JPH07236895A - トリクレンの分解方法 - Google Patents

トリクレンの分解方法

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JPH07236895A
JPH07236895A JP3061494A JP3061494A JPH07236895A JP H07236895 A JPH07236895 A JP H07236895A JP 3061494 A JP3061494 A JP 3061494A JP 3061494 A JP3061494 A JP 3061494A JP H07236895 A JPH07236895 A JP H07236895A
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JP
Japan
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trichlene
bacteria
pseudomonas
toluene
culture medium
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Pending
Application number
JP3061494A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Kawakami
泰 川上
Atsushi Kitayama
篤 喜多山
Eiji Suzuki
栄二 鈴木
Junichi Koizumi
淳一 小泉
Haruhiko Morita
晴彦 森田
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SANGYO SOUZOU KENKYUSHO
Original Assignee
SANGYO SOUZOU KENKYUSHO
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率的で経済的なトリクレンの分解方法を提
供することを目的とする。 【構成】 トリクレンを含有する培地で、トリクレン分
解能力を有するシュードモナス、アエルギノサJI10
4を好気的に培養して、培地中のトリクレンを分解す
る。トリクレンを分解する酵素群を合成するためにトル
エン等の芳香族炭化水素を培地に添加する。シュードモ
ナス、アエルギノサJI104は、トリクレン分解速度
が速い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、微生物によるトリク
レンの分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トリクレン(トリクロロエチレン)は揮
発性の塩素化化合物であり、溶媒や脱脂剤として使用で
きるため、広く工業的に用いられている。しかしなが
ら、トリクレンは発癌性を有すると考えられているた
め、廃水等によるトリクレンの土壌や地下水への汚染が
問題となっている。廃水中のトリクレンもしくは低沸点
有機塩素系溶剤を処理するための技術はこれまであまり
検討されたことがなく、僅かに高沸点の炭化水素を用い
てトリクレンを抽出して除去する方法がある程度であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】トリクレンを除去する
方法はあまり検討されてなく、かつ従来のトリクレンを
除去する方法はコストが高く経済的でないなどの問題点
があった。この発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、効率的で経済的なトリクレンの分
解方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るト
リクレンの分解方法は、トリクレンに作用してトリクレ
ンを分解する能力(トリクレン分解能力)を有する微生
物を、トリクレンを含有する培地で、好気的に培養する
ようにしたものである。
【0005】請求項2の発明に係るトリクレンの分解方
法は、請求項1記載の方法で用いる微生物としてシュー
ドモナス、アエルギノサJI104(生命工学工業技術
研究所寄託第12180号)を用いたものである。
【0006】本発明で用いる微生物は、土壌からスクリ
ーニングして得られたものであり、トリクレン分解能力
を有する微生物であれば特に限定されないが、例えば好
適な微生物としてシュードモナス、アエルギノサJI1
04が挙げられる。本発明で使用する培地は、炭素源と
してはぶどう糖等が、窒素源としてはアンモニウム塩,
硝酸塩等が用いられる。無機塩類としては、例えば、食
塩,燐酸塩,カルシウム塩,鉄,マグネシウム塩などの
金属塩類が適宜用いられる。培地に含まれるトリクレン
の濃度は約10mg/l程度が好ましい。本発明におい
てシュードモナス属の微生物を用いてトリクレンを分解
する際には、これらの微生物の前培養でベンゼン,トル
エンもしくはキシレンをトリクレン分解酵素群の誘導の
ため加える。培養は、通常約30℃前後の温度で震とう
又はエアレーション等の好気的条件下で約10時間〜1
週間行う。
【0007】
【作用】請求項1の発明におけるトリクレンの分解方法
は、トリクレン分解能力を有する微生物をトリクレンを
含有する培地で好気的に培養するので、微生物がトリク
レンを分解することが可能になる。
【0008】請求項2の発明におけるトリクレンの分解
方法は、トリクレン分解能力を有するシュードモナス、
アエルギノサJI104をトリクレンを含有する培地で
好気的に培養するので、シュードモナス、アエルギノサ
JI104がトリクレンを分解することが可能になる。
【0009】
【実施例】
(シュードモナス、アエルギノサJI104の同定)本
発明で用いる微生物のJI104株は本発明者らが日本
各地より採取した多種類の土壌からのスクリーニングに
より見出だした。その菌学的性質を表1〜表3に示す。
【0010】
【表1】
【表2】
【表3】
【0011】表1〜表3に示される菌学的性質からこの
JI104株はシュードモナス属アエルギノサ種に属す
るものと同定された。このJI104株は生命工学工業
技術研究所に第12180号として寄託されている。な
お、この微生物はトリクレンの他、ベンセン,トルエ
ン,キシレン,エチルベンゼンなどに作用してそれらを
分解できる。
【0012】実施例1.以下、この発明の一実施例を図
について説明する。シュードモナス、アエルギノサJI
104を、ぶどう糖を炭素源とした100mlのMSB
培地で、一夜前培養した後、増殖した菌体を遠心分離機
で集菌して、再びMSB培地に懸濁して濁度を1.0に
合わせた。この菌体懸濁液2mlを、ふっ素樹脂でコー
トしたゴム栓付きの内容積13.4mlの血液バイアル
に、分取し密閉して、これにトリクレンを20μg加え
て25℃で約24時間培養した。この培養期間におい
て、経時的に気相を採取して気相中のトリクレンの濃度
を測定した。ここで、トルエンの培地への添加の有無に
よるJI104のトリクレン分解能力への影響を調べる
ため、前培養と本培養の両方の培地にトルエンを最終濃
度2mMになるように加えた場合、前培養の培地にのみ
トルエンを最終濃度2mMになるように加えた場合、又
は前培養及び本培養の培地のいずれにもトルエンを加え
ない場合についてトリクレン分解能力を測定した。それ
ぞれの場合において、本培養でトリクレンを加えてい
る。
【0013】結果を図1に示す。図において、縦軸は分
解されずに残っていた残存トリクレンの割合を%で表
し、横軸は培養時間を分単位で表している。実線は前培
養と本培養の両方の培地にトルエンを加えた場合、点線
は前培養の培地のみにトルエンを加えた場合、○は前培
養及び本培養のいずれの培地にもトルエンを加えない場
合の結果を示す。前培養,本培養のいずれにもトルエン
を加えなかったものではトリクレンの分解は極めて遅
く、トルエンを加えて前培養し、本培養でトリクレンの
みを加えたものでは最初の分解速度は高いが、分解速度
は時間と共に低下した。前培養、本培養の両方にトルエ
ンを加え、本培養でトリクレンを加えたものでは、最初
4時間(240分)程度の無駄時間を経た後に急速な分
解が起こり、約10時間(600分)後には検出できな
くなった。このことよりJI104のトリクレン分解に
は、トルエンなどの芳香族炭化水素の添加が必要である
ことがわかる。また、前培養にトルエンを加えるだけで
なく、本培養でもトルエンを加えた方がトリクレンの分
解は良好であった。トリクレンの減少量は気液でトリク
レンが平衡状態であるとして計算した。
【0014】実施例2.トリクレンの分解能力それ自体
は既に他のシュードモナス属の菌株で幾つか報告されて
いる。JI104に加えて、そのうちの3株,シュード
モナス、メンドシナKR1,シュードモナス、セパシア
G4およびシュードモナス、プチダF1を用いてトリク
レンの分解実験を行った。実験条件は実施例1と同様
で、前培養、本培養共にトルエンを加えた。測定結果を
図2に示す。図において、縦軸は分解されずに残ってい
た残存トリクレンの割合を%で表し、横軸は培養時間を
分単位で表している。実線はJI104、○はシュード
モナス、セパシアG4、xはシュードモナス、メンドシ
ナKR1、点線はシュードモナス、プチダF1の結果を
示す。
【0015】図2から明らかなように、4種の微生物は
全てトリクレンを分解する。JI104では、トリクレ
ンは培養開始後4時間(240分)程の遅れの後急激に
減少し10時間(600分)後には検出できなくなって
いる。JI104が他の3株より分解速度が速く優れた
トリクレン分解能力があるのがわかる。これらのデータ
は培養の最適化を行っていない段階のことであるが、J
I104が最も優れた菌株であることがわかる。
【0016】また、シュードモナス、メンドシナKR
1,シュードモナス、セパシアG4およびシュードモナ
ス、プチダF1でも、トリクレン分解速度はいずれの株
においてもトルエンの同時添加の有無に大きく依存して
おり、トルエンが無いとトリクレンの分解は著しく遅く
なることがわかった。すなわち、これらの菌株でも、ト
リクレンの分解はトルエン,ベンゼン,キシレンなどの
芳香炭化水素の分解に係わる酵素群により行われている
ので、そのトルエン分解酵素発現のために、トリクレン
を分解する前にトルエン等を微量含んだ培地で培養して
誘導する必要がある。
【0017】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、トリクレン分解能力を有する微生物をトリクレンを
含有する培地で好気的に培養するので、経済的に微生物
がトリクレンを分解できる。
【0018】請求項2の発明によれば、トリクレン分解
能力を有するシュードモナス、アエルギノサJI104
をトリクレンを含有する培地で好気的に培養するので、
シュードモナス、アエルギノサJI104がトリクレン
を分解できる。さらに、シュードモナス、アエルギノサ
JI104は分解速度が速いため効率的にトリクレンを
分解できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の発明に用いられるシュードモナス、
アエルギノサJI104によるトリクレン分解測定結果
を示すグラフ図である。
【図2】請求項1の発明に用いられるトリクレン分解能
力を有する微生物によるトリクレン分解測定結果を示す
グラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:385) (72)発明者 森田 晴彦 東京都新宿区戸山1−20−1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリクレンを含有する培地で、トリクレ
    ン分解能力を有する微生物を好気的に培養することを特
    徴とするトリクレンの分解方法。
  2. 【請求項2】 前記微生物がシュードモナス、アエルギ
    ノサJI104であることを特徴とする請求項1記載の
    トリクレンの分解方法。
JP3061494A 1994-02-28 1994-02-28 トリクレンの分解方法 Pending JPH07236895A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100447506B1 (ko) * 2001-12-21 2004-09-08 동아엔바이로 주식회사 휘발성 유기염소 화합물 제거용 생물여과장치
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US6858417B2 (en) 1998-12-03 2005-02-22 Canon Kabushiki Kaisha Dna fragment carrying toluene monooxygenase, gene, recombinant plasmid, transformed microorganism, method for degrading chlorinated aliphatic hydrocarbon compounds and aromatic compounds, and method for environmental remediation
KR100447506B1 (ko) * 2001-12-21 2004-09-08 동아엔바이로 주식회사 휘발성 유기염소 화합물 제거용 생물여과장치

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