JPH0723747B2 - セラミックリング付ピストンの製造方法 - Google Patents

セラミックリング付ピストンの製造方法

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JPH0723747B2
JPH0723747B2 JP60199222A JP19922285A JPH0723747B2 JP H0723747 B2 JPH0723747 B2 JP H0723747B2 JP 60199222 A JP60199222 A JP 60199222A JP 19922285 A JP19922285 A JP 19922285A JP H0723747 B2 JPH0723747 B2 JP H0723747B2
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piston ring
ring
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修司 阪口
清介 酒井
英純 加藤
宏司 大西
浩 戸松
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明はセラミックスをピストンリングとしたピストン
の製造方法に関する。
b.従来の技術 従来、セラミックスは耐熱性、断熱性、耐摩耗性に優れ
ているため、各種の用途に使用されている。しかし、弾
性がなく、硬く、かつ脆く、塑性変形加工が困難である
ため特定の用途のみに使用が限定されている。
またエンジンに用いられているピストンのピストンリン
グには塑性変形ができる金属製のピストンリングが用い
られている。
c.発明が解決しようとする問題点 以上のように従来のセラミックスは耐熱性、断熱性、耐
摩耗性に優れているため、これを金属部品の代替として
使用できれば非常に好都合である。
すなわち、エンジンのピストンに用いられる金属製のピ
ストンリングは、摺動部に用いられ、耐熱性と耐摩耗性
と寸法精度が要求されており、精密成形後に、弾性変形
を利用してピストンのリング溝へ嵌着している。ところ
がこのピストンリングをセラミックスに代替して使用し
ようとすると、前記のようにセラミックスは硬くかつ脆
いため成形が困難であるとともに、成形後に、金属製の
ピストンリングと同じ方法でピストンのリング溝へ取り
付けようとしても破損してしまうという問題点がある。
一方、セラミックスは極めて硬く、研削などをおこなう
場合は通常ダイヤモンド砥石を用いて加工するため加工
コストが高くなる。また複雑な曲面を有し、かつ厳しい
寸法精度が要求されるピストンリングのような部材を研
削によって製作することは実質的に困難である。すなわ
ち、セラミックスに塑性変形を施して、ピストンリング
を製作し、これをピストンに嵌着することは殆ど不可能
であった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、前記従来技
術の問題点を解消し、セラミックスを用いてピストンリ
ングを成形するとともに、成形と同時にピストンに嵌着
するようにしたセラミックリング付ピストンの製造方法
を提供しようとするものである d.問題点を解決するための手段 本発明は前記問題点を解決するため、常温で正方晶を含
む部分安定化ジルコニアであって、その微細結晶粒を含
有する多結晶体を用い、これを所定形状に焼結後、温度
1200℃〜1600℃、変形速度10mm/sec以下でピストン周囲
に巻き付けるようにしたものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず本発明においては、セラミックス材料のうち、常温
で正方晶系ジルコニアの微細結晶粒を含有する多結晶体
は、ある適切な温度範囲およびひずみ速度において、引
張り、圧縮などの応力を加えることにより、120%以上
に達する超塑性変形を生じ、各種の成形加工方法が適用
できることを見い出したものであり、これをエンジンの
ピストンに用いられるピストンリングの成形と取り付け
に適用したものである。
すなわち、前記超塑性変形をうるために用いる前記多結
晶体は、含まれる正方晶系ジルコニア結晶を少なくとも
20体積%以上含有していることが必要であり、かつその
粒径が2μm以下であることが望ましく、1μm以下が
より好ましい。
また、前記加工を施す適切な温度範囲とは1200℃〜1600
℃で、好ましくは1400℃〜1500℃である。1200℃以下で
は変形速度(加工速度)が極めて遅くなり実用的ではな
く、また1600℃以上ではジルコニアの粒成長が顕著で臨
界粒径を越えて大きくなり、室温において単斜晶となっ
てしまい、応力誘起変態による強化機構が期待できなく
なる。したがって変形加工は容易となるが成形体の強度
は著しく低下する。
さらに前記ひずみ速度は、たとえば、温度1450℃におい
ては1×10-4〜6×10-4/secであればよく、高温になる
とともに速くすることができるが、前記温度範囲におい
て10-2/sec以下であることが好ましい。これを変形速度
(加工速度)で示せば10mm/sec以下となる。これ以上の
速度範囲では、結晶粒界におけるキャビティ(隙間)の
生成・成長が著しくなり、加工中に破壊してしまうか、
強度低下をもたらす。
なお、室温において正方晶系ジルコニアの多結晶体をう
るには、たとえば、Y2O3,MgO,CaO,CeO2等を添加してジ
ルコニア固溶体を作ればよい。固溶体の濃度範囲は化合
物の種類により異り、ZrO2との平衡状態図によって正方
晶系ジルコニアの生成割合を決定する。たとえばY2O3
は2モル%〜6モル%までの範囲であれば正方晶系ジル
コニアが含有されることになる。
次に本発明に係るピストンの製作方法を具体的に説明す
る。
第1図〜第3図は、本発明に係る方法の実施要領を説明
するもので、1はピストンリングを嵌着せしめるピスト
ン、2は本発明に係る前記セラミックスを用いたピスト
ンリングの素材、3は左右に往復動する左側の上部成形
型、4は同じく左右に往復動する右側の上部成形型、5
は下部成形型、6は上下方向に往復動する押し棒、7は
下部成形型5上に凹設された半円状の型部、8および9
は上部成形型3および4にそれぞれ設けられた弧状の型
部、10は型部7の両側に設けられた案内用のローラーで
ある。
前記ピストン1は第4図に示すようにピストンリングを
嵌着するためのリング溝11を周設してある。このピスト
ン1は本発明に係る方法を実施してピストンリングを嵌
着する場合に、後述のように加熱するため、この加熱温
度に耐える材料あるいは方法を採用することが必要であ
る。すなわち、通常のガソリンエンジンで使用している
軽合金製のピストンは加熱によって軟化溶融するおそれ
があるため採用できない。したがってたとえばやや溶融
温度の高い鋳鉄製ピストンを用い、内側に冷し金を当接
したり、あるいは水冷するなどして、温度上昇を防ぐこ
とが必要である。あるいはピストン自体に炭化珪素,窒
化珪素,アルミナ等からなるセラミックスを使用し、ピ
ストン自体を耐熱性のある素材で形成することが好まし
い。
前記ピストンリングの素材2は、たとえば、Y2O3を3モ
ル%含有したジルコニア粉末を用い、ピストンリングを
形成するに必要な所定断面と所定長さの形状、すなわち
方形断面を有する棒状の形状に成形した後、これを1300
℃〜1500℃で加熱焼結し、正方晶系ジルコニア結晶を70
体積%含有した平均結晶粒径0.3μmの焼結体をうる。
次に、この焼結した素材2をダイヤモンドの砥石を用い
た研削機等にて前記ピストン1のリング溝11に対応する
寸法に仕上加工を施したものである。
前記各成形型3・4・5は耐熱性材料を用い、たとえ
ば、アルミナ,炭化珪素,ムライト等を使用し、加工中
にピストンリングとなる素材2との間に反応を生じない
ように、加工温度に応じて適切な材料を選択する。そし
て、素材2に当接する各成形型の面は鏡面仕上げを施し
ておく。
e.作用 第1図に示すように、上部成形型3・4を左右に開き、
下部成形型5の型部7上に前記素材2を載置する。次
に、この素材2に対し、第4図に示すように前記ピスト
ン1のリング溝11の一部を合わせるとともに、ピストン
1と型部7の中心を一致させ、適当な保持手段によっ
て、この位置を保持する。
次に、この状態において加工すべき素材2が1200℃〜16
00℃好ましくは1400℃〜1500℃となるように加熱し、こ
の温度範囲を維持しながら、前記押し棒6を下降させ
て、ピストンリング1を所定の変形速度、すなわち10mm
/sec以下で押し下げ、素材2とともに下部成形型5の型
部7内に第2図に示すように押し込む。ローラー10の存
在によって素材2は円滑に案内され図示のようにU字状
に成形される。
次に左右の上部成形型3・4を第3図に示すように中央
のピストン1に向って移動させ、ピストン1の上半分に
ある残りのリング溝11に、下部成形型5の上部に立ち上
がっている素材2を、型部8・9によって所定の変形速
度を維持しながら押し込めばよい。
このようにしてピストンリングの成形とピストンの溝へ
の取り付けが同時に行われ、セラミックスのピストンリ
ングを装着したピストンが製造される。
以上の方法によって製造されたピストンリングは、成形
型の内面に鏡面仕上げを施しておくことによって、加工
後の製品表面、すなわち、ピストンリング表面も鏡面と
なり、優れた潤滑性、耐摩耗性がえられる。なお、前記
方法によって複数本のピストンリングを一度に装着して
もよい。
f.実施例 Y2O3を3モル%含有したジルコニア粉末を用い、1300℃
〜1500℃で加熱焼結し、正方晶系ジルコニア結晶を70体
積%含有した平均結晶粒径0.3μmの焼結体を得る。こ
れを用いて187mm,幅4mm,厚さ2mmの細長いピストンリン
グ用の素材を成形した。
次にこれを第1図に示した前記装置(炭化珪素製)に直
径60mmの炭化珪素製のピストンとともにセットし、温度
1450℃〜1500℃で、押し棒及び上部の各成形型の変形速
度を6mm/minとして加工を施した。加工に要した時間は
約10分であった。
その結果、成形前のジルコニア焼結体からなるピストン
素材の表面粗さは1μmであったが、鏡面仕上げを施し
た前記炭化珪素の成形型によって加工したあとのピスト
ンリングの表面粗さは0.1μm以下となり、極めて高精
度の製品がえられた。
g.発明の効果 以上のように本発明によれば、セラミックスの超塑性加
工によりピストンリングの成形,表面仕上げ,ピストン
への取り付けが同時になされるとともに、金属部材では
えられない耐摩耗性,耐熱性,断熱性に優れた性質を有
し、かつ潤滑性も良好なセラミックリングを備えたピス
トンがえられ、エンジンの高効率化に大きく寄与するこ
とができる。
また、成形型の寸法精度を高くすることによって、本発
明のピストンリングの精度を高めることが可能であり、
成形型の複雑な曲面や微細な性状も、製品すなわち、ピ
ストンリングに容易に転写,再現することが可能となっ
た。
さらに、ピストンリングの変形加工速度は実用的な範囲
にあり、量産にも適している。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明に係る方法の実施要領を説明す
る図、第4図は同第1図におけるピストン部分を拡大し
て示す斜視説明図である。 1……ピストン、2……ピストンリングの素材、3・4
……上部成形型、5……下部成形型、6……押し棒、8
・9・10……型部、11……ピストンのリング溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 清介 愛知県名古屋市名東区猪高町猪子石栂廻間 34―104 公務員住宅3―301 (72)発明者 加藤 英純 静岡県浜松市楊子町476―1 フアミール 楊子 (72)発明者 大西 宏司 大阪府大阪市東住吉区南田辺3丁目4番16 号 (72)発明者 戸松 浩 大阪府堺市長曾根町687番地 審査官 藤井 俊明 (56)参考文献 実開 昭59−35664(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温で正方晶を含む部分安定化ジルコニア
    であって、その微細結晶粒を含有する多結晶体を用い、
    これを所定形状に焼結後、温度1200℃〜1600℃、変形速
    度10mm/sec以下で、ピストン周囲に巻き付けることを特
    徴とするセラミックリング付ピストンの製造方法。
JP60199222A 1985-09-09 1985-09-09 セラミックリング付ピストンの製造方法 Expired - Lifetime JPH0723747B2 (ja)

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JPH04318260A (ja) * 1991-04-16 1992-11-09 Mitsubishi Motors Corp 油冷式多気筒エンジン
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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