JPH07237995A - 超微結晶シリコン発光材料、その製造方法、超微結晶シリコン発光材料を用いた素子およびその製造方法 - Google Patents
超微結晶シリコン発光材料、その製造方法、超微結晶シリコン発光材料を用いた素子およびその製造方法Info
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- JPH07237995A JPH07237995A JP5489094A JP5489094A JPH07237995A JP H07237995 A JPH07237995 A JP H07237995A JP 5489094 A JP5489094 A JP 5489094A JP 5489094 A JP5489094 A JP 5489094A JP H07237995 A JPH07237995 A JP H07237995A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】室温において青色発光するとともに、発光波長
を容易に制御することができ、さらに素子の機能に応じ
た膜厚や形状などのサイズの制御を容易に行うことがで
きるようにした超微結晶シリコン発光材料、その製造方
法、超微結晶シリコン発光材料を用いた素子およびその
製造方法を提供する。 【構成】超微結晶シリコン発光材料は、平均粒径サイズ
が約7.5nm以下の極めて微小な超微結晶シリコンに
より構成され、超微結晶シリコン間の境界に不純物や格
子欠陥などを含まないようにした。
を容易に制御することができ、さらに素子の機能に応じ
た膜厚や形状などのサイズの制御を容易に行うことがで
きるようにした超微結晶シリコン発光材料、その製造方
法、超微結晶シリコン発光材料を用いた素子およびその
製造方法を提供する。 【構成】超微結晶シリコン発光材料は、平均粒径サイズ
が約7.5nm以下の極めて微小な超微結晶シリコンに
より構成され、超微結晶シリコン間の境界に不純物や格
子欠陥などを含まないようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超微結晶シリコン発光
材料、その製造方法、超微結晶シリコン発光材料を用い
た素子およびその製造方法に関し、さらに詳細には、可
視領域におけるルミネセンス発光を示す超微結晶シリコ
ン発光材料、その製造方法、可視領域におけるルミネセ
ンス発光を示す超微結晶シリコン発光材料を用いた素子
およびその製造方法に関する。
材料、その製造方法、超微結晶シリコン発光材料を用い
た素子およびその製造方法に関し、さらに詳細には、可
視領域におけるルミネセンス発光を示す超微結晶シリコ
ン発光材料、その製造方法、可視領域におけるルミネセ
ンス発光を示す超微結晶シリコン発光材料を用いた素子
およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、シリコン(Si)は間接遷移型の
半導体であり、しかもバンド・ギャップが「1.1e
V」と近赤外領域にあるため、可視光領域の発光素子と
しての応用は困難であると考えられてきた。
半導体であり、しかもバンド・ギャップが「1.1e
V」と近赤外領域にあるため、可視光領域の発光素子と
しての応用は困難であると考えられてきた。
【0003】ところが、近年において、フッ酸(HF)
の化成液中でシリコンを陽極化成して製造されるポーラ
ス・シリコンが、室温において強い可視光のフォトルミ
ネセンス発光を示すことが示され、シリコンを使用した
発光素子や、同一のシリコンの基板上に発光素子と電子
素子とを形成した光電子素子の開発の途を開くものとし
て期待された。
の化成液中でシリコンを陽極化成して製造されるポーラ
ス・シリコンが、室温において強い可視光のフォトルミ
ネセンス発光を示すことが示され、シリコンを使用した
発光素子や、同一のシリコンの基板上に発光素子と電子
素子とを形成した光電子素子の開発の途を開くものとし
て期待された。
【0004】しかしながら、ポーラス・シリコンは紫色
発光しないものであるためその用途が限定されてしまう
とともに、陽極化成により製造されるものであるため、
表面にたくさんの微小孔があり、素子として応用する際
に要求される膜厚や形状などのサイズの制御が不可能で
あるので、現実には素子として応用することが極めて困
難であることが指摘されており、紫色発光可能であると
ともに、しかも膜厚や形状などのサイズの制御を容易に
行うことができ、発光素子や光電子素子として応用可能
なシリコン材料の開発が強く要望されてきた。
発光しないものであるためその用途が限定されてしまう
とともに、陽極化成により製造されるものであるため、
表面にたくさんの微小孔があり、素子として応用する際
に要求される膜厚や形状などのサイズの制御が不可能で
あるので、現実には素子として応用することが極めて困
難であることが指摘されており、紫色発光可能であると
ともに、しかも膜厚や形状などのサイズの制御を容易に
行うことができ、発光素子や光電子素子として応用可能
なシリコン材料の開発が強く要望されてきた。
【0005】本発明は、上記した要望に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、室温において青
色発光するとともに、発光波長を容易に制御することが
でき、さらに素子の機能に応じた膜厚や形状などのサイ
ズの制御を容易に行うことができるようにした超微結晶
シリコン発光材料、その製造方法、超微結晶シリコン発
光材料を用いた素子およびその製造方法を提供しようと
するものである。
ものであり、その目的とするところは、室温において青
色発光するとともに、発光波長を容易に制御することが
でき、さらに素子の機能に応じた膜厚や形状などのサイ
ズの制御を容易に行うことができるようにした超微結晶
シリコン発光材料、その製造方法、超微結晶シリコン発
光材料を用いた素子およびその製造方法を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明による超微結晶シリコン発光材
料、その製造方法、超微結晶シリコン発光材料を用いた
素子およびその製造方法は、水素を含有しないようにし
てシリコンの結晶の粒径を極めて小さくそろえた超微結
晶として構成すると、各超微結晶シリコンがあたかもシ
リコン原子と同等な振る舞いをするようになって、室温
において安定的に強い青色発光を示すことの発見を契機
としてなされたものである。
成するために、本発明による超微結晶シリコン発光材
料、その製造方法、超微結晶シリコン発光材料を用いた
素子およびその製造方法は、水素を含有しないようにし
てシリコンの結晶の粒径を極めて小さくそろえた超微結
晶として構成すると、各超微結晶シリコンがあたかもシ
リコン原子と同等な振る舞いをするようになって、室温
において安定的に強い青色発光を示すことの発見を契機
としてなされたものである。
【0007】本発明においては、超微結晶が「水素を含
有しないこと」と後述する基板誘起結晶法(歪みによる
核成長をたくみに利用した方法)とにより、超微結晶の
平均粒径サイズを極めて微小なものにすることができ
る。即ち、歪みの分布を制御して、例えば、3nmの粒
径で結晶成長するだけのエネルギーを与えて、超微結晶
を3nmでそろえることができる。
有しないこと」と後述する基板誘起結晶法(歪みによる
核成長をたくみに利用した方法)とにより、超微結晶の
平均粒径サイズを極めて微小なものにすることができ
る。即ち、歪みの分布を制御して、例えば、3nmの粒
径で結晶成長するだけのエネルギーを与えて、超微結晶
を3nmでそろえることができる。
【0008】なお、不純物を意識的に添加して歪みを変
え、2nmの平均粒径サイズも達成できる。
え、2nmの平均粒径サイズも達成できる。
【0009】つまり、本発明においては、 (1)水素を含有しない (2)歪みをたくみに分布して利用する (3)他の不純物も制御する ことによって、 (1)7.5nm以下に大きさをそろえる高密度粒子の
製造 (2)水素などのキラー・センター(killer c
enter)がないので発光効率が高いことを実現でき
る。
製造 (2)水素などのキラー・センター(killer c
enter)がないので発光効率が高いことを実現でき
る。
【0010】ところが、従来のポーラス・シリコンのよ
うに水素を含有しているものでは、 (1)結晶の粒径は小さくしても10nm位である (2)水素が非発光中心などを作ったりあるいは赤色発
光したりする (3)仮に3nmの粒径の結晶を作成できても3nmの
みででそろえることはできないものであった。
うに水素を含有しているものでは、 (1)結晶の粒径は小さくしても10nm位である (2)水素が非発光中心などを作ったりあるいは赤色発
光したりする (3)仮に3nmの粒径の結晶を作成できても3nmの
みででそろえることはできないものであった。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明による超微結
晶シリコン発光材料、その製造方法、超微結晶シリコン
発光材料を用いた素子およびその製造方法の実施例を詳
細に説明するものとする。
晶シリコン発光材料、その製造方法、超微結晶シリコン
発光材料を用いた素子およびその製造方法の実施例を詳
細に説明するものとする。
【0012】まず、本発明による超微結晶シリコン発光
材料の製造方法の一実施例を説明することとする。
材料の製造方法の一実施例を説明することとする。
【0013】〔第1工程:アモルファス・シリコンの作
製〕高純度のシリコン単結晶から、電子ビーム加熱法あ
るいはスパッター法などの薄膜作製技術によって、単結
晶シリコン、多結晶シリコンあるいはアモルファス・シ
リコンなどのシリコン基板上に、基板温度制御および膜
厚制御を行いながら、水素や酸素などの不純物を含有し
ない高純度のアモルファス・シリコンの薄膜を所望の膜
厚で堆積形成する。
製〕高純度のシリコン単結晶から、電子ビーム加熱法あ
るいはスパッター法などの薄膜作製技術によって、単結
晶シリコン、多結晶シリコンあるいはアモルファス・シ
リコンなどのシリコン基板上に、基板温度制御および膜
厚制御を行いながら、水素や酸素などの不純物を含有し
ない高純度のアモルファス・シリコンの薄膜を所望の膜
厚で堆積形成する。
【0014】つまり、高純度のシリコン単結晶をソース
材料として、超高真空中において電子ビーム加熱法によ
り、シリコン基板上に所望の厚さのアモルファス・シリ
コンの薄膜を形成したり、高純度のシリコン単結晶をタ
ーゲット材料として、アルゴン(Ar)雰囲気中におい
てスパッター法により、シリコン基板上に所望の厚さの
アモルファス・シリコンの薄膜を形成する。
材料として、超高真空中において電子ビーム加熱法によ
り、シリコン基板上に所望の厚さのアモルファス・シリ
コンの薄膜を形成したり、高純度のシリコン単結晶をタ
ーゲット材料として、アルゴン(Ar)雰囲気中におい
てスパッター法により、シリコン基板上に所望の厚さの
アモルファス・シリコンの薄膜を形成する。
【0015】そして、上記におけるアモルファス・シリ
コンの薄膜形成処理の際には、チタンのゲッター作用を
用いて水素ガスを抽出し、シリコン原子と水素原子との
結合を防ぐようにするとともに、適宜の方法により酸素
ガスを抽出し、シリコン原子と酸素原子との結合を防ぐ
ようにして、水素および酸素を極力含有しないようにし
たアモルファス・シリコンを形成するようにする。
コンの薄膜形成処理の際には、チタンのゲッター作用を
用いて水素ガスを抽出し、シリコン原子と水素原子との
結合を防ぐようにするとともに、適宜の方法により酸素
ガスを抽出し、シリコン原子と酸素原子との結合を防ぐ
ようにして、水素および酸素を極力含有しないようにし
たアモルファス・シリコンを形成するようにする。
【0016】さらに、シリコンの基板温度を約250゜
C以下に押さえるようにして、基板に形成されるアモル
ファス・シリコンの結晶化を確実に防止する。
C以下に押さえるようにして、基板に形成されるアモル
ファス・シリコンの結晶化を確実に防止する。
【0017】即ち、上記したように第一工程は、ゲッタ
ーポンプを含む超高真空系におけるシリコン原子ビーム
堆積法、電子ビーム蒸着法あるいはシリコン高純度ター
ゲットのスパッタ法などの無水素系結晶成長システムを
構築して、シリコン基板上にアモルファス・シリコンを
堆積させるものである。
ーポンプを含む超高真空系におけるシリコン原子ビーム
堆積法、電子ビーム蒸着法あるいはシリコン高純度ター
ゲットのスパッタ法などの無水素系結晶成長システムを
構築して、シリコン基板上にアモルファス・シリコンを
堆積させるものである。
【0018】図1は、上記における電子ビーム加熱法を
実施するための電子ビーム蒸着装置であり、真空チャン
バー10と、真空チャンバー10内に配設された電子ビ
ーム発生源12と、真空チャンバー10内を超真空にす
るためのサブリメーション・ポンプ14、ディフュージ
ョン・ポンプ16およびロータリー・ポンプ18よりな
るポンプ群と、シリコン基板20の温度を約250゜C
以下に押さえるよう制御する基板温度コントローラー2
2とを備えている。
実施するための電子ビーム蒸着装置であり、真空チャン
バー10と、真空チャンバー10内に配設された電子ビ
ーム発生源12と、真空チャンバー10内を超真空にす
るためのサブリメーション・ポンプ14、ディフュージ
ョン・ポンプ16およびロータリー・ポンプ18よりな
るポンプ群と、シリコン基板20の温度を約250゜C
以下に押さえるよう制御する基板温度コントローラー2
2とを備えている。
【0019】上記のように構成された電子ビーム蒸着装
置において、ソース材料24として高純度シリコン単結
晶を配置する。そして、電子ビーム発生源12から放出
される電子ビームをソース材料24に衝突させて、ソー
ス材料24からシリコン原子を放出させる。こうしてソ
ース材料24から放出されたシリコン原子がシリコン基
板20に付着し、シリコン基板20上にアモルファス・
シリコンの薄膜を形成する。
置において、ソース材料24として高純度シリコン単結
晶を配置する。そして、電子ビーム発生源12から放出
される電子ビームをソース材料24に衝突させて、ソー
ス材料24からシリコン原子を放出させる。こうしてソ
ース材料24から放出されたシリコン原子がシリコン基
板20に付着し、シリコン基板20上にアモルファス・
シリコンの薄膜を形成する。
【0020】また、図2は、上記におけるスパッター法
を実施するためのスパッター装置であり、図1の電子ビ
ーム蒸着装置と共通する構成部材には同一の符号を付し
て示すことにより、詳細な説明は省略する。
を実施するためのスパッター装置であり、図1の電子ビ
ーム蒸着装置と共通する構成部材には同一の符号を付し
て示すことにより、詳細な説明は省略する。
【0021】このスパッター装置においては、真空チャ
ンバー10内にアルゴン・ガスを導入し、高周波コント
ローラー21の制御によりイオン化されたAr+イオン
をターゲット材料26へ衝突させ、ターゲット材料26
から放出されたシリコン原子がシリコン基板20に付着
し、シリコン基板20上にアモルファス・シリコンの薄
膜を形成する。
ンバー10内にアルゴン・ガスを導入し、高周波コント
ローラー21の制御によりイオン化されたAr+イオン
をターゲット材料26へ衝突させ、ターゲット材料26
から放出されたシリコン原子がシリコン基板20に付着
し、シリコン基板20上にアモルファス・シリコンの薄
膜を形成する。
【0022】なお、膜厚は用途に応じて任意の厚さにし
てよく、例えば、数十nm乃至数μmとすることができ
る。
てよく、例えば、数十nm乃至数μmとすることができ
る。
【0023】〔第2工程:アモルファス・シリコンの結
晶化:超微結晶シリコン発光材料の作製〕基板誘起結晶
法(substrate induced cryst
allization method by rapi
d thermal annealing)を用いて、
上記第1工程で作成したアモルファス・シリコンを、5
00゜C乃至1050゜Cの温度範囲で加熱処理し、結
晶の平均粒径サイズが7nm以下の超微結晶シリコン薄
膜を作成する。こうして作成された超微結晶シリコン薄
膜の表面は、平坦な鏡面となっている。
晶化:超微結晶シリコン発光材料の作製〕基板誘起結晶
法(substrate induced cryst
allization method by rapi
d thermal annealing)を用いて、
上記第1工程で作成したアモルファス・シリコンを、5
00゜C乃至1050゜Cの温度範囲で加熱処理し、結
晶の平均粒径サイズが7nm以下の超微結晶シリコン薄
膜を作成する。こうして作成された超微結晶シリコン薄
膜の表面は、平坦な鏡面となっている。
【0024】なお、こうして作成された超微結晶シリコ
ン薄膜が、本発明による超微結晶シリコン発光材料とな
る。
ン薄膜が、本発明による超微結晶シリコン発光材料とな
る。
【0025】また、超微結晶シリコンの粒径サイズは、
シリコン基板20による歪エネルギーを制御することに
より制御することができ、粒径サイズが3nm程度の超
微結晶シリコン薄膜も作成することができる。
シリコン基板20による歪エネルギーを制御することに
より制御することができ、粒径サイズが3nm程度の超
微結晶シリコン薄膜も作成することができる。
【0026】ここにおいて、基板誘起結晶法とは、歪に
蓄えられたエネルギーを積極的に利用し、シリコンを結
合させるものである。即ち、シリコン基板20と超微結
晶シリコン薄膜との間の歪を制御し、そこからのエネル
ギー放出を結晶化温度、加熱レートならびに加熱時間を
コントロールすることによって制御し、超微結晶のサイ
ズを制御するものである。
蓄えられたエネルギーを積極的に利用し、シリコンを結
合させるものである。即ち、シリコン基板20と超微結
晶シリコン薄膜との間の歪を制御し、そこからのエネル
ギー放出を結晶化温度、加熱レートならびに加熱時間を
コントロールすることによって制御し、超微結晶のサイ
ズを制御するものである。
【0027】図3は、上記加熱処理を実施するための加
熱装置を示し、電気炉内にアモルファス・シリコンの薄
膜が形成されたシリコン基板20を配置した石英管30
を配設している。この石英管30内には、酸素(O2)
ガス、水素(H2)ガス、窒素(N2)ガスおよびアルゴ
ン・ガスを供給するためのガス供給システム32から、
上記各種ガスが導入されている。
熱装置を示し、電気炉内にアモルファス・シリコンの薄
膜が形成されたシリコン基板20を配置した石英管30
を配設している。この石英管30内には、酸素(O2)
ガス、水素(H2)ガス、窒素(N2)ガスおよびアルゴ
ン・ガスを供給するためのガス供給システム32から、
上記各種ガスが導入されている。
【0028】さらに、石英管30内には熱電対34が配
置されていて、この熱電対34と電気炉との温度および
加熱時間は、温度コントローラー36により制御され
る。
置されていて、この熱電対34と電気炉との温度および
加熱時間は、温度コントローラー36により制御され
る。
【0029】そして、上記した加熱装置において、温度
コントローラー36により加熱処理温度(結晶化温
度)、加熱レートならびに加熱時間を適宜制御すること
により、超結晶の平均粒径サイズが約7nm以下の超微
結晶シリコン薄膜をアモルファス・シリコンから作製す
る。
コントローラー36により加熱処理温度(結晶化温
度)、加熱レートならびに加熱時間を適宜制御すること
により、超結晶の平均粒径サイズが約7nm以下の超微
結晶シリコン薄膜をアモルファス・シリコンから作製す
る。
【0030】なお、以下において、本発明の第2工程に
おいて用いられる基板誘起結晶法に関して説明する。
おいて用いられる基板誘起結晶法に関して説明する。
【0031】この基板誘起結晶法においては、水素を含
有しない超微結晶シリコン薄膜を形成できる。即ち、水
素化されたアモルファス・シリコンは、アモルファスで
あっても、Si原子がある程度配列し、水素でダングリ
ング・ボンド(dangling bond)を終端し
ている。この系からの結晶化は、まず水素原子を解離さ
せ、SiとSiとを結晶させる。より低温(500゜C
位)で結晶化がおこり、Siはもとの配列のまま結晶化
するので、より大きな結晶ができる。実際、SiH4分
解やCVD法で作ったアモルファス・シリコンは、α−
Si:Hであり、そこから得られる微結晶サイズは数十
nmである。
有しない超微結晶シリコン薄膜を形成できる。即ち、水
素化されたアモルファス・シリコンは、アモルファスで
あっても、Si原子がある程度配列し、水素でダングリ
ング・ボンド(dangling bond)を終端し
ている。この系からの結晶化は、まず水素原子を解離さ
せ、SiとSiとを結晶させる。より低温(500゜C
位)で結晶化がおこり、Siはもとの配列のまま結晶化
するので、より大きな結晶ができる。実際、SiH4分
解やCVD法で作ったアモルファス・シリコンは、α−
Si:Hであり、そこから得られる微結晶サイズは数十
nmである。
【0032】また、残留水素はSiを終端化し、それが
境界にのこり、非発光中心や微結晶内の量子サイズ効果
を弱める結晶になり、紫色発光は得られない。
境界にのこり、非発光中心や微結晶内の量子サイズ効果
を弱める結晶になり、紫色発光は得られない。
【0033】この基板誘起結晶法は、まず、無水素α−
Siは完全無秩序であり、結晶化は一つのSi原子を核
に始まる。この成長は、温度がSi融点以下のとき、そ
のSi原子周囲の歪みに蓄えられたエネルギーの放出に
よって行う。
Siは完全無秩序であり、結晶化は一つのSi原子を核
に始まる。この成長は、温度がSi融点以下のとき、そ
のSi原子周囲の歪みに蓄えられたエネルギーの放出に
よって行う。
【0034】そのとき、 (1)Siが近接原子と結合し、結晶成長はそれ以上ほ
とんど起こらない。勿論、エネルギーがたくさんあれ
ば、微結晶は大きくなる。従って、まず温度と昇温レー
トを制御し、歪みからのエネルギー放出を制御する。 (2)歪みの強さを制御する。全部放出しても、結晶が
歪まないようにする。そのやり方としては、 (a)ガラス基板とガラス基板よりSiとα−Si間の
歪みが小さい(格子定数があっているから)Si基板と
の二つの基板で、200nmの厚さの超微結晶Siを作
るとき、850゜C、10分間の高速昇温加熱において
は、ガラス基板では平均結晶サイズは14nm〜16n
mとなり、Si基板では7nm〜9nmとなる。 (b)膜厚が増えると、基板からの歪みの影響が小さく
なるので、粒径が小さくなる。同じSi基板でも膜厚を
変えて、上記(a)と同じ実験条件(850゜C、10
分間の高速昇温加熱)において、例えば、Si基板にα
−Siを700nmにしたら、結晶サイズが7nm〜9
nmから5nm〜7nmになった。 (c)α−SiにSiあるいは原子半径の大きな不純物
をイオン注入し、歪みの分布を予め制御しておく。こう
しておけば、Siの微結晶を全面的にサイズもそろえて
作成できる。 ものとなる。
とんど起こらない。勿論、エネルギーがたくさんあれ
ば、微結晶は大きくなる。従って、まず温度と昇温レー
トを制御し、歪みからのエネルギー放出を制御する。 (2)歪みの強さを制御する。全部放出しても、結晶が
歪まないようにする。そのやり方としては、 (a)ガラス基板とガラス基板よりSiとα−Si間の
歪みが小さい(格子定数があっているから)Si基板と
の二つの基板で、200nmの厚さの超微結晶Siを作
るとき、850゜C、10分間の高速昇温加熱において
は、ガラス基板では平均結晶サイズは14nm〜16n
mとなり、Si基板では7nm〜9nmとなる。 (b)膜厚が増えると、基板からの歪みの影響が小さく
なるので、粒径が小さくなる。同じSi基板でも膜厚を
変えて、上記(a)と同じ実験条件(850゜C、10
分間の高速昇温加熱)において、例えば、Si基板にα
−Siを700nmにしたら、結晶サイズが7nm〜9
nmから5nm〜7nmになった。 (c)α−SiにSiあるいは原子半径の大きな不純物
をイオン注入し、歪みの分布を予め制御しておく。こう
しておけば、Siの微結晶を全面的にサイズもそろえて
作成できる。 ものとなる。
【0035】このように、α−Siの段階ではなるべく
不純物を少なくする、そして、基板からの歪みを大きく
ならないようにする、ことが重要である。
不純物を少なくする、そして、基板からの歪みを大きく
ならないようにする、ことが重要である。
【0036】また、酸素についても、SiとOとは相性
がよいので、最初にOがはいれたら、Si−Siの結合
が邪魔されてしまう。しかしながら、作成段階ではOが
入りやすいので、なるべく少なくなるようにする。
がよいので、最初にOがはいれたら、Si−Siの結合
が邪魔されてしまう。しかしながら、作成段階ではOが
入りやすいので、なるべく少なくなるようにする。
【0037】さらに、α−Siを作成したのちに、意識
的に不純物を入れると、歪みの制御、新しい発光中心、
n型、p型形成などができるようになる。
的に不純物を入れると、歪みの制御、新しい発光中心、
n型、p型形成などができるようになる。
【0038】上記のようにして製造された本発明による
超微結晶シリコン発光材料(超微結晶シリコン薄膜)
は、超微結晶の平均粒径サイズが約7.5nm以下に制
御され、水素などの不純物を含まないとともに格子欠陥
のないシリコンの超微結晶材料であり、超微結晶そのも
のは歪成長によって特定の結晶面を持つことになり、こ
れらの超微結晶が材料の構成単位になっている。
超微結晶シリコン発光材料(超微結晶シリコン薄膜)
は、超微結晶の平均粒径サイズが約7.5nm以下に制
御され、水素などの不純物を含まないとともに格子欠陥
のないシリコンの超微結晶材料であり、超微結晶そのも
のは歪成長によって特定の結晶面を持つことになり、こ
れらの超微結晶が材料の構成単位になっている。
【0039】そして、本発明による超微結晶シリコン発
光材料(平均粒子サイズ:3nm、膜厚:200nm)
(以下、「本発明による超微結晶シリコン発光材料」を
適宜「試料」と称し、「平均粒子サイズ:3nm、膜
厚:200nm」のものを「試料1」と称す。)に対し
て、UVレーザーを照射して励起すると、図4として添
付するカラー写真に示すように青色発光した。
光材料(平均粒子サイズ:3nm、膜厚:200nm)
(以下、「本発明による超微結晶シリコン発光材料」を
適宜「試料」と称し、「平均粒子サイズ:3nm、膜
厚:200nm」のものを「試料1」と称す。)に対し
て、UVレーザーを照射して励起すると、図4として添
付するカラー写真に示すように青色発光した。
【0040】図5は、試料1の青色発光の発光スペクト
ルを示している。図5から明らかなように、図4におけ
る青色発光は3つのピークを有しており、それぞれのピ
ーク時の波長は415nm、437nmおよび465n
mであった。
ルを示している。図5から明らかなように、図4におけ
る青色発光は3つのピークを有しており、それぞれのピ
ーク時の波長は415nm、437nmおよび465n
mであった。
【0041】なお、上記したピークの415nmにおい
ては紫色発光するものであり(437nmにおいては青
色発光し、465nmにおいては青色発光する)、上記
した青色発光にはこうした紫色発光も含まれる。
ては紫色発光するものであり(437nmにおいては青
色発光し、465nmにおいては青色発光する)、上記
した青色発光にはこうした紫色発光も含まれる。
【0042】また、出願人の実験によれば、可視領域の
最短波長である390nmにおける紫色発光も可能であ
る。
最短波長である390nmにおける紫色発光も可能であ
る。
【0043】さらに、出願人による実験より、こうした
ピーク時の波長や相対強度は、超微結晶の平均粒子サイ
ズに応じて変化することが判った。従って、超微結晶の
平均粒子サイズを適宜変化させることにより、青色発光
の波長を変化することができる。
ピーク時の波長や相対強度は、超微結晶の平均粒子サイ
ズに応じて変化することが判った。従って、超微結晶の
平均粒子サイズを適宜変化させることにより、青色発光
の波長を変化することができる。
【0044】即ち、量子力学によれば、粒子径Lの結晶
内の電子のエネルギー準位の分裂は、粒子径Lの3乗に
逆比例する。このため、超微粒子のサイズを制御すれ
ば、超微結晶シリコン発光材料からの発光を制御でき
る。出願人の実験によれば、「平均粒子サイズ:3n
m」の試料は、「平均粒子サイズ:7nm」の試料より
も短波長側にシフトした。
内の電子のエネルギー準位の分裂は、粒子径Lの3乗に
逆比例する。このため、超微粒子のサイズを制御すれ
ば、超微結晶シリコン発光材料からの発光を制御でき
る。出願人の実験によれば、「平均粒子サイズ:3n
m」の試料は、「平均粒子サイズ:7nm」の試料より
も短波長側にシフトした。
【0045】また、試料1の青色発光は非常に強く、通
常作製されるポーラス・シリコンの発光より、単位面積
比で3桁ほど強くなっている。そして、ポーラス・シリ
コンの発光は、レーザー照射によって劣化することが知
られているが、試料1の青色発光は、室温で安定してお
り劣化しない。なお、試料1の青色発光は、液体ヘリウ
ム温度でも発光量が減らないことが確認された。
常作製されるポーラス・シリコンの発光より、単位面積
比で3桁ほど強くなっている。そして、ポーラス・シリ
コンの発光は、レーザー照射によって劣化することが知
られているが、試料1の青色発光は、室温で安定してお
り劣化しない。なお、試料1の青色発光は、液体ヘリウ
ム温度でも発光量が減らないことが確認された。
【0046】即ち、超微結晶シリコン発光材料において
は、光の吸収も発光も粒子内で行われており、発光効率
がポーラス・シリコンに比べて非常に強い。例えば、同
じ面積からの発光強度を測定すると、ポーラス・シリコ
ンの1000倍以上となっている。
は、光の吸収も発光も粒子内で行われており、発光効率
がポーラス・シリコンに比べて非常に強い。例えば、同
じ面積からの発光強度を測定すると、ポーラス・シリコ
ンの1000倍以上となっている。
【0047】また、ポーラス・シリコンは水素によって
終端化されており、熱処理や光照射によって発光の強度
が著しく低下する。しかしながら、超微結晶シリコン発
光材料は励起された電子がほとんど発光に寄与してお
り、光照射などによる非発光中心の生成や結晶の破壊が
なく、室温でも極低温でも安定していて劣化しない。
終端化されており、熱処理や光照射によって発光の強度
が著しく低下する。しかしながら、超微結晶シリコン発
光材料は励起された電子がほとんど発光に寄与してお
り、光照射などによる非発光中心の生成や結晶の破壊が
なく、室温でも極低温でも安定していて劣化しない。
【0048】さらに、超微結晶シリコン発光材料は純度
の高い半導体であり、バンド・ギャップが約3eVであ
る。このような高純度結晶では不純物による発光が観測
されず青色発光のみ示し、しかも粒子内の準位間の遷移
確率が高く、室温でも強い青色発光が観測されるもので
ある。
の高い半導体であり、バンド・ギャップが約3eVであ
る。このような高純度結晶では不純物による発光が観測
されず青色発光のみ示し、しかも粒子内の準位間の遷移
確率が高く、室温でも強い青色発光が観測されるもので
ある。
【0049】さらに、試料1の両側に電極を形成し、電
流注入により青色ルミネセンス発光(EL)することも
確認されており、試料1に対して何らの処理も施さない
と、青色より長い波長で可視発光しないことも確認され
た。
流注入により青色ルミネセンス発光(EL)することも
確認されており、試料1に対して何らの処理も施さない
と、青色より長い波長で可視発光しないことも確認され
た。
【0050】図6は、試料1の表面電子顕微鏡写真であ
る。ポーラス・シリコンの表面はミクロン・サイズの細
孔が分布しているが、図6から明らかなように、試料1
の表面は滑らな鏡面となっている。そして、試料1は単
結晶のような硬度を有し、半導体の性質を備えている。
る。ポーラス・シリコンの表面はミクロン・サイズの細
孔が分布しているが、図6から明らかなように、試料1
の表面は滑らな鏡面となっている。そして、試料1は単
結晶のような硬度を有し、半導体の性質を備えている。
【0051】即ち、ポーラス・シリコンは非常に柔らか
い物質であり、素子応用には適していないが、超微結晶
シリコン発光材料はシリコンと同様に表面が鏡面であり
乱れがなく、素子応用に適している。また、超微結晶シ
リコン発光材料は純度の高い半導体であるので、光学特
性と電気的特性とを容易に制御でき、全く新規な光電子
材料となり得るものである。
い物質であり、素子応用には適していないが、超微結晶
シリコン発光材料はシリコンと同様に表面が鏡面であり
乱れがなく、素子応用に適している。また、超微結晶シ
リコン発光材料は純度の高い半導体であるので、光学特
性と電気的特性とを容易に制御でき、全く新規な光電子
材料となり得るものである。
【0052】図7は、本発明による超微結晶シリコン発
光材料の平均粒径と青色発光の有無との関係を示すグラ
フであり室温(RT)においてUVレーザーを超微結晶
シリコン発光材料(nano crystalline
−Si(nc−Si) thin film)に照射し
た場合を示している。そして、縦軸(青色発光強度:B
lue Light Intensity)の「1」は
強い青色発光が得られた試料であり、「0」は発光しな
かった試料である。
光材料の平均粒径と青色発光の有無との関係を示すグラ
フであり室温(RT)においてUVレーザーを超微結晶
シリコン発光材料(nano crystalline
−Si(nc−Si) thin film)に照射し
た場合を示している。そして、縦軸(青色発光強度:B
lue Light Intensity)の「1」は
強い青色発光が得られた試料であり、「0」は発光しな
かった試料である。
【0053】図7から明らかなように、平均粒径7.5
nmが特異点になっており、それ以上の大きさの平均粒
径の試料は青色発光を示さない。そして、平均粒径3n
m乃至5nmの試料が最も強い青色発光を示した。
nmが特異点になっており、それ以上の大きさの平均粒
径の試料は青色発光を示さない。そして、平均粒径3n
m乃至5nmの試料が最も強い青色発光を示した。
【0054】なお、測定誤差を考慮すると、実際の特異
点は、評価値である平均粒径7.5nmから少しずれる
ことも考えられるが、この図からわかるように、平均粒
径の境界点は存在する。
点は、評価値である平均粒径7.5nmから少しずれる
ことも考えられるが、この図からわかるように、平均粒
径の境界点は存在する。
【0055】また、本発明での粒径の測定誤差は「±
1.5nm」であり、平均粒径7.5nmは、75%以
上の超微結晶は粒径7.5nmのもので占められている
ことを意味する。
1.5nm」であり、平均粒径7.5nmは、75%以
上の超微結晶は粒径7.5nmのもので占められている
ことを意味する。
【0056】図8には、図9に示す時間分解スペクトル
を備えた窒素レーザー(レーザー波長:337nm、パ
ルス幅:270ピコ秒)を照射した場合における、本発
明による超微結晶シリコン発光材料(平均粒径:7n
m、膜厚:700nm)(以下、「試料2」と称す。)
の時間分解ルミネセンスのスペクトルが示されている。
を備えた窒素レーザー(レーザー波長:337nm、パ
ルス幅:270ピコ秒)を照射した場合における、本発
明による超微結晶シリコン発光材料(平均粒径:7n
m、膜厚:700nm)(以下、「試料2」と称す。)
の時間分解ルミネセンスのスペクトルが示されている。
【0057】発光の寿命は170ピコ秒と500ピコ秒
との2成分であり、発光の立ち上がりが非常に早く、超
微結晶シリコンそのものが吸収していることを証明して
いる。
との2成分であり、発光の立ち上がりが非常に早く、超
微結晶シリコンそのものが吸収していることを証明して
いる。
【0058】また、発光の寿命がポーラス・シリコンと
は異なって非常に短く、このことは、本発明による超微
結晶シリコン発光材料の発光効率が非常に高く、励起さ
れたキャリアは全て発光に寄与しているものと考えられ
る。即ち、本発明による超微結晶シリコン発光材料は、
非発光中心がとても少ない、完全に閉じ込まれたゼロ次
元の系であると言える。
は異なって非常に短く、このことは、本発明による超微
結晶シリコン発光材料の発光効率が非常に高く、励起さ
れたキャリアは全て発光に寄与しているものと考えられ
る。即ち、本発明による超微結晶シリコン発光材料は、
非発光中心がとても少ない、完全に閉じ込まれたゼロ次
元の系であると言える。
【0059】即ち、ルミネセンス発光の立ち上がりが早
いのは、微粒子間にできたエネルギー準位の振動子強度
が強く、基底準位から電子が励起準位にすぐ励起され、
それがすぐ光として遷移することを表している。本発明
による超微結晶シリコン発光材料においては、レーザー
・パルスとほぼ同じように発光が立ち上がる。これは、
吸収が同じ粒子内にできた励起準位のどれかと基底準位
との間で起こり、粒子外で吸収して電子がトランスファ
ー(transfer)されることではないことを証明
し、吸収効率、発光効率ともよく、完全に閉じこめられ
た系と考えられる。
いのは、微粒子間にできたエネルギー準位の振動子強度
が強く、基底準位から電子が励起準位にすぐ励起され、
それがすぐ光として遷移することを表している。本発明
による超微結晶シリコン発光材料においては、レーザー
・パルスとほぼ同じように発光が立ち上がる。これは、
吸収が同じ粒子内にできた励起準位のどれかと基底準位
との間で起こり、粒子外で吸収して電子がトランスファ
ー(transfer)されることではないことを証明
し、吸収効率、発光効率ともよく、完全に閉じこめられ
た系と考えられる。
【0060】また、励起準位に励起された電子は、その
エネルギーを失ってもとのところに戻る。このとき (1)発光する (2)エネルギーを格子に与える (3)別の準位に一旦落ちそこから発光する (4)発光しない準位に行く などがある。
エネルギーを失ってもとのところに戻る。このとき (1)発光する (2)エネルギーを格子に与える (3)別の準位に一旦落ちそこから発光する (4)発光しない準位に行く などがある。
【0061】ポーラス・シリコンは、吸収と発光とは別
のところで行っており、吸収で励起された電子は、まず
エネルギーの低い発光中心にいって、そこから発光す
る。よって、寿命(発光までの時間)は遅い。非発光中
心があると、見た目で発光寿命は早いが、発光効率が悪
い。つまり、寿命の早い光は弱くなり、寿命の長い光は
だらだら見える。
のところで行っており、吸収で励起された電子は、まず
エネルギーの低い発光中心にいって、そこから発光す
る。よって、寿命(発光までの時間)は遅い。非発光中
心があると、見た目で発光寿命は早いが、発光効率が悪
い。つまり、寿命の早い光は弱くなり、寿命の長い光は
だらだら見える。
【0062】ところが、完全にゼロ次元の系であれば、
電子が閉じこめられており、励起されたものは、欠陥が
なければ発光するしかない。このとき、発光寿命が早い
ものは、発光効率がよいからであって、寿命の短い発光
が強くなる。また、粒子が大きいと効率が少し悪くなる
から、寿命が少し長くなる。さらに、サイズが大きいと
波長が長くなる。
電子が閉じこめられており、励起されたものは、欠陥が
なければ発光するしかない。このとき、発光寿命が早い
ものは、発光効率がよいからであって、寿命の短い発光
が強くなる。また、粒子が大きいと効率が少し悪くなる
から、寿命が少し長くなる。さらに、サイズが大きいと
波長が長くなる。
【0063】本発明による超微結晶シリコン発光材料に
ついては、ピーク時の波長が415nmあるいは437
nmの波長の発光は強くて寿命が早く、その一方で、ピ
ーク時の波長が465nmの波長の発光は少し弱いし寿
命も少し長いものであり、ゼロ次元に量子を閉じこめた
系とよく合っている。
ついては、ピーク時の波長が415nmあるいは437
nmの波長の発光は強くて寿命が早く、その一方で、ピ
ーク時の波長が465nmの波長の発光は少し弱いし寿
命も少し長いものであり、ゼロ次元に量子を閉じこめた
系とよく合っている。
【0064】さらに、本発明による超微結晶シリコン発
光材料は半導体であり、かつシリコン基板上に形成でき
るため、不純物添加、エッチング、酸化、電極形成ある
いは熱処理などの半導体プロセスにより、本発明による
超微結晶シリコン発光材料の導電性、導電タイプ、表面
ポテンシャル障壁の制御などの電気的特性を制御し、超
微結晶シリコン発光材料と同一のシリコン基板上に超微
結晶シリコンのp−n接合ダイードあるいはトランジス
タなどの電子デバイスを実現することができる。
光材料は半導体であり、かつシリコン基板上に形成でき
るため、不純物添加、エッチング、酸化、電極形成ある
いは熱処理などの半導体プロセスにより、本発明による
超微結晶シリコン発光材料の導電性、導電タイプ、表面
ポテンシャル障壁の制御などの電気的特性を制御し、超
微結晶シリコン発光材料と同一のシリコン基板上に超微
結晶シリコンのp−n接合ダイードあるいはトランジス
タなどの電子デバイスを実現することができる。
【0065】さらに、新しい発光中心の導入など、光学
特性の制御による新しい光学デバイスを作成することが
できる。
特性の制御による新しい光学デバイスを作成することが
できる。
【0066】即ち、特殊な元素は、結晶内で発光するセ
ンタとして働く。また、他の不純物も準位を作り、結晶
の発光波長を変化させる。これらの特性を用いれば、種
々の発光波長を持つ超微結晶シリコン発光材料を構成で
き、また同一試料でも異なる波長の発光を実現できる。
ンタとして働く。また、他の不純物も準位を作り、結晶
の発光波長を変化させる。これらの特性を用いれば、種
々の発光波長を持つ超微結晶シリコン発光材料を構成で
き、また同一試料でも異なる波長の発光を実現できる。
【0067】また、陽極化成やドーピングなどにより、
本発明による超微結晶シリコン発光材料に不純物を含有
させるようにすると、可視領域におけるフルカラー
(青、緑、赤)発光材料を得ることができる。
本発明による超微結晶シリコン発光材料に不純物を含有
させるようにすると、可視領域におけるフルカラー
(青、緑、赤)発光材料を得ることができる。
【0068】即ち、図10に示すように、本発明による
超微結晶シリコン発光材料を陽極化成すると、青色、緑
色および赤色の三色を備えた発光体を製作できる。
超微結晶シリコン発光材料を陽極化成すると、青色、緑
色および赤色の三色を備えた発光体を製作できる。
【0069】つまり、高純度微結晶シリコン(例えば、
試料1)は、禁制帯幅3eVの半導体であり、図5で示
したように青色の発光だけを示す。しかしながら、この
半導体の特性をドーピングや陽極化成で変化させること
ができるものであり、図10はその一例である。
試料1)は、禁制帯幅3eVの半導体であり、図5で示
したように青色の発光だけを示す。しかしながら、この
半導体の特性をドーピングや陽極化成で変化させること
ができるものであり、図10はその一例である。
【0070】試料1をポーラス・シリコンの作成方法と
同じように、試料1の裏面に電極を形成し、HF中で陽
極化成すると、あらたに波長が530nmの緑色発光と
680nmの赤色発光を作り出せる。これができるの
は、青色発光があってこそであり、ポーラス・シリコン
ではこうした三色発光はできない。
同じように、試料1の裏面に電極を形成し、HF中で陽
極化成すると、あらたに波長が530nmの緑色発光と
680nmの赤色発光を作り出せる。これができるの
は、青色発光があってこそであり、ポーラス・シリコン
ではこうした三色発光はできない。
【0071】従って、本発明による超微結晶シリコン発
光材料を用いれば、Siだけを用いた材料でフルカラー
の発光素子ができるものであり、Siだけでカラー・デ
ィスプレイも実現できる。
光材料を用いれば、Siだけを用いた材料でフルカラー
の発光素子ができるものであり、Siだけでカラー・デ
ィスプレイも実現できる。
【0072】さらに、本発明による超微結晶シリコン発
光材料により、発光ダイオード(LED)、レーザー、
光センサーあるいは光ディテクターなどの光学デバイス
を作成することができる。
光材料により、発光ダイオード(LED)、レーザー、
光センサーあるいは光ディテクターなどの光学デバイス
を作成することができる。
【0073】即ち、平面加工技術を用いて、予め設計さ
れた素子の構造によって、必要な場所に必要な寸法の発
光部を上記した本発明による超微結晶シリコン発光材料
の製造方法(第1工程:アモルファス・シリコンの作
製、第2工程:アモルファス・シリコンの結晶化(超微
結晶シリコン発光材料の作製))により作製し、さらに
電流注入用の電極を形成する。そして、素子分離、封入
して発光素子を作製する。
れた素子の構造によって、必要な場所に必要な寸法の発
光部を上記した本発明による超微結晶シリコン発光材料
の製造方法(第1工程:アモルファス・シリコンの作
製、第2工程:アモルファス・シリコンの結晶化(超微
結晶シリコン発光材料の作製))により作製し、さらに
電流注入用の電極を形成する。そして、素子分離、封入
して発光素子を作製する。
【0074】つまり、本発明による超微結晶シリコン発
光材料の製造方法によれば、リソグラフィ技術を用いて
素子パターンの制御を行い、予め定めたところにだけ予
め定めた形状の発光素子を作製することができるように
なる。
光材料の製造方法によれば、リソグラフィ技術を用いて
素子パターンの制御を行い、予め定めたところにだけ予
め定めた形状の発光素子を作製することができるように
なる。
【0075】また、本発明による超微結晶シリコン発光
材料が半導体であるため、発光する本発明による超微結
晶シリコン発光材料をまず作成し、それにp−n接合を
形成して、電流注入により、LEDやレーザーなども作
成できる。
材料が半導体であるため、発光する本発明による超微結
晶シリコン発光材料をまず作成し、それにp−n接合を
形成して、電流注入により、LEDやレーザーなども作
成できる。
【0076】図11(a)乃至(b)には発光素子とし
てのLEDの製造工程が示されており、図11(c)に
は製造されたLEDの平面図が示され、図11(d)に
は製造されたLEDの等価回路が示されている。
てのLEDの製造工程が示されており、図11(c)に
は製造されたLEDの平面図が示され、図11(d)に
は製造されたLEDの等価回路が示されている。
【0077】即ち、Si基板上に、n型またはp型の青
色発光する超微結晶シリコン(nc−Si)を形成する
(図11(a))。なお、Si基板としては、素子分離
のため、半絶縁性を備えたものを用いる。
色発光する超微結晶シリコン(nc−Si)を形成する
(図11(a))。なお、Si基板としては、素子分離
のため、半絶縁性を備えたものを用いる。
【0078】次に、p型の超微結晶シリコンにはn型の
領域を、またn型の超微結晶シリコンにはp型の領域
を、不純物添加によって形成してp−n接合を作り、表
面にリング状のオーミック電極を付ける(図11
(b))。そして、p−n接合に電流を注入し発光させ
る。
領域を、またn型の超微結晶シリコンにはp型の領域
を、不純物添加によって形成してp−n接合を作り、表
面にリング状のオーミック電極を付ける(図11
(b))。そして、p−n接合に電流を注入し発光させ
る。
【0079】図12(a)乃至(d)には、レーザーの
製造工程が示されている。この製造工程においては、ま
ず半絶縁性のSi基板に、ミラー(mirror)電極
を形成する(図12(a))。
製造工程が示されている。この製造工程においては、ま
ず半絶縁性のSi基板に、ミラー(mirror)電極
を形成する(図12(a))。
【0080】次に、ミラー電極上に、超微結晶シリコン
のp(またはn)型層を形成する(図12(b))。こ
のp(またはn)型層は、青色発光を示す。
のp(またはn)型層を形成する(図12(b))。こ
のp(またはn)型層は、青色発光を示す。
【0081】さらに、超微結晶シリコンよりなるp(ま
たはn)型層に、不純物添加によりn(またはp)型領
域を形成し、p−n接合を形成する(図12(c))。
たはn)型層に、不純物添加によりn(またはp)型領
域を形成し、p−n接合を形成する(図12(c))。
【0082】そして、不純物添加により形成したn(ま
たはp)型領域にミラーあるいはミラーのアレイ電極を
形成し、レーザー・ダイオードを形成する。
たはp)型領域にミラーあるいはミラーのアレイ電極を
形成し、レーザー・ダイオードを形成する。
【0083】さらに、光電子素子を作製する場合には、
上記した発光素子の作製と同時に、従来のシリコンの平
面加工技術を用いて、発光素子のとなりにそれを制御す
る電子素子を形成し、用途に応じて発光素子と電子素子
の機能や数、そして位置を決定し、光電子素子をシリコ
ン基板上に作製する。
上記した発光素子の作製と同時に、従来のシリコンの平
面加工技術を用いて、発光素子のとなりにそれを制御す
る電子素子を形成し、用途に応じて発光素子と電子素子
の機能や数、そして位置を決定し、光電子素子をシリコ
ン基板上に作製する。
【0084】図13には光電子素子の一例が示されてお
り、単一のシリコン基板100上に、微結晶シリコン発
光材料106から構成される光信号受信部と、電子素子
としてのIC部と、微結晶シリコン発光材料106から
構成されるLED部と、微結晶シリコン発光材料106
から構成されるレーザー部とを備えた光電子素子を作製
することができる。
り、単一のシリコン基板100上に、微結晶シリコン発
光材料106から構成される光信号受信部と、電子素子
としてのIC部と、微結晶シリコン発光材料106から
構成されるLED部と、微結晶シリコン発光材料106
から構成されるレーザー部とを備えた光電子素子を作製
することができる。
【0085】即ち、本発明による微結晶シリコン発光材
料の製造方法によれば、陽極化成を用いることなくシリ
コンを可視発光させることができるので、隣接するIC
などの電子素子にマスクを施しておけば、隣接する電子
素子がエッチング処理などの際にアタックされることを
完全に防ぐことができ、発光素子と電子素子とを同一に
シリコン基板上に作製することができる。
料の製造方法によれば、陽極化成を用いることなくシリ
コンを可視発光させることができるので、隣接するIC
などの電子素子にマスクを施しておけば、隣接する電子
素子がエッチング処理などの際にアタックされることを
完全に防ぐことができ、発光素子と電子素子とを同一に
シリコン基板上に作製することができる。
【0086】つまり、電子素子と同一のシリコン基板上
に発光素子を作製でき、シリコンをベースにした光電子
集積回路(モノリシックな光電子集積回路)を容易に作
製することができるようになる。
に発光素子を作製でき、シリコンをベースにした光電子
集積回路(モノリシックな光電子集積回路)を容易に作
製することができるようになる。
【0087】また、全シリコンのフルカラーディスプレ
イや、一つの超微結晶から電子1個だけ他の微結晶に移
動させる単電子伝導デバイスも実現できる。
イや、一つの超微結晶から電子1個だけ他の微結晶に移
動させる単電子伝導デバイスも実現できる。
【0088】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0089】室温において強い青色発光する超微結晶シ
リコン光学材料を得ることができ、しかもこの超微結晶
シリコン光学材料を素子として応用する場合に、素子の
機能に応じた膜厚や形状などのサイズの制御を容易に行
うことができるようになる。
リコン光学材料を得ることができ、しかもこの超微結晶
シリコン光学材料を素子として応用する場合に、素子の
機能に応じた膜厚や形状などのサイズの制御を容易に行
うことができるようになる。
【0090】また、超微結晶シリコン光学材料を構成す
る超微結晶シリコンの平均粒径や含有される不純物を制
御することにより、発光波長を任意に可変することがで
き、素子として応用する場合の用途も極めて広くなる。
る超微結晶シリコンの平均粒径や含有される不純物を制
御することにより、発光波長を任意に可変することがで
き、素子として応用する場合の用途も極めて広くなる。
【図1】本発明において使用する電子ビーム加熱法を実
施するための電子ビーム蒸着装置の概略構成説明図であ
る。
施するための電子ビーム蒸着装置の概略構成説明図であ
る。
【図2】本発明において使用するスパッター法を実施す
るためのスパッター装置の概略構成説明図である。
るためのスパッター装置の概略構成説明図である。
【図3】本発明において加熱処理を実施するための加熱
装置の概略構成説明図である。
装置の概略構成説明図である。
【図4】本発明による超微結晶シリコン発光材料(平均
粒子サイズ:3nm、膜厚:200nm)に対して、室
温においてUVレーザーを照射して励起した青色発光を
示す写真である。
粒子サイズ:3nm、膜厚:200nm)に対して、室
温においてUVレーザーを照射して励起した青色発光を
示す写真である。
【図5】図4に示した青色発光の発光スペクトルを示す
グラフである。
グラフである。
【図6】図4に示した本発明による超微結晶シリコン発
光材料(平均粒子サイズ:3nm、膜厚:200nm)
の表面電子顕微鏡写真である。
光材料(平均粒子サイズ:3nm、膜厚:200nm)
の表面電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明による超微結晶シリコン発光材料の平均
粒径と青色発光の有無との関係を示すグラフである。
粒径と青色発光の有無との関係を示すグラフである。
【図8】図9に示す時間分解スペクトルを備えた窒素レ
ーザー(レーザー波長:337nm、パルス幅:270
ピコ秒)を照射した場合における、本発明による超微結
晶シリコン発光材料(平均粒径:7nm、膜厚:700
nm)の時間分解ルミネセンスのスペクトルを示すグラ
フである。
ーザー(レーザー波長:337nm、パルス幅:270
ピコ秒)を照射した場合における、本発明による超微結
晶シリコン発光材料(平均粒径:7nm、膜厚:700
nm)の時間分解ルミネセンスのスペクトルを示すグラ
フである。
【図9】窒素レーザー(レーザー波長:337nm、パ
ルス幅:270ピコ秒)の時間分解スペクトルを示すグ
ラフである。
ルス幅:270ピコ秒)の時間分解スペクトルを示すグ
ラフである。
【図10】本発明による超微結晶シリコン発光材料を陽
極化成した際の発光波長のピークのレッド・シフトを示
すグラフである。
極化成した際の発光波長のピークのレッド・シフトを示
すグラフである。
【図11】図11(a)乃至(b)は本発明により発光
素子(LED)を製造する際の製造工程の一例を示す説
明図であり、図11(c)は製造されたLEDの平面図
であり、図11(d)は製造されたLEDの等価回路図
である。
素子(LED)を製造する際の製造工程の一例を示す説
明図であり、図11(c)は製造されたLEDの平面図
であり、図11(d)は製造されたLEDの等価回路図
である。
【図12】図12(a)乃至(d)は、本発明によりレ
ーザーを製造する際の製造工程の一例を示す説明図であ
る。
ーザーを製造する際の製造工程の一例を示す説明図であ
る。
【図13】本発明により光電子素子を製造する際の製造
工程の一例を示す説明図である。
工程の一例を示す説明図である。
10 真空チャンバー 20 シリコン基板 22 基板温度コントローラー 100 シリコン基板 106 微結晶シリコン発光材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/18 (72)発明者 菅野 卓雄 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内
Claims (14)
- 【請求項1】 平均粒径サイズが極めて微小な超微結晶
シリコンを有して構成され、室温において安定的に強い
青色発光することを特徴とする超微結晶シリコン発光材
料。 - 【請求項2】 前記超微結晶シリコン間の境界に不純物
や格子欠陥などを含まず、前記超微結晶シリコンのみに
より構成された完全結晶である請求項1に記載の超微結
晶シリコン発光材料。 - 【請求項3】 平均粒径サイズが極めて微小な超微結晶
シリコンと、前記超微結晶シリコン間に境界物質として
含有される不純物やアモルファス・シリコン層とを有し
て構成され、前記不純物に応じた波長で室温において安
定的に強い可視発光することを特徴とする超微結晶シリ
コン発光材料。 - 【請求項4】 前記超微結晶シリコンは、平均粒径サイ
ズが約7.5nm以下である請求項1、2または3のい
ずれか1項に記載の超微結晶シリコン発光材料。 - 【請求項5】 前記超微結晶シリコンは、平均粒径サイ
ズが約3nm以下である請求項1、2または3のいずれ
か1項に記載の超微結晶シリコン発光材料。 - 【請求項6】 前記不純物をドーピングにより含有さ
せ、可視発光の波長を任意に制御した請求項3、4また
は5のいずれか1項に記載の超微結晶シリコン発光材
料。 - 【請求項7】 前記不純物を陽極化成により含有させ、
可視発光の波長を任意に制御した請求項3、4または5
のいずれか1項に記載の超微結晶シリコン発光材料。 - 【請求項8】 不純物を含有しないアモルファス・シリ
コンを作製する第一の工程と、 前記第一の工程によって作製されたアモルファス・シリ
コンを結晶化して、結晶の平均粒径サイズが約7.5n
m以下の超微結晶シリコンを作製する第二の工程とを有
することを特徴とする超微結晶シリコン発光材料の製造
方法。 - 【請求項9】 前記第一の工程は、超高真空中において
ゲッターにより水素原子を抽出しながら、高純度のシリ
コン単結晶から薄膜作製手段によってシリコン基板上に
所定の膜厚のアモルファス・シリコンを作製する請求項
8記載の超微結晶シリコン発光材料の製造方法。 - 【請求項10】 前記第一の工程において、前記シリコ
ン基板上に所定の膜厚のアモルファス・シリコンを作製
する際における前記シリコン基板の温度は、約250°
C以下である請求項9記載の超微結晶シリコン発光材料
の製造方法。 - 【請求項11】 前記第二の工程は、前記アモルファス
・シリコンをアルゴンまたは窒素雰囲気中において加熱
処理し、結晶サイズの平均粒径を約7.5nm以下に揃
えるように結晶化して超微結晶シリコンを作製する請求
項8記載の超微結晶シリコン発光材料の製造方法。 - 【請求項12】 同一シリコン基板上に超微結晶シリコ
ン発光材料と電子素子とを形成したことを特徴とする超
微結晶シリコン発光材料を用いた素子。 - 【請求項13】 予め設計された素子の構造に従ってシ
リコンの平面加工手段を用いて、不純物を含有しないア
モルファス・シリコンを作製する第一の工程と、前記第
一の工程によって作製されたアモルファス・シリコンを
結晶化して、結晶の平均粒径サイズが約7.5nm以下
の超微結晶シリコンを作製する第二の工程とにより、所
定の箇所に所定の形状の超微結晶シリコン発光材料を作
製し、さらに前記超微結晶シリコン発光材料に電流注入
用の電極を形成して発光素子を作製することを特徴とす
る超微結晶シリコン発光材料を用いた素子の製造方法。 - 【請求項14】 予め設計された素子の構造に従ってシ
リコンの平面加工手段を用いてシリコン基板上に、不純
物を含有しないアモルファス・シリコンを作製する第一
の工程と、前記第一の工程によって作製されたアモルフ
ァス・シリコンを結晶化して、結晶の平均粒径サイズが
約7.5nm以下の超微結晶シリコンを作製する第二の
工程とにより、所定の箇所に所定の形状の超微結晶シリ
コン発光材料を作製し、さらに前記超微結晶シリコン発
光材料に電流注入用の電極を形成して発光素子を作製
し、 前記発光素子を作製した前記シリコン基板上に、前記シ
リコンの平面加工手段を用いて、前記発光素子を制御す
る電子素子を形成して光電子素子を作製することを特徴
とする超微結晶シリコン発光材料を用いた素子の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5489094A JP3210166B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 超微結晶シリコン発光材料、その製造方法、超微結晶シリコン発光材料を用いた素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5489094A JP3210166B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 超微結晶シリコン発光材料、その製造方法、超微結晶シリコン発光材料を用いた素子およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07237995A true JPH07237995A (ja) | 1995-09-12 |
JP3210166B2 JP3210166B2 (ja) | 2001-09-17 |
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2005116709A (ja) * | 2003-10-06 | 2005-04-28 | Sony Corp | 半導体集積回路装置およびその製造方法 |
US7132692B2 (en) | 2003-03-27 | 2006-11-07 | Tokai University Educational System | Nanosilicon light-emitting element and manufacturing method thereof |
WO2009113375A1 (ja) * | 2008-03-14 | 2009-09-17 | コニカミノルタエムジー株式会社 | シリコンナノ粒子蛍光体含有酸化ケイ素膜、シリコンナノ粒子蛍光体及び単一分子観察方法 |
US7887677B2 (en) | 2005-09-26 | 2011-02-15 | Nissin Electric Co., Ltd. | Silicon object forming method and apparatus |
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-
1994
- 1994-02-28 JP JP5489094A patent/JP3210166B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO1997049119A1 (fr) * | 1996-06-19 | 1997-12-24 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Materiau photoelectronique, dispositif faisant appel a ce materiau et procede de fabrication |
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KR100291456B1 (ko) * | 1996-06-19 | 2001-09-07 | 모리시타 요이찌 | 광전자재료및그를이용한장치와,광전자재료의제조방법 |
US6730934B2 (en) | 1996-06-19 | 2004-05-04 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Optoelectronic material, device using the same and method for manufacturing optoelectronic material |
US6838743B2 (en) | 1996-06-19 | 2005-01-04 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Optoelectronic material, device using the same and method for manufacturing optoelectronic material |
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