾燥して、凍結乾燥物を得
た。この凍結乾燥物(以下、試料2という)を食欲抑制
作用の試験に供した。また別に、上記した場合と同様に
して、ヒラタケの子実体の粉砕物を水で抽出処理し、そ
の抽出液を40℃以下の温度で凍結乾燥して、凍結乾燥
物を得た。この凍結乾燥物(以下、試料1という)を食
欲抑制作用の試験に供した。
らの飼料を合計4群に分けた各群で5匹づつのラットに
自由摂食させ、自由摂食3日後の合計摂食量(g)及び
体重増減量(g)を測定し、結果を表3に示した。
合計摂食量の平均値)/対照群の合計摂食量の平均値}
×100 *:危険率0.1%で有意
明の糖タンパク質には優れた食欲抑制作用を示すという
効果がある。
Claims (6)
- 【請求項1】 ヒラタケの子実体から分離される、下記
1)〜5)の特性を有する糖タンパク質。 1)数平均分子量(ゲル濾過法、デキストラン換算):
70000〜90000 2)等電点:8.2〜9.2 3)糖含量(フェノール−硫酸法):2.2〜3.0重
量% 4)N末端アミノ酸配列:アラニン−スレオニン−バリ
ン−リジン−イソロイシン−スレオニン−アラニン−ス
レオニン−プロリン−アルギニン−グルタミン−フェニ
ルアラニン−グリシン 5)レクチン活性:有 - 【請求項2】 請求項1記載の糖タンパク質を有効成分
とする食欲抑制剤。 - 【請求項3】 下記の抽出工程を経て得られる、請求項
1記載の糖タンパク質を含有する抽出液、その濃縮液又
はその乾燥物を有効成分とする食欲抑制剤。 抽出工程:ヒラタケの子実体、その破砕物若しくは磨砕
物、その乾燥物又はその乾燥粉砕物を水、生理的食塩水
又は20重量%以下の範囲内にて極性有機溶媒を溶解し
た水溶液で抽出処理し、その抽出液を得る工程 - 【請求項4】 下記の抽出工程及び沈殿工程を経て得ら
れる、請求項1記載の糖タンパク質を含有する沈殿物又
はその乾燥物を有効成分とする食欲抑制剤。 抽出工程:ヒラタケの子実体、その破砕物若しくは磨砕
物、その乾燥物又はその乾燥粉砕物を水、生理的食塩水
又は20重量%以下の範囲内にて極性有機溶媒を溶解し
た水溶液で抽出処理し、その抽出液を得る工程 沈殿工程:抽出液を硫酸アンモニウム又は極性有機溶媒
で沈殿処理し、その沈殿物を得る工程 - 【請求項5】 下記の抽出工程、沈殿工程及び分画工程
を経て得られる、請求項1記載の糖タンパク質を含有す
る分画液、その濃縮液又はその乾燥物を有効成分とする
食欲抑制剤。 抽出工程:ヒラタケの子実体、その破砕物若しくは磨砕
物、その乾燥物又はその乾燥粉砕物を水、生理的食塩水
又は20重量%以下の範囲内にて極性有機溶媒を溶解し
た水溶液で抽出処理し、その抽出液を得る工程 沈殿工程:抽出液を硫酸アンモニウム又は極性有機溶媒
で沈殿処理し、その沈殿物を得る工程 分画工程:沈殿物をクロマト分画処理し、請求項1記載
の糖タンパク質を含有する分画液を得る工程 - 【請求項6】 各工程を含め、全処理を65℃以下の温
度で行なう請求項3、4又は5記載の食欲抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6053210A JP2911097B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 糖タンパク質及びこれを有効成分とする食欲抑制剤 |
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JP6053210A JP2911097B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 糖タンパク質及びこれを有効成分とする食欲抑制剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07238091A true JPH07238091A (ja) | 1995-09-12 |
JP2911097B2 JP2911097B2 (ja) | 1999-06-23 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105996127A (zh) * | 2016-07-12 | 2016-10-12 | 福建中烟工业有限责任公司 | 氨基酸甘油酯用于降低卷烟烟气中苯酚释放量的用途 |
JP2017510635A (ja) * | 2014-03-19 | 2017-04-13 | イッサム リサーチ ディベロップメント カンパニー オブ ザ ヘブリュー ユニバーシティー オブ エルサレム リミテッド | オストレオリシン、機能的に関連したその変異体、オストレオリシンを含む抽出物、及びそれらの使用 |
-
1994
- 1994-02-25 JP JP6053210A patent/JP2911097B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10493123B2 (en) | 2014-03-19 | 2019-12-03 | YISSUM RESEARCH DEVELOPMENT COMPANY OF of The Hebrew University of Jerusalem LTD. | Method of treating overweight or obesity comprising administering a pleurotus ostreatus mushroom extract or a composition comprising a pleurotus ostretus mushroom extract |
US10716825B2 (en) | 2014-03-19 | 2020-07-21 | Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem | Method of treating a liver disease comprising administering ostreolysin orfunctionally related variant thereof |
CN105996127A (zh) * | 2016-07-12 | 2016-10-12 | 福建中烟工业有限责任公司 | 氨基酸甘油酯用于降低卷烟烟气中苯酚释放量的用途 |
CN105996127B (zh) * | 2016-07-12 | 2019-06-14 | 福建中烟工业有限责任公司 | 氨基酸甘油酯用于降低卷烟烟气中苯酚释放量的用途 |
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